神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
Part39
33: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/17(水) 02:42:16 ID:l1iDh4q6
女「・・・・・・お若いのに、兄の若い頃を知っているんですね?」
神使「!?」
神様「あっ・・・ えっと〜 聞いた話・・・」
女「大丈夫です。 私も昔は巫女をしていましたから」
神様「え? そうなの!?」
女「・・・その廃神社がまだ活気のあった時ですけど」
神使「そうだったんですか」
女「もう30年以上も前ですから」
34: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/17(水) 02:43:12 ID:l1iDh4q6
神様「じゃぁ、神とか神使とかの存在も?」
女「はい、お目にかかったのは今日が初めてですけどね」ニコッ
神使「恐れ入ります。 こちら神宮の神で神様です」
神様「“かわゆい神ちゃん”でよろしく」
女「よろしくお願いいたします」
神使「私は、神様の使いで狛犬の神使と申します」
女「まぁ、狛犬様なんですか? よろしくお願いいたします」
神様「よそよそしいのは苦手なんで気軽に接してちょ」
女「ふふっ、分かりました。 神ちゃんと神使さん」
35: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/17(水) 02:44:06 ID:l1iDh4q6
神使「今日、お伺いした件なのですが・・・」
女「廃神社の件と」
神使「はい、私たち廃社調査の命を神宮から受けて参りまして」
女「廃社・・・」
神様「見た感じご神体はないし、何十年も手入れがないようだけど」
女「はい、私がまだ動けるときは時々手入れをしていたのですが」
神使「お体が?」
女「年には勝てず・・・ 兄も神宮に行ったきり戻ることが難しいようで」
神使「大宮司は分単位でスケジュールが詰まっていますからね・・・」
36: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/17(水) 02:45:29 ID:l1iDh4q6
神様「復興という手もあるけど、たぶんかなりのお金がかかる」
女「はい」
神様「正直、今の状況を見る限り廃社にするのが一番だと思う」
女「そうでしょうね」
神様「すまない。 力及ばずで」ペコッ
女「そんな神様が頭を下げる必要など・・・ 管理できない私たち村の責任ですから」
神使「廃神社で巫女をしていたと伺いましたが」
女「えぇ」
神使「当時は宮司さんなどが居られたのですか?」
女「元々はうちの本家が代々宮司をしておりまして・・・」
神使「そうだったんですか」
37: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/17(水) 02:46:11 ID:l1iDh4q6
女「私たちは分家なので継ぐことはなかったのですが、今は本家の人間全員この村を出てしまって」
神使「それで宮司不在になって廃神社に・・・」
女「申し訳ございません」
神様「跡継ぎのない神社の定めだ、今は腐るほどある。 気にしないでくれ」
神使「では、廃社という形を取らせていただきますがよろしいでしょうか?」
女「異存はございません、全てお任せいたします」
38: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/17(水) 02:46:54 ID:l1iDh4q6
ーーー帰り道
テクテク
神使「神様? 廃社でよろしいんですか?」
神様「あぁ、神宮に廃社審査の結果を報告して手続きを進めてくれ」
神使「分かりました」
39: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/17(水) 02:47:36 ID:l1iDh4q6
ピロリロリーン♪
神様「あっ、メールだ」ゴソゴソ
神使「私です」
神様「だから、お前着信音変えろよ!」
神使「神宮からの一斉メールですね」
神様「え? 一斉? 私・・・ 届いてないけど・・・」
40: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/17(水) 02:48:28 ID:l1iDh4q6
神使「!?」
神様「ねぇ、私のとこにやっぱ来てないよ? 一斉メール」
神使「これは・・・・・・」
神様「ん? なになに」
ジリリリーン♪
神様「あ、電話だ」ゴソゴソ
神使「私です」
神様「・・・・・・」
41: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/17(水) 02:49:26 ID:l1iDh4q6
神使「はい、神使です」
神使「はい・・・ はい・・・ 承知いたしました・・・ はい、失礼します」ピッ
神様「お前さぁ〜 電話も着信音私と一緒だから変えーーー」
神使「神様、一度神宮に戻ります」
神様「って、え? 神宮に?」
神使「大宮司が退職されるそうです」
神様「!?」
44: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/18(木) 01:30:21 ID:nx0neZV2
ーーー神宮・会議室
司会「え〜 と言うことで、大宮司は今月末をもって定年という形になります」
内宮宮司「しかし、予定では年末ということでなかったのですか?」
大宮司「ただでさえ年末年始の忙しい時期に、皆の手を煩わすのもどうかと思ってね」
外宮宮司「でも急に今月で退職というのも・・・」
大宮司「組織変更もあるだろうし新年は新体制で落ち着く形にしておきたくてね」
大宮司「それに・・・ 先月のように急に倒れて皆に迷惑かけるのも避けたい」
外宮宮司「・・・・・・」
45: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/18(木) 01:31:05 ID:nx0neZV2
司会「神様、なにかございますか?」
神様「ん? 私は神職の件に関しては全て一任しているんで、決定に従う」
司会「承知いたしました」
46: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/18(木) 01:32:05 ID:nx0neZV2
内宮宮司「提案なのですが・・・」
大宮司「ん? なんだね?」
内宮宮司「神宮の名誉宮司としてしばらく残って頂くことはできませんでしょうか?」
外宮宮司「それは、良い案です。 名誉宮司でしたら負担も少ないかと」
内宮宮司「いかがでしょうか、大宮司」
大宮司「私が名誉宮司だなんて恐れ多い。 ジジイはさっさと出て行くのが良いと思うが・・・」
47: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/18(木) 01:33:01 ID:nx0neZV2
司会「神様、いかがですか?」
神様「ん? 私は神職の件に関しては全て一任しているんで、決定に従う」
司会「承知いたしました」
48: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/18(木) 01:33:51 ID:nx0neZV2
内宮宮司「お願いします、大宮司」
大宮司「しかしだね・・・」
司会「では、多数決を取ります」
司会「大宮司を神宮名誉宮司として推薦する方は挙手を」
スッ スッ
司会「賛成多数により大宮司を神宮名誉宮司として推薦することにいたします」
49: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/18(木) 01:34:27 ID:nx0neZV2
司会「神様、いかがですか?」
神様「ん? 私は神職の件に関しては全て一任しているんで、決定に従う」
司会「承知いたしました」
大宮司「・・・・・・」ハァ…
神様「・・・・・・」ジィー
50: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/18(木) 01:38:50 ID:nx0neZV2
ーーー神宮・会議室廊下
ガヤガヤ
内宮宮司「これからもよろしくお願いします」
大宮司「ははは・・・」
内宮宮司「やはり、今の神宮を統制できるのは大宮司しかいませんからね」
神様「大宮司」
大宮司「?」
神様「少し時間は取れるか?」
大宮司「はい、私の部屋でもよろしいですか?」
神様「あぁ」
51: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/19(金) 02:25:09 ID:0C0tFqfY
ーーー大宮司室
ガチャッ
大宮司「そこの椅子へ」
神様「ふぅ〜」ギシッ
大宮司「はぁ〜・・・」ギシッ
52: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/19(金) 02:26:09 ID:0C0tFqfY
神様「簡単には辞められそうにないな」
大宮司「神ちゃんに少しは加勢して欲しかった」
神様「あの席で私が彼奴らの反対意見を言ったらそれこそ問題だろ?」
大宮司「それはそれで面白かったかも知れないけどな」
神様「これ以上、給料下がるの嫌だし〜」
53: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/19(金) 02:26:50 ID:0C0tFqfY
大宮司「元気でやってるのか?」
神様「まぁ、ぼちぼちね」
大宮司「お付きの神使はどうだ?」
神様「犬ころ? 頼りにしてる」
大宮司「それは良かった」
54: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/19(金) 02:27:45 ID:0C0tFqfY
神様「お前は神宮に来て何年だっけ」
大宮司「20歳でここに入ったから40年だ」
神様「年が流れるの早いね〜 ヤンチャしてたのがつい最近のように思える」
大宮司「全くだ」
神様「極悪邪道腐れ神職のお前が、今は神宮の大宮司だもんな〜」
大宮司「みんな辞めてしまって私しか残っていないだけだよ」
55: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/19(金) 02:28:25 ID:0C0tFqfY
神様「名誉宮司なんか引き受けて良いの?」
大宮司「仕方ない、会議で決まってしまったことだ」
神様「本当に?」
大宮司「神職一筋でやってきたんだ。 急に外にでても役立たずの老いぼれだしな・・・ ここに骨を埋めるよ」
神様「・・・・・・」
大宮司「それに、神宮はそんなに甘くない。 私の意見など無いに等しい」
神様「怖い場所だね〜」
大宮司「全くだよ・・・」ハァ
56: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/19(金) 02:29:12 ID:0C0tFqfY
神様「・・・今さぁ〜 私、のんびり村にいるんだよ」
大宮司「!?」
神様「お前の故郷なんだってな」
大宮司「なんでのんびり村なんかに・・・」
神様「村に唯一残る神社の廃社審査」
大宮司「廃社・・・ そうか、あのお社も廃社なのか・・・」
57: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/19(金) 02:30:14 ID:0C0tFqfY
神様「昨日、氏子総代の家に行って廃社の確認をしてきた」
大宮司「氏子総代はどこがやってるんだ?」
神様「・・・お前の妹」
大宮司「妹が!? 妹に会ったのか?」
神様「あぁ、言葉には出さなかったけど会いたがってる感じだったぞ?」
大宮司「何十年も戻っていないからな・・・」
神様「名誉宮司になったら少しは時間もできるだろ」
大宮司「そうだな」フッ
神様「・・・・・・じゃ、犬ころ待たせてるし帰る」ヨイショ
58: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/19(金) 02:30:53 ID:0C0tFqfY
大宮司「神ちゃん」
神様「ん?」
大宮司「私の名誉宮司任命式の代表神を・・・ 神ちゃんにお願いできないだろうか」
神様「私!? 祭儀神の方が良いだろ」
大宮司「いや、神ちゃんにやってもらいたい」
神様「・・・・・・」
59: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/19(金) 02:32:12 ID:0C0tFqfY
大宮司「頼む」
神様「分かった。 引き受ける」
大宮司「ありがとう」
神様「腐れ縁・・・ いや旧友の頼みだ、礼はいらないよ〜」
大宮司「旧友か、嬉しいね」フッ
神様「じゃ〜ね〜」
バタン
神様「・・・・・・」
60: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/19(金) 02:36:09 ID:0C0tFqfY
今週はここまで
61: 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/08/19(金) 03:00:56 ID:WYutv3Dk
乙
62: 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/08/20(土) 23:24:21 ID:e2XX6Uko
おつおつ
63: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/21(日) 05:45:57 ID:/coVUjgM
ーーー 神宮・境内
テクテク
神様「あれ? この自販機もコーラねーじゃん・・・」
神使「あっ、神様!」
神様「ん?」
スタスタ
神使「打ち合わせ、終わりましたか?」
神様「あぁ、待たせた」
64: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/21(日) 05:46:58 ID:/coVUjgM
神使「だいぶ遅くなってしまいましたし、今日は神宮に泊まって明日のんびり村に戻りましょう」
神様「そうね」
神使「ご自分の宿舎に戻られますか?」
神様「あ〜、それよりさぁ」
神使「?」
神様「コーラの売ってる自販機ってここら辺になかったっけ」
神使「一番近いのは裏の駐車場かと」
神様「遠いなぁ〜」
神使「私も飲み物が欲しいので買ってきましょうか?」
神様「じゃぁ一緒に行くか」
65: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/21(日) 05:47:36 ID:/coVUjgM
テクテク
神様「あっ、こっちの裏道の方が近い」
神使「道なんて見えないんですが・・・」
神様「よく見ろよ、草が少し薄いだろ」
神使「え〜・・・ 境内で迷子なんて嫌ですよ・・・」
神様「大丈夫、私を信じろって」
神使「それが心配なのですが・・・」
66: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/21(日) 05:48:27 ID:/coVUjgM
テクテク
神使「こんな所、初めて来ました」
神様「まぁ普通は来ないよな、あそこに私の昔の住居が・・・」ピタッ
神使「どうされました?」
神様「シッ!」
神使「?」
神様「誰かいる」ボソッ
神使「・・・本当ですね」ボソッ
女「・・・・・・お若いのに、兄の若い頃を知っているんですね?」
神使「!?」
神様「あっ・・・ えっと〜 聞いた話・・・」
女「大丈夫です。 私も昔は巫女をしていましたから」
神様「え? そうなの!?」
女「・・・その廃神社がまだ活気のあった時ですけど」
神使「そうだったんですか」
女「もう30年以上も前ですから」
34: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/17(水) 02:43:12 ID:l1iDh4q6
神様「じゃぁ、神とか神使とかの存在も?」
女「はい、お目にかかったのは今日が初めてですけどね」ニコッ
神使「恐れ入ります。 こちら神宮の神で神様です」
神様「“かわゆい神ちゃん”でよろしく」
女「よろしくお願いいたします」
神使「私は、神様の使いで狛犬の神使と申します」
女「まぁ、狛犬様なんですか? よろしくお願いいたします」
神様「よそよそしいのは苦手なんで気軽に接してちょ」
女「ふふっ、分かりました。 神ちゃんと神使さん」
35: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/17(水) 02:44:06 ID:l1iDh4q6
神使「今日、お伺いした件なのですが・・・」
女「廃神社の件と」
神使「はい、私たち廃社調査の命を神宮から受けて参りまして」
女「廃社・・・」
神様「見た感じご神体はないし、何十年も手入れがないようだけど」
女「はい、私がまだ動けるときは時々手入れをしていたのですが」
神使「お体が?」
女「年には勝てず・・・ 兄も神宮に行ったきり戻ることが難しいようで」
神使「大宮司は分単位でスケジュールが詰まっていますからね・・・」
36: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/17(水) 02:45:29 ID:l1iDh4q6
神様「復興という手もあるけど、たぶんかなりのお金がかかる」
女「はい」
神様「正直、今の状況を見る限り廃社にするのが一番だと思う」
女「そうでしょうね」
神様「すまない。 力及ばずで」ペコッ
女「そんな神様が頭を下げる必要など・・・ 管理できない私たち村の責任ですから」
神使「廃神社で巫女をしていたと伺いましたが」
女「えぇ」
神使「当時は宮司さんなどが居られたのですか?」
女「元々はうちの本家が代々宮司をしておりまして・・・」
神使「そうだったんですか」
37: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/17(水) 02:46:11 ID:l1iDh4q6
女「私たちは分家なので継ぐことはなかったのですが、今は本家の人間全員この村を出てしまって」
神使「それで宮司不在になって廃神社に・・・」
女「申し訳ございません」
神様「跡継ぎのない神社の定めだ、今は腐るほどある。 気にしないでくれ」
神使「では、廃社という形を取らせていただきますがよろしいでしょうか?」
女「異存はございません、全てお任せいたします」
ーーー帰り道
テクテク
神使「神様? 廃社でよろしいんですか?」
神様「あぁ、神宮に廃社審査の結果を報告して手続きを進めてくれ」
神使「分かりました」
39: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/17(水) 02:47:36 ID:l1iDh4q6
ピロリロリーン♪
神様「あっ、メールだ」ゴソゴソ
神使「私です」
神様「だから、お前着信音変えろよ!」
神使「神宮からの一斉メールですね」
神様「え? 一斉? 私・・・ 届いてないけど・・・」
40: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/17(水) 02:48:28 ID:l1iDh4q6
神使「!?」
神様「ねぇ、私のとこにやっぱ来てないよ? 一斉メール」
神使「これは・・・・・・」
神様「ん? なになに」
ジリリリーン♪
神様「あ、電話だ」ゴソゴソ
神使「私です」
神様「・・・・・・」
41: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/17(水) 02:49:26 ID:l1iDh4q6
神使「はい、神使です」
神使「はい・・・ はい・・・ 承知いたしました・・・ はい、失礼します」ピッ
神様「お前さぁ〜 電話も着信音私と一緒だから変えーーー」
神使「神様、一度神宮に戻ります」
神様「って、え? 神宮に?」
神使「大宮司が退職されるそうです」
神様「!?」
44: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/18(木) 01:30:21 ID:nx0neZV2
ーーー神宮・会議室
司会「え〜 と言うことで、大宮司は今月末をもって定年という形になります」
内宮宮司「しかし、予定では年末ということでなかったのですか?」
大宮司「ただでさえ年末年始の忙しい時期に、皆の手を煩わすのもどうかと思ってね」
外宮宮司「でも急に今月で退職というのも・・・」
大宮司「組織変更もあるだろうし新年は新体制で落ち着く形にしておきたくてね」
大宮司「それに・・・ 先月のように急に倒れて皆に迷惑かけるのも避けたい」
外宮宮司「・・・・・・」
45: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/18(木) 01:31:05 ID:nx0neZV2
司会「神様、なにかございますか?」
神様「ん? 私は神職の件に関しては全て一任しているんで、決定に従う」
司会「承知いたしました」
46: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/18(木) 01:32:05 ID:nx0neZV2
内宮宮司「提案なのですが・・・」
大宮司「ん? なんだね?」
内宮宮司「神宮の名誉宮司としてしばらく残って頂くことはできませんでしょうか?」
外宮宮司「それは、良い案です。 名誉宮司でしたら負担も少ないかと」
内宮宮司「いかがでしょうか、大宮司」
大宮司「私が名誉宮司だなんて恐れ多い。 ジジイはさっさと出て行くのが良いと思うが・・・」
47: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/18(木) 01:33:01 ID:nx0neZV2
司会「神様、いかがですか?」
神様「ん? 私は神職の件に関しては全て一任しているんで、決定に従う」
司会「承知いたしました」
48: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/18(木) 01:33:51 ID:nx0neZV2
内宮宮司「お願いします、大宮司」
大宮司「しかしだね・・・」
司会「では、多数決を取ります」
司会「大宮司を神宮名誉宮司として推薦する方は挙手を」
スッ スッ
司会「賛成多数により大宮司を神宮名誉宮司として推薦することにいたします」
49: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/18(木) 01:34:27 ID:nx0neZV2
司会「神様、いかがですか?」
神様「ん? 私は神職の件に関しては全て一任しているんで、決定に従う」
司会「承知いたしました」
大宮司「・・・・・・」ハァ…
神様「・・・・・・」ジィー
50: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/18(木) 01:38:50 ID:nx0neZV2
ーーー神宮・会議室廊下
ガヤガヤ
内宮宮司「これからもよろしくお願いします」
大宮司「ははは・・・」
内宮宮司「やはり、今の神宮を統制できるのは大宮司しかいませんからね」
神様「大宮司」
大宮司「?」
神様「少し時間は取れるか?」
大宮司「はい、私の部屋でもよろしいですか?」
神様「あぁ」
51: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/19(金) 02:25:09 ID:0C0tFqfY
ーーー大宮司室
ガチャッ
大宮司「そこの椅子へ」
神様「ふぅ〜」ギシッ
大宮司「はぁ〜・・・」ギシッ
52: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/19(金) 02:26:09 ID:0C0tFqfY
神様「簡単には辞められそうにないな」
大宮司「神ちゃんに少しは加勢して欲しかった」
神様「あの席で私が彼奴らの反対意見を言ったらそれこそ問題だろ?」
大宮司「それはそれで面白かったかも知れないけどな」
神様「これ以上、給料下がるの嫌だし〜」
53: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/19(金) 02:26:50 ID:0C0tFqfY
大宮司「元気でやってるのか?」
神様「まぁ、ぼちぼちね」
大宮司「お付きの神使はどうだ?」
神様「犬ころ? 頼りにしてる」
大宮司「それは良かった」
54: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/19(金) 02:27:45 ID:0C0tFqfY
神様「お前は神宮に来て何年だっけ」
大宮司「20歳でここに入ったから40年だ」
神様「年が流れるの早いね〜 ヤンチャしてたのがつい最近のように思える」
大宮司「全くだ」
神様「極悪邪道腐れ神職のお前が、今は神宮の大宮司だもんな〜」
大宮司「みんな辞めてしまって私しか残っていないだけだよ」
神様「名誉宮司なんか引き受けて良いの?」
大宮司「仕方ない、会議で決まってしまったことだ」
神様「本当に?」
大宮司「神職一筋でやってきたんだ。 急に外にでても役立たずの老いぼれだしな・・・ ここに骨を埋めるよ」
神様「・・・・・・」
大宮司「それに、神宮はそんなに甘くない。 私の意見など無いに等しい」
神様「怖い場所だね〜」
大宮司「全くだよ・・・」ハァ
56: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/19(金) 02:29:12 ID:0C0tFqfY
神様「・・・今さぁ〜 私、のんびり村にいるんだよ」
大宮司「!?」
神様「お前の故郷なんだってな」
大宮司「なんでのんびり村なんかに・・・」
神様「村に唯一残る神社の廃社審査」
大宮司「廃社・・・ そうか、あのお社も廃社なのか・・・」
57: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/19(金) 02:30:14 ID:0C0tFqfY
神様「昨日、氏子総代の家に行って廃社の確認をしてきた」
大宮司「氏子総代はどこがやってるんだ?」
神様「・・・お前の妹」
大宮司「妹が!? 妹に会ったのか?」
神様「あぁ、言葉には出さなかったけど会いたがってる感じだったぞ?」
大宮司「何十年も戻っていないからな・・・」
神様「名誉宮司になったら少しは時間もできるだろ」
大宮司「そうだな」フッ
神様「・・・・・・じゃ、犬ころ待たせてるし帰る」ヨイショ
58: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/19(金) 02:30:53 ID:0C0tFqfY
大宮司「神ちゃん」
神様「ん?」
大宮司「私の名誉宮司任命式の代表神を・・・ 神ちゃんにお願いできないだろうか」
神様「私!? 祭儀神の方が良いだろ」
大宮司「いや、神ちゃんにやってもらいたい」
神様「・・・・・・」
59: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/19(金) 02:32:12 ID:0C0tFqfY
大宮司「頼む」
神様「分かった。 引き受ける」
大宮司「ありがとう」
神様「腐れ縁・・・ いや旧友の頼みだ、礼はいらないよ〜」
大宮司「旧友か、嬉しいね」フッ
神様「じゃ〜ね〜」
バタン
神様「・・・・・・」
60: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/19(金) 02:36:09 ID:0C0tFqfY
今週はここまで
61: 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/08/19(金) 03:00:56 ID:WYutv3Dk
乙
62: 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/08/20(土) 23:24:21 ID:e2XX6Uko
おつおつ
63: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/21(日) 05:45:57 ID:/coVUjgM
ーーー 神宮・境内
テクテク
神様「あれ? この自販機もコーラねーじゃん・・・」
神使「あっ、神様!」
神様「ん?」
スタスタ
神使「打ち合わせ、終わりましたか?」
神様「あぁ、待たせた」
64: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/21(日) 05:46:58 ID:/coVUjgM
神使「だいぶ遅くなってしまいましたし、今日は神宮に泊まって明日のんびり村に戻りましょう」
神様「そうね」
神使「ご自分の宿舎に戻られますか?」
神様「あ〜、それよりさぁ」
神使「?」
神様「コーラの売ってる自販機ってここら辺になかったっけ」
神使「一番近いのは裏の駐車場かと」
神様「遠いなぁ〜」
神使「私も飲み物が欲しいので買ってきましょうか?」
神様「じゃぁ一緒に行くか」
65: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/21(日) 05:47:36 ID:/coVUjgM
テクテク
神様「あっ、こっちの裏道の方が近い」
神使「道なんて見えないんですが・・・」
神様「よく見ろよ、草が少し薄いだろ」
神使「え〜・・・ 境内で迷子なんて嫌ですよ・・・」
神様「大丈夫、私を信じろって」
神使「それが心配なのですが・・・」
66: ◆8YCWQhLlF2 :2016/08/21(日) 05:48:27 ID:/coVUjgM
テクテク
神使「こんな所、初めて来ました」
神様「まぁ普通は来ないよな、あそこに私の昔の住居が・・・」ピタッ
神使「どうされました?」
神様「シッ!」
神使「?」
神様「誰かいる」ボソッ
神使「・・・本当ですね」ボソッ
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
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