神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
Part21
546 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 01:02:33 ID:zUO5Zbd6
昭宮神「では、私はこれで失礼いたします」
A子「もう帰っちゃうの?」
昭宮神「もうじき朝のお勤めが始まりますので。 神様とお話しできただけでも、あと300年はがんばれます」
神様「そうかい、んじゃはよ帰れ」ヒラヒラ
神使「神様? せっかく来て下さったのに失礼ですよ?」
昭宮神「いえ、私の方がこんな時間に申し訳ありませんでした」
神使「お気を付けて」
昭宮神「失礼いたします」
547 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 01:03:39 ID:zUO5Zbd6
神様「おい」
昭宮神「?」
神様「まぁ、がんばれよ。 お前のことは信頼している。 これからも頼んだぞ」
昭宮神「神様・・・ 神様が伴侶となって下されば私はもっとーーー」
神様「調子に乗ってんじゃねーよ! 帰れっ!」
昭宮神「ふふっ、神様が元気になられたようで安心いたしました」
神様「・・・・・・」
昭宮神「では、またお目にかかれる日を楽しみにしております」スゥ
A子「わっ! 消えた!」
548 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 01:04:56 ID:zUO5Zbd6
神様「ったく、不愉快だ。 寝る」
神使「そろそろ私達も朝のお勤めが始まる時間ですが・・・」
神様「・・・昼まで寝かしてくれ」スタスタ
ガチャッ
A子「神ちゃん嬉しそうだったね」
神使「そうですか? 私には不機嫌全開のように見えましたが」
A子「照れ隠しだよ〜 神使さんは乙女心が分からないんだね〜」
神使「すいません、乙女ではないもので・・・ 乙女?」
549 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 01:05:49 ID:zUO5Zbd6
A子「私もお昼まで寝るー」
神使「えっ?」
A子「神使さんはお昼から寝て良いよ?」
神使「私、二日連続で起きているのですが・・・」
A子「大丈夫だって、神使さん! ここは男を見せるところです!」
神使「ハァ・・・ お昼にちゃんと起きて下さいよ?」
A子「巫女嘘つかない」
神使「では後ほど」
A子「じゃぁお休み」スタスタ
ガチャッ
神使「私の知らないことばかりですね・・・」
神使「さて、もう一踏ん張り。 リホビタンD飲んでおきましょう」スタスタ
550 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 01:06:38 ID:zUO5Zbd6
テクテク
神様「・・・・・・」ハァ
神様「・・・///」
551 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/09(月) 02:43:24 ID:pohXlGPk
神使ちゃん男だったのか
おつ
552 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 01:25:03 ID:p9FDXyvs
ーーー 数日後
神様「ふぁ〜ぁ」ゴロゴロ
神使「神様、だらしないですよ? 神の品格に関わります」
神様「うるせー 誰もいないじゃねーかよ」グダグダ
神使「そう言えば、A子ちゃんはどちらに?」
神様「ん? 駅で帰りの切符予約してくるんだって」
神使「そう言えば、今日の夕方に主神様達がお戻りになるんですよね」
神様「あ〜あ、吉祥寺ともお別れか〜 もう少し居たかったな〜」
553 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 01:26:23 ID:p9FDXyvs
ガラガラ
ただいまー
神使「A子ちゃん帰ってきましたね。 では、最後のご祈願を致しましょうか」
神様「そうだな、主神達が帰ってくる前に終わらしておくか」
神使「では」ゴソゴソ
神様「何やってんの?」
神使「最後ですから、祭儀用の御装束でご祈願を」
神様「え〜 それ裾がちょっと長いんだよ」
神使「全て着用せずとも簡易型で結構ですので」
神様「それでも面倒くさいって」
554 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 01:29:42 ID:p9FDXyvs
ガチャ
A子「いや〜 新幹線最後の一席だったよ。 あぶねーあぶねー」
神使「お帰りなさい」
A子「あれ? ご祈願するの?」
神使「はい、主神様達が帰ってくる前にと思いまして」
A子「あっ、神ちゃん今日は御装束着るんだ」
神様「面倒くさいから着替えなくても良いと思うんだよね」
神使「最後なんですから・・・ A子ちゃんからも言ってやって下さいよ」
555 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 01:31:25 ID:p9FDXyvs
神様「!? A子ちゃん・・・」ワナワナ
A子「?」
神様「その服・・・ すごく、かわゆい・・・」ゴクリ
A子「あ〜これ? いいでしょー」フリフリ
神様「どこで買ったの? 教えて!」
A子「去年買ったヤツだからもうないと思うなー」
神様「そうかー・・・ 残念」
A子「あげようか? 私こっちで新しいの買ったし」
神様「うそ! いいの!」
A子「その代わり、神ちゃんはご祈願で御装束を着ること」
神様「神使! 祭儀装束を用意しろ! 手を抜くなよ!」
神使「(さすがA子ちゃん、神様の扱いは完璧ですね)」
556 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 01:33:02 ID:p9FDXyvs
ーーー 夕方
神様「よし、祈願の方はこれで全部か?」
神使「はい。 お疲れ様でした」
神様「いや〜 ちかれた」フー
A子「ねぇ、神ちゃん?」
神様「なに?」
A子「・・・私もご祈願してもらいたいんだけど良い?」
神様「A子ちゃんも何かお願い事あるの?」
A子「うん」
557 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 01:34:21 ID:p9FDXyvs
神様「私なんかより神宮で祭儀神にやってもらった方が良くない?」
A子「神ちゃんにやってもらいたいなって」
神様「ん〜・・・ でも私じゃ御利益薄いよ? 階位最低のダメ神だし」
A子「そんなことないよ。 神ちゃんとっても立派な神様だよ」
神様「・・・・・・」
A子「それに、今の神ちゃんとっても綺麗で威厳があるもん」
神様「・・・分かった。 全身全霊を込めて神力成就でやってあげる」
558 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 01:35:47 ID:p9FDXyvs
神使「A子ちゃん、ご祈願の種類は?」
A子「はい、これ」スッ
神使「お預かりします」
スタスタ
神使「神様どうぞ」スッ
神様「はい」ペラペラ
神様「・・・・・・神恩感謝?」
A子「うん」
神様「・・・・・・」
A子「これからもよろしくね、神ちゃん!」ニコッ
神様「A子ちゃん・・・」フッ
559 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 01:37:13 ID:p9FDXyvs
神様「よっしゃ、それじゃぁ本日最後のご祈願を執り行いますか」
ギィ
主神「私もご祈願のお手伝いをさせて頂いてもよろしいでしょうか」
宮司「私もご一緒いたします」
神使「主神様に宮司様、お戻りでしたか。 気付かず申し訳ございません」
宮司「本殿に明かりが付いていたもので、もしやと思いまして」
主神「神様のご祈願を拝見するのは初めてでしたので外から拝聴しておりました」
神様「すげー恥ずかしいんだけど・・・」
主神「神様のご祈願、心が洗われました。 私など足下にも及ばず恥ずかしい限りでございます」
神様「お世辞言っても何も無いぞ?」
主神「尊敬する神様に対してお世辞などとんでもございません、本心でございます」
神様「あっそ」
560 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 01:38:45 ID:p9FDXyvs
主神「もしよろしければ神様の副神を務めさせて頂いてもよろしいでしょうか」
神様「お好きにどうぞ」
宮司「私は神使様の補佐をさせて頂きます」
神使「ありがとうございます」
神様「じゃぁ神恩感謝と・・・ A子ちゃんの諸願成就を願って祈願を執り行う」
神使「二神でのご祈願なんて相当な御利益ですね」
神様「A子よ」
A子「はい」
神様「其方の願い、我が神力成就で叶えて進ぜよう」ニコッ
561 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 18:48:42 ID:p9FDXyvs
ーーー 翌日
神使「神様? 忘れ物は無いですか?」
神様「んー、大丈夫」
神使「主神様からもらったお土産が床に転がっているんですが・・・」
神様「これさぁ、何?」
神使「マーライオンの置物ですね・・・ 見た感じ結構高そうな物だと思うのですが」
神様「A子ちゃん欲しい?」
A子「いらなーい」
神様「犬ころ、これ私からのプレゼント。 同類だろ?」ホイ
神使「何ですか同類って・・・ 神様の鞄に入れておきますよ?」ゴソゴソ
神様「ちょ、入れるなやー」
562 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 18:49:21 ID:p9FDXyvs
A子「神ちゃん達は次どこ行くの?」
神様「知らない。 次どこ?」
神使「着いてからのお楽しみです」
神様「たぶん、人もいないようなド田舎だと思う」
A子「そっか〜 またしばらくお別れだね」
神様「でもA子ちゃん、必ず近いうちに会える。 別れは辛ーーー」
A子「がんばってねー」
神様「・・・・・・うん」
神使「主神様と宮司様が、外でお待ちですから行きますよ」
563 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 18:50:32 ID:p9FDXyvs
テクテク
神使「お待たせして申し訳ございません」
宮司「いいえ、こちらこそ駅までお見送りできず申し訳ございません」
主神「この度は本当にありがとうございました」フカブカ
神使「こちらこそ、貴重な経験をさせて頂き感謝いたします」
主神「宮司、神様達にお礼を」
宮司「はい、こちら少ないですがお納め下さい」
神使「ありがとうございます」
宮司「こちらは巫女さんの分です」
A子「私ももらって良いんですか?」
宮司「こんなに綺麗に掃除までして頂いたのですから、そのお礼と思って受け取って下さい」
A子「ありがとうございます」
564 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 18:51:24 ID:p9FDXyvs
宮司「そして、こちらは神様の分でございます」
神様「うそ! 私も良いの!?」
宮司「どうぞお納め下さい」
神様「やったー」ビリビリ
神使「ちょっと神様! はしたないからやめて下さいよ・・・」
神様「すげー こんなに入ってるよ!!」
神使「こちらでお預かりします」
神様「ぇ・・・」
神使「先日は豪快にクレジットカード使いましたよね? 借金もまだ残っています」
神様「・・・・・・」
565 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 18:52:16 ID:p9FDXyvs
神使「はい、神様の分です」チャリン
神様「500円・・・」
A子「うわ〜 神ちゃん可哀想・・・」
神様「私は子供かよ!!」
神使「クレジットカードは魔法の財布では無いんですよ?」
神様「はい・・・」シュン
神使「では、主神様、宮司様、大変お世話になりました」
宮司「こちらこそ、無理なお願いを聞いて頂きありがとうございます」
神使「では、失礼いたします」
A子「お世話になりました」
神様「ハイバーイ」
566 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 18:52:53 ID:p9FDXyvs
ーーー 駅前
テクテク
神使「そうだ、神様?」
神様「あん?」
神使「ちょっとヨトバシ寄って良いですか?」
A子「買い物?」
神使「えぇ、受け取りなのですが」
神様「んだよ、お前だけ買い物しやがってずりーな〜」
567 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 18:54:45 ID:p9FDXyvs
ーーー ヨトバシカメラ
神使「店員さん、神使と申しますが」
店員「お待ちしておりました。 こちらが新しいスマホです」スッ
神様「うわっ、この腐れ犬ころ私の欲しいスマホにしやがった」
神使「神様のスマホですよ? 受け取って下さい」
神様「ほへ?」
神使「この黄色い小さいヤツで良いんですよね?」
神様「えっ? 私の?」
神使「さすがに神様の携帯は古すぎますから」
A子「うわ〜 最新型じゃん! いいな〜」
神様「いや、でもわたし金ないし・・・」
神使「この位は大丈夫です。 新幹線を使ったと思えばトントンですから」
568 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 18:55:30 ID:p9FDXyvs
神様「でも・・・」
神使「なに遠慮してるんですか? 神様らしくない」
神様「本当に大丈夫?」
神使「その代わり、弄って良いのは1日1時間までですよ? あと課金は一切NGです。 約束できます?」
神様「約束する!」
店員「では、付属品などはこちらになります」
A子「神使さん優しい〜」
神使「さすがにあそこまで古い物をもたれると神様の品格に関わりますので」
神様「ありがとうな、大切にする」
569 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 18:56:23 ID:p9FDXyvs
ーーー 電車内
ガタンガタン
A子「これでやっと神ちゃんとLINEがリアルタイムで出来るね」
神様「前のヤツは面倒くさかったからな〜」
A子「ガラケーってリアルタイムじゃ出来ないもんねー」
神使「あっ、神宮アプリは入れておいて下さいね」
神様「嫌だよ、そんなの」
A子「あれ重いからね〜、私は削除したー」
570 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 18:57:00 ID:p9FDXyvs
神使「A子ちゃんは東京から新幹線ですよね」
A子「うん」
神様「っていうか私達は次どこだよ」
神使「まぁ隠す必要もございませんし・・・ 京都です」
神様「え〜 京都なの〜?」
A子「あれ? じゃぁ名古屋まで新幹線一緒じゃん」
神様「そうだね」
571 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 18:57:40 ID:p9FDXyvs
神使「私達は各駅ですので」
神様「・・・・・・えっ?」クルッ
神使「鈍行です」
神様「ねぇ、巫女さんが新幹線で神と神使が鈍行ってその差は何?」
神使「A子ちゃんは神宮の職員ですから経費で落ちますが、私達は違いますので」
神様「いやいや、そこは経費で落とそうよ」
神使「ですから、私達には経費という概念がございませんので」
神様「A子ちゃんも鈍行で行かない?」
A子「新幹線で帰る」
神様「まぁ・・・ そうだよね」
昭宮神「では、私はこれで失礼いたします」
A子「もう帰っちゃうの?」
昭宮神「もうじき朝のお勤めが始まりますので。 神様とお話しできただけでも、あと300年はがんばれます」
神様「そうかい、んじゃはよ帰れ」ヒラヒラ
神使「神様? せっかく来て下さったのに失礼ですよ?」
昭宮神「いえ、私の方がこんな時間に申し訳ありませんでした」
神使「お気を付けて」
昭宮神「失礼いたします」
547 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 01:03:39 ID:zUO5Zbd6
神様「おい」
昭宮神「?」
神様「まぁ、がんばれよ。 お前のことは信頼している。 これからも頼んだぞ」
昭宮神「神様・・・ 神様が伴侶となって下されば私はもっとーーー」
神様「調子に乗ってんじゃねーよ! 帰れっ!」
昭宮神「ふふっ、神様が元気になられたようで安心いたしました」
神様「・・・・・・」
昭宮神「では、またお目にかかれる日を楽しみにしております」スゥ
A子「わっ! 消えた!」
548 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 01:04:56 ID:zUO5Zbd6
神様「ったく、不愉快だ。 寝る」
神使「そろそろ私達も朝のお勤めが始まる時間ですが・・・」
神様「・・・昼まで寝かしてくれ」スタスタ
ガチャッ
A子「神ちゃん嬉しそうだったね」
神使「そうですか? 私には不機嫌全開のように見えましたが」
A子「照れ隠しだよ〜 神使さんは乙女心が分からないんだね〜」
神使「すいません、乙女ではないもので・・・ 乙女?」
549 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 01:05:49 ID:zUO5Zbd6
A子「私もお昼まで寝るー」
神使「えっ?」
A子「神使さんはお昼から寝て良いよ?」
神使「私、二日連続で起きているのですが・・・」
A子「大丈夫だって、神使さん! ここは男を見せるところです!」
神使「ハァ・・・ お昼にちゃんと起きて下さいよ?」
A子「巫女嘘つかない」
神使「では後ほど」
A子「じゃぁお休み」スタスタ
ガチャッ
神使「私の知らないことばかりですね・・・」
神使「さて、もう一踏ん張り。 リホビタンD飲んでおきましょう」スタスタ
550 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 01:06:38 ID:zUO5Zbd6
テクテク
神様「・・・・・・」ハァ
神様「・・・///」
神使ちゃん男だったのか
おつ
552 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 01:25:03 ID:p9FDXyvs
ーーー 数日後
神様「ふぁ〜ぁ」ゴロゴロ
神使「神様、だらしないですよ? 神の品格に関わります」
神様「うるせー 誰もいないじゃねーかよ」グダグダ
神使「そう言えば、A子ちゃんはどちらに?」
神様「ん? 駅で帰りの切符予約してくるんだって」
神使「そう言えば、今日の夕方に主神様達がお戻りになるんですよね」
神様「あ〜あ、吉祥寺ともお別れか〜 もう少し居たかったな〜」
553 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 01:26:23 ID:p9FDXyvs
ガラガラ
ただいまー
神使「A子ちゃん帰ってきましたね。 では、最後のご祈願を致しましょうか」
神様「そうだな、主神達が帰ってくる前に終わらしておくか」
神使「では」ゴソゴソ
神様「何やってんの?」
神使「最後ですから、祭儀用の御装束でご祈願を」
神様「え〜 それ裾がちょっと長いんだよ」
神使「全て着用せずとも簡易型で結構ですので」
神様「それでも面倒くさいって」
554 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 01:29:42 ID:p9FDXyvs
ガチャ
A子「いや〜 新幹線最後の一席だったよ。 あぶねーあぶねー」
神使「お帰りなさい」
A子「あれ? ご祈願するの?」
神使「はい、主神様達が帰ってくる前にと思いまして」
A子「あっ、神ちゃん今日は御装束着るんだ」
神様「面倒くさいから着替えなくても良いと思うんだよね」
神使「最後なんですから・・・ A子ちゃんからも言ってやって下さいよ」
555 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 01:31:25 ID:p9FDXyvs
神様「!? A子ちゃん・・・」ワナワナ
A子「?」
神様「その服・・・ すごく、かわゆい・・・」ゴクリ
A子「あ〜これ? いいでしょー」フリフリ
神様「どこで買ったの? 教えて!」
A子「去年買ったヤツだからもうないと思うなー」
神様「そうかー・・・ 残念」
A子「あげようか? 私こっちで新しいの買ったし」
神様「うそ! いいの!」
A子「その代わり、神ちゃんはご祈願で御装束を着ること」
神様「神使! 祭儀装束を用意しろ! 手を抜くなよ!」
神使「(さすがA子ちゃん、神様の扱いは完璧ですね)」
556 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 01:33:02 ID:p9FDXyvs
ーーー 夕方
神様「よし、祈願の方はこれで全部か?」
神使「はい。 お疲れ様でした」
神様「いや〜 ちかれた」フー
A子「ねぇ、神ちゃん?」
神様「なに?」
A子「・・・私もご祈願してもらいたいんだけど良い?」
神様「A子ちゃんも何かお願い事あるの?」
A子「うん」
557 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 01:34:21 ID:p9FDXyvs
神様「私なんかより神宮で祭儀神にやってもらった方が良くない?」
A子「神ちゃんにやってもらいたいなって」
神様「ん〜・・・ でも私じゃ御利益薄いよ? 階位最低のダメ神だし」
A子「そんなことないよ。 神ちゃんとっても立派な神様だよ」
神様「・・・・・・」
A子「それに、今の神ちゃんとっても綺麗で威厳があるもん」
神様「・・・分かった。 全身全霊を込めて神力成就でやってあげる」
558 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 01:35:47 ID:p9FDXyvs
神使「A子ちゃん、ご祈願の種類は?」
A子「はい、これ」スッ
神使「お預かりします」
スタスタ
神使「神様どうぞ」スッ
神様「はい」ペラペラ
神様「・・・・・・神恩感謝?」
A子「うん」
神様「・・・・・・」
A子「これからもよろしくね、神ちゃん!」ニコッ
神様「A子ちゃん・・・」フッ
559 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 01:37:13 ID:p9FDXyvs
神様「よっしゃ、それじゃぁ本日最後のご祈願を執り行いますか」
ギィ
主神「私もご祈願のお手伝いをさせて頂いてもよろしいでしょうか」
宮司「私もご一緒いたします」
神使「主神様に宮司様、お戻りでしたか。 気付かず申し訳ございません」
宮司「本殿に明かりが付いていたもので、もしやと思いまして」
主神「神様のご祈願を拝見するのは初めてでしたので外から拝聴しておりました」
神様「すげー恥ずかしいんだけど・・・」
主神「神様のご祈願、心が洗われました。 私など足下にも及ばず恥ずかしい限りでございます」
神様「お世辞言っても何も無いぞ?」
主神「尊敬する神様に対してお世辞などとんでもございません、本心でございます」
神様「あっそ」
560 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 01:38:45 ID:p9FDXyvs
主神「もしよろしければ神様の副神を務めさせて頂いてもよろしいでしょうか」
神様「お好きにどうぞ」
宮司「私は神使様の補佐をさせて頂きます」
神使「ありがとうございます」
神様「じゃぁ神恩感謝と・・・ A子ちゃんの諸願成就を願って祈願を執り行う」
神使「二神でのご祈願なんて相当な御利益ですね」
神様「A子よ」
A子「はい」
神様「其方の願い、我が神力成就で叶えて進ぜよう」ニコッ
561 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 18:48:42 ID:p9FDXyvs
ーーー 翌日
神使「神様? 忘れ物は無いですか?」
神様「んー、大丈夫」
神使「主神様からもらったお土産が床に転がっているんですが・・・」
神様「これさぁ、何?」
神使「マーライオンの置物ですね・・・ 見た感じ結構高そうな物だと思うのですが」
神様「A子ちゃん欲しい?」
A子「いらなーい」
神様「犬ころ、これ私からのプレゼント。 同類だろ?」ホイ
神使「何ですか同類って・・・ 神様の鞄に入れておきますよ?」ゴソゴソ
神様「ちょ、入れるなやー」
562 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 18:49:21 ID:p9FDXyvs
A子「神ちゃん達は次どこ行くの?」
神様「知らない。 次どこ?」
神使「着いてからのお楽しみです」
神様「たぶん、人もいないようなド田舎だと思う」
A子「そっか〜 またしばらくお別れだね」
神様「でもA子ちゃん、必ず近いうちに会える。 別れは辛ーーー」
A子「がんばってねー」
神様「・・・・・・うん」
神使「主神様と宮司様が、外でお待ちですから行きますよ」
563 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 18:50:32 ID:p9FDXyvs
テクテク
神使「お待たせして申し訳ございません」
宮司「いいえ、こちらこそ駅までお見送りできず申し訳ございません」
主神「この度は本当にありがとうございました」フカブカ
神使「こちらこそ、貴重な経験をさせて頂き感謝いたします」
主神「宮司、神様達にお礼を」
宮司「はい、こちら少ないですがお納め下さい」
神使「ありがとうございます」
宮司「こちらは巫女さんの分です」
A子「私ももらって良いんですか?」
宮司「こんなに綺麗に掃除までして頂いたのですから、そのお礼と思って受け取って下さい」
A子「ありがとうございます」
564 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 18:51:24 ID:p9FDXyvs
宮司「そして、こちらは神様の分でございます」
神様「うそ! 私も良いの!?」
宮司「どうぞお納め下さい」
神様「やったー」ビリビリ
神使「ちょっと神様! はしたないからやめて下さいよ・・・」
神様「すげー こんなに入ってるよ!!」
神使「こちらでお預かりします」
神様「ぇ・・・」
神使「先日は豪快にクレジットカード使いましたよね? 借金もまだ残っています」
神様「・・・・・・」
565 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 18:52:16 ID:p9FDXyvs
神使「はい、神様の分です」チャリン
神様「500円・・・」
A子「うわ〜 神ちゃん可哀想・・・」
神様「私は子供かよ!!」
神使「クレジットカードは魔法の財布では無いんですよ?」
神様「はい・・・」シュン
神使「では、主神様、宮司様、大変お世話になりました」
宮司「こちらこそ、無理なお願いを聞いて頂きありがとうございます」
神使「では、失礼いたします」
A子「お世話になりました」
神様「ハイバーイ」
ーーー 駅前
テクテク
神使「そうだ、神様?」
神様「あん?」
神使「ちょっとヨトバシ寄って良いですか?」
A子「買い物?」
神使「えぇ、受け取りなのですが」
神様「んだよ、お前だけ買い物しやがってずりーな〜」
567 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 18:54:45 ID:p9FDXyvs
ーーー ヨトバシカメラ
神使「店員さん、神使と申しますが」
店員「お待ちしておりました。 こちらが新しいスマホです」スッ
神様「うわっ、この腐れ犬ころ私の欲しいスマホにしやがった」
神使「神様のスマホですよ? 受け取って下さい」
神様「ほへ?」
神使「この黄色い小さいヤツで良いんですよね?」
神様「えっ? 私の?」
神使「さすがに神様の携帯は古すぎますから」
A子「うわ〜 最新型じゃん! いいな〜」
神様「いや、でもわたし金ないし・・・」
神使「この位は大丈夫です。 新幹線を使ったと思えばトントンですから」
568 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 18:55:30 ID:p9FDXyvs
神様「でも・・・」
神使「なに遠慮してるんですか? 神様らしくない」
神様「本当に大丈夫?」
神使「その代わり、弄って良いのは1日1時間までですよ? あと課金は一切NGです。 約束できます?」
神様「約束する!」
店員「では、付属品などはこちらになります」
A子「神使さん優しい〜」
神使「さすがにあそこまで古い物をもたれると神様の品格に関わりますので」
神様「ありがとうな、大切にする」
569 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 18:56:23 ID:p9FDXyvs
ーーー 電車内
ガタンガタン
A子「これでやっと神ちゃんとLINEがリアルタイムで出来るね」
神様「前のヤツは面倒くさかったからな〜」
A子「ガラケーってリアルタイムじゃ出来ないもんねー」
神使「あっ、神宮アプリは入れておいて下さいね」
神様「嫌だよ、そんなの」
A子「あれ重いからね〜、私は削除したー」
570 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 18:57:00 ID:p9FDXyvs
神使「A子ちゃんは東京から新幹線ですよね」
A子「うん」
神様「っていうか私達は次どこだよ」
神使「まぁ隠す必要もございませんし・・・ 京都です」
神様「え〜 京都なの〜?」
A子「あれ? じゃぁ名古屋まで新幹線一緒じゃん」
神様「そうだね」
571 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/10(火) 18:57:40 ID:p9FDXyvs
神使「私達は各駅ですので」
神様「・・・・・・えっ?」クルッ
神使「鈍行です」
神様「ねぇ、巫女さんが新幹線で神と神使が鈍行ってその差は何?」
神使「A子ちゃんは神宮の職員ですから経費で落ちますが、私達は違いますので」
神様「いやいや、そこは経費で落とそうよ」
神使「ですから、私達には経費という概念がございませんので」
神様「A子ちゃんも鈍行で行かない?」
A子「新幹線で帰る」
神様「まぁ・・・ そうだよね」
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
Part1<< Part17 Part18 Part19 Part20 Part21 Part22 Part23 Part24 Part25 >>Part160
評価する!(10018)
ショートストーリーの人気記事
女「ハローハロー。誰かいませんか?どうぞ」
→記事を読む
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
→記事を読む
魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
→記事を読む
男「少し不思議な話をしようか」女「いいよ」
→記事を読む
同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」
→記事を読む
妹「マニュアルで恋します!」
→記事を読む
きのこの山「最後通牒だと……?」たけのこの里「……」
→記事を読む
月「で……であ…でぁー…TH…であのて……?」
→記事を読む
彡(゚)(゚)「お、居酒屋やんけ。入ったろ」
→記事を読む
魔法使い「メラしか使えない」
→記事を読む