神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
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211: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/04(月) 13:46:25 ID:RBp42AdM
――― 夜・居間
神様「この煮物美味しい」モグモグ
少女「味、濃くなかったですか?」
神様「丁度良い。 私の好きな味」
神使「少女さんはお料理がお上手ですね」
少女「一人暮らしが長いので」
神使「いつからお一人で生活を?」
少女「そうですね・・・ もう60年くらいでしょうか」
神様・神使「・・・・・・」
212: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/04(月) 13:47:21 ID:RBp42AdM
少女「冗談ですよ」フフフ
神様「・・・この神社って建立はいつ位なの?」
少女「私も社の成り立ちは詳しく知らないですが、相当古くからあるようです」
神様「変わった作りの神社だよね」
少女「ここ以外で同じ作りの社は存在しないと聞いたことがあります」
神様「へ~」モグモグ
少女「ご飯よそりましょうか?」
神様「うん。 重めでお願い」
神使「重めって・・・ 少しは遠慮してくださいよ神様・・・」
213: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/04(月) 13:48:12 ID:RBp42AdM
――― 客間
神様「・・・・・・」
神使「どうされたんですか? 神様」
神様「気になることがある」
神使「体重ですか?」
神様「ちげーよクソ犬」ゲシッ
神使「痛っ! では何が気になるんです?」
神様「ここって何?」
神使「神社・・・ 継々神社ですね」
神様「本当に?」
214: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/04(月) 13:49:11 ID:RBp42AdM
神使「どういう意味です?」
神様「ここの正式名称って“つぎはぎのもりもり”だろ?」
神使「“つぐつぐのやしろのりょういき”です。 何一つ合っていませんが・・・」
神様「○○神社とか、大社とか宮とかではないんだよなぁ」
神使「そう言われれば、少し特殊ですね」
神様「社号でなくて俗称って線もあるけど、ちょっと名称が変なんだよ」
神使「しかし、どう見ても神社形式だと思いますが。 神宮にも登録されていますし」
神様「継々神社ってのは神宮が勝手に付けた称号じゃないのか?」
神使「可能性はありますが、それが何か?」
215: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/04(月) 13:49:45 ID:RBp42AdM
神様「少女ちゃん一回もここの事を“神社”って言っていないんだよ」
神使「え?」
神様「もしかして、私たちが根本的に勘違いをしているんじゃ・・・」
神使「根本?」
神様「・・・・・・。 もう一つ、重要なことがある」
神使「何でしょう」
神様「隙間風が気になる。 寒くて寝られない」
神使「古い建物ですし・・・ それは我慢しましょう」
神様「う~ん・・・」ゴロゴロ
神使「あっ、神様また服を脱ぎっぱなしにして・・・ シワになってるじゃないですか」
神様「お前の布団の下に敷いておけば朝にはピシッとなるだろ」
神使「全く、私が寝相悪かったらどうするんですか・・・」
神様「私はシワシワでも気にならないけど」
神使「私が気になるんです。 あれ?」
神様「何々? ポッケにお金でも入ってた? それ、私のだから寄越せよ」ガバッ
神使「そんな物入ってませんよ・・・ それより、この壁見て下さい」
神様「あ? 何その穴」
神使「覗くと外が見えます」
神様「隙間風はそこから入っていたのか。 荷物置いて塞いでおけよ」
217: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/04(月) 13:51:17 ID:RBp42AdM
神使「あっ、少女さん」
神様「どこ?」キョロキョロ
神使「外です。 この穴から本殿の裏手にいる少女さんが見えます」
神様「こんな時間に掃除か? ってか覗きかよ・・・」
神使「大量のアサガオを運んでいるようですね。 手伝いに行きましょうか」
神様「そういえば野生の爺さんが奉納するとか言っていたな」
神使「・・・・・・」
神様「どした?」
神使「少し遠くてよく分かりませんが、作業しながら誰かと話をしているようで・・・」
神様「・・・・・・。 ちょっと変われ」
神使「どうぞ」
神様「ん~・・・」ジー
218: 以下、名無しが深夜にお送りします :2020/05/04(月) 22:33:20 ID:kBNx5tVI
本当にヤバそう
219: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/05(火) 22:22:30 ID:dRZoMmQw
――― 本殿裏
少女「うるさいなぁ、 何をそんなに怒っているのよ。 ちょっと小休止よ」グビッ
少女「・・・お酒くらい良いじゃない。 相変わらず面倒くさいなぁ」
少女「・・・そう? 私はイレギュラーな展開は大歓迎。 あなたは違うの?」フッ
神様「疲れを取るなら酒より睡眠! 食べて寝て、また食べて寝る!!」
少女「!?」クルッ
神様「中学生にお酒はまだ早いと思うなぁ~」トテトテ
少女「こ、これは紅茶です! っていうかいつからそこに!?」
220: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/05(火) 22:23:06 ID:dRZoMmQw
神様「少女ちゃんって普段はそんな大人な喋り方だったんだ~」
少女「・・・・・・」
神様「何ていうか別人だよねぇ~ でも、私は猫かぶり少女ちゃんも性格すり切れ少女ちゃんも両方好き」
少女「す、すり切れ!?」
神様「今、誰とお話ししてたの?」
少女「・・・私は見ての通り一人ですが」
神様「まぁいいや。 トイレってどこだっけ」
少女「神ちゃん様達のお部屋の真ん前です・・・」
神様「そういえばそうだった、あんがと」タッタッタッ
少女「・・・・・・」
221: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/05(火) 22:23:47 ID:dRZoMmQw
――― 客間
神様「ただいま~」
神使「いかがでしたか?」
神様「モリモリ出たね。 もうすんごい量」
神使「それは聞いておりません。 少女さんの方です」
神様「忍神、もし居るなら気配だけ出せ」
ポワッ
神様「居るようだな。 話だけ聞いてろ」
222: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/05(火) 22:24:21 ID:dRZoMmQw
神使「こちらから先に動くのですか?」
神様「さっき仕掛けた。 いや仕掛けられたのかも知れないけど・・・ 近いうち動きがあるぞ」
神使「作戦は?」
神様「ない」
神使・忍神「・・・・・・」
神様「いや、どう出てくるのか分からないし。 まぁすぐ行動できるようにしておけ」
神使「分かりました」
神様「明日は忙しくなるぞ~」
223: ◆8YCWQhLlF2 :2020/05/05(火) 22:25:02 ID:dRZoMmQw
――― 深夜・寝室
モクモク
神様「・・・・・・」
神使「Zzz」スヤスヤ
神様「犬ころ、起きられるか?」
神使「Zzz」スヤスヤ
神様「・・・・・・。 忍神は意識あるか?」
シーン
神様「だいぶ強めに焚いてるみたいだし、無理か」ハァ
神様「忍神まで落とすなんてどんな調合だよ・・・ 仕方ない、私一人で行きますかね」
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
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