はだしのラピュタ
Part5
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/04(火) 13:48:54.47 ID:bTJQQQkj0
***
ドーラ「降りな」
隆太「あっ!」グニュ
隆太「この船、布が張ってあるぞ」
ムスビ「意外と貧乏なんじゃのう」
ドーラ「壊すんじゃないよ!」
ゲン「零戦も布でできているぞ。エンジンの弱さを軽さでカバーしとるからのぅ……コックピットすら弾を防いではくれんのじゃ」
隆太「機銃掃射されたらたまらんのう……」
ルイ「グズグズしねえで、せまいんだから」
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/04(火) 15:10:15.79 ID:bTJQQQkj0
***
機関部
ゲン「すごいエンジンじゃのぅ……」
隆太「金物屋に売ったらええ金になりそうじゃ」
ルイ「どこ行っちゃったのかな……」
ルイ「じっちゃん! じっちゃん!」
モトロ「」ヒョコッ
ルイ「じっちゃん! ほら、欲しがっていた助手だ!」
モトロ「でっけえ声を出すなッ! 聞こえとるわい」スッ
モトロ「」クイックイッ
ルイ「行けよ。ママより怖いんだ。気ぃつけろ」ボソッ
ゲン「わしのお父ちゃんの方が何倍も怖いわい」
隆太「ガハハ! 昭あんちゃんも忘れたらいかんぞ!」
ゲン「うぅ……ラピュタから帰ったら『おどりゃ、どこを遊び歩いていたんじゃ!』とか言って、また殴られるのぅ……」ブルブル
ルイ(こいつらより強ぇのがまだいるのかよ……)ビクビク
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 16:10:56.55 ID:9cbacIKWo
タイトルも卑怯だし内容も卑怯だこれwwwwwwwwww
すげぇ面白いwwwwww
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/04(火) 17:54:14.82 ID:bTJQQQkj0
モトロ「狭くて手が入らねえ」
ゲン「すまんがおっさん、わしらは機械の事なんかさっぱり分からんぞ」
モトロ「は?」
隆太「わしらはそういった仕事をしたことがないけぇのぅ」
モトロ「じゃ、じゃあテメエらは何が出来るんだ?」
隆太「ええと、スリに殺しに賭場荒らしじゃのぅ」
ムスビ「わしは靴磨きをようしとるぞ」
ゲン「それからクソ取りもやったし人骨をアメリカ兵に売ったし、お経で稼いだこともあるのぅ」
モトロ(こ、こいつら全ッ然使えねえッ……!)
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 17:58:56.17 ID:bTJQQQkj0
***
ドーラ「ほとんど真東だね? 飛行石の光がさしたのは。まちがいないだろうね?」
シータ「私のいた塔から日の出が見えました。今は最後の草刈りの季節だから、日の出は真東よりちょっと南へ動いています」
シータ「光は 日の出た丘の左はしをさしたから……」
ドーラ「いい答えだ」
勝子「シータは頭が良いんね!」
シータ「そ、そんなこと///」
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 18:10:03.34 ID:bTJQQQkj0
ドーラ「今からゴリアテを追跡するよ! 貿易風を捕まえて、明日には接触だ!」
ドーラ「ゴリアテを見つけた者には金貨10枚出すよ!」キーン
***
隆太「あんちゃん、あのババアが金貨10枚出すと言っとるぞ?」
ゲン「馬鹿たれ、そんな美味い話があるか! わしらは銅を集めるのにも命懸けで盗みに行かんといけんのだぞ!」
ムスビ「ほうじゃのう……」
モトロ「テメエら! サボっとらんでそこの計器をチェックしてろ!」
隆太「あいあい! かしこまったでござる!」
ゲン「おさるのおケツは真っ赤でござる!」
ムスビ「ガハハ!」
モトロ(くそぉ、本当に使えねえ……)
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 18:15:41.52 ID:bTJQQQkj0
***
ドーラ「……そのなりじゃ何にも出来やしないね。お前達、これを着な!」ボフッ
シータ(うわぁ、おっきい……)
勝子「これじゃぶかぶかで動けんよ。おばさん、この船にミシンはあるんね?」
ドーラ「一応あるけど、何する気だい?」
勝子「仕立て直すんよ。ウチは服を縫えるけぇ」
ドーラ(なかなか有能だね、この子たち……)ホウ
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/04(火) 18:28:08.22 ID:bTJQQQkj0
***
ルイ「おーい、じっちゃん! 調子はどうだ?」
モトロ「」カチャカチャ
ゲン「」カキカキ
ルイ「あれ、何やってんだ?」
モトロ「コイツ、絵は得意だっつうもんだからワシの肖像画を描かせてんだ! 残りの2人は床を磨かせてるよ」
ルイ「へー……絵ねぇ……」
ゲン「おっさん、出来たぞ!」バッ
モトロ「おう、早ぇな! 見せてみろ!」
ゲン「パンパカパーン! 中岡元作、ハラ・モトロの肖像でありまーす!」
モトロ「」
ゲン「ん? どうしたおっさん? 感動して言葉もでんか?」
モトロ「馬鹿やろう! なんで手足が6本もあるんだッ! 釜爺みたいになってんじゃねえかッ!」
ゲン「そ、そんなに怒るなや……。肖像画は写真と違うんじゃ……」
モトロ「見たとおりに描かんかいッ!」
ルイ(めっちゃ似てる!)プクク
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 18:32:16.91 ID:kz3ZIBp1O
頭の中の絵のミスマッチ感がすごい
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 18:39:25.02 ID:PjAwloz0o
面白い
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 18:42:46.68 ID:jG9sHkXKo
勝子優秀だよなぁ
ゲンたちとの生活で本当に良いお母ちゃんやってたわ
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/04(火) 18:50:41.02 ID:bTJQQQkj0
***
夕食
ルイ「こりゃうまいな!」ガツガツ
シャルル「たまんねぇ!」ガツガツ
隆太「ギャー! おいちいおいちい! 美味いのぅ! 生きがいを感じるのぅ!」ガツガツ
ゲン「りゅ、隆太! ほ、本物の牛肉じゃぞ! 闇市でもなかなか手に入らんぞ!」ムシャムシャ
ムスビ「それに見てみい、このエビ! 死体の肉を食うて丸々太っとったエビより数段でかいぞ!」バリッ バリッ
ドーラファミリー(う、うるせえなコイツら……)ズーン
シータ「あの、おかわりあるから……」
ルイ「おかわり!」
シャルル「おかわり!」
アンリ「おかわり!」
隆太「おかわりまであるんか!? わしらは幸せじゃ!」
ゲン「……」
ムスビ「どうした、ゲン? おかわりせんのか?」
ゲン「わ、わしはええよ……。入れ物をもらってお母ちゃんに持っていくわい……」
隆太「……わしらも出来ることならお母ちゃんに食べさせてあげたいわい……」
ムスビ「……」
勝子「うわーん! お父ちゃーん! お母ちゃーん!」
隆太「な、泣くなや勝子……」
ゲン「」
隆太「」
ムスビ「」
しーん
ドーラファミリー(うぅ……食いづれえ……)ズーン
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/04(火) 19:15:20.92 ID:bTJQQQkj0
***
深夜
ルイ「おい、起きろ。当直の時間だ」
ゲン「……わしゃ許さんぞ……アメリカを許さんぞ……ピカを許さんぞ……」zzz
隆太「……ノロ……しっかりぶっ殺してこい……」zzz
ムスビ「……こ、これはビタミン剤じゃ……」zzz
ルイ「起きろって」ゲシッ
ゲン「?」ムニャ
隆太「?」
ムスビ「……た、頼むけぇ注射をくれや……」zzz
ルイ「起きねえか!」ゴチン
ムスビ「!」
ルイ「持ってけ、寒いぞ」つ毛布
ゲン「見張りか?」
ルイ「ああ。お前は上だ」
シータ「!」
勝子「!」
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 19:19:04.80 ID:bTJQQQkj0
***
アンリ「寒ぃ~」ブルブル
ゲン「わりゃ、交代じゃ」
アンリ「あ、ありがてぇ~!」
隆太「ほいじゃが、本当に冷えるのぅ~」ガクガク
ムスビ「せっかく気持ちのええ夢をみておったのに……」ブルブル
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 19:20:32.63 ID:Si/CT+ElO
はだしのゲンうろ覚えだけどムスビってあのヤク中か
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 19:26:36.17 ID:9R9vz+BSO
ヤク中じゃない、ビタミン中毒なだけだ
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/04(火) 20:52:58.36 ID:bTJQQQkj0
***
シータ「はぁっはぁっ」カツンカツン
勝子「うんせうんせ」カツンカツン
ゲン「お? シータと勝子じゃ」
隆太「どうした? 眠れんのか?」
ムスビ「わしが添い寝してやろうか?」
ゲン「///」
隆太「///」
勝子「またムスビは変なこと言うて!」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 21:04:54.65 ID:bTJQQQkj0
シータ「うわぁ、きれい……」
シータ「うぅ!」ブルッ
ゲン「寒いんか?」
隆太「毛布一枚じゃ5人も包めんぞ」
ムスビ「おしくらまんじゅうでもするか……」
シータ「あ、私それ知ってるわ。『おしくらまんじゅう、押されて泣くな』って歌いながら押し合いっこするのよね」
ゲン「わしらはちょっと違う歌を歌いながらやるんじゃ」
シータ「違う歌?」
ゲン「せーの!」
ゲン「♪ 馬鹿が行く行く 女郎買いに」ウンセウンセ
隆太「♪ 青い顔して 朝帰り」ウンセウンセ
ムスビ「♪ 土産にもらった 淋病で」ウンセウンセ
ゲ隆ム「♪ 痛い痛いと 泣きました」ウンセウンセ
ゲン「どうじゃ、シータ? 覚えたか?」
シータ「///」
勝子「ゲンっ! 何て下品な歌を歌いよるんね!」
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/04(火) 21:33:57.08 ID:bTJQQQkj0
シータ「……ゲン」
ゲン「なんじゃ?」
シータ「私、怖くてたまらないの。本当はラピュタなんかちっとも行きたくない」
シータ「ゴリアテなんか見つからなければいいのにって思ってる」
ゲン「じゃ、じゃあ……」
シータ「ううん 光のさした方向は本当。でも……」
ゲン「あのロボットか? あれが太平洋戦争中に動いとれば、負けることも無かったのにのぅ」
隆太「ピカを落とされることも無かったわい」
ムスビ「惜しいことをしたよ……」
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 21:43:43.30 ID:bTJQQQkj0
シータ「おばあさんに教わったおまじないであんなことがおこるなんて……」
シータ「私、他にも沢山おまじないを教わったわ」
シータ「もの探しや病気をなおすのや……」
シータ「……絶対使っちゃいけない言葉もあるの……」
隆太「絶対使っちゃいけない言葉?」
ゲン「シータ、そういう考えはいかんぞ。危険じゃ」
シータ「え? どうして?」
ゲン「戦時中の治安維持法と同じじゃ。国は国民に戦争に協力させるため、まず言論の自由を奪ったんじゃ」
シータ「あ、いや、そう意味じゃ……」
ゲン「わしのお父ちゃんも絶対に使うちゃいけん言葉、『戦争反対』を唱えて特高に捕まったんじゃ。顔じゅう痣だらけで帰って来たよ……」
シータ「」
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/04(火) 21:51:17.99 ID:bTJQQQkj0
シータ「……と、とにかくあの石は外に持ち出しちゃいけない物だったのよ!」
シータ「だからいつも暖炉の穴に隠してあって、結婚式にしかつけなかったんだわ!」
隆太「アホ! そりゃ宝の持ち腐れじゃ!」
ムスビ「要らんのならわしらにくれや」
勝子「隆太もムスビも、シータの話を邪魔しちゃいけんよ!」
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 22:00:34.68 ID:bTJQQQkj0
シータ「あんな石、早く捨ててしまえば良かった……」
ゲン「それは違うわい」
シータ「!?」
ゲン「わしらはあの石のおかげでシータに会うたんじゃないか」
ゲン「石を捨てたってラピュタは無くならんわい。それにおどれはアメリカの爆撃機がどれくらいの高度で飛べるか知らんのか?」
ゲン「いずれアメリカに見つかるわい……。見つかったらおしまいじゃ……」
ゲン「ラピュタに関わった奴はあのサングラスのおっさんも含めて、アメリカに捕まってひどい拷問を受けることになるんじゃ……」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 22:10:24.99 ID:bTJQQQkj0
シータ「でもゲン達を海賊にしたくないッ!」
隆太「ガハハ! 海賊にはならんわい! ああいった奴らはわしらのような子供をなんと呼んどるか知っとるか?」
シータ「?」
隆太「……鉄砲玉じゃ……」
ムスビ「勢いよく飛び出したが最後、絶対戻って来ん鉄砲玉じゃ……」
隆太「口先では幹部にしてやるとか上手いこと言っておいて、結局わしらを利用するだけなんじゃ……」
ムスビ「……ドングリ……」
ゲン「」
隆太「」
勝子「」
ムスビ「」
しーん
***
ドーラ(そんな風に呼んでないよッ!)
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/04(火) 22:11:55.31 ID:blUpcDaY0
濡れ衣ワロタ
ヤクザと一緒にすんなやww
***
ドーラ「降りな」
隆太「あっ!」グニュ
隆太「この船、布が張ってあるぞ」
ムスビ「意外と貧乏なんじゃのう」
ドーラ「壊すんじゃないよ!」
ゲン「零戦も布でできているぞ。エンジンの弱さを軽さでカバーしとるからのぅ……コックピットすら弾を防いではくれんのじゃ」
隆太「機銃掃射されたらたまらんのう……」
ルイ「グズグズしねえで、せまいんだから」
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/04(火) 15:10:15.79 ID:bTJQQQkj0
***
機関部
ゲン「すごいエンジンじゃのぅ……」
隆太「金物屋に売ったらええ金になりそうじゃ」
ルイ「どこ行っちゃったのかな……」
ルイ「じっちゃん! じっちゃん!」
モトロ「」ヒョコッ
ルイ「じっちゃん! ほら、欲しがっていた助手だ!」
モトロ「でっけえ声を出すなッ! 聞こえとるわい」スッ
モトロ「」クイックイッ
ルイ「行けよ。ママより怖いんだ。気ぃつけろ」ボソッ
ゲン「わしのお父ちゃんの方が何倍も怖いわい」
隆太「ガハハ! 昭あんちゃんも忘れたらいかんぞ!」
ゲン「うぅ……ラピュタから帰ったら『おどりゃ、どこを遊び歩いていたんじゃ!』とか言って、また殴られるのぅ……」ブルブル
ルイ(こいつらより強ぇのがまだいるのかよ……)ビクビク
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 16:10:56.55 ID:9cbacIKWo
タイトルも卑怯だし内容も卑怯だこれwwwwwwwwww
すげぇ面白いwwwwww
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/04(火) 17:54:14.82 ID:bTJQQQkj0
モトロ「狭くて手が入らねえ」
ゲン「すまんがおっさん、わしらは機械の事なんかさっぱり分からんぞ」
モトロ「は?」
隆太「わしらはそういった仕事をしたことがないけぇのぅ」
モトロ「じゃ、じゃあテメエらは何が出来るんだ?」
隆太「ええと、スリに殺しに賭場荒らしじゃのぅ」
ムスビ「わしは靴磨きをようしとるぞ」
ゲン「それからクソ取りもやったし人骨をアメリカ兵に売ったし、お経で稼いだこともあるのぅ」
モトロ(こ、こいつら全ッ然使えねえッ……!)
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 17:58:56.17 ID:bTJQQQkj0
***
ドーラ「ほとんど真東だね? 飛行石の光がさしたのは。まちがいないだろうね?」
シータ「私のいた塔から日の出が見えました。今は最後の草刈りの季節だから、日の出は真東よりちょっと南へ動いています」
シータ「光は 日の出た丘の左はしをさしたから……」
ドーラ「いい答えだ」
勝子「シータは頭が良いんね!」
シータ「そ、そんなこと///」
ドーラ「今からゴリアテを追跡するよ! 貿易風を捕まえて、明日には接触だ!」
ドーラ「ゴリアテを見つけた者には金貨10枚出すよ!」キーン
***
隆太「あんちゃん、あのババアが金貨10枚出すと言っとるぞ?」
ゲン「馬鹿たれ、そんな美味い話があるか! わしらは銅を集めるのにも命懸けで盗みに行かんといけんのだぞ!」
ムスビ「ほうじゃのう……」
モトロ「テメエら! サボっとらんでそこの計器をチェックしてろ!」
隆太「あいあい! かしこまったでござる!」
ゲン「おさるのおケツは真っ赤でござる!」
ムスビ「ガハハ!」
モトロ(くそぉ、本当に使えねえ……)
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 18:15:41.52 ID:bTJQQQkj0
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ドーラ「……そのなりじゃ何にも出来やしないね。お前達、これを着な!」ボフッ
シータ(うわぁ、おっきい……)
勝子「これじゃぶかぶかで動けんよ。おばさん、この船にミシンはあるんね?」
ドーラ「一応あるけど、何する気だい?」
勝子「仕立て直すんよ。ウチは服を縫えるけぇ」
ドーラ(なかなか有能だね、この子たち……)ホウ
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/04(火) 18:28:08.22 ID:bTJQQQkj0
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ルイ「おーい、じっちゃん! 調子はどうだ?」
モトロ「」カチャカチャ
ゲン「」カキカキ
ルイ「あれ、何やってんだ?」
モトロ「コイツ、絵は得意だっつうもんだからワシの肖像画を描かせてんだ! 残りの2人は床を磨かせてるよ」
ルイ「へー……絵ねぇ……」
ゲン「おっさん、出来たぞ!」バッ
モトロ「おう、早ぇな! 見せてみろ!」
ゲン「パンパカパーン! 中岡元作、ハラ・モトロの肖像でありまーす!」
モトロ「」
ゲン「ん? どうしたおっさん? 感動して言葉もでんか?」
モトロ「馬鹿やろう! なんで手足が6本もあるんだッ! 釜爺みたいになってんじゃねえかッ!」
ゲン「そ、そんなに怒るなや……。肖像画は写真と違うんじゃ……」
モトロ「見たとおりに描かんかいッ!」
ルイ(めっちゃ似てる!)プクク
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 18:32:16.91 ID:kz3ZIBp1O
頭の中の絵のミスマッチ感がすごい
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 18:39:25.02 ID:PjAwloz0o
面白い
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 18:42:46.68 ID:jG9sHkXKo
勝子優秀だよなぁ
ゲンたちとの生活で本当に良いお母ちゃんやってたわ
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/04(火) 18:50:41.02 ID:bTJQQQkj0
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夕食
ルイ「こりゃうまいな!」ガツガツ
シャルル「たまんねぇ!」ガツガツ
隆太「ギャー! おいちいおいちい! 美味いのぅ! 生きがいを感じるのぅ!」ガツガツ
ゲン「りゅ、隆太! ほ、本物の牛肉じゃぞ! 闇市でもなかなか手に入らんぞ!」ムシャムシャ
ムスビ「それに見てみい、このエビ! 死体の肉を食うて丸々太っとったエビより数段でかいぞ!」バリッ バリッ
ドーラファミリー(う、うるせえなコイツら……)ズーン
シータ「あの、おかわりあるから……」
ルイ「おかわり!」
シャルル「おかわり!」
アンリ「おかわり!」
隆太「おかわりまであるんか!? わしらは幸せじゃ!」
ゲン「……」
ムスビ「どうした、ゲン? おかわりせんのか?」
ゲン「わ、わしはええよ……。入れ物をもらってお母ちゃんに持っていくわい……」
隆太「……わしらも出来ることならお母ちゃんに食べさせてあげたいわい……」
ムスビ「……」
勝子「うわーん! お父ちゃーん! お母ちゃーん!」
隆太「な、泣くなや勝子……」
ゲン「」
隆太「」
ムスビ「」
しーん
ドーラファミリー(うぅ……食いづれえ……)ズーン
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/04(火) 19:15:20.92 ID:bTJQQQkj0
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深夜
ルイ「おい、起きろ。当直の時間だ」
ゲン「……わしゃ許さんぞ……アメリカを許さんぞ……ピカを許さんぞ……」zzz
隆太「……ノロ……しっかりぶっ殺してこい……」zzz
ムスビ「……こ、これはビタミン剤じゃ……」zzz
ルイ「起きろって」ゲシッ
ゲン「?」ムニャ
隆太「?」
ムスビ「……た、頼むけぇ注射をくれや……」zzz
ルイ「起きねえか!」ゴチン
ムスビ「!」
ルイ「持ってけ、寒いぞ」つ毛布
ゲン「見張りか?」
ルイ「ああ。お前は上だ」
シータ「!」
勝子「!」
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 19:19:04.80 ID:bTJQQQkj0
***
アンリ「寒ぃ~」ブルブル
ゲン「わりゃ、交代じゃ」
アンリ「あ、ありがてぇ~!」
隆太「ほいじゃが、本当に冷えるのぅ~」ガクガク
ムスビ「せっかく気持ちのええ夢をみておったのに……」ブルブル
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 19:20:32.63 ID:Si/CT+ElO
はだしのゲンうろ覚えだけどムスビってあのヤク中か
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 19:26:36.17 ID:9R9vz+BSO
ヤク中じゃない、ビタミン中毒なだけだ
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/04(火) 20:52:58.36 ID:bTJQQQkj0
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シータ「はぁっはぁっ」カツンカツン
勝子「うんせうんせ」カツンカツン
ゲン「お? シータと勝子じゃ」
隆太「どうした? 眠れんのか?」
ムスビ「わしが添い寝してやろうか?」
ゲン「///」
隆太「///」
勝子「またムスビは変なこと言うて!」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 21:04:54.65 ID:bTJQQQkj0
シータ「うわぁ、きれい……」
シータ「うぅ!」ブルッ
ゲン「寒いんか?」
隆太「毛布一枚じゃ5人も包めんぞ」
ムスビ「おしくらまんじゅうでもするか……」
シータ「あ、私それ知ってるわ。『おしくらまんじゅう、押されて泣くな』って歌いながら押し合いっこするのよね」
ゲン「わしらはちょっと違う歌を歌いながらやるんじゃ」
シータ「違う歌?」
ゲン「せーの!」
ゲン「♪ 馬鹿が行く行く 女郎買いに」ウンセウンセ
隆太「♪ 青い顔して 朝帰り」ウンセウンセ
ムスビ「♪ 土産にもらった 淋病で」ウンセウンセ
ゲ隆ム「♪ 痛い痛いと 泣きました」ウンセウンセ
ゲン「どうじゃ、シータ? 覚えたか?」
シータ「///」
勝子「ゲンっ! 何て下品な歌を歌いよるんね!」
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/04(火) 21:33:57.08 ID:bTJQQQkj0
シータ「……ゲン」
ゲン「なんじゃ?」
シータ「私、怖くてたまらないの。本当はラピュタなんかちっとも行きたくない」
シータ「ゴリアテなんか見つからなければいいのにって思ってる」
ゲン「じゃ、じゃあ……」
シータ「ううん 光のさした方向は本当。でも……」
ゲン「あのロボットか? あれが太平洋戦争中に動いとれば、負けることも無かったのにのぅ」
隆太「ピカを落とされることも無かったわい」
ムスビ「惜しいことをしたよ……」
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 21:43:43.30 ID:bTJQQQkj0
シータ「おばあさんに教わったおまじないであんなことがおこるなんて……」
シータ「私、他にも沢山おまじないを教わったわ」
シータ「もの探しや病気をなおすのや……」
シータ「……絶対使っちゃいけない言葉もあるの……」
隆太「絶対使っちゃいけない言葉?」
ゲン「シータ、そういう考えはいかんぞ。危険じゃ」
シータ「え? どうして?」
ゲン「戦時中の治安維持法と同じじゃ。国は国民に戦争に協力させるため、まず言論の自由を奪ったんじゃ」
シータ「あ、いや、そう意味じゃ……」
ゲン「わしのお父ちゃんも絶対に使うちゃいけん言葉、『戦争反対』を唱えて特高に捕まったんじゃ。顔じゅう痣だらけで帰って来たよ……」
シータ「」
シータ「……と、とにかくあの石は外に持ち出しちゃいけない物だったのよ!」
シータ「だからいつも暖炉の穴に隠してあって、結婚式にしかつけなかったんだわ!」
隆太「アホ! そりゃ宝の持ち腐れじゃ!」
ムスビ「要らんのならわしらにくれや」
勝子「隆太もムスビも、シータの話を邪魔しちゃいけんよ!」
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 22:00:34.68 ID:bTJQQQkj0
シータ「あんな石、早く捨ててしまえば良かった……」
ゲン「それは違うわい」
シータ「!?」
ゲン「わしらはあの石のおかげでシータに会うたんじゃないか」
ゲン「石を捨てたってラピュタは無くならんわい。それにおどれはアメリカの爆撃機がどれくらいの高度で飛べるか知らんのか?」
ゲン「いずれアメリカに見つかるわい……。見つかったらおしまいじゃ……」
ゲン「ラピュタに関わった奴はあのサングラスのおっさんも含めて、アメリカに捕まってひどい拷問を受けることになるんじゃ……」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/11/04(火) 22:10:24.99 ID:bTJQQQkj0
シータ「でもゲン達を海賊にしたくないッ!」
隆太「ガハハ! 海賊にはならんわい! ああいった奴らはわしらのような子供をなんと呼んどるか知っとるか?」
シータ「?」
隆太「……鉄砲玉じゃ……」
ムスビ「勢いよく飛び出したが最後、絶対戻って来ん鉄砲玉じゃ……」
隆太「口先では幹部にしてやるとか上手いこと言っておいて、結局わしらを利用するだけなんじゃ……」
ムスビ「……ドングリ……」
ゲン「」
隆太「」
勝子「」
ムスビ「」
しーん
***
ドーラ(そんな風に呼んでないよッ!)
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/11/04(火) 22:11:55.31 ID:blUpcDaY0
濡れ衣ワロタ
ヤクザと一緒にすんなやww
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