神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
Part42
122: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/24(水) 22:22:57 ID:6QJJkrtY
ガラガラ
祭儀神「あっ、神ちゃん着替え中だったか」
神様「なに?」
祭儀神「すまん、後で出直す」
神様「あ〜 気にしないでいいよ」
祭儀神「ん? 神ちゃん着る服が違うんじゃないか?」
神様「これで良いんだよ」
祭儀神「まぁ、俺はどっちでも構わないが・・・」
123: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/24(水) 22:23:42 ID:6QJJkrtY
神様「何か用か?」
祭儀神「任命式の手順だけ最終確認しようと思ったんだが」
神様「・・・・・・」
祭儀神「?」
神様「悪い犬ころ、ちょっと席を外してくれるか?」
神使「? 分かりました」
ガラガラ ピシャッ
124: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/24(水) 22:25:28 ID:6QJJkrtY
祭儀神「神使は良いのか?」
神様「あぁ・・・」
祭儀神「そんな事より神ちゃん! なんでC子嬢のこと知ってんだよ!」
神様「うひゃひゃ、安心しろ。 誰にも言わないから」
祭儀神「頼むよ」
神様「それより、任命式の時にさぁ・・・」
祭儀神「?」
125: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/24(水) 22:59:24 ID:6QJJkrtY
ーーー任命式
司会「以上をもちまして大宮司の辞任式を終了いたします。 引き続き名誉宮司の任命式を執り行います」
司会「代表神様が変わりまして内宮神籍 神様が代表神、神宮 祭儀神様が副神をお務めされます」
神使「神様、祭壇へ上って下さい」ボソッ
神様「あぁ」トテトテ
司会「神使君、神様のご装束が指定の物と違うんじゃないか?」
神使「申し訳ありません・・・」
司会「君も略式のようだが?」
神使「・・・・・・」
司会「後で顛末書を提出しなさい」
神使「はい・・・」
126: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/24(水) 23:00:00 ID:6QJJkrtY
神様「・・・・・・」トテトテ
司会「それでは、名誉宮司任命の御神勅を代表神様より頂きます」
司会「ご列席の皆様、御神勅が始まりましたらご発言はお慎み下さい」
一同「」フカブカ
祭儀神「皆、表を」
一同「」サッ
127: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/24(水) 23:01:06 ID:6QJJkrtY
神様「大宮司、長きにわたり神宮での奉職ご苦労であった」
大宮司「」フカブカ
神様「貴殿が神宮に残した功績は計り知れない。 神の代表として深く礼を申す」
神様「・・・ここに列席している皆も周知の通り私は神階も低く自身の神力も使えぬ故、神としての存在意義は薄い」
神様「大宮司はそんな私に巫女の奉務を任せ、皆と接する機会を与えてくれた」
神様「私は、お前に救われた。 この場を借りて感謝の言葉を述べさせて頂きたい」
神様「大宮司、ありがとう」
大宮司「・・・・・・」フカブカ
128: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/24(水) 23:01:38 ID:6QJJkrtY
神様「きっと、私のように大宮司に救われた者も沢山いることであろう」
神様「そんな貴殿の功績を称え、神を代表し新たな職務を任命する」
神様「神勅!」
一同「」フカブカ
129: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/24(水) 23:02:22 ID:6QJJkrtY
神様「貴殿を・・・ のんびり村神社の宮司に任命する!」
大宮司「!?」
ザワザワ
司会「神様、予定と違う発言はーーー」
祭儀神「神勅の発令中である! 言葉を慎め!」
司会「!!」フカブカ
シーン
130: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/24(水) 23:04:19 ID:6QJJkrtY
神様「大宮司、私は神力が使えない。 だから、どんな手を使ってでも願いは叶える」
大宮司「・・・・・・」
神様「其方の願い、私が責任を持って成就する」
神様「それが私のやるべき事であり、存在できるたった一つの理由だ」
大宮司「・・・・・・」フカブカ
神様「以上! 代表神 神様より神勅を申し伝えた!」
131: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/24(水) 23:05:11 ID:6QJJkrtY
一同「・・・・・・」ポカーン
神様「犬ころ! 逃げるぞ!」ダッ ダッ ダッ
神使「え? ちょ、神様!」
神様「ダッシュだ犬ころ!!」
神使「神様〜 待って下さい〜」
ダッ ダッ ダッ
祭儀神「ふっ、はっはっはっ! さすが神ちゃん、やっぱ最高だ!」ハッハッハッ
大宮司「・・・・・・神ちゃん」フッ
ありがとう
132: 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/08/25(木) 01:36:29 ID:oWqEtTVQ
この安心感よ
おつ
133: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:01:42 ID:O2ZCNT.k
ーーー数日後
のんびり村〜 終点です
プシュー
大宮司「のんびり村・・・ 懐かしいな」
神様「よっ!」
大宮司「神ちゃん・・・」
134: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:02:27 ID:O2ZCNT.k
ーーー田舎道
テクテク
神様「どうだ? 数十年ぶりの故郷は」
大宮司「昔と何も変わっていない気がする」
神様「着いて早々で悪いけど、先にお前の新しい勤務先に直行だ」
大宮司「廃神社の宮司に任命するなんて神ちゃんも何を考えているんだか・・・」
135: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:04:21 ID:O2ZCNT.k
神様「面白かっただろ?」
大宮司「あの後は大変だったんだぞ?」
神様「私も〜 10分おきに電話かかってきた。 全部無視してるけど」
大宮司「神勅は発令されたら出した神以外で取り消しは出来ないもんな」
神様「久しぶりに全力で逃げたよ」
大宮司「相変わらず逃げるのは得意だな」ハハッ
神様「褒めるな、褒めるな」テレッ
大宮司「褒めてないぞ?」
神様「・・・・・・」
136: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:05:02 ID:O2ZCNT.k
大宮司「しかし、廃神社か・・・ 先が思いやられるよ」
神様「綺麗にしておいたから大丈夫〜」
大宮司「廃社申請時の写真を見たよ。 あれをどう綺麗にしたのか楽しみだね」ハハッ
神様「結構頑張ったつもり」
大宮司「それは、ますます楽しみだ」
神様「おっ、見えてきた」
大宮司「ん? あれは・・・・・・」
137: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:05:51 ID:O2ZCNT.k
ーーー新のんびり村神社
大宮司「・・・・・・」
神様「どうだ? “新のんびり村神社”の出来は」
大宮司「これは・・・ 一体・・・」
神様「裏側はまだ工事中だけど、今日からすぐに執務は行える状態になっている」
大宮司「まさか、復興させたのか!?」
神様「元神宮の大宮司が奉職する神社だ。 それなりの体裁は整えておかないとね〜」
138: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:06:53 ID:O2ZCNT.k
大宮司「あの廃神社をここまでにするなんて・・・ ほとんど新築じゃないか!」
神様「まぁ細かい物はもらい物だけど。 建物は全部新築だ」
大宮司「ここまでの物を作るなんて相当なお金が必要なはずだ。 そんな大金の決済など私の所に来ていなかったぞ?」
神様「そりゃそうだよ。 神宮からの復興費用なんて大した予算しかもらえなかったし」
大宮司「まさか、神力を使って!?」
神様「私が自分の神力を使わないことくらい知ってんだろ?」
大宮司「・・・・・・」
神様「さっ、本殿へ」
139: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:07:47 ID:O2ZCNT.k
ーーー本殿
大宮司「立派な本殿だ・・・」
神使「規模は小さいですが神宮と同じ仕様で作られています」
大宮司「神使君」
神使「こんにちは、さぁ本殿の中へ」
140: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:08:22 ID:O2ZCNT.k
ギィー
大宮司「!?」
女「兄さん、久しぶり」
大宮司「妹か!」
女「何十年ぶりかしら?」
大宮司「・・・・・・そうだな。 元気だったか?」
女「なんとか。 兄さんも元気そうで良かった」
大宮司「申し訳ない、戻るのが遅れた」
141: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:08:58 ID:O2ZCNT.k
神様「さてと、大宮司?」
大宮司「?」
神様「実は、ここのご神体はすでに紛失していて無くなっている」
大宮司「あぁ、廃社申請書類にもそう書かれていたな」
神様「そこで新しいご神体を用意した」
大宮司「新しい?」
142: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:10:02 ID:O2ZCNT.k
神様「神使」
神使「はい」スタスタ
コトッ
大宮司「この箱は?」
神様「お前の務めるこの神社に相応しいご神体が入っている。 開けてくれ」
大宮司「・・・・・・」
パカッ
大宮司「これは!?」
神様「どうだ」
143: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:11:08 ID:O2ZCNT.k
大宮司「神宮のご神体じゃないのか!?」
神様「似てるだろ?」
大宮司「レプリカか」
神様「千年前に神宮で盗難が頻発してな。 念のためオリジナルのご神体を私が保管してダミーを神宮に入れたんだよ」
大宮司「と言うことは・・・これは・・・」
神様「オリジナルの方だ。 神宮にあるダミーはそのまま別の神力が入ってしまったから動かせなくなっちゃって」
大宮司「・・・・・・」
144: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:12:19 ID:O2ZCNT.k
神様「このオリジナルには、私の昔の神力が入っている。 自分で言うのも何だけど結構強い神力だぞ?」
大宮司「そうだったのか・・・」
神様「由緒は誰にも言うなよ。 問題になって私の給料がまた減るから」
大宮司「減給だけではすまないレベルの大問題だな」
神様「うっ・・・」
大宮司「ははっ、私はもう神宮の人間ではない。 神ちゃんをどうこうする権限はないよ」ハハハッ
神様「焦った・・・」ホッ
大宮司「立派なご神体だ。 それにこのご神体を奉るに相応しい本殿」
145: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:13:05 ID:O2ZCNT.k
神様「本殿もだけど、鳥居も立派だったろ?」
大宮司「あぁ、当時の倍は大きいな」
神様「新しくお守りの授与所も作った」
大宮司「あぁ、沢山参拝者を呼ばないとな・・・」
神様「社務所も新設した!」
大宮司「あぁ・・・ なんて立派な・・・」
神様「今日からここがお前の新しい奉職先だ!」
大宮司「・・・・・・」
146: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:13:53 ID:O2ZCNT.k
神様「大宮司、お前の願いは成就できただろうか?」
大宮司「あぁ・・・ いや、ありがとうございます・・・ 神様」フカブカ
神様「よかった」ニコッ
147: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:16:23 ID:O2ZCNT.k
あとちょっと!
148: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/26(金) 02:50:02 ID:/MNETzd2
ーーー翌日・田舎道
テクテク
神様「うへぇ〜 二日酔いで頭痛い・・・」
神使「神様コーラしか飲んでないじゃないですか・・・」
神様「お前、宮司と一緒にあれだけ飲んだくせによく平気だな」
神使「かなり強引に飲まされたね・・・ 大宮司ってお酒が入るとあんなになるんですね・・・」
神様「あ〜 迎えコーラ飲みたい・・・」
神使「バス停まで行けば自動販売機がありますから辛抱して下さい」
149: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/26(金) 02:50:48 ID:/MNETzd2
神様「いや〜 でもあの予算でよくあそこまで立派な物が出来たよな」
神使「・・・・・・」
神様「どうした? 犬ころ」
神使「実は、予算がかなりオーバーいたしまして・・・」
神様「まぁそうだろうな。 どう見ても立派すぎたもんな」
神使「えぇ、棟梁がかなり頑張ってしまいまして」
神様「大丈夫なのか? 棟梁は」
神使「・・・・・・」
150: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/26(金) 02:51:28 ID:/MNETzd2
神様「神使君?」
神使「不足分は神様にローンが組まれています」
神様「・・・・・・」
神使「神様機構の“神専用神社建て替え長期ローン”が神様名義で・・・」
神様「・・・・・・えっと〜 おいくらかしら?」
神使「元々足りなかった2000万と超過分の5000万の合わせて7000万円が60年ローンです」
神様「ぇっ・・・・・・」
151: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/26(金) 02:52:09 ID:/MNETzd2
神使「毎月10万円が60年間、神様の給料から引かれていきます」
神様「ちょっと待てよ! 超過分だけで5000万!? 1億もかかってんのかよ!」
神使「神様が棟梁に“全面的に任せるから好きにしてくれ”なんて言うからですよ・・・」
神様「だからって倍も超過するかよ普通!!」
神使「何を言っても手遅れです・・・」
神様「っていうか、毎月10万って私の手取り以上なんだけど・・・」
神使「今月で減給が解除されるので神様の手取りは14万に戻るのですが」
神様「え〜 60年も4万で過ごすの!? 無理だろ〜」
152: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/26(金) 02:53:00 ID:/MNETzd2
神使「それが・・・ 任命式の件で来月からまた減給処分となりますので」
神様「・・・・・・」
神使「来月から、手取り50円となります」
神様「あっ、蝶蝶飛んでる」
神使「蛾です」
神使「・・・・・・」
神使「神様、現実逃避したい気持ちも分かりますが完済して下さいね」
神様「マジかよ〜!!」
神使「身銭を切れて良かったじゃないですか」
神様「切りすぎだろ! 魂まで切っちゃってるよ!」
ガラガラ
祭儀神「あっ、神ちゃん着替え中だったか」
神様「なに?」
祭儀神「すまん、後で出直す」
神様「あ〜 気にしないでいいよ」
祭儀神「ん? 神ちゃん着る服が違うんじゃないか?」
神様「これで良いんだよ」
祭儀神「まぁ、俺はどっちでも構わないが・・・」
123: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/24(水) 22:23:42 ID:6QJJkrtY
神様「何か用か?」
祭儀神「任命式の手順だけ最終確認しようと思ったんだが」
神様「・・・・・・」
祭儀神「?」
神様「悪い犬ころ、ちょっと席を外してくれるか?」
神使「? 分かりました」
ガラガラ ピシャッ
124: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/24(水) 22:25:28 ID:6QJJkrtY
祭儀神「神使は良いのか?」
神様「あぁ・・・」
祭儀神「そんな事より神ちゃん! なんでC子嬢のこと知ってんだよ!」
神様「うひゃひゃ、安心しろ。 誰にも言わないから」
祭儀神「頼むよ」
神様「それより、任命式の時にさぁ・・・」
祭儀神「?」
125: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/24(水) 22:59:24 ID:6QJJkrtY
ーーー任命式
司会「以上をもちまして大宮司の辞任式を終了いたします。 引き続き名誉宮司の任命式を執り行います」
司会「代表神様が変わりまして内宮神籍 神様が代表神、神宮 祭儀神様が副神をお務めされます」
神使「神様、祭壇へ上って下さい」ボソッ
神様「あぁ」トテトテ
司会「神使君、神様のご装束が指定の物と違うんじゃないか?」
神使「申し訳ありません・・・」
司会「君も略式のようだが?」
神使「・・・・・・」
司会「後で顛末書を提出しなさい」
神使「はい・・・」
126: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/24(水) 23:00:00 ID:6QJJkrtY
神様「・・・・・・」トテトテ
司会「それでは、名誉宮司任命の御神勅を代表神様より頂きます」
司会「ご列席の皆様、御神勅が始まりましたらご発言はお慎み下さい」
一同「」フカブカ
祭儀神「皆、表を」
一同「」サッ
神様「大宮司、長きにわたり神宮での奉職ご苦労であった」
大宮司「」フカブカ
神様「貴殿が神宮に残した功績は計り知れない。 神の代表として深く礼を申す」
神様「・・・ここに列席している皆も周知の通り私は神階も低く自身の神力も使えぬ故、神としての存在意義は薄い」
神様「大宮司はそんな私に巫女の奉務を任せ、皆と接する機会を与えてくれた」
神様「私は、お前に救われた。 この場を借りて感謝の言葉を述べさせて頂きたい」
神様「大宮司、ありがとう」
大宮司「・・・・・・」フカブカ
128: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/24(水) 23:01:38 ID:6QJJkrtY
神様「きっと、私のように大宮司に救われた者も沢山いることであろう」
神様「そんな貴殿の功績を称え、神を代表し新たな職務を任命する」
神様「神勅!」
一同「」フカブカ
129: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/24(水) 23:02:22 ID:6QJJkrtY
神様「貴殿を・・・ のんびり村神社の宮司に任命する!」
大宮司「!?」
ザワザワ
司会「神様、予定と違う発言はーーー」
祭儀神「神勅の発令中である! 言葉を慎め!」
司会「!!」フカブカ
シーン
130: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/24(水) 23:04:19 ID:6QJJkrtY
神様「大宮司、私は神力が使えない。 だから、どんな手を使ってでも願いは叶える」
大宮司「・・・・・・」
神様「其方の願い、私が責任を持って成就する」
神様「それが私のやるべき事であり、存在できるたった一つの理由だ」
大宮司「・・・・・・」フカブカ
神様「以上! 代表神 神様より神勅を申し伝えた!」
131: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/24(水) 23:05:11 ID:6QJJkrtY
一同「・・・・・・」ポカーン
神様「犬ころ! 逃げるぞ!」ダッ ダッ ダッ
神使「え? ちょ、神様!」
神様「ダッシュだ犬ころ!!」
神使「神様〜 待って下さい〜」
ダッ ダッ ダッ
祭儀神「ふっ、はっはっはっ! さすが神ちゃん、やっぱ最高だ!」ハッハッハッ
大宮司「・・・・・・神ちゃん」フッ
ありがとう
132: 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/08/25(木) 01:36:29 ID:oWqEtTVQ
この安心感よ
おつ
133: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:01:42 ID:O2ZCNT.k
ーーー数日後
のんびり村〜 終点です
プシュー
大宮司「のんびり村・・・ 懐かしいな」
神様「よっ!」
大宮司「神ちゃん・・・」
134: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:02:27 ID:O2ZCNT.k
ーーー田舎道
テクテク
神様「どうだ? 数十年ぶりの故郷は」
大宮司「昔と何も変わっていない気がする」
神様「着いて早々で悪いけど、先にお前の新しい勤務先に直行だ」
大宮司「廃神社の宮司に任命するなんて神ちゃんも何を考えているんだか・・・」
135: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:04:21 ID:O2ZCNT.k
神様「面白かっただろ?」
大宮司「あの後は大変だったんだぞ?」
神様「私も〜 10分おきに電話かかってきた。 全部無視してるけど」
大宮司「神勅は発令されたら出した神以外で取り消しは出来ないもんな」
神様「久しぶりに全力で逃げたよ」
大宮司「相変わらず逃げるのは得意だな」ハハッ
神様「褒めるな、褒めるな」テレッ
大宮司「褒めてないぞ?」
神様「・・・・・・」
136: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:05:02 ID:O2ZCNT.k
大宮司「しかし、廃神社か・・・ 先が思いやられるよ」
神様「綺麗にしておいたから大丈夫〜」
大宮司「廃社申請時の写真を見たよ。 あれをどう綺麗にしたのか楽しみだね」ハハッ
神様「結構頑張ったつもり」
大宮司「それは、ますます楽しみだ」
神様「おっ、見えてきた」
大宮司「ん? あれは・・・・・・」
137: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:05:51 ID:O2ZCNT.k
ーーー新のんびり村神社
大宮司「・・・・・・」
神様「どうだ? “新のんびり村神社”の出来は」
大宮司「これは・・・ 一体・・・」
神様「裏側はまだ工事中だけど、今日からすぐに執務は行える状態になっている」
大宮司「まさか、復興させたのか!?」
神様「元神宮の大宮司が奉職する神社だ。 それなりの体裁は整えておかないとね〜」
138: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:06:53 ID:O2ZCNT.k
大宮司「あの廃神社をここまでにするなんて・・・ ほとんど新築じゃないか!」
神様「まぁ細かい物はもらい物だけど。 建物は全部新築だ」
大宮司「ここまでの物を作るなんて相当なお金が必要なはずだ。 そんな大金の決済など私の所に来ていなかったぞ?」
神様「そりゃそうだよ。 神宮からの復興費用なんて大した予算しかもらえなかったし」
大宮司「まさか、神力を使って!?」
神様「私が自分の神力を使わないことくらい知ってんだろ?」
大宮司「・・・・・・」
神様「さっ、本殿へ」
139: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:07:47 ID:O2ZCNT.k
ーーー本殿
大宮司「立派な本殿だ・・・」
神使「規模は小さいですが神宮と同じ仕様で作られています」
大宮司「神使君」
神使「こんにちは、さぁ本殿の中へ」
140: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:08:22 ID:O2ZCNT.k
ギィー
大宮司「!?」
女「兄さん、久しぶり」
大宮司「妹か!」
女「何十年ぶりかしら?」
大宮司「・・・・・・そうだな。 元気だったか?」
女「なんとか。 兄さんも元気そうで良かった」
大宮司「申し訳ない、戻るのが遅れた」
141: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:08:58 ID:O2ZCNT.k
神様「さてと、大宮司?」
大宮司「?」
神様「実は、ここのご神体はすでに紛失していて無くなっている」
大宮司「あぁ、廃社申請書類にもそう書かれていたな」
神様「そこで新しいご神体を用意した」
大宮司「新しい?」
神様「神使」
神使「はい」スタスタ
コトッ
大宮司「この箱は?」
神様「お前の務めるこの神社に相応しいご神体が入っている。 開けてくれ」
大宮司「・・・・・・」
パカッ
大宮司「これは!?」
神様「どうだ」
143: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:11:08 ID:O2ZCNT.k
大宮司「神宮のご神体じゃないのか!?」
神様「似てるだろ?」
大宮司「レプリカか」
神様「千年前に神宮で盗難が頻発してな。 念のためオリジナルのご神体を私が保管してダミーを神宮に入れたんだよ」
大宮司「と言うことは・・・これは・・・」
神様「オリジナルの方だ。 神宮にあるダミーはそのまま別の神力が入ってしまったから動かせなくなっちゃって」
大宮司「・・・・・・」
144: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:12:19 ID:O2ZCNT.k
神様「このオリジナルには、私の昔の神力が入っている。 自分で言うのも何だけど結構強い神力だぞ?」
大宮司「そうだったのか・・・」
神様「由緒は誰にも言うなよ。 問題になって私の給料がまた減るから」
大宮司「減給だけではすまないレベルの大問題だな」
神様「うっ・・・」
大宮司「ははっ、私はもう神宮の人間ではない。 神ちゃんをどうこうする権限はないよ」ハハハッ
神様「焦った・・・」ホッ
大宮司「立派なご神体だ。 それにこのご神体を奉るに相応しい本殿」
145: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:13:05 ID:O2ZCNT.k
神様「本殿もだけど、鳥居も立派だったろ?」
大宮司「あぁ、当時の倍は大きいな」
神様「新しくお守りの授与所も作った」
大宮司「あぁ、沢山参拝者を呼ばないとな・・・」
神様「社務所も新設した!」
大宮司「あぁ・・・ なんて立派な・・・」
神様「今日からここがお前の新しい奉職先だ!」
大宮司「・・・・・・」
146: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:13:53 ID:O2ZCNT.k
神様「大宮司、お前の願いは成就できただろうか?」
大宮司「あぁ・・・ いや、ありがとうございます・・・ 神様」フカブカ
神様「よかった」ニコッ
147: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/25(木) 23:16:23 ID:O2ZCNT.k
あとちょっと!
148: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/26(金) 02:50:02 ID:/MNETzd2
ーーー翌日・田舎道
テクテク
神様「うへぇ〜 二日酔いで頭痛い・・・」
神使「神様コーラしか飲んでないじゃないですか・・・」
神様「お前、宮司と一緒にあれだけ飲んだくせによく平気だな」
神使「かなり強引に飲まされたね・・・ 大宮司ってお酒が入るとあんなになるんですね・・・」
神様「あ〜 迎えコーラ飲みたい・・・」
神使「バス停まで行けば自動販売機がありますから辛抱して下さい」
149: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/26(金) 02:50:48 ID:/MNETzd2
神様「いや〜 でもあの予算でよくあそこまで立派な物が出来たよな」
神使「・・・・・・」
神様「どうした? 犬ころ」
神使「実は、予算がかなりオーバーいたしまして・・・」
神様「まぁそうだろうな。 どう見ても立派すぎたもんな」
神使「えぇ、棟梁がかなり頑張ってしまいまして」
神様「大丈夫なのか? 棟梁は」
神使「・・・・・・」
150: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/26(金) 02:51:28 ID:/MNETzd2
神様「神使君?」
神使「不足分は神様にローンが組まれています」
神様「・・・・・・」
神使「神様機構の“神専用神社建て替え長期ローン”が神様名義で・・・」
神様「・・・・・・えっと〜 おいくらかしら?」
神使「元々足りなかった2000万と超過分の5000万の合わせて7000万円が60年ローンです」
神様「ぇっ・・・・・・」
151: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/26(金) 02:52:09 ID:/MNETzd2
神使「毎月10万円が60年間、神様の給料から引かれていきます」
神様「ちょっと待てよ! 超過分だけで5000万!? 1億もかかってんのかよ!」
神使「神様が棟梁に“全面的に任せるから好きにしてくれ”なんて言うからですよ・・・」
神様「だからって倍も超過するかよ普通!!」
神使「何を言っても手遅れです・・・」
神様「っていうか、毎月10万って私の手取り以上なんだけど・・・」
神使「今月で減給が解除されるので神様の手取りは14万に戻るのですが」
神様「え〜 60年も4万で過ごすの!? 無理だろ〜」
152: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/26(金) 02:53:00 ID:/MNETzd2
神使「それが・・・ 任命式の件で来月からまた減給処分となりますので」
神様「・・・・・・」
神使「来月から、手取り50円となります」
神様「あっ、蝶蝶飛んでる」
神使「蛾です」
神使「・・・・・・」
神使「神様、現実逃避したい気持ちも分かりますが完済して下さいね」
神様「マジかよ〜!!」
神使「身銭を切れて良かったじゃないですか」
神様「切りすぎだろ! 魂まで切っちゃってるよ!」
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
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