ディオ「君はジョナサン・ジョースターだね?」
Part5
109 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 04:56:53.58 ID:i5jH4vr20
ジョースター家全焼!
生き残った青年ジョナサン・ジョースター!
ジョージ・ジョースター他、警察官6名死亡!
犯人のディオ・ジョースター未だ行方つかめず!
そして……
ジョナサン「全治2ヵ月…少々ディオをあまくみていたということ……か」
ジョナサン「邸も全焼した、しばらくは病院の世話になるしかないな」
トントントン
ジョナサン「どうぞ」
看護婦「失礼します……よかった、お元気そうですねジョナサン・ジョースター」
ジョナサン「君は…まさかエリナか! エリナ・ペンドルトンか!」
エリナ「ええジョジョ、ほんとうにしばらくです」ジワッ
110 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 05:06:57.00 ID:i5jH4vr20
ジョナサン「君がお父さんの仕事でインドへ行ってしまって以来か……いつもどって来たんだい?」
エリナ「ほんのさっき、病院へは顔をだすだけのつもりだったのですが、あなたが入院したときいて……」
エリナ「それとご家族や邸の事も……ジョジョ! あぁ、ジョジョ!」
ジョナサン「泣かないでおくれ…父さんやディオの事は仕方がなかったんだ……」
エリナ「ですが!」
ジョナサン「それよりも今は君と再開できた喜びをかみしめていたい」
ジョナサン「ぼくたちが別れる時にしたやくそくを覚えてるかい?」
エリナ「ええ、それはもちろん……いけませんジョジョ! だって、こんな時に……!!」
ジョナサン「こんな時だからしたいんだ」
ズキュウゥゥン
ジョナサン・ジョースター氏、ジョースター家を継承し
ペンドルトン家ひとり娘エリナ嬢と結婚!
新婚旅行は2月3日 アメリカへ!
ーーーー「…………」
111 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 05:16:03.88 ID:i5jH4vr20
大西洋上ーーアメリカ航路
ジョナサン「なにを泣いているんだい?」
エリナ「この涙は幸福の涙です…あなたがここにいることの」
エリナ「だめ…お酒なんて飲んだ事ありませんもの…」
ジョナサン「少しさ…ほんのちょっぴりだけ…」
エリナ「どこへいくのですか、ジョナサン」
ジョナサン「風にあたってくるよ…君はこのまま船室にもどってまっていてくれ」
ジョナサン「富、名声、権力……この世の全てというにはまだ足りんが、おれは確かな力を手にいれた」
ジョナサン「そして美しく従順な女もいる」
ジョナサン「おれはこれからますます高みへと歩みをすすめていくだろう」
ジョナサン「これほど順風満帆な人生というのもなかなかない」
ジョナサン「そう思はないかスピードワゴン?」
スピードワゴン「……気づいてやがったのか」
112 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 05:26:06.42 ID:i5jH4vr20
ジョナサン「こそこそしたネズミのにおいは鼻につくからな」
ジョナサン「しかしよくあの猛火の中で生き延びたものだ……ゴキブリなみのしぶとさよ」
スピードワゴン「ケっ、てめぇを地獄にたたきおとすまでやすやすと死んでたまるかってんだ!」
スピードワゴン「あの夜のみんなの仇……その命でつぐなってもらうぜッ」ウオォォ
ジョナサン「やれやれ品のないヤツだ……みせてやろう、このジョジョの新たな力を!!」ドン
グゥン
スピードワゴン「あぶ」バギャン
スピードワゴン「ヤツの腕がのびやがった! そ、それにこのしびれるような感覚はァーーッ!!」
ジョナサン「これぞ『仙道』! 波紋エネルギーのパワーよ!」クワッ
スピードワゴン「ぐふ」ドザ
ジョナサン「あの一件のあとツェペリとかいう派手なヒゲのおっさんがたずねて来てなぁ」
ジョナサン「石仮面に対抗する術だと言って、おれに波紋を教えて行ったというわけよ」
ジョナサン「この力はべんりだぞ…たとえば今持っているこのワイン」
スピードワゴン「?」
ジョナサン「何のへんてつもないワインだが、おれが使えば……生命の波紋探知機となるッ」
ジョナサン「やはりな…………ディオ、きさま! 見ているなッ!」
ディオ「ジョジョ…」
113 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 05:36:44.03 ID:i5jH4vr20
ジョナサン「あぁディオ…なんてなさけない姿をしている」
ジョナサン「とてもじゃないが同じ家で育った、幼なじみの姿とはおもえん」
ディオ「この姿はぼくの罪の証! あえて…あえてぼくはこのままでいる」
ディオ「君の言うとおりなさけない姿だ」
ディオ「本来ならあのまま燃え盛る炎のなかで消えていくべきだった……」
ディオ「だが、君が生きている!」
ディオ「ならば、ぼくは何度でも立ち上がろうッ」
ディオ「清めてやるッ、その穢れたる野望!」シュゴォッ
ジョナサン「そんなねむっちまいそうなのろい攻撃で、このジョジョが倒せるかァーーーー!?」
ジョナサン「ちょいとでもおれにかなうと思ったのか! マヌケがァ~~~!」
ジョナサン「今度こそ! チリひとつ残さずこの世から消してくれる!!」
ジョナサン「山吹色の…………!」ガッ
スピードワゴン「いまだ! ブランドーさんッ」
ディオ「最後の最後に敗北するのはどちらかーっ」バリ バリ
ジョナサン「波紋……!」ゴァッ
ディオ「いくぞ! ジョジョ!」シュゴアァァ
ジョナサン「疾走ッ!!」ドォッシュウッ
ディオ「WRRRRRRRY!!」バババババ
114 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 05:46:03.83 ID:i5jH4vr20
ジョナサン「目から…自分の体液を……息が…『呼吸』が…できない……」ドサッ
スピードワゴン「ブランドーさん!」
ディオ「スピードワゴン…彼は……ジョジョはどうなった…………」シュ- シュ-
スピードワゴン「ヤツの攻撃でブランドーさんの狙いがそれちまったが、それでもあれは致命傷だ」
スピードワゴン「おそらくもって、数分ってところか…」
ディオ「……そうか」
ディオ(ジョジョ)
ジョナサン『さぁ、上がって来るんだ! ディオ!!』
ジョナサン『このきたならしい阿呆がァーーッ!!』
ジョナサン『出しな…君の…今月分の…小遣い…を…』
ジョナサン『これから家に住むと事になったからといって、ぼくと対等だと思うなよな』
ディオ(ああ、きみとの思い出はひどいものばかりだ……でも)
ジョナサン『ディオ、着替えたら待っていてくれ。 いっしょに帰ろう』
ジョナサン『だいじょうぶ、利巧な犬さ。 自分から歩み寄ればすぐ仲よしになれるさ』
ディオ『君はジョナサン・ジョースターだね?』
ジョナサン『そういう君はディオ・ブランドー』
ディオ(結局ぼくは君をきらう事ができなかった…な)
115 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 05:56:05.87 ID:i5jH4vr20
ーーーー「この様子じゃ、わたしは必要なかったかな」
ジョナサン「きさまは……そうか、おれははめられていた…というわけ………か」
ジョナサン「ウィル・A・ツェペリ!」
ツェペリ「…自己紹介はいらんようだ」
スピードワゴン「ツェペリさん! ブランドーさんに波紋が…なんとかしてやってくれッ」
ツェペリ「無理だスピードワゴン……それにどのみちディオには消えてもらう約束だっただろ」
・
・
・
スピードワゴン「は!」
ツェペリ「気が付いたかね」
スピードワゴン「おれは…確かジョナサンの野郎に……そうだ! ブランドーさぁぁあててててぇ!」ガタッ
ツェペリ「そのケガじゃ満足に動けんだろ…どれ、意識も戻ったようだし…………パウッ!」ドス
スピードワゴン「お、おお…」
ツェペリ「あれ…指がスベっちゃった……いや、ごめん! スマナイ」
116 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 06:06:06.42 ID:i5jH4vr20
ツェペリ「あらためてわたしはツェペリ男爵だ」
スピードワゴン「おれぁスピードワゴンだ…ツェペリさんとやら、いったいどんな魔法でおれのけがを治したんだ」
ツェペリ「治癒力をたかめたが治ったわけではない…今も君の呼吸が乱れれば……」
スピードワゴン「あでででで! な、なんだぁ!? 急にいたみがッ!!」
ツェペリ「痛みはもとにもどる……言うまでもなかったね」
スピードワゴン「おーぃてててて!」
ツェペリ「……やれやれ、この体たらくでよく『石仮面』の力から生き残れたものだ」
スピードワゴン「あんたァ、石仮面のことを知ってんのかい!?」
ツェペリ「きみよりちょっぴりな…わたしはアレを破壊するために探しておったのだよ」
スピードワゴン「破壊だってぇ!」
ツェペリ「燃え落ちるジョースター邸で目的は達成させてもらった……横で君は死にかけていたがね」
スピードワゴン「待ってくれ! そこにもう一人男はいなかったか!?」
ツェペリ「いたよ。 だが、病院へ行くと言い話もきかずに行ってしまいおった」
スピードワゴン「いや、そっちじゃねぇ! おれがききたいのはブランドーさんの方だ!!」
117 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 06:16:06.39 ID:i5jH4vr20
ツェペリ「スピードワゴン…君からきいた話が本当ならそのジョナサンという男、なんと狡猾で恐ろしい奴よ」
ツェペリ「そしてディオ・ジョースター」
ツェペリ「石仮面の欲望をはねのけるとは、にわかには信じがたい精神力だ」
スピードワゴン「ブランドーさん! どこだッ! ブランドーさぁぁぁん!!」ガラガラ ガラ
ツェペリ「探すのならもう少し奥を探してみなさい……かすかだが命を感じる」
スピードワゴン「…………! 見つけた! ブランドーさんを見つけたぞぉ!!」
ディオ「ス、スピードワゴン…か」
スピードワゴン「ああ! おせっかい焼きのスピードワゴンだぜ! ブランドーさん、よくぞ御無事で!」ブワッ
ツェペリ「きみがディオ・ジョースターか…」
ディオ「……あ、なたは?」
ツェペリ「ウィル・A・ツェペリ」
ツェペリ「君の脳を目醒めさせた石仮面に対し、『とうとう会えたな』とでも言いたいところだが…」
ツェペリ「君の人としての精神に敬意をはらい、『はじめまして』と言っておこう」
ディオ「?」
118 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 06:26:16.17 ID:i5jH4vr20
ツェペリ「そうか…石仮面を探しに来た中国人を」
ディオ「彼には毒薬を作った責があったとはいえ、許される事ではないのは承知しています」
ディオ「それでもぼくは生き延び、やりとげなければいけない理由があった」
ツェペリ「……」
ディオ「ですが今ジョジョの事をあなたに伝える事ができた…それで十分です」
ディオ「さぁ、波紋の力でぼくを滅してください」
ツェペリ「ダメだ」
ディオ「!?」
ツェペリ「あの夜の出来事は石仮面の力が引き起こしたもの……」
ツェペリ「ただの人間であるジョナサンを今の法で裁くことはできん」
ツェペリ「そして、人間のわたしでは彼の野望を止めることはできん」
ツェペリ「君がやるんだ…いや、やらなければならないッ」
ツェペリ「消えるのはその後だ」
119 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 06:36:20.11 ID:i5jH4vr20
ディオ「ぼくが…ジョジョを……」
ツェペリ「正直今の状態では、分のいい賭けとはいいがたい」
ツェペリ「仮に成功したとしても君はその力で更に咎を負うはめになる」
ツェペリ「ただ消滅するより、ずっと酷なことを言っているようだが……」
ディオ「いえ、やります…やらせてください! 彼との決着はぼくが着ける!!」
ツェペリ「そうか…わたしもできうる限り手をかそう」
ディオ「それなら、ツェペリさんはジョジョに会い波紋法を伝授してください」
ディオ「石仮面の力に対抗できるという自信は、必ず隙を生むはずです…そこを……」
スピードワゴン「お~~い! 開けてくれぇ! いい加減おれも話にいれてくれよぉ~~ッ」ドンドン ドン
120 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 06:46:09.51 ID:i5jH4vr20
・
・
・
ジョナサン「まさか…自らの命を捨てて……まで…このジョジョを……しとめに来るとは………」ヒュ-
ジョナサン「その勇気を…認めよう……最後の最期で、おれはおまえに…負けたようだ……」ヒュ- ヒュ-
ディオ「この状況で…まだ勝ち負けにこだわるの……かい?」
ジョナサン「あたりまえ…だ……おれは一番が好きだ………ナンバー1だ…」ヒュ-
ディオ「まったく……君らしいというかなんと…いうか………」
ジョナサン「ディ……オ」
ディオ「なんだい…ジョジョ……」
ジョナサン「つ…ぎ……は…負………け…な………………………」
ディオ「ジョジョ……?」
ジョナサン「」
ディオ「……」
ディオ(ぼくの青春は、君との青春でもあった……)
スピードワゴン「ブランドーさん! しっかりしてくだせぇッ!!」
ディオ(ぼくらは、ふたりでひとりだったのかもしれない…奇妙な友情すら感じるよ…)
ツェペリ「むだだスピードワゴン…もうわしらにできるのは見守る事だけよ」
ディオ(そして今、ふたりの運命は完全にひとつとなった…このままぼくも…………)シュゥゥゥ....
ジョナサン・ジョースター
ディオ・ジョースター
死亡
121 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 06:56:03.97 ID:i5jH4vr20
スピードワゴン「ついにやったッ! ブランドーさんはなしとげたッ!」
スピードワゴン「なのに! ちくしょうッ! 涙がとまらねぇっ!」
ツェペリ「ディオ・ジョースターの真実を、世の人々が知ることはない」
ツェペリ「ならばこそ、われわれが覚えていよう」
ツェペリ「彼の生きた誇り高き人生の物語を」
ツェペリ「今は存分に泣くがよい、スピードワゴン……それは本当の彼を知っている証でもあるのだから」
スピードワゴン「いや、泣いてばかりもいられねぇや……」グス
スピードワゴン「ブランドーさんはエリナ・ジョースターの事を、最後まで気にかけていた」
スピードワゴン「だからその心配事は引き受けてやりてぇのよ」
スピードワゴン「たとえ憎まれ役を買う事になってもな」
ツェペリ「スピードワゴン、君ってやつは………………」
スピードワゴン「ツェペリさん、あんたはどうするんだい」
ツェペリ「そうさのぅ、わしは石仮面のために家族をすてた……その罪滅ぼしかな」
ツェペリ「まさか再び生きて会えるとはおもってなかったから、ちとこそばゆいんだがね」
122 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 07:06:06.71 ID:i5jH4vr20
こうして、石仮面にまつわる2人の少年の
数奇なる運命を追う冒険譚はその幕を降ろす
一人は星を目指し、その身を堕とし
一人は泥をすすり、もう一人を追い続けた
二つの生は並び交わり、ついにはその命を終える
しかし、それはまた新た冒険の時代の始まり
……なのかもしれない
ディオ「君はジョナサン・ジョースターだね?」 完
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/06(木) 07:11:43.52 ID:Dy/wQ75IO
あれ?これジョージ2世生存ルート?
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/06(木) 07:12:07.52 ID:IBsO9IPIO
じーんときた、乙
125 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 07:15:22.76 ID:i5jH4vr20
おわったーーーー
オウガストリート前後で進行が止まってて、起爆剤的気分で完結前から投下しましたがなんとかなるもんだなぁ…
肝心のジョジョとディオのバランスが適当だったので色々拙い個所も多かったと思いますが、
駄文にお付き合いいただきありがとうございました
どちらに言わせるべきか迷い結局「無駄無駄ッ!!」的セリフを入れれなかったのが少し心残りです
PS.最近聞いてる曲がマンネリ気味なのでジョジョ好きのみなさんがお気に入りの洋楽のアルバム等あれば教えてください
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/06(木) 07:23:43.26 ID:aSgJwP8wO
乙、そう来たか......
エリナはそれでもジョナサンを愛しそうでまた悲しいな
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/06(木) 08:26:59.78 ID:xmAPbgrDO
乙
そうまとめたか
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/06(木) 08:33:13.12 ID:SkUkl8wLo
乙。面白かった
ディオが可哀想だな…このディオなら普通に生きて普通に成功出来そうだし
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/06(木) 08:58:02.53 ID:IQGWGBsUo
おお、ちと切ないが、まとまってたな
乙
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/06(木) 09:56:48.68 ID:xsXimWzuO
乙乙
面白かった
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/06(木) 13:01:40.79 ID:N4aIszB20
最後ちょっと感動した 乙
ジョースター家全焼!
生き残った青年ジョナサン・ジョースター!
ジョージ・ジョースター他、警察官6名死亡!
犯人のディオ・ジョースター未だ行方つかめず!
そして……
ジョナサン「全治2ヵ月…少々ディオをあまくみていたということ……か」
ジョナサン「邸も全焼した、しばらくは病院の世話になるしかないな」
トントントン
ジョナサン「どうぞ」
看護婦「失礼します……よかった、お元気そうですねジョナサン・ジョースター」
ジョナサン「君は…まさかエリナか! エリナ・ペンドルトンか!」
エリナ「ええジョジョ、ほんとうにしばらくです」ジワッ
110 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 05:06:57.00 ID:i5jH4vr20
ジョナサン「君がお父さんの仕事でインドへ行ってしまって以来か……いつもどって来たんだい?」
エリナ「ほんのさっき、病院へは顔をだすだけのつもりだったのですが、あなたが入院したときいて……」
エリナ「それとご家族や邸の事も……ジョジョ! あぁ、ジョジョ!」
ジョナサン「泣かないでおくれ…父さんやディオの事は仕方がなかったんだ……」
エリナ「ですが!」
ジョナサン「それよりも今は君と再開できた喜びをかみしめていたい」
ジョナサン「ぼくたちが別れる時にしたやくそくを覚えてるかい?」
エリナ「ええ、それはもちろん……いけませんジョジョ! だって、こんな時に……!!」
ジョナサン「こんな時だからしたいんだ」
ズキュウゥゥン
ジョナサン・ジョースター氏、ジョースター家を継承し
ペンドルトン家ひとり娘エリナ嬢と結婚!
新婚旅行は2月3日 アメリカへ!
ーーーー「…………」
111 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 05:16:03.88 ID:i5jH4vr20
大西洋上ーーアメリカ航路
ジョナサン「なにを泣いているんだい?」
エリナ「この涙は幸福の涙です…あなたがここにいることの」
エリナ「だめ…お酒なんて飲んだ事ありませんもの…」
ジョナサン「少しさ…ほんのちょっぴりだけ…」
エリナ「どこへいくのですか、ジョナサン」
ジョナサン「風にあたってくるよ…君はこのまま船室にもどってまっていてくれ」
ジョナサン「富、名声、権力……この世の全てというにはまだ足りんが、おれは確かな力を手にいれた」
ジョナサン「そして美しく従順な女もいる」
ジョナサン「おれはこれからますます高みへと歩みをすすめていくだろう」
ジョナサン「これほど順風満帆な人生というのもなかなかない」
ジョナサン「そう思はないかスピードワゴン?」
スピードワゴン「……気づいてやがったのか」
112 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 05:26:06.42 ID:i5jH4vr20
ジョナサン「こそこそしたネズミのにおいは鼻につくからな」
ジョナサン「しかしよくあの猛火の中で生き延びたものだ……ゴキブリなみのしぶとさよ」
スピードワゴン「ケっ、てめぇを地獄にたたきおとすまでやすやすと死んでたまるかってんだ!」
スピードワゴン「あの夜のみんなの仇……その命でつぐなってもらうぜッ」ウオォォ
ジョナサン「やれやれ品のないヤツだ……みせてやろう、このジョジョの新たな力を!!」ドン
グゥン
スピードワゴン「あぶ」バギャン
スピードワゴン「ヤツの腕がのびやがった! そ、それにこのしびれるような感覚はァーーッ!!」
ジョナサン「これぞ『仙道』! 波紋エネルギーのパワーよ!」クワッ
スピードワゴン「ぐふ」ドザ
ジョナサン「あの一件のあとツェペリとかいう派手なヒゲのおっさんがたずねて来てなぁ」
ジョナサン「石仮面に対抗する術だと言って、おれに波紋を教えて行ったというわけよ」
ジョナサン「この力はべんりだぞ…たとえば今持っているこのワイン」
スピードワゴン「?」
ジョナサン「何のへんてつもないワインだが、おれが使えば……生命の波紋探知機となるッ」
ジョナサン「やはりな…………ディオ、きさま! 見ているなッ!」
ディオ「ジョジョ…」
113 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 05:36:44.03 ID:i5jH4vr20
ジョナサン「あぁディオ…なんてなさけない姿をしている」
ジョナサン「とてもじゃないが同じ家で育った、幼なじみの姿とはおもえん」
ディオ「この姿はぼくの罪の証! あえて…あえてぼくはこのままでいる」
ディオ「君の言うとおりなさけない姿だ」
ディオ「本来ならあのまま燃え盛る炎のなかで消えていくべきだった……」
ディオ「だが、君が生きている!」
ディオ「ならば、ぼくは何度でも立ち上がろうッ」
ディオ「清めてやるッ、その穢れたる野望!」シュゴォッ
ジョナサン「そんなねむっちまいそうなのろい攻撃で、このジョジョが倒せるかァーーーー!?」
ジョナサン「ちょいとでもおれにかなうと思ったのか! マヌケがァ~~~!」
ジョナサン「今度こそ! チリひとつ残さずこの世から消してくれる!!」
ジョナサン「山吹色の…………!」ガッ
スピードワゴン「いまだ! ブランドーさんッ」
ディオ「最後の最後に敗北するのはどちらかーっ」バリ バリ
ジョナサン「波紋……!」ゴァッ
ディオ「いくぞ! ジョジョ!」シュゴアァァ
ジョナサン「疾走ッ!!」ドォッシュウッ
ディオ「WRRRRRRRY!!」バババババ
ジョナサン「目から…自分の体液を……息が…『呼吸』が…できない……」ドサッ
スピードワゴン「ブランドーさん!」
ディオ「スピードワゴン…彼は……ジョジョはどうなった…………」シュ- シュ-
スピードワゴン「ヤツの攻撃でブランドーさんの狙いがそれちまったが、それでもあれは致命傷だ」
スピードワゴン「おそらくもって、数分ってところか…」
ディオ「……そうか」
ディオ(ジョジョ)
ジョナサン『さぁ、上がって来るんだ! ディオ!!』
ジョナサン『このきたならしい阿呆がァーーッ!!』
ジョナサン『出しな…君の…今月分の…小遣い…を…』
ジョナサン『これから家に住むと事になったからといって、ぼくと対等だと思うなよな』
ディオ(ああ、きみとの思い出はひどいものばかりだ……でも)
ジョナサン『ディオ、着替えたら待っていてくれ。 いっしょに帰ろう』
ジョナサン『だいじょうぶ、利巧な犬さ。 自分から歩み寄ればすぐ仲よしになれるさ』
ディオ『君はジョナサン・ジョースターだね?』
ジョナサン『そういう君はディオ・ブランドー』
ディオ(結局ぼくは君をきらう事ができなかった…な)
115 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 05:56:05.87 ID:i5jH4vr20
ーーーー「この様子じゃ、わたしは必要なかったかな」
ジョナサン「きさまは……そうか、おれははめられていた…というわけ………か」
ジョナサン「ウィル・A・ツェペリ!」
ツェペリ「…自己紹介はいらんようだ」
スピードワゴン「ツェペリさん! ブランドーさんに波紋が…なんとかしてやってくれッ」
ツェペリ「無理だスピードワゴン……それにどのみちディオには消えてもらう約束だっただろ」
・
・
・
スピードワゴン「は!」
ツェペリ「気が付いたかね」
スピードワゴン「おれは…確かジョナサンの野郎に……そうだ! ブランドーさぁぁあててててぇ!」ガタッ
ツェペリ「そのケガじゃ満足に動けんだろ…どれ、意識も戻ったようだし…………パウッ!」ドス
スピードワゴン「お、おお…」
ツェペリ「あれ…指がスベっちゃった……いや、ごめん! スマナイ」
116 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 06:06:06.42 ID:i5jH4vr20
ツェペリ「あらためてわたしはツェペリ男爵だ」
スピードワゴン「おれぁスピードワゴンだ…ツェペリさんとやら、いったいどんな魔法でおれのけがを治したんだ」
ツェペリ「治癒力をたかめたが治ったわけではない…今も君の呼吸が乱れれば……」
スピードワゴン「あでででで! な、なんだぁ!? 急にいたみがッ!!」
ツェペリ「痛みはもとにもどる……言うまでもなかったね」
スピードワゴン「おーぃてててて!」
ツェペリ「……やれやれ、この体たらくでよく『石仮面』の力から生き残れたものだ」
スピードワゴン「あんたァ、石仮面のことを知ってんのかい!?」
ツェペリ「きみよりちょっぴりな…わたしはアレを破壊するために探しておったのだよ」
スピードワゴン「破壊だってぇ!」
ツェペリ「燃え落ちるジョースター邸で目的は達成させてもらった……横で君は死にかけていたがね」
スピードワゴン「待ってくれ! そこにもう一人男はいなかったか!?」
ツェペリ「いたよ。 だが、病院へ行くと言い話もきかずに行ってしまいおった」
スピードワゴン「いや、そっちじゃねぇ! おれがききたいのはブランドーさんの方だ!!」
117 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 06:16:06.39 ID:i5jH4vr20
ツェペリ「スピードワゴン…君からきいた話が本当ならそのジョナサンという男、なんと狡猾で恐ろしい奴よ」
ツェペリ「そしてディオ・ジョースター」
ツェペリ「石仮面の欲望をはねのけるとは、にわかには信じがたい精神力だ」
スピードワゴン「ブランドーさん! どこだッ! ブランドーさぁぁぁん!!」ガラガラ ガラ
ツェペリ「探すのならもう少し奥を探してみなさい……かすかだが命を感じる」
スピードワゴン「…………! 見つけた! ブランドーさんを見つけたぞぉ!!」
ディオ「ス、スピードワゴン…か」
スピードワゴン「ああ! おせっかい焼きのスピードワゴンだぜ! ブランドーさん、よくぞ御無事で!」ブワッ
ツェペリ「きみがディオ・ジョースターか…」
ディオ「……あ、なたは?」
ツェペリ「ウィル・A・ツェペリ」
ツェペリ「君の脳を目醒めさせた石仮面に対し、『とうとう会えたな』とでも言いたいところだが…」
ツェペリ「君の人としての精神に敬意をはらい、『はじめまして』と言っておこう」
ディオ「?」
118 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 06:26:16.17 ID:i5jH4vr20
ツェペリ「そうか…石仮面を探しに来た中国人を」
ディオ「彼には毒薬を作った責があったとはいえ、許される事ではないのは承知しています」
ディオ「それでもぼくは生き延び、やりとげなければいけない理由があった」
ツェペリ「……」
ディオ「ですが今ジョジョの事をあなたに伝える事ができた…それで十分です」
ディオ「さぁ、波紋の力でぼくを滅してください」
ツェペリ「ダメだ」
ディオ「!?」
ツェペリ「あの夜の出来事は石仮面の力が引き起こしたもの……」
ツェペリ「ただの人間であるジョナサンを今の法で裁くことはできん」
ツェペリ「そして、人間のわたしでは彼の野望を止めることはできん」
ツェペリ「君がやるんだ…いや、やらなければならないッ」
ツェペリ「消えるのはその後だ」
119 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 06:36:20.11 ID:i5jH4vr20
ディオ「ぼくが…ジョジョを……」
ツェペリ「正直今の状態では、分のいい賭けとはいいがたい」
ツェペリ「仮に成功したとしても君はその力で更に咎を負うはめになる」
ツェペリ「ただ消滅するより、ずっと酷なことを言っているようだが……」
ディオ「いえ、やります…やらせてください! 彼との決着はぼくが着ける!!」
ツェペリ「そうか…わたしもできうる限り手をかそう」
ディオ「それなら、ツェペリさんはジョジョに会い波紋法を伝授してください」
ディオ「石仮面の力に対抗できるという自信は、必ず隙を生むはずです…そこを……」
スピードワゴン「お~~い! 開けてくれぇ! いい加減おれも話にいれてくれよぉ~~ッ」ドンドン ドン
120 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 06:46:09.51 ID:i5jH4vr20
・
・
・
ジョナサン「まさか…自らの命を捨てて……まで…このジョジョを……しとめに来るとは………」ヒュ-
ジョナサン「その勇気を…認めよう……最後の最期で、おれはおまえに…負けたようだ……」ヒュ- ヒュ-
ディオ「この状況で…まだ勝ち負けにこだわるの……かい?」
ジョナサン「あたりまえ…だ……おれは一番が好きだ………ナンバー1だ…」ヒュ-
ディオ「まったく……君らしいというかなんと…いうか………」
ジョナサン「ディ……オ」
ディオ「なんだい…ジョジョ……」
ジョナサン「つ…ぎ……は…負………け…な………………………」
ディオ「ジョジョ……?」
ジョナサン「」
ディオ「……」
ディオ(ぼくの青春は、君との青春でもあった……)
スピードワゴン「ブランドーさん! しっかりしてくだせぇッ!!」
ディオ(ぼくらは、ふたりでひとりだったのかもしれない…奇妙な友情すら感じるよ…)
ツェペリ「むだだスピードワゴン…もうわしらにできるのは見守る事だけよ」
ディオ(そして今、ふたりの運命は完全にひとつとなった…このままぼくも…………)シュゥゥゥ....
ジョナサン・ジョースター
ディオ・ジョースター
死亡
121 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 06:56:03.97 ID:i5jH4vr20
スピードワゴン「ついにやったッ! ブランドーさんはなしとげたッ!」
スピードワゴン「なのに! ちくしょうッ! 涙がとまらねぇっ!」
ツェペリ「ディオ・ジョースターの真実を、世の人々が知ることはない」
ツェペリ「ならばこそ、われわれが覚えていよう」
ツェペリ「彼の生きた誇り高き人生の物語を」
ツェペリ「今は存分に泣くがよい、スピードワゴン……それは本当の彼を知っている証でもあるのだから」
スピードワゴン「いや、泣いてばかりもいられねぇや……」グス
スピードワゴン「ブランドーさんはエリナ・ジョースターの事を、最後まで気にかけていた」
スピードワゴン「だからその心配事は引き受けてやりてぇのよ」
スピードワゴン「たとえ憎まれ役を買う事になってもな」
ツェペリ「スピードワゴン、君ってやつは………………」
スピードワゴン「ツェペリさん、あんたはどうするんだい」
ツェペリ「そうさのぅ、わしは石仮面のために家族をすてた……その罪滅ぼしかな」
ツェペリ「まさか再び生きて会えるとはおもってなかったから、ちとこそばゆいんだがね」
122 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 07:06:06.71 ID:i5jH4vr20
こうして、石仮面にまつわる2人の少年の
数奇なる運命を追う冒険譚はその幕を降ろす
一人は星を目指し、その身を堕とし
一人は泥をすすり、もう一人を追い続けた
二つの生は並び交わり、ついにはその命を終える
しかし、それはまた新た冒険の時代の始まり
……なのかもしれない
ディオ「君はジョナサン・ジョースターだね?」 完
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/06(木) 07:11:43.52 ID:Dy/wQ75IO
あれ?これジョージ2世生存ルート?
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/06(木) 07:12:07.52 ID:IBsO9IPIO
じーんときた、乙
125 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/06(木) 07:15:22.76 ID:i5jH4vr20
おわったーーーー
オウガストリート前後で進行が止まってて、起爆剤的気分で完結前から投下しましたがなんとかなるもんだなぁ…
肝心のジョジョとディオのバランスが適当だったので色々拙い個所も多かったと思いますが、
駄文にお付き合いいただきありがとうございました
どちらに言わせるべきか迷い結局「無駄無駄ッ!!」的セリフを入れれなかったのが少し心残りです
PS.最近聞いてる曲がマンネリ気味なのでジョジョ好きのみなさんがお気に入りの洋楽のアルバム等あれば教えてください
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/06(木) 07:23:43.26 ID:aSgJwP8wO
乙、そう来たか......
エリナはそれでもジョナサンを愛しそうでまた悲しいな
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/06(木) 08:26:59.78 ID:xmAPbgrDO
乙
そうまとめたか
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/06(木) 08:33:13.12 ID:SkUkl8wLo
乙。面白かった
ディオが可哀想だな…このディオなら普通に生きて普通に成功出来そうだし
おお、ちと切ないが、まとまってたな
乙
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/06(木) 09:56:48.68 ID:xsXimWzuO
乙乙
面白かった
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/06(木) 13:01:40.79 ID:N4aIszB20
最後ちょっと感動した 乙
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