同僚女「観念してうちを撫でるんやね」
前回の記事 同僚女「信用したいって云うたら嫌いになる?」
Part2
132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/27(月) 12:00:02.31 ID:4XWJKb.o
――6/10、月曜日 03:00 神楽坂作業室
男:タンッ
女:タンッ
男「22番クリア、23は後8分」
女「こっちは今チェック終わったとこ。クロスチェックお願い」
男「ほいっ」
男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ
男「……」
女「……うまうま」
男「なによ、それ」
女「美味いチキンの記憶を反芻して元気を出してる」
男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ
男「出るの? 元気」
女「出る」
男「便利な脳みそだな」
女「もうね。脳内麻薬どっぱどぱ」
男「やっぱ精密検査させた方が良かったかな……」
女「ファミチキとマジキチって似てるよね~」
133 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/27(月) 12:00:46.41 ID:4XWJKb.o
女「うちさー」
男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ
男「ん?」
女「先週末、男に勇者って云われてさ。
ずっと考えてたんだけどね」
男「うん」
女「勇者の仕事って何かなって」
男「自分で云ったんじゃない」
女「あははは。ま、そうなんだけど。
ほら、あれは、勢いというかさ」
男「先輩らしいや」
男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女「考えてたんだけどさ」
男「うん」
女「うち、マネジになろうと思う」
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/27(月) 12:01:12.82 ID:4XWJKb.o
男「……」
女「ほら、一回一緒に会議に出て、誘われたやん?
『ごっほ、ごっほ、女君もマネジにならんかね』って」
男「それ何?」
女「ゴン太君の物まねでやってみた」
男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女「池袋班って、いまだにマネジ不在じゃない?
だから絶賛募集中だと思うんだよね」
男「……」
女「マネジになれば、偉いやん? なんてぇの。
うちもそろそろステップアップというか、
役職付きになって、ドンペリ開けて豪遊したいのよ」
男「M野が統括なんだよ」
男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女「うん、知っとるよ」
136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/27(月) 12:02:45.86 ID:4XWJKb.o
女「でも、なんていうのかな。結局はさ。
誰かしらは、その席に座るんでしょ?
それに、うち、判ったんだ。今までずっと、
M野の相手も、上の相手も、男がやってくれてたって」
男「些末事だよ」
女「いやいやいや。うちら結構ぶぅぶぅ文句たれてたけど。
ああいうの、ずっとやらせてたんだよね。酷い話やん」
男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女「男がうちのこと信頼してないって云ってくれたの
すごくすごく感謝してる。
あの日……。
『俺がマネジやるって話になったから。
信頼できるのは自分だけだから俺がやる』って云ってくれて」
男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女「信頼なんて云う名前は綺麗だけど、
男がうちを信頼してマネジを押しつけてたら
うち……もうつぶれてたよね」
女「男がうちらのことよく見て、堤防になってくれてたよね」
137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/27(月) 12:03:30.86 ID:4XWJKb.o
女「でも、それじゃウォリア止まりやん?」にこっ
男「――」
女「だから、うちもマネージャーになるよ。
うちがウォリアーのままでさ、
戦ってるふりして現場に逃げ込んでたら、
うち、いつまでたってもウォリアーのままじゃない。
うち、いつまでたっても男の後ろやん」
男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女「うち、マネジになるよ」
男「M野はキチガイさんだよ」
女「それでもさ。二人なら何とかなるでしょ」
男「――」
男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女「マネージャー二人でさ。今度入ってくる人とか
そんなんいるんかなぁ? まぁ、居るなら守ってあげてさ。
新人女さんだって、C男だって、まだまだ伸びるよ」
だめだああああああああああ!
140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/27(月) 12:04:24.73 ID:4XWJKb.o
女「そしたら、うち勇者になれる気がする。
――本物のパリカリに」
男「そか」
男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女「そしたら、えへへ~」
男「――」
女「うちは、神楽坂班じゃなくなってしまうけど」ぼそり
男「――」
女「いいよね」
男「――」
女「男は、うちのこと女先輩って云ってくれるよね」
男「――うん」
男:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女:カタカタカタカタカタカタカタカタ
女「唐揚げ食ったりしにいけるよね」
男「もちろん」
女「職場も離れちゃうけどね」
男「すぐ近くでしょ」
女「えへへ……。へへ……」
146 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/27(月) 12:09:44.93 ID:4XWJKb.o
――6/10、月曜日 04:25 神楽坂作業室
男:タンッ
女:タンッ
女「あがった!」
男「こっちも」
女「次は」
男「残りは、保険屋だ。手がついてるけど、導火線は伸びた」
女「そっか。急場は凌いだのかな」
男「そうなるね」
女「んぅ……」ぽきゅ
男「ぷくーっす。変な音」
女「むっ。……まぁ、変な音だけど」
男「……んぅ」ボキッ
女「そっちは音すごいね」
男「まぁ、男は骨太いから」
女「ふむ、それもそうか」
男「死にかけゾンビとはこのことだね」
女「でも、明るくなってきたよ」
149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/27(月) 12:11:26.07 ID:4XWJKb.o
男「もうそんな時間か」
女「だね。ビルの向こうが、藤色に染まって」
男「雨、あがったね」
女「綺麗になったね。空気も、朝も」
男「うん」
かしょん
男「んっんー」のびっ「お茶でも入れるよ」
女「わーい。うち甘いの」
男「おーけー」
とてて。しゅぼっ。
男「のこりは、納品処理。書類作って、焼いて、
段ボール詰めかな。段ボールじゃなくて
紙袋でいける気もする」
女「うん」
男「あと2時間くらいかな。今日のところは、間に合ったよ」
女「うん」
しゅーしゅんしゅんしゅん
152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/27(月) 12:13:01.64 ID:4XWJKb.o
女「あんなーおとこ」
男「お茶-? もうちょっと待って~」
女「ちがうちがう」
男「なーに-? 先輩」
女「うちな。男のこと好き」
しゅんしゅんしゅん
女「いや。今更こんなこというのも
本当に今更で手遅れ感たっぷりなんだけどね。
好き。
先輩と後輩みたいに働いたり
友達みたいにはしゃいだり
仲間みたいに力を合わせたり
姉弟みたいに眠ったりしてたけど
うち、男のこと、好きなのだ。
てへへだね。自分でもびっくりするくらい。
こいつは困った、大変だぞってくらい好き」
153 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/27(月) 12:13:55.50 ID:XnICzcAO
とうとうきたか
154 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/27(月) 12:14:11.85 ID:TzzeqYYo
うおおおおおお
唐突に告白タイムktkr
159 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/27(月) 12:16:39.39 ID:4XWJKb.o
女「初めはなんだかよく判らなかったし、
その後は照れくさくなったし、
仕事場の雰囲気もデスマも立場もあったから
内緒にしてたんよね。
そうしたらどんどん育っちゃって、大きくなっちゃって。
でも、育ちすぎたら蛇口から出れるサイズじゃ
なくなってしまったのだ。出れなくなっちゃった。
だからずっと内緒にするつもりだったんだけど……。
男の側にいると幸せ。
一緒にやってるとどこまでもどこまでもいけちゃう気がする。
本物の自分よりもずっと強くて自由になれる気がする。
うち、男のこと好き。
……大好き。
甘やかして欲しいし、甘やかしたい。
でも、甘やかして欲しくないし、甘やかしたくない。
一緒にやってるのに、こんなん困るのは判るけど、えへへ……」
女「云うてしまった」にぱっ
女「デスマの最中で、脳が壊れてないと云えないよね。
だから、許してな。ううん、許しなさい。許せっ!
ゆっ・るっ・せっ!」
160 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/04/27(月) 12:18:11.74 ID:sQToDVko
こんな告白されてみてぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!
161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/27(月) 12:23:41.22 ID:4XWJKb.o
男「女先輩?」
女「なにさ。くぁっ! なんで云っちゃったんだろう」
男「ホットチョコ冷めますよ」
女「もうちょっとなんか
リアクションあるでしょ! 常識的に考えてっ」
男「そんなこと云われても」
女「せめて動揺したフリするくらいの
親切心はないのですかっ。マネージャー以前に
一人の人間として、ウォリアーとしてっ」
男「女先輩?」
女「なにさ、おとこっ」
男 ちゅ
女「――っ!?」ずざざっ
男「酷い反応だ」
女「なっ。なななな、なーっ!?」かぁーーっ
男「文句あります?」
女「……も……もっ」ぱくぱく
162 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/27(月) 12:24:32.90 ID:JNATbRYP
いや、わかってたけどさ…
新人女…(´・ω・`)
166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/04/27(月) 12:25:11.51 ID:J37AtYDO
ニヤニヤが止まらない
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2009/04/27(月) 12:25:30.78 ID:4XWJKb.o
男「文句がなければ売約済みって事でいいですね」
女「……ば……ばっ」ぱくぱく
男「故障したんですか? 休暇明けなのに」
女「あっ……あっ……」ぱくぱく
男「チョコ飲まないと」
女「うち、先輩なのにっ!」
男「ふむ」
女「云うつもりはなかったけれど、
もしそうなったら色々手ほどきしてあげようとか
リードせなあかんやんとか、めたくた考えてたのにっ!
うちが教えるはずだったのにっ!!」
男「いい歳して何ほざいてるんですか」
女「こっ……こんなどさくさ紛れでっ」
男「チョコ味で?」
女「そうそう、カカオの香りと、
頭の奥がじんわりしびれるほど甘ぁいチョコの味が……
って何云わせるーっ!!」
男「リテイクする?」
女「う゛う゛う゛~!!
……今度はうちからするんやからねっ!」
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