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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 不思議の国のアリス編

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Part7
184 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/20(火)01:24:43 ID:7rp
雪の女王「そんな風に私を煽って何が目的だい?」
アリス「別に、目的なんか無いさ。ただ…あんたはボクを攻撃しないんじゃなくて『攻撃できない』んじゃないの?今となってはさ」
アリス「あんたがどんなに強がろうと余裕気な表情を見せようと…それが虚勢だってこと、ボクは知ってるんだよ。あんたはもう限界のハズだ」
アリス「改心させる、なんて言ってるけどさ…あんたにはもうボクを改心させるどころか捕まえることも殺すことだってできない。違う?」
雪の女王「…確かに強い日差しに加えてこの熱気、私にとっては厳しい状況だという事は認めるよ」
雪の女王「でもそれは、君を改心させる事を諦める理由にはならない」
パキパキ…ザンザンザンッ!
アリス「…また氷の檻か。ボクに二度も同じ手は通用しないよ」ヒラリッ
雪の女王「ならば通用するまで打ち続けるまでだ。君を捕えるまで何度でも」ババッ パキパキパキ…ザンザンザンッ
アリス「…鬱陶しいな、無駄だっていうのが理解できないのか?目に見えて魔法の効力が落ちてるじゃないか」ヒラッ
アリス「まぁいいさ…何度でも何度でもボクを捕えようとするってあんたが言うなら、ボクはその前にあんたを殺すまでだ」カチカチッ
メラメラッ ボボゥッ!
アリス「あんたが何を口走ろうと喚こうと、ボクの方が有利だって事に変わりは無いんだ。さぁ…消し墨になる覚悟は出来てるな?雪の女王」
雪の女王「あいにくだがそんな覚悟していないな、私は雪の女王…多少力を奪われていようと子供一人捕まえるなど容易い」

185 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/20(火)01:28:10 ID:7rp
アリス「その虚勢がいつまで続くか見物だよ。それに容易いって言うんならさ…さっさと捕まえて見せなよ。まぁ無理だろうけど…さっ!」カチカチッ
ボボゥッ!!
雪の女王「実に厄介だな、その魔法具は…だが防げないわけじゃない」パキパキパキ…
アリス「そんな氷の盾が今更通用するわけないだろう。火打ち石よ、靴の魔力を喰ってその力を高めろ!」カツンカツンッ
ゴゴォ!メラメラッ!!
雪の女王「やはり分が悪いか。だが、防ぎきれないというなら、こうだ」ババッ
パキパキパキ…ザンザンッ
アリス「懲りずにあの氷の檻か…でも無駄だ、通用しないって言ったのに諦めが悪すぎるんじゃないか?雪の女王」カチカチ ボボゥッ!!
雪の女王「なんとでも言うといい……諦めるわけがないだろう」
雪の女王「私が、私がここで君の改心を諦めたら…君はどうなる?」
アリス「どうなるって…決まってる、ボクは仲間達と共に願いを叶える事が出来るんだ。そして僕たちはようやく幸福になれる、ただそれだけさ」
雪の女王「いいや…幸福になんかなれない。そんな風に無理やりかなえた夢は…長くは続かない。どこかで綻びが生まれる」
アリス「ボクはそうは思わないな、犠牲が出ようがなんだろうが夢を叶える事が出来たらボク達は幸せ、僕達の勝ちだ。手段なんかどうだっていいのさ」
雪の女王「いいや、違う。そんな考えは間違っている」
雪の女王「誰かを犠牲にしてなりふり構わず手に入れた夢なんか、雪の結晶よりも脆いものだ。結局は幸せになんかなれない」

186 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/20(火)01:30:18 ID:7rp
アリス「雪の女王…あんたは今更そんな言葉でボクを止められるとでも思っているのか?」
雪の女王「止められるとは思っていないさ、でも私の言葉を聞いてほしいとは思う」
雪の女王「君が私を殺し、キモオタと仲間達を退けて…望みをかなえたと仮定しよう。君や仲間達の心は満たされる、それは確かに幸せかもしれない」
雪の女王「だが…君が重ねてきた数々の罪は消えることなく君ののしかかる。それはいつの日か、必ず君を苦しめる」
アリス「バカバカしい、ボクが将来的に後悔するとでも?」
雪の女王「するさ。それになりふり構わず手に入れたモノは、他人のなりふり構わぬ行動で容易く奪われたり壊される」
雪の女王「結局、最後に残るのは後悔と苦しみだけだ」
アリス「……」
雪の女王「だから…わたしはあきらめない、私がここで諦めれば君はいつか必ず苦しむ日が来る。私が諦めるという事は、君を見捨てることを意味する」
雪の女王「子供は過ちを犯すものだ、それは仕方ない事ともいえる。だからこそ周囲の大人がその過ちを正す必要があるんだ、その子の将来の為に」
雪の女王「全ての大人は子供を幸せに導く義務がある。過ちを犯した子供を憎むのではなく、正しい道へ導く事、それが大切だと私は考える」
雪の女王「そして…アリスの過ちを正し幸せへと導けるのは、今一番近くに居る私だ。だから私は…諦めない」
雪の女王「全ての子供を幸せにすると…私は、誓ったからな。だから私は…君を見捨てない」

187 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/20(火)01:35:46 ID:7rp
アリス「あんたは実に優しい魔女なんだな、今の言葉を聞いて改めてそう思う」
アリス「でもね女王、ボクに言わせれば…あんたは甘いよ、甘すぎる」
雪の女王「確かに君の行動を考えれば救いの手を差し出す私の行動は甘く見えるかもしれない。でも罪を憎んで人を憎まずだよ、アリス」
アリス「甘い、甘いな。あんたの主張は道理が通ってるように聞こえるけどさ、結局それは『幸せな世界』での主張だ」
アリス「ヘンゼルとグレーテル、千代やカイと平和な生活を送っているあんただからこそあんなことが言えるんだ、平和ボケした奴の幻想だよ」
雪の女王「そんなことはない、私は…」
アリス「本当につらい日々を送ってきた奴に、そんな綺麗事は通用しないんだよ女王」
アリス「辛くて辛くて、願いを叶えることに必死の奴をあんたは知らない。結局、幸せな生活を送ってきたあんたが何を言おうと…綺麗事でしかない」
雪の女王「アリス…!」
アリス「もういいだろう、あんたの主張は十分聞いてやった。もう、これ以上は本当に話す事が無い」カチカチッ
ゴゴゴゴゴッ
雪の女王「……っ!なんて…火力だ!」
アリス「流石にこれは防げないだろう、正真正銘ボクの全力だ」ビュッ
雪の女王「クッ、出来る限りの高出力で氷柱を出して防ぐしか……!」ババッ
シーン……
雪の女王「……!」
雪の女王(氷結魔法が…発動しない……!?)
アリス「体力と魔力が奪われていくこの状況で長々と講釈をたれるからだよ。随分と手間取ってしまったが……さよならだ、雪の女王」
ドゴシャアアァァァ

188 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/20(火)01:42:29 ID:7rp
今日はここまでです。が、ちょっと新しい試みに挑戦!
明日も短めだけど更新予定ですよー!


189 :名無しさん@おーぷん :2016/12/20(火)01:59:00 ID:DRl
乙です!!

190 :名無しさん@おーぷん :2016/12/20(火)02:16:09 ID:tVP
女王様ああああぁああ!!!!
たくさんアイスノンもっていって援助してあげたい
とても無意味だろうけどああぁあぁ!!
イッチおつです!

193 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/21(水)01:26:34 ID:rPH
ドゴシャアアァァ
雪の女王「……っ!……ぐあぁっ!」ズシャッ
メラメラメラ…!!
アリス「……ボクが言うのもなんだが、この【カチカチ山】の火打石は恐ろしい魔法具だ」
アリス「火炎を生み出して操るというシンプルな魔法具だが、数分前まで雪原だったこの場所をすっかり火の海に変えてしまった」
アリス「いくら魔力を喰わせて強化したとはいえ…凄まじい火力だ。ボクが持つ数多くの魔法具の中でも群を抜くレベルだよ、火力に関してはね」
ザッ
アリス「だからあんたを確実に殺せたと思っていたんだけどね、まだ息があるとは驚きだ。流石は雪の女王、その名は伊達じゃないってことか」
雪の女王「アリス……っ」ゼェゼェ
アリス「さぁ、どうする?無様な事にあんたはもう虫の息…そのうえ熱気にあてられて氷結魔法を使う事も叶わない」
アリス「今のあんたは『雪の女王』どころか魔女とも呼べない、ただの女だ。それでもボクを改心させるだなんてのたまうか?」
雪の女王「……決まっているじゃあないか、そんな事は」ゼェゼェ
アリス「そうだよね、流石のあんたも不死じゃない、命は大事だ。ボクを改心させるなんて幻想、当然諦めt」
雪の女王「……言ったはずだ。私は諦めないとな」ゼェゼェ
アリス「……正気?強がるのはいいけどさ、死ぬよ?」ギロッ
雪の女王「死ぬのは…困るな。私が死ねば悲しむ人間が少なくとも四人は居る、それも一番悲しませたくない子供たちがな。彼らが悲しむ…それは嫌だな、私は」ゼェゼェ
雪の女王「だがなアリス…私にとっては君を見捨てるという事も同じくらいに嫌な事なんだよ。確かに君は許されざる罪を重ねてきたが…」
雪の女王「だからと言って見捨てては『全て』の子供たちが幸せでいられる世界を、私は…私達は作る事が出来ない」

194 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/21(水)01:30:31 ID:rPH
アリス「その言葉は遺言として受け取っておくよ、雪の女王」カチャッ
雪の女王「……」ゼェゼェ
アリス「あんたを殺せばボクを止められる者はもういない、夢を叶える上での障害は何一つなくなるんだ。あんたが死ねば、あんたが望んだ改心とやらも…絶対に不可能だ」
雪の女王「……それはどうかな。君を改心させられるかもしれない人間を…君を救う事が出来るかもしれない人間を一人、私は知っている」
アリス「……」
雪の女王「少々頼りなさはあるが…彼は誰よりも優しい心を持っている。きっと君の事も…倒すのではなく改心させたいと思っているはずだ。彼ならばーー」
アリス「黙れ。それ以上口を開く事は許さない」
アリス「私は決して考えを変えない、想いを曲げない!誰かに何か言われた程度で…ルイスや仲間達との絆を捨てたりはしない!」
アリス「最後まで鬱陶しい女だったが…今度こそ終わりだ。火炎に抱かれて死ね…!雪の女王…!!」カチカチッ
メラメラッ ボボウッ!!
雪の女王「……っ」クッ
雪の女王(……ヘンゼル、グレーテル、カイ、千代…すまない、私はどうやら…ここまでのようだ)
雪の女王(アナスン…私達の願い、叶える事が出来なかった。…すまない)
ゴゴウッ メラメラメラーッ
「ぶひいいいいいいぃぃぃぃぃっ!!雪の女王殿おおおぉぉぉ!!助太刀いたしますぞおおおぉぉぉぉ!!!」

195 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/21(水)01:34:46 ID:rPH
雪の女王「この声は…キモオタか!」
アリス「……」ギロッ
カイ「チッ…!あいつ何してやがんだ…ボロボロじゃねぇかクソッ…おい!もっとスピード出せ豚ァ!」
ティンカーベル「落ち着いてよカイ!今はとにかく消火!早く火消さないと女王がヤバイよ!」
キモオタ「とはいえあのレベルの炎を消せるほどの水は無いでござる…!ならばここは…かき消すしか方法は無いでござろう!」フリフリ バババッ
おはなしサイリウム『コード認識完了『孫悟空』 武器モード『如意棒』への形状変化を実行』
キモオタ「ぶひいいぃ!悟空殿の如意棒で…燃え盛る火炎ごと吹き飛ばして見せますぞぉぉ!」
ビュンビュンビュン ブオオォッ
ティンカーベル「やった!とりあえずあの炎は打ち消せたよ!」
キモオタ「ぶっひぃ〜……間一髪でござった…!」
アリス「もう一歩ってところで出てくるなんてね。タイミングが良すぎて腹が立つよ、キモオタ」
キモオタ「…久しいでござるな、アリス殿」
ティンカーベル「女王の大切なこの世界をこんなに滅茶苦茶にして…私絶対に許さないからね!」
アリス「許さないならどうするっていうんだ?ボクとやる気だって言うならどこからでもかかってきなよ」
アリス「ボクにとっちゃその方が好都合だ、お前たちもそろそろ始末してしまいたいしね」

202 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/12/23(金)06:10:40 ID:qlC
昨日今日と更新できなくて待っててくれた人には本当に申し訳ない
重要な場面だから間隔開けず進めたかったけど年末の急な仕事に妨害されてる、今日も仕事入ったでござる(白目)
遅くても日曜日更新は出来ると思うし時間を見つけて進めるんでご勘弁を…

208 :名無しさん@おーぷん :2016/12/31(土)21:05:40 ID:jk0
イッチもキモオタも赤ずきんも裸王も桃太郎もえーと以下略
皆よいお年をー
また来年!

209 :名無しさん@おーぷん :2016/12/31(土)21:30:20 ID:Y7d
よいお年をー

211 :名無しさん@おーぷん :2017/01/01(日)11:32:12 ID:0ss
あけましておめでとうございます!1さんにとって良い一年になりますように!

212 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/02(月)00:46:22 ID:7di
あけましておめでとう!
年末は忙しくてなかなか更新できなかったけどこれからはまた更新していくから今年もお付き合いを!
今回はリクエストにあった番外編のみ
本編も正月休み中に更新しまーす

213 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/02(月)00:50:58 ID:7di
桃太郎「赤鬼よ、頼まれていた臼と杵はこの辺りに置けば良いか?」ゴトッ
赤鬼「おう、ごくろうさん。そこで大丈夫だ。そんじゃあ、もち米も蒸しあがったしそろそろ始めるか!」ホカホカ
桃太郎「うむ。時に赤鬼、出来あがったモチを拙者の家来と両親にもいくつか分けて欲しいのだが構わぬか?」
赤鬼「もちろんいいぞ!西洋のおとぎ話の連中にも配ろうと思って多めに蒸してるからな。モチなんざ珍しいだろうから喜んでくれるだろうな!」
赤ずきん「で……一体、何が始まるのかしら?」
赤鬼「赤ずきんは初めてか。こいつはもちつきと言ってな、今からあの臼と杵でもち米をついてモチを作ろうってわけだ」
桃太郎「もちつきは我々の故郷である日ノ本では正月の風物詩、今回せっかくだから一緒に作ろうと赤鬼が声を掛けてくれたのだ」
赤ずきん「そうなのね、作るところを見るのは初めてだけれどおモチは【わらしべ長者】の世界で食べた事があるわ、独特の触感がして私は好きよ」
桃太郎「ならば今日は楽しみにしておく事だ、つきたてのモチというのは格別に美味だからな」
赤鬼「そうだな!今回はきなこに砂糖醤油、海苔やあんこも用意したから色々と試してみると良いぞ!」
赤ずきん「あら、それは楽しみね」ウフフ
赤鬼「そんじゃあ早速始めるとするか!まずはオイラがモチをついていくから桃太郎は合いの手をいれてモチをこねてくれ。赤ずきんは完成したモチを小さくちぎって丸めてくれるか?」
桃太郎「うむ、任せよ」
赤ずきん「えぇ、それくらいの手伝いなら私にもできそうね」
赤鬼「よぉし、そんじゃあいくぞぉー!」
鬼神『……』ゴゴゴゴゴ

214 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/02(月)00:54:10 ID:7di
・・・
赤鬼「よいしょー!」ペターン
桃太郎「うむっ」コネッ
赤鬼「よいしょー!」ペターン
桃太郎「うむっ。……そろそろいいのではないか?」コネッ
赤鬼「おう、こんなもんだな!それじゃあこれをちぎって丸めて…そっちに並べてくれるか。熱いから気をつけてな」ドサッ
赤ずきん「えぇ、任せなさい。それにしても確かにつきたてのおモチは柔らかくてもちもちでおいしそうね」マルメマルメ
赤鬼「そうだろうそうだろう!あらかたつけたら休憩がてらオイラ達も食べるとしよう。さぁ、次のモチをつこうか桃太郎」
桃太郎「うむ、既に次のもち米は準備万端だ。いつでも始められるぞ」
赤鬼「よぉし、そんじゃあ早速第二弾をつき始めて…」
鬼神『ヌルい、ヌルいわ青二才が…!口を出すつもりはなかったが、誇り高き種族である鬼でありながらこのような軟弱な有様…無様過ぎて見ておれん』
赤鬼「なんだよいきなり…オイラのもちつきに何かおかしい所があるってのか?」
鬼神『フン、当然だ。どれ…この鬼神がもちつきのなんたるかを見せてやる、その身体をしばし貸せ』
赤鬼「いや、お前……貸せねぇってそんな理由で。そんなことしてお前に身体乗っ取られちまったら大変っていうか馬鹿みてぇだろ…」
鬼神『チッ…ならば誓ってやる、今回は必ず貴様に身体を返す。これならば構わんだろう、我にもちつきをさせろ』
赤鬼「……なぁ、お前もしかしてただもちつきがしたいだけなんじゃn」
鬼神『ゴチャゴチャと喧しい青二才め!もたもたしていてはもち米が冷めてしまうだろう!こうなれば力づくでも貴様の身体を借り受ける!』ゴゴゴゴゴ

215 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/02(月)00:57:44 ID:7di
桃太郎「なぁ、赤ずきん…赤鬼がなんかいきなり独り言始めたぞ…大丈夫なのかあれ?」
赤ずきん「あれは独り言じゃあないわよ。まぁ…大丈夫かと言えば微妙なところだけれど」
桃太郎「えっ?それってどういう事なn」
ゴゴゴゴゴ
鬼神赤鬼『ウオオオオオォォォォォ!!どうやら上手く事は運んだようだ、しかし外に出るのは久方ぶりだな』
赤ずきん「鬼神…!戦いの最中でもないのにどうしてあなたが…!」バッ
桃太郎「うぇぇっ!?なんか赤鬼雰囲気変わってない?っていうか肌の色も変わってるし何アレ!?ナニアレ!?」ワタワタ
赤ずきん「……もしかして、あなた桃太郎に何か危害を加えるつもり?あなた達からすれば桃太郎は同族を倒した宿敵ですものね、殺したいほど憎んでいるのでしょう?」
桃太郎「ちょ、ちょっと待って!?なんか今拙者の命がヤバイみたいな話してない!?」
鬼神赤鬼『鬼殺しの侍の抹殺か、それも悪くは無い。だが小娘今回だけは安心させてやる。我はこの不甲斐ない青二才に真のもちつきを見せるために身体を借り受けた』
赤ずきん「……信じられないわ、何を企んでいるの?」
鬼神赤鬼『何も企んでなどいないが、人間である貴様の信用を得ようとも思わん。我は自身の目的を遂行するのみ、おい鬼殺しの…杵を寄こせ』
桃太郎「あ、あのっ…杵渡すのはいいんですけど、本当にもちつきの為ですよね?渡したとたんに襲いかかってくるとか…ないですよね?ハハハ…」
鬼神赤鬼『望むというのなら貴様の頭を杵で叩き潰しても我は構わんのだぞ…?』ギロリ
桃太郎「ひえっ!望んでないです!すいませんでした!」ドゲザー

216 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/02(月)01:00:43 ID:7di
鬼神赤鬼『ならば始めるとするか。時間も無い』ググッ
桃太郎「な、なぁ赤ずきん…あれが話に聞く赤鬼の中に住んでるって言う凶悪な鬼なんでしょ?なんでもちつきしに出てきてんの…?」
赤ずきん「知らないわよ。でもあいつは亡くなった鬼の無念や恨みから生まれたっていうから、あいつを構成している思念の中にもちつき好きな鬼でも居たんじゃないかしら」
桃太郎「えー…なんなのその考察、真面目な奴?なんにしろ怖いから早く元の赤鬼に戻って欲しいんだけど…」
赤ずきん「あいつの気が済むか少し時間がたてば元に戻るでしょう。まぁ…どうやら今回は本当に悪さをするつもりが無いみたいだし、私はおモチを丸めながら待っている事にするわ」
桃太郎「えぇー!?いいのそれで!?そんな事言っている場合じゃないd」
鬼神赤鬼『鬼殺しの…貴様、なにをもたもたしている!素早く配置につけ』ギロ
桃太郎「は、配置って…?」
鬼神赤鬼『貴様はモチをこねる役目を任されているのだろうが…!』ギロリ
桃太郎「わ、わかりました!」
鬼神赤鬼「ならば開始だ。誇り高き鬼の真のもちつき、その目に刻むがいい!ウオオオォォォ……フゥン!!!!」ビュッ
ドパァァァン!!!ドパァァン!!ドッパァァァン!!
桃太郎「熱っ!ちょ、全部飛び散ってる飛び散ってる!」ビチャー
赤ずきん「……」ベッター

217 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/02(月)01:02:49 ID:7di
鬼神赤鬼『鬼殺しの…貴様なぜ合いの手をいれんのだ。まさかとは思うが…貴様ももちつきをなめているのではないだろうな?』ギロリ
桃太郎「い、いやいや!なめてませんよ!でもそんな凄い勢いでつかれたらこねるの無理ですって!怖いですって!」
赤ずきん「少しでもタイミングがずれたら死んでしまうわね…」
桃太郎「ひえっ…!もちつきに命なんか掛けられませんって!だからもう諦めてくだs」
鬼神赤鬼『そうか、モチをこねられぬ貴様に用は無い。臼の中に頭を突っ込め、鬼殺しの。モチをこねるか死ぬか、二つに一つだ。選べ』
桃太郎「も、モチをこねさせていただきます!」
鬼神赤鬼『懸命だ。ならば新たなもち米を入れて……再開だ。先ほどは力が入り過ぎていたようだ、ならば…フンッ!』ドパァン!!
桃太郎「ひいいいぃぃぃっ!」コネッ
鬼神赤鬼『ぜぇい!』ドパァン!!
桃太郎『うわあぁぁぁ!!赤ずきん!マジ助けて!これいずれ死ぬって拙者!』
人魚姫の声『おモチって初めて見たけど美味しそうだねー!あーっ、でも今は何も食べられないからなーあたし、ちょーっと悔しいんですけどー?』
赤ずきん「そうぼやかないの。あとで魔法使いのところにも持っていくでしょうから、何か方法が無いか聞いてあげるわよ」マルメマルメ
人魚姫の声『マジッ!?サンキュー!魔法でなんとかしてくれっかなー、楽しみー』ワクワク 
桃太郎「ちょ、拙者の事心配して赤ずきんー!」
鬼神赤鬼『何を余所見している…!命が惜しいのならば、モチだけを見ていろ…!』ドパァン!!
桃太郎「うわぁぁぁ!!!もういやだぁぁぁぁ!!!」コネッ


222 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/01/05(木)00:41:31 ID:vL8
ティンカーベル「ふんだっ、そうやって調子に乗ってると良いよ!簡単にやられる私たちじゃないんだから!あんたの知らないところで私達はすんごい特訓してんだからね!」
アリス「知ってるさ、お前たちは数日前から雪の女王に稽古をつけてもらっているんだろう?こっちには筒抜けだ、そんな情報」
キモオタ「むむむっ…やはりバレバレでござったか…」
アリス「うちには優秀なスパイがいるからね。しかし女王には同情するよ、君たちみたいな出来そこないの相手をさせられるなんてね」
ティンカーベル「キィィーッ!あいつムカツク…!キモオタ!パワーアップした私達の力であいつを蹴散らそうよ!」プンスカ
キモオタ「落ち着くでござるよティンカーベル殿、挑発に応じると痛い目をみるというのは挑発使いの我々もよく知るところでござろう」
キモオタ「それに我々の行動が筒抜けになっている以上…特訓で得た新たな戦術や必殺の手の内、それらもバレバレの可能性アリでござる。迂闊に動くのは危険ですぞ!」
ティンカーベル「ぐぬぬ…そうかも…」
アリス「相変わらず冷静な豚だね。迂闊に突っ込んできたら返り討ちにしてやろうと思っていたんだけどね」
キモオタ「我々としてもお主に屈するわけにはいかぬのでwwwそりゃ慎重にもなりますぞwww」コポォ
アリス「冷静に分析しようが慎重に策を練ろうが、どっちにしろ君達に勝ち目はないけどね」
アリス「ボクが把握してるのは君達二人の行動だけじゃない。赤ずきん達が誰に特訓をつけてもらってるか、桃太郎がどんな受難にあってるか、ラプンツェルが新たな協力者を得ただとか、裸王やヘンゼルがどんな鍛錬を積んでるかとか…そういうことだって知ってる」
アリス「君達は手札をさらした状態でボクにトランプ勝負を挑んでいるようなものだ。絶対に勝ち目はない」

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