神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
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719: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 00:38:12 ID:u8y5Okis
神使「ちなみに、その力は頻繁に?」
少女「意識干渉は昨日使いました」
神様「私達の行動を変えるため」
少女「昨日の私の記憶を1日前に移して、お二人に会わないように自分の行動を変えました」
神使「その結果、私達が少女さんと会っていない事になっていたのですね」
少女「お二人の一本前の電車に乗って先回りしてここへ来ましたので」
神様「なんでそんな事を?」
少女「・・・・・・。 あの場所に入ったから」
神使「あの場所?」
神様「倉庫」
少女「あそこは、私とお母さんの思い出の場所。 私が守るとお母さんと約束した場所だから」
神使「そんな大切な場所だったのですか・・・ 勝手に入って申し訳ありません」
720: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 00:39:28 ID:u8y5Okis
少女「私、過去にこの力を気付かれて何度も危険な目に遭いました」
少女「捕らえられ実験台にされて・・・ 殺されそうになったことも・・・」ガタガタ
神使「少女さん・・・」
少女「でも、お二人に先ほどお会いしたとき正直ホッとしました」
神様「?」
少女「心のどこかで、お二人なら気付いて助けてくれんじゃないかと思っていたのかも」
神様「この神社には頻繁に来てたの?」
少女「危険な目にあった時に。 ここに来るとお母さんに守ってもらえるような気がして・・・」
神使「という事は、最近も・・・」
少女「」コクリ
神様「・・・・・・」
少女「でも、今回が最後って決めていました」
神使「それはどういう・・・」
少女「少し疲れてしまったんです」ニコッ
神使「・・・・・・」
721: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 00:40:17 ID:u8y5Okis
神様「心配無用!!」
少女「!?」ビクッ
神様「この私が来たからには全て解決したも同然!」
少女「え?」
神様「辛い経験をした人はそれに見合う幸せが必要だ」
少女「幸せ・・・」
神様「じゃないと人はその辛さで押しつぶされちゃう」
少女「・・・・・・」
神様「だから少女ちゃんには、今までの辛さを帳消しにする位の幸せを私がプレゼントする」
神使「神様・・・」
神様「何も心配いらないから。 今まで一人でよく頑張った」ナデナデ
少女「・・・・・・」ウルウル
722: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 00:41:25 ID:u8y5Okis
神様「よし! まずは状況を整理しよう!」
神使「はい」
神様「・・・・・・」
神使「・・・・・・」
少女「・・・・・・」
神様「神使君、進めて」
神使「え!?」
神様「お前こういう厨二病っぽい案件好きだろ」
神使「神様、もしかして勢いだけで突っ走りましたね?」
神様「テヘッ!」
神使「はぁ〜・・・」ガクッ
723: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 23:33:47 ID:u8y5Okis
神様「早く進めろよ!」
神使「まず、問題点は二つあります。 一つはお母様の失踪、もう一つは少女さんの成長」
神様「そう、それ!」
神使「少女さん、時間移動の力はどの位の頻度で使っていますか?」
少女「意識共有は力のことが知らせそうになった時、何度か過去に飛ばして回避しました」
神使「それが原因という事は考えられませんか?」
少女「意識共有を安定して使えるようになったのは50年前からなので考えにくいと思います」
神使「タイムトラベルの方も頻繁に?」
少女「いいえ、タイムトラベルを最後に使ったのは私が18才の時です」
神様「100年以上前か・・・ その時アイツは?」
少女「私が7歳の時にはすでに行方が分からなくなっていましたから」
724: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 23:34:28 ID:u8y5Okis
神使「年齢的にそのタイムトラベルが少女さんの成長を止めた原因という可能性がありそうですね」
少女「」コクリ
神使「ちなみに、過去未来どちらへ?」
少女「両方行きました。 1回目はその時代から3日前」
神様「随分近いね」
少女「私が18歳になったらこの神社を継ぐことになっていたんです。 でも、私・・・」
神様「継ぐのを躊躇した」
少女「はい。 総代が神宮に提出した書類をすり替えました」
神使「それで、神宮の書類に名前が・・・ でも、最初は記載されていたと聞いていますが」
少女「私も昨日それを聞いて不思議に思いました」
725: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 23:35:06 ID:u8y5Okis
神様「その時近くに神でもいたんだろ。 アイツと違って少女ちゃんの力は不安定だから神には力が効きにくかった」
神使「神が側にいない所では改変の影響がでる・・・ しかし、それは二通りの時間の流れが発生していることに」
神様「アイツから聞いただけだけど限定的で小さいことなら結構あるらしいよ?」
神使「それは物理法則の書き換えが必要な位重大な事ですね・・・」
神様「未来の方は?」
少女「力の制御が不安定で・・・ たぶん暴走したんだと思います。 怖くてそれ以降使っていません」
神使「どの時代かも分からないですか?」
少女「はい、未来という事だけで。 気付いたら暗くて寒い森の中で・・・ 声がしたので怖くてすぐ戻りました」
726: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 23:35:43 ID:u8y5Okis
神様「どう? 解決した?」
神使「少女さんの成長に関して、一つだけ思い当たる節があります」
神様「聞いてやる」
神使「未来からの観測です」
少女「観測・・・」
神使「少女さんが未来に行ってその姿を誰かに見られた場合、その時間・その場所で少女さんが存在していたことが確定されてしまいます」
神様「どういう事?」
神使「例えば100年後に行って誰かの記憶に残った場合、少女さんは100年後に見られた状態でそこにいる必要があると言うことです」
神様「いないとどうなるの?」
少女「私を見た人の記憶に齟齬が発生する・・・」
神使「そうです。 ですから少女さんは未来で観測された状態と同じ状態になるまで歳を取れない」
神様「って事は、少女ちゃんが今の姿で1000年後まで行って誰かに見られたら1000年間年を取らないと?」
727: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 23:36:21 ID:u8y5Okis
少女「でも、先ほど複数の流れが存在することも可能と仰っていませんでしたか?」
神様「そうだよ。 人に見られた位、見間違いで済む可能性の方が高いし。 そんな未来に少女ちゃんなんか誰も知らないはずだし」
少女「私の記憶ですと長くても数秒しかその時代にはいなかった気がしますから見られても印象に強く残らない気が」
神使「複数存在できない位の重大な出来事だったのでは?」
神様「あ?」
神使「事象が複数存在する場合、分かれた事象がどこかで収束するんだと思います。 少女さんの場合収束できない事象だった」
神様「日本語でプリーズ」
神使「タイムパラドックスです」
神様「日本語で言えって言っただろーが! 厨二病!」ゲシッ
神使「痛い!」
神様「まぁ、何となく分かったけど」
728: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 23:37:01 ID:u8y5Okis
神使「少女さん」
少女「はい」
神使「未来にタイムトラベルしたのは18歳の時が最後と仰っていましたが、もっと若いときに行ったことは?」
少女「・・・・・・」
神使「あるんですね?」
少女「お母さんとは何度か。 でも遠くても2日程度でした」
神様「アイツが一緒なら問題は起こらないな」
神使「一人では?」
少女「ハッキリとは覚えていないんですが、私が7歳の時」
神使「過去未来どちらです?」
少女「分かりません・・・ 実際タイムトラベルしたのかも定かではないんですが、その直後に母がいなくなりました・・・」
神様「それが時間移動だったとしたらアイツの失踪に関係があると?」
少女「私がそう思い込んでいるだけかも知れないんですが」
729: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 23:37:37 ID:u8y5Okis
神使「何かその時のことで思い出すことはないでしょうか?」
少女「そうですね・・・」
〜〜〜
少女「お母さん!」タッタッタッ
?「こんな所でどうしたの?」
幼子「あのね、お祭り見てたら迷子になっちゃったの」
?「沢山の人がいるものね。 でも、もう大丈夫よ」ニコッ
〜〜〜
少女「お祭り・・・」
神様「祭り?」
少女「はい、お祭りの日だったと思います」
神使「こちらの神社はお祭りがあるのですか?」
少女「お母さんが亡くなってからは一度も」
730: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 23:38:12 ID:u8y5Okis
神使「他には?」
少女「あとは・・・」
〜〜〜
幼子「ねぇ、あのガタガタしてる箱は何?」
?「あれは、お母さんと幼子の宝物。 幼子が大きくなったら一緒に開けましょうね」
幼子「うん!」
〜〜〜
少女「たしか、宝がどうのって・・・」
神様「宝!?」グワッ
少女「え、えぇ。 大きくなったら一緒に開けようって」
神様「ほぉ〜」ニヤッ
731: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 23:38:51 ID:u8y5Okis
神使「神様?」
神様「何かな? 神使君」
神使「この状況で変なことを考えていませんよね?」
神様「私は神だぞ? 人の喜びが私のご飯。 失敬なことを言うな」
神使「目の瞳孔が開いてますが? 鼻が大きく膨らんでますが? 口が緩んでいますが?」
神様「うるせーよ」ゲシッ
神使「痛い!」ガクッ
少女「ふふっ」クスッ
神使「すいません、こんな時に神様が不謹慎で」
少女「そんな事無いです。 少し落ち着きました」ニコッ
732: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 23:39:29 ID:u8y5Okis
神使「お祭りですか・・・」フムッ
神様「お宝ですか・・・」フムッ
神使「・・・・・・」ジトー
神様「そんな腐ったミカンを見るような目で私を見るのを止めて下さい」
神使「ちなみにこの神社のお祭りというのは何月ですか?」
少女「確か・・・ 毎年1月7日だったと思います」
神様「明日じゃん」
神使「・・・将来この神社でお祭りが開かれるという事でしょうか?」
少女「沢山の人がいました。 境内を埋め尽くす位」
733: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 23:40:23 ID:u8y5Okis
神様「将来ここでそんな大祭なんか開かれるのかねぇ〜」
神使「今のままでは可能性は低そうですが・・・」
神様「だったらさぁ〜」
少女・神使「?」
神様「明日、祭りを開けば良いんじゃね」
神使「祭りを!? 私達がですか?」
神様「そう。 境内を人が埋め尽くす位の大きな祭りを開くんだよ」
少女「でも、そんな沢山の人この村には・・・ しかも明日だなんて」
神様「案がある」ニヤッ
神使「まさか神様・・・」
神様「神使君や、電話を繋いでくれたまへ」
734: 以下、名無しが深夜にお送りします :2019/01/07(月) 07:57:10 ID:NgFyEE8I
神ちゃん頑張れ
735: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/09(水) 07:15:48 ID:9436ABs2
─── 翌日
プッ プッー
おーい、神ちゃ〜ん!
神様「A子ちゃ・・・」
神使「うわっ! 何ですかあの観光バスは!?」
A子「お祭り開くって言うからみんな連れてきたー」
神様「あっ、うん」
736: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/09(水) 07:16:32 ID:9436ABs2
─── 境内
ガヤガヤ
少女「あの、これは・・・」
神様「えっと、先に紹介するね。 この子は神宮の巫女でA子ちゃん」
A子「神宮が誇るミス巫女、A子です」ペコリ
少女「・・・・・・。 少女です」ペコリ
A子「ここって広い神社だね〜」
少女「土地だけですが」
神様「ねぇ、なんで屋台とかまでいるの?」
A子「甘利錆礼手内神社も昨日までお祭りでさぁ。 話をしたら一緒に付いてくるって」
神様「そうなんだ・・・」
737: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/09(水) 07:17:20 ID:9436ABs2
神使「まぁ、お祭りっぽくなりますし良いんじゃないですか? 神職と巫女だらけですが」
神様「そうね、100人位いるからそこそこ賑わってる感は出るかな」
A子「ここに来る途中でバスからスピーカーで宣伝しまくったから人いっぱい来ると思うよ?」
神様「さすがA子ちゃん、私の発想を超える大胆な行動・・・」
神使「よく捕まりませんでしたね」
A子「やだなぁ〜 警察に5回止められたよ」
一同「・・・・・・」
A子「でも正直に私は巫女で神のお告げが〜 って言ったら何も言わずに見逃してくれた」
神様「それは単に関わりたくなかっただけじゃ・・・」
神使「あまり神宮の評判を落とさないで下さいね」
738: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/09(水) 07:17:53 ID:9436ABs2
─── 夕方
ピーヒョロ ピーヒョロ
ガヤガヤ
神様「すげーな・・・ どこから見てもお祭りじゃん」
A子「ふごいね〜」ペロペロ
神様「・・・・・・。 それ何?」ジー
A子「メロン飴、向こうで売ってた」
神様「へ、へぇ〜」ジュルリ
神使「A子ちゃん、巫女装束着たまま食べ歩きなんてダメですよ?」
A子「食べてないもん! ペロペロしてるんだもん。 高速ペロペロー!」ペロペロペロ
739: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/09(水) 07:18:24 ID:9436ABs2
少女「この神社にこんなに人が来るなんて・・・」ウズウズ
神使「少し見てきたらどうです?」
A子・神様「いいの!?」
神様「私は少女さんに言ったんです」
少女「良いんですか?」
神使「もちろんです。日が落ちる頃に倉庫で待ち合わせしましょう」
A子「よっしゃ! 少女ちゃん行こう!」ガシッ
少女「え?」
A子「こっち! さっきすごい美味しそうなもの見つけたんだ」タッタッタッ
少女「あ、ちょ、一人で歩けますから」タッタッタッ
神使「ちなみに、その力は頻繁に?」
少女「意識干渉は昨日使いました」
神様「私達の行動を変えるため」
少女「昨日の私の記憶を1日前に移して、お二人に会わないように自分の行動を変えました」
神使「その結果、私達が少女さんと会っていない事になっていたのですね」
少女「お二人の一本前の電車に乗って先回りしてここへ来ましたので」
神様「なんでそんな事を?」
少女「・・・・・・。 あの場所に入ったから」
神使「あの場所?」
神様「倉庫」
少女「あそこは、私とお母さんの思い出の場所。 私が守るとお母さんと約束した場所だから」
神使「そんな大切な場所だったのですか・・・ 勝手に入って申し訳ありません」
720: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 00:39:28 ID:u8y5Okis
少女「私、過去にこの力を気付かれて何度も危険な目に遭いました」
少女「捕らえられ実験台にされて・・・ 殺されそうになったことも・・・」ガタガタ
神使「少女さん・・・」
少女「でも、お二人に先ほどお会いしたとき正直ホッとしました」
神様「?」
少女「心のどこかで、お二人なら気付いて助けてくれんじゃないかと思っていたのかも」
神様「この神社には頻繁に来てたの?」
少女「危険な目にあった時に。 ここに来るとお母さんに守ってもらえるような気がして・・・」
神使「という事は、最近も・・・」
少女「」コクリ
神様「・・・・・・」
少女「でも、今回が最後って決めていました」
神使「それはどういう・・・」
少女「少し疲れてしまったんです」ニコッ
神使「・・・・・・」
721: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 00:40:17 ID:u8y5Okis
神様「心配無用!!」
少女「!?」ビクッ
神様「この私が来たからには全て解決したも同然!」
少女「え?」
神様「辛い経験をした人はそれに見合う幸せが必要だ」
少女「幸せ・・・」
神様「じゃないと人はその辛さで押しつぶされちゃう」
少女「・・・・・・」
神様「だから少女ちゃんには、今までの辛さを帳消しにする位の幸せを私がプレゼントする」
神使「神様・・・」
神様「何も心配いらないから。 今まで一人でよく頑張った」ナデナデ
少女「・・・・・・」ウルウル
722: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 00:41:25 ID:u8y5Okis
神様「よし! まずは状況を整理しよう!」
神使「はい」
神様「・・・・・・」
神使「・・・・・・」
少女「・・・・・・」
神様「神使君、進めて」
神使「え!?」
神様「お前こういう厨二病っぽい案件好きだろ」
神使「神様、もしかして勢いだけで突っ走りましたね?」
神様「テヘッ!」
神使「はぁ〜・・・」ガクッ
723: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 23:33:47 ID:u8y5Okis
神様「早く進めろよ!」
神使「まず、問題点は二つあります。 一つはお母様の失踪、もう一つは少女さんの成長」
神様「そう、それ!」
神使「少女さん、時間移動の力はどの位の頻度で使っていますか?」
少女「意識共有は力のことが知らせそうになった時、何度か過去に飛ばして回避しました」
神使「それが原因という事は考えられませんか?」
少女「意識共有を安定して使えるようになったのは50年前からなので考えにくいと思います」
神使「タイムトラベルの方も頻繁に?」
少女「いいえ、タイムトラベルを最後に使ったのは私が18才の時です」
神様「100年以上前か・・・ その時アイツは?」
少女「私が7歳の時にはすでに行方が分からなくなっていましたから」
神使「年齢的にそのタイムトラベルが少女さんの成長を止めた原因という可能性がありそうですね」
少女「」コクリ
神使「ちなみに、過去未来どちらへ?」
少女「両方行きました。 1回目はその時代から3日前」
神様「随分近いね」
少女「私が18歳になったらこの神社を継ぐことになっていたんです。 でも、私・・・」
神様「継ぐのを躊躇した」
少女「はい。 総代が神宮に提出した書類をすり替えました」
神使「それで、神宮の書類に名前が・・・ でも、最初は記載されていたと聞いていますが」
少女「私も昨日それを聞いて不思議に思いました」
725: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 23:35:06 ID:u8y5Okis
神様「その時近くに神でもいたんだろ。 アイツと違って少女ちゃんの力は不安定だから神には力が効きにくかった」
神使「神が側にいない所では改変の影響がでる・・・ しかし、それは二通りの時間の流れが発生していることに」
神様「アイツから聞いただけだけど限定的で小さいことなら結構あるらしいよ?」
神使「それは物理法則の書き換えが必要な位重大な事ですね・・・」
神様「未来の方は?」
少女「力の制御が不安定で・・・ たぶん暴走したんだと思います。 怖くてそれ以降使っていません」
神使「どの時代かも分からないですか?」
少女「はい、未来という事だけで。 気付いたら暗くて寒い森の中で・・・ 声がしたので怖くてすぐ戻りました」
726: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 23:35:43 ID:u8y5Okis
神様「どう? 解決した?」
神使「少女さんの成長に関して、一つだけ思い当たる節があります」
神様「聞いてやる」
神使「未来からの観測です」
少女「観測・・・」
神使「少女さんが未来に行ってその姿を誰かに見られた場合、その時間・その場所で少女さんが存在していたことが確定されてしまいます」
神様「どういう事?」
神使「例えば100年後に行って誰かの記憶に残った場合、少女さんは100年後に見られた状態でそこにいる必要があると言うことです」
神様「いないとどうなるの?」
少女「私を見た人の記憶に齟齬が発生する・・・」
神使「そうです。 ですから少女さんは未来で観測された状態と同じ状態になるまで歳を取れない」
神様「って事は、少女ちゃんが今の姿で1000年後まで行って誰かに見られたら1000年間年を取らないと?」
727: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 23:36:21 ID:u8y5Okis
少女「でも、先ほど複数の流れが存在することも可能と仰っていませんでしたか?」
神様「そうだよ。 人に見られた位、見間違いで済む可能性の方が高いし。 そんな未来に少女ちゃんなんか誰も知らないはずだし」
少女「私の記憶ですと長くても数秒しかその時代にはいなかった気がしますから見られても印象に強く残らない気が」
神使「複数存在できない位の重大な出来事だったのでは?」
神様「あ?」
神使「事象が複数存在する場合、分かれた事象がどこかで収束するんだと思います。 少女さんの場合収束できない事象だった」
神様「日本語でプリーズ」
神使「タイムパラドックスです」
神様「日本語で言えって言っただろーが! 厨二病!」ゲシッ
神使「痛い!」
神様「まぁ、何となく分かったけど」
728: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 23:37:01 ID:u8y5Okis
神使「少女さん」
少女「はい」
神使「未来にタイムトラベルしたのは18歳の時が最後と仰っていましたが、もっと若いときに行ったことは?」
少女「・・・・・・」
神使「あるんですね?」
少女「お母さんとは何度か。 でも遠くても2日程度でした」
神様「アイツが一緒なら問題は起こらないな」
神使「一人では?」
少女「ハッキリとは覚えていないんですが、私が7歳の時」
神使「過去未来どちらです?」
少女「分かりません・・・ 実際タイムトラベルしたのかも定かではないんですが、その直後に母がいなくなりました・・・」
神様「それが時間移動だったとしたらアイツの失踪に関係があると?」
少女「私がそう思い込んでいるだけかも知れないんですが」
729: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 23:37:37 ID:u8y5Okis
神使「何かその時のことで思い出すことはないでしょうか?」
少女「そうですね・・・」
〜〜〜
少女「お母さん!」タッタッタッ
?「こんな所でどうしたの?」
幼子「あのね、お祭り見てたら迷子になっちゃったの」
?「沢山の人がいるものね。 でも、もう大丈夫よ」ニコッ
〜〜〜
少女「お祭り・・・」
神様「祭り?」
少女「はい、お祭りの日だったと思います」
神使「こちらの神社はお祭りがあるのですか?」
少女「お母さんが亡くなってからは一度も」
730: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 23:38:12 ID:u8y5Okis
神使「他には?」
少女「あとは・・・」
〜〜〜
幼子「ねぇ、あのガタガタしてる箱は何?」
?「あれは、お母さんと幼子の宝物。 幼子が大きくなったら一緒に開けましょうね」
幼子「うん!」
〜〜〜
少女「たしか、宝がどうのって・・・」
神様「宝!?」グワッ
少女「え、えぇ。 大きくなったら一緒に開けようって」
神様「ほぉ〜」ニヤッ
731: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 23:38:51 ID:u8y5Okis
神使「神様?」
神様「何かな? 神使君」
神使「この状況で変なことを考えていませんよね?」
神様「私は神だぞ? 人の喜びが私のご飯。 失敬なことを言うな」
神使「目の瞳孔が開いてますが? 鼻が大きく膨らんでますが? 口が緩んでいますが?」
神様「うるせーよ」ゲシッ
神使「痛い!」ガクッ
少女「ふふっ」クスッ
神使「すいません、こんな時に神様が不謹慎で」
少女「そんな事無いです。 少し落ち着きました」ニコッ
732: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 23:39:29 ID:u8y5Okis
神使「お祭りですか・・・」フムッ
神様「お宝ですか・・・」フムッ
神使「・・・・・・」ジトー
神様「そんな腐ったミカンを見るような目で私を見るのを止めて下さい」
神使「ちなみにこの神社のお祭りというのは何月ですか?」
少女「確か・・・ 毎年1月7日だったと思います」
神様「明日じゃん」
神使「・・・将来この神社でお祭りが開かれるという事でしょうか?」
少女「沢山の人がいました。 境内を埋め尽くす位」
733: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/06(日) 23:40:23 ID:u8y5Okis
神様「将来ここでそんな大祭なんか開かれるのかねぇ〜」
神使「今のままでは可能性は低そうですが・・・」
神様「だったらさぁ〜」
少女・神使「?」
神様「明日、祭りを開けば良いんじゃね」
神使「祭りを!? 私達がですか?」
神様「そう。 境内を人が埋め尽くす位の大きな祭りを開くんだよ」
少女「でも、そんな沢山の人この村には・・・ しかも明日だなんて」
神様「案がある」ニヤッ
神使「まさか神様・・・」
神様「神使君や、電話を繋いでくれたまへ」
734: 以下、名無しが深夜にお送りします :2019/01/07(月) 07:57:10 ID:NgFyEE8I
神ちゃん頑張れ
735: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/09(水) 07:15:48 ID:9436ABs2
─── 翌日
プッ プッー
おーい、神ちゃ〜ん!
神様「A子ちゃ・・・」
神使「うわっ! 何ですかあの観光バスは!?」
A子「お祭り開くって言うからみんな連れてきたー」
神様「あっ、うん」
736: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/09(水) 07:16:32 ID:9436ABs2
─── 境内
ガヤガヤ
少女「あの、これは・・・」
神様「えっと、先に紹介するね。 この子は神宮の巫女でA子ちゃん」
A子「神宮が誇るミス巫女、A子です」ペコリ
少女「・・・・・・。 少女です」ペコリ
A子「ここって広い神社だね〜」
少女「土地だけですが」
神様「ねぇ、なんで屋台とかまでいるの?」
A子「甘利錆礼手内神社も昨日までお祭りでさぁ。 話をしたら一緒に付いてくるって」
神様「そうなんだ・・・」
737: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/09(水) 07:17:20 ID:9436ABs2
神使「まぁ、お祭りっぽくなりますし良いんじゃないですか? 神職と巫女だらけですが」
神様「そうね、100人位いるからそこそこ賑わってる感は出るかな」
A子「ここに来る途中でバスからスピーカーで宣伝しまくったから人いっぱい来ると思うよ?」
神様「さすがA子ちゃん、私の発想を超える大胆な行動・・・」
神使「よく捕まりませんでしたね」
A子「やだなぁ〜 警察に5回止められたよ」
一同「・・・・・・」
A子「でも正直に私は巫女で神のお告げが〜 って言ったら何も言わずに見逃してくれた」
神様「それは単に関わりたくなかっただけじゃ・・・」
神使「あまり神宮の評判を落とさないで下さいね」
738: ◆8YCWQhLlF2 :2019/01/09(水) 07:17:53 ID:9436ABs2
─── 夕方
ピーヒョロ ピーヒョロ
ガヤガヤ
神様「すげーな・・・ どこから見てもお祭りじゃん」
A子「ふごいね〜」ペロペロ
神様「・・・・・・。 それ何?」ジー
A子「メロン飴、向こうで売ってた」
神様「へ、へぇ〜」ジュルリ
神使「A子ちゃん、巫女装束着たまま食べ歩きなんてダメですよ?」
A子「食べてないもん! ペロペロしてるんだもん。 高速ペロペロー!」ペロペロペロ
少女「この神社にこんなに人が来るなんて・・・」ウズウズ
神使「少し見てきたらどうです?」
A子・神様「いいの!?」
神様「私は少女さんに言ったんです」
少女「良いんですか?」
神使「もちろんです。日が落ちる頃に倉庫で待ち合わせしましょう」
A子「よっしゃ! 少女ちゃん行こう!」ガシッ
少女「え?」
A子「こっち! さっきすごい美味しそうなもの見つけたんだ」タッタッタッ
少女「あ、ちょ、一人で歩けますから」タッタッタッ
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
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