神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
Part24
626 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/20(金) 00:36:12 ID:cuq9viJA
神様「あの宮司達だって、きっと今の制度に不満があるだけだ。 それを改善できないのは神の責任な訳だしね〜」
巫女「・・・・・・」
神様「それより、巫女ちゃんはどうして自分の部屋を私達に提供してくれたの?」
巫女「それは・・・」
神様「悪いけど、巫女ちゃんを追い出してあの部屋で寝ることは出来ないな〜」
巫女「私の事は気になさらずにーーー」
神様「ダメ、気にする。 だから今日は一緒に部屋で寝よう!」
巫女「!? 私なんかが神様と一緒の部屋にだなんて!」
神様「決まり! さぁ部屋戻るよ♪」ガシッ
巫女「うわっ、ちょ、神様!?」ズリズリ
627 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/20(金) 00:37:27 ID:cuq9viJA
ーー 宿舎
神使「そんな・・・」
巫女「・・・・・・」
神使「神様、これは反逆に等しい行為かと思うのですが」
神様「ふふふっ」
神使「あの・・・ 神様?」
神様「面白い、実に面白い、久しぶりに面白い!」クックックッ
神使「どちら様ですか・・・」
神様「この勝負、受けて立とうじゃないか。 なぁ神使君や」ニタァ
巫女「・・・・・・」ブルッ
628 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/20(金) 00:39:21 ID:cuq9viJA
神様「この対決、こちらには巫女と腐れ犬ころ、そしてかわゆい神ちゃんの三人がいる。 最強と思わんかね?」
神使「神様がいることによって最“凶”に字が変わるのですが」
神様「ウルトラスーパー アチョ〜」ゲシッ ゲシッ
神使「痛っ! 痛っ!」
巫女「あの・・・ 私もですか?」
神様「もちろん、今から巫女ちゃんは“かわゆい神ちゃん”チームの一員だ」
神使「なにも巫女さんを巻き込まなくても・・・」
神様「なぁ巫女ちゃんや、一緒にアイツらをコキャッと言わせたいだろ?」ニヤッ
巫女「こきゃ?」
神様「これは楽しみだ。 うひゃ・・・ うひゃひゃひゃ」
神使「(この方は本当に神なんでしょうか・・・ もしかしたら鬼のたぐいなのでは・・・)」
629 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/20(金) 00:40:22 ID:cuq9viJA
神様「まぁそれは良いとして、明日は早いし今日はもう寝るかね」
神使「はい。 えーと、神様はタオルケットだけあれば良いですよね」
神様「あ〜 神使君さぁ」
神使「?」
神様「お前今日は外で寝てね」
神使「・・・・・・え?」
神様「犬ころに変身すれば外で大丈夫だろ?」ニコッ
神使「・・・・・・」
630 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/20(金) 00:42:35 ID:cuq9viJA
ーー深夜
ワオーン ワンワン
神様「う〜ん、メロン八ツ橋の中身がイチゴって へっへっへ」ムニャムニャ
巫女「(神様の寝言が気になって寝られない・・・)」
631 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 08:46:35 ID:N1WD.SCg
乙っぱい
632 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 16:14:49 ID:jCiHBISg
乙
来た時に知っててあの対応か…
633 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:55:42 ID:T6fCGA5o
メロン八つ橋いちご入りが気になりすぎる
634 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:40:15 ID:QpRET/Mo
ーー翌日・朝
巫女「あの、神様? 朝でございます」
神様「Zzz・・・」
巫女「神様?」
トントン
巫女「はい」
おはようございます、神使ですが
巫女「どうぞお入り下さい」
635 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:41:40 ID:QpRET/Mo
ガチャ
神使「おはようございます、巫女さん」
巫女「おはようございます」ペコリ
神使「あれ? 神様はどちらへ?」
巫女「あそこに・・・」
神使「なんですか、あの隅っこの大きな芋虫は・・・」
巫女「何度もお声をおかけしているのですが」
神使「神様は揺らさないと起きませんので」
巫女「私なんかが神様に触れるなんて」
神使「お気になさらずに。 ユサユサして下さい」
巫女「・・・はい。 では、失礼いたします・・・ 神様?」ユサユサ
636 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:43:18 ID:QpRET/Mo
神様「んぁ・・・」ポー
巫女「すいません!」
神様「朝?」
神使「もう出かける時間ですよ? 早く着替えて下さい」
神様「へいへい」ヨイショ
巫女「キャッ///」
神様「ん?」
神使「神様? 下着姿です」
神様「あれ? パジャマ着て寝たはずなんだけどな〜」キョロキョロ
神使「神様のパジャマは廊下に落ちていました」
神様「お〜」
神使「どうやって寝たらパジャマだけ廊下に転がるんですか・・・」
神様「気にすんなって」
637 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:44:59 ID:QpRET/Mo
神使「おや? 巫女さんは私達と一緒にお出になるのですよね?」
巫女「はい」
神使「巫女装束で行かれるのですか?」
巫女「業務時間内でございますので」
神使「では、神様も巫女装束で」
神様「まじかよ! 勘弁してくれよ」
巫女「神様は向こうで祭儀装束に替われば良いかと思いますが」
神使「すいません、神様は巫女装束しか支給されていないんです」
巫女「え?」
神使「神階が最低位で、しかも神力が使えないので祭儀に出る必要もございませーーー」
神様「うっせー」ゲシッ
638 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:46:56 ID:QpRET/Mo
ーー 七逆神社前
神様「あ〜 なんか雲行きが怪しいな〜」
神使「午後に小雨が降るかも知れないと天気予報で言ってました」
神様「ふ〜ん」
神使「巫女さん、たけたけ神社まではどのようにして?」
巫女「はい、駅まで歩いてそこから電車で移動となります」
神様「え? 車じゃなくて?」
巫女「すいません・・・」
639 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:47:47 ID:QpRET/Mo
神使「気にしないで下さい。 神様?」
神様「いや、電車で行くのは良いんだけどさぁ。 この格好で街を歩き回るのは、さすがの私も恥ずいなぁって」
神使「下着姿でウロウロする方が比較にならないくらい恥ずかしいと思うのですが」
神様「そんな格好で外出て歩いてないだろうが!」
神使「気にしなくても着物来た人いっぱいいますから大丈夫ですよ」
神様「いや、でもこれはさすがに目立つでしょ」
神使「覚悟を決めて下さい」
神様「え〜」
640 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:49:04 ID:QpRET/Mo
テクテク
神様「うわ〜 朝早いのに人多いな」
神使「京都の繁華街の通りですから」
あのー
神様「ん?」
観光客「すいません写真一緒に良いですか?」
巫女「あっ、あのこちらは神宮の神・・・ いえ、そのお写真のほうはーーー」
神様「よっしゃ! 神使お前カメラ撮ってやれ」
神使「はい」
巫女「え!?」
観光客「ありがとうございます。 この辺の神社の巫女さんですか?」
神様「私は神宮で、この子は七逆神社の巫女」
観光客「すごーい」
641 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:49:51 ID:QpRET/Mo
神様「どっから来たの?」
観光客「私達、東京から来ました」
神様「そう! 私も一昨日まで吉祥寺にーーー」
神使「神様? 写真撮りますよ?」
神様「あぁ、ほら巫女ちゃんも」
巫女「私もですか?」
神様「当たり前じゃん、早く」
巫女「はい」
神使「では、ハイチーズ」カシャ
観光客「ありがとうございました」
神様「またね〜」
巫女「・・・・・・」
642 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:50:33 ID:QpRET/Mo
ガタンガタン
観光客「神ちゃん面白い〜」ゲラゲラ
神様「いやいや、こっからが傑作でさぁ〜 私がおまるに跨がった途端ーーー」
巫女「・・・・・・」ジー
神使「どうされました?」
巫女「あっ、なんでも・・・」
神使「?」
643 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:53:20 ID:QpRET/Mo
ーーー たけたけ神社
神様「・・・あれ? ここってこんなに大きい神社だったっけ?」
巫女「最近整備されて倍の大きさに広げられたそうです」
神使「普段は何人でまわしているんですか?」
巫女「巫女六人と、神主五人が常駐していると伺っております」
神様「あ〜 そうなんだ・・・」
神使「神様、この大きさの神社を三人でまわすのはかなり無理があるかと・・・」
神様「アイツら中々面白いことやってくれるじゃないか」
神使「授与所を開けるのは何時からですか?」
巫女「九時からです」
神使「あと二時間ですね。 どうされますか神様?」
神様「授与所は二箇所か・・・ 大きい方だけ開けて少し様子を見よう」
神使「分かりました」
644 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:54:37 ID:QpRET/Mo
神様「巫女ちゃん、授与品のリストってある?」
巫女「はい、こちらです」
神様「多いな・・・ 5、10、15・・・ お守りだけで30種もあるのか」
巫女「他に御札と絵馬が合わせて10種ございます」
神様「う〜ん、私のエリアと巫女ちゃんのエリアで全部対応できるようにレイアウトを変えよう」
巫女「えっ!? 神様もお守りを売られるのですか?」
神様「当たり前じゃん」
巫女「しかし、神様にそのようなことをお願いするわけには・・・」
神使「お気になさらずに。 神様の主成分は巫女で出来ておりますので」
神様「神使君さぁ、やっぱり何か言い方にトゲがない?」
神使「そんなことはございませんよ? で、私は何をすれば良いでしょうか」
645 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:55:29 ID:QpRET/Mo
神様「あぁ、犬ころは御朱印中心で空いてるときはサポートにまわってくれ」
神使「分かりました」
神様「よし、じゃぁ社務所に荷物を置いてこよう」
巫女「あの・・・」
神様「どったの?」
巫女「社務所なんですが・・・ 立ち入りを禁止されておりまして・・・」
神使「えっ?」
巫女「このお社の人間以外は立ち入りを禁止していると言われております」
神使「お金の管理はどうするのですか?」
巫女「お釣りなどは私が預かっております」ジャラッ
神様「・・・・・・」
646 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:56:44 ID:QpRET/Mo
神使「神様、いくらなんでもこれは・・・」
神様「ひっひっひっ、中々手が込んでるじゃないか。 なぁ神使君や」ニタッ
巫女「・・・・・・」ブルッ
神使「神様・・・ お願いですから邪神にはならないで下さいね?」
神様「いいぜ、この勝負全部まとめて買ってやるよ! ドドン!」
巫女「ドドン?」
神使「神様の自分で言う効果音です。 気にしないで下さい」
647 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/22(日) 00:37:06 ID:mkZzzWFQ
ーー 昼
参拝者「神宮の御札を頂けますか?」
巫女「はい、こちらになります」
神様「巫女ちゃん? それは、たけたけ神社の御札。 神宮の御札は右側のヤツ」ボソッ
巫女「あっ、すいません・・・」
参拝者「おみくじ十番が出ました」
巫女「あっ、はい十番ですね」ゴソゴソ
神様「は〜い、こちらになりま〜す」
巫女「?」
神様「巫女ちゃん? そっちは別のおみくじだよ?」
巫女「あっ、すいませんでした・・・」
神様「焦らないで」
巫女「はい・・・ 申し訳ございません・・・」
648 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/22(日) 00:38:13 ID:mkZzzWFQ
参拝者「交通安全のお守りってどれですか?」
神様「千円と千五円の二種があるんですけどね、おすすめはコッチ」
巫女「・・・・・・」
参拝者「あの、御朱印をお願いしたいんですがどこでもらえますか?」
巫女「はい、ご案内いたしまーー キャッ!」ドサッ
神様「! 巫女ちゃん大丈夫!?」
巫女「大丈夫です! すいません、すいません!」
649 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/22(日) 00:39:19 ID:mkZzzWFQ
ーー 夕方
神使「お疲れ様でした」
神様「パトラッシェ、僕もう疲れたよ・・・」グテッ
巫女「・・・・・・」
神使「巫女さんもお疲れ様でした」
巫女「・・・本当に申し訳ありませんでした!」
神様「気にしないでって、あの量の参拝者だもん。 よくがんばったよ」
巫女「・・・・・・」
650 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/22(日) 00:40:37 ID:mkZzzWFQ
神様「しかし、どうすっかな〜」
神使「何がですか?」
神様「今日は途中で小雨が降ったりしたから何とか対応できたけど、明日は厳しいかもな」
神使「天気予報では絶好のお出かけ日和といっていました。 やはり三人では・・・」
神様「収拾つかなくなってパンクするよな」
神使「はい・・・」
神様「ところでさぁ、今日寝る所どうすんの?」
神使「そういえば社務所には入れないですよね」
巫女「参拝者用の休憩所で過ごせと・・・」
神様「まじか〜」
651 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/22(日) 00:42:13 ID:mkZzzWFQ
神使「神様、さすがに文句を言った方がよろしいのでは」
神様「めんどい」
神使「・・・・・・」
神様「仕方がない、本殿で寝よう」
巫女「しかし本殿にも鍵が・・・」
神様「良いことを教えてやろう」
神使「良いことですか?」
神様「本殿には裏側に隠し扉があってバレずに出入りが出来るのだよ」ヘヘン
神使「隠し扉?」
神様「神が周りにバレないように抜け出すときのためにある」
神使「なんでそんなものが・・・」
652 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/22(日) 00:43:39 ID:mkZzzWFQ
神様「よく禊ぎとか言って神が籠もるだろ?」
神使「えぇ」
神様「抜け出して遊びに行くんだよ」
神使・巫女「・・・・・・」
神様「だれにも言うなよ?」シー
神使「あまり聞きたくありませんでした・・・」
神様「ちょっと探してくるわ」タッタッタッ
神使「ハァ〜 すいませんね、変な神様で・・・」
巫女「いいえ・・・」
神使「では、私は門を閉めてきますので」
巫女「あっ、私が」
神使「大丈夫です。 少し休憩されていて下さい」スタスタ
神様「あの宮司達だって、きっと今の制度に不満があるだけだ。 それを改善できないのは神の責任な訳だしね〜」
巫女「・・・・・・」
神様「それより、巫女ちゃんはどうして自分の部屋を私達に提供してくれたの?」
巫女「それは・・・」
神様「悪いけど、巫女ちゃんを追い出してあの部屋で寝ることは出来ないな〜」
巫女「私の事は気になさらずにーーー」
神様「ダメ、気にする。 だから今日は一緒に部屋で寝よう!」
巫女「!? 私なんかが神様と一緒の部屋にだなんて!」
神様「決まり! さぁ部屋戻るよ♪」ガシッ
巫女「うわっ、ちょ、神様!?」ズリズリ
627 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/20(金) 00:37:27 ID:cuq9viJA
ーー 宿舎
神使「そんな・・・」
巫女「・・・・・・」
神使「神様、これは反逆に等しい行為かと思うのですが」
神様「ふふふっ」
神使「あの・・・ 神様?」
神様「面白い、実に面白い、久しぶりに面白い!」クックックッ
神使「どちら様ですか・・・」
神様「この勝負、受けて立とうじゃないか。 なぁ神使君や」ニタァ
巫女「・・・・・・」ブルッ
628 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/20(金) 00:39:21 ID:cuq9viJA
神様「この対決、こちらには巫女と腐れ犬ころ、そしてかわゆい神ちゃんの三人がいる。 最強と思わんかね?」
神使「神様がいることによって最“凶”に字が変わるのですが」
神様「ウルトラスーパー アチョ〜」ゲシッ ゲシッ
神使「痛っ! 痛っ!」
巫女「あの・・・ 私もですか?」
神様「もちろん、今から巫女ちゃんは“かわゆい神ちゃん”チームの一員だ」
神使「なにも巫女さんを巻き込まなくても・・・」
神様「なぁ巫女ちゃんや、一緒にアイツらをコキャッと言わせたいだろ?」ニヤッ
巫女「こきゃ?」
神様「これは楽しみだ。 うひゃ・・・ うひゃひゃひゃ」
神使「(この方は本当に神なんでしょうか・・・ もしかしたら鬼のたぐいなのでは・・・)」
629 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/20(金) 00:40:22 ID:cuq9viJA
神様「まぁそれは良いとして、明日は早いし今日はもう寝るかね」
神使「はい。 えーと、神様はタオルケットだけあれば良いですよね」
神様「あ〜 神使君さぁ」
神使「?」
神様「お前今日は外で寝てね」
神使「・・・・・・え?」
神様「犬ころに変身すれば外で大丈夫だろ?」ニコッ
神使「・・・・・・」
630 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/20(金) 00:42:35 ID:cuq9viJA
ーー深夜
ワオーン ワンワン
神様「う〜ん、メロン八ツ橋の中身がイチゴって へっへっへ」ムニャムニャ
巫女「(神様の寝言が気になって寝られない・・・)」
乙っぱい
632 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 16:14:49 ID:jCiHBISg
乙
来た時に知っててあの対応か…
633 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/20(金) 23:55:42 ID:T6fCGA5o
メロン八つ橋いちご入りが気になりすぎる
634 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:40:15 ID:QpRET/Mo
ーー翌日・朝
巫女「あの、神様? 朝でございます」
神様「Zzz・・・」
巫女「神様?」
トントン
巫女「はい」
おはようございます、神使ですが
巫女「どうぞお入り下さい」
635 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:41:40 ID:QpRET/Mo
ガチャ
神使「おはようございます、巫女さん」
巫女「おはようございます」ペコリ
神使「あれ? 神様はどちらへ?」
巫女「あそこに・・・」
神使「なんですか、あの隅っこの大きな芋虫は・・・」
巫女「何度もお声をおかけしているのですが」
神使「神様は揺らさないと起きませんので」
巫女「私なんかが神様に触れるなんて」
神使「お気になさらずに。 ユサユサして下さい」
巫女「・・・はい。 では、失礼いたします・・・ 神様?」ユサユサ
636 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:43:18 ID:QpRET/Mo
神様「んぁ・・・」ポー
巫女「すいません!」
神様「朝?」
神使「もう出かける時間ですよ? 早く着替えて下さい」
神様「へいへい」ヨイショ
巫女「キャッ///」
神様「ん?」
神使「神様? 下着姿です」
神様「あれ? パジャマ着て寝たはずなんだけどな〜」キョロキョロ
神使「神様のパジャマは廊下に落ちていました」
神様「お〜」
神使「どうやって寝たらパジャマだけ廊下に転がるんですか・・・」
神様「気にすんなって」
637 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:44:59 ID:QpRET/Mo
神使「おや? 巫女さんは私達と一緒にお出になるのですよね?」
巫女「はい」
神使「巫女装束で行かれるのですか?」
巫女「業務時間内でございますので」
神使「では、神様も巫女装束で」
神様「まじかよ! 勘弁してくれよ」
巫女「神様は向こうで祭儀装束に替われば良いかと思いますが」
神使「すいません、神様は巫女装束しか支給されていないんです」
巫女「え?」
神使「神階が最低位で、しかも神力が使えないので祭儀に出る必要もございませーーー」
神様「うっせー」ゲシッ
638 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:46:56 ID:QpRET/Mo
ーー 七逆神社前
神様「あ〜 なんか雲行きが怪しいな〜」
神使「午後に小雨が降るかも知れないと天気予報で言ってました」
神様「ふ〜ん」
神使「巫女さん、たけたけ神社まではどのようにして?」
巫女「はい、駅まで歩いてそこから電車で移動となります」
神様「え? 車じゃなくて?」
巫女「すいません・・・」
639 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:47:47 ID:QpRET/Mo
神使「気にしないで下さい。 神様?」
神様「いや、電車で行くのは良いんだけどさぁ。 この格好で街を歩き回るのは、さすがの私も恥ずいなぁって」
神使「下着姿でウロウロする方が比較にならないくらい恥ずかしいと思うのですが」
神様「そんな格好で外出て歩いてないだろうが!」
神使「気にしなくても着物来た人いっぱいいますから大丈夫ですよ」
神様「いや、でもこれはさすがに目立つでしょ」
神使「覚悟を決めて下さい」
神様「え〜」
640 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:49:04 ID:QpRET/Mo
テクテク
神様「うわ〜 朝早いのに人多いな」
神使「京都の繁華街の通りですから」
あのー
神様「ん?」
観光客「すいません写真一緒に良いですか?」
巫女「あっ、あのこちらは神宮の神・・・ いえ、そのお写真のほうはーーー」
神様「よっしゃ! 神使お前カメラ撮ってやれ」
神使「はい」
巫女「え!?」
観光客「ありがとうございます。 この辺の神社の巫女さんですか?」
神様「私は神宮で、この子は七逆神社の巫女」
観光客「すごーい」
641 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:49:51 ID:QpRET/Mo
神様「どっから来たの?」
観光客「私達、東京から来ました」
神様「そう! 私も一昨日まで吉祥寺にーーー」
神使「神様? 写真撮りますよ?」
神様「あぁ、ほら巫女ちゃんも」
巫女「私もですか?」
神様「当たり前じゃん、早く」
巫女「はい」
神使「では、ハイチーズ」カシャ
観光客「ありがとうございました」
神様「またね〜」
巫女「・・・・・・」
642 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:50:33 ID:QpRET/Mo
ガタンガタン
観光客「神ちゃん面白い〜」ゲラゲラ
神様「いやいや、こっからが傑作でさぁ〜 私がおまるに跨がった途端ーーー」
巫女「・・・・・・」ジー
神使「どうされました?」
巫女「あっ、なんでも・・・」
神使「?」
643 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:53:20 ID:QpRET/Mo
ーーー たけたけ神社
神様「・・・あれ? ここってこんなに大きい神社だったっけ?」
巫女「最近整備されて倍の大きさに広げられたそうです」
神使「普段は何人でまわしているんですか?」
巫女「巫女六人と、神主五人が常駐していると伺っております」
神様「あ〜 そうなんだ・・・」
神使「神様、この大きさの神社を三人でまわすのはかなり無理があるかと・・・」
神様「アイツら中々面白いことやってくれるじゃないか」
神使「授与所を開けるのは何時からですか?」
巫女「九時からです」
神使「あと二時間ですね。 どうされますか神様?」
神様「授与所は二箇所か・・・ 大きい方だけ開けて少し様子を見よう」
神使「分かりました」
644 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:54:37 ID:QpRET/Mo
神様「巫女ちゃん、授与品のリストってある?」
巫女「はい、こちらです」
神様「多いな・・・ 5、10、15・・・ お守りだけで30種もあるのか」
巫女「他に御札と絵馬が合わせて10種ございます」
神様「う〜ん、私のエリアと巫女ちゃんのエリアで全部対応できるようにレイアウトを変えよう」
巫女「えっ!? 神様もお守りを売られるのですか?」
神様「当たり前じゃん」
巫女「しかし、神様にそのようなことをお願いするわけには・・・」
神使「お気になさらずに。 神様の主成分は巫女で出来ておりますので」
神様「神使君さぁ、やっぱり何か言い方にトゲがない?」
神使「そんなことはございませんよ? で、私は何をすれば良いでしょうか」
645 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/21(土) 02:55:29 ID:QpRET/Mo
神様「あぁ、犬ころは御朱印中心で空いてるときはサポートにまわってくれ」
神使「分かりました」
神様「よし、じゃぁ社務所に荷物を置いてこよう」
巫女「あの・・・」
神様「どったの?」
巫女「社務所なんですが・・・ 立ち入りを禁止されておりまして・・・」
神使「えっ?」
巫女「このお社の人間以外は立ち入りを禁止していると言われております」
神使「お金の管理はどうするのですか?」
巫女「お釣りなどは私が預かっております」ジャラッ
神様「・・・・・・」
神使「神様、いくらなんでもこれは・・・」
神様「ひっひっひっ、中々手が込んでるじゃないか。 なぁ神使君や」ニタッ
巫女「・・・・・・」ブルッ
神使「神様・・・ お願いですから邪神にはならないで下さいね?」
神様「いいぜ、この勝負全部まとめて買ってやるよ! ドドン!」
巫女「ドドン?」
神使「神様の自分で言う効果音です。 気にしないで下さい」
647 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/22(日) 00:37:06 ID:mkZzzWFQ
ーー 昼
参拝者「神宮の御札を頂けますか?」
巫女「はい、こちらになります」
神様「巫女ちゃん? それは、たけたけ神社の御札。 神宮の御札は右側のヤツ」ボソッ
巫女「あっ、すいません・・・」
参拝者「おみくじ十番が出ました」
巫女「あっ、はい十番ですね」ゴソゴソ
神様「は〜い、こちらになりま〜す」
巫女「?」
神様「巫女ちゃん? そっちは別のおみくじだよ?」
巫女「あっ、すいませんでした・・・」
神様「焦らないで」
巫女「はい・・・ 申し訳ございません・・・」
648 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/22(日) 00:38:13 ID:mkZzzWFQ
参拝者「交通安全のお守りってどれですか?」
神様「千円と千五円の二種があるんですけどね、おすすめはコッチ」
巫女「・・・・・・」
参拝者「あの、御朱印をお願いしたいんですがどこでもらえますか?」
巫女「はい、ご案内いたしまーー キャッ!」ドサッ
神様「! 巫女ちゃん大丈夫!?」
巫女「大丈夫です! すいません、すいません!」
649 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/22(日) 00:39:19 ID:mkZzzWFQ
ーー 夕方
神使「お疲れ様でした」
神様「パトラッシェ、僕もう疲れたよ・・・」グテッ
巫女「・・・・・・」
神使「巫女さんもお疲れ様でした」
巫女「・・・本当に申し訳ありませんでした!」
神様「気にしないでって、あの量の参拝者だもん。 よくがんばったよ」
巫女「・・・・・・」
650 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/22(日) 00:40:37 ID:mkZzzWFQ
神様「しかし、どうすっかな〜」
神使「何がですか?」
神様「今日は途中で小雨が降ったりしたから何とか対応できたけど、明日は厳しいかもな」
神使「天気予報では絶好のお出かけ日和といっていました。 やはり三人では・・・」
神様「収拾つかなくなってパンクするよな」
神使「はい・・・」
神様「ところでさぁ、今日寝る所どうすんの?」
神使「そういえば社務所には入れないですよね」
巫女「参拝者用の休憩所で過ごせと・・・」
神様「まじか〜」
651 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/22(日) 00:42:13 ID:mkZzzWFQ
神使「神様、さすがに文句を言った方がよろしいのでは」
神様「めんどい」
神使「・・・・・・」
神様「仕方がない、本殿で寝よう」
巫女「しかし本殿にも鍵が・・・」
神様「良いことを教えてやろう」
神使「良いことですか?」
神様「本殿には裏側に隠し扉があってバレずに出入りが出来るのだよ」ヘヘン
神使「隠し扉?」
神様「神が周りにバレないように抜け出すときのためにある」
神使「なんでそんなものが・・・」
652 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/22(日) 00:43:39 ID:mkZzzWFQ
神様「よく禊ぎとか言って神が籠もるだろ?」
神使「えぇ」
神様「抜け出して遊びに行くんだよ」
神使・巫女「・・・・・・」
神様「だれにも言うなよ?」シー
神使「あまり聞きたくありませんでした・・・」
神様「ちょっと探してくるわ」タッタッタッ
神使「ハァ〜 すいませんね、変な神様で・・・」
巫女「いいえ・・・」
神使「では、私は門を閉めてきますので」
巫女「あっ、私が」
神使「大丈夫です。 少し休憩されていて下さい」スタスタ
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
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