ディオ「君はジョナサン・ジョースターだね?」
Part3
47 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/04(火) 07:44:16.24 ID:eY9L2RPu0
ジョージ「ジョジョ! ディオ! 優勝おめでとう!」
ディオ「ええ! もう知ってるんですか?」
ジョージ「大学の友人がさっき来て教えてくれたよ」ニコ
ジョナサン「それより父さん、気分はどうだい?」
ジョージ「うむ……だいぶいいよ」ゴホッ、ゴホッ
ジョージ「ただ、せきが止まらないな……今日医者に入院をすすめられたよ」
ジョナサン「入院? それは止めておいた方がいいよ」
ディオ「?」
ジョナサン「病院は施設が悪いくせにもうける事ばかり考えて入院をすすめてくる」
ジョージ「うむ、わたしもことわったよ」
ジョージ「胸の痛みもなくなったし、手のはれもひいたみたいだ……良くなっている」ゴホッ、ゴホッ
ジョナサン「父さんの体は働きすぎでまいっているだけ……家にいるのが一番さ」
ディオ「お父さん……」
ディオ(カゼをこじらせただけなのにこんなに悪くなって……良くなっているとも思えない)
ディオ(ああ! 法律なんぞじゃなく医学を勉強するんだった……でもこれはなおる病気だ!)
ディオ「早く元気になってください、本当に!」
ジョナサン「そうだよ父さん……執事から薬を預かってきてるんだ」
ジョナサン「これをのんで、しっかりなおしてくれ」
49 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/04(火) 07:53:57.05 ID:eY9L2RPu0
ジョナサン「ーーーー」
ディオ「ジョジョは今日もあのうす気味悪い仮面をいじっているのか……」
ディオ(7年前、あの仮面は血に反応し仕掛けが作動した)
ディオ(ジョジョが考古学に興味を持つ切っ掛けは『アレ』だったのだろうが、正直ぼくは意外だった)
ディオ(ジョジョは金にならないものには目もくれないと思っていたからだ)
ディオ(秘密を解き明かせばいくらかの名声は手に入るかもしれない)
ディオ(だが、それだって彼がジョースター家を継げばおのずとついてくるものだ)
ディオ「今は亡き母君が買ったものらしいし、思慕の情でもあるのかもしれないな…………うん?」
執事「ふぅーー、やれやれ」
ディオ「お父さんへの薬かい? ぼくがかわりに運んでおくよ」
執事「ああ、ディオさん。 ありがとうございます」
執事「年をとりたくありませんな……階段をのぼるのがけっこう苦になりました」
ディオ「かまわないさ、これを渡せばいいん…………」
ディオ「!!」
ディオ(この薬……ジョジョが渡していたものと微妙に包み方がちがうッ)
ドドドドド
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/04(火) 07:54:52.86 ID:sAOdmXiuO
立ち位置が逆だとこうも小物臭がするものなのか
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/04(火) 07:57:36.73 ID:zlYN2+I5O
悪のカリスマはディオだからこそだしな
52 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/04(火) 08:03:11.38 ID:eY9L2RPu0
執事「しかしジョースタ卿はしあわせ者ですな」フフフ
ディオ「お父さんがなんだって?」
執事「いえね、ジョジョぼっちゃまもこうしてよく薬を運んでくれるもので」
ディオ「ジョジョが薬を!?」
執事「はい、まことおやさしい息子さん方にめぐまれジョースター卿も鼻が高いでしょう」
ディオ「…………」ゴゴゴ
ディオ(ジョジョが渡していた包み方の違う薬となおる気配のない病気!)
ディオ(……ぼくは今! とても恐ろしい想像をしている!)
ディオ(ジョジョは、自分の本当の父親を殺害しようとしているッ!)
ディオ(…………)
ディオ(いや、流石にどうかしている……実の父親を殺そうとするなんてあるわけないだろ)
ディオ(これはそう……あの時たまたま別の薬だったに違いない)
ディオ「あの……この薬だけど」
執事「はい、薬がなにか?」
ディオ「以前みたものと違う気がするんだが、いくつか種類があったりするのかい?」
執事「いいえ、いつも同じ薬のはずですが」
ディオ「そ、そうか……ならばぼくの勘違いか」
ディオ「…………」ゴクッ
53 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/04(火) 08:13:09.69 ID:eY9L2RPu0
カチャ カチャカチャ
パタン
ディオ「勝手にジョジョの部屋に入ってしまった……これでもう後戻りはできないぞ……!」
ディオ(ジョジョと執事の持っていた包み方の違う薬)
ディオ(…………ぼくは今! とても恐ろしい想像をしている!)
ディオ(ジョジョは、自分の本当の父親を殺そうとしているッ!)
ディオ(病死のように殺害する薬を使って!)
ディオ「でもこれは、全部ぼくの思い過ごしさ…だから…だからきっと……」
ディオ「この話のオチはジョジョの部屋に勝手に入ったぼくが怒られる……ってつまらないものになるはずだ」
ディオ(警戒心の強い彼のことだ……真に大事なものは簡単に見つけられるとも思えないが…)
キョロ
キョロ キョロ
キョロ キョロ キョロ
ディオ(!)
ゴソゴソ カチャ
ディオ「…………」
54 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/04(火) 08:23:09.77 ID:eY9L2RPu0
カチャリ
ジョナサン(ドアのカギが開いている……!!)
ジョナサン「……」ガチャ
ディオ「やあ、ずいぶん遅かったねジョジョ」
ジョナサン「ディオ……!」ギッ
ジョナサン「人の部屋で優雅にティータイムとは……なかなかいい趣味をしているじゃないか」
ディオ「なに、すこしきみを驚かせようと思ってね……まぁ座りなよ」
ジョナサン「…………確かカギをかけていたと思ったが、どうやって開けたんだい?」
ディオ「ロンドンに居たころ知人に鍵開けを教わったのさ……自慢にもならない特技だ」
ディオ「それでジョジョ、砂糖はいくつ入れる?」
ジョナサン「いや、ぼくはこのままで……」
ディオ「……」スッ
ジョナサン「それはッ」ガタッ
ディオ「遠慮するなよジョジョ……『砂糖』はいくつ入れる?」ドドドドド
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/04(火) 08:31:04.24 ID:rTxKHMl0o
普通の物語ならこうなんだろうな
ジョジョは逆だったから人気出た訳で
57 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/04(火) 08:33:11.53 ID:eY9L2RPu0
ジョナサン(バカな! この薬は…………!)
ディオ「ああ、実に巧妙に隠されていた…………だけどね」
ディオ「ぼくには彼のおかげですぐ見つけられる事ができたよ」サラサラ
ジョナサン(ダ、ダニィーーー!!)
ジョナサン(ダニーの写真を使い、死を偲び尊ぶものという心理的ロックをかけたつもりだったが……)
ジョナサン(まさかそれ故に、このジョジョの策がディオに見破られることになるなんてッ)
ディオ「どうした飲まないのかい? 君の部屋にあった『砂糖』を入れただけだよ」
ジョナサン「…………」キッ
ディオ「君はいつもお父さんに薬を運んでいたそうだね」
ジョナサン「……だったらなんだっていうんだ」
ディオ「君への疑惑が確信に変わったよ、ジョジョ」
ディオ「ぼくの思い過ごしであって欲しかったが、本当に……本当に残念だ…………」
58 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/04(火) 08:43:08.96 ID:eY9L2RPu0
ジョナサン「このままいかせると……!」
バシャアァ
ジョナサン「うあああっ! こ、こいつ、あつあつの紅茶をかけやがった!」
ディオ「ぼくがお父さんを守るッ! ジョースター家を守るッ!」ブン
ジョナサン「うげえぇ!!」グワシィツ
ディオ「君がなにを企んでいようとぼくは負けない! そしてもうお父さんには近づけさせんッ!」
ディオ「この薬を分析して必ず刑務所に送り込んでやるぞッ!」ババーーーン!
ディオ(君がどうでようとぼくは戦うぞ! ぼくはジョースター家のディオ・ジョースターだッ!!)
ジョナサン(もうすこしで全てが手に入るというところだったのに……)
ジョナサン(ディオを始末するのはたやすいが、目的はあくまで完全犯罪!)
ジョナサン(誰にもこのジョジョを怪しまれるようなことがあってもいけないッ!)
ジョナサン(東洋の秘薬は西洋医学で簡単に分析できん……薬の証拠をつかむのに3日はかかるとみた!)
ジョナサン(3日の間にディオをなんとか始末せねば! 殺すッ!)
59 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/04(火) 08:48:30.59 ID:eY9L2RPu0
キリよさげなので今日はここまでで
金・権力>親な小物臭いジョナサンですが、次の回できっと挽回してくれる……はず
60 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/04(火) 08:54:42.87 ID:eY9L2RPu0
ジョジョが部屋にスネークする部分は繋がり不足かと思い急きょさしこんだのですが
前の文章の確認ミスで重複する個所がでてましたスミマセン
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/04(火) 10:55:33.71 ID:bq/FezBoo
支援
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/04(火) 13:18:57.36 ID:BXYXxmlJ0
それにしてもエリナさん空気である
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/04(火) 18:21:26.25 ID:H//CStfnO
ぼくはジョースター家のディオ・ジョースターだッ!!
このセリフかっこいい
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/05(水) 00:43:30.22 ID:5JyJaFod0
第六部のラスボスは第三部で復活したJOJOと友達になった『石油王』スピードワゴンだな(確信)
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/05(水) 03:18:38.45 ID:qYZbaVYR0
スピードワゴンが敵に回るとか権力強すぎて外出歩けねえ
71 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 05:15:32.01 ID:Ua85GgGZ0
業者「だ……だんなあ…あっしがお送りできるのはここまででだ…ここから先はやばい…やばいですゥ!」
業者「よそ者のだんなは知らないだろうけど、何百年も前から決まっているんですぜ!」
業者「呪われた者の住むところで、伝染病がはやる時はいつもここからなんです!」
業者「その名も食屍鬼街<<オウガストリート>>ってんですぜェ!」
ディオ「ああ、よーく知っているさ…………」ガチャ
ディオ(ジョジョの薬を大学の研究室に分析をたのんだがーーー結果は分析不能だった……)
ディオ(そうするとこれは、東洋の薬である可能性が強い)
ディオ(ジョジョはよく論文の発表でロンドンに足を運んでいた……手にいれるとしたらこの場所しかない!)
ディオ(必ずこの入手先から証拠と解毒剤を見つけ出してみせる!)
ディオ「しかし、この街の迷路のような作りは相変わらずだな」フフ
ディオ「ム!」
刺青「へへへ……身なりのいいあんちゃんだ、皮膚ごと身ぐるみをはいでやるぜッ」
72 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 05:25:16.32 ID:Ua85GgGZ0
ディオ「君たちは…『覚悟はできている人』……なのか?」
ディオ「『悪事』をはたらくという事は、『悪事』を返される危険を常にはらんでいる……」
ディオ「君たちはその『覚悟はできている人』ってわけだ」
東洋人「アナタ何を言ってるね」
ディオ「ぼくには理由がある、それは父を守るため! ジョースター家を守るため!」
ディオ「君らとは戦う『覚悟の核』が違うんだ!」
ディオ「君たちを殺してでも先へ進ませてもらうぞ!」
刺青(普段ならよォ…こんなのは金持ちのアマちゃんのハッタリだと笑い飛ばすところだが……)
刺青(こいつには、やると言ったらやる……『スゴ味』があるッ!)ゴ、ゴクリ
東洋人「何を気どっているねーーーーーーッ!!」アチャーーッ
東洋人「東洋の神秘中国拳法、この蹴りをくらってあの世まで飛んでいくねーッ!」
スピードワゴン「やめろ、二人とも!」
刺青「スピードワゴン!!」
スピードワゴン「そのお方に手を出すことは、このスピードワゴンがゆるさねぇ!」
ディオ「会いたかったよ、スピードワゴン」
73 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 05:35:08.94 ID:Ua85GgGZ0
スピードワゴン「久しぶりだな、ブランドーさん! 随分大きくなったじゃあないですか!」
ディオ「ロンドンを出てからだ、7年ぶりってところか……ここの住人たちは相変わらずのようだけどね」
スピードワゴン「たしかブランドーさんは貴族の屋敷に世話になってるって話だったよな」
ディオ「ああ、そして今のぼくはディオ・ブランドーじゃない、ディオ・ジョースターだ」
スピードワゴン「へ、あんたがどこの家のお人になろうと関係ねえ!」
スピードワゴン「イカサマポーカーではめられたオレを助けるために、アンタは自分の命をかけてくれた…」
スピードワゴン「名も知らぬゴロツキのためにだ! このスピードワゴン、あの恩は一生忘れないぜッ!!」
スピードワゴン「おれにとってあんたは命の恩人、ブランドーさんだ!」
ディオ「わかった…呼び方くらい好きにすればいいさ、それよりスピードワゴン一つ頼みたい事があるんだ」
スピードワゴン「引き受けたぜッ!」
ディオ「まだ何も言ってないだろう……」
スピードワゴン「ブランドーさんの頼みをおれが断るわけはずないでしょうよ!」
ディオ「まったく、君といるとペースが崩れてしまう…東洋の毒薬を売っている人物を探しているのだが……」
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/05(水) 05:43:03.65 ID:gLMBuHHho
なるほど、ディオが真っ当な人間なんだからこういう改編もありだな
75 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 05:45:03.92 ID:Ua85GgGZ0
ーー 一方ジョジョは…
ジョナサン「仮面の研究ノートはもう一冊作り、ディオの部屋に仕込んでおいた」
ジョナサン「しかも血液のヒミツはディオのノートにだけに書かれているッ」
ジョナサン「これであの仮面は、おれとディオの共同研究だったという事になるわけだ」
ジョナサン「そして、ディオの変死体は研究中の『事故死』とみて捜査は打ち切られる」
ジョナサン「そういう計画だった……」
ジョナサン「だが!」
ジョナサン「おれは手にいれた!」
ジョナサン「石仮面の秘密を! 人間の未知なる力を!」
ジョナサン「待っていろ、ディオ! さいごに笑うのはこのジョジョだ!!」
76 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 05:55:06.89 ID:Ua85GgGZ0
ー ジョースター邸 ー
ジョナサン「どうした執事!? なぜ邸内の明りを消しているッ!」
シュボ!
ディオ「待っていたよジョジョ」バーン
ジョナサン「ディオ!」
ジョナサン「………………帰っていたのか、ロンドンから」ニコ
ディオ「昨日のうちにね……君はずいぶんと遅かったな、もう夜明け前だぞ」
ジョナサン「あ、ああ……」
ディオ「解毒剤は手にいれたよ……さっきお父さんに飲ませたばかりだ」
ジョナサン「…………」
ディオ「つまり証拠をつかんだということだ……」
ディオ「ジョジョ、ぼくは気が重い…………仲が良かったとは言えない」
ディオ「それでも兄弟同然に育った君を、お父さんの実子である君を警察へ突き出さなくてはいけないなんて」
ディオ「残念だよジョジョ……本当に」
ディオ「わかってもらえないかもしれないが、これは本心だよ……ジョジョ」
ジョナサン「…………」
77 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 06:05:04.23 ID:Ua85GgGZ0
ジョナサン「じつに君らしいやさしさだ、理解するよ」
ジョナサン「ディオ、勝手だけど頼みがある……ぼくはケガをしているんだ」
ジョナサン「手当をする時間をくれないか? 手当さえ終わればぼくは警察に自首するよ!」
ディオ「なんだって!?」
ジョナサン「ディオ! ぼくは悔いているんだ、今までの人生を!」
ジョナサン「優しい父と君をまっすぐに見ていられなくなった、おのれの傲慢さを!」
ジョナサン「バカなことをしでかしたよ、実の父に毒を盛って早々に財産を得ようだなんて!」
ジョナサン「その証に自首するためにもどって来たんだ! 罪のつぐないをしたいんだ!」
ディオ(……ジョジョ!)
スピードワゴン「ブランドーさん……気を付けろ! 信じるなよ、そいつの言葉を!」
ジョナサン「ヌム!?」キッ
ジョージ「ジョジョ! ディオ! 優勝おめでとう!」
ディオ「ええ! もう知ってるんですか?」
ジョージ「大学の友人がさっき来て教えてくれたよ」ニコ
ジョナサン「それより父さん、気分はどうだい?」
ジョージ「うむ……だいぶいいよ」ゴホッ、ゴホッ
ジョージ「ただ、せきが止まらないな……今日医者に入院をすすめられたよ」
ジョナサン「入院? それは止めておいた方がいいよ」
ディオ「?」
ジョナサン「病院は施設が悪いくせにもうける事ばかり考えて入院をすすめてくる」
ジョージ「うむ、わたしもことわったよ」
ジョージ「胸の痛みもなくなったし、手のはれもひいたみたいだ……良くなっている」ゴホッ、ゴホッ
ジョナサン「父さんの体は働きすぎでまいっているだけ……家にいるのが一番さ」
ディオ「お父さん……」
ディオ(カゼをこじらせただけなのにこんなに悪くなって……良くなっているとも思えない)
ディオ(ああ! 法律なんぞじゃなく医学を勉強するんだった……でもこれはなおる病気だ!)
ディオ「早く元気になってください、本当に!」
ジョナサン「そうだよ父さん……執事から薬を預かってきてるんだ」
ジョナサン「これをのんで、しっかりなおしてくれ」
49 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/04(火) 07:53:57.05 ID:eY9L2RPu0
ジョナサン「ーーーー」
ディオ「ジョジョは今日もあのうす気味悪い仮面をいじっているのか……」
ディオ(7年前、あの仮面は血に反応し仕掛けが作動した)
ディオ(ジョジョが考古学に興味を持つ切っ掛けは『アレ』だったのだろうが、正直ぼくは意外だった)
ディオ(ジョジョは金にならないものには目もくれないと思っていたからだ)
ディオ(秘密を解き明かせばいくらかの名声は手に入るかもしれない)
ディオ(だが、それだって彼がジョースター家を継げばおのずとついてくるものだ)
ディオ「今は亡き母君が買ったものらしいし、思慕の情でもあるのかもしれないな…………うん?」
執事「ふぅーー、やれやれ」
ディオ「お父さんへの薬かい? ぼくがかわりに運んでおくよ」
執事「ああ、ディオさん。 ありがとうございます」
執事「年をとりたくありませんな……階段をのぼるのがけっこう苦になりました」
ディオ「かまわないさ、これを渡せばいいん…………」
ディオ「!!」
ディオ(この薬……ジョジョが渡していたものと微妙に包み方がちがうッ)
ドドドドド
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/04(火) 07:54:52.86 ID:sAOdmXiuO
立ち位置が逆だとこうも小物臭がするものなのか
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/04(火) 07:57:36.73 ID:zlYN2+I5O
悪のカリスマはディオだからこそだしな
52 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/04(火) 08:03:11.38 ID:eY9L2RPu0
執事「しかしジョースタ卿はしあわせ者ですな」フフフ
ディオ「お父さんがなんだって?」
執事「いえね、ジョジョぼっちゃまもこうしてよく薬を運んでくれるもので」
ディオ「ジョジョが薬を!?」
執事「はい、まことおやさしい息子さん方にめぐまれジョースター卿も鼻が高いでしょう」
ディオ「…………」ゴゴゴ
ディオ(ジョジョが渡していた包み方の違う薬となおる気配のない病気!)
ディオ(……ぼくは今! とても恐ろしい想像をしている!)
ディオ(ジョジョは、自分の本当の父親を殺害しようとしているッ!)
ディオ(…………)
ディオ(いや、流石にどうかしている……実の父親を殺そうとするなんてあるわけないだろ)
ディオ(これはそう……あの時たまたま別の薬だったに違いない)
ディオ「あの……この薬だけど」
執事「はい、薬がなにか?」
ディオ「以前みたものと違う気がするんだが、いくつか種類があったりするのかい?」
執事「いいえ、いつも同じ薬のはずですが」
ディオ「そ、そうか……ならばぼくの勘違いか」
ディオ「…………」ゴクッ
カチャ カチャカチャ
パタン
ディオ「勝手にジョジョの部屋に入ってしまった……これでもう後戻りはできないぞ……!」
ディオ(ジョジョと執事の持っていた包み方の違う薬)
ディオ(…………ぼくは今! とても恐ろしい想像をしている!)
ディオ(ジョジョは、自分の本当の父親を殺そうとしているッ!)
ディオ(病死のように殺害する薬を使って!)
ディオ「でもこれは、全部ぼくの思い過ごしさ…だから…だからきっと……」
ディオ「この話のオチはジョジョの部屋に勝手に入ったぼくが怒られる……ってつまらないものになるはずだ」
ディオ(警戒心の強い彼のことだ……真に大事なものは簡単に見つけられるとも思えないが…)
キョロ
キョロ キョロ
キョロ キョロ キョロ
ディオ(!)
ゴソゴソ カチャ
ディオ「…………」
54 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/04(火) 08:23:09.77 ID:eY9L2RPu0
カチャリ
ジョナサン(ドアのカギが開いている……!!)
ジョナサン「……」ガチャ
ディオ「やあ、ずいぶん遅かったねジョジョ」
ジョナサン「ディオ……!」ギッ
ジョナサン「人の部屋で優雅にティータイムとは……なかなかいい趣味をしているじゃないか」
ディオ「なに、すこしきみを驚かせようと思ってね……まぁ座りなよ」
ジョナサン「…………確かカギをかけていたと思ったが、どうやって開けたんだい?」
ディオ「ロンドンに居たころ知人に鍵開けを教わったのさ……自慢にもならない特技だ」
ディオ「それでジョジョ、砂糖はいくつ入れる?」
ジョナサン「いや、ぼくはこのままで……」
ディオ「……」スッ
ジョナサン「それはッ」ガタッ
ディオ「遠慮するなよジョジョ……『砂糖』はいくつ入れる?」ドドドドド
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/04(火) 08:31:04.24 ID:rTxKHMl0o
普通の物語ならこうなんだろうな
ジョジョは逆だったから人気出た訳で
57 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/04(火) 08:33:11.53 ID:eY9L2RPu0
ジョナサン(バカな! この薬は…………!)
ディオ「ああ、実に巧妙に隠されていた…………だけどね」
ディオ「ぼくには彼のおかげですぐ見つけられる事ができたよ」サラサラ
ジョナサン(ダ、ダニィーーー!!)
ジョナサン(ダニーの写真を使い、死を偲び尊ぶものという心理的ロックをかけたつもりだったが……)
ジョナサン(まさかそれ故に、このジョジョの策がディオに見破られることになるなんてッ)
ディオ「どうした飲まないのかい? 君の部屋にあった『砂糖』を入れただけだよ」
ジョナサン「…………」キッ
ディオ「君はいつもお父さんに薬を運んでいたそうだね」
ジョナサン「……だったらなんだっていうんだ」
ディオ「君への疑惑が確信に変わったよ、ジョジョ」
ディオ「ぼくの思い過ごしであって欲しかったが、本当に……本当に残念だ…………」
58 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/04(火) 08:43:08.96 ID:eY9L2RPu0
ジョナサン「このままいかせると……!」
バシャアァ
ジョナサン「うあああっ! こ、こいつ、あつあつの紅茶をかけやがった!」
ディオ「ぼくがお父さんを守るッ! ジョースター家を守るッ!」ブン
ジョナサン「うげえぇ!!」グワシィツ
ディオ「君がなにを企んでいようとぼくは負けない! そしてもうお父さんには近づけさせんッ!」
ディオ「この薬を分析して必ず刑務所に送り込んでやるぞッ!」ババーーーン!
ディオ(君がどうでようとぼくは戦うぞ! ぼくはジョースター家のディオ・ジョースターだッ!!)
ジョナサン(もうすこしで全てが手に入るというところだったのに……)
ジョナサン(ディオを始末するのはたやすいが、目的はあくまで完全犯罪!)
ジョナサン(誰にもこのジョジョを怪しまれるようなことがあってもいけないッ!)
ジョナサン(東洋の秘薬は西洋医学で簡単に分析できん……薬の証拠をつかむのに3日はかかるとみた!)
ジョナサン(3日の間にディオをなんとか始末せねば! 殺すッ!)
59 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/04(火) 08:48:30.59 ID:eY9L2RPu0
キリよさげなので今日はここまでで
金・権力>親な小物臭いジョナサンですが、次の回できっと挽回してくれる……はず
60 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/04(火) 08:54:42.87 ID:eY9L2RPu0
ジョジョが部屋にスネークする部分は繋がり不足かと思い急きょさしこんだのですが
前の文章の確認ミスで重複する個所がでてましたスミマセン
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/04(火) 10:55:33.71 ID:bq/FezBoo
支援
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/04(火) 13:18:57.36 ID:BXYXxmlJ0
それにしてもエリナさん空気である
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/04(火) 18:21:26.25 ID:H//CStfnO
ぼくはジョースター家のディオ・ジョースターだッ!!
このセリフかっこいい
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/05(水) 00:43:30.22 ID:5JyJaFod0
第六部のラスボスは第三部で復活したJOJOと友達になった『石油王』スピードワゴンだな(確信)
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/05(水) 03:18:38.45 ID:qYZbaVYR0
スピードワゴンが敵に回るとか権力強すぎて外出歩けねえ
71 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 05:15:32.01 ID:Ua85GgGZ0
業者「だ……だんなあ…あっしがお送りできるのはここまででだ…ここから先はやばい…やばいですゥ!」
業者「よそ者のだんなは知らないだろうけど、何百年も前から決まっているんですぜ!」
業者「呪われた者の住むところで、伝染病がはやる時はいつもここからなんです!」
業者「その名も食屍鬼街<<オウガストリート>>ってんですぜェ!」
ディオ「ああ、よーく知っているさ…………」ガチャ
ディオ(ジョジョの薬を大学の研究室に分析をたのんだがーーー結果は分析不能だった……)
ディオ(そうするとこれは、東洋の薬である可能性が強い)
ディオ(ジョジョはよく論文の発表でロンドンに足を運んでいた……手にいれるとしたらこの場所しかない!)
ディオ(必ずこの入手先から証拠と解毒剤を見つけ出してみせる!)
ディオ「しかし、この街の迷路のような作りは相変わらずだな」フフ
ディオ「ム!」
刺青「へへへ……身なりのいいあんちゃんだ、皮膚ごと身ぐるみをはいでやるぜッ」
72 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 05:25:16.32 ID:Ua85GgGZ0
ディオ「君たちは…『覚悟はできている人』……なのか?」
ディオ「『悪事』をはたらくという事は、『悪事』を返される危険を常にはらんでいる……」
ディオ「君たちはその『覚悟はできている人』ってわけだ」
東洋人「アナタ何を言ってるね」
ディオ「ぼくには理由がある、それは父を守るため! ジョースター家を守るため!」
ディオ「君らとは戦う『覚悟の核』が違うんだ!」
ディオ「君たちを殺してでも先へ進ませてもらうぞ!」
刺青(普段ならよォ…こんなのは金持ちのアマちゃんのハッタリだと笑い飛ばすところだが……)
刺青(こいつには、やると言ったらやる……『スゴ味』があるッ!)ゴ、ゴクリ
東洋人「何を気どっているねーーーーーーッ!!」アチャーーッ
東洋人「東洋の神秘中国拳法、この蹴りをくらってあの世まで飛んでいくねーッ!」
スピードワゴン「やめろ、二人とも!」
刺青「スピードワゴン!!」
スピードワゴン「そのお方に手を出すことは、このスピードワゴンがゆるさねぇ!」
ディオ「会いたかったよ、スピードワゴン」
73 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 05:35:08.94 ID:Ua85GgGZ0
スピードワゴン「久しぶりだな、ブランドーさん! 随分大きくなったじゃあないですか!」
ディオ「ロンドンを出てからだ、7年ぶりってところか……ここの住人たちは相変わらずのようだけどね」
スピードワゴン「たしかブランドーさんは貴族の屋敷に世話になってるって話だったよな」
ディオ「ああ、そして今のぼくはディオ・ブランドーじゃない、ディオ・ジョースターだ」
スピードワゴン「へ、あんたがどこの家のお人になろうと関係ねえ!」
スピードワゴン「イカサマポーカーではめられたオレを助けるために、アンタは自分の命をかけてくれた…」
スピードワゴン「名も知らぬゴロツキのためにだ! このスピードワゴン、あの恩は一生忘れないぜッ!!」
スピードワゴン「おれにとってあんたは命の恩人、ブランドーさんだ!」
ディオ「わかった…呼び方くらい好きにすればいいさ、それよりスピードワゴン一つ頼みたい事があるんだ」
スピードワゴン「引き受けたぜッ!」
ディオ「まだ何も言ってないだろう……」
スピードワゴン「ブランドーさんの頼みをおれが断るわけはずないでしょうよ!」
ディオ「まったく、君といるとペースが崩れてしまう…東洋の毒薬を売っている人物を探しているのだが……」
なるほど、ディオが真っ当な人間なんだからこういう改編もありだな
75 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 05:45:03.92 ID:Ua85GgGZ0
ーー 一方ジョジョは…
ジョナサン「仮面の研究ノートはもう一冊作り、ディオの部屋に仕込んでおいた」
ジョナサン「しかも血液のヒミツはディオのノートにだけに書かれているッ」
ジョナサン「これであの仮面は、おれとディオの共同研究だったという事になるわけだ」
ジョナサン「そして、ディオの変死体は研究中の『事故死』とみて捜査は打ち切られる」
ジョナサン「そういう計画だった……」
ジョナサン「だが!」
ジョナサン「おれは手にいれた!」
ジョナサン「石仮面の秘密を! 人間の未知なる力を!」
ジョナサン「待っていろ、ディオ! さいごに笑うのはこのジョジョだ!!」
76 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 05:55:06.89 ID:Ua85GgGZ0
ー ジョースター邸 ー
ジョナサン「どうした執事!? なぜ邸内の明りを消しているッ!」
シュボ!
ディオ「待っていたよジョジョ」バーン
ジョナサン「ディオ!」
ジョナサン「………………帰っていたのか、ロンドンから」ニコ
ディオ「昨日のうちにね……君はずいぶんと遅かったな、もう夜明け前だぞ」
ジョナサン「あ、ああ……」
ディオ「解毒剤は手にいれたよ……さっきお父さんに飲ませたばかりだ」
ジョナサン「…………」
ディオ「つまり証拠をつかんだということだ……」
ディオ「ジョジョ、ぼくは気が重い…………仲が良かったとは言えない」
ディオ「それでも兄弟同然に育った君を、お父さんの実子である君を警察へ突き出さなくてはいけないなんて」
ディオ「残念だよジョジョ……本当に」
ディオ「わかってもらえないかもしれないが、これは本心だよ……ジョジョ」
ジョナサン「…………」
77 : ◆6JqffuHJDQ :2016/10/05(水) 06:05:04.23 ID:Ua85GgGZ0
ジョナサン「じつに君らしいやさしさだ、理解するよ」
ジョナサン「ディオ、勝手だけど頼みがある……ぼくはケガをしているんだ」
ジョナサン「手当をする時間をくれないか? 手当さえ終わればぼくは警察に自首するよ!」
ディオ「なんだって!?」
ジョナサン「ディオ! ぼくは悔いているんだ、今までの人生を!」
ジョナサン「優しい父と君をまっすぐに見ていられなくなった、おのれの傲慢さを!」
ジョナサン「バカなことをしでかしたよ、実の父に毒を盛って早々に財産を得ようだなんて!」
ジョナサン「その証に自首するためにもどって来たんだ! 罪のつぐないをしたいんだ!」
ディオ(……ジョジョ!)
スピードワゴン「ブランドーさん……気を付けろ! 信じるなよ、そいつの言葉を!」
ジョナサン「ヌム!?」キッ
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