はだしのラピュタ
Part8
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/06(木) 01:23:30.15 ID:mXls6RPG0
***
わああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!
ムスカ「素晴らしい……ッ! 最高のショーだとは思わんかねッ!?」カサカサ
ムスカ「ほう……」カサカサカサ
ムスカ「見ろッ! 人がゴミのようだッ!!」カサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ……
ムスカ「あああッ! 鬱陶しいッ!! このゴミ(抜け毛)がああああああッ!!!」ズガンッ ズガンッ
シータ「!」ガッ パシッ! つ飛行石
ムスカ「! 何をするッ!!」
シータ「ハアッ! ハアッ!」ダッ
ムスカ「返したまえ、いい子だから」ツカツカ
ムスカ「スリなんて誰が教えたんだね……?」ツカツカ
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/06(木) 01:25:50.94 ID:mXls6RPG0
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーーーー
シータ回想シーン
隆太「岡内組ではいろんな用事をして忙しかったよ」
シータ「どんな用事?」
隆太「う、うん……。バクチの見張りや……」
隆太(大きい声じゃ言えんがのう……。チャリンコもやっとったんよ)ボソッ
シータ「チャリンコ? なあに、それ?」
隆太「知らんのか? 調子狂うのう……」
隆太「」サッ
隆太「シータ、何か無くなっていないか探してみいや」
シータ「えッ?」
シータ「ああッ! 私のカチューシャがッ!!」
隆太「えへへへ」
ゲン「馬鹿たれ! 堅気の女の子にくだらんことを教えるなッ!」ゴチン
隆太「ぎゃいん!」
ーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/06(木) 01:44:07.74 ID:mXls6RPG0
シータ「はあッ! はあッ!」タッタッタ
ムスカ「ハハハハハ! どこへ行こうと言うのかね?」カツカツ
ゲン「シータァ!!! わりゃ、どこじゃああああああ!!!!!!!!!」ズガガガガガガ
隆太「居るんか居らんのかッ! 居らんのなら居らんと返事せぇやァッ!!!!!」ズガガガガガガ
ムスカ「!!」
シータ「ゲーーーーンッ!!! 隆太ァーーーーーーーーーッ!!!」
ゲン「シーーーーーータァーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!」
ムスカ「ッ!!!!!」
***
そのときムスカの脳裏によぎったのはーー紛れもない敗北ーー
避けられない己の“死”
当然すべき『命乞い』
ーーしかしーー
世界を支配する力を持つラピュタ王に君臨しているというカリソメの現状が
計算高い彼の頭を鈍らせた
***
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 01:54:48.24 ID:mXls6RPG0
シータ「ゲンッ!」
ゲン「今行くぞッ! 隆太ッ!!」
隆太「ちょっと下っとれ! 根っこに穴をあけるけぇッ!」ガシャンッ
ドゴンッ!!!
ゲン「クソォ、手が通りぬけるほどにしか開かんかったわい! もう一発じゃッ!!」
シータ「待って! それよりもこの石を海に捨てて! 早くッ!」
シータ「あッ!!」ドサッ
ゲン「シータッ!?」
ムスカのリボルバー「」ニョキッ
ズガンッ!
ゲン「ぐわッ!」
隆太「あんちゃんッ!」
ムスカ「その石を大事に持ってろ。小娘の命と引き換えだ」スッ
ゲン「おどれェ……!!」
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 02:01:38.77 ID:mXls6RPG0
***
ズガンッ!!
シータ「」ドサッ
ムスカ「立て。鬼ごっこは終わりだ」
シータ「」ハァッハァッ
ムスカ「終点が玉座の間とは上出来じゃないか」
ムスカ「ここへ来い……」
シータ「ここが玉座ですって……?」
シータ「ここはお墓よ。あなたと私の」
ムスカ「……」
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 02:14:11.57 ID:mXls6RPG0
シータ「国が亡びたのに王だけ生きてるなんて滑稽だわ」
ムスカ「……」
シータ「まるで毛根が死滅したのに抜け毛が生きていると信じている哀れな愚者のようね……」
ムスカ「やめろッ! 髪の毛の話は関係ないだろッ!!」
シータ「いいえ。……あなたはその丸坊主の頭が放射能のせいだと思っているようね」
ムスカ「当たり前だッ! あのロボットの残骸から飛行石を探していたときに抜け出したんだッ!」
シータ「ならあなたの周りにいた人で一人でも……。たった一人でも血を吐いて死んだ人はいたの?」
ムスカ「!?」
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 02:33:39.42 ID:mXls6RPG0
シータ「その脱毛症は先天的要因よ。私のお父さんもお爺さんも、お爺さんのお爺さんも……皆朝日を受けて輝いていたもの」
ムスカ「ち、違うッ!! これは明らかに放射能だッ! 放射能のせいなんだッ!」
シータ「なぜ王族の男系の毛根が生まれたばかりの小鹿の足のように頼りないのか……今なら分かるわ。人は人を恐怖で支配するということに、知らず知らずの内にとてつもないストレスを感じるのよ」
シータ「地上で生活することを選ばざるをえなかったのは、このお墓に散らばる無残な抜け毛を見れば明らかだもの」
ムスカ「ッ!」
シータ「あなたに石は渡さないッ! ラピュタの科学があなたの頭皮を救えないと分かった今、あなたの考えることは一つ……」
シータ「苦しむ者を生み出すことによる虚しい慰めよ!」
シータ「あなたはここを出ることも出来ないまま、寂しく頭皮に刺激でも与えてればいいわ!」
ズガンッ!
ズガンッ!
シータ「!」
ムスカ「次は耳だ」
ムスカ「ひざまづけ。命乞いをしろ」
ムスカ「小僧どもから石を取り戻せ」
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/06(木) 02:39:19.78 ID:mXls6RPG0
シータ「絶対に渡さないわッ!!」
ズガンッ!
シータ「ッ!」
右耳「さよなら……」
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 02:43:42.65 ID:mXls6RPG0
右耳「さよなら……ロムスカ・パロ・ウル……ラピュタ……」ポトッ
ムスカ「がああああああああああああああああああ!!!!!!!!! 耳がああああああああああ!!!!!!!」
ゲン「ふーッ! 何とか間に合うたわい」ハァハァ
隆太「次は左耳じゃのう、あんちゃん」
ゲン「おう、やれ! しっかり狙えよ!」
シータ「ゲンッ! 隆太ッ!」
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 02:52:35.90 ID:mXls6RPG0
ムスカ「う、うぐぅ……!! よくもッ! よくも私の耳を飛ばしてくれたなッ!」ギギギ
隆太「おどりゃ耳ごときでうるさいんじゃッ! おどれが落とした雷を食らった奴は、今頃皮膚を剥がされ、腸ははみ出て、お化けのようになって死んでいきよるんじゃッ!」ガチリ
ムスカ「ひいいい!! やめろッ! 撃つなぁッ!!!」ギギギ
隆太「やかましいッ!!」グッ!
カチン
隆太「ん?」カチンカチン
ムスカ「!?」
ゲン「ばッ馬鹿ッ! おどれがさっき、弾は一発しかないと言うたんじゃないかッ!!」
隆太「ひッ! 忘れとったわい!」
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 02:56:27.33 ID:GX9cxkDgo
いつの間にか壮大な抜け毛の話になっていた…
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 02:57:24.01 ID:mXls6RPG0
ムスカ「ハハハハハ! やはりお前らのような薄汚い浮浪児には弾の数を数えることも出来ないようだな!」チャッ
ゲン「調子に乗るな馬鹿たれッ!」パカーン
ムスカ「ギエエエエエエエ!!!」
ゲン「耳を飛ばされてフラフラしとるおっさんがハジキを持っとっても何も怖くないんじゃッ!」バキッ バキッ
ムスカ「ギギギギギ」
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/06(木) 03:08:48.41 ID:mXls6RPG0
ゲン「おどりゃ、本当に残酷なことをしたのうッ! ひどいことをしたのうッ!」バキッ! バキッ! ポロポロ
ムスカ「ギエエエエ! やめてくれえええ!!!」ギギギギギギ
ゲン「よくもシータを虐めたのう! 関係の無い人をたくさん殺したのう!」バキッ! バキッ! バキッバキッバキッ! ポロポロ
ムスカ「がああああああああああああああああああッ!!!!!! 死ぬううううううッ!!!!!!!」ギギギギギ
ゲン「おどりゃ、わしをなめるんじゃないぞおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!!!!!」バキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキ!!!!!!!!!!! ポロポロ
ムスカ「」ブシュウウウウウウウウウウ
ムスカ「」ドシャッ
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 03:20:20.20 ID:mXls6RPG0
ゲン「はあッはあッ……。三分間だけ待ってやるわい……。三分きっかりにおどれに滅びの呪文を叩き込むわいッ!」ハァッハァッ
ムスカ(ぐ……なめやがって……)ギギギ
ムスカ(滅びの呪文? こっちの家系には伝わっていないとでも思っているのか……?)ギギギ
ムスカ(こ、これは言った者勝ちの滅びの呪文……。唱えた者とその者にもっとも近い者だけが助かるのだ……)ギギギ
ムスカ(いいだろう……私も唱えてやる……。3分きっかりに『バルス』を……!)ギギギ
ムスカ(血縁上、シータが最も近い……。だから貴様らは二人仲良く、ラピュタと共に亡びるのだッ!)ギギギ
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 03:23:59.18 ID:mXls6RPG0
カチッ…… カチッ…… カチッ……
ムスカ「」ハァッハァッ
カチッ…… カチッ…… カチッ……
ゲン「」ハァッハァッ
カチッ…… カチッ…… カチッ……
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 03:33:10.50 ID:mXls6RPG0
カチッ…… カチッ…… カチッ!
ムスカ「ッ!」
ゲン「ッ!」
ムスカ(反応速度は私が上ッ! しかも向こうはこれがスピード勝負だと知らないッ!)
ムスカ「ば……ッ!」
シータ「ッ!」
ムスカ「バリュスッ!!」ガリッ
ムスカ「バルスッ!!!!」
しーん
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 03:43:35.95 ID:mXls6RPG0
ムスカ(な、何故だあッ!? 何故なにも起きないッ!!)
ゲン「おっさん……それ(バルス)は石を持っとらんと唱えても意味がないということを知らんのか?」
ムスカ「ッ!?」
ゲン「わしは既にシータから亡びの呪文の発動の条件と代償について聞いておったんじゃ。わしらは3人じゃけえのう……それをここで唱えるわけにはいかんわい」
ムスカ「ギギギ……」
ゲン「わしらが唱えるのはラピュタ滅亡の呪文じゃないわいッ! おっさんの心をメタメタに破壊する、呪いの言葉なんじゃッ!」
ムスカ「ま、まさか……ッ!!!」
ゲン「せえのッ!!!!」
ムスカ「やめろおッ!!!!!」
ゲン・隆太・シータ「「「この禿げッ!」」」
ムスカ「があああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/06(木) 04:00:15.90 ID:mXls6RPG0
***
ムスカ「ぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ……」カタカタカタカタ
ゲン「シータ、隆太、帰ろう……」
隆太「あんちゃん、こいつを殺さんのか?」
ゲン「殺したらいけんわい。死んでしもうたらもう戻らんのじゃ。命は大切にせんといけんわい」
隆太「なんじゃ、つまらんのう……」
ゲン「シータ、あいつをもう許してやってくれんか? シータは殺したいかもしれんが……」
シータ「だ、大丈夫ッ! あの人の思い通りにならなければそれでいいわ(というか完全に心が壊れてるけど…)」
ゲン「ほうか! ならばあさんらのとこへ戻ろう! 心配しとるぞ!」
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 04:14:43.25 ID:mXls6RPG0
***
ドーラ「無事だったかいッ!」
ゲン「おう! わしは何ともないぞ!」ガハハ
ドーラファミリー(知ってるっつーの……)
シータ「おばさまッ!」ダキッ
ドーラ「かわいそうに、髪の毛を切られて……。つらかったねぇ……」
勝子「隆太ッ! 良かった! 生きとってホント良かった!」ダキッ
隆太「か、勝子……皆の前なんじゃ……わしゃ恥ずかしいよ///」
ムスビ「わしゃ心配したぞ、ゲン!」ガハハ
ゲン「ガハハ! あんなおっさん、チョロイわい!」ガハハ
モトロ「くうう……わしの可愛いボロ船が……」
ドーラ「みみっちいこと言ってんじゃないよ! 命あっての物種だろう!」
隆太「それにクズ鉄でも持って帰ればええ金になるぞ!」
シャルル「まぁ本船があればもっとお宝を持ち帰れたがな!」ニッ つ首飾り
ルイ「惜しいことをしたなぁ!」 つ王冠
アンリ「まったくだ!」つ金塊
ゲン「おっさんらもやるのう!」ガハハハ
シータ「アハハ!」
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 04:28:15.72 ID:mXls6RPG0
ドーラ「結局あの使ってはいけない言葉とやらは使わなかったのかい?」
ゲン「“バルス”のことか? あれはラピュタのなかで使うたら二人しか助からんのじゃ。だから使うわけには……」ジャラッ
ビカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!
ゲン「な、なんじゃああああああああああッ!?」
ドーラ「今、“バルス”って唱えただろう!!」
ゲン「しもうたッ!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!!!
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!!!!
ムスカ「……ぎぎっ?」
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 04:31:22.30 ID:mXls6RPG0
おしまい
制作 スタジオ・ギギギ
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 04:42:37.33 ID:eb6XNfpWo
もう終わってしまうのか乙
何か他のジブリ作品と、はだしのゲンクロスしてまた書いてほしい、物凄い面白かった
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 07:17:36.42 ID:ji/4yXc1O
おつおつ
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 08:40:10.43 ID:Xi4sy+kvO
なんだ、神(髪)か
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/06(木) 08:46:57.91 ID:vXX4R0yF0
ギギギ
これでおしまいとは…くやしいのう
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 09:05:35.78 ID:LJwOdx5AO
広島県民すげえ
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 11:09:43.08 ID:nIMIadUgO
乙
面白かったのぅ面白かったのぅwwwwww
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わああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!
ムスカ「素晴らしい……ッ! 最高のショーだとは思わんかねッ!?」カサカサ
ムスカ「ほう……」カサカサカサ
ムスカ「見ろッ! 人がゴミのようだッ!!」カサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ……
ムスカ「あああッ! 鬱陶しいッ!! このゴミ(抜け毛)がああああああッ!!!」ズガンッ ズガンッ
シータ「!」ガッ パシッ! つ飛行石
ムスカ「! 何をするッ!!」
シータ「ハアッ! ハアッ!」ダッ
ムスカ「返したまえ、いい子だから」ツカツカ
ムスカ「スリなんて誰が教えたんだね……?」ツカツカ
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/06(木) 01:25:50.94 ID:mXls6RPG0
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シータ回想シーン
隆太「岡内組ではいろんな用事をして忙しかったよ」
シータ「どんな用事?」
隆太「う、うん……。バクチの見張りや……」
隆太(大きい声じゃ言えんがのう……。チャリンコもやっとったんよ)ボソッ
シータ「チャリンコ? なあに、それ?」
隆太「知らんのか? 調子狂うのう……」
隆太「」サッ
隆太「シータ、何か無くなっていないか探してみいや」
シータ「えッ?」
シータ「ああッ! 私のカチューシャがッ!!」
隆太「えへへへ」
ゲン「馬鹿たれ! 堅気の女の子にくだらんことを教えるなッ!」ゴチン
隆太「ぎゃいん!」
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179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/06(木) 01:44:07.74 ID:mXls6RPG0
シータ「はあッ! はあッ!」タッタッタ
ムスカ「ハハハハハ! どこへ行こうと言うのかね?」カツカツ
ゲン「シータァ!!! わりゃ、どこじゃああああああ!!!!!!!!!」ズガガガガガガ
隆太「居るんか居らんのかッ! 居らんのなら居らんと返事せぇやァッ!!!!!」ズガガガガガガ
ムスカ「!!」
シータ「ゲーーーーンッ!!! 隆太ァーーーーーーーーーッ!!!」
ゲン「シーーーーーータァーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!」
ムスカ「ッ!!!!!」
***
そのときムスカの脳裏によぎったのはーー紛れもない敗北ーー
避けられない己の“死”
当然すべき『命乞い』
ーーしかしーー
世界を支配する力を持つラピュタ王に君臨しているというカリソメの現状が
計算高い彼の頭を鈍らせた
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180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 01:54:48.24 ID:mXls6RPG0
シータ「ゲンッ!」
ゲン「今行くぞッ! 隆太ッ!!」
隆太「ちょっと下っとれ! 根っこに穴をあけるけぇッ!」ガシャンッ
ドゴンッ!!!
ゲン「クソォ、手が通りぬけるほどにしか開かんかったわい! もう一発じゃッ!!」
シータ「待って! それよりもこの石を海に捨てて! 早くッ!」
シータ「あッ!!」ドサッ
ゲン「シータッ!?」
ムスカのリボルバー「」ニョキッ
ズガンッ!
ゲン「ぐわッ!」
隆太「あんちゃんッ!」
ムスカ「その石を大事に持ってろ。小娘の命と引き換えだ」スッ
ゲン「おどれェ……!!」
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 02:01:38.77 ID:mXls6RPG0
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ズガンッ!!
シータ「」ドサッ
ムスカ「立て。鬼ごっこは終わりだ」
シータ「」ハァッハァッ
ムスカ「終点が玉座の間とは上出来じゃないか」
ムスカ「ここへ来い……」
シータ「ここが玉座ですって……?」
シータ「ここはお墓よ。あなたと私の」
ムスカ「……」
シータ「国が亡びたのに王だけ生きてるなんて滑稽だわ」
ムスカ「……」
シータ「まるで毛根が死滅したのに抜け毛が生きていると信じている哀れな愚者のようね……」
ムスカ「やめろッ! 髪の毛の話は関係ないだろッ!!」
シータ「いいえ。……あなたはその丸坊主の頭が放射能のせいだと思っているようね」
ムスカ「当たり前だッ! あのロボットの残骸から飛行石を探していたときに抜け出したんだッ!」
シータ「ならあなたの周りにいた人で一人でも……。たった一人でも血を吐いて死んだ人はいたの?」
ムスカ「!?」
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 02:33:39.42 ID:mXls6RPG0
シータ「その脱毛症は先天的要因よ。私のお父さんもお爺さんも、お爺さんのお爺さんも……皆朝日を受けて輝いていたもの」
ムスカ「ち、違うッ!! これは明らかに放射能だッ! 放射能のせいなんだッ!」
シータ「なぜ王族の男系の毛根が生まれたばかりの小鹿の足のように頼りないのか……今なら分かるわ。人は人を恐怖で支配するということに、知らず知らずの内にとてつもないストレスを感じるのよ」
シータ「地上で生活することを選ばざるをえなかったのは、このお墓に散らばる無残な抜け毛を見れば明らかだもの」
ムスカ「ッ!」
シータ「あなたに石は渡さないッ! ラピュタの科学があなたの頭皮を救えないと分かった今、あなたの考えることは一つ……」
シータ「苦しむ者を生み出すことによる虚しい慰めよ!」
シータ「あなたはここを出ることも出来ないまま、寂しく頭皮に刺激でも与えてればいいわ!」
ズガンッ!
ズガンッ!
シータ「!」
ムスカ「次は耳だ」
ムスカ「ひざまづけ。命乞いをしろ」
ムスカ「小僧どもから石を取り戻せ」
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/06(木) 02:39:19.78 ID:mXls6RPG0
シータ「絶対に渡さないわッ!!」
ズガンッ!
シータ「ッ!」
右耳「さよなら……」
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 02:43:42.65 ID:mXls6RPG0
右耳「さよなら……ロムスカ・パロ・ウル……ラピュタ……」ポトッ
ムスカ「がああああああああああああああああああ!!!!!!!!! 耳がああああああああああ!!!!!!!」
ゲン「ふーッ! 何とか間に合うたわい」ハァハァ
隆太「次は左耳じゃのう、あんちゃん」
ゲン「おう、やれ! しっかり狙えよ!」
シータ「ゲンッ! 隆太ッ!」
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 02:52:35.90 ID:mXls6RPG0
ムスカ「う、うぐぅ……!! よくもッ! よくも私の耳を飛ばしてくれたなッ!」ギギギ
隆太「おどりゃ耳ごときでうるさいんじゃッ! おどれが落とした雷を食らった奴は、今頃皮膚を剥がされ、腸ははみ出て、お化けのようになって死んでいきよるんじゃッ!」ガチリ
ムスカ「ひいいい!! やめろッ! 撃つなぁッ!!!」ギギギ
隆太「やかましいッ!!」グッ!
カチン
隆太「ん?」カチンカチン
ムスカ「!?」
ゲン「ばッ馬鹿ッ! おどれがさっき、弾は一発しかないと言うたんじゃないかッ!!」
隆太「ひッ! 忘れとったわい!」
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 02:56:27.33 ID:GX9cxkDgo
いつの間にか壮大な抜け毛の話になっていた…
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 02:57:24.01 ID:mXls6RPG0
ムスカ「ハハハハハ! やはりお前らのような薄汚い浮浪児には弾の数を数えることも出来ないようだな!」チャッ
ゲン「調子に乗るな馬鹿たれッ!」パカーン
ムスカ「ギエエエエエエエ!!!」
ゲン「耳を飛ばされてフラフラしとるおっさんがハジキを持っとっても何も怖くないんじゃッ!」バキッ バキッ
ムスカ「ギギギギギ」
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/06(木) 03:08:48.41 ID:mXls6RPG0
ゲン「おどりゃ、本当に残酷なことをしたのうッ! ひどいことをしたのうッ!」バキッ! バキッ! ポロポロ
ムスカ「ギエエエエ! やめてくれえええ!!!」ギギギギギギ
ゲン「よくもシータを虐めたのう! 関係の無い人をたくさん殺したのう!」バキッ! バキッ! バキッバキッバキッ! ポロポロ
ムスカ「がああああああああああああああああああッ!!!!!! 死ぬううううううッ!!!!!!!」ギギギギギ
ゲン「おどりゃ、わしをなめるんじゃないぞおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!!!!!」バキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキ!!!!!!!!!!! ポロポロ
ムスカ「」ブシュウウウウウウウウウウ
ムスカ「」ドシャッ
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 03:20:20.20 ID:mXls6RPG0
ゲン「はあッはあッ……。三分間だけ待ってやるわい……。三分きっかりにおどれに滅びの呪文を叩き込むわいッ!」ハァッハァッ
ムスカ(ぐ……なめやがって……)ギギギ
ムスカ(滅びの呪文? こっちの家系には伝わっていないとでも思っているのか……?)ギギギ
ムスカ(こ、これは言った者勝ちの滅びの呪文……。唱えた者とその者にもっとも近い者だけが助かるのだ……)ギギギ
ムスカ(いいだろう……私も唱えてやる……。3分きっかりに『バルス』を……!)ギギギ
ムスカ(血縁上、シータが最も近い……。だから貴様らは二人仲良く、ラピュタと共に亡びるのだッ!)ギギギ
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 03:23:59.18 ID:mXls6RPG0
カチッ…… カチッ…… カチッ……
ムスカ「」ハァッハァッ
カチッ…… カチッ…… カチッ……
ゲン「」ハァッハァッ
カチッ…… カチッ…… カチッ……
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 03:33:10.50 ID:mXls6RPG0
カチッ…… カチッ…… カチッ!
ムスカ「ッ!」
ゲン「ッ!」
ムスカ(反応速度は私が上ッ! しかも向こうはこれがスピード勝負だと知らないッ!)
ムスカ「ば……ッ!」
シータ「ッ!」
ムスカ「バリュスッ!!」ガリッ
ムスカ「バルスッ!!!!」
しーん
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 03:43:35.95 ID:mXls6RPG0
ムスカ(な、何故だあッ!? 何故なにも起きないッ!!)
ゲン「おっさん……それ(バルス)は石を持っとらんと唱えても意味がないということを知らんのか?」
ムスカ「ッ!?」
ゲン「わしは既にシータから亡びの呪文の発動の条件と代償について聞いておったんじゃ。わしらは3人じゃけえのう……それをここで唱えるわけにはいかんわい」
ムスカ「ギギギ……」
ゲン「わしらが唱えるのはラピュタ滅亡の呪文じゃないわいッ! おっさんの心をメタメタに破壊する、呪いの言葉なんじゃッ!」
ムスカ「ま、まさか……ッ!!!」
ゲン「せえのッ!!!!」
ムスカ「やめろおッ!!!!!」
ゲン・隆太・シータ「「「この禿げッ!」」」
ムスカ「があああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/06(木) 04:00:15.90 ID:mXls6RPG0
***
ムスカ「ぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ……」カタカタカタカタ
ゲン「シータ、隆太、帰ろう……」
隆太「あんちゃん、こいつを殺さんのか?」
ゲン「殺したらいけんわい。死んでしもうたらもう戻らんのじゃ。命は大切にせんといけんわい」
隆太「なんじゃ、つまらんのう……」
ゲン「シータ、あいつをもう許してやってくれんか? シータは殺したいかもしれんが……」
シータ「だ、大丈夫ッ! あの人の思い通りにならなければそれでいいわ(というか完全に心が壊れてるけど…)」
ゲン「ほうか! ならばあさんらのとこへ戻ろう! 心配しとるぞ!」
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 04:14:43.25 ID:mXls6RPG0
***
ドーラ「無事だったかいッ!」
ゲン「おう! わしは何ともないぞ!」ガハハ
ドーラファミリー(知ってるっつーの……)
シータ「おばさまッ!」ダキッ
ドーラ「かわいそうに、髪の毛を切られて……。つらかったねぇ……」
勝子「隆太ッ! 良かった! 生きとってホント良かった!」ダキッ
隆太「か、勝子……皆の前なんじゃ……わしゃ恥ずかしいよ///」
ムスビ「わしゃ心配したぞ、ゲン!」ガハハ
ゲン「ガハハ! あんなおっさん、チョロイわい!」ガハハ
モトロ「くうう……わしの可愛いボロ船が……」
ドーラ「みみっちいこと言ってんじゃないよ! 命あっての物種だろう!」
隆太「それにクズ鉄でも持って帰ればええ金になるぞ!」
シャルル「まぁ本船があればもっとお宝を持ち帰れたがな!」ニッ つ首飾り
ルイ「惜しいことをしたなぁ!」 つ王冠
アンリ「まったくだ!」つ金塊
ゲン「おっさんらもやるのう!」ガハハハ
シータ「アハハ!」
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 04:28:15.72 ID:mXls6RPG0
ドーラ「結局あの使ってはいけない言葉とやらは使わなかったのかい?」
ゲン「“バルス”のことか? あれはラピュタのなかで使うたら二人しか助からんのじゃ。だから使うわけには……」ジャラッ
ビカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!
ゲン「な、なんじゃああああああああああッ!?」
ドーラ「今、“バルス”って唱えただろう!!」
ゲン「しもうたッ!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!!!
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!!!!
ムスカ「……ぎぎっ?」
おしまい
制作 スタジオ・ギギギ
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 04:42:37.33 ID:eb6XNfpWo
もう終わってしまうのか乙
何か他のジブリ作品と、はだしのゲンクロスしてまた書いてほしい、物凄い面白かった
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 07:17:36.42 ID:ji/4yXc1O
おつおつ
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 08:40:10.43 ID:Xi4sy+kvO
なんだ、神(髪)か
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/06(木) 08:46:57.91 ID:vXX4R0yF0
ギギギ
これでおしまいとは…くやしいのう
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 09:05:35.78 ID:LJwOdx5AO
広島県民すげえ
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/06(木) 11:09:43.08 ID:nIMIadUgO
乙
面白かったのぅ面白かったのぅwwwwww
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