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神様「科学の神様だ」

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Part3
42 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/12(火) 19:47:11 ID:2AKtDq5A
神様「な、なんだ、じろじろ見るでない」
男「いや、神様って妹に雰囲気が似てる気がするなぁって」
神様「残念だが、私はお前の妹でも姉でも無いぞ?」
男「まぁ、そうなんだけどさ~」
神様「ったく、お前ももう寝るか?」
男「そうだな、明日は早いし」
神様「・・・うむ、良い夢が見られるよう願おう」
男「・・・・・・」
神様「どうした?」
男「でも、まだ眠くないしゲームでもしようか」
神様「そうか!」ガバッ

43 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/12(火) 19:49:40 ID:2AKtDq5A
神様「・・・いや今日は疲れた。お前の脳波もほとんど睡眠状態だぞ」
男「俺の頭の中覗いた?」
神様「バカを言うな、約束したではないか。私は約束を破ることはしない」
男「そうですかい、んじゃ寝ますかね」
神様「そうだな、今日はうつ伏せで寝た方が良いぞ?」
男「そうなの?」
神様「明日の朝に会おう、良い夢を」
スッ
男(そんな寂しそうな顔するなよ、全く・・・)ポリポリ

44 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/12(火) 19:57:42 ID:2AKtDq5A
ーーー翌日・電車内
 ガタン ゴトン
男「ねぇ」
神様「あ?」
男「あ?ってなによ・・・」
神様「何でございましょうか神官殿、とでも言って欲しいのか?」
男「それは気持ち悪い」
神様「あ゛?」ギロッ
男「すいません、本気で怖いです」
神様「ったく、何だ?」
男「いや、何で手をかざしただけで自動改札通れたのかなぁって?」
神様「あの程度の電波くらい何とでもなるわ」
男「やり方教えて?」
神様「神様特権だ」

45 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/12(火) 20:04:56 ID:2AKtDq5A
男「・・・・・・」ジーッ
神様「? な、何だジロジロと見おって」
男「いや、神様の私服って可愛いね」
神様「!? う・・・ 嬉しいことを言う」テレッ
神様「この服は、その・・・ 少し思い入れがあってな」モジモジ
男「プレゼント?」
神様「とても大切な方から昔頂いたものを・・・ データ化した」
男「へ~ 良いセンスだ」

46 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/12(火) 20:06:37 ID:2AKtDq5A
神様「実体もないくせに、などと思っているのであろう」
男「思ってないよ、そんなこと。 似合ってる」
神様「うぅ・・・ ///」
男「なに照れてんの? 柄でもない」
神様「照れてなどいない!」プィ


47 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/01/12(火) 20:07:33 ID:bcYh8kek
支援

48 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/12(火) 20:15:10 ID:2AKtDq5A
 ガタン ゴトン
男「そろそろ秋葉だよ」
神様「そのようだな」
 プシュー
 秋葉原~ 秋葉原~
男「さてと、最初はどこ行くの?」
神様「ラジオデパートの地下だ」
男「渋いな~ 初めて行くよそんなところ」
神様「しかし、人が多いな・・・」
男「土曜日だしね」
神様「はぁ~ 疲れそうだ」

49 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/12(火) 20:19:45 ID:2AKtDq5A
ーーー ラジオデパート
神様「主人、これを見せてもらえるか?」
店主「おっ、良い目してるね。 それに食いついてくれたのは嬢ちゃん達が初めてだ」
神様「うむ、とても良い物であると思う」
店主「分かるのかい? 産廃の中からコレ見つけたときは震えたぜ」
神様「そうであろうな、とても素晴らしい」
店主「直すの苦労したんだぜ?」
神様「売ってもらうことは出来るか? 言い値で買いたい」
男「言い値!?」
店主「お嬢ちゃん達は高校生かい?」
神様「そうだ」
店主「何に使うんだい?」

50 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/12(火) 20:21:51 ID:2AKtDq5A
男「俺たち高校の科学部でして・・・ その実験とかに」
店主「へぇ~、若いのに地味だな」
神様「そんなことはない。 科学は素晴らしい。 人を、世界を幸せに出来る素晴らしい技術だ。 私は誇りに思っている」
店主「そうか・・・ 良い言葉だ。 それタダで持って行って良いぜ」
神様「!? いや、それはダメだ」
店主「良いって、持って行きなよ。 ただのガラクタだ。 必要なんだろ?」
神様「・・・・・・」

51 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/12(火) 20:24:50 ID:2AKtDq5A
ーーー 秋葉原・裏通り
 テク テク
男「いい人で良かったじゃん。 店主もガラクタが一つなくなって良かったんじゃね?」
神様「はぁ~」ジトッ
男「なにさ」
神様「お前というヤツは・・・ この機械は同じ物はこの世に存在しない」
男「そうなの?」
神様「産廃の中から見つけたと言っていたがあれは嘘だな」
男「なんでそんなこと分かるのさ」

52 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/12(火) 20:29:37 ID:2AKtDq5A
神様「私がくれてやった物だからだ」
男「はい?」
神様「ここまで復元するのは相当な時間と労力が必要であったはず。 設計図もなく、代替部品もかなり苦労したであろうに」
男「店主は神様のこと知らなかったみたいだけど」
神様「他人の過去を喋るのは気が進まんが・・・」
神様「あの店主は昔、私の所で技術者として奉仕していた」
男「え? 知り合いなの? っていうか神様の技術者って何?」
神様「彼は神官では無い故、私は姿を見せたことはないがな」
男「そういうもんなの?」
神様「あぁ、それで神官経由で彼にこの機械をくれてやったのだ。 バキバキに壊して修復できないくらいにしてからだがな」

53 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/12(火) 20:34:18 ID:2AKtDq5A
男「なんでそんな意地悪を・・・」
神様「神託・・・ という程でもないが、店主へ道しるべを提示してやっただけだ」
男「ふ~ん。 で、それ直っているの?」
神様「あぁ、相変わらず素晴らしい腕だ。 尊敬に値する」
男「所でさぁ、神様って何の神様なの?」
神様「は?」
男「いや商売の神様とか、恋愛の神様とか」
神様「お前が考えているような存在とは少し違うな。 当時は女神と呼ばれていた故」
男「だからそのナリで女神ってーーー」
 バチッ!
男「痛っ! また静電気出したな?」
神様「うるさい! 強いて言えば・・・」
神様「科学の神様だ」

54 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/01/12(火) 21:06:34 ID:.2EHheQQ
乙乙

55 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/12(火) 21:31:51 ID:2AKtDq5A
男「科学の神様? なんだそれ? そんなの聞いたことないぞ?」
神様「あん? もう一回神罰を受けるか?」
男「ふんだ、静電気もだいぶ慣れてきたねー」
神様「なんだと! よーし凄い神罰を見せてやる」
 バチッ! バチッ! バチッ!
男「痛っ! 痛っ! 静電気の回数が増えただけかよ!」
神様「10回連続で行く」
男「うそ! ごめん! 地味にきつい」
神様「ったく。 お前みたいな生意気な神官は初めてだ。 神官は皆、私を恐れ敬ったものだぞ」

56 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/12(火) 21:35:03 ID:2AKtDq5A
男「・・・そっちの方が良い?」
神様「あ?」
男「俺も神様にそう接した方が良い?」
神様「ぅっ・・・」
男「冗談冗談、そう言うのって面倒じゃん? 普通にしていた方が俺も楽だし」
神様「ま、まぁ私もそんなことを一々気にするほど狭くない」
男「へぇ~、で科学の神様って何するの?」
神様「科学の発展に必要な神託を授ける」
男「神託?」
神様「そうだ、発展に必要な助言や不要な知識の削除を神託という形で神官へ伝える」

57 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/12(火) 21:37:31 ID:2AKtDq5A
男「そんなの自分で言いに行けば良くね? っていうか結果を教えれば良いじゃん」
神様「あほ。 私が神託を授けていることが分かれば混乱が生じるであろう」
男「そうなの?」
神様「それに理論も無しに急にスマホなどが出来たらどうなる?」
男「その時代のレベルに合わせて順番にヒントを教えていくってこと?」
神様「その逆もあるがな」
男「逆?」
神様「オーバーテクノロジーの削除だ」
男「オーバーテクノロジー?」
神様「その時代の技術を遙かに超えたもののことだ」
男「そんなことあるの?」
神様「意外とあるのだぞ」

58 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/12(火) 21:39:39 ID:2AKtDq5A
男「ちょっとまって?」
神様「なんだ」
男「もしかして、タイムトラベルの方法も神様は知ってる?」
神様「うむ」
男「教えて?」
神様「ダメだ、神託には順番がある。間違えると世界が狂う。それは防がねばならない」
男「ですよね~、ん?ってことは・・・」
神様「?」
男「神様が神託って言うのを授けないと科学は発展出来ないの?」
神様「そんなことはない、発展はしてゆくぞ」
男「それじゃぁ、神様が神託をしている理由って何?」
神様「・・・何故なのであろうな」
男「え?」

59 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/12(火) 21:42:40 ID:2AKtDq5A
神様「私はもしかしたら、ただのお節介なだけなのかも知れぬ」
男「神様?」
神様「すまない、戯言だ・・・」
男「そう、さてと買い物の続きしますか」
神様「・・・・・・」
神様「聞きたいのであろう?」
男「?」
神様「私が何をしようとしているのかを」
男「知りたいっちゃ知りたいけど。 たぶん、話しづらいんでしょ?」
神様「・・・・・・」
男(そんな辛そうな顔されちゃ・・・)

60 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/12(火) 21:44:17 ID:2AKtDq5A
神様「すまない」
男「ははっ、神様って謝ることも出来るんだ」
 パチッ!
男「痛っ! ちょ、だからなんで静電気?」
神様「うるさい! なんかムカついた」ムスッ
男「はいはい分かりましたよ、さて買い物の続きに行こうか」
神様「ったく」
神様(・・・・・・)

61 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/12(火) 22:04:42 ID:2AKtDq5A
ーーー 帰宅・男の部屋
 ガチャガチャ
男「こう?」
神様「そうだ、次は6番のピンと450番の足を繋いでくれ」
男「うへ~ 細かいな」
神様「重要な部分だ。 間違えてもまだ部品はある故、あせらずにな」
 ガチャガチャ
神様「しかし、さすが科学部なだけはあるな。 器用だ」
男「そりゃ、どうも」
神様「褒めてやったのだ。泣いて喜べ」


62 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/12(火) 22:08:15 ID:2AKtDq5A
男「次は?」
神様「あぁ、CPUを外してそれを差し込んでくれ」
男「さよなら、ボクのセロリンちゃん・・・」
 ガチャガチャ
男「ふぅ、これで完成?」
神様「ご苦労であった。 あとで肩のこりをほぐしてやる」
男「どうやるのさ」
神様「静電気を使ってだな、こうバリバリと」
男「結構です!」
神様「むっ、気持ちいいのに」

63 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/12(火) 22:10:08 ID:2AKtDq5A
男「で? 電源入れれば良いの?」
神様「ん? あぁ、先に外付けのボックスから頼む」
男「はいよ」ポチッ ポチッ
 キュイーン キュイーン
男「ん? 黒い画面のままだけど」
神様「大丈夫だ」
男「モニター写っていないよ」
神様「演算が出来れば良い。 画面など不要だ」
男「そうなの?」
神様「お~ これはだいぶ楽になったわ」
男「まぁ、お役に立てたようで」
神様「うむ、想像以上に快適だ♪」

64 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/01/12(火) 22:21:35 ID:kpHdH2rk
書き溜めされているようだし、良作品の予感。神様可愛い(ビリィッ
支援

65 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/12(火) 22:53:31 ID:2AKtDq5A
ーーー数日後
 ピピピピッ ピピピピッ
男「ん~」
神様「起きたか?」
男「ん~ Zzzz・・・」
神様「はぁ~」
 パチッ!
男「うわ~」ガバッ
神様「遅刻するぞ」
男「もっと、優しく起こしてよ」
神様「目覚ましで起きれば良かろうに」

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