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勇者「淫魔の国は白く染まった」

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Part9
474 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/08(日) 07:18:25.66 ID:pI30Q1vSo
>>462より
その晩、初めて城から淫魔の姿は消える。
城内に住み込んでいた者達は一日だけ城下に宿を取り、あるいは友を訪ねて過ごす事になる。
翌日は、昼頃にでも戻ってくるようにと。
あまりに突発的な事に彼女らも目を丸くしていたが、正式に通告を出すと、むしろ浮かれた雰囲気が城を包んでしまったようだ。
今日は、終えた者から町に出てよい。
遅くとも消灯・就寝の時間には、城から出て過ごす事が許されたのだから。
その一方でーーーー勇者を、城に一人残すことに抵抗を示した者も少なくない。
いくら城の淫魔達をインキュバスの魔力から遠ざけるためと言っても、王を一人残しては浮き立てない、という。
しかしそういった者達も日が沈むころには何故か納得し、アフターの予定を立てる事に専念していた。
堕女神「……それでは、陛下。明日の朝に戻って参ります。些かばかり朝食は遅れてしまいますが、どうかご容赦ください」
勇者「ああ、行っておいで。本当なら俺も行きたかったな」
堕女神「陛下」
勇者「すみません嘘です」
堕女神「いえ、そうではありません。……お気を付けて、くださいね」
彼女の視線は、真摯にこちらを見据えた。
ーーーーその度に、彼女の目から、視線を外してしまいたくなる衝動に駆られる。

475 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/08(日) 07:19:30.85 ID:pI30Q1vSo
もう危険を冒さなくていいはずなのに、何度も彼女に心配をかけている。
この世界に『本当に』やってきた時にも、トロールの群れに徒手空拳で立ち向かい、身体にいくつも傷を作り直した。
夏にも一人で探索へ向かい、そこでまたしても傷を負って帰ってきた。
そして今回もーーーーサキュバスの精気までも食らう、不自然なインキュバスと城中に二人。
厩にいるナイトメアは昨晩は馬の姿で眠っていたために影響は受けなかったらしく、
今夜もそうするように言い含めたがーーーー人手には数えづらい。
地下牢の不老不死のローパー……ポチには意思を伝える事はできても、
彼の意思は何となくでしか分からないし、そもそも腰が重い。
結局のところ、今晩は、イン娘と二人きりなのだ。
勇者「……夏に、変な夢を見たんだよ」
堕女神「夢?」
勇者「ああ。地獄のような戦場に、無数の淫魔、人間、魔物が戦っていた。……そして俺の傍らに、インキュバスの男がいたんだ」
今でさえも、あの不思議な現実感は思い出せる。
上空から墜ちてきたドラゴンの亡骸が生み出す、腹が痺れるような衝撃。
耳に残る断末摩と、蛮声の螺旋。
サキュバスやインキュバスが紡ぎだす、人間界のそれとは全く違うーーーー異質な強力な魔術の数々。
そしてーーーーすぐ側にいた、インキュバスの男が飛ばした激も。
勇者「これは偶然じゃない。千年前にも存在していた何者かが、今ここで俺とイン娘を引き合わせようとしている」

476 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/08(日) 07:20:12.20 ID:pI30Q1vSo
堕女神「……そうとまで仰られては、言葉もございません」
勇者「大丈夫、何かあれば逃げるさ。だから……さ」
それでも、と言いたげな堕女神の頬へ手を添えゆっくりと撫ぜる。
勇者「心配はしないでくれ。……そんな顔をさせる俺が悪い事も分かっているけれど」
少しの間、そうしているとーー堕女神も少し気が立ち直ったのか、ゆっくりと後ろへ距離を取った。
その瞳にもう憂いはない。
堕女神「まったく、貴方はいつも……私の気も知らずに拾い集めてしまうのですね」
呆れたような、少し陽気に怒ったようなーーーーそんな抗議だった。
喉の奥から口端まで緩ませたような微笑みがこぼれ落ちて。
勇者「ああ、すまない。……まだまだそういう星回りらしいんだ、俺は」
堕女神「申したい事は尽きせぬものですが、私はそろそろお言いつけ通りに。」
勇者「ああ。……その、堕女神」
堕女神「はい」
勇者「……明日は、しよう」
堕女神「…………送り出す言葉には如何なものかと」
勇者「俺もそう思ったよ」
堕女神「ですが……お待ちしております」
やがて、堕女神が部屋を城を去る。
それによって……完全な静寂が、淫魔の国の城へもたらされた。

477 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/08(日) 07:20:40.39 ID:pI30Q1vSo
誰もいなくなった城を、ただ何気なく歩いた。
エントランスの広間を抜け、玉座の間へ。
玉座の間から執務室、書庫、火の気の失せた厨房までも見て回る。
ここへ来てだいぶ経つが、未だに発見は尽きない。
事実、数日前に尖塔にサキュバスAの隠し部屋を見つけたほどだ。
誰か残ってはしないかと見回ろうかと思ったが、柱時計の音が時を告げたため、打ち切る。
それよりもーーーー「彼」のもとへ行くことが先決だった。
イン娘の居室の扉の前まで来て、息を整える。
物音ひとつしない。
もう、眠ってしまったのかもしれない。
意を決して静かにノブを回して、そろそろと扉を押し開ける。
滑らかな蝶番は、軋む音さえ立てなかった。
部屋の中は、冷えていた。
暖炉の火が落とされてからそうは経っていないらしいがーーーーそれでも冷え込む。
枕元の燭台だけが唯一の光源であり、そちらを見ると……懸念した通り、彼はすでに横になっていた。
勇者「寝てしまった……のか?」
イン娘「うわっ!?」
勇者「わっ……!」
近づきながら呟いた一言に……彼が素っ頓狂な声を出し、布団を跳ね除けながら起き上った。
どうやら、まだ寝入る寸前に間に合ったようだ。
イン娘「び、びっくりするじゃないですか……!」
勇者「俺もだ!」
イン娘「ノックしてくださいよ、もう!」
勇者「それは、すまない。……確認だが、昼来てからは寝てないのか?」
イン娘「え? はい、これから寝るんです。……あの」

478 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/08(日) 07:21:32.29 ID:pI30Q1vSo
勇者「?」
イン娘「……あと一日だけ、ここにいさせてください」
起き上がった彼は、ベッドの上で……膝を抱えて縮こまりながら消え入りそうな声で言った。
勇者「……何を言っているんだ?」
イン娘「分かってるんです。ボク……また、やってしまったんですよね」
返事はできない。
言葉にしようとすれば、恐らく詰まる。
ーーーーーー沈黙は、ここで正解なのだろうか?
イン娘「隠さないで、ください。ボクは、あの村で起こった事を……また、繰り返してしまったんですよね」
勇者「…………」
否定もできない、言葉での肯定も憚られて、しかし沈黙すればそれは肯定になる。
完全に詰んでしまった問い掛けだった。
何も言えないままーーーー続く独白を聞く。
イン娘「明日の朝、ボクはこの国を出ます」
勇者「…………どうして?」
イン娘「言ったじゃないですか。ボクは……ここにいてはいけないんです。ボクは……」
二度目の一人称は、湿っていた。
雨に濡れた小鳥が、寒風に身を震わせたような……そんな、竦んだ声だった。
イン娘「ボクはーーーー皆さんと、違うじゃないですか!」


479 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/08(日) 07:22:44.45 ID:pI30Q1vSo
その言葉は、ーーーー「拒まれた」者だけがまとえる、哀しみを宿していた。
込められた意味は、種族、魔力ーーーーそして、恐らく何よりも。
イン娘「ボクは、皆さんを……傷付けてしまうだけなんです。ここに、ボクの居場所はないんですよ」
勇者「……ここを出て、どこへ行く?」
イン娘「どこかへ。……だれも、傷つけなくてすむどこかへ」
勇者「そこで……たった一人でいるつもりなのか」
イン娘「……仕方、ないじゃないですか。他に、どうすればいいんですか!?」
叫びは、膝を抱えた腕の中でくぐもって聞こえた。
いつしか勇者は、気付く。
ベッドの上、彼の隣で腰を下ろしていた事に。
勇者「言ったはずだ、ここは、『淫魔の国』だ」
もう、言葉に澱みは無い。
あとは、ただ……手を伸ばすだけだ。
勇者「お前は、『淫魔』。ーーーーここは、お前の居場所なんだ」

480 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/08(日) 07:23:31.44 ID:pI30Q1vSo
勇者「お前は……追いやられてなんか、いない。この国へやって来ただけだ」
強さ故に追い出された。
突出ゆえに、人と一緒に、「ふつう」に生きていくことができなかった。
その哀しみはーーーーその「違い」は、誰よりも分かる。
イン娘「……でも、ボクは……男の子、です……よ?」
勇者「俺もだ」
もうーーーー彼が自分の性を認識していた事に、驚きはない。
恐らくは、彼が人間界で暮らしている間に、ほどなく身についていて……それを思い出したに過ぎないのだろう。
それでも彼が女装を続けていたとしたら……それは、『父』の贈り物と意思をいつまでも大切にしたかったのが理由。
イン娘「あ、はは……。そうですよね。そう……」
燭台が最後のひと輝きに差し掛かり、明度を増した。
冷え込んでくる、真冬に閉じ込められた部屋の中でーーーー雫が落ちる。
それは、少年がいつからか忘れて枯らしていたものだった。
勇者「俺だって、人間で……男だ。だけど、淫魔達と一緒に過ごせている。数十万人の、な」
「雫」は、「筋」を描いた。

481 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/08(日) 07:24:04.93 ID:pI30Q1vSo
火の消えた、さして広くもない室内に小さくしゃくり上げる声が響く。
こらえようとしても、溢れてしまえば止められない。
限界を超えて膨れていた水面が弾け、淫魔の国の小さな部屋へ、ようやく流れ込む事ができたのだから。
時にすると、十分もない。
だがその十分はーーーー手続きの時間だ。
淫魔の国へ、新たな民を迎え入れる為の。
やがて、ようやく涙を止めたイン娘がおもむろに口を開く。
イン娘「……王、さま」
勇者「何だい」
暖炉に火を入れにいくタイミングを見計らいながらも、返す。
距離は、もうない。
半身を寄り添わすようにーーイン娘の方から、近寄ってきていた。
イン娘「ボク、と……」
彼は、言葉を選ぼうと口をぱくぱくさせていた。
だが結局、伝えるための表現は一つしかないと気付き、頬を染めながら、はっきり告げた。
イン娘「ボクと、えっ…ち……して、ください」

482 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/08(日) 07:25:53.50 ID:pI30Q1vSo
次回でひとまず〆
それではまた

483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/02/08(日) 07:54:53.98 ID:wcath6cho
乙です
えっ...ち.....するの!?

484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/02/08(日) 08:10:24.95 ID:bR/VUoYHO
なんという区切り方!

485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/02/08(日) 09:16:53.57 ID:mQCDJhHLO
マジか!そうくるのか!
なにはともあれ乙!

486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/02/08(日) 09:30:52.76 ID:CdjFAW660
イン娘の力をどうやって解決していくんだろうか....面白くなりそうだ。
乙です!

517 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/16(月) 06:58:04.48 ID:IReifCsho
>>481から
勇者「ちょっと、待てよ。何、言って……」
イン娘「……ボクが」
勇者「?」
イン娘「ボクが、皆さんを昏睡させて……精気を吸い取っているんなら。王さまに、注いでもらえれば……って思って……」
考え方としては、ひどくシンプルだった。
もしイン娘の魔力が精気を吸収するためのものだというのなら、求めて暴走する前に、与えてしまえばいいのだ。
腹を空かせている、というならーーーー強行させる前に、与えればいい。
勇者「……そんな事で?」
しかしそれは、サキュバスの場合の話だ。
女性型なら精気を取り入れる能力が備わっているが、インキュバスの場合はどうなるのかが分からない。
そもそもーーーー文献で知ったインキュバスと、イン娘の生態は違っていた。
精気を吸収、活力とするのはサキュバスの固有能力。
インキュバスにその能力は無い。
持っているのは、対象の異性を魅了し、支配下に置くだけの能力だ。
だが、イン娘は違う。
広域に渡って強制的に異性を眠らせ、至近にいる者から精力を奪い、
弱らせーーーーその分の体力を回復する、どちらでもない特異な能力だった。

518 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/16(月) 06:59:05.11 ID:IReifCsho
イン娘「……ごめんなさい、気持ち……悪い、ですよね。ボク……男、なのに」
勇者「いいのか?」
イン娘「え?」
勇者「……だけど、カン違いしないでくれ。『とりあえずやってみる』……んじゃ、ない。俺の意思。そして、お前の意思で決めた事なんだ」
イン娘「……はい」
一方的な同情でも、上からの憐憫でも、ましてや興味本位でも無い。
意思が行き来したから、そんな傍目に倒錯した選択も、意味を持つ。
『彼』を、この国に迎え入れたい。
『彼』は、この国で誰をも傷つけずに生きてゆきたい。
意思が噛み合ってしまえばーーーー倫理は、意味を失う事がある。
イン娘「……あ、の。王さま」
やや遠く、俯き具合のイン娘の顔は、灯し直した燭台の火に浮かび、赤く染まっていた。
イン娘「ぼ、ボク……こういうの、はじめて……なんです。うまくできなくても……怒らないで、くださいね?」

519 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/16(月) 06:59:30.53 ID:IReifCsho
黒いチュニック型のパジャマを着た姿は、少女にしか見えない。
本来下履きも合わせるはずのそれは、膝上までが露わにされている。
裾からはみ出たサキュバスに比べて長い尾は、先端のみがパタパタと揺れていた。
待ちわびるように、恥じるように、落ち着かない様子でーー立ち膝の姿勢で、太ももを擦り合わせて、伸び上がるように口を寄せてきた。
最初の口づけはーーーー蝶が留まるような、一瞬の事だった。
イン娘「……や、やっぱり……恥ずかしい、ですね」
羽が撫でる如く一瞬の触れ合いに、『彼』は気恥ずかしそうに頬を掻き、ぺたりと腰を下ろした。
口先が一瞬擦れ合うだけだったがーーその一瞬でさえ、ぴく、と震えたのが分かる。
勇者「少し……体、触るよ」
イン娘「はい……」
利き手を伸ばして、指の腹から掌まで、頬を通りすがるようになぞる。
張りつめたような皮膚の弾力、火を入れていない室内で冷えた感触、それでも内側には暖かな血の通った存在感。
通り過ぎて、うなじから後頭部まで撫で上げると、不揃いな髪が指の間を通り抜けて行った。
つややかでサラっとしているが、淫魔達に比べて、コシのある太い髪だった。
やはりーーーー触れてみれば、サキュバスや堕女神とは違う。
首筋の筋肉の付き具合も、頬肉の張りも、かすかに出張った喉も、背筋も。
少女に見えるような稚気と美貌はあっても、暗闇の中で触覚を確かめれば、少年だった。
勇者「目を、閉じて。驚いたりしないでくれよ」
イン娘「え……? わかりました」
少年の淫魔は、迷いなく目を閉じた。
起こる事を言外に察したのでもなくーーーーただ、信じて。

520 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/16(月) 07:00:03.92 ID:IReifCsho
うなじを持ち上げ、やや上に向かせて今度は勇者から唇を奪う。
口先が触れた瞬間、またもイン娘の身体がぴくりと震えーーーーさらに唇を進めれば、抱き留めていた左手から彼の背に走る緊張が伝わった。
イン娘「んくっ……ふ、ぇぅ……ちゅ……」
密着した唇から、貝殻を開くナイフのように舌をこじ入れて、開かせる。
ゆるんだ前歯の隙間から口内に飛び込んでくるのは、甘さ、熱さを伴った淫魔の吐息。
バターを落として暖めた蜂蜜酒を飲み下したような痺れが喉から肺腑を満たして、少しずつ、全身へとまわる。
言いつけを守っているのか、彼は驚きながらも舌を噛まぬように口腔を開いて、拙くも、こちらへも舌を絡めてくる。
二つの唇の間から愛液のように唾液が滴り、顎先から黒いパジャマに落ちて、ひときわ黒い沁みを幾つも形作る。
混じり合った唾液が行き交う音が、深雪の沈黙に包みこまれた部屋へ、籠もって響く。
支えていた両の手に感じていた重さが、だんだんと増してーーーーとうとう緩んだ身体を横たえさせ、唇を少しずつ離して姿を見る。
イン娘「ご、ごめんなさい……力、抜けちゃい……ました……」
枕にまで唾液の筋を流しつつ、彼はそう照れながら、潤んだ瞳で言った。
立てた片膝からパジャマの裾が太ももへ向かって流れ落ち、既に、青いストライプの入った下着の一部まで見えている。

521 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/16(月) 07:00:31.27 ID:IReifCsho
イン娘「キスって……こういうふうに……するん、ですね。気持ち……よかった、です……」
勇者「……寒く、ないか? もし寒いなら……」
暖炉に火を入れよう、と提案しかけたがーーーーそれよりも早く、イン娘は自らボタンを外していく。
上から、二つ、三つ、四つーーーーそのたび、薄い胸板、覗く乳首、締まりのある腹筋が覗かせてくる。
イン娘「平気です。……というか、暑いぐらい。なので……早く」
誘われたのか、それとも……どちらが先だったかは、分からない。
寝たままのイン娘がボタンを全て外し終えてから、肩からするりと脱がせていく。
骨ばった肩とそこへ繋がる鎖骨のライン。
肋骨がかすかに浮いたなだらかな胸に、深い青色の乳頭がぴくりと立っていた。
腹腔は締まって凹み、腰もまた、弾力に溢れて少し硬さもある。
女物の下着一枚のみの姿になって、『彼』は羞恥に顔を染め、背ける。
イン娘「し、下着だけなんて……嫌ですよ。ボク、変態みたいじゃ……」
勇者「……そうだな。女の子の下着なんて……穿いて。変態だな」
イン娘「な、何言って……!? 仕方ないじゃないですか、これしか用意してもらえなくてっ……ひゃっ!」
抗議の声も待たず、片手で引き下げるようにーーーー最後に残った一枚も、剥ぐように脱がせた。

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