神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
Part124
Part1<<
Part120
Part121
Part122
Part123
Part124
Part125
Part126
Part127
Part128
>>Part160
評価する!(10022)
評価する!(10022)
559: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/12(水) 01:42:06 ID:lsHExe6s
村人「このモロコシは生でもいけるで」
神様「イケルで」モグモグ
神使「・・・では私も」パクッ
村人「どうだ?」
神使「本当ですね。 生でもこんなに美味しいと動物に持って行かれたり大変じゃないですか?」
村人「あ〜 ここらの畑はそういうのがないんだよ」
神様「猿とかいないの?」
村人「猿もイノシシも沢山いるがな。 でも畑の作物は絶対荒さんのだわ」
神使「珍しいですね」
村人「良かったらもう少し持っていくか?」
神様「マジで! 頂戴頂戴」
560: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/12(水) 01:43:16 ID:lsHExe6s
ワオーン
村人「!?」ピクッ
神使「遠吠え?」
村人「あ、すまん。 用事思い出したからワシは帰るわ」
神使「え? あ、はい。 ごちそうさまでした」
村人「あんたらも日が落ちる前に村出てはよ帰れよ。 モロコシは好きなだけ持っていってええから」スタスタ
神使「急にどうしたんでしょう」
神様「ねー」ポキポキッ
神使「日も傾いていますし、暗くなる前に戻りましょうか」
神様「もう少し」ポキポキッ
神使「それ以上はダメです。 持っていくのは2〜3個にして下さい」
561: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/12(水) 01:44:04 ID:lsHExe6s
─── 10分後
テクテク
神様・神使「・・・・・・」
神様「神使君?」
神使「・・・はい」
神様「気付いてる?」
神使「えぇ。 あまり良い感じではなさそうですね・・・」
神様「せーの、で振り向いてみようか」
神使「分かりました」
神様「せーの!」
神様・神使「」クルッ
562: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/12(水) 01:45:01 ID:lsHExe6s
グルルル
神様「な〜んだ・・・ 野生のチワワが唸ってるだけじゃ〜ん」
神使「どう見ても立派な狼さんだと思います・・・」
狼「グルルル」ノシッ ノシッ
神様「こっちに来るんですけど・・・ お前仲間なんだから私達は無害ですって通訳しろよ」
神使「狼さんの言葉なんて分かりませんよ・・・」
神様「使えねー犬ころだな。 ヤベーな、逃げるか?」
神使「目を反らすと襲ってくると思いますが・・・ 神様の持っているトウモロコシを餌にするというのは?」
神様「それはあり得ない。 絶対にダメだ、これだけはダメだ」ギュッ
神使「しかし、狼さんがトウモロコシをガン見てますが」
563: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/12(水) 01:46:05 ID:lsHExe6s
狼「グオー!!」
神様・神使「ひえぇ〜!」
?「こら! アンタは何吠えてるの!!」ペシッ
狼「キャウ〜ン!」
神使「狼娘さん!」
狼娘「大丈夫でしたか? 本当に申し訳ありません!」ペコペコ
神様「助かった〜」ストン
狼娘「このお二人は大神さまの客人です! 匂いで分からないんですか!」
狼「」プイ
狼娘「きちんと謝りなさい!」
564: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/12(水) 01:47:04 ID:lsHExe6s
狼「グルル」
狼娘「大神さまの右腕である私にまで牙を見せるとは良い度胸です! お前は反省するまでご飯抜きです!!」
狼「!?」ペコリペコリ
狼娘「今更謝っても無駄です! 私が本気で怒る前に早くお山に帰りなさい!!」
狼「」タッタッタッ
狼娘「大丈夫ですか? 立てます?」
神様「うん・・・ ちょっとだけ漏れたけど」
神使「またですか・・・」
神様「に、2滴だけだよ」ジュワ〜
神使「全部出し切ったように見えますが・・・」
565: 以下、名無しが深夜にお送りします :2018/09/12(水) 22:47:03 ID:0e/ClooY
あちゃー!ビショビショ!
566: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 00:27:59 ID:Qvq90ftc
テクテク
神様「犬ころ、疲れたからおんぶ」
神使「・・・・・・。 すいません、今日はちょっと・・・」
狼娘「本当に申し訳ありませんでした。 後でキツく叱っておきますので」
神様「この地の守護も担ってるんだから、ちゃんと管理しておかないとダメだと思うの」
神使「確かに野生の狼さんが現れると、村人の方もビックリするかも知れませんね」
狼娘「村の方達の臭いは全員教えているので、絶対牙を剥いて危害を加えることはないのですが・・・」
神使「人里まで降りてきて、お腹でも空いていたんですかね」
狼娘「いえ・・・ ちょうど見回りの時間なんです」
神様「見回り?」
狼娘「はい。 村の作物を荒らす猿やイノシシを追い払ったり部外者が侵入しないようにと」
神使「なるほど、私達の匂いを部外者だと思ったわけですね。 しかも神様はトウモロコシを持っているせいで余計に」
神様「これは盗んでないし!」ギュッ
567: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 00:29:59 ID:Qvq90ftc
狼娘「どちらかというと、お二人に付いた大神さまの匂いが原因かと」
神使「大神さまの匂い?」
狼娘「はい。 大神さまは村の狼たちにとって雲の上のような存在ですから」
神様「でも唸られたけど」
狼娘「大神さまと決闘をした凄腕と思い、自分も決闘したいと思ったようです。 大神さまと決闘することは皆の憧れですから」
神様「なにその危険な関係・・・」
神使「でも、どうして狼さん達が村を守るお仕事をされているんですか?」
狼娘「この村の作物を守るためです。 昔は作物の出来不出来が村人の死活問題でしたから」
神様「なるほどね〜 その代わりに村人から神社に作物の献上があったとか?」
狼娘「」コクッ
神使「持ちつ持たれつですね。 山の狼さん達の食事は献上から賄っているのですか?」
狼娘「・・・いえ」
神様「今の時代に献上とか概念ないだろ〜」
神使「え!? それではタダ働きじゃないですか」
狼娘「・・・・・・」
568: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 00:30:52 ID:Qvq90ftc
神様「大神は何て?」
狼娘「見回りだけは絶対に手を抜くなと。 それが私達の勤めだと」
神様「ふ〜ん・・・」
神使「参拝のない神社運営に狼さん達の餌、それは赤字が続きますよね・・・」
神様「しかも駄菓子屋にも客は来ず、と」
狼娘「う〜・・・」
神使「大神さまはどうされるつもりなんでしょう」
神様「さ〜ね〜」
狼娘「あの!」
神様・神使「?」
狼娘「神社を・・・ 大神様を助けてあげて下さい!!」
神様「・・・・・・」
569: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 00:31:35 ID:Qvq90ftc
─── 駄菓子屋
ガラガラ
狼娘「どうぞお入り下さい」
神様「おじゃま〜」
神使「失礼します」
狼娘「よろしければ好きな駄菓子を取って食べて下さい」
神様「いいの!?」
神使「ダメです。 売り物なんですから」
狼娘「気にしないで下さい。 置いておいてもお客さん来ませんから」ニコッ
神使「・・・・・・」
狼娘「お茶持ってきますので中に入ってお待ち下さい」スタスタ
570: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 00:32:26 ID:Qvq90ftc
神使「神様、何とかならないですかね?」
神様「ふもふ、ふぁふもむ」モグモグ
神使「・・・・・・」
神様「ふもふぉ、ふもぉもむ」モグモグ
神使「・・・・・・食べた分はお金払って下さい」
神様「ふもっ!?」
571: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 00:33:36 ID:Qvq90ftc
─── 駄菓子屋・奥
テクテク
神様「あれ? 下に行く階段がある」
神使「地下室でもあるんですかね?」
狼娘「あぁ、倉庫です」スタスタ
神使「倉庫ですか?」
狼娘「元々この場所には道場がありまして、駄菓子屋を作るときに地下に移したんですけど今は倉庫として使っています」
神様「ふ〜ん」
狼娘「さっ、どうぞお入り下さい」
572: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 00:34:29 ID:Qvq90ftc
─── 駄菓子屋・奥の部屋
狼娘「どうぞ」コトッ
神様「あっ! お茶だ!」
狼娘「私のへそくり茶ですが。 神使さんもどうぞ」コトッ
神使「ありがとうございます。 そんなに大事な物を良いんですか?」
狼娘「せめてものお詫びです。 こんな物がお詫びになるとも思っていないですが・・・」
神使「そのお気持ちで十分です。 いただきます」ズズッ
神様「神社の運営が厳しい?」
狼娘「」コクッ
神使「失礼ですが月の売り上げはどのくらいでしょうか」
狼娘「ここ数年ゼロです・・・」
神様・神使「・・・・・・」
573: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 00:35:22 ID:Qvq90ftc
狼娘「あっ、今日2100円の売り上げがありました」
神使「それは私達ですね・・・」
狼娘「貯金を切り崩して何とかしのいでいるのですが、多分長く持ちません」
神使「実は、神宮から神社運営の寄付金の話がありまして」
狼娘「本当ですか!?」パァ
神使「はい。 それも20年前から」
狼娘「え?」
神様「大神の奴が寄付金を断ってんだってよ」
狼娘「何で・・・」
神使「もしよろしければ、神社の運営帳簿を見せて頂けますか?」
狼娘「はい。 今持ってきます」スタスタ
574: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 00:36:22 ID:Qvq90ftc
神使「狼娘さんは寄付金のことを知らなかったようですね。 どういう事でしょうか?」
神様「別に金があるのか、それとも・・・」
狼娘「お待たせしました」スタスタ
神使「あっ、ありましたか?」
狼娘「はい。 こちらが帳簿です」スッ
神使「拝見します」ペラッ
神様「どう?」ニョキッ
神使「酷い赤字ですね・・・ これでは破綻も時間の問題かと」
狼娘「・・・・・・」
575: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 00:37:23 ID:Qvq90ftc
神使「ん? 20年前に結構な入金があるようですが」
神様「おいくら万円?」
神使「2000万です」
神様「なんだ、金持ってんじゃん」
神使「でも、それも毎月の補てんで食い潰して残っていないようですが」
狼娘「そのお金は・・・ 大神様がご自身の鎧をお売りしたお金でして・・・」
神使「鎧?」
神様「・・・もしかして大神之武神鎧?」
狼娘「」コクッ
神様「・・・・・・」
576: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 00:38:25 ID:Qvq90ftc
神使「その大神之武神鎧というのは?」
神様「あいつが命より大事にしていた特注の鎧。 武神大神のトレードマークだ」
神使「武神?」
神様「そう、あいつは武神だからな。 昔は将軍やら全国の城主から絶大な信仰があったんだよ」
神使「それって国宝級じゃないですか! それをこんな値段でお売りに?」
狼娘「あの時は参拝者も減り本当にお金がなく・・・ 山の狼たちの餌もろくに出せない位困窮してまして・・・」
神使「そんな状況でなぜ寄付金をお受けにならなかったんでしょうか?」
神様「・・・・・・」
神使「神様?」
神様「アイツらしいな」
神使「どういう意味です?」
神様「不器用は変わらず、か」
578: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 23:54:10 ID:Qvq90ftc
─── 夜・本殿前
大神「フンッ! フンッ!」
神様「素振りなんかして何と戦うんだよ」トテトテ
大神「? 神ちゃんか」
神様「ちょっと二人で話できるか?」
大神「向こうの木の陰に二人隠れているようだが?」チラッ
狼娘・神使「」コソッ
神様「盗み聞きさせてやる位は良いんじゃない?」
大神「・・・そうか。 そうだな、丁度良い時期かもしれん」フッ
579: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 23:55:15 ID:Qvq90ftc
神様「ほい、モロコシ」スッ
大神「これは?」
神様「さっき村の人からもらった」
大神「この村のモロコシは美味いだろ」
神様「最高だね」モグモグ
大神「うむ。 相変わらず美味いな」モグモグ
神様「いつだ?」
大神「・・・・・・。 もってあと1年という感じかな」
神様「私の見立てと同じだ。 お前の神力がほとんど底をついている」
大神「潮時だよ。 武神などこの時代に必要ない」
神様「お前が鎧を着て戦に出ている姿は今でも目に焼き付いてる」
大神「惨い時代だったな。 多くの人を傷つけた」
村人「このモロコシは生でもいけるで」
神様「イケルで」モグモグ
神使「・・・では私も」パクッ
村人「どうだ?」
神使「本当ですね。 生でもこんなに美味しいと動物に持って行かれたり大変じゃないですか?」
村人「あ〜 ここらの畑はそういうのがないんだよ」
神様「猿とかいないの?」
村人「猿もイノシシも沢山いるがな。 でも畑の作物は絶対荒さんのだわ」
神使「珍しいですね」
村人「良かったらもう少し持っていくか?」
神様「マジで! 頂戴頂戴」
560: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/12(水) 01:43:16 ID:lsHExe6s
ワオーン
村人「!?」ピクッ
神使「遠吠え?」
村人「あ、すまん。 用事思い出したからワシは帰るわ」
神使「え? あ、はい。 ごちそうさまでした」
村人「あんたらも日が落ちる前に村出てはよ帰れよ。 モロコシは好きなだけ持っていってええから」スタスタ
神使「急にどうしたんでしょう」
神様「ねー」ポキポキッ
神使「日も傾いていますし、暗くなる前に戻りましょうか」
神様「もう少し」ポキポキッ
神使「それ以上はダメです。 持っていくのは2〜3個にして下さい」
561: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/12(水) 01:44:04 ID:lsHExe6s
─── 10分後
テクテク
神様・神使「・・・・・・」
神様「神使君?」
神使「・・・はい」
神様「気付いてる?」
神使「えぇ。 あまり良い感じではなさそうですね・・・」
神様「せーの、で振り向いてみようか」
神使「分かりました」
神様「せーの!」
神様・神使「」クルッ
562: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/12(水) 01:45:01 ID:lsHExe6s
グルルル
神様「な〜んだ・・・ 野生のチワワが唸ってるだけじゃ〜ん」
神使「どう見ても立派な狼さんだと思います・・・」
狼「グルルル」ノシッ ノシッ
神様「こっちに来るんですけど・・・ お前仲間なんだから私達は無害ですって通訳しろよ」
神使「狼さんの言葉なんて分かりませんよ・・・」
神様「使えねー犬ころだな。 ヤベーな、逃げるか?」
神使「目を反らすと襲ってくると思いますが・・・ 神様の持っているトウモロコシを餌にするというのは?」
神様「それはあり得ない。 絶対にダメだ、これだけはダメだ」ギュッ
神使「しかし、狼さんがトウモロコシをガン見てますが」
563: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/12(水) 01:46:05 ID:lsHExe6s
狼「グオー!!」
神様・神使「ひえぇ〜!」
?「こら! アンタは何吠えてるの!!」ペシッ
狼「キャウ〜ン!」
神使「狼娘さん!」
狼娘「大丈夫でしたか? 本当に申し訳ありません!」ペコペコ
神様「助かった〜」ストン
狼娘「このお二人は大神さまの客人です! 匂いで分からないんですか!」
狼「」プイ
狼娘「きちんと謝りなさい!」
狼「グルル」
狼娘「大神さまの右腕である私にまで牙を見せるとは良い度胸です! お前は反省するまでご飯抜きです!!」
狼「!?」ペコリペコリ
狼娘「今更謝っても無駄です! 私が本気で怒る前に早くお山に帰りなさい!!」
狼「」タッタッタッ
狼娘「大丈夫ですか? 立てます?」
神様「うん・・・ ちょっとだけ漏れたけど」
神使「またですか・・・」
神様「に、2滴だけだよ」ジュワ〜
神使「全部出し切ったように見えますが・・・」
565: 以下、名無しが深夜にお送りします :2018/09/12(水) 22:47:03 ID:0e/ClooY
あちゃー!ビショビショ!
566: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 00:27:59 ID:Qvq90ftc
テクテク
神様「犬ころ、疲れたからおんぶ」
神使「・・・・・・。 すいません、今日はちょっと・・・」
狼娘「本当に申し訳ありませんでした。 後でキツく叱っておきますので」
神様「この地の守護も担ってるんだから、ちゃんと管理しておかないとダメだと思うの」
神使「確かに野生の狼さんが現れると、村人の方もビックリするかも知れませんね」
狼娘「村の方達の臭いは全員教えているので、絶対牙を剥いて危害を加えることはないのですが・・・」
神使「人里まで降りてきて、お腹でも空いていたんですかね」
狼娘「いえ・・・ ちょうど見回りの時間なんです」
神様「見回り?」
狼娘「はい。 村の作物を荒らす猿やイノシシを追い払ったり部外者が侵入しないようにと」
神使「なるほど、私達の匂いを部外者だと思ったわけですね。 しかも神様はトウモロコシを持っているせいで余計に」
神様「これは盗んでないし!」ギュッ
567: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 00:29:59 ID:Qvq90ftc
狼娘「どちらかというと、お二人に付いた大神さまの匂いが原因かと」
神使「大神さまの匂い?」
狼娘「はい。 大神さまは村の狼たちにとって雲の上のような存在ですから」
神様「でも唸られたけど」
狼娘「大神さまと決闘をした凄腕と思い、自分も決闘したいと思ったようです。 大神さまと決闘することは皆の憧れですから」
神様「なにその危険な関係・・・」
神使「でも、どうして狼さん達が村を守るお仕事をされているんですか?」
狼娘「この村の作物を守るためです。 昔は作物の出来不出来が村人の死活問題でしたから」
神様「なるほどね〜 その代わりに村人から神社に作物の献上があったとか?」
狼娘「」コクッ
神使「持ちつ持たれつですね。 山の狼さん達の食事は献上から賄っているのですか?」
狼娘「・・・いえ」
神様「今の時代に献上とか概念ないだろ〜」
神使「え!? それではタダ働きじゃないですか」
狼娘「・・・・・・」
568: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 00:30:52 ID:Qvq90ftc
神様「大神は何て?」
狼娘「見回りだけは絶対に手を抜くなと。 それが私達の勤めだと」
神様「ふ〜ん・・・」
神使「参拝のない神社運営に狼さん達の餌、それは赤字が続きますよね・・・」
神様「しかも駄菓子屋にも客は来ず、と」
狼娘「う〜・・・」
神使「大神さまはどうされるつもりなんでしょう」
神様「さ〜ね〜」
狼娘「あの!」
神様・神使「?」
狼娘「神社を・・・ 大神様を助けてあげて下さい!!」
神様「・・・・・・」
569: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 00:31:35 ID:Qvq90ftc
─── 駄菓子屋
ガラガラ
狼娘「どうぞお入り下さい」
神様「おじゃま〜」
神使「失礼します」
狼娘「よろしければ好きな駄菓子を取って食べて下さい」
神様「いいの!?」
神使「ダメです。 売り物なんですから」
狼娘「気にしないで下さい。 置いておいてもお客さん来ませんから」ニコッ
神使「・・・・・・」
狼娘「お茶持ってきますので中に入ってお待ち下さい」スタスタ
570: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 00:32:26 ID:Qvq90ftc
神使「神様、何とかならないですかね?」
神様「ふもふ、ふぁふもむ」モグモグ
神使「・・・・・・」
神様「ふもふぉ、ふもぉもむ」モグモグ
神使「・・・・・・食べた分はお金払って下さい」
神様「ふもっ!?」
571: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 00:33:36 ID:Qvq90ftc
─── 駄菓子屋・奥
テクテク
神様「あれ? 下に行く階段がある」
神使「地下室でもあるんですかね?」
狼娘「あぁ、倉庫です」スタスタ
神使「倉庫ですか?」
狼娘「元々この場所には道場がありまして、駄菓子屋を作るときに地下に移したんですけど今は倉庫として使っています」
神様「ふ〜ん」
狼娘「さっ、どうぞお入り下さい」
572: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 00:34:29 ID:Qvq90ftc
─── 駄菓子屋・奥の部屋
狼娘「どうぞ」コトッ
神様「あっ! お茶だ!」
狼娘「私のへそくり茶ですが。 神使さんもどうぞ」コトッ
神使「ありがとうございます。 そんなに大事な物を良いんですか?」
狼娘「せめてものお詫びです。 こんな物がお詫びになるとも思っていないですが・・・」
神使「そのお気持ちで十分です。 いただきます」ズズッ
神様「神社の運営が厳しい?」
狼娘「」コクッ
神使「失礼ですが月の売り上げはどのくらいでしょうか」
狼娘「ここ数年ゼロです・・・」
神様・神使「・・・・・・」
573: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 00:35:22 ID:Qvq90ftc
狼娘「あっ、今日2100円の売り上げがありました」
神使「それは私達ですね・・・」
狼娘「貯金を切り崩して何とかしのいでいるのですが、多分長く持ちません」
神使「実は、神宮から神社運営の寄付金の話がありまして」
狼娘「本当ですか!?」パァ
神使「はい。 それも20年前から」
狼娘「え?」
神様「大神の奴が寄付金を断ってんだってよ」
狼娘「何で・・・」
神使「もしよろしければ、神社の運営帳簿を見せて頂けますか?」
狼娘「はい。 今持ってきます」スタスタ
574: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 00:36:22 ID:Qvq90ftc
神使「狼娘さんは寄付金のことを知らなかったようですね。 どういう事でしょうか?」
神様「別に金があるのか、それとも・・・」
狼娘「お待たせしました」スタスタ
神使「あっ、ありましたか?」
狼娘「はい。 こちらが帳簿です」スッ
神使「拝見します」ペラッ
神様「どう?」ニョキッ
神使「酷い赤字ですね・・・ これでは破綻も時間の問題かと」
狼娘「・・・・・・」
575: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 00:37:23 ID:Qvq90ftc
神使「ん? 20年前に結構な入金があるようですが」
神様「おいくら万円?」
神使「2000万です」
神様「なんだ、金持ってんじゃん」
神使「でも、それも毎月の補てんで食い潰して残っていないようですが」
狼娘「そのお金は・・・ 大神様がご自身の鎧をお売りしたお金でして・・・」
神使「鎧?」
神様「・・・もしかして大神之武神鎧?」
狼娘「」コクッ
神様「・・・・・・」
576: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 00:38:25 ID:Qvq90ftc
神使「その大神之武神鎧というのは?」
神様「あいつが命より大事にしていた特注の鎧。 武神大神のトレードマークだ」
神使「武神?」
神様「そう、あいつは武神だからな。 昔は将軍やら全国の城主から絶大な信仰があったんだよ」
神使「それって国宝級じゃないですか! それをこんな値段でお売りに?」
狼娘「あの時は参拝者も減り本当にお金がなく・・・ 山の狼たちの餌もろくに出せない位困窮してまして・・・」
神使「そんな状況でなぜ寄付金をお受けにならなかったんでしょうか?」
神様「・・・・・・」
神使「神様?」
神様「アイツらしいな」
神使「どういう意味です?」
神様「不器用は変わらず、か」
578: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 23:54:10 ID:Qvq90ftc
─── 夜・本殿前
大神「フンッ! フンッ!」
神様「素振りなんかして何と戦うんだよ」トテトテ
大神「? 神ちゃんか」
神様「ちょっと二人で話できるか?」
大神「向こうの木の陰に二人隠れているようだが?」チラッ
狼娘・神使「」コソッ
神様「盗み聞きさせてやる位は良いんじゃない?」
大神「・・・そうか。 そうだな、丁度良い時期かもしれん」フッ
579: ◆8YCWQhLlF2 :2018/09/13(木) 23:55:15 ID:Qvq90ftc
神様「ほい、モロコシ」スッ
大神「これは?」
神様「さっき村の人からもらった」
大神「この村のモロコシは美味いだろ」
神様「最高だね」モグモグ
大神「うむ。 相変わらず美味いな」モグモグ
神様「いつだ?」
大神「・・・・・・。 もってあと1年という感じかな」
神様「私の見立てと同じだ。 お前の神力がほとんど底をついている」
大神「潮時だよ。 武神などこの時代に必要ない」
神様「お前が鎧を着て戦に出ている姿は今でも目に焼き付いてる」
大神「惨い時代だったな。 多くの人を傷つけた」
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
Part1<< Part120 Part121 Part122 Part123 Part124 Part125 Part126 Part127 Part128 >>Part160
評価する!(10022)
ショートストーリーの人気記事
女「ハローハロー。誰かいませんか?どうぞ」
→記事を読む
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
→記事を読む
魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
→記事を読む
男「少し不思議な話をしようか」女「いいよ」
→記事を読む
同僚女「おーい、おとこ。起きろ、起きろー」
→記事を読む
妹「マニュアルで恋します!」
→記事を読む
きのこの山「最後通牒だと……?」たけのこの里「……」
→記事を読む
月「で……であ…でぁー…TH…であのて……?」
→記事を読む
彡(゚)(゚)「お、居酒屋やんけ。入ったろ」
→記事を読む
魔法使い「メラしか使えない」
→記事を読む