キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 不思議の国のアリス編
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736 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)01:44:17 ID:vpx
ハートの女王「そうはさせんぞガキ共!その小娘に魔法を使われると厄介なのでな!」
ハートの女王「白ウサギ!変貌を遂げたお前の力であの小娘を捕えるのだ、準備は整っているな!?」
白ウサギ「ぐぐぐ……グゴォォォォォッ!!」ギロリ
ヘンゼル「…随分と可愛げが無くなったね、ウサギというより禍々しい魔獣だ」
ハートの女王「ホッホッホッ!外見が醜悪になっただけではないぞ?この魔法薬は以前あの魔女が生み出した【力太郎】の魔法薬をベースにした特注品なのでな!」
ハートの女王「今や白ウサギの身体能力は何十倍にも跳ね上がっているのだ!その代償として自我を失ってはいるが、主人である私に逆らう事は無い!その様に作らせたからな!」
ヘンゼル「ふーん…。どうでもいいけどさ、そこまで変貌しちゃったら元に戻れるかどうか怪しいもんだね」
ハートの女王「そんな事は私には関係の無い事だ!それとも何か?貴様、魔獣と化した我が従者が恐ろしいのか?」ニヤリ
ヘンゼル「別に?僕を手伝ってくれている魔獣達の方がよっぽど恐ろしくて頼りになると思うし怖くは無いよ。少し、同情はするけどね」
ハートの女王「フンッ、虚勢を張っていられるのも今のうちだ。妹を守るために残ったようだが、お前はここで無駄死にするのだ!」
ハートの女王「貴様のような小僧に、我が従者は止められん!一方的に蹂躙してくれるわ!さぁ行け白ウサギ!」
白ウサギ「グルル…!ラヴィィィィィィッットォォォ!!」シュバッ!
737 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)01:47:41 ID:vpx
ヘンゼル(速い…!身体能力を向上させるって言う魔法具の一環なのか、身体も少し大きくなっているのにそれを感じさせない身軽さ…!)
ヘンゼル(そこはやっぱり元がウサギだからなのか、それとも脚力の強化で速度も向上しているのか…まぁどっちにしろ)
ヘンゼル「その程度の素早さだったら僕にだって止められる!妹の所には向かわせない!」バッ
ハートの女王「白ウサギ!速度を上げろ!小僧など蹴散らしてしまえ!!」
白ウサギ「グルルッ…バニィィィィィッ!!」バシュッ
ヘンゼル「なっ…!更に速度が上がった…!?」
司書「いけない…!ヘンゼル!避けて!」
グレーテル「お兄ちゃん……!」
小夜啼鳥「グレーテルさん、振り向いてはいけません!今は逃げましょう!」
白ウサギ「グルルゥゥ!!ガァァ!!」バシュッ
ドガッ
ヘンゼル「ぐっ…!」ドサッ
司書「ヘンゼル…!!」
グレーテル「……っ!」
ハートの女王「ホッホッホッ!良いぞ良いぞ!あの忌々しい小僧を刎ね飛ばしてやったぞ!凄まじい力だ白ウサギよ、その調子で小娘も食い殺してしまえ!」
739 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)01:53:23 ID:vpx
白ウサギ「バニイイイィィィィッ!!」バシュッ
小夜啼鳥「くっ、このままでは追いつかれてしまうのは時間の問題か……!」
グレーテル「……許さない」クルッ スッ
司書「グレーテル!駄目だよ、速くこっちに来て!」
小夜啼鳥「正気ですかグレーテルさん!?魔法が使えない今、あなたはただの少女に過ぎない!あの魔獣を相手にするなど無茶です!無謀です!」
グレーテル「勝てなくても無謀でも関係無いよ……今逃げてちゃ、私はお兄ちゃんの妹でいられない……」グッ
小夜啼鳥「そんなショルダーポーチでどうするというんです!?私にも桃太郎さんにも死者を蘇生する力は無いんです!速く逃げましょう!」
ハートの女王「ホッホッホッ!兄妹揃って力の違いも測れぬ愚か者共め!白ウサギ、望むままに相手をしてやれ!」
白ウサギ「ガルルゥッ…ヘヤアアァァァァ!!」バッ
グレーテル「……かかってくるといいよ」ブンブン
小夜啼鳥「あぁ…こんな時非力な自分が恨めしい!お千代さん!彼女をなんとかしてください!!」
司書「グレーテルったらこんな時にもう…!お願い、間に合って…!」ダダッ
ハートの女王「ホッホッホッ!遅いわ遅いわ!我が従者の速度に追いつけるものか!」
740 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)01:59:08 ID:vpx
ハートの女王「さぁ白ウサギよ!その小娘を噛み殺せ!!」
白ウサギ「ガァァ!!ラヴィィィィッッ!!」グアッ
グレーテル「……えいっ」ブンッ
白ウサギ「ガルッ…!!」バクッ
小夜啼鳥「あぁ…!ポーチを投げて怯ませるどころか食べられてしまいました!もうあなたには何一つ武器が無いんです!ここはもう諦めて逃げましょう!」
グレーテル「……うん、そうだね。あとは逃げるだけだね……」トテトテ
司書「……っ!」
ハートの女王「逃がすでないぞ白ウサギ!小僧の息の根を止めた今、残るは小娘と女のみ!殺してキモオタ共の戦意を削いでやるのだ!」
白ウサギ「グルルゥッ!バニィッ!」グアアアァ
ザッ
ヘンゼル「……あんたはあのおばさんに良いように使われてる可哀想な従者だ、なるべくなら攻撃したくは無かったけどさ」スッ
ドゴォ!!
白ウサギ「グゥゥッ…」ヨロッ
ヘンゼル「僕の妹に手を出すってなら……あんたも『かまど』だ」ギロリ
741 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)02:03:04 ID:vpx
司書「ヘンゼル…!良かった、無事だったんだね!」
ヘンゼル「全然無事じゃないんだけどね、きっと何本か骨やられてるし」
グレーテル「でもよかった……お兄ちゃん死んじゃったかと思った……」トテトテ
ヘンゼル「グレーテルを残して死なないよ。というか君だって僕の事とやかく言えない無茶してるじゃないか」
グレーテル「それはそれ……ひつようこうどうだよ……」
小夜啼鳥「お二人とも、兄妹喧嘩は後にしましょう。グレーテルさんはすぐに私と安全な場所へ、回復を急ぎましょう。そしてヘンゼル君、もう少し戦えますか…?」
ヘンゼル「戦えなくても戦うさ。僕はグレーテルのお兄ちゃんだからね」スッ
小夜啼鳥「頼もしい限りです。さぁグレーテルさん、こちらへ」
グレーテル「お兄ちゃん……白ウサギさん、私のポーチ食べてる……だから、ねっ?」トテトテ
ヘンゼル「……あぁ、わかった。効果があればいいけどね」
ハートの女王「何をごちゃごちゃと…白ウサギ!相手は手負いの小僧一人!早々に殺して後の二人も始末しろ!」
白ウサギ「ラビィィィィッ!!」グガァ
742 :名無しさん@おーぷん :2017/06/05(月)02:03:45 ID:UES
まさかスニッカーズか、、?笑
743 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)02:06:11 ID:vpx
白ウサギ「グルァァ!!」ブンッ
ヘンゼル「さっきは油断してただけ…なんて情けない事言いたくないけどさ、実際油断はしてたかもね。我ながら情けないよ」サッ
白ウサギ「バニィィィッ!!」ガブッ
ヘンゼル「でももう二度と妹を守れないなんてのはごめんだ。骨が折れようが肉が割かれようが、もうあんな思いはしたくない」スッ
白ウサギ「グルルゥ……!」バシュッ
ヘンゼル「いい加減、お兄ちゃんとして妹達に良い所を見せないとね」スタッ
ハートの女王「えぇい!何をやっておる!?ことごとく攻撃が避けられているではないか!」
ハートの女王「あの小僧は魔力は持っていてもそれを扱うだけの力量は無い!そんなただの小僧に何を手こずっておる!?」
白ウサギ「バニィ……」ズキズキ
ヘンゼル「あんたはもう少し従者の事見てあげたら?ギャーギャー喚いてるだけじゃなくてさ」
ハートの女王「やかましい!小僧風情が何を言うか!」
ヘンゼル「聞く耳持たないならそれでもいいけどさ、彼の片足はもうほとんど役に立たないはずだよ。魔力が込められた一撃を受けたからね」
ヘンゼル「まぁ、それをした張本人が言うなって話になっちゃうけどさ」
744 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)02:10:35 ID:vpx
ハートの女王「魔力の込められた一撃…?そんな物はデマカセだ!それをすればお前は腕一本使い物ならなくなると話は聞いているぞ!」
ヘンゼル「全力で殴ればね。でも威力を落とせば反動だって多少は抑えられる、多少はね。正直、痛いのは痛いよ」
ハートの女王「チィッ…白ウサギ!足を怪我していても攻撃には影響が無いだろう!手を抜かずに攻撃しろ!」
ヘンゼル「僕に特訓をしてくれてる時に裸王様が言っていたよ『どんなに筋肉を鍛えしものでも、足を痛めれば全身のバランスがとれなくなる』ってね」
ヘンゼル「片足使い物にならない状態じゃ、攻撃の威力だって落ちるさ」
ハートの女王「ぐぬぬ…姑息な真似を…!」
ヘンゼル「姑息なことだってするさ、妹を守るためならね。裸王さんは他にもいろいろと教えてくれたよ、何処の筋肉を使えなくすれば何が出来なくなるのか、とかさ」
ヘンゼル「姑息といいたければ言えばいい、正面からじゃ勝てない相手に小細工を使うのは当然だと僕は思ってるしね」
ハートの女王「ベラベラとやかましい小僧め…!白ウサギ!所詮は弱者の小細工だ、とにかく目の前のガキを殺すことに集中をしろ!」
白ウサギ「……」
ハートの女王「えぇい!何をボーッとしておる!私の声が聞こえんのか!?足の傷に耐えてでもそのガキを早急にーー」
白ウサギ「……っ」グラッ
ドシーンッ
ハートの女王「な、何が起きたというのだ!?白ウサギが突然…倒れただと!?」
745 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)02:11:46 ID:vpx
白ウサギ「……ウゥゥ」ブクブク
ハートの女王「あ、泡を吹いて倒れている…!?小僧ォ!!貴様、何をしたのだ!?そうか…目にも止まらぬ速さで立っていられない筋肉を攻撃したのだな!?」
ヘンゼル「出来ればいいけどね、怪我をしてても彼にそこまでの隙は無かったよ」
ハートの女王「なんだと…?えぇい、起きろ!起きぬか白ウサギ!!」
白ウサギ「」グッタリ
ハートの女王(完全に気を失っているだと…!一体何だ、何だというんだ!?)
ハートの女王「えぇい答えよ!白ウサギは魔法薬の力で凄まじい力と身体能力を得ていた、魔力が宿っていようとお前のたんなる攻撃などでこのように倒れるわけがなかろう!」
ヘンゼル「僕としては返事に困る質問だよ、結局また…僕は妹に助けられたってわけだよ」
ハートの女王「妹…小娘の仕業か!?」
グレーテル「そうだよ……私の仕業だよ……」
ハートの女王「馬鹿な…それこそ何故だ!?魔力が無ければ小娘は魔法を使えぬはずだろう!」
グレーテル「おばさんはもの覚えが悪いね……ついさっきの事なのに、もう忘れちゃったの……?私が、白ウサギさんになにをしたのか……」
ハートの女王「ふざけるな!貴様がした事などポーチを投げつけて怯ませようとして失敗した事くらい…。はっ、まさか貴様…!」
グレーテル「そうだよ……。あれはただ投げたんじゃなくて食べさせるために投げたの……」
746 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)02:15:54 ID:vpx
ハートの女王「そうか読めたぞ…毒薬だな!?鞄の中に毒薬を入れていて、それを悟られぬように鞄ごと食わせた!」
グレーテル「……」スッ
ハートの女王「図星のようだな!フンッ、種が割れてしまえばどうという事はない!同じ手は二度と食わん!」
司書「でも、どうやって戦うつもりですか?あなたにはもう兵隊も従者も居ないんですよ?」
ハートの女王「チィッ…おい白ウサギ!いつまで寝ている!!早急に目覚め、我を守れ!!」
白ウサギ「」グッタリ
ハートの女王「クッ…駄目か、使えぬ奴め!」
ヘンゼル「こうなったらもう逃げるしかないんじゃない?僕たちみたいな、庶民のガキ相手に尻尾を巻いてさ」
ハートの女王「えぇい、見くびるな!いざとなればお前達の様なガキなどねじ伏せられるわ!もう件の毒薬も無いのだ、何も恐れる事などありはせん!」
グレーテル「ねぇねぇお千代ちゃん……あれちょうだい……」
司書「うん、はいどうぞ。まだまだあるからね」ゴソッ スッ
ハートの女王「……小娘、まさかっ!」
グレーテル「残念でした…。白ウサギさんが食べた毒は、まだまだいっぱいあるよ……」ビリッ
747 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)02:21:35 ID:vpx
グレーテル「白ウサギさんはこれを食べて気を失っちゃった……兵士さん達は居ない……次は、誰の番かな……?」
ハートの女王「……っ!」
グレーテル「おばさんにも分けてあげよう……」トテトテ
ハートの女王「えぇい寄るな…!来るな、来るでない!」
ハートの女王(落ち着け、落ち着くのだ!チェシャ猫や青い鳥が得た情報に小娘が毒薬を所持しているなどという情報は無かった!)
ハートの女王(魔法の力で強化された白ウサギを短時間で気絶させるほど強力な毒薬。所持していれば必ずわかるはず、故に小娘が毒薬を持つなどありえん、ハッタリだ!)
ハートの女王(……。ハッタリ、本当にそうなのか?)
ハートの女王(魔法の事も、小僧の策も、戦えぬはずの女も…チェシャ猫どもから得た情報とは異なっているものばかりだった、この毒薬もそうなのではないか…?)
ハートの女王(そうだ、そうに違いない。考えてみればこの小娘はあの酔狂な魔女のお気に入り、護身の為に毒や魔法具を持たせていたとしてもおかしくは無い…!)
ハートの女王(つまり、あれは雪の女王から託された凶悪な毒の魔法具…!)
ハートの女王「ぐっ…しかたあるまい、屈辱的だが命には代えられん!ここは逃げt」クルッ
ザッ
ヘンゼル「僕の妹がおばさんに特別なものをごちそうしようって言うんだ、遠慮せずに食べてあげなよ?」
ヘンゼル「例えその結果、あんたが死ぬことになってもさ」
748 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)02:26:16 ID:vpx
グレーテル「そんなに遠慮しなくてもいいよ……一口食べただけで天国に行けるおいしさだよ……」トテトテ
ハートの女王「よ、寄せ…!えぇい、私を誰だと思っているのだ無礼者!」
ヘンゼル「僕達はあんたの配下でもこの国の国民でも無いからさ。それにあんたが恐れてる毒薬だけど、僕も持ってるんだ。ほら」ビリッ
ハートの女王「!?」
司書「もちろん私も持ってますよ?小夜啼鳥さんにも渡しておきますね」ビリッ
小夜啼鳥「おやおやフフフッ、これは美味しそうですねぇ。でもハートの女王は遠慮してるようなので、皆さんで食べさせてあげましょう」ピチチ
ハートの女王「馬鹿な!なぜこんなに…!あれほどの威力の魔法具を大量に生み出すなどありえん…!い、いや相手は雪の女王の……」ブツブツ
グレーテル「そんなことどうでもいいよ……さぁさぁ……おばさんも食べてよ……おいしいよ……」トテトテ
ヘンゼル「勧めておいて何だけど、食べてどうなっても知らないけどね…」ジリジリ
司書「さぁさぁ、遠慮なさらずに…」スタスタ
ハートの女王「〜〜〜っ!」ババッ
小夜啼鳥「あっ、逃げましたよ!追いましょう!」ピチチ
749 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)02:27:11 ID:vpx
タッタッタッ
ハートの女王「えぇい!これは逃走ではない!戦略的な撤退だ!故に、これは恥ではない!!」
ハートの女王「そもそもチェシャ猫どもの情報に不備があったのが悪いのだ!あのような強力な毒薬を持っていると知っていれば私は逃げる必要などなーー」
銀貨の魔獣「ガルウゥゥゥゥッ!!!」ゴアッ
ハートの女王「……っ!!そうか、先に進めぬようにこやつを拘束していたのだった……!こやつの横を抜けていくのは困難、いや不可能か…!」ザッ
グレーテル「まってよトランプおばさん……なんで逃げるの……?」
ヘンゼル「よっぽど食べたくないみたいだね、まぁ食べてああなった白ウサギを見たら仕方ないか…」
ハートの女王「く、来るな…!その毒薬を私に近づけるな!!私は、私は女王陛下だぞ!!ハートの女王だぞ!!」
グレーテル「知ってる…。そんな事より……さぁさぁ……どうぞどうぞ……」スッ
ヘンゼル「女王ともあろう者が遠慮なんかしないでよ、ほら」スッ
ハートの女王「ひっ…!」ドンッ
グレーテル「もう逃げられないよ……さぁめしあがれ……」グイグイ
ハートの女王「〜〜〜っっっ!!!」
ドサッ
750 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)02:29:18 ID:vpx
ヘンゼル「……完全に気を失ってるね。恐怖のあまり気を失うなんて、よっぽど恐ろしかったんだろうね」
小夜啼鳥「目を覚まさないうちに拘束しておきましょう。ロープか何か持ってますか?」
ヘンゼル「必要無いんじゃない?このタールの中にぶち込んどけば動けないでしょ」ドチャッ
司書「ちょ、ちょっとひどい気もするけどね。でもとりあえず動けはしないからいいか…」
グレーテル「それにしてもトランプおばさんはおバカさんだね……この毒薬、こんなに美味しいのにね」モグモグ
ヘンゼル「まぁ、毒薬じゃなくてスニッカーズだからね、そりゃおいしいよ」モグッ
司書「犬や猫、ウサギみたいな動物にとってはチョコレートは致命的な中毒を引き起こす猛毒だからね……それにグレーテルのポーチにはスニッカーズしか入ってないから」
ヘンゼル「あんなポーチ食べたらそりゃ失神もするよね、スニッカーズしか入ってないし」
グレーテル「しつれいな……トッポとかも入ってるから……あとブラックサンダーとチロルチョコと裸王様チョコ(カード付き)……」
ヘンゼル「同じことでしょ。白ウサギが中毒で倒れるのはまぁ当然だけど、ハートの女王をうまくだませてよかったよ」
小夜啼鳥「まぁあれは騙されますよ。従者に興味の無い彼女がウサギにとってチョコレートが猛毒だなんて知らないでしょうしね」
司書「今だから言えるけど、うまくいって本当に良かったよ。もしも気づかれていたら……」
ヘンゼル「気づかれてたとしても何もできないでしょ、トランプ兵も白ウサギも居ないんじゃそれこそただのおばさんなんだし。それよりも僕はもっと別の事が恐ろしいよ」
小夜啼鳥「別の事?なにかありましたか?」
ヘンゼル「いや……チョコを毒だなんてブラフを投げたり演技したりさ、大切な妹の戦闘スタイルが明らかにキモオタお兄さんのそれなんだけど……悪い影響受けててグレーテルの将来が怖い」
グレーテル「勝てたんだからいいんですぞ……こぽぉー」
ヘンゼル「頼むから口調真似するの本当にやめて」
751 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)02:31:06 ID:vpx
今日はここまでです 不思議の国のアリス編次回に続きます
キモオタ「グレーテル殿とは毎週プリキュアの感想を言い合う仲でござるからなwww」コポォ
グレーテル「キモオタお兄ちゃんはスニッカーズ買ってくれるから好きですぞ……こぽぉ」
ヘンゼル「……」
次回もお付き合いください!あとこのssはスニッカーズを応援しています!スニッカーズ美味しいよ(ダイマ)
752 :名無しさん@おーぷん :2017/06/05(月)02:48:01 ID:UH6
毎週本当に楽しみにしているので、グレーテルのプチキモオタっぷりにたまらなくなりました(* ´ ▽ ` *)有難うございます!
一緒にプリキュア観たいです……スイーツ……今期……
755 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/12(月)01:10:57 ID:Xwz
ヘングレお千代VSハートの女王戦 その後…
グレーテル「お千代ちゃん、どう……?トランプおばさん、何か持ってる……?」
司書「うーんと、ちょっと待ってね…。それにしても状況が状況とはいえ気を失っている相手の持ち物漁るなんて…。私悪いことしてるなぁ…」ゴソゴソ
グレーテル「気にしちゃ駄目…。普段はやっちゃいけない事だけど……今はきんきゅうじたいだから、誰も悪く言わないよ……」
司書「もしも魔法を打ち消せるような道具を持っていたら魔獣さんを助けられるし、白ウサギさんを元に戻すことだってできるかもしれないもんね…でもこれっきりね?」
グレーテル「そうだね…。でも、私はお兄ちゃんの怪我を早くなんとかしたいな……さっき白ウサギさんに渡してた薬草、もっと持ってないかな……?」
司書「えーっと……あっ、これかな?死神の薬草って言ってたから、きっとどんな怪我も病も治す【死神の名付け親】の薬草だね」スッ
グレーテル「やった……これでお兄ちゃんの怪我治せるね……」
司書「他には…特には持ってないかな。…ごめんなさい女王、少しだけ持ち物お借りしますね。それと暴言を吐いた事もごめんなさい」ペコッ
グレーテル「……トランプおばさんは気を失ってるから、謝ってもわかんないよ……?」
司書「私が謝っておきたいの。緊急事態だとしても勝手に持ち物を借りるなんて悪い事だし、それに……」
司書「理由があるとはいえ散々暴言も吐いちゃったしね。うぅ…さっきはつい熱くなっちゃったけど冷静に考えるととんでもなく失礼な事言っちゃってたな……反省しよう」ズーン
グレーテル「気にしなくて大丈夫だよ…。それにお千代ちゃんがおばさんを怒らせてくれたおかげで、兵士さん達をかまどするチャンスが出来たんだし……」
グレーテル「お千代ちゃんがチャンスを作って……お兄ちゃんの魔力と私の魔法で戦って……みんなが協力して手に入れた勝利だよ、きっと雪の女王様も褒めてくれるよ……」
司書「…うん、三人とも生きて乗り切れたんだからそれが一番だよね。女王様もカイも含めて、私たち家族は一人だって欠けちゃ駄目だもんね」
756 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/12(月)01:13:02 ID:Xwz
グレーテル「そうだよ……。でもね、白ウサギさんに勝てたのは三人だけの力じゃないよ……?」
司書「そうだよね、小夜啼鳥さんの事忘れちゃ駄目だよね。彼女がいてくれるからグレーテルも安心して魔法が使えt」
グレーテル「違うよ、小夜啼鳥さんも手伝ってくれたけど……。もっと大事な『勝利の鍵』を忘れてる……」
司書「勝利の鍵……?」
グレーテル「スニッカーズだよ……」
司書「……」
グレーテル「私がいっぱいスニッカーズを持ってなかったらきっと負けてたよ……。だから私が一日に食べていいスニッカーズの数を増やそうよ……たとえば一日に三本n」
司書「あっ、ヘンゼル!ほらグレーテル、ヘンゼル達戻ってきたよっ」
ヘンゼル「今、スニッカーズとか聞こえたけど……一体何の話してるの?」
司書「ううん、全然大したことじゃないの。気にしなくていいよ」
グレーテル「うー……大事な話なんだよ……。ちゃんと聞いて……私にとっては『しかつもんだい』なの……」ポコポコ
司書「また大袈裟な事を言って…むしろグレーテルはお菓子食べすぎなの!もう…あっ、でも丁度いい機会だからもう今後はお菓子を持ち歩くの禁止にしy」
グレーテル「……お兄ちゃん、私達……おばさんの荷物から薬草見つけたよ……これ使って怪我を治してね……」スッ
ヘンゼル(うまく話をそらしたな……)
ハートの女王「そうはさせんぞガキ共!その小娘に魔法を使われると厄介なのでな!」
ハートの女王「白ウサギ!変貌を遂げたお前の力であの小娘を捕えるのだ、準備は整っているな!?」
白ウサギ「ぐぐぐ……グゴォォォォォッ!!」ギロリ
ヘンゼル「…随分と可愛げが無くなったね、ウサギというより禍々しい魔獣だ」
ハートの女王「ホッホッホッ!外見が醜悪になっただけではないぞ?この魔法薬は以前あの魔女が生み出した【力太郎】の魔法薬をベースにした特注品なのでな!」
ハートの女王「今や白ウサギの身体能力は何十倍にも跳ね上がっているのだ!その代償として自我を失ってはいるが、主人である私に逆らう事は無い!その様に作らせたからな!」
ヘンゼル「ふーん…。どうでもいいけどさ、そこまで変貌しちゃったら元に戻れるかどうか怪しいもんだね」
ハートの女王「そんな事は私には関係の無い事だ!それとも何か?貴様、魔獣と化した我が従者が恐ろしいのか?」ニヤリ
ヘンゼル「別に?僕を手伝ってくれている魔獣達の方がよっぽど恐ろしくて頼りになると思うし怖くは無いよ。少し、同情はするけどね」
ハートの女王「フンッ、虚勢を張っていられるのも今のうちだ。妹を守るために残ったようだが、お前はここで無駄死にするのだ!」
ハートの女王「貴様のような小僧に、我が従者は止められん!一方的に蹂躙してくれるわ!さぁ行け白ウサギ!」
白ウサギ「グルル…!ラヴィィィィィィッットォォォ!!」シュバッ!
737 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)01:47:41 ID:vpx
ヘンゼル(速い…!身体能力を向上させるって言う魔法具の一環なのか、身体も少し大きくなっているのにそれを感じさせない身軽さ…!)
ヘンゼル(そこはやっぱり元がウサギだからなのか、それとも脚力の強化で速度も向上しているのか…まぁどっちにしろ)
ヘンゼル「その程度の素早さだったら僕にだって止められる!妹の所には向かわせない!」バッ
ハートの女王「白ウサギ!速度を上げろ!小僧など蹴散らしてしまえ!!」
白ウサギ「グルルッ…バニィィィィィッ!!」バシュッ
ヘンゼル「なっ…!更に速度が上がった…!?」
司書「いけない…!ヘンゼル!避けて!」
グレーテル「お兄ちゃん……!」
小夜啼鳥「グレーテルさん、振り向いてはいけません!今は逃げましょう!」
白ウサギ「グルルゥゥ!!ガァァ!!」バシュッ
ドガッ
ヘンゼル「ぐっ…!」ドサッ
司書「ヘンゼル…!!」
グレーテル「……っ!」
ハートの女王「ホッホッホッ!良いぞ良いぞ!あの忌々しい小僧を刎ね飛ばしてやったぞ!凄まじい力だ白ウサギよ、その調子で小娘も食い殺してしまえ!」
739 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)01:53:23 ID:vpx
白ウサギ「バニイイイィィィィッ!!」バシュッ
小夜啼鳥「くっ、このままでは追いつかれてしまうのは時間の問題か……!」
グレーテル「……許さない」クルッ スッ
司書「グレーテル!駄目だよ、速くこっちに来て!」
小夜啼鳥「正気ですかグレーテルさん!?魔法が使えない今、あなたはただの少女に過ぎない!あの魔獣を相手にするなど無茶です!無謀です!」
グレーテル「勝てなくても無謀でも関係無いよ……今逃げてちゃ、私はお兄ちゃんの妹でいられない……」グッ
小夜啼鳥「そんなショルダーポーチでどうするというんです!?私にも桃太郎さんにも死者を蘇生する力は無いんです!速く逃げましょう!」
ハートの女王「ホッホッホッ!兄妹揃って力の違いも測れぬ愚か者共め!白ウサギ、望むままに相手をしてやれ!」
白ウサギ「ガルルゥッ…ヘヤアアァァァァ!!」バッ
グレーテル「……かかってくるといいよ」ブンブン
小夜啼鳥「あぁ…こんな時非力な自分が恨めしい!お千代さん!彼女をなんとかしてください!!」
司書「グレーテルったらこんな時にもう…!お願い、間に合って…!」ダダッ
ハートの女王「ホッホッホッ!遅いわ遅いわ!我が従者の速度に追いつけるものか!」
740 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)01:59:08 ID:vpx
ハートの女王「さぁ白ウサギよ!その小娘を噛み殺せ!!」
白ウサギ「ガァァ!!ラヴィィィィッッ!!」グアッ
グレーテル「……えいっ」ブンッ
白ウサギ「ガルッ…!!」バクッ
小夜啼鳥「あぁ…!ポーチを投げて怯ませるどころか食べられてしまいました!もうあなたには何一つ武器が無いんです!ここはもう諦めて逃げましょう!」
グレーテル「……うん、そうだね。あとは逃げるだけだね……」トテトテ
司書「……っ!」
ハートの女王「逃がすでないぞ白ウサギ!小僧の息の根を止めた今、残るは小娘と女のみ!殺してキモオタ共の戦意を削いでやるのだ!」
白ウサギ「グルルゥッ!バニィッ!」グアアアァ
ザッ
ヘンゼル「……あんたはあのおばさんに良いように使われてる可哀想な従者だ、なるべくなら攻撃したくは無かったけどさ」スッ
ドゴォ!!
白ウサギ「グゥゥッ…」ヨロッ
ヘンゼル「僕の妹に手を出すってなら……あんたも『かまど』だ」ギロリ
741 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)02:03:04 ID:vpx
司書「ヘンゼル…!良かった、無事だったんだね!」
ヘンゼル「全然無事じゃないんだけどね、きっと何本か骨やられてるし」
グレーテル「でもよかった……お兄ちゃん死んじゃったかと思った……」トテトテ
ヘンゼル「グレーテルを残して死なないよ。というか君だって僕の事とやかく言えない無茶してるじゃないか」
グレーテル「それはそれ……ひつようこうどうだよ……」
小夜啼鳥「お二人とも、兄妹喧嘩は後にしましょう。グレーテルさんはすぐに私と安全な場所へ、回復を急ぎましょう。そしてヘンゼル君、もう少し戦えますか…?」
ヘンゼル「戦えなくても戦うさ。僕はグレーテルのお兄ちゃんだからね」スッ
小夜啼鳥「頼もしい限りです。さぁグレーテルさん、こちらへ」
グレーテル「お兄ちゃん……白ウサギさん、私のポーチ食べてる……だから、ねっ?」トテトテ
ヘンゼル「……あぁ、わかった。効果があればいいけどね」
ハートの女王「何をごちゃごちゃと…白ウサギ!相手は手負いの小僧一人!早々に殺して後の二人も始末しろ!」
白ウサギ「ラビィィィィッ!!」グガァ
まさかスニッカーズか、、?笑
743 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)02:06:11 ID:vpx
白ウサギ「グルァァ!!」ブンッ
ヘンゼル「さっきは油断してただけ…なんて情けない事言いたくないけどさ、実際油断はしてたかもね。我ながら情けないよ」サッ
白ウサギ「バニィィィッ!!」ガブッ
ヘンゼル「でももう二度と妹を守れないなんてのはごめんだ。骨が折れようが肉が割かれようが、もうあんな思いはしたくない」スッ
白ウサギ「グルルゥ……!」バシュッ
ヘンゼル「いい加減、お兄ちゃんとして妹達に良い所を見せないとね」スタッ
ハートの女王「えぇい!何をやっておる!?ことごとく攻撃が避けられているではないか!」
ハートの女王「あの小僧は魔力は持っていてもそれを扱うだけの力量は無い!そんなただの小僧に何を手こずっておる!?」
白ウサギ「バニィ……」ズキズキ
ヘンゼル「あんたはもう少し従者の事見てあげたら?ギャーギャー喚いてるだけじゃなくてさ」
ハートの女王「やかましい!小僧風情が何を言うか!」
ヘンゼル「聞く耳持たないならそれでもいいけどさ、彼の片足はもうほとんど役に立たないはずだよ。魔力が込められた一撃を受けたからね」
ヘンゼル「まぁ、それをした張本人が言うなって話になっちゃうけどさ」
744 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)02:10:35 ID:vpx
ハートの女王「魔力の込められた一撃…?そんな物はデマカセだ!それをすればお前は腕一本使い物ならなくなると話は聞いているぞ!」
ヘンゼル「全力で殴ればね。でも威力を落とせば反動だって多少は抑えられる、多少はね。正直、痛いのは痛いよ」
ハートの女王「チィッ…白ウサギ!足を怪我していても攻撃には影響が無いだろう!手を抜かずに攻撃しろ!」
ヘンゼル「僕に特訓をしてくれてる時に裸王様が言っていたよ『どんなに筋肉を鍛えしものでも、足を痛めれば全身のバランスがとれなくなる』ってね」
ヘンゼル「片足使い物にならない状態じゃ、攻撃の威力だって落ちるさ」
ハートの女王「ぐぬぬ…姑息な真似を…!」
ヘンゼル「姑息なことだってするさ、妹を守るためならね。裸王さんは他にもいろいろと教えてくれたよ、何処の筋肉を使えなくすれば何が出来なくなるのか、とかさ」
ヘンゼル「姑息といいたければ言えばいい、正面からじゃ勝てない相手に小細工を使うのは当然だと僕は思ってるしね」
ハートの女王「ベラベラとやかましい小僧め…!白ウサギ!所詮は弱者の小細工だ、とにかく目の前のガキを殺すことに集中をしろ!」
白ウサギ「……」
ハートの女王「えぇい!何をボーッとしておる!私の声が聞こえんのか!?足の傷に耐えてでもそのガキを早急にーー」
白ウサギ「……っ」グラッ
ドシーンッ
ハートの女王「な、何が起きたというのだ!?白ウサギが突然…倒れただと!?」
745 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)02:11:46 ID:vpx
白ウサギ「……ウゥゥ」ブクブク
ハートの女王「あ、泡を吹いて倒れている…!?小僧ォ!!貴様、何をしたのだ!?そうか…目にも止まらぬ速さで立っていられない筋肉を攻撃したのだな!?」
ヘンゼル「出来ればいいけどね、怪我をしてても彼にそこまでの隙は無かったよ」
ハートの女王「なんだと…?えぇい、起きろ!起きぬか白ウサギ!!」
白ウサギ「」グッタリ
ハートの女王(完全に気を失っているだと…!一体何だ、何だというんだ!?)
ハートの女王「えぇい答えよ!白ウサギは魔法薬の力で凄まじい力と身体能力を得ていた、魔力が宿っていようとお前のたんなる攻撃などでこのように倒れるわけがなかろう!」
ヘンゼル「僕としては返事に困る質問だよ、結局また…僕は妹に助けられたってわけだよ」
ハートの女王「妹…小娘の仕業か!?」
グレーテル「そうだよ……私の仕業だよ……」
ハートの女王「馬鹿な…それこそ何故だ!?魔力が無ければ小娘は魔法を使えぬはずだろう!」
グレーテル「おばさんはもの覚えが悪いね……ついさっきの事なのに、もう忘れちゃったの……?私が、白ウサギさんになにをしたのか……」
ハートの女王「ふざけるな!貴様がした事などポーチを投げつけて怯ませようとして失敗した事くらい…。はっ、まさか貴様…!」
グレーテル「そうだよ……。あれはただ投げたんじゃなくて食べさせるために投げたの……」
746 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)02:15:54 ID:vpx
ハートの女王「そうか読めたぞ…毒薬だな!?鞄の中に毒薬を入れていて、それを悟られぬように鞄ごと食わせた!」
グレーテル「……」スッ
ハートの女王「図星のようだな!フンッ、種が割れてしまえばどうという事はない!同じ手は二度と食わん!」
司書「でも、どうやって戦うつもりですか?あなたにはもう兵隊も従者も居ないんですよ?」
ハートの女王「チィッ…おい白ウサギ!いつまで寝ている!!早急に目覚め、我を守れ!!」
白ウサギ「」グッタリ
ハートの女王「クッ…駄目か、使えぬ奴め!」
ヘンゼル「こうなったらもう逃げるしかないんじゃない?僕たちみたいな、庶民のガキ相手に尻尾を巻いてさ」
ハートの女王「えぇい、見くびるな!いざとなればお前達の様なガキなどねじ伏せられるわ!もう件の毒薬も無いのだ、何も恐れる事などありはせん!」
グレーテル「ねぇねぇお千代ちゃん……あれちょうだい……」
司書「うん、はいどうぞ。まだまだあるからね」ゴソッ スッ
ハートの女王「……小娘、まさかっ!」
グレーテル「残念でした…。白ウサギさんが食べた毒は、まだまだいっぱいあるよ……」ビリッ
747 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)02:21:35 ID:vpx
グレーテル「白ウサギさんはこれを食べて気を失っちゃった……兵士さん達は居ない……次は、誰の番かな……?」
ハートの女王「……っ!」
グレーテル「おばさんにも分けてあげよう……」トテトテ
ハートの女王「えぇい寄るな…!来るな、来るでない!」
ハートの女王(落ち着け、落ち着くのだ!チェシャ猫や青い鳥が得た情報に小娘が毒薬を所持しているなどという情報は無かった!)
ハートの女王(魔法の力で強化された白ウサギを短時間で気絶させるほど強力な毒薬。所持していれば必ずわかるはず、故に小娘が毒薬を持つなどありえん、ハッタリだ!)
ハートの女王(……。ハッタリ、本当にそうなのか?)
ハートの女王(魔法の事も、小僧の策も、戦えぬはずの女も…チェシャ猫どもから得た情報とは異なっているものばかりだった、この毒薬もそうなのではないか…?)
ハートの女王(そうだ、そうに違いない。考えてみればこの小娘はあの酔狂な魔女のお気に入り、護身の為に毒や魔法具を持たせていたとしてもおかしくは無い…!)
ハートの女王(つまり、あれは雪の女王から託された凶悪な毒の魔法具…!)
ハートの女王「ぐっ…しかたあるまい、屈辱的だが命には代えられん!ここは逃げt」クルッ
ザッ
ヘンゼル「僕の妹がおばさんに特別なものをごちそうしようって言うんだ、遠慮せずに食べてあげなよ?」
ヘンゼル「例えその結果、あんたが死ぬことになってもさ」
748 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)02:26:16 ID:vpx
グレーテル「そんなに遠慮しなくてもいいよ……一口食べただけで天国に行けるおいしさだよ……」トテトテ
ハートの女王「よ、寄せ…!えぇい、私を誰だと思っているのだ無礼者!」
ヘンゼル「僕達はあんたの配下でもこの国の国民でも無いからさ。それにあんたが恐れてる毒薬だけど、僕も持ってるんだ。ほら」ビリッ
ハートの女王「!?」
司書「もちろん私も持ってますよ?小夜啼鳥さんにも渡しておきますね」ビリッ
小夜啼鳥「おやおやフフフッ、これは美味しそうですねぇ。でもハートの女王は遠慮してるようなので、皆さんで食べさせてあげましょう」ピチチ
ハートの女王「馬鹿な!なぜこんなに…!あれほどの威力の魔法具を大量に生み出すなどありえん…!い、いや相手は雪の女王の……」ブツブツ
グレーテル「そんなことどうでもいいよ……さぁさぁ……おばさんも食べてよ……おいしいよ……」トテトテ
ヘンゼル「勧めておいて何だけど、食べてどうなっても知らないけどね…」ジリジリ
司書「さぁさぁ、遠慮なさらずに…」スタスタ
ハートの女王「〜〜〜っ!」ババッ
小夜啼鳥「あっ、逃げましたよ!追いましょう!」ピチチ
749 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)02:27:11 ID:vpx
タッタッタッ
ハートの女王「えぇい!これは逃走ではない!戦略的な撤退だ!故に、これは恥ではない!!」
ハートの女王「そもそもチェシャ猫どもの情報に不備があったのが悪いのだ!あのような強力な毒薬を持っていると知っていれば私は逃げる必要などなーー」
銀貨の魔獣「ガルウゥゥゥゥッ!!!」ゴアッ
ハートの女王「……っ!!そうか、先に進めぬようにこやつを拘束していたのだった……!こやつの横を抜けていくのは困難、いや不可能か…!」ザッ
グレーテル「まってよトランプおばさん……なんで逃げるの……?」
ヘンゼル「よっぽど食べたくないみたいだね、まぁ食べてああなった白ウサギを見たら仕方ないか…」
ハートの女王「く、来るな…!その毒薬を私に近づけるな!!私は、私は女王陛下だぞ!!ハートの女王だぞ!!」
グレーテル「知ってる…。そんな事より……さぁさぁ……どうぞどうぞ……」スッ
ヘンゼル「女王ともあろう者が遠慮なんかしないでよ、ほら」スッ
ハートの女王「ひっ…!」ドンッ
グレーテル「もう逃げられないよ……さぁめしあがれ……」グイグイ
ハートの女王「〜〜〜っっっ!!!」
ドサッ
750 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)02:29:18 ID:vpx
ヘンゼル「……完全に気を失ってるね。恐怖のあまり気を失うなんて、よっぽど恐ろしかったんだろうね」
小夜啼鳥「目を覚まさないうちに拘束しておきましょう。ロープか何か持ってますか?」
ヘンゼル「必要無いんじゃない?このタールの中にぶち込んどけば動けないでしょ」ドチャッ
司書「ちょ、ちょっとひどい気もするけどね。でもとりあえず動けはしないからいいか…」
グレーテル「それにしてもトランプおばさんはおバカさんだね……この毒薬、こんなに美味しいのにね」モグモグ
ヘンゼル「まぁ、毒薬じゃなくてスニッカーズだからね、そりゃおいしいよ」モグッ
司書「犬や猫、ウサギみたいな動物にとってはチョコレートは致命的な中毒を引き起こす猛毒だからね……それにグレーテルのポーチにはスニッカーズしか入ってないから」
ヘンゼル「あんなポーチ食べたらそりゃ失神もするよね、スニッカーズしか入ってないし」
グレーテル「しつれいな……トッポとかも入ってるから……あとブラックサンダーとチロルチョコと裸王様チョコ(カード付き)……」
ヘンゼル「同じことでしょ。白ウサギが中毒で倒れるのはまぁ当然だけど、ハートの女王をうまくだませてよかったよ」
小夜啼鳥「まぁあれは騙されますよ。従者に興味の無い彼女がウサギにとってチョコレートが猛毒だなんて知らないでしょうしね」
司書「今だから言えるけど、うまくいって本当に良かったよ。もしも気づかれていたら……」
ヘンゼル「気づかれてたとしても何もできないでしょ、トランプ兵も白ウサギも居ないんじゃそれこそただのおばさんなんだし。それよりも僕はもっと別の事が恐ろしいよ」
小夜啼鳥「別の事?なにかありましたか?」
ヘンゼル「いや……チョコを毒だなんてブラフを投げたり演技したりさ、大切な妹の戦闘スタイルが明らかにキモオタお兄さんのそれなんだけど……悪い影響受けててグレーテルの将来が怖い」
グレーテル「勝てたんだからいいんですぞ……こぽぉー」
ヘンゼル「頼むから口調真似するの本当にやめて」
751 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/05(月)02:31:06 ID:vpx
今日はここまでです 不思議の国のアリス編次回に続きます
キモオタ「グレーテル殿とは毎週プリキュアの感想を言い合う仲でござるからなwww」コポォ
グレーテル「キモオタお兄ちゃんはスニッカーズ買ってくれるから好きですぞ……こぽぉ」
ヘンゼル「……」
次回もお付き合いください!あとこのssはスニッカーズを応援しています!スニッカーズ美味しいよ(ダイマ)
752 :名無しさん@おーぷん :2017/06/05(月)02:48:01 ID:UH6
毎週本当に楽しみにしているので、グレーテルのプチキモオタっぷりにたまらなくなりました(* ´ ▽ ` *)有難うございます!
一緒にプリキュア観たいです……スイーツ……今期……
755 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/12(月)01:10:57 ID:Xwz
ヘングレお千代VSハートの女王戦 その後…
グレーテル「お千代ちゃん、どう……?トランプおばさん、何か持ってる……?」
司書「うーんと、ちょっと待ってね…。それにしても状況が状況とはいえ気を失っている相手の持ち物漁るなんて…。私悪いことしてるなぁ…」ゴソゴソ
グレーテル「気にしちゃ駄目…。普段はやっちゃいけない事だけど……今はきんきゅうじたいだから、誰も悪く言わないよ……」
司書「もしも魔法を打ち消せるような道具を持っていたら魔獣さんを助けられるし、白ウサギさんを元に戻すことだってできるかもしれないもんね…でもこれっきりね?」
グレーテル「そうだね…。でも、私はお兄ちゃんの怪我を早くなんとかしたいな……さっき白ウサギさんに渡してた薬草、もっと持ってないかな……?」
司書「えーっと……あっ、これかな?死神の薬草って言ってたから、きっとどんな怪我も病も治す【死神の名付け親】の薬草だね」スッ
グレーテル「やった……これでお兄ちゃんの怪我治せるね……」
司書「他には…特には持ってないかな。…ごめんなさい女王、少しだけ持ち物お借りしますね。それと暴言を吐いた事もごめんなさい」ペコッ
グレーテル「……トランプおばさんは気を失ってるから、謝ってもわかんないよ……?」
司書「私が謝っておきたいの。緊急事態だとしても勝手に持ち物を借りるなんて悪い事だし、それに……」
司書「理由があるとはいえ散々暴言も吐いちゃったしね。うぅ…さっきはつい熱くなっちゃったけど冷静に考えるととんでもなく失礼な事言っちゃってたな……反省しよう」ズーン
グレーテル「気にしなくて大丈夫だよ…。それにお千代ちゃんがおばさんを怒らせてくれたおかげで、兵士さん達をかまどするチャンスが出来たんだし……」
グレーテル「お千代ちゃんがチャンスを作って……お兄ちゃんの魔力と私の魔法で戦って……みんなが協力して手に入れた勝利だよ、きっと雪の女王様も褒めてくれるよ……」
司書「…うん、三人とも生きて乗り切れたんだからそれが一番だよね。女王様もカイも含めて、私たち家族は一人だって欠けちゃ駄目だもんね」
756 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/06/12(月)01:13:02 ID:Xwz
グレーテル「そうだよ……。でもね、白ウサギさんに勝てたのは三人だけの力じゃないよ……?」
司書「そうだよね、小夜啼鳥さんの事忘れちゃ駄目だよね。彼女がいてくれるからグレーテルも安心して魔法が使えt」
グレーテル「違うよ、小夜啼鳥さんも手伝ってくれたけど……。もっと大事な『勝利の鍵』を忘れてる……」
司書「勝利の鍵……?」
グレーテル「スニッカーズだよ……」
司書「……」
グレーテル「私がいっぱいスニッカーズを持ってなかったらきっと負けてたよ……。だから私が一日に食べていいスニッカーズの数を増やそうよ……たとえば一日に三本n」
司書「あっ、ヘンゼル!ほらグレーテル、ヘンゼル達戻ってきたよっ」
ヘンゼル「今、スニッカーズとか聞こえたけど……一体何の話してるの?」
司書「ううん、全然大したことじゃないの。気にしなくていいよ」
グレーテル「うー……大事な話なんだよ……。ちゃんと聞いて……私にとっては『しかつもんだい』なの……」ポコポコ
司書「また大袈裟な事を言って…むしろグレーテルはお菓子食べすぎなの!もう…あっ、でも丁度いい機会だからもう今後はお菓子を持ち歩くの禁止にしy」
グレーテル「……お兄ちゃん、私達……おばさんの荷物から薬草見つけたよ……これ使って怪我を治してね……」スッ
ヘンゼル(うまく話をそらしたな……)
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 不思議の国のアリス編
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