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神様「科学の神様だ」

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Part6
111 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/14(木) 20:08:57 ID:mV214DWo
神様「いや、人の手で作られたモノだ。 やりようはある」
男「えっ、神様って誰かの手で作られたの?」
神様「そうだ、今から27年後に作られる」
男「未来?」
神様「そういうことになるな」
男「でも、そんなに先の未来ではないんだ」
神様「少し付き合ってくれるか」
男「お出かけ?」
神様「研究所に行こう」

112 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/14(木) 21:52:59 ID:mV214DWo
ーーー 研究所跡
男「しかし、この建物って窓が1枚もないから不気味だよね」
神様「確かに外観はあまり良いデザインではないな」
男「でも、よく見ると・・・ 大きいね」
神様「私の神殿が存在する裏手の山の地下にも施設があるのだぞ?」
男「うそ! 東京ドーム何個分?」
神様「東京ドーム? あー・・・ 10個分か?」
男「ゴメン、よく分からない比較だった・・・」
神様「・・・・・・」
男「それより、神様なんで制服に着替えちゃったの?」
神様「あのような格好で街中を出歩く勇気はない」
男「確かに。 コスプレに近いよね」
 バチッ
男「うひゃ!」ビクッ

113 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/14(木) 21:57:07 ID:mV214DWo
 スタスタ
神様「さてと」
男「どうやって建物の中に入るのさ」
神様「玄関からに決まっている」
男「空いてるわけないじゃん」
神様「開けてみろ」
男「?」
 ガチャ
男「開いた!」
神様「小箱にお前の脳波パターンが登録してあるからな」
男「どういう仕組みよ」
神様「説明が欲しいか?」
男「いや、いいや」
神様「じゃ、入れ」

114 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/14(木) 22:03:04 ID:mV214DWo
男「真っ暗で何にも見えない・・・」
神様「待っていろ」
 ポゥ
男「おっ、電気ついた・・・ ってこれ電気? 天井一面が光ってるみたいだけど」
神様「この建物は小箱のエネルギーが動力源だ。 この照明技術はあと5年もすれば一般的になるであろう」
男「それにしても、廃墟と思えないくらい綺麗だ・・・」
神様「地下に行くぞ」

115 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/14(木) 22:06:13 ID:mV214DWo
 スタスタ
男「事務局長室?」
神様「国連科学戦略研究所事務局長の部屋だ」
男「国連?」
神様「なんだ、知らなかったのか? この研究所は国連の付属機関だ」
男「神様って国連の人なの?」
神様「私は・・・ たぶん違うと思うが」
男「事務局長ってことは偉い人なんじゃないの?」
神様「代々アメリカの副大統領が事務局長を兼務していたようだ」
男「はぁ?」
神様「最後の事務局長は建物の前まで来たようだが、脳波登録しなかったから中には入れず帰って行った気がする」
男「なんでそんな意地悪を・・・」
神様「腹黒なヤツだった」


116 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/14(木) 22:08:30 ID:mV214DWo
神様「それはまぁ良い。 ドアを開けてくれ」
男「うん」ガチャ
 ギー
男「・・・・・・」
神様「どうした?」
男「事務局長ってこんな可愛らしい部屋が好みなの?」
神様「いや、神官達の詰め所として使っていたからな」
男「本も凄い量だな~」
神様「右奥の棚の隙間にスイッチがあるはずだ」
男「スイッチ?」
神様「3回連続で押してくれ」

117 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/14(木) 22:09:39 ID:mV214DWo
男「あ~、コレか」ポチ ポチ ポチ
 ギィー
男「隠し扉・・・」
神様「入れ」
男「ベタすぎない?」
神様「言うな」
 スタスタ
男「“女神様のお部屋”って可愛らしいプレートが掛かっているんだけど」
神様「私の執務室だ・・・ も、文句あるのか?」
男「いいえ」
神様「早く入ってくれ」

118 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/15(金) 06:01:41 ID:qY3LY8Pc
ーーー女神様のお部屋
男「・・・・・・」キョロキョロ
神様「だから、あまり周りをジロジロ見るな」
男「これ、神様の趣味?」
神様「あ?」
男(可愛い人形がいっぱい・・・)ニヤニヤ
神様「なんだ!」
男「別に~」ニヤニヤ
神様「お願いだ、男の頭の中を読ませてもらっても良いだろうか」
男「お断りいたします女神様」
神様「行くぞ! 奥の部屋だ!」グヌヌ

119 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/15(金) 06:04:08 ID:qY3LY8Pc
男「神託の間?」
 ガチャ
男「!?」
神様「どうだ? 驚いたか!」フフン
男「凄い・・・ 教会みたい」
神様「バロック調であるからな。 教会のように見えるかも知れん」
男「は~ っていうか・・・ いくらかかってんのよコレ」
神様「さぁ、だが同じ物はもう作れないであろうな」
神様「しかし懐かしい・・・」

120 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/15(金) 06:10:56 ID:qY3LY8Pc
男「神様もココは久しぶりなの?」
神様「あぁ、こんなに広かったんだな・・・」
神様「おっと、感傷に浸っている場合ではないな」
男「何する気?」
神様「神壇に上がってくれ」
男「あのステージみたいな所?」
神様「神壇と呼べ」
男「あの~ 階段がないんですが・・・」キョロキョロ
神様「よじ登ればよかろう」
男「え~、っていうかこんなとこ神官達はどうやって登っていたのさ」ンショ ンショ

121 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/15(金) 06:15:11 ID:qY3LY8Pc
神様「神官は上がれない」
男「はい?」
神様「神官は神壇の下・・・ 今、私のいる場所で神託を聞くのだ」
男「えっ、じゃぁ俺がここに上がってるのまずくない?」
神様「気にするな」フフッ
男「神様?」
神様「・・・・・・」ペタッ
男「どうしたの神様? 地べたに正座なんかして」
神様「男よ、そのままで」

122 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/15(金) 06:24:34 ID:qY3LY8Pc
 ポワッ
男(女神の格好・・・)
神様「男よ、私に協力をしてもらいたい」フカブカ
男「ちょ! なに土下座なんてしてるの!?」
神様「私は知っての通り実体がない。 物に触れることが出来ない」
男「そんなの知ってるよ」
神様「近く、この世界に甚大な被害が起る事象が発生する」
男「え?」
神様「私は、なんとしてでも阻止したい」
男「・・・・・・」
神様「協力してほしい、お前に無理はさせないと誓う」
男「・・・・・・」
神様「お願いだ」フカブカ

123 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/15(金) 06:27:01 ID:qY3LY8Pc
男「そんなことか」ヤレヤレ
神様「そ、そんなこととはーーー」バッ
男「安心したよ」
神様「安心?」
男「神様がなんで辛そうな顔をしていたのか分かったからさ」
神様「わ、私はそのような顔などーーーー」
男「してたね」
神様「・・・・・・」
男「俺からもお願いがある」

124 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/15(金) 06:29:16 ID:qY3LY8Pc
神様「な、なんだ? 交換条件か?」
男「無理をさせないとか言うのはナシ。どんどんこき使ってくれてかまわない」
神様「しかしーーー」
男「そりゃ、神様に仕えていた当時の神官に比べたら全く役に立たないかもだけどさ」
神様「そんなことは思ったことはないが」
男「でも、協力したいんだ」
神様「・・・・・・」
男「・・・・・・」

125 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/15(金) 06:30:20 ID:qY3LY8Pc
神様「ふふっ、お前というヤツは・・・ さすがだ」
男「?」
神様「男よ、もう一つお願いがある」
男「なんでもどうぞ」
神様「その・・・ 私の大神官になってもらえぬであろうか?」
男「大神官?」
神様「ここから先を知る資格を許されるのは大神官だけだ」
男「なにか条件とかあるの?」
神様「形式上の問題だ」
男「そうなんだ。 OK~ OK~」

126 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/15(金) 06:33:05 ID:qY3LY8Pc
神様「さて」パッ!
男「うわ!」
神様「なんだ、そんなに驚いて」
男「急に目の前に現れるから」
神様「お~、これは失礼した。 しかし、神壇に立つのも久しぶりだ」
男「昔はこの下にいっぱい神官さん達がいたの?」
神様「あぁ、一番多いときで115人の神官がいたな」
男「そう」

127 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/15(金) 06:36:35 ID:qY3LY8Pc
神様「男よ、これより神託を授ける!」キリッ
男「え? なに急に」
神様「大神官に任命するための形式だ。今言ったであろうに」
男「あぁ~」
神様「では、もう一度。 男よ、これより神託を授ける!」キリッ
男「ねぇ、跪いたりしたほうがいい?」
神様「あ? そのままで良い。 黙って立ってろ」
神様「神託! 
 一つ。 女神は男を大神官へ任命する。
 一つ。 女神は大神官にその知識を隠さず話すことを誓う。
 一つ。 女神は大神官を対等な関係に置くことを誓う。
 以上3項を女神の名において男へ神託として授ける!」

128 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/15(金) 06:41:48 ID:qY3LY8Pc
 シーン
男「・・・・・・」
神様「・・・・・・」
神様「なっ、なんだ」
男「格好いい・・・ 神様みたい」
神様「一応そのつもりだ」
男「そういや、そうか」
神様「この期に及んで、私をまだ幽霊か何かだと思っているのか?」
男「いや、神様って本当に神様なんだ」
神様「あ?」
男「謹んでお受けいたします、これで良い?」
神様「あっ・・・ あぁ。 よ・・・ よろしく頼む」
神様「調子が狂うな」
男「なんでよ!」
神様「まあ良い。さて、行こう」

129 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/15(金) 06:45:44 ID:qY3LY8Pc
 ガタン
男「? 裏でなんか落ちたような音したけど」スタスタ
神様「ば・・・ ばか、裏を見るでない!」
 ゴソゴソ
男「ん? これって・・・」
神様「あ~ それは~ なんであろうな~?」シランプリ
男「神様? これファミコンじゃない? 微妙にデザインが違う気もするけど」
神様「ふぁみこん?」
男「ここって閉鎖されたの何年前?」
神様「52年前か?」
男「その頃ってまだファミコンはないよね?」
神様「それはファミコンではない。メガミーコンピュータだ」
男「名前はどうでも良いし」
神様「・・・・・・」

130 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/15(金) 06:48:10 ID:qY3LY8Pc
男「オーバーテクノロジーってやつじゃない?」
神様「うぐっ」
男「神様?」
神様「うるさい! ゲームくらい良いであろう!!」
男「どうやって作ったのさ。当時じゃまだ作れないでしょコレ」
神様「設計図と仕様を・・・その・・・ 引っ張って・・・ 技術者に・・・」ボソボソ
男「あ~ 他にもなんかいっぱい隠し持ってるねぇ~」ガサガサ
神様「あまりそこを漁らないでくれ・・・ 私の威厳に関わる」


131 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/15(金) 06:51:50 ID:qY3LY8Pc
男「この狐みたいなロボット何?」
神様「それは、お運びくんだ」
男「お運びくん?」
神様「私の代わりに神壇まで物を運ばせていた」
男「動くの?」
神様「ん~ 中の部品がかなり錆び付いているなぁ。 メンテしないと厳しいな」
男「そうなんだ」
神様「そんなことはどうでも良い!」

132 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/15(金) 06:52:50 ID:qY3LY8Pc
男「え~ でも他にも・・・」
神様「ほら、いくぞ!」
男「どこへ?」
神様「神殿だ」
男「神殿?」
神様「男と私が初めて会った場所だ」
男「あ~、あのボロ屋か」
神様「神殿と呼べと言っているだろうが」

133 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/01/15(金) 09:15:30 ID:d8lH47kg
乙乙

134 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/01/15(金) 22:28:39 ID:0DK7lPV6
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