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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 不思議の国のアリス編

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Part15
380 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/02/20(月)01:30:22 ID:oS8
シェヘラザード「アシェン…プテル…?」バッ
国王「随分と威勢が良いなアシェンプテルとやら。しかし武器一つ持たぬお前が私をどのように灰にするというのだ?」チャキッ
アシェンプテル「そんな物が無くても敵を始末する事は簡単だ、今の私ならな」
国王「フン、小娘が戯言を…」
国王(……とは言ったものの、おそらくこの言葉は虚勢でもハッタリでもあるまい)
国王(見るからに異国の者だが…武器を隠し持つ暗殺者か?あるいは魔女の類か…いずれにせよシェヘラザードを守りながらの戦いになる、容易に手出しは出来んか…)
アシェンプテル「フフッ…」クスクス
国王「何を笑っている?」
アシェンプテル「随分と慎重なんだなと思ってな。とても個人的な感情で一国を傾けた王には見えない」
アシェンプテル「男ならば…特にお前のように女絡みで痛い目にあった奴ならば、丸腰の小娘に負けるわけないなどと慢心して正面から斬りかかって来ると思ったが」
国王「あいにくだが相手の力量を読み違えるほど錆び付いてはいないのでな。それに私はもう、かつての愚かな王ではない。今の私にはーー」
アシェンプテル「『守るべき国と、愛する妻がいる』といったところか?」
国王「故に、例え貴様が底知れぬ力を隠していようと、私は剣を収めるわけにはいかんのだ。王として国を、夫として妻を守るためにな」
シェヘラザード「お待ちください陛下…!ここは引くべきです、あの者は…!」
国王「案ずるなシェヘラザード。お前はただ、私の背に身を隠していればよい。いざっ…!」
アシェンプテル「フフッ、愛する国の為女の為。身を呈して戦うか、その覚悟に敬意を表して…相手になってやろうじゃないか」スタッ
アシェンプテル「…さぁ国王、私と一曲踊って貰おうか」ヒュンッ

381 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/02/20(月)01:32:56 ID:oS8
フッ
シェヘラザード「消えた…!やはりあの者は…!」
国王「…っ!消えた…だとっ!?」バッ
アシェンプテルの声「そのリアクションには正直飽き飽きだな、私の舞踏の相手はいつだって同じ事を口にする」スッ
国王「……そこか!」スタッ ザシュッ
アシェンプテルの声「流石は国王だ。その反応速度は今までに戦った誰よりも秀でている。だが惜しいな…今はもう、私はそこにいない」
国王「クッ…人間とは思えんスピードだ、やはり魔法の類か…!」
アシェンプテル「ご名答。だが解ったところで手の打ちようはないだろう、とてもじゃないが常人に反応できる速度じゃあない」ヒュッ
スタッ ドゴォッ
国王「ぬぐぉっ…!」ベキベキッ 
シェヘラザード「陛下…!」
国王「何を不安げな顔を…案ずるなと言っただろう、シェヘラザード。王はこの程度で果てぬわ」ググッ
アシェンプテル「驚いたな、気絶さえせずに意識を保てるとは…」
国王「フン…見くびってもらっては困るな…。どうやら貴様は随分と舞踏には自信があるようだが…」ヨロッ
国王「狂王になり下がろうと私も王だ、多少は舞踏の心得もある。さぁ続きを始めるぞ、アシェンプテルよ」

382 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/02/20(月)01:34:39 ID:oS8
アシェンプテル「私の蹴りを浴びたのだ、骨の数本は確実。悪くすれば内臓も無事ではないだろうに…それでいて尚も虚勢を張るか、呆れたものだ」
国王「あいにくだが小娘にじゃれつかれた程度で動けなくなるほど、やわな鍛え方はしていないのでな」
アシェンプテル「なるほど、もはやその身を捨てる覚悟か。ならば戦いを長引かせてしまうのは失礼と言うものだ」
アシェンプテル「舞踏の相手、感謝する。さらばだ国王よ」
ヒュンッ
国王(クッ、やはり姿は見えんか…!しかし存在はしているはずだ、攻撃の瞬間に刺し違える事さえできればそれでよい…!)
バッ
シェヘラザード「させません…!陛下のお命は私がお守りいたします!」バッ
国王「馬鹿な!無茶はよせシェヘラザードよ!」
シェヘラザード「アシェンプテルと言いましたね、あなたの目的は陛下ではなく私のはず!回りくどい事はやめ、私を狙いなさい!」
アシェンプテルの声「自ら盾になるとは…流石は主人公といったところか。守られる事を良しとせず自ら抗おうという気概は、賞賛に値する。だが…」
ヒュッ ビュンッ
国王「グアッ…!」ドサッ
シェヘラザード「陛下…!何故…!?」
アシェンプテル「国王でも追いきれなかった私の動きをお前に追えるはずがないだろう。立ちはだかるお前をすり抜けて国王を攻撃するなど容易いことだ」
アシェンプテル「所詮モノをいうのは実力だ。気概だけでは何もできない、覚悟とそれを貫き通す実力が備わっていなければな」

383 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/02/20(月)01:37:51 ID:oS8
シェヘラザード「……あなたは一体、何者なんですか?」
アシェンプテル「名なら先ほど名乗ったはずだが?」
シェヘラザード「それは偽名でしょう?その名を主人公に持つ【アシェンプテル】の世界は、ずっと昔に消滅していますから」
シェヘラザード「かつて現実世界にはいくつかの『灰かぶり』の物語が存在していました。【アシェンプテル】もその一つ、語り継がれていた名も無き物語をグリム兄弟が編集したグリム版灰かぶり…それが【アシェンプテル】」
シェヘラザード「ですが…それはシャルル・ペローが編集したペロー版灰かぶりの知名度の陰に隠れ、やがてその世界は消滅してしまった。他のいくつかの『灰かぶり』と共に」
アシェンプテル「そう、らしいな。私は詳しく知らないが、興味も無い」
シェヘラザード「私の考えが正しければ、あなたこそが唯一現実世界に残された『灰かぶり』……シンデレラですね?」
アシェンプテル「察しが良いな、確かに私が生まれ育った世界は【シンデレラ】だ。だが…それは既に捨てた名だ」
ギロリ
アシェンプテル「二度とその名を口にするな、シェヘラザード」
シェヘラザード「……あなたが元の世界から消えてしまって、沢山の人が心配しているんですよ?キモオタさんから聞きました」
アシェンプテル「そうだろうな、あの連中ならばそうだろう。友が消えたとなれば必ずその身を案ずるような連中だ」
シェヘラザード「わかっているのなら何故あなたは…!」
アシェンプテル「それは連中の都合だ、私には私の都合もあれば目的だってある」
アシェンプテル「それに連中と友人関係にあったのは周囲に流される情けない『灰かぶり』だ。今の私は違う、連中とは赤の他人だ」

384 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/02/20(月)01:39:37 ID:oS8
シェヘラザード「彼等はあなたを救いだすために必死なのですよ?魔力の影響を受けているのでしょうけど、その様な言い方は…!」
アシェンプテル「言っただろう、連中はもはや赤の他人だ。私は過去を捨てた、私を愛した王も私に力を与えた魔女も…私にとっては過去の者達だ」
シェヘラザード「その方々はあなたにとって恩人であるはず、その恩さえも捨てるというのですか…?」
アシェンプテル「今の私にとって一番大切なのは復讐を遂げる事だ。もしも私に恩人と言うものが存在するというのなら、その手助けをしてくれたアリスだろうな」
シェヘラザード「やはりあなたはアリスに協力を…!」
アシェンプテル「私のことをあれこれ聞いてくる前に、お前にはやるべき事があるんじゃあないのか?この世界を、お前が生み出した世界の連中を守るんだろう?」
シェヘラザード「……聞いていたのですか」
アシェンプテル「お前の夫は随分としぶとい、多少加減はしたが…息の根を止めるには至っていないようだ。つまりこの世界はまだ救える可能性があるということだ」
シェヘラザード「どの口が…!アリスの息がかかっているという事はあなたの目的は陛下や私の命を奪う事、そしてこの世界の消滅でしょう!?」
アシェンプテル「まぁ、否定はしないな。だが私がわざわざこの世界に赴いたのは別の理由だ。シェヘラザード、お前の事を一目見ておきたいと思ってな」
シェヘラザード「私を…?」
アシェンプテル「あぁ、お前の事も【アラビアンナイト】の筋書きもアリスに聞いた」
アシェンプテル「大臣の娘であるお前が、国王の暴挙を止めるために自ら行動する物語。身の危険すら顧みず、祖国と国王を想い行動する様には感動さえした」
アシェンプテル「いいや、感動なんて言葉じゃ言い表せない。私はお前を尊敬したよ、これは嘘偽りの無い真実の言葉だ」


385 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/02/20(月)01:41:39 ID:oS8
シェヘラザード「私は、あなたに尊敬されるようなことはしていないはずですが」
アシェンプテル「謙遜なんかするもんじゃない。主人公でありながら作者であるという点もそうだが、お前はおとぎ話の登場人物の中でも異端だ」
アシェンプテル「かつての私がそうだったように…おとぎ話の主人公を務める年頃の女というのは大抵が大きな力に流されていくものだ。特に王族やそれに準ずる権力を得るパターンが多い、それもその大半が偶然によるものだ」
アシェンプテル「塔に幽閉された女が偶然王子に見初められ王族に、虫や獣に連れ去られた小さな娘が偶然花の王子に見初められ、百年の眠りにつく女も果実に毒を盛られた姫もそうだな」
アシェンプテル「かつての私も、何の努力もせず偶然魔女に助けられただけであっというまに王妃だ。そんな物語ばかりだ、おとぎ話と言うのは。実に嫌気がさす」
シェヘラザード「……」
アシェンプテル「だがお前は違う、自ら現状を打開する策を練り、そして命の危険が伴う事を知った上でその策を実行した。未来を切り開くため、自分自身で考えてそして行動した」
アシェンプテル「それは非常に素晴らしい事だと私は考える。そうやって勝ち取ったモノは本物だ、私達が偶然得たようなまがい物のそれとは異なる…そんな行動を選択したお前を私は尊敬した」
シェヘラザード「それならば何故こんな事を…!」
アシェンプテル「失望したからだよ、シェヘラザード」
シェヘラザード「失望…?」
アシェンプテル「私は本当にお前を尊敬していたんだ、話を聞いた限りお前は流される事も無く他人にゆだねる事も無く自ら運命に立ち向かえる女だと思っていたからな。だが実際は違った」
アシェンプテル「アリスが【アラジンと魔法のランプ】を襲撃したとき、お前が取った行動は実に保守的なものだった。お前の行動を思い出してみろ、シェヘラザード」

386 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/02/20(月)01:45:10 ID:oS8
シェヘラザード「私は【アラビアンナイト】に属するおとぎ話を救うために最善を尽くしました!それに、そんな事を襲撃者側であるあなたに言われたくは…!」
アシェンプテル「最善?本当にそう思って行動していたか?」
アシェンプテル「ならば何故、【アラジンと魔法のランプ】の世界が襲撃された時…その世界に戦力を集中させて迎撃しようとしなかった?」
シェヘラザード「それは他のおとぎ話も同時に襲撃されたからです!アラジンの所へ援軍を送れば他の世界はトランプ兵の襲撃に耐えられず消えてしまうと思ったから…!」
アシェンプテル「甘い、甘いなシェヘラザード。あの世界もこの世界も全て守ろうなんて考えるからだ、そんな虫のいい話があるか」
シェヘラザード「ではあなたは…【アラジンと魔法のランプ】を守るために他の世界を犠牲にしろと言うんですか!?そんなことできるはずがないでしょう!」
アシェンプテル「犠牲にすべきだろう、お前が最も守るべきは【アラビアンナイト】の世界。そしてお前が決して許してはいけない事は魔法のランプをアリスに奪われる事だ」
アシェンプテル「それを優先する為ならば他の世界が消えることはやむを得ない。そうだろう?」
シェヘラザード「…私は作者です。既に消えてしまった他のおとぎ話だって、消したくは無かった!守れるかもしれない世界を見捨てることなんか…!」
アシェンプテル「守れるかも…で、結局この有様だ。お前は選択を誤った、下手に保守的になったせいでより多くのものを失った」
シェヘラザード「……」
アシェンプテル「そもそもだ、それ以前の話になるがお前が生み出した世界がほぼ同時に襲撃されたあの時、事もあろうのお前は……」
アシェンプテル「もう成す術が無いと、諦めていたんじゃあないのか?」

387 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/02/20(月)01:49:10 ID:oS8
シェヘラザード「そんな事は…!あなたの考えと違っていただけで、私は自分にできる方法で世界を救うために…!」
アシェンプテル「私にはそうは見えなかったがな。他の世界を守るためと言えば聞こえはいいかもしれないが、結局何一つ守れなかった」
アシェンプテル「そして心のどこかで諦めていたお前は死に場所を求めて、国王のもとへやってきた。そうだろう?」
シェヘラザード「あなただって知っているはずです!国王と私、どちらかが欠けてしまえばこの世界は消える!この世界が消えてしまえば私が生み出した物語も…!」
アシェンプテル「お前は結局、最期を愛した男と迎えたかった、それだけだ。皆を守ろう世界を守ろうと考えていたようだが、心の底では諦めていて…それを覆い隠していただけだ」
シェヘラザード「違う!私は、私は皆さんを守るために…!」
アシェンプテル「本来の【アラビアンナイト】の世界では運命に立ち向かったお前の姿は素晴らしいものだったが…結局お前も、他のおとぎ話の連中と同じ」
アシェンプテル「運命から目を背け、誰かを頼って生きていく。そんな奴だ」
シェヘラザード「違う、私は…!」
アシェンプテル「別にそれでも構わない。確かに失望はしたが…どのみちお前は一人では世界移動ができない、この世界と運命を共にする事になる」
アシェンプテル「ただ…私はお前のようにはならない。誰かを必要以上に頼らない、自分自身が定めた目標だけ見据え、運命から目を背けず生きる」
アシェンプテル「妥協もしない、諦めもしない、流されない、誰かに媚びたり、何かを気にして生きたりしない。おとぎ話の世界にも、現実世界にも縛られない」
アシェンプテル「私は自分で積み上げたものだけを信じて、独りで生きていく。誰の力も借りず自分だけの意思で、力で」
ゴゴゴゴゴ……

388 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/02/20(月)01:51:52 ID:oS8
ゴゴゴゴゴ……
シェヘラザード「な、何故消滅が…!?国王もまだ息があるのに…!」
アシェンプテル「遂にこの世界も消滅が始まったか…。まぁいい、私はそろそろ去ろう。最後に、お前に文句が言えて満足だ」スッ
シェヘラザード「待ちなさい…!あなたを帰すわけにはいかないんです…!」
アシェンプテル「長居して巻き込まれては困るんでな。なんなら追いかけてくるか?うっかりガラスの靴を落としてしまうかもしれない、それを拾って街中探せばいい」クスクス
ヒュンッ
シェヘラザード「クッ…!しかし、私も国王もまだ生きているのに一体何故……」ハッ
シェヘラザード「……まさか!?」バッ
スッ
シェヘラザード「イフリート!イフリート!聞こえますか!?シェヘラザードです、応答をしなさい!」
シーンッ
シェヘラザード「駄目ですか…ならば。アリ王子!フサイン王子!聞こえませんか!?シェヘラザードです!応答を…!」
シーンッ
シェヘラザード「アラジン!無事ですか!?魔法の、魔法のランプはーー」
シーンッ
シェヘラザード「…どうして、どうして気が付かなかったんでしょう。【アラビアンナイト】の世界が消えれば、私という語り主を失った物語は消滅する。でもそれだけじゃない…」
シェヘラザード「私が生み出したおとぎ話…それがあまりに多く消滅してしまった場合、私は陛下に語る物語をうしなってしまう。その結果…この世界は形を保てなくなってしまった…!」
ゴゴゴゴゴ……
シェヘラザード「……彼女が言うように、私は選択を誤ってしまったようです」
シェヘラザード「……私は何一つ、救えませんでした。陛下の事も、他のおとぎ話の皆さんも…」

389 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/02/20(月)01:55:17 ID:oS8
国王「……それは、違うぞ。シェヘラザードよ……」ヨロッ
シェヘラザード「陛下、意識を…!ですがお体に障ります、どうか安静に…」
国王「崩れゆく景色…どうやらお前が言う終末とやらがやってきたようだ、今更身体を案じてどうにかなることもあるまい…」
国王「だがこの命が果てる前にいっておかねばならない事がある。シェヘラザード、先程の言葉は撤回すべきだ…お前は私を救ってくれたではないか」
シェヘラザード「いいえ…私が選択を誤らなければ、陛下がこのような怪我を負う事も…」
国王「そんな話をしているのではない。お前は、道を踏み外した私を見捨てる事無く傍に居てくれたではないか。妻としてな…」
国王「私はお前に感謝しているのだ、私は前妻に裏切られてもう二度と女などと思っていたが…お前がその考えを変え、そしてこの国の未来を変えてくれた。礼を言わせてくれ、シェヘラザード」
シェヘラザード「そんな…勿体ないお言葉です。私も、陛下の妻で幸せです」ポロポロ
国王「フフッ、そうか…。だが心残りが無いと言えば、それは嘘になってしまうな…」
国王「お前が昨晩語ってくれた心躍る物語、その先を聞く事はもう…出来そうにない」
シェヘラザード「ご安心ください陛下、私はいつでもどのような場所でも陛下の隣で物語を紡ぎます」
シェヘラザード「陛下にも私にも…時間はたくさんございます。これからはいくらでも、物語をお聞かせする事が出来ます」
国王「そうか、それは喜ばしい…。そう考えれば、死後の世界も悪い場所ではなさそうだ」フフッ…
シェヘラザード「えぇ、どこまでもお供いたします。陛下」
ゴゴゴゴゴ……

390 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/02/20(月)02:06:06 ID:oS8
今日はここまでです、不思議の国のアリス編 次回に続きます
遂に消滅した【アラビアンナイト】
国王は本編でもこのSSでも結構好きなキャラだった。本来の結末のようにハッピーエンドとは行かなかったけど
天国でシェヘラザードの物語をずっと聞いていて欲しい(あの所業で天国いけるの?とか言わない)
アシェンプテルもヘイト集めそうなキャラになってしまった
ヘンゼル、かぐや、アシェンプテル。三大ヘイト集め主人公(このSSにおける)

391 :名無しさん@おーぷん :2017/02/20(月)02:12:09 ID:3k8
泣きました。。王様。゚(゚´ω`゚)゚。

392 :名無しさん@おーぷん :2017/02/20(月)12:20:03 ID:1DB
俺のぺたんこおっぱいががががが

393 :名無しさん@おーぷん :2017/02/20(月)12:32:00 ID:04m
ついにアラビアンナイトが…(´;ω;`)

399 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/02/27(月)00:44:23 ID:kHg
場面は戻り…
シンデレラの世界 魔法使いの家
・・・
ゴーテル「さて、キモオタよ。その魔法具で時を止める方法じゃが…」
ゴーテル「先に言ったように新型おはなしウォッチで時を止めるにはある条件を満たす必要がある、その条件というのがじゃな…」
キモオタ「その条件とは……?」
ゴーテル「お主自身が『時間』に認められる。という事じゃ」
キモオタ「むむっ…?『時間』に認めて貰うですと?それは一体どのような意味でござろうか?」
ゴーテル「どうもこうもそのままの意味じゃよ。難しく考える必要などありゃせん」
ティンカーベル「つまりアリスが『時間』と仲良くなることで時を止めてるみたいに、キモオタも『時間』と仲良くなって時を止める力を手に入れようって事?」
ゴーテル「当たらずとも遠からずといったところか…。特に『時間』と親しくならずともその魔法具には時を止める力が備わっておる、ただし……」
ゴーテル「事情があるとはいえ、お主が勝手に時を止めてしまえば……その行為に腹を立てる存在がおるんじゃよ」
キモオタ「はぁー!?こっちはちゃんとした理由があるのに怒られる事なんか無いじゃん!誰なの!?そのわからず屋は…!」プンスカ
キモオタ「もしや、我輩が時を止める事で怒るだろう存在というのは……『時間』いいや『時間殿』でござるか?」
ゴーテル「左様、確かにお主はその新型おはなしウォッチで時を止める力を手に入れた。ただし、今はまだその力を使ってはならん」
ゴーテル「『時間』そのものが…それを許しはせんじゃろうからな」

400 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/02/27(月)00:46:56 ID:kHg
キモオタ「なるほど…つまり我輩が時を止めるには時間殿の許可が必要だと、そう言う事でござるな?」
ゴーテル「そういう事じゃ。その魔法具を使えば時間との対話自体は可能じゃ、あとはお前自身が『時間』と交渉を……」
ティンカーベル「ねぇねぇ、別に許可なんかとらなくても勝手にやっちゃえばいいじゃん!もし怒られたら後で謝ったらいいよ!」
カイ「お前、俺の話聞いててよくそんな事言いだせたな…。んなことやってみろ、キモオタがどうなっちまうかわかんねぇぞ」
魔法使い「『時間』という存在は強大すぎる我々のような人間が刃向ってはならんのだ。怒りをかう事は絶対に避けるべきだ、決して敵に回してはならない存在なのだから」
ゴーテル「うむ、なにしろ相手は『時間』じゃ。その気になればキモオタを時と時の狭間に幽閉し、永久に虚無の空間をさまよう事になるやもしれんでの…」
キモオタ「ひえっ…なんと恐ろしい…!」
ティンカーベル「うーん…じゃあ駄目だね、それは流石にちょっとだけ困るよね…」ウーン
キモオタ「大いに困っていただきたいところですなwww」コポォ
ゴーテル「なんにせよ『時間』に無断で時を止める事は死を意味する。キチンと『時間』と対話し、時を止める許可を得るのが無難じゃな」
ティンカーベル「でもさ、簡単に許可してくれるのかな?もしも「駄目!」って言われたらどうする?外見がキモイから駄目って言われたら反論の余地が無いし…」
キモオタ「ちょwwwとはいえ、もし断られてしまえば我々はアリス殿の時止めに対抗する手段を失ってしまうでござるし、ちょっと不安でござるな」
ゴーテル「なぁに、そう不安に感じる事もあるまい。無断で時を止めれば『時間』も怒るじゃろうが、事情を話せば大丈夫じゃろ」
ゴーテル「お前が時を止めたいというのは決して私利私欲の為ではない、友を助け世界を救うためであるときちんと説明すれば問題なかろうて」

401 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/02/27(月)00:54:01 ID:kHg
ティンカーベル「そうだよね!私達、正しい事してるんだし!悪いことするために時間を止めようってわけじゃないし!」
キモオタ「そうでござるなwww誠心誠意込めつつ事情を話せば時間殿も協力してくれるでござろうwww」
ゴーテル「うむ、何一つ案ずる事などありゃあせん。あぁ……そういえば一つだけ注意点があるんじゃったわい」
キモオタ「ほうwww注意点でござるかwwwそれは一体なんでござるかなwww」
ゴーテル「今回、その魔法具を作るにあたって色々と調べてわかったんじゃが…時間というのは軽視される事をとことん嫌うようなんじゃ」
ティンカーベル「そーなんだ!そーいえば、帽子屋も時間に『時間を無駄にしてる』って思われて喧嘩になったんだっけ」
キモオタ「そうでござったなwww故に、アポ無しで時を止めたら怒るんでござろうなwww」
ゴーテル「うむ、じゃから『時間』という存在は無駄にされる事を、蔑ろにされる事を、粗末に扱われる事を何より嫌う」
ティンカーベル「ん?つまり、どゆこと?」
ゴーテル「つまり時間という存在はじゃな。休日にだらだらと惰眠を貪ったりする輩なんぞを嫌っておるんじゃ」
キモオタ「……」ギクッ
ゴーテル「予定も立てずにうだうだ過ごした揚句、中身の無い時間を過ごす者…」
ティンカーベル「……」ギクッ
ゴーテル「無計画に遊んでばかりで時間を浪費したり、挙句時間を持て余して毎度毎度暇つぶしなんぞに興じているような…」
キモティン「……」ギクギクッ
ゴーテル「時間に敬意を払わず、いつもウダウダダラダラと過ごしては時間を浪費しているような…」
キモティン「……」ギクギクギクゥ
ゴーテル「そういった怠け者の事を、『時間』は心底嫌っておるじゃろうなぁ」

402 :◆oBwZbn5S8kKC :2017/02/27(月)00:59:06 ID:kHg
ゴーテル「まぁ、お主等には関係の無い話じゃから安心せい。キモオタはもういい大人じゃし、ティンカーベルに至っては妖精なんじゃから、そんな堕落した生活は送っておらんじゃろ?」
キモオタ「ハハハ、トウゼンデゴザルヨ。ワガハイ、イイオトナ、ナニモシンパイナイ、デゴザル」ドゥフフ…
ティンカーベル「ダヨネー、ワタシタチ、ダラクシテナイ、ダイジョブ」ハハハ…
カイ「お前らなんだその汗」
魔法使い「そもそも何故カタコトなのか」
ゴーテル「まさかとは思うが、お前たち……嘘じゃろ?」
キモオタ「……」
ティンカーベル「……」
ゴーテル「……」
キモオタ「ドゥフフフwww」
ティンカーベル「アハハハwww」
ゴーテル「呆れたわい…!何を笑っておるんじゃお前たちは!『時間』に協力してもらえんのかも知れんのじゃぞ!?」
ゴーテル「えぇい!とにかく話してみるんじゃ、お前たちが現実世界でどのように時間を浪費しておるのかを!」バンッ

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