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サン「アシタカがなかなか会いに来てくれない…」

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Part2
58 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:26:43.588 ID:kn4ZILoj0
アシタカ「本当に良く来てくれた…。ありがとうカヤ…」
カヤ「カヤも…思っていたよりも兄様がお元気そうで何よりです…」グスングスン
アシタカ「腕の呪いのことなら案ずるな。あの呪いはもう消えたのだ」
カヤ「ほ、本当ですか!?…良かった…良かったですぅ~」グスングスン

59 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:28:41.873 ID:kn4ZILoj0
アシタカ「……ずいぶん、心配をかけてしまったな。この腕の呪いが消えたのも、サンのおかげなのだ…」
カヤ「サン様も『命を救われ、救った間柄』だとおっしゃっていました…。兄様は…サン様のことが好きなのですね…?」
アシタカ「私はサンが好きだ。…ずっとカヤを想うと言った手前…すまないと思っているが…」
カヤ「あ、謝らないで下さい!……あの小刀を授ける間柄ということは、きっとそうなのだと思っていました…」

60 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:31:11.359 ID:kn4ZILoj0
わおーん…
カヤ「……?…狼の遠吠え…?」
アシタカ「……いや、山犬が私を呼んでいるようだ」
カヤ「山犬が…兄様を…?」キョトン
アシタカ「行かなくては…!カヤ、今日のところはエボシ殿のところに泊めて貰いなさい」
カヤ「は、はいっ!兄様、お気をつけて…」

62 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:34:20.464 ID:kn4ZILoj0
森の中
アシタカ「おーい!私はここだー!どうかしたのかー?」
山犬1「おっ!やっと来たか…このスケコマシ」
アシタカ「私がスケコマシ…?」キョトン
山犬2「とにかく、お前のせいでサンの奴が大変なんだよ!」
アシタカ「サンが…?何がなんだかわからないが、とにかく案内してくれ!」

63 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:36:13.302 ID:kn4ZILoj0
山犬1「サンは今、母さんの墓の前で泣き崩れてる。早く行って、なんとかしてこい!」
アシタカ「モロの墓…?シシ神の池か!」ダダッ
山犬2「遅いっ!お前あの美味そうな鹿はどうした!?」
アシタカ「ヤックルはまだ怪我が完治していないので置いてきた!」
山犬1「チッ…乗れっ!」ヒョイッ


64 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:37:38.188 ID:kn4ZILoj0
シシ神の池
サン「うぅ…母さん…。やっぱり人間は嫌いだ…人間と関わると、心が痛くなる…。母さん…ぐすん…母さんが生きてたら……」グスングスン
アシタカ「……サン?」
サン「ア、アシタカ!?」ガバッ
アシタカ「……会いに来たよ」

65 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:39:00.661 ID:kn4ZILoj0
サン「お、お前…どうしてここに…?…いや、お前なんか知らんっ!去れっ!!」
アシタカ「……なぜ?」
サン「私は見たんだ…お前があの女の家に…エボシの家に入っていくのを!!」
アシタカ「そうか…。カヤの言う通り、私はそなたを傷つけてしまったのだな…」

67 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:40:52.477 ID:kn4ZILoj0
サン「だ、だいたい、そのカヤという許嫁がいながら私に…あ、あんなことを言うこと自体、そもそもおかしいだろう!?」
アシタカ「『共に生きよう』か……しかし、その言葉に嘘偽りはない」
サン「黙れっ!!……仮にお前の言う通り、嘘偽りが無かろうが、エボシの家に連日連夜入り浸っているとはどういう了見だ!!……よりによって…あ、あの女のところに通うなど、私は絶対に許さん!!」
アシタカ「実は…これを作ってたんだ」ゴソゴソ

68 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:43:03.909 ID:kn4ZILoj0
サン「これは……髪飾り…?」キョトン
アシタカ「そうだ。エボシ殿の家には金属の加工に秀でた者が沢山居てな…もともとその者達は病人だったのだが、私と同じようにシシ神に生かされたのだ」
サン「そ、そんなこと聞いていない!それでこの髪飾りは何なのだ!!」
アシタカ「……君に会いに行く時に、何か手土産をと思い…その者達から加工の仕方を教わり、私が作ったのだ」

69 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:46:00.033 ID:kn4ZILoj0
サン「……アシタカがこれを…?」
アシタカ「私は君に…タタラ場は森を焼き、木を切るだけの場所ではないと伝えたかった。私の生きる場所は、こんなにも素晴らしい物を作れると教えたかったのだ」
サン「だ、だが、これを作る為に木を切り倒し、燃やしたのだろう!?……そんな物、受け取れるか!!」
アシタカ「サン…聞いてくれ。確かに私達は生きる為に木を切る。だが、シシ神の一件で私達は決めたのだ。これからは木を切った分、新たに木を植えると。もう一方的にそなたの森を奪うようなことはしない…だから…!」

70 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:47:47.432 ID:kn4ZILoj0
サン「だ、黙れ人間っ!!そんなのは詭弁だ!こんな物…私は要らないっ!!」ポイッ
ポチャンッ
アシタカ「……そうか。そなたの気持ちも考えずに、余計な真似をしてしまったな…」シュン
サン「お前なんてどっかに行ってしまえ!」
アシタカ「……わかった。……押しかけてすまなかったな」

71 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:51:15.524 ID:kn4ZILoj0
山犬2「おいおい…追い返しちまっていいのかよ?」
サン「ふんっ…あんなバカ…もう顔も見たくない。……私はあんな髪飾りなんか要らないのに…ただアシタカが会いに来てくれればそれで良かったのに…」グスングスン…
山犬1「まったく…素直じゃねぇんだから…」
山犬2「ほんとにこれで良いのかよ?エボシの件は誤解だったんだろ?」
サン「……良いんだ。…所詮私とアシタカは分かり合えない。……住む世界が違うんだから。それに、アシタカにはあの許嫁がお似合いだ…」グスングスン…

73 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:54:20.868 ID:kn4ZILoj0
タタラ場
カヤ「兄様!おかえりなさい!……あの?…お顔色が優れませんけれど、大丈夫ですか?」
アシタカ「カヤ…。……人に気持ちを伝えるということは、難しいものだな」シュン
エボシ「山犬の姫と何かあったのか…?」
アシタカ「……あの髪飾りを受け取って貰えなかった」

75 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:57:06.945 ID:kn4ZILoj0
カヤ「髪飾り…?」キョトン
エボシ「アシタカは最近私の家に住まわせてる職人達に教わりながら、山犬の姫の為に髪飾りを作っていたのだ。しかし…そうか。どうあっても、タタラ場で作られた物は受け取らんというわけか…」
アシタカ「………人間と自然とが共存していく新しい仕組みを説明したのだが…どうにもわかって貰えないようだ…」
カヤ「……事情は良く分かりませんが、理屈では解決しない問題もあると思います」

76 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 17:59:23.516 ID:kn4ZILoj0
アシタカ「しかし、我々が生きていく為にはどうしても木を切る必要がある。だから私は…」
カヤ「そうではありません兄様!そんな理屈は何も関係ないのです!兄様がサン様を想って髪飾りを作り、それをあげた。…それだけで充分ではないですか!」
アシタカ「しかしな、カヤ…」
カヤ「カヤは兄様から何かを頂けたら、それがどんな物であろうととても嬉しいです!サン様もその気持ちはきっとわかってくれる筈です!」

77 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:01:23.012 ID:kn4ZILoj0
アシタカ「だが…しかし…」
エボシ「はっはっはっ!……アシタカよ…これは一本取られたな…。面白い!……カヤよ、そなたこのままこのタタラ場で暮らすつもりはないか?」
カヤ「へ?」
エボシ「きっとアシタカにはそなたのような者が傍にいたほうがよい。理屈ではなく、時には感情を優先することができる、そなたのような者がな…」

78 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:03:40.880 ID:kn4ZILoj0
カヤ「で、でも、兄様にはサン様がいらっしゃるので、カヤのような者が居ては…」オロオロ
エボシ「何も夫婦になれと言っているわけではない。……そうだな、兄妹になればよいではないか!」
アシタカ「エボシ殿!それはいくらなんでも…」
カヤ「……兄妹。……兄様のお側にいられるのなら…カヤには願っても無い話です」

79 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:05:25.545 ID:kn4ZILoj0
エボシ「よろしい。では、アシタカの妹としてこの件を解決してみせよ。よいなカヤ?」
カヤ「わかりました!兄様、カヤにお任せ下さい!」
アシタカ「いや、しかし、これは私の問題で…」
エボシ「アシタカよ…そなたはそなたで解決の為に尽力するが良い。……曇りなき眼で見定めてな。さぁ、今夜はもう遅い。部屋を貸してやるから、そろそろ休みなさい」

80 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:07:10.933 ID:kn4ZILoj0
ゴンザ「……エボシ様。よろしかったので?」
エボシ「ふっ…よもやこの私が、山犬の姫の為に一計を案じることになるとはな…」クスクス
ゴンザ「……あのカヤとかいう小娘が、何かを変えることが出来るとは到底思えませぬが…?」
エボシ「ふん…これだから男というものは…」

81 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:08:46.513 ID:kn4ZILoj0
翌日
カヤ「兄様、カヤはサン様の様子を見てきます!」
アシタカ「よろしく…頼む。……私ではどうすることも出来なかったがな…」
カヤ「何弱気なことを言ってるんですか!兄様は兄様に出来ることを考えて下さいね?それでは、行ってきまーす!」タタッ
アシタカ「……私に出来ること…か」


82 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:10:33.843 ID:kn4ZILoj0
森の中
カヤ「サン様ー?どこですかー?」
カヤ「昨日はお世話になりましたー!少しお話しがあるのですけどー?」
シーン…
カヤ「……やっぱり出てきてくれないか。困ったなぁ…」シュン
ガサガサガサ
山犬1「よぉ!お嬢ちゃん!」
カヤ「!?」ビクッ

83 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:12:19.849 ID:kn4ZILoj0
山犬1「あいにく、サンは会いたくないってよ。出直してきな」
カヤ「や、山犬がしゃべった…?」
山犬1「あん?しゃべったら悪いのかよ?とにかくさっさと立ち去れ…でないと、食っちまうぜ?」ハッハッハッ
カヤ「でも…カヤは…サン様に話しがありまして…」

84 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:13:53.902 ID:kn4ZILoj0
山犬1「だから!サンは話したくないってよ!」
カヤ「でも…でも!話しをしなければ、何も伝わらないから!」
山犬1「チッ…うるせぇ小娘だ。しゃあない…食うか」グルル…
カヤ「ひっ!?」ビクッ
山犬2「おっと!逃がさねぇぜ?ハッハッー!久しぶりのご馳走だぜ!」

85 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:15:20.335 ID:kn4ZILoj0
カヤ「う、後ろにも!?だ、誰か助けて…!」ガクガク
山犬's「「いっただきまーす!」」ガバッ
サン「待て!お前達!!」
カヤ「サン…様?」

86 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:17:00.642 ID:kn4ZILoj0
山犬1「なんだよサン!人間とは分かり合えないんじゃなかったのかよ!」
山犬2「こんなご馳走が目の前にあるってのに、そりゃないぜ!?」
サン「黙れっ!食べちゃダメ!!」
カヤ「サン様…ふぇ~ん…怖かったよぉ…」グスングスン

87 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:21:34.962 ID:kn4ZILoj0
山犬's「「まったく…素直じゃねぇんだから…」」
サン「うるさい!向こうにに行ってろ!!」
山犬's「「へいへい」」タタッ
サン「もう大丈夫だ。……それでカヤ、何しに来た」
カヤ「カ、カヤは…サン様にお話しがありまして…」グスングスン
サン「……『様』は付けなくて良いと言っただろう。……話しは聞いてやるから、もう泣くな」
カヤ「サン……ありがとう」グスン…

88 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:24:24.210 ID:kn4ZILoj0
サン「……それで話しとはなんだ?」
カヤ「……昨日、兄様がサンに会いに来たのでしょう?…その時兄様がサンに送った髪飾りをどうして受け取らなかったの?」
サン「……木を切って作った物など、受け取れるわけないだろう。それに…私はそんな物が欲しかったわけじゃない」
カヤ「……あなたにとってこの森はとても大切なのね…。でも、兄様はサンの為に一生懸命作ったのよ?その気持ちもサンは否定するの…?」

89 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:27:44.814 ID:kn4ZILoj0
サン「お前に何がわかる!?何も知らぬお前に…一体何がわかるというのだ!!」
カヤ「確かに私は何も知らない。あなたのことも、この森のことも、タタラ場のことも…でも、兄様のことだったら良く知ってる!兄様がどんな思いであなたに贈り物をしたのかはわかる!!」
サン「……確かに…許嫁のお前ならば私以上にアシタカのことを知っているのだろうな。……私はお前が羨ましいよ」
カヤ「カヤは…もう、兄様の許嫁ではないわ。これからは、兄様の妹として…兄様を支えることにしたのよ!」

90 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:30:35.239 ID:kn4ZILoj0
サン「……妹だと?……何故だ…?お前はアシタカを慕っているのだろう?好きなのだろう!?何故、兄妹などという立場に甘んじる!!」
カヤ「だって…だって…!もう兄様には…サンがいるから!カヤは…サンにはなれないから…だから兄妹として兄様を支えていくことにしたのよ!」
サン「……なんだそれは…お、お前の理屈は…めちゃくちゃだ…!」
カヤ「理屈とかそんなことは関係ない!私は兄様の側に居られたらそれでいいの!だから、サンももっと素直になるべきよ!」

91 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:32:40.030 ID:kn4ZILoj0
サン「……素直に…?」キョトン
カヤ「髪飾りを貰って…嬉しかったでしょう?だったら…素直に喜んだらいいじゃない」
サン「……でも、私はこの森を守らないといけないから…だから…」
カヤ「だからそんなに難しく考える必要なんてないんだってば!…サンは兄様のことが好きなんでしょう?…好きな人から贈り物をされたら…それは何より嬉しいことの筈よ?」

92 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:34:28.630 ID:kn4ZILoj0
サン「……私は…アシタカが好きだ。……髪飾りだって、ほんとは嬉しかった。……でも、私はただ…アシタカが会いに来てくれるだけで…それで良かったんだ…」グスン…
カヤ「その言葉をそのまま伝えれば、兄様はきっとわかってくれる筈よ?今度兄様が来たら、そう言いなさいな」
サン「……うん。そうする…」グスングスン
カヤ「その時、髪飾りをサンが付けてたら…きっと兄様は嬉しいと思うなぁ…。私の話しはこれで終わり。……偉そうなこと言って、ごめんね」

93 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:35:53.730 ID:kn4ZILoj0
サン「いや、こっちこそ迷惑をかけてしまったようですまない…」
カヤ「迷惑だなんてそんな!……サンと兄様が一緒になったら、サンはカヤのお義姉さんになるのよ?…迷惑だなんて思ったりしないから、安心して」クスクス
サン「ね、義姉さんって…!」アタフタ
カヤ「ふふっ…早く仲直り出来るといいわね」

94 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:37:29.237 ID:kn4ZILoj0
カヤ「さてと…それじゃあ、そろそろタタラ場に戻るわ。話しを聞いてくれてありがとう」
サン「ちょっ、ちょっと待て…!」
カヤ「ん?どうしたの?」
サン「あの…その…あ、ありがとう…カヤ」
カヤ「……どうしたしまして。…サン義姉さん」

95 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:39:19.170 ID:kn4ZILoj0
タタラ場
アシタカ(……私は一体どうしたら…)
エボシ「ん?なんだそなた…まだこんなところに居たのか?」
アシタカ「エボシ殿…。私にはまだ…自分が何をすればいいのかわからぬのです…」
エボシ「はぁ…本当に…男というものはこれだから…」

96 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:40:54.857 ID:kn4ZILoj0
アシタカ「……面目ない」シュン
エボシ「まぁ、そうしょげるな。そなたは物事を何でもかんでも頭で考え過ぎなのだ。昨夜、カヤにもそう言われていたではないか」
アシタカ「しかし、具体的にどうすれば良いのか皆目見当もつかぬのです…」
エボシ「まずは自分の気持ちを見定めることだ。そうすれば、自ずと答えは見えてくる」

97 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:42:22.396 ID:kn4ZILoj0
アシタカ「自分の…気持ち…?」
エボシ「そなたはあの山犬の姫をどう思っているのだ?」
アシタカ「私はサンが好きだ。…何より大切に思っている」
エボシ「では、どうしたい?そなたと喧嘩をして今頃泣きベソをかいているだろうあの小娘に…何をしてやりたい?」

98 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:44:30.320 ID:kn4ZILoj0
アシタカ「サンが泣いていたら…私は彼女を抱きしめてやりたい!」
エボシ「ほら?答えが見えただろう?御託を並べる必要などないのだ。…では行け。アシタカよ」
アシタカ「エボシ殿…恩にきる!!」ダダッ
エボシ「……若さというものは眩しいものだ。さて、カヤの奴は上手くやっただろうか…?」

99 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:46:09.312 ID:kn4ZILoj0
アシタカ(……こんな簡単なことにすら気づけぬとは…私はなんと馬鹿だったのだろう。……待っててくれサン!今行く!!)タッタッタッ
カヤ「兄様!」
アシタカ「!?……カヤ!戻ったか!……私はこれからサンのところへ向かうつもりだ」
カヤ「なすべきことをお見つけになられたのですね。……サン様は…いえ…サンは、兄様のことを待っています。お気をつけて、兄様」
アシタカ「ありがとうカヤ。…行ってくる!」ダダッ

100 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:47:43.613 ID:kn4ZILoj0
シシ神の池
『サーン!サンどこだー?サーン!』
山犬1「まったく…森中に丸聞こえだっての。…おいサン!待ち人がやっと来たみたいだぜ?」
サン「ちょっ…ちょっと待って!…確かこの辺に…あっ!あった!」
山犬2「あん?そりゃあ…あの野郎がくれた髪飾りじゃねぇか!……池の中で何してるかと思ったら、それを探してたのかよ!」

101 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:49:29.939 ID:kn4ZILoj0
サン「……私はもう少し自分の気持ちに素直になるべきだった。……これを受け取ったら…母さん、怒るかな…?」
山犬1「母さんはきっと『あの人間と生きろ』って言うだろうよ」
山犬2「違いねぇ。……森は確かに大事だが、森よりもサンのほうが…母さんにとっては大事だったと思うぜ?」
サン「ありがとう…お前達。…さぁ、アシタカを迎えに行っておくれ」

102 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:51:10.550 ID:kn4ZILoj0
アシタカ「サーン!サンどこだー?サーン!」
ガサガサガサ
山犬1「まったくうるせぇ奴だ!」
山犬2「そんなに叫ばなくても、聞こえてるっての!」
アシタカ「お、お前達!?……頼む!!サンのところに案内してくれ!」

103 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 18:59:10.417 ID:kn4ZILoj0
山犬1「サンなら昨日と同じ場所だ。オラ、さっさと乗れ!」ヒョイッ
アシタカ「すまない。お前達にも迷惑をかけたな…」
山犬2「反省してるなら、もう間違うんじゃねぇぞ!今度サンを泣かしたらマジで食っちまうからな!?」グルル…
アシタカ「あぁ…もう間違えない。急いでくれ!」
山犬1「ふん…偉そうに…振り落されんなよっ!人間!」ダダッ

104 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 19:04:14.827 ID:kn4ZILoj0
山犬1「ほら、着いたぜ」ポイッ
アシタカ「ありがとう」
山犬's「「それじゃあな!しっかりやれよ!人間!!」」タタッ
サン「ア、アシタカ…」
アシタカ「サン…」
サン「ア、アシタカ…昨日はその…す、すまなかっt」
アシタカ「すまなかった!サン!」ギュッ
サン「ふぁっ…ア、アシタカ…?」
アシタカ「私が馬鹿だった…許してくれ…サン!」ギュウ

105 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 19:06:15.736 ID:kn4ZILoj0
サン「アシタカ…こっちこそ意地を張ってすまなかった。……こうしてお前に抱かれていると、自分がどんな愚かだったのかが良くわかる…」ギュッ
アシタカ「愚かなのは私のほうだ!最初から…こうしていれば良かった。……ん?…この髪飾りは…?」
サン「……素直に受け取ることにした。…に、似合うか…?」モジモジ
アシタカ「……そなたは美しい」

106 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 19:08:30.781 ID:kn4ZILoj0
サン「……あ、ありがとう」モジモジ
アシタカ「しかし…良かったのか?君にとって森は…」
サン「良いのだ。……アシタカと共に生きると…そう決めたから…」
アシタカ「そうか…。愛している…サン」ギュッ
サン「私も…あ、愛してるぞアシタカ」ギュウ
山犬's「「…ケッ!犬も食わねぇとはこの事だぜ!」」
おしまい

107 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 19:20:16.558 ID:iS9+mut80

好きだわこういうの

108 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/12/26(土) 19:25:11.339 ID:B3f3oyTX0
サンもカヤも二人ともアシタカが貰っちゃえば良いのに

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