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神娘「我を呼んだか!」男「呼んでません」

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Part9
283: ◆lwQY2qw84A:2013/09/21(土) 17:49:12 ID:u57Vfq86
甘味所
男「聞きたい事はいろいろあるが…例えばその大量の甘味とか」
龍女「気にしたら負けよ」
男「この善哉美味いな」
龍女「ここの店の一番人気だ」
男「よく来るのか?」
龍女「まあ、ここの神宮に来ることすら稀だから度々と言ったところか」
男「なんで今日は来たのさ」
龍女「…その前にお前はいったい何者だ、場合によったら」
男「神主と言った方がいいか」
龍女「…!ほう?あれが神主を取ったか」
男「やっぱり知ってるんだな」
龍女「旧知の仲だ今日会いに来た」

284: ◆lwQY2qw84A:2013/09/21(土) 17:51:40 ID:u57Vfq86
男「とすると…やっぱりここの神宮は神様に関係があるのか」
龍女「なんだ、神主なのに聞いていないのか」
男「不本意ながら」
龍女「あいつも妙な所で気を使うからな」
男「龍から教えてはくれないのか?」
龍女「あいつが隠しているってことは私が話す事じゃないって事だ」
男「成程」

285: ◆lwQY2qw84A:2013/09/21(土) 20:24:13 ID:u57Vfq86
龍娘「一つ言っておこう、まあ弁解なのだが」
男「ああ」
龍娘「あいつは不誠実ではない、多分お前を思って言っていないのだと思う」
男「……」
龍娘「だから…あいつを責めないでやってくれ、頼んだ」
男「責める気とかは無いけど…気になるんだよな」
龍娘「気になると」
男「だってこの話をするときの神様って、なんか辛そうだし」
龍娘「…ほーぉ?」
男「なんだよ」
龍娘「いやいやなんでも」

286: ◆lwQY2qw84A:2013/09/21(土) 23:58:19 ID:u57Vfq86
龍女「まあ、私がとやかく言えたことじゃないがな」
男「こっちにスプーンを向けるな」
龍女「良いではないか人間…ここは無礼講ぞ」
男「……」
龍女「”どれぐらいの化け物がここの敷地に居るか”だって?」
男「分かるか」
龍女「当然、あまり私を甘く見るなよ?」
男「龍って口から火を吐いたりするのか」
龍女「んなわけないだろう、それは西洋のドラゴンだ」
男「違うの?」
龍女「全然」

287: ◆lwQY2qw84A:2013/09/22(日) 00:01:35 ID:VNUkHObs
男「……」
龍女「……」
男「後ろに座ってるのは」
龍女「猫又に近いな」
男「今入ってきたのは」
龍女「刀の付喪神」
男「あの夫婦は」
龍女「つがいだろうな」
男「多すぎないか?いくらなんでも」
龍女「無理もない、神様がここに帰ってきている」
男「…やっぱり神様は関係していると」
龍女「無論」


288:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 00:33:20 ID:L2nVS.5k
流石神様wwwwww
その可麟さで皆を呼ぶwwww

289: ◆lwQY2qw84A:2013/09/22(日) 00:39:12 ID:VNUkHObs
男「それであんたは」
龍女「そのつてでな、一応旧知の仲ではあるし」
男「神様ってどんな神様なんだ」
龍女「…お前は神官なのにそんな事も話されてないのか」
男「信用されてないのだろうか」
龍女「いんや、信用されてるからこそ…怖いんだろうな」
男「怖い?」
龍女「まあいかんせん怖がり過ぎだとは思うが…まぁ」

290: ◆lwQY2qw84A:2013/09/22(日) 00:42:17 ID:VNUkHObs
龍女「で、お前だ」
男「ああ?」
龍女「何があった?あいつが神官を付けるなんて予想外過ぎるんだ…聞かせろ」
男「別に…ただ森があってだな」
龍女「森?」
男「そこに入ったら…」

291: ◆lwQY2qw84A:2013/09/22(日) 00:50:51 ID:VNUkHObs
………
龍女「…成程、そう言う訳か」
男「何かおかしい所が?」
龍女「納得した、あいつは人間が好きだからな」
男「そうか…」
龍女「だがなぁ、お前にとって難しいだろうな」
男「なにがさ」
龍女「…くく、そうかそうか」
男「何笑ってるんだよ」
龍女「なになに少年頑張りたまえよ、ここの料金は私が払っておくから」
男「お、おう」

292: ◆lwQY2qw84A:2013/09/22(日) 00:57:30 ID:VNUkHObs
――――
男「てな事があってだな」
神娘「…口封じしときゃよかった…」
男「まあなんだか気になってな」
神娘「だから、そんな言う事は」
男「神様、ここに来てから異常な速度で力を取り戻してるみたいだし」
神娘「…分かるのか」
男「最近神様の調子まで分かるようになってきた」
神娘「えっ」
男「だから神様が調子いいとか悪いとか…なんとなくだけど分かる」
神娘「こりゃ、困ったな…」

293: ◆lwQY2qw84A:2013/09/22(日) 01:22:02 ID:VNUkHObs
神娘「ま、そう言う事だとしか言いようがない」
男「いや、そうじゃなくて…」
神娘「神主…いや人の子よ、すまん」
男「……」
神娘「今は言えない、心の準備が出来ないと…だから」
男「…分かったよ、神様に頭下げられて断る訳にもいかんし」

294: ◆lwQY2qw84A:2013/09/22(日) 01:22:39 ID:VNUkHObs
神娘「…すまん、まだ自分でも整理できない」
男「それは…どれだけかかる?どれぐらいの時間を掛ければ整理できる?」
神娘「…分からん」
男「なあ、神様」
神娘「なんだ」
男「それは神様一人で背負うようなものなのか?誰かと一緒に考えちゃ駄目なのか?」
神娘「…人の子」
男「なんだよ」
神娘「神はな、背負わなければならぬものがある、背負ってこそ神なのだ」
男「(そう言う事じゃないんだ)」
神娘「人に頼られてこその神だ、人の信仰をその背に背負ってこその神だ…ここで引いては私のこれまでを否定してしまう」
男「(そう言う事じゃないんだよ、神様)」
神様「だから…今は、待ってくれ」

295: ◆lwQY2qw84A:2013/09/22(日) 01:35:30 ID:VNUkHObs
神娘「ところでだ」
男「あん?」
神娘「私の調子が分かると言うが…今のお前はどこまでわかる?」
男「よく分からん、なんか調子良さそうとか力がついてそうとか…その程度?」
神娘「なるほど、その程度か…」ホッ
男「(神様の夢を見ているなんて言ったらどうだろうな)」
神娘「(まだ夢を見るまではいってない…安心した)」
男「やっぱり神様との繋がりが強まってるって事か」
神娘「然様、お前は毎日のように私とあってるし神主でもある、そして唯一の信者なので当然なのだが…」
男「そうか…」
神娘「(私がこやつにどれだけ気を許しているかにもよるなんて言えんな)」

296: ◆lwQY2qw84A:2013/09/22(日) 01:43:16 ID:VNUkHObs
男「そう言えば明日帰るんだが」
神娘「構わんぞ、こっちはあくまで精神体だから適当に消えればいいし」
男「そう言うもんなのか?」
神娘「うんにゃ、元々ここらの連中と話したかったのと力を持ってきたかったのだし」
男「神様って便利なんだな」
神娘「便利だともよ」
男「神様になれば力使えるのか」
神娘「人の子」
男「…すまん、言いすぎたな」
神娘「憧れるのも分かる、だが…お前が思っているほど世界は甘くはない」
男「……ああ」
―――――娘「こんな事の為に神になったんじゃなかった!」
男「そうだな」

297: ◆lwQY2qw84A:2013/09/22(日) 02:11:50 ID:VNUkHObs
神娘「まあ帰ったとして、またあの森に来ればいいのだが」
男「あー…なんか久々に行く気がする」
神娘「ん、気に入ったか」
男「懐かしいって言ったろ」
神娘「そうかそうか…じゃあ」
男「ん?」
ゴォッ
男「突風?」
ヒュゥッ ヒュルゥゥッ
神娘「私の本来の力を取り戻しつつある…と言う事だ」
男「この神宮に来てから急に強くなったな」
神娘「そうではない…ここまで回復したのもそちの信仰があってこそ、そして神主の責を担ってくれたからこそだ」
男「…もしかして褒められてる?」
神娘「私がお前を貶したことなんて一度も無いだろう?」
男「まあ、そうだな」

298: ◆lwQY2qw84A:2013/09/22(日) 02:22:32 ID:VNUkHObs
ペースが乱気流ですが今日はここで終わります
こんな長くなるとは思わなかった

299:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 06:33:15 ID:vtvcgaes
大丈夫、俺はいつでも全裸待機

300:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 07:51:00 ID:kKZ9Mqa.
俺は常に靴下一丁

304:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 11:51:08 ID:XZ7R78RA
みんなもっと正装で待機したまへ

306:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/22(日) 12:32:47 ID:dzAlq8tw
紳士は裸にネクタイが正装


307: ◆lwQY2qw84A:2013/09/22(日) 12:38:59 ID:VNUkHObs
―――――
男「で、今日帰るわけだが」
神娘「こちらも大分体力は回復した…もう大丈夫だろう」
男「相変わらずここの神社はそっち系のが多いな」
神娘「いずれ静まるだろうよ、もう我は帰るからな」
男「…なあ神様」
神娘「なんぞ」
男「あんたは寂しくないのか?旧知の仲なんだろう?」
神娘「なんだ、深刻な顔してえらく小さい事を心配するのだな」
男「そうじゃないかなとか思っただけなんだがな、ここに居れば神様の力は回復するみたいだし」
神娘「…ふ、ふふっ」
男「こっちは真面目に言ってる」
神娘「いや、お前が私の事をそこまで考えてくれているとはな…ありがたい」
男「……」

309: ◆lwQY2qw84A:2013/09/22(日) 12:44:56 ID:VNUkHObs
sage忘れ+連投ミス
神娘「ただそうだな…確かにここには友人もいるし空気も良い、ここに居る方がいいかもしれん」
男「だったら」
神娘「だが、私はそれでもあの森に戻るさ」
男「…なぜ?」
神娘「あの森には神主が居て、私を信仰するただ一人の人間がいて、私の居場所がある」
男「そりゃ、そうだろうよ」
神娘「それだけだ、私があの森に居る理由なんてそれだけで十分だ」
男「なんか…むず痒い」
神娘「くく…それにな神主、私とあやつらは例え長い時間会わずとも此処で繋がっている」ポン
男「…心か?」
神娘「私が思い出せば、そしてあやつらが思い出せば…結局はそう言う事なのだよ」

310: ◆lwQY2qw84A:2013/09/22(日) 12:49:18 ID:VNUkHObs
男「……そうか」
神娘「分かったならお前も友人と遊んで来い、今の時間は無駄には出来んぞ」
男「ああ、分かった」
神娘「ったく、生意気にも神の心配をするでないよ」
男「うるさいな…行ってくる」
神娘「ああ精一杯遊んで来い、人の子」
男「一言多いぞー!」タッタッタ
神娘「……それにな、人の子よ」
グラサン男「……」チラッ
神娘「”こっち”にもいろいろと面倒くさい縛りがあるのだよ」
スーツ男「……はい、ええ、見つかりました…」
神娘「…まったく七面倒くさい」
ニット男「……」パシャッ パシャッ

311: ◆lwQY2qw84A:2013/09/22(日) 13:02:13 ID:VNUkHObs
―――――
「で、見つかったのか」
「ええ…○○神宮にて多数の霊能者が確認しました」
「うむ、彼女がまだ消滅していなかったのは朗報だ」
「…しかし、1つ気になる事が」
「なんだ」
「”神が一人の青年と話していた”と言う噂が」
「そんな筈はない、あの神がそんな事をする訳がない」
「しかし確かに…かの宮の巫女も驚愕していましたが」
「何かの気まぐれか見間違いだろう、それよりその後は」
「それが…コンタクトを取ろうとしたところ消滅してしまいまして」
「分身と言う訳か…しくじったな」

312: ◆lwQY2qw84A:2013/09/22(日) 13:04:38 ID:VNUkHObs
―――――
男「で、帰って来たわけだが」
神娘「ご苦労だった」ツヤツヤ
男「(元気になってる…)」
神娘「今の私は実に具合がよいぞ神主、喜ぶがいい」
男「ま、まあ嬉しいんだが…」
神娘「どうした?まさかどこかに不満があるのか?」
男「いや、損だけ短時間で回復するなら信仰なんていらなかったんじゃ…」
神娘「ああ、そう言う事か」

313: ◆lwQY2qw84A:2013/09/22(日) 13:10:25 ID:VNUkHObs
神娘「あの神宮に行って力が戻ってきたわけだが…まあ結果だけ見ればそう見える」
男「うむ、そう見えた」
神娘「だがな、実の所何もないすっからかんの私があの神宮に行っても対して効果はないのだよ」
男「ほう」
神娘「今まで蓄えた信仰、そしてそちの存在あってこそあそこまでの回復となったのだ…正直予想外に回復して驚いておる」
男「じゃあ今までの信仰は無駄ではなかったと」
神娘「至極当然、それにだ…」
男「あん?」
神娘「喩え回復しても、信仰する者の居ない私にとっては無駄に生きながらえる事に過ぎんからな」
男「…まあ、確かに」
神娘「私を待つそちが居るからこうして力を蓄える理由にもなると言うものよ」
男「たった一人だがな」
神娘「何か問題か?」

314: ◆lwQY2qw84A:2013/09/22(日) 13:17:54 ID:VNUkHObs
男「いや、何の問題も無い…と思う」
神娘「力を蓄えたお蔭で…ふふ、楽しみだ」
男「なにか?」
神娘「じきに分かるぞ、楽しみにしているがよい」
男「嫌な予感と期待半々で考えておく」
神娘「つまらん奴だな」
男「……」クァ
神娘「眠いのか?」
男「流石に昨日の今日だし…明日も明後日も学校は無いから」
神娘「なんなら膝枕でもしてやろうか?」
男「いいよ…そこら辺の草陰で寝るから」
神娘「最初は嫌がっていたのに気に入ったものだな」
男「具合がいいんだよな、布団で寝るよりはるかに気持ちいい」
神娘「そうだろう、そうだろう」

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