2chまとめサイトモバイル

神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」

Facebook Twitter LINE はてなブックマーク
Part25
653 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/22(日) 00:47:46 ID:mkZzzWFQ
ーー 裏庭
巫女「ハァ・・・」シュン
神使「裏にこんな所があったんですね」
巫女「あっ、神使様!」
神使「お気になさらず、そのままベンチに座っていて下さい」
巫女「すいません・・・」
神使「はい、ジュースです」
巫女「ありがとうございます・・・」

654 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/22(日) 00:48:50 ID:mkZzzWFQ
神使「ここは風が気持ちいいですね」
巫女「この場所は風が通ってとても涼しいんです」
神使「よくご存じですね」
巫女「私、生まれがこの近くで小さい頃からよくここに来ていて」
神使「そうだったのですか」
巫女「申し訳ございません。 私、鈍くさくてお役に立てず」
神使「そんなことありませんよ? 私と神様だけでは乗り切ることは出来ませんでした」
巫女「私・・・ 巫女なのに神様にお手伝いをさせて・・・ しかも沢山ご迷惑まで・・・」
神使「迷惑だなんてとんでもない」

655 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/22(日) 00:50:18 ID:mkZzzWFQ
巫女「・・・・・・きっと怒ってらっしゃいますよね」
神使「神様って怒っているときは無言になるんです。 眉間にしわを寄せて、ほっぺをぷくっと膨らませて」
巫女「・・・・・・」
神使「少なくとも今日は神様が怒っていたことはございませんよ? 神使嘘つかない」
巫女「でも、私やっぱり巫女に向いてないんです。 毎日神主様や先輩にも怒られてばっかりで・・・」
神使「巫女さんは何年目なんですか?」
巫女「三年目になります」
神使「どうして巫女さんになろうと?」
巫女「私、小さい頃からこの神社が大好きで。毎日のように来ていたんです」
神使「とても良い所ですよね」

656 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/22(日) 00:51:47 ID:mkZzzWFQ
巫女「私ってこんな性格だから、その・・・ 学校ではあまり馴染むことが出来なくて・・・」
神使「・・・・・・」
巫女「でも、分かっているんです。 私が鈍くさくて周りに迷惑ばかりかけていたから・・・ そんな自分が嫌で」
巫女「ここに来るとそんな事を忘れることが出来たんです。 ・・・変ですよね私」
神使「そんなことないと思いますよ?」
巫女「高校を卒業する少し前に、いつものように夜ここで座っていたら主神様が現われて・・・」
神使「主神様が?」
巫女「はい、その時は神様が本当にいるなんて知らなかったので凄くびっくりしました」

657 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/22(日) 00:52:35 ID:mkZzzWFQ
神使「主神様とはお話しなされたのですか?」
巫女「いつも来てくれてありがとう、って・・・」
神使「優しいお方ですね」
巫女「すごく嬉しくて・・・ 次の日、この神社の宮司さんに巫女になりたいですって直談判をしてました」
神使「そうだったんですか」
巫女「私がお社にご奉職するときには宮司さんは別の神社に移ってしまわれて、私は七逆神社に配属になってしまったんですが」
神使「いつか、ここに巫女として配属される日が来ると良いですね」
巫女「・・・・・・」


658 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/22(日) 00:53:49 ID:mkZzzWFQ
神使「そうだ、折角ですし神様にお願いされてはいかがですか?」
巫女「え?」
神使「神様はまだ隠し扉を探しているんでしょうか・・・」キョロキョロ
巫女「でも、私なんかが神様にお願いだなんて」
神使「まぁ、あの神様は神力が使えないので御利益は薄いんですけどね」
巫女「神力が?」
神使「えぇ、その代わりどんな手を使ってでもお願い事を叶えようとするんですよ?」
巫女「私なんかより、お参りして下さった他の方のお願い事を・・・」

659 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/22(日) 00:54:41 ID:mkZzzWFQ
神使「では、巫女さんもお参りをしましょう」
巫女「私も?」
神使「神様はお願いを聞くのがお仕事ですから。 サボれないように仕事を増やしちゃいましょう」
巫女「・・・・・・」
神使「さぁ、いきましょう」
巫女「ありがとうございます。 神使さん」

660 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/22(日) 00:55:56 ID:mkZzzWFQ
ーー 本殿裏
神様「おっ、隠し扉み〜けっ」ゴソゴソ
神様「はへ〜 本殿の中すげーな〜 儲かってんだな・・・」
 カラン カラン
神様「ん?」コソッ
 パンッ パンッ
神様「(巫女ちゃん?)」
巫女「(・・・・・・)」フカブカ
神様「・・・・・・」

661 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/23(月) 02:03:27 ID:.JOXAn/M
ーー 本殿前
神様「おまたせ〜」テクテク
神使「あっ、神様。 隠し扉はありましたか?」
神様「うん、裏に回ったところにあった」
神使「これで寝る場所は確保できましたね。 では、本殿に入りましょうか」
神使「あ〜 私ちょっと出かけてくるわ」
神使「どちらへ行かれるんです?」
神様「ん〜 ちょっとこの先」
神使「何を考えているんですか?」
神様「お前変に疑いすぎ。 ちょろっと遅くなるかもだから先に休んでて〜」タッ タッ タッ

662 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/23(月) 02:04:03 ID:.JOXAn/M
神使「ハァ〜、また何か企んでますね神様は・・・」
巫女「?」
神使「仕方ありません、私達だけ先に休みましょう」
巫女「はい」

663 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/23(月) 02:05:16 ID:.JOXAn/M
ーー 翌朝
神使「結局、神様は戻ってきませんでしたね」
巫女「やっぱり怒って帰ってしまわれたのでは・・・」
神使「巫女さん? 神様はそんな方ではありませんよ?」
巫女「あっ、申し訳ありません」
神使「でも、無断外泊はダメですね。 少し厳しくご指導をしないと神としてのーーー」
 ギィー
神様「ただいまー」
神使「あっ、神様! どこへ行ってらし・・・ て・・・」
 ソロゾロ
神使・巫女「・・・・・・」

664 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/23(月) 02:06:56 ID:.JOXAn/M
神使「神様? こちらの方達は・・・」
神様「右から平安大神社の主神、下鴨川神社の主神、七逆神社の主神、一番左がたけたけ神社の主神」
神使「まさか拉致してきたんですか!?」
神様「んなわ訳ねーだろ!」
神使「でも、主神様達が憔悴しきっているのですが・・・」
神様「この先にある神様機構の保養所で麻雀やってるところを連行してきた」
神使「麻雀!? でも、主神様達は今お祭りに向けた禊ぎ中のはずなのでは・・・」
神様「ハァ〜、神使君さぁ〜 お祭りって言うのはね? 人が勝手に決めて勝手にやってるものなの」
神使「はぁ・・・」
神様「だから神にとっては、その日は休日なの」
神使「・・・・・・」

665 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/23(月) 02:08:04 ID:.JOXAn/M
神様「禊ぎだ〜 とか言って本殿に籠もっているふりして遊びにいってるの」
神使「・・・・・・」
七逆神「神ちゃん! それ言ったらアカンやろ」
神様「まぁ、凄ーく立派なヤツはお祭りの日もきちんと仕事するんだけどね?」チラッ
京神一同「・・・・・・」
神様「でも、この神達は麻雀してたの。 まぁ、別に休みだから良いんだけどさぁ」
七逆神「ほな、放っといてくれや」
神様「でもね?」ギロッ
神一同「!?」

666 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/23(月) 02:09:52 ID:.JOXAn/M
神様「お前達の神社の宮司達が暴走してるからね? 代わりにお前達にお灸を据えようかと思ってね?」
下鴨神「お灸って何? 人の問題は人同士で解決してくれや」
神様「あ? 私に迷惑かかってんだよ! 私は一応神! 神に迷惑かかってんだよ!」
平安神「そやかて、ワシら休暇中やし・・・」
神様「麻雀のレートは?」
京神一同「・・・・・・」
神様「審査神である私神様は、違法な賭け麻雀の現場を目撃したため神様機構に報告をーーー」
下鴨神「分かった! 分かったって! で? 何すればええんよ。 宮司達にコラッって言えばええの?」

667 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/23(月) 02:10:42 ID:.JOXAn/M
神様「お守り売るの手伝って?」
京神一同「・・・・・・え?」
神様「お守り売るの手伝って?」
七逆神「うちらが?」
神様「そう」
下鴨神「お守り売るんか?」
神様「そう」
平安神「どこで?」
神様「ここで」
京神一同「・・・・・・」

668 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/23(月) 02:11:50 ID:.JOXAn/M
七逆神「ここって、たけ神の神社やな?」
たけ神「えぇ・・・」
巫女「・・・・・・」
たけ神「あれ?」
神様「なんだよ、たけちゃん」
たけ神「いえ、神様でなくそちらの巫女はん」
巫女「私ですか!?」
たけ神「久しぶりですね。 巫女にならはったんですね」
巫女「私の事・・・ 覚えてくれているんですか?」
たけ神「当たり前やないですか。 毎日参拝して頂いた方を忘れる訳ないですわ」

669 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/23(月) 02:12:26 ID:.JOXAn/M
神様「七逆神は巫女ちゃんを知ってるか?」
七逆神「? 初めまして・・・ やな」
神様「この子は七逆神社で巫女をやっている」
七逆神「!? ・・・・・・あぁ! 本宮の巫女はんか! 知ってるで」アセアセ
巫女「・・・すいません、私は宮付きでは無いです」
七逆神「・・・・・・すまん」
神様「七逆神、お前今日は死ぬ気で働け」ギロッ
七逆神「・・・・・・」

670 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/23(月) 02:14:37 ID:.JOXAn/M
ーー 昼
参拝者「このお守り下さい」
七逆神「えっとー 五十円やったかな」
巫女「すいません、千八百円お納め下さい・・・」
七逆神「たっか!」
参拝者「七逆神社って、ここからどう行けば良いですか?」
平安神「平安大神社は93系統っちゅうバスに乗ってーーー」
参拝者「いえ・・・ 七逆神社に行きたいんですが・・・」
参拝者「あの、御朱印お願いできますか?」
下鴨神「あ〜 御朱印な」サラサラ
参拝者「(下手くそ・・・)」
下鴨神「どうぞ」ハイ
参拝者「あ・・・ ありがとうございます」
神使「(下手ですが神が書いた御朱印なんて凄いですね・・・)」

671 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/23(月) 02:15:34 ID:.JOXAn/M
ーー 夕方
七逆神「ハァ〜」グッタリ
神様「お疲れ、今日はもう休んで良いぞ」
下鴨神「今日は?」
神様「明日もよろしく」
神一同「(うそ〜ん)」
七逆神「うち社務所でちょっと横になるわ」
神様「社務所入れないよ?」
七逆神「は?」

672 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/23(月) 02:16:16 ID:.JOXAn/M
神様「ここの宮司から入るなって命令されてる。 鍵かかってるし」
たけ神「変やな、いつも鍵なんてかけへんのに」
七逆神「お前ん所の宮司って嫌なヤツやな」
たけ神「前の宮司はええ人やったんですけどなぁ・・・ 今の宮司はちょっと・・・」
神様「あっ、ちなみに数々の嫌がらせはお前達の神社の宮司がグルになってやってるから」
京神一同「・・・・・・」


673 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/23(月) 02:17:17 ID:.JOXAn/M
神様「私達は本殿で寝るから、お前達はそこの参拝者用休憩所で寝てくれ」
京神一同「(小さっ!)」
下鴨神「神ちゃん、あそこに男四人はキツいわ・・・」
平安神「一回宿戻るけ?」
神様「宿の方はチェックアウトしておいた」
京神一同「(うそ〜ん)」
神様「明日は朝六時起きな。 じゃ、よろぴこ〜」スタスタ
京神一同「・・・・・・」

675 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/25(水) 02:03:18 ID:JuM5gJT2
ーー 翌日
 ガヤガヤ
参拝者「交通安全のお守りが欲しいんですけど」
巫女「千円と千五円の二種がございます」
・・・
参拝者「家内安全の祈祷をして頂けますでしょうか」
たけ神「はいはい、う〜ん・・・ 祈祷せんでも大丈夫みたいやけど、やっとく?」
・・・
参拝者「この付近って他におすすめスポットってあります?」
平安神「そやな〜 この先にさがさが神社があるんやけど主神が美人でな〜 酒持って行くと願い叶うで」

676 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/25(水) 02:04:40 ID:JuM5gJT2
神使「巫女さんも馴れてきたようですね」
神様「ん? あ〜、彼女も私と同じでやれば出来る子なんだよ」
神使「それより、主神様達が予想以上に戦力ですね」
神様「あいつらも、こうして人と接するのが久しぶりで楽しいんだろ」
神使「そうかも知れないですね」
神様「人と接するのが嫌な神なんかいない。 人と神は身近でないとダメなんだよ」
神使「・・・・・・」

677 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/25(水) 02:06:29 ID:JuM5gJT2
ーー 夕方
神様「ハァ〜 もうダメ・・・ ちかれた」
七逆神「燃え尽きたで・・・ もう真っ白や・・・」ゲッソリ
神使「何とか無事乗り切れましたね、神々の皆様ありがとうございました」
たけ神「うち、祈祷の受付からお祓いまで一人でやったの初めてやわ・・・」
七逆神「たけ神、お前ん所お守りの種類多すぎやで? 少し減らしや」
たけ神「そやね〜 七逆神社はお守りいくつあるん?」
七逆神「そんなん多くて10種がええとこやろ〜 なぁ巫女はん?」
巫女「うちはお守りだけで全部で48種ございます」
七逆神「・・・・・・すまん。 ちょっと減らさせるわ」

678 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/25(水) 02:08:44 ID:JuM5gJT2
神様「んじゃ、お腹もすいたし食事に行こう」
下鴨神「昼はおにぎりだけやったし倒れそうやわ」
七逆神「美味しいもん食わせてや神ちゃん」
神使「神様、こんな大勢ですと入れるところも限られますが・・・」
神様「大丈夫、予約はしてある」ニヤッ
神使「まさか・・・」

679 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/25(水) 02:09:46 ID:JuM5gJT2
ーー 料亭
七逆神「!? これは・・・」
平安神「う・・・ うまい!」
巫女「美味しい・・・」
神様「どうだ、うまいだろう?」フフン
七逆神「うちの神社の近くにこんな美味しい店があったとは知らんかったわ」
女将「おおきに」
料理長「神ちゃんさんの大切なお客様ですので、腕によりをかけてお作りさせてもらいました」
平安神「料理長はん、うち平安大神社の者なんやけど次の大祭の時に料理お願いしてもええか?」
料理長「名誉なことありがとうございます」
神様「お前達、使いもしない金が沢山あんだろ? 定期的に来い」
七逆神「わし、毎週来るわ」

680 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/25(水) 02:10:54 ID:JuM5gJT2
神使「ちょっと、神様!」ボソッ
神様「なんだよ」
神使「支払いどうするんですか! 私そんなにお金持ってきていませんよ?」
神様「フリーパス券があーーー」
神使「ダメに決まっているじゃないですか!」
神様「今日の売上から出そーーー」
神使「もっとダメです!」
神様「私のクレジットカーーーー」
神使「神様が払いきれる訳ないじゃないですか・・・」
神様「分かってるって〜 任せてちょ」

ショートストーリーの人気記事

女「ハローハロー。誰かいませんか?どうぞ」

キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」

魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」

男「少し不思議な話をしようか」女「いいよ」

同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」

妹「マニュアルで恋します!」

きのこの山「最後通牒だと……?」たけのこの里「……」

月「で……であ…でぁー…TH…であのて……?」

彡(゚)(゚)「お、居酒屋やんけ。入ったろ」

魔法使い「メラしか使えない」