勇者「淫魔の国は白く染まった」
Part10
522 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/16(月) 07:00:58.78 ID:IReifCsho
とっさに脚を閉じる寸前に、青い皮膚に包まれた小さな芽吹きが見えた。
骨ばった膝を擦り合わせ、手で「それ」を隠しながら、イン娘はおずおずと声を絞り出す。
イン娘「は、恥ずかしいですよ、やっぱり……。それに……ボクばっかり、見られて……不公平です」
それも、そうーーーーと得心し、勇者も、するすると服を脱ぎ捨てていく。
引き締まり、細身ながらも必要な筋肉の全てを備えた、戦傷をいくつも残した体。
下を脱げば、直前に見えたそれとはまったく違う、雄の器官が現れーーイン娘は、息を呑んだ。
イン娘「お、大き……」
未発達の自らのそれを無意識に手で確かめ、獣の目を覗き込んでしまった時のように、釘付けになった。
それをーーーーこれからどうするのか、理解していただけに、意識が遠のきかけていた。
勇者「……やっぱり、やめようか?」
察し、そう提案するとーー意外にも、彼は首を振った。
イン娘「……ちょ、ちょっとずつ……慣れ、させて……くださいね?」
声には怖れよりも、どこか憧憬、昂揚感も含まれているように聴こえた。
「それ」をどう使われるのか。
「自分」がこれからどうされるのか。
淡い期待すらーーーー多分に。
性は違えど、性としてのあるべき形も間違えどーーーー紛れもない淫魔の性(さが)を、宿して。
523 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/16(月) 07:01:28.87 ID:IReifCsho
ーーーー指先で小さく窄んだ蕾を掻くと、まず、驚きの声が上がった。
背を向けて寝たままのイン娘に、腕枕をするようにして、利き手で彼の『後ろ』を愛撫する。
裸を、特に股間を見られることを恥ずかしがってか、この形で、まず馴らす事になった。
顔が見えないのは残念に思っても、漏れ出る声は、それ以上に気分を高める役目を買って出ていた。
イン娘「ひゃ、うっ…! くぅぅ……!」
掌で右の尻肉を持ち上げながら、隙間から蕾へ中指を這わせる。
感触はまるで赤子の肌のようにきめ細かく、吸い付くような張りに満ちて、触れているだけでも心地よくなれた。
一方、中心にある薄桃色の蕾は細かく窄まり、つんつんと指先で触れると、その度に収縮して敏感に反応を返してくる。
イン娘「んっ……! うぅ、ぁ……変な、感じ……です……」
もじもじと膝を抱え込むように身悶えする姿は、更に劣情を催させた。
動きを止めーー背中へ口づけをしながら、指先、第一関節、第二関節までを滑り込ませていく。
意外にも蕾はそれを受け入れ、少しずつ、自ら開花させながら迎え入れてくれた。
イン娘「きゃひぃっ!」
身体が跳ねてーー拍子に指先までも持っていかれそうになるが、ぐっと右手で臀部を押さえつける。
すぐにその反応はおさまり、力を弱めると、次に侵入させた指を少しずつ中をほぐすように蠢かせる。
524 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/16(月) 07:01:54.49 ID:IReifCsho
肛内は火傷するように熱く、むき出しの肉の質感が指にまとわりついてくる。
ねぶる炎の舌のように、肉は指を飲み込みーーーー反面、その入り口は固く閉じて、それ以上の進入を突っぱねてもいた。
それでも肉孔を弄ぶうちに、門はだんだんと緩み、ついには、指を根元まで迎え入れてしまった。
イン娘「お、尻……がぁ……! 何か、変……変、ですよぉ……っ!」
枕として首を支えていた腕に、生暖かい水が垂れてくるのが分かる。
浮かされたように細かい呂律を失ったイン娘が、唾液を溢れさせてーー唇の締まりを失っていくのが、分かる。
だらだらと垂れる唾液が腕を伝い、その下のシーツに落ちていく。
その間にも尻への蹂躙は止めず、ぐにぐにと自由に動けるほどに肉襞が馴染み、にじみ出た腸液が指を濡らしていた。
イン娘「ひっ……だ、だめ……だめぇ、お尻、熱い……熱いよぉ……」
勇者「……イン娘」
イン娘「えっ…な、何………ひぅっ……!」
勇者「顔を見たい。仰向けに、するよ」
イン娘「そ、そん……にゃ……恥ずか、……ひゃぁぁっ!」
腕を抜いて、中指を未だ沈めたまま、身体を起こしてからイン娘の右脚を掴んで身体を開かせる。
萎えた足は抵抗すらできず、腹を見せる犬のような姿勢で、あっけなく全てを露わにしてしまった。
525 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/16(月) 07:02:35.06 ID:IReifCsho
ずぶりと根元まで指を受け入れた蕾はひくひくと物欲しそうに収縮し、その上にはーーーー小さな茎が勃っていた。
小さくて皮の張った茎からは、米粒のようなピンクの亀頭がわずかに覗かせて、透明な汁を根元の膨らみまで垂れさせていた。
つい力が籠もり、中指を内側に折り曲げてしまうとーービクン、と揺れて、茎がざわめいたようだ。
イン娘「やめ、てよぉ……見ないで、こんなの……恥ずかしいよ……」
言葉では拒絶を示しながらも、彼の言葉の最後には、甘い吐息が付随している。
この状況を糧として、更なる高揚を得ているようなーーーーそんな被虐心が、透けて見えるようだった。
勇者「……もう、入れてもいいか?」
イン娘「えっ……」
そんな、「少年」の痴態だという事を理解してなおーー股間の滾りは、衰えない。
埋め込んでいた指を引き抜くと、訊ねる。
イン娘「……はい、お願い……します」
高まり、指全てを束ねたよりも太いそれを目で見てからーーーーイン娘は、呆気なく受け入れた。
おずおずと指先で門渡りから自ら広げ、蕾を開かせる。
真っ赤に充血した肉襞が透けて見えて、溶岩の魔窟を想起させるような、魔の体内へ。
亀頭を押し当てると、めりめりと肉の軋む音とともに、しかし入ってしまえば引き込まれるように、ずぶずぶと飲み込まれていった。
イン娘「んぐぅぅっ……い、あぁぁぁぁっ!」
526 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/16(月) 07:03:06.73 ID:IReifCsho
肛門の締め付けを潜り抜け、入り込んでしまえば……獄炎の舌が、今度は指ではなく「雄」を舐り上げる。
煮詰めた糖蜜の海のように、粘るような熱さが、陰茎を締め付け、飲み込む。
イン娘「は、入って……ほんとに……入って、きちゃ……! ひゃあぁぁっ!」
小さな陰茎が、引き絞られた弦のように張り詰める。
わずかに覗いた桃色の亀頭からは、透き通る清水が一筋流れた。
やがて侵入が腸壁に行きあたって止まりーーそこで、「雄」の器官は、八割ほど飲み込まれてしまった。
これ以上の挿入は、できない。
だから。
勇者「苦しくないか?」
イン娘「う、ん…少し……少し、だけ。でも、動いて……いい、ですよ」
勇者「……本当にいいのか?」
イン娘「はい。痛く、ない……ですから。ちょっとだけ、痺れる……みたいな感じですけど」
527 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/16(月) 07:03:36.43 ID:IReifCsho
勇者「……それ、じゃ……!」
腰を引くと、焼け付いた腸壁を剥がすように、ゆっくりと抜けていく。
抜くときは、肛門の本来の働きゆえからーー抵抗はない。
それでも本来性交に用いる部分ではないため、あまり強くそうする事はできなかった。
雁首までを引き戻す動きの中で、イン娘の張りつめた茎は、三度ひくついた。
イン娘「ん、あぅぅ……! そ、そこ……はぁ…」
もう一度、腸内へ突きこむとき。
亀頭が、肛門ほど近い腸壁の裏側にこりこりとした質感を認め、浅く行き来し、そこを擦る。
その度にイン娘の身体がびくびくと弓なりに跳ね、肛門はきゅっと締まり、明確な反応を示す。
この正体はーーーー睾丸であるはずはない。この部位にあるものなど、到底分からなかった。
勇者「これ……は……何だ?」
イン娘「だ、だめ……だめ、だめぇっ! そこ、こりこりって…し、ひゃ……やらっ……!」
三度、四度、その妙な反応、妙な感触を探ろうとして擦り込むとーーーー次の瞬間、白い迸りがイン娘の胸を、顔を穢した。
乳白色に沈んだそれは、よく知っている。
だが自らのそれは今もイン娘の肉孔深くに打ち込まれている。
視線を落とすとーーーーその源が、ひくひくと萎えて打ち震えていた。
528 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/16(月) 07:04:22.48 ID:IReifCsho
イン娘「あ、熱……いぃ…。ボクの、おちんちん……変、ですぅ……びくん、びくんっ、って……何か、でて……」
勇者「精液だ。わからないのか?」
イン娘「えっ…?」
勇者「精液。男はこれが出る。後は……まぁ、誰かに訊くといい」
イン娘「じゃ、ボク……男の子、に……なれた、んですね?」
満更でもなさそうにーー彼は、指先で顔のそれを拭い、確かめて糸を引かせた。
ねちゃねちゃとした白濁、半ゼリー状のそれをーーーー自分以外のものをみたのは、初めてだった。
イン娘「……んひっ!?」
ずぶんっ、と肉の孔を穿ち、再び、奥深くへと押し込む。
何故かはわからないが、確信があった。
もう、彼はーーーー在り方に迷う、不安定な魔族ではない。
自分の存在を確信して立つ、『淫魔』なのだと。
隣国の幼い淫魔は、性交を経て、魔力を思いのまま振るう『淫魔』となる。
それと同じく、夜の儀式を経て、初めて、淫魔は自らを知る。
ーーーーもはや、彼には檻など必要ないのだろう。
529 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/16(月) 07:04:59.98 ID:IReifCsho
イン娘「ひっ…は、激し……よ…ぉ……! ひゃっ! や、やぁ…また、ボクの……」
腰を打ちつけるうちに、イン娘のそれは再び硬くなり、数度の抽挿でまたも精を放った。
放ったばかりだというのにどろりと濃く、量も変わらず……生クリームのように、彼の裸の胸を飾った。
イン娘「お尻……いい、気持ちいい……よぉ……もっと……ずぼずぼ、して……くだ、さ……あんっ!」
声はだんだんと甘くなり、その度、肛門がきゅっきゅっと絞られる。
括約筋との連動でそのたびに甘く勃った茎が揺れて、硬さを取り戻していく。
あたかもーーサキュバス達が、堕女神が、何度も絶頂を繰り返すのと同じように。
蜜のように漏れた腸液と先走りがぶちゅぶちゅと音を立てて混じり合い、陰茎にまとわりつき、潤滑の役割をもたらす。
そのまま、数度するとーーーー下腹の内に、熱を帯びた塊が降りて、時を待つのが分かった。
イン娘「だ、出して……ボクの、えっちな……お尻に……いっぱい、出して……っ!」
昂った情欲が、やがて精道を伝いーーーー鈴口を押し広げるように、塊を吐き出す。
イン娘の、直腸へーーーー溜めに溜めたように、絶えない射精がなされる。
腸を登り、胃にまで逆流してしまいそうなほどの、熱い奔流だった。
イン娘「出、る……!ん、あぁぁ! また出るぅぅっ!!」
甘勃ちのままーーーーイン娘は、同時に達して、自らの腹筋から胸、顔までを重ね塗った。
涙と、洟と、唾液とーーーー自らの精にまみれて、イン娘は、やがて眠った。
530 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/16(月) 07:07:56.05 ID:IReifCsho
今日は異常、いや以上
今回最後って言ったけど明日深夜、ラストちょろっと投下して終わりです
html化を出す前に、エピローグ的な何かをやるかもしれない
つか投下してから見るとダッシュ多すぎて読みづらい
深夜のテンションで書くもんじゃないわ……orz
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/02/16(月) 10:27:50.02 ID:eK19pxVy0
おつ
さすが勇者万能だなー
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/02/16(月) 12:03:15.97 ID:Wdwwm1UZ0
あれ?
ホモォは無理だったはずなんだけど
息子が起床したんですがそれは・・・
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/02/16(月) 12:18:58.94 ID:dT3VeYbmO
よう兄弟。
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/02/16(月) 16:37:31.67 ID:43zY7fDy0
アッー
546 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/17(火) 04:16:17.40 ID:XsLV0urGo
こんばんは
ものすごい背徳感に襲われながら、どうにかラスト部分へこぎつけました
見てやってくれてありがとうございました
それでは、投下。
547 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/17(火) 04:17:19.02 ID:XsLV0urGo
ーーーーーーーー
イン娘の身体を拭ってから、勇者は椅子で朝を待った。
やがて明け方近くになると、小さなノックの音がして、つい身構えた。
城中には誰も残っていないし、戻ってくるのは昼前のはずだ。
何より、勇者がここにいると知る者などいないはず。
勇者ではなく、イン娘を……何者かが訪れた事になる。
緊張が走る。
その当事者は寝息を立てていて、起きる気配はない。
剣を引き寄せて身構えながら扉の前へ行くとーーーー
???「私ですわ。入ってもよろしいですか?」
ここにいるはずのない、それでも慣れ親しんだ、サキュバスAの声だった。
勇者「……静かにな。今……眠った所……なのに?」
扉を開けて入ってきたサキュバスAの姿を認めて……そこで、気付く。
イン娘は紛れも無く眠りについているのに、あの現象は起きていない。
サキュバスAの姿は、まったくのいつも通りだった。
小憎らしいしぐさも、猫なで声も、唇の端をいつも持ち上げているような、艶やかな表情も。
サキュバスA「あらぁ。沢山してもらって、すっかりおネムかしら」
勇者「何でここにいるんだ」
サキュバスA「何で、というより……いつから、ですわね。ええ、ずっと……隣のお部屋に」
勇者「ずっと!?」
548 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/17(火) 04:18:56.32 ID:XsLV0urGo
サキュバスA「陛下、お静かに。起きてしまいますわよ?」
立てた人差し指でしーっ、とサインを作り、子供に言い聞かせるように彼女は言った。
勇者「…………」
サキュバスA「それにしても、陛下…まさか、稚児趣味に走るだなんて。ああ、お館様がなんと申されましょう……」
勇者「お館様、は俺だ。変な演技をしないでくれ。ともかく、サキュバスA。何でここにいるんだ?」
サキュバスA「……陛下をお守りするために。そして……試すため」
勇者「試す、だって?」
サキュバスA「昨晩、淫魔二人から精気を吸い取ったのなら、今晩は少なくとも起こらないと踏みました。……だって、足りているのですもの」
さらにサキュバスAは付け加える。
昨晩、城内の淫魔を昏倒させてまで徴収して、記憶まで戻ったのならば今日は起こらない可能性があると。
生まれに育ち、この城へ来た経緯の記憶に、体力、全てが回復したというのならば。
連日で起こる筈などないと考えーー実証するために、彼の隣の部屋へ隠れていたと。
もしも彼とともにいて何か違う事が起きてしまったのなら、サキュバスCがそうしたようにーー助けに入るべく。
勇者「なんで、そんな事……」
サキュバスA「陛下。結局のところ、『彼』の暴走が収まったかどうかは……誰かが試さねば、分かりませんわよ」
549 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/17(火) 04:19:46.13 ID:XsLV0urGo
勇者「だが……」
サキュバスA「それにしても……まさか、あんな方法で、なんて?」
重たくなりかけた空気を寸前で止めるように、彼女はくすくすと笑いをこぼして、からかう口調に戻る。
サキュバスA「確かに精気を欲しがっているなら陛下が注ぎ込んでしまえばいいでしょうけれど。
それでも差引でかなりのマイナスになるのでは……?」
勇者「……多分、もう起こらないだろう。イン娘が射精した時に、……気付いたんだよ」
『変化』した感覚があった。
かつての七日間の中で隣女王が夜の中で『変化』した時と同じ、古い殻を脱ぎ捨て、
羽化したような……言葉にしがたい、奇妙な一致。
それが彼の精通によるものか、貫かれて失った事によるものかは分からない。
恐らく、彼は目覚めた時には自らの魔力を制御できるようになっているはずだ。
事実、今はもうーーーー彼の寝姿を間近に見ていられるほど、穏やかな空気が漂っている。
来た晩と、昨晩とに現れた、異質な空気はもうない。
550 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/17(火) 04:20:23.32 ID:XsLV0urGo
サキュバスA「それで……陛下、どうでしたの?」
勇者「どう、とは?」
サキュバスA「ふふ、おとぼけになって。……滾りましたか?」
勇者「……いや、どう答えても揚げ足を取る気だな」
サキュバスA「ええ、まぁ。……それで、この子はどうなさいますの?」
勇者「ひとまず、そうだな。城に住まわせようと思う」
サキュバスA「……変な住民がまた一人。あの触手の紳士を連れ帰ったかと思えば、これですか?」
勇者「ローパーに比べたら常識的だろ?」
サキュバスA「ですわね。ひとまずサキュバスBに面倒を見させましょうか。『先輩として』ね」
勇者「ああ、助かる。……それにしても、なぜ、お前は……」
サキュバスA「はい、なんですの?」
勇者「お前は……なぜ、ここまでしてくれるんだ? あの時、だって……」
導くような言葉を、いつも掛けてくれる。
かつての七日間、迷いを優しく払いのけてくれたのも彼女だった。
彼女の言葉でーーーー自分は、『勇者』としての在りようを、『誇り』を、思い出せた。
551 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/17(火) 04:20:59.55 ID:XsLV0urGo
サキュバスA「あの時……とは?」
勇者「……いや、覚えてないさ。何でもない」
サキュバスA「何を仰せかは分かりませんけれど。……強いて申さば、贖おうとしているのやも」
勇者「え……?」
サキュバスA「……いえ、何でも。それより陛下。お夜食……いえ、早めの朝食でも用意いたしましょう。運んで参りますわ」
時刻は、深夜を過ぎて早暁。
もう少し経てば日も昇るだろう。
サキュバスA「それにしても、これだけ近くで話し込んでも起きないなんて。大物ですわね」
部屋から出る前に、サキュバスAは、毛布にくるまって眠る彼の顔を覗きこみ、ふっ、と息を吹きかける。
それでもイン娘は目を覚まさず、長い睫毛をかすかに動かすだけだった。
目を覚ました時には、恐らくーーーーまたも、女物の服をあてがう事になるだろう。
勇者「……分からない事ばかりが増えていくな、本当に」
サキュバスAが部屋を出て、またも二人になった部屋で一人ごちる。
窓の外は雪も止み、今出て行ったサキュバスの瞳の色と、同じ色の雲がどこまでも続いていた。
ーーーー淫魔の国の冬に起こった、事件の一幕。
帰結は、この国にまた一人……『淫魔』が住む事になった。
完
552 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/17(火) 04:23:28.64 ID:XsLV0urGo
ひとまず完結です……が、少しばかりエピローグも差し込みたい
まぁ、なんていうかふつうのHで中和したい、さすがにこれは好みが分かれる
ひとまず会社があるので寝ます
その辺の諸々はまた明日夜にでもちょっと話したいです
おやすみなさいまし
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/02/17(火) 04:47:16.52 ID:8Tib2nys0
おつんこ!
554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/02/17(火) 04:47:24.49 ID:6D0cuSxwO
乙
楽しみに待ってる
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/02/17(火) 09:09:22.08 ID:yP7Wqa5Eo
乙
エピローグ楽しみ
とっさに脚を閉じる寸前に、青い皮膚に包まれた小さな芽吹きが見えた。
骨ばった膝を擦り合わせ、手で「それ」を隠しながら、イン娘はおずおずと声を絞り出す。
イン娘「は、恥ずかしいですよ、やっぱり……。それに……ボクばっかり、見られて……不公平です」
それも、そうーーーーと得心し、勇者も、するすると服を脱ぎ捨てていく。
引き締まり、細身ながらも必要な筋肉の全てを備えた、戦傷をいくつも残した体。
下を脱げば、直前に見えたそれとはまったく違う、雄の器官が現れーーイン娘は、息を呑んだ。
イン娘「お、大き……」
未発達の自らのそれを無意識に手で確かめ、獣の目を覗き込んでしまった時のように、釘付けになった。
それをーーーーこれからどうするのか、理解していただけに、意識が遠のきかけていた。
勇者「……やっぱり、やめようか?」
察し、そう提案するとーー意外にも、彼は首を振った。
イン娘「……ちょ、ちょっとずつ……慣れ、させて……くださいね?」
声には怖れよりも、どこか憧憬、昂揚感も含まれているように聴こえた。
「それ」をどう使われるのか。
「自分」がこれからどうされるのか。
淡い期待すらーーーー多分に。
性は違えど、性としてのあるべき形も間違えどーーーー紛れもない淫魔の性(さが)を、宿して。
523 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/16(月) 07:01:28.87 ID:IReifCsho
ーーーー指先で小さく窄んだ蕾を掻くと、まず、驚きの声が上がった。
背を向けて寝たままのイン娘に、腕枕をするようにして、利き手で彼の『後ろ』を愛撫する。
裸を、特に股間を見られることを恥ずかしがってか、この形で、まず馴らす事になった。
顔が見えないのは残念に思っても、漏れ出る声は、それ以上に気分を高める役目を買って出ていた。
イン娘「ひゃ、うっ…! くぅぅ……!」
掌で右の尻肉を持ち上げながら、隙間から蕾へ中指を這わせる。
感触はまるで赤子の肌のようにきめ細かく、吸い付くような張りに満ちて、触れているだけでも心地よくなれた。
一方、中心にある薄桃色の蕾は細かく窄まり、つんつんと指先で触れると、その度に収縮して敏感に反応を返してくる。
イン娘「んっ……! うぅ、ぁ……変な、感じ……です……」
もじもじと膝を抱え込むように身悶えする姿は、更に劣情を催させた。
動きを止めーー背中へ口づけをしながら、指先、第一関節、第二関節までを滑り込ませていく。
意外にも蕾はそれを受け入れ、少しずつ、自ら開花させながら迎え入れてくれた。
イン娘「きゃひぃっ!」
身体が跳ねてーー拍子に指先までも持っていかれそうになるが、ぐっと右手で臀部を押さえつける。
すぐにその反応はおさまり、力を弱めると、次に侵入させた指を少しずつ中をほぐすように蠢かせる。
524 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/16(月) 07:01:54.49 ID:IReifCsho
肛内は火傷するように熱く、むき出しの肉の質感が指にまとわりついてくる。
ねぶる炎の舌のように、肉は指を飲み込みーーーー反面、その入り口は固く閉じて、それ以上の進入を突っぱねてもいた。
それでも肉孔を弄ぶうちに、門はだんだんと緩み、ついには、指を根元まで迎え入れてしまった。
イン娘「お、尻……がぁ……! 何か、変……変、ですよぉ……っ!」
枕として首を支えていた腕に、生暖かい水が垂れてくるのが分かる。
浮かされたように細かい呂律を失ったイン娘が、唾液を溢れさせてーー唇の締まりを失っていくのが、分かる。
だらだらと垂れる唾液が腕を伝い、その下のシーツに落ちていく。
その間にも尻への蹂躙は止めず、ぐにぐにと自由に動けるほどに肉襞が馴染み、にじみ出た腸液が指を濡らしていた。
イン娘「ひっ……だ、だめ……だめぇ、お尻、熱い……熱いよぉ……」
勇者「……イン娘」
イン娘「えっ…な、何………ひぅっ……!」
勇者「顔を見たい。仰向けに、するよ」
イン娘「そ、そん……にゃ……恥ずか、……ひゃぁぁっ!」
腕を抜いて、中指を未だ沈めたまま、身体を起こしてからイン娘の右脚を掴んで身体を開かせる。
萎えた足は抵抗すらできず、腹を見せる犬のような姿勢で、あっけなく全てを露わにしてしまった。
525 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/16(月) 07:02:35.06 ID:IReifCsho
ずぶりと根元まで指を受け入れた蕾はひくひくと物欲しそうに収縮し、その上にはーーーー小さな茎が勃っていた。
小さくて皮の張った茎からは、米粒のようなピンクの亀頭がわずかに覗かせて、透明な汁を根元の膨らみまで垂れさせていた。
つい力が籠もり、中指を内側に折り曲げてしまうとーービクン、と揺れて、茎がざわめいたようだ。
イン娘「やめ、てよぉ……見ないで、こんなの……恥ずかしいよ……」
言葉では拒絶を示しながらも、彼の言葉の最後には、甘い吐息が付随している。
この状況を糧として、更なる高揚を得ているようなーーーーそんな被虐心が、透けて見えるようだった。
勇者「……もう、入れてもいいか?」
イン娘「えっ……」
そんな、「少年」の痴態だという事を理解してなおーー股間の滾りは、衰えない。
埋め込んでいた指を引き抜くと、訊ねる。
イン娘「……はい、お願い……します」
高まり、指全てを束ねたよりも太いそれを目で見てからーーーーイン娘は、呆気なく受け入れた。
おずおずと指先で門渡りから自ら広げ、蕾を開かせる。
真っ赤に充血した肉襞が透けて見えて、溶岩の魔窟を想起させるような、魔の体内へ。
亀頭を押し当てると、めりめりと肉の軋む音とともに、しかし入ってしまえば引き込まれるように、ずぶずぶと飲み込まれていった。
イン娘「んぐぅぅっ……い、あぁぁぁぁっ!」
526 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/16(月) 07:03:06.73 ID:IReifCsho
肛門の締め付けを潜り抜け、入り込んでしまえば……獄炎の舌が、今度は指ではなく「雄」を舐り上げる。
煮詰めた糖蜜の海のように、粘るような熱さが、陰茎を締め付け、飲み込む。
イン娘「は、入って……ほんとに……入って、きちゃ……! ひゃあぁぁっ!」
小さな陰茎が、引き絞られた弦のように張り詰める。
わずかに覗いた桃色の亀頭からは、透き通る清水が一筋流れた。
やがて侵入が腸壁に行きあたって止まりーーそこで、「雄」の器官は、八割ほど飲み込まれてしまった。
これ以上の挿入は、できない。
だから。
勇者「苦しくないか?」
イン娘「う、ん…少し……少し、だけ。でも、動いて……いい、ですよ」
勇者「……本当にいいのか?」
イン娘「はい。痛く、ない……ですから。ちょっとだけ、痺れる……みたいな感じですけど」
勇者「……それ、じゃ……!」
腰を引くと、焼け付いた腸壁を剥がすように、ゆっくりと抜けていく。
抜くときは、肛門の本来の働きゆえからーー抵抗はない。
それでも本来性交に用いる部分ではないため、あまり強くそうする事はできなかった。
雁首までを引き戻す動きの中で、イン娘の張りつめた茎は、三度ひくついた。
イン娘「ん、あぅぅ……! そ、そこ……はぁ…」
もう一度、腸内へ突きこむとき。
亀頭が、肛門ほど近い腸壁の裏側にこりこりとした質感を認め、浅く行き来し、そこを擦る。
その度にイン娘の身体がびくびくと弓なりに跳ね、肛門はきゅっと締まり、明確な反応を示す。
この正体はーーーー睾丸であるはずはない。この部位にあるものなど、到底分からなかった。
勇者「これ……は……何だ?」
イン娘「だ、だめ……だめ、だめぇっ! そこ、こりこりって…し、ひゃ……やらっ……!」
三度、四度、その妙な反応、妙な感触を探ろうとして擦り込むとーーーー次の瞬間、白い迸りがイン娘の胸を、顔を穢した。
乳白色に沈んだそれは、よく知っている。
だが自らのそれは今もイン娘の肉孔深くに打ち込まれている。
視線を落とすとーーーーその源が、ひくひくと萎えて打ち震えていた。
528 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/16(月) 07:04:22.48 ID:IReifCsho
イン娘「あ、熱……いぃ…。ボクの、おちんちん……変、ですぅ……びくん、びくんっ、って……何か、でて……」
勇者「精液だ。わからないのか?」
イン娘「えっ…?」
勇者「精液。男はこれが出る。後は……まぁ、誰かに訊くといい」
イン娘「じゃ、ボク……男の子、に……なれた、んですね?」
満更でもなさそうにーー彼は、指先で顔のそれを拭い、確かめて糸を引かせた。
ねちゃねちゃとした白濁、半ゼリー状のそれをーーーー自分以外のものをみたのは、初めてだった。
イン娘「……んひっ!?」
ずぶんっ、と肉の孔を穿ち、再び、奥深くへと押し込む。
何故かはわからないが、確信があった。
もう、彼はーーーー在り方に迷う、不安定な魔族ではない。
自分の存在を確信して立つ、『淫魔』なのだと。
隣国の幼い淫魔は、性交を経て、魔力を思いのまま振るう『淫魔』となる。
それと同じく、夜の儀式を経て、初めて、淫魔は自らを知る。
ーーーーもはや、彼には檻など必要ないのだろう。
529 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/16(月) 07:04:59.98 ID:IReifCsho
イン娘「ひっ…は、激し……よ…ぉ……! ひゃっ! や、やぁ…また、ボクの……」
腰を打ちつけるうちに、イン娘のそれは再び硬くなり、数度の抽挿でまたも精を放った。
放ったばかりだというのにどろりと濃く、量も変わらず……生クリームのように、彼の裸の胸を飾った。
イン娘「お尻……いい、気持ちいい……よぉ……もっと……ずぼずぼ、して……くだ、さ……あんっ!」
声はだんだんと甘くなり、その度、肛門がきゅっきゅっと絞られる。
括約筋との連動でそのたびに甘く勃った茎が揺れて、硬さを取り戻していく。
あたかもーーサキュバス達が、堕女神が、何度も絶頂を繰り返すのと同じように。
蜜のように漏れた腸液と先走りがぶちゅぶちゅと音を立てて混じり合い、陰茎にまとわりつき、潤滑の役割をもたらす。
そのまま、数度するとーーーー下腹の内に、熱を帯びた塊が降りて、時を待つのが分かった。
イン娘「だ、出して……ボクの、えっちな……お尻に……いっぱい、出して……っ!」
昂った情欲が、やがて精道を伝いーーーー鈴口を押し広げるように、塊を吐き出す。
イン娘の、直腸へーーーー溜めに溜めたように、絶えない射精がなされる。
腸を登り、胃にまで逆流してしまいそうなほどの、熱い奔流だった。
イン娘「出、る……!ん、あぁぁ! また出るぅぅっ!!」
甘勃ちのままーーーーイン娘は、同時に達して、自らの腹筋から胸、顔までを重ね塗った。
涙と、洟と、唾液とーーーー自らの精にまみれて、イン娘は、やがて眠った。
530 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/16(月) 07:07:56.05 ID:IReifCsho
今日は異常、いや以上
今回最後って言ったけど明日深夜、ラストちょろっと投下して終わりです
html化を出す前に、エピローグ的な何かをやるかもしれない
つか投下してから見るとダッシュ多すぎて読みづらい
深夜のテンションで書くもんじゃないわ……orz
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/02/16(月) 10:27:50.02 ID:eK19pxVy0
おつ
さすが勇者万能だなー
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/02/16(月) 12:03:15.97 ID:Wdwwm1UZ0
あれ?
ホモォは無理だったはずなんだけど
息子が起床したんですがそれは・・・
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/02/16(月) 12:18:58.94 ID:dT3VeYbmO
よう兄弟。
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/02/16(月) 16:37:31.67 ID:43zY7fDy0
アッー
546 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/17(火) 04:16:17.40 ID:XsLV0urGo
こんばんは
ものすごい背徳感に襲われながら、どうにかラスト部分へこぎつけました
見てやってくれてありがとうございました
それでは、投下。
547 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/17(火) 04:17:19.02 ID:XsLV0urGo
ーーーーーーーー
イン娘の身体を拭ってから、勇者は椅子で朝を待った。
やがて明け方近くになると、小さなノックの音がして、つい身構えた。
城中には誰も残っていないし、戻ってくるのは昼前のはずだ。
何より、勇者がここにいると知る者などいないはず。
勇者ではなく、イン娘を……何者かが訪れた事になる。
緊張が走る。
その当事者は寝息を立てていて、起きる気配はない。
剣を引き寄せて身構えながら扉の前へ行くとーーーー
???「私ですわ。入ってもよろしいですか?」
ここにいるはずのない、それでも慣れ親しんだ、サキュバスAの声だった。
勇者「……静かにな。今……眠った所……なのに?」
扉を開けて入ってきたサキュバスAの姿を認めて……そこで、気付く。
イン娘は紛れも無く眠りについているのに、あの現象は起きていない。
サキュバスAの姿は、まったくのいつも通りだった。
小憎らしいしぐさも、猫なで声も、唇の端をいつも持ち上げているような、艶やかな表情も。
サキュバスA「あらぁ。沢山してもらって、すっかりおネムかしら」
勇者「何でここにいるんだ」
サキュバスA「何で、というより……いつから、ですわね。ええ、ずっと……隣のお部屋に」
勇者「ずっと!?」
548 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/17(火) 04:18:56.32 ID:XsLV0urGo
サキュバスA「陛下、お静かに。起きてしまいますわよ?」
立てた人差し指でしーっ、とサインを作り、子供に言い聞かせるように彼女は言った。
勇者「…………」
サキュバスA「それにしても、陛下…まさか、稚児趣味に走るだなんて。ああ、お館様がなんと申されましょう……」
勇者「お館様、は俺だ。変な演技をしないでくれ。ともかく、サキュバスA。何でここにいるんだ?」
サキュバスA「……陛下をお守りするために。そして……試すため」
勇者「試す、だって?」
サキュバスA「昨晩、淫魔二人から精気を吸い取ったのなら、今晩は少なくとも起こらないと踏みました。……だって、足りているのですもの」
さらにサキュバスAは付け加える。
昨晩、城内の淫魔を昏倒させてまで徴収して、記憶まで戻ったのならば今日は起こらない可能性があると。
生まれに育ち、この城へ来た経緯の記憶に、体力、全てが回復したというのならば。
連日で起こる筈などないと考えーー実証するために、彼の隣の部屋へ隠れていたと。
もしも彼とともにいて何か違う事が起きてしまったのなら、サキュバスCがそうしたようにーー助けに入るべく。
勇者「なんで、そんな事……」
サキュバスA「陛下。結局のところ、『彼』の暴走が収まったかどうかは……誰かが試さねば、分かりませんわよ」
549 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/17(火) 04:19:46.13 ID:XsLV0urGo
勇者「だが……」
サキュバスA「それにしても……まさか、あんな方法で、なんて?」
重たくなりかけた空気を寸前で止めるように、彼女はくすくすと笑いをこぼして、からかう口調に戻る。
サキュバスA「確かに精気を欲しがっているなら陛下が注ぎ込んでしまえばいいでしょうけれど。
それでも差引でかなりのマイナスになるのでは……?」
勇者「……多分、もう起こらないだろう。イン娘が射精した時に、……気付いたんだよ」
『変化』した感覚があった。
かつての七日間の中で隣女王が夜の中で『変化』した時と同じ、古い殻を脱ぎ捨て、
羽化したような……言葉にしがたい、奇妙な一致。
それが彼の精通によるものか、貫かれて失った事によるものかは分からない。
恐らく、彼は目覚めた時には自らの魔力を制御できるようになっているはずだ。
事実、今はもうーーーー彼の寝姿を間近に見ていられるほど、穏やかな空気が漂っている。
来た晩と、昨晩とに現れた、異質な空気はもうない。
550 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/17(火) 04:20:23.32 ID:XsLV0urGo
サキュバスA「それで……陛下、どうでしたの?」
勇者「どう、とは?」
サキュバスA「ふふ、おとぼけになって。……滾りましたか?」
勇者「……いや、どう答えても揚げ足を取る気だな」
サキュバスA「ええ、まぁ。……それで、この子はどうなさいますの?」
勇者「ひとまず、そうだな。城に住まわせようと思う」
サキュバスA「……変な住民がまた一人。あの触手の紳士を連れ帰ったかと思えば、これですか?」
勇者「ローパーに比べたら常識的だろ?」
サキュバスA「ですわね。ひとまずサキュバスBに面倒を見させましょうか。『先輩として』ね」
勇者「ああ、助かる。……それにしても、なぜ、お前は……」
サキュバスA「はい、なんですの?」
勇者「お前は……なぜ、ここまでしてくれるんだ? あの時、だって……」
導くような言葉を、いつも掛けてくれる。
かつての七日間、迷いを優しく払いのけてくれたのも彼女だった。
彼女の言葉でーーーー自分は、『勇者』としての在りようを、『誇り』を、思い出せた。
551 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/17(火) 04:20:59.55 ID:XsLV0urGo
サキュバスA「あの時……とは?」
勇者「……いや、覚えてないさ。何でもない」
サキュバスA「何を仰せかは分かりませんけれど。……強いて申さば、贖おうとしているのやも」
勇者「え……?」
サキュバスA「……いえ、何でも。それより陛下。お夜食……いえ、早めの朝食でも用意いたしましょう。運んで参りますわ」
時刻は、深夜を過ぎて早暁。
もう少し経てば日も昇るだろう。
サキュバスA「それにしても、これだけ近くで話し込んでも起きないなんて。大物ですわね」
部屋から出る前に、サキュバスAは、毛布にくるまって眠る彼の顔を覗きこみ、ふっ、と息を吹きかける。
それでもイン娘は目を覚まさず、長い睫毛をかすかに動かすだけだった。
目を覚ました時には、恐らくーーーーまたも、女物の服をあてがう事になるだろう。
勇者「……分からない事ばかりが増えていくな、本当に」
サキュバスAが部屋を出て、またも二人になった部屋で一人ごちる。
窓の外は雪も止み、今出て行ったサキュバスの瞳の色と、同じ色の雲がどこまでも続いていた。
ーーーー淫魔の国の冬に起こった、事件の一幕。
帰結は、この国にまた一人……『淫魔』が住む事になった。
完
552 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/17(火) 04:23:28.64 ID:XsLV0urGo
ひとまず完結です……が、少しばかりエピローグも差し込みたい
まぁ、なんていうかふつうのHで中和したい、さすがにこれは好みが分かれる
ひとまず会社があるので寝ます
その辺の諸々はまた明日夜にでもちょっと話したいです
おやすみなさいまし
おつんこ!
554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/02/17(火) 04:47:24.49 ID:6D0cuSxwO
乙
楽しみに待ってる
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/02/17(火) 09:09:22.08 ID:yP7Wqa5Eo
乙
エピローグ楽しみ
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