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神娘「我を呼んだか!」男「呼んでません」

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Part14
431: ◆lwQY2qw84A:2013/09/27(金) 00:24:24 ID:n8St8b3w
男「後は焼けるのを待つだけ」
神娘「やはり茸は素焼きが一番だぞ、醤油で」
男「醤油あったかな」
神娘「前にお前が買ってきただろうに」
男「あ?あー…秋刀魚食った時か」
神娘「そうそう、いきなり醤油買ってないとか言って飛び出して…」
男「いやぁ、うっかりしてた」
神娘「注意力散漫すぎるぞ」
男「さんまに集中してたし」

432: ◆lwQY2qw84A:2013/09/27(金) 02:17:11 ID:n8St8b3w
男「しっかしなー…」
神娘「ん?」
男「周り見てみると、えらくここも所帯じみてきた」
神娘「まあここで生活する分には問題ないものな」
男「ああ、まあな」
神娘「便利だの」
男「神様って普段飯食わないの?」
神娘「食わなくても普通に生活できる…がやはり食うのはいい、心が穏やかになる」
男「そっか、そうだよな」
神娘「そうだとも」

433: ◆lwQY2qw84A:2013/09/27(金) 02:23:14 ID:n8St8b3w
神娘「……」ツンツン
男「もうあがったか?」
神娘「いや、まだだな」
男「結構時間かかるのな」
神娘「じっくり火を通すのがいい、まったりと待とう」
男「そうしよう、酒持って来ればよかった」
神娘「買ってくるか?」
男「いや、今はここで紅葉を眺めているよ」
神娘「それもいい、一面の紅葉は綺麗だな」
男「神様の隣で見ると猶更」
神娘「そうだろう、なんたって私は神だからな!」
男「………ま、いいか」

434: ◆lwQY2qw84A:2013/09/27(金) 02:26:05 ID:n8St8b3w
男「そういえばさ」
神娘「あん?」
男「なんであの時神様あんだけ怒ってたんだ?」
神娘「そうか…そうだなぁ、神主には分かってもらえるかもな」
男「期待されても困るが」
神娘「まあ分からんでもしょうがない事だ」
男「うん」

435: ◆lwQY2qw84A:2013/09/27(金) 02:30:00 ID:n8St8b3w
神娘「”戦争は忘れなければならない事”今はそう聞いているな」
男「今はな」
神娘「それでは駄目だ、忘れてはならぬ、怖ろしい事は忘れてはいけないのだ」
男「でも、嫌な事は忘れてしまいたいだろう?」
神娘「それだ、まさにそれが忘れてはならない理由だ」
男「はぁ」
神娘「人は嫌な事を忘れたがる、戦争の恐怖は年を重ねるごとに薄れていく」
男「……」
神娘「だが忘れた所で戦争はなくなるか?否、戦争の脅威を忘れた国こそが戦争を起こす」
男「…胸が痛くなるな」
神娘「決して忘れてはならぬ…それが戦争だ、忘れては元も子もないのだ」
男「だから怒ったんだ」
神娘「いや…まあ、それもあるが」
男「うん?」


436: ◆lwQY2qw84A:2013/09/27(金) 02:36:32 ID:n8St8b3w
神娘「…これは身勝手な理由だ、理解してくれなくても良い」
男「それでも話してよ」
神娘「私は、戦争に参加した者達を侮辱されたことが一番怒りを覚えた」
男「侮辱?」
神娘「今は、戦争に加担した者は悪だと教えていた」
男「そうだけど」
神娘「果たしてそうなのか?止むに止まれず参加したものは果たして悪なのか?」
男「それは…」
神娘「自らの為に、自らの大事な者の為に剣を取った人間を果たしてそれで済ませていいのか?」
男「……」
神娘「私はそれが許せなかった、あの戦争を無かったことにするのは…海の向こうで散った者達への侮蔑でしかない」
男「(そうか…神様の両親も)」
神娘「…あくまで、私の考えだが」

437: ◆lwQY2qw84A:2013/09/27(金) 02:47:53 ID:n8St8b3w
男「そうか」
神娘「うん?」
男「時々、神様って人間らしくなるのはこういった理由だったのか」
神娘「何だそりゃ…って焦げてる焦げてる」
男「やべっ、お皿とってお皿」
神娘「先に食え」
男「良いの?」
神娘「我は猫舌ぞ」
男「何と言う残念な告白、神様の癖に」
神娘「言うな」

438:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/27(金) 07:05:14 ID:4OZ.e75E
猫舌かわいい

439:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/27(金) 07:44:36 ID:46NhWmuU
スーパーキノコが混ざってたりして

440:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/27(金) 08:00:00 ID:nGMJrBeM
胸が大きくなるのか…素晴らし…おや?急に雷雲が

441:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/27(金) 16:53:34 ID:qeyxbtPQ
スーパーキノコはベニテングタケが元だけど、それを食べても神さまは大きくならないのか

442:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/28(土) 00:22:37 ID:lj6jZTDo
俺のスーパーキノコ食べてもいいのよ?ボロン

446: ◆lwQY2qw84A:2013/09/28(土) 00:31:26 ID:UJVbsEcA
神娘「別に体形が云々は気にしてないがな」
男「(普通にプロポーションがいい部類とは言えん)」
亀進行ぶちぶちぶつぎりですがやっていきます

447: ◆lwQY2qw84A:2013/09/28(土) 00:33:43 ID:UJVbsEcA
男「あ、誤解を招く言い方だったが…おんぶしてると色々と当るって意味だからな」

448:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/28(土) 00:36:05 ID:ILA9.HLo
ロリ巨乳な神娘様…いい…
ちょっとキノコ探しの旅に出てくる

449: ◆lwQY2qw84A:2013/09/28(土) 00:39:49 ID:UJVbsEcA
男「よしよし、いい香りだな」
神娘「秋の味覚というやつだ、たんと食え」
男「分かった、じゃあそこの箸取って」
神娘「よしよし」ヒョイ
男「神様?」
神娘「こうだな…醤油をちょいちょいと」
男「神様猫舌なんじゃないのか?」
神娘「ほれ」ズイッ
男「え」
神娘「食え、食え」
男「えーっと」
神娘「あーん」
男「……」

450: ◆lwQY2qw84A:2013/09/28(土) 00:40:58 ID:UJVbsEcA
神娘「おらっ、神の飯が食えんか!」
男「(覚悟を決めるか)」
神娘「ええい分からんやつめ!口を開けろ!」
男「あ、あーん?」
神娘「さあ食え!」ズイズイ
男「おごぉっ!?あふぃっ!あふぃぃっ!!?」
神娘「熱いうちが美味いと言うだろう!ほれほれ!」
男「やめろぉぉぉぉ…」

451: ◆lwQY2qw84A:2013/09/28(土) 00:49:40 ID:UJVbsEcA
―――――
―――
男「で」
神娘「はい」
男「面白くなってやったと」
神娘「はい」
男「聞いてる?こっちの体人間だよ?」
神娘「知ってる」
男「反省してる?」
神娘「してない」
男「………」

452:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/28(土) 01:13:00 ID:Ve5vDn4U
神様に毒キノコ食べさせたら胸縮む?

453: ◆lwQY2qw84A:2013/09/28(土) 01:22:42 ID:UJVbsEcA
男「凄い痛かったぞ?暑い通り越して痛かったぞ?」
神娘「反省はしていない」
男「頼むからして下さい」
神娘「今は痛いか?」
男「治ったけど」
神娘「ほぉ?やっぱりお前…」
男「なんだよ」
神娘「考えてみろ、それだけの火傷をしてたった数分で治ると思うか?」
男「…確かに、おかしいな」
神娘「つまり、それだけお前は”こちら”に近づいていると言う事だ」
男「なんだか気味悪いな」
神娘「言うな」


454: ◆lwQY2qw84A:2013/09/28(土) 01:52:16 ID:UJVbsEcA
男「じゃあ、まさかそのことを確認するために?」
神娘「それは別の話だ」キリッ
男「なんだ…」ガックシ
神娘「なあ神主」
男「あ?」
神娘「1つ聞いておくが…このままでもいいのか?」
男「と言うと」
神娘「いずれこのままではお前の体は此方に近づく…いずれ川を越えるだろうな」
男「…そっか」
神娘「本当にいいのか?私への憐れみだけでお前が…」

455: ◆lwQY2qw84A:2013/09/28(土) 01:52:46 ID:UJVbsEcA
男「いいよ、別に」
神娘「…そうか、うん」
男「ほれ」ズイッ
神娘「うん?」
男「あーん」
神娘「…ん」パクッ
男「どうだ?」
神娘「…熱い」

456:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/28(土) 02:31:47 ID:dC5pO5dA
ついでに俺のキノコも食えよボロン

460: ◆lwQY2qw84A:2013/09/28(土) 13:10:09 ID:UJVbsEcA
男「結構焼けて来たな」
神娘「良い香りだ、秋の山は美味い物がたんとあるぞ」
男「でも不思議なもんだよな」
神娘「ん?」
男「あんだけ歩いても全く終わりが見えない、この空間ってとんでもなく広いのか?」
神娘「んー…ま、この森について纏めて説明しておこうかの」
男「おう、ありがたい」
神娘「ま、そこに直れ」

461: ◆lwQY2qw84A:2013/09/28(土) 13:15:56 ID:UJVbsEcA
神娘「この森は…と言うよりこの山は私が作り上げた空間と言ったな」
男「うん」
神娘「ありゃ嘘だ」
男「なん…だと…」
神娘「空間を作り上げるだけの力があったら主神どころか創造神だぞそれ」
男「じゃあ嘘で通してたのかよ…」
神娘「説明するのが面倒くさかっただけだから」
男「…神様って案外ずぼらなんだな」
神娘「説明とか柄じゃないのでな」
男「頑張れよ」
神娘「嫌じゃ」

463: ◆lwQY2qw84A:2013/09/28(土) 18:29:12 ID:UJVbsEcA
神娘「私は元々二つの社を持っていた」
男「それって結構すごい事なんじゃないか?」
神娘「まあ自宅と別荘みたいなものだ、公務の為に大きな社があって休憩のために小さな社があった」
男「つまり…こっちはその大きな社?」
神娘「いや?小さい方」
男「えっ」キョロキョロ
男「(明らかにドでかい鳥居がある、慎ましくも本殿はこれまたでかいし、一式きちんとそろった立派な神社だ)」
男「こっちが小さい方?」
神娘「おう、でかい方は正直疲れる」
男「へ、へえ…」
神娘「あっちは人が多いわ自然が無いわでな…体に合わない」
男「じゃあこっちの方を公務用にしたらいいじゃん」
神娘「ところがそうもいかんのよ」
男「うん?」

464: ◆lwQY2qw84A:2013/09/28(土) 18:35:29 ID:UJVbsEcA
神娘「こっちにも体面やら面子やらあるのさ、威厳ってもんが大事なの」
男「(の割にはだらしない所も見せてる気がするが…)」
神娘「お前は別だ」
男「なんでさ」
神娘「神主だからな」
男「お、おう?」
神娘「まあ、あと…四六時中硬くなるのも疲れるしな」
男「……まあ、それなら」

465: ◆lwQY2qw84A:2013/09/28(土) 18:37:47 ID:UJVbsEcA
神娘「そう言えばお前と会う時間も長くなったな」
男「流石に学校はそうサボる訳にもいかんけど…うん」
神娘「休日とかいつもここに来てるじゃないか」
男「ここに居ると疲れがとれるんだよ」
神娘「それはいいのだが、食事とかここで取ってても大丈夫なのか?心配されんか?」
男「あ?あー…それは」
神娘「うん?」

466: ◆lwQY2qw84A:2013/09/28(土) 18:40:05 ID:UJVbsEcA
―――――
男母「ねえ」
男「うん?」
男母「彼女出来た?」
男「ぶごっ」
男母「最近家に帰る時間遅いし…休みの日にもどこか行ってるみたいじゃない」
男「ま、まあな」
男母「紹介しなさいよ」
男「そんなんじゃないからさ」
男母「えー?」

467: ◆lwQY2qw84A:2013/09/28(土) 18:41:31 ID:UJVbsEcA
―――――
男「(言えねえ…)」
神娘「おい?どうした?おい?」
男「なんでもない」
神娘「と言うかお前ここに住んでるのも同然だと思うがな」
男「そこまでは…そこまでは流石に」
神娘「否定できんか」
男「…ソウダネ」

468: ◆lwQY2qw84A:2013/09/28(土) 18:44:18 ID:UJVbsEcA
神娘「我としては構わんがな!」
男「えっ」
神娘「話し相手も増えるし、なんだかんだ言ってお前と話していると楽しい」
男「ああ…うん、そうか」
神娘「で、だ」
男「おう」
神娘「ここの空間はその小さな社になるわけだ」
男「ほうほう?」

469: ◆lwQY2qw84A:2013/09/29(日) 01:43:02 ID:1cTWrAj2
神娘「あの時、このままでは私はいずれ消えゆく事は分かっていた」
男「…ふむ」
神娘「故に、私には力の消費を極限まで下げる事の出来る空間が必要だった」
男「うん」
神娘「だから私は、小さい方の社とその周辺の山を複製し結界を張ったのだ」
男「…うん?」
神娘「そして複製した空間を内包した結界をこの世界からちょいずらしてだな…」
男「待った」
神娘「ん?」
男「空間を複製して位相をずらした?」
神娘「そうだな」
男「それって案外凄い事なんじゃないの?」
神娘「まあ、そこそこ?」
男「(そこそこの基準がとんでもないんだが)」

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