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勇者「真夏の昼の淫魔の国」

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Part13
519 :堕女神「…………休日、ですか」 :2013/10/14(月) 00:41:51.90 ID:hk52MCZ3o
****
その日も、いつものように目が覚めた。
寝台から身を起こして、鏡台の前で髪を梳いて、前夜から決めていた服を取り出して鏡を向く。
堕女神「……あ」
その時、思い出す。
主は昨日出かけて、今日からしばらくの間、『休日』というものを貰っていた事に。
城の管理を他の使用人に任せる為の引き継ぎは、昨日のうちに全て済ませた。
『王』の計らいで休みを取る旨を告げると、喜んで、みな口々に労いの言葉をくれた。
堕女神「休み、と……申されましても。何を……すれば、いいのか……」
『二度寝』というものを体験してみようと思っても、既に髪を整え、服を着てしまった。
それに、とても眠気など起こらない。
普段ならすぐに朝食の支度に入り、使用人達に指示を与えるのに、どれも、する必要がない。
仕事をしなくていい。
好きなように過ごしていていい。
それが『休日』だというのに、やりたい事がひとつも見つからない。
惰眠を貪るにも、落ち着かない。
まるで宙に放り出され、天地を定めてくれる重力さえも奪われてしまったようだった。
ひとまずベッドに腰掛けて、外を見る。
暁に焼けた空は、一日の始まりを告げていた。

520 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/10/14(月) 00:42:20.70 ID:hk52MCZ3o
予定を何とかして捻りだそうとしていると、不意にドアがノックされる。
はっとして顔を上げると、考えている間に鮮やかに赤かった空は青みを取り戻していた。
メイド「失礼します、朝食の準備が整いました」
堕女神「えっ…? わ、私に……でしょうか?」
メイド「はい。僭越ながら、私どもの方で支度をさせていただきました。余計でしたでしょうか……」
律儀に礼装を着た獣人種のメイドの一人が、入室するなりそう言った。
堕女神「それでは、ご厚意に感謝いたします。しかし、何故……」
メイド「本日からご休養との事でしたので。せめて、これぐらいは……と」
堕女神「……ありがとう、ございます」
メイド「い、いえ……。さぁ、食卓の間へどうぞ」
思わず、顔が緩んでしまった。
彼女の厚意が、素直に沁み入る。
どういう訳か、彼女の方は少したじろいで、部屋を出ていってしまった。
朝食を終えると、段々と日が高く、気温が上がっていくのが分かった。
ひとまず、午前中は庭園の東屋のひとつで読書を嗜む事にした。
庭園で仕事に勤しむ者達を尻目に、というのは妙な罪悪感があって、読み始めの数ページは頭に入らなかった。
だがそれでも読み進むうちに没頭し、そのささやかな咎めは消えていく。
眠る前に読む事をささやかな楽しみにしていたそれを、存分に読み耽る。
内容は、なんのこともない娯楽文学だ。
人間界を舞台として軽妙な文体で綴られていく、小さな少年の、成長と冒険の物語。

521 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/10/14(月) 00:42:51.50 ID:hk52MCZ3o
夏の日差しは、深緑のカーテンで覆われたこの東屋には届かない。
ときおり抜けるさほど強くない風は涼しくて、心地よかった。
堕女神「……ふ、ぁ……」
気付けば、数時間。
こらえ切れなかった欠伸が、風に溶けていった。
これほどまで力を抜いて過ごせる時間は、久しぶり……いや、初めてかもしれない。
当初に感じていた、働く者達への申し訳なさも、早くも感じない。
考えてもみれば、彼女らとて交代で休みは取るし、別にそれを負い目に感じる必要もなかったのに。
再び、頁に目を落とすと――――
???「もう、いやらしい本を読んでお勉強? 御真面目ですこと」
堕女神「さっ……!?」
耳元で囁かれた聞き覚えのある声に、ぞわりと全身の毛が逆立つような感覚を覚えた。
本を取り落としかけ、慌てて受け止めながら振り返るもそこにはいない。
再び前を向けば、向かいの椅子に当然そうにサキュバスAが座っていた。
サキュA「Bが言っておりましたわ。今日からお休みなんですって?」
堕女神「な、何故あなたがここに? 城へ戻るのは明後日からでは……」
サキュA「堕女神さんの休日のご予定などを伺いに。読書も結構ですが、休日しか出来ない事でもないでしょうに」
いつの間にか、その手にはティーカップがある。
気付けばこちらの前にも茶が注がれていて、琥珀色の液面に細波が立ち、きらりと陽光を反射させていた。
堕女神「……いえ、当てましょうか。せっかく休日を貰ったはいいものの、過ごし方など分からずとりあえず、というところかしら?」
図星を突かれ、何も言えない。

522 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/10/14(月) 00:43:25.83 ID:hk52MCZ3o
サキュA「Bを見習いなさいな。カードショップに入り浸り、夏物の服を買い漁り、……そして昨日は酒酔い飛行で墜落。今は回復して虫捕り」
堕女神「お酒を飲ませたのですか?」
サキュA「あれでも成年ですもの。……ところで、ご予定が立たないのでしたら……夕飯は、私とご一緒しませんこと?」
堕女神「……私が?」
サキュA「あら、私とはお嫌? 何も危ない事はしませんわ。いえ、お望みでしたら手取り足取り胸取り尻取り、お好きなようにしっぽりと……」
堕女神「そ、そういう話はしておりません!」
サキュA「淫魔流のジョークですわ。通じないお方」
堕女神「ですから……からかうのは止めてください。何処へ行くと?」
サキュA「それは私にお任せを。悪いようにはしないと誓いますわ」
堕女神「…………」
サキュA「……城下の皆も、堕女神さんに会いたがっておりましてよ」
堕女神「え……?」
サキュA「ともかく。ともかく……折角なのですし、外に出てはいかが?」
彼女は相変わらず掴みどころのない節回しをしているが、こちらを向いた瞳にはどこか真摯なものがある。
堕女神「それ、では……私でよければ、ご一緒させていただけますか。それと、一つ……お願いがございます」
サキュA「お願い?」
堕女神「後でお話いたします。その……素面では、中々……言いづらくて」
サキュA「……何だか、妙な予感がしますわね」

523 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/10/14(月) 00:43:54.00 ID:hk52MCZ3o
******
ほんの少しだけよそ行きの装いをして、サキュバスAと待ち合わせた時間に、城のエントランスへ向かう。
そこには彼女が既に待っていて、エントランスに飾られた絵画などを――――
もう飽きる程見て感慨も無いだろうに、時間を潰すように眺めていた。
堕女神「お待たせいたしました。……ところで、どちらに?」
彼女は振り返ると、少しだけ微笑んでみせた。
サキュA「それは、お楽しみという事で。さぁ、参りましょうか」
堕女神「はい」
歩いて、玄関を下りる。
それだけの事に、少しだけ……高揚した。
どこかへ出かけるために、『休み』を過ごすためだけに城を出る。
初めての事で、あまりの高揚感で、逆に背徳的にさえ感じた。
堕女神「……ところで、今年の休日はどのようにお過ごしになられておりました?」
サキュA「そうですわね。秋物の衣類を買い込んだり……一言では申せませんが、羽根を伸ばしておりました。もちろんお酒も」
堕女神「お酒……」
サキュA「お城でも寝酒程度は嗜めますが、酔っ払えるのは休日ぐらいですわね」
堕女神「私も、嗜む程度はしますが……『酔った』事はありませんね」
サキュA「ならば今宵は飲み明かしましょう。ええ、吐くまで。」
馬蹄形の階段を下りて、石畳を歩き、門を潜って城下町へ出る。
そこは夜とは思えない程の活気があり……思わず、浮き立ってしまう。


524 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/10/14(月) 00:44:28.64 ID:hk52MCZ3o
真っ暗な夜空とは対照的に、通りは明るく歓声が絶えない。
さすがに子供の姿は無いが、通りに置かれたテーブルの上の不思議な色に燃えるキャンドルや、ふわふわと浮かぶ鬼火が町を照らしていた。
一日の商いを終えた淫魔達が、あちらこちらの酒場で飲み交わす声が聴こえる。
堕女神の姿に気付いた者は、声を掛けて手を振ってくれた。
照れながらも会釈をすると、彼女らはいっそう優しく微笑んでくれる。
堕女神「……なぜ、私に……挨拶などを?」
サキュA「貴女は、自分で思うよりも慕われているのですよ。さぁ、ここですわ」
堕女神「ここ……?」
サキュバスAが指し示した先には、一件の酒場があった。
サキュA「ほらほら、入った入った。本日の主役はあなたでしてよ?」
堕女神「あっ……! お、押さな……」
ぐいぐいと背中を押されていき、その勢いで扉を開いて中へ入る。
そこには、何の事もない……『酒場』の風景が広がっていた。
まるで優艶とは程遠い、乱雑に並んだ木のテーブル。
壁際には大樽と小さな樽を組み合わせてテーブルセットに見立てた席。
カウンター席は妙に高く、その中では怠そうに一人のサキュバスが酒を注ぎ、一人は給仕として忙しなく働いていた。
その中で淫魔達は酌み交わし、談笑していた。
奇矯にも彼女らは入り口の堕女神、そしてサキュバスAへ視線をくれる事もない。
サキュA「何をなさってますの? さぁ、座りましょう」
堕女神「え……えぇ」
サキュA「……もしかして、このようなお店に来るのは初めてで?」
堕女神「っ…………」
図星を突かれ、声も漏らせない。
顔まで赤くなってしまったがサキュバスAはそれをからかうことなく、優しく肩を抱いて、奥の席へと誘ってくれた

525 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/10/14(月) 00:45:10.16 ID:hk52MCZ3o
サキュA「誰にでも、『はじめて』はございましてよ。それが遅いからといって恥じ入るものではありませんし、早ければ偉いというものでもございませんよ」
サキュバスAはこともなげに、本心からそう言っているようだったが……どこかに、淫靡な含みがある。
やがて奥の二人掛けのテーブル席につくと、どちらからともなく座った。
サキュA「さて、何になさいます? ちなみにこの時期、温かい料理は置いてませんよ」
堕女神「え? ……それは、なぜ」
給仕「こんな暑いのに、マジメに火なんて使ってらんねーわよ、って事よ」
声はサキュバスAのものではない。
右手側を振り向くと、そこには前掛けをつけた給仕が立っていた。
ぴんと立った耳、スカートの裾から覗くふさふさの尻尾、長く尖った爪に、高い鼻。
おそらくは、『狐』の化身だ。
給仕「ようこそ、堕女神様。何になさる? まずはお飲物は何にしますかね」
堕女神「そうですね。何が――――」
サキュA「エール酒の大をふたついただけるかしら」
給仕「はいよ。大エール二丁ね」
堕女神「え……!?」
希望を聞きもせず、手慣れた様子で勝手に注文され――――狼狽える堕女神へ目もくれず、彼女は行ってしまった。

526 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/10/14(月) 00:45:41.78 ID:hk52MCZ3o
堕女神「さ、サキュバスA? 何を……」
サキュA「こういう場所では、何はなくともまずエール。それが美学というものでしてよ?」
堕女神「そ……そうなのですか?」
サキュA「間違いありませんわ。それでは、お料理は何にいたします?」
堕女神「お任せいたします。おすすめは何ですか?」
サキュA「スモークサーモンの冷製、空豆と季節野菜のサラダ、ローストビーフと各種酒菜の盛り合わせ等。お嫌いな物は?」
堕女神「いえ、ありません」
サキュA「分かりました。では、色々頼んでみましょうか」
注文は彼女に任せながらも、羊皮紙に記された品書きを見ていると、つい楽しくなってしまった。
酒の名前も、ワイン程度しか知らなかったのに、ズラリと並んだドリンクの名前には目を奪われた。
もちろんワインもあるし、蒸留酒に果実酒、さらにはそれらを混ぜ合わせて作るカクテルまで。
ざっと探すだけで、百種は揃っていて、名前からはどれもピンとこないのに、目を輝かせて魅入ってしまっている。
サキュA「……堕女神、さん?」
堕女神「え!?」
サキュA「まだお酒も届いていないし会話も弾んでいないのに、随分と楽しそうですこと」
堕女神「すみません、つい。……見慣れない事柄ばかりでして」
サキュA「……最初の一杯を飲み終えたらいくつか、他のお酒を試しましょうか?」
堕女神「はい、是非」

527 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/10/14(月) 00:46:24.23 ID:hk52MCZ3o
その時、ようやく最初に頼んだエールが到着する。
先ほどの給仕が持ってきたのは、小さな樽に持ち手を付けたような、飾り気のない、くすんだ色の木製のジョッキだった。
その表面には濃密な泡がなみなみと注がれているため、どれだけ目を丸くしても、中身の様子はまるで見えない。
サキュA「さぁ、まずは乾杯といたしましょう。堕女神さん? どうなさって……」
堕女神「え? あ、ああ……はい。えっと……」
両手で取っ手を掴み、目前のサキュバスと同じように高く持ち上げる。
取っ手の中に指を通すという事は思いつかずに、両手を震わせながら保持した。
そこへジョッキが打ち当たり、直後、サキュバスAが喉を鳴らしてその中身を飲み下す。
倣うようにして口をつけ、泡ごと啜りこむと――――苦味の中に麦の甘さが溶け込んだ液体が、喉を潤してくれた。
サキュA「夏はやはりこれですわ。……それに、しても……」
堕女神「?」
サキュA「いえ……Bにも声をかけたのに。まだ来ない……なんて」
堕女神「彼女も?」
サキュA「ええ。そろそろいい時間のはず。……まぁ、今少しはお喋りに興じるとしましょうか?」
堕女神「はい」
サキュA「、ところで陛下のどこがお好きですか?」
堕女神「ぶふっ……!? っ、けほ……」
サキュA「あらあら、可愛らしい反応」
堕女神「あ、貴女……何を……!」

528 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/10/14(月) 00:46:55.16 ID:hk52MCZ3o
サキュA「ご冗談、ご冗談。いくらなんでもそんな直球の質問などしません。少なくともまだ」
堕女神「…………」
噴きこぼした酒を備え付けのナプキンで拭いている間に、一皿目の料理が運ばれてきた。
そこから、他に頼んでいた料理が次々に到着する。
盛り付けは、いつも城でそうしているのに比べると雑なものだった。
なのに――――この酒場の喧噪の中では、どれもがおいしそうに見えた。
サキュバスAが無言で促すので、まず、ローストビーフの薄切りを口に運ぶ。
口から僅かにはみ出す大きさのそれを、唇を蠢かせて口内に収め、噛み締める。
溢れた肉汁を喉の奥へと流し込みながら、一口、二口と飲み込んで、再び酒へ口をつけた。
堕女神「……とても、美味しいです」
サキュA「でしょう? このお店の肉料理は最高ですよ。秋からはリブステーキも始まりますから、また来ましょう」
堕女神「…………また」
サキュA「ところで、堕女神さん。先ほどから……何か、ご不思議な事でも?」
堕女神「え? あ、いえ……。それはともかく、サキュバスB……は……?」
サキュA「時間も場所も、ちゃんと伝えてあるのに。あの子と来たらいつも……」
堕女神「これもまた不思議なのですが。サキュバスBとあなたが、ああも仲が良いのが」
サキュA「え?」
堕女神「畏れながら、類型が違うというか……あなたと彼女では、性格も……趣向も。およそ、似ている部分は見受けられなくて」
サキュA「……そうですわねぇ。でも、そういうものではなくて?」
堕女神「は……」

529 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/10/14(月) 00:47:44.38 ID:hk52MCZ3o
サキュA「『違う』からこそ、ともに居て楽しいのです。自分を丸写ししたような相手といても面白くはありませんわ。
      ……それにあの子はからかい甲斐がありますもの、ね?」
言うと彼女はエールを飲み干し、次いで給仕を呼び寄せ、メニューを指さして追加の酒を頼んだ。
サキュA「それに実はあの子、意外とサキュバスとしてはやりますのよ?」
堕女神「はぁ……」
サキュA「殿方の願望のひとつ。『明るくてちょっとお莫迦で、ませた少女』とあれやこれや。奇妙にも、この浪漫は無くなる様子がございません」
堕女神「…………中々、深いものですね」
給仕「いや、それ言ったら堕女神様も悪くはないですよ? はい、お待ち。ご注文の発泡ワイン」
先ほどの給仕が、サキュバスAの前に細口のグラスとボトルを置きながら話題に混ざってきた。
給仕「真面目で堅物、隙無し。でも実は意外とエロい。なかなか強力だと思いますがね」
堕女神「だっ……誰の事ですか!?」
サキュA「ええ、その通り。話が分かりますわね」
給仕「ちなみにあんたも。飄々としてるくせに中身はドM。垂涎よ、垂涎」
サキュA「ん、なっ……!?」
給仕「それじゃごゆっくり、お二人さん。ご注文があればお呼びくださぁい」
尻尾をふりふり、給仕はカウンター内へ戻ってしまう。
残されたのは、辻斬りに性情を暴露されてしまった『淫魔』が二人。

530 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/10/14(月) 00:48:11.14 ID:hk52MCZ3o
堕女神「……そ、その。お注ぎ……します」
サキュA「え、あ、あぁ……はい、どうも」
気まずい間を誤魔化すように、堕女神がボトルを取り、サキュバスAのグラスに注ぐ。
薄い黄金の液体に、細かな泡が混じり、細いグラスを埋めていく。
注ぎ終えると、彼女はそれを一息に干した。
サキュA「ふー……」
堕女神「……あ、あの。サキュバスA?」
サキュA「……全く。私が言いたかったのに」
堕女神「えっ」
サキュA「何でもございませんわ。全くもう」
サラダを頬張り、手酌で注いだ酒を仰ぐ。
ほんの数分もせずに発泡ワインの瓶は半分まで空いてしまい、すぐに彼女の目は品書きの上を滑る。
サキュA「……ところで、あの方が『勇者』だったという事は、当然知っていますわよね」
堕女神「……はい。確かにお聞きしました」
品書きの上に目を落としながらも、サキュバスAの声は鋭く、落ち着いていた。
サキュA「なら。人間界につい最近『魔王』が現れた、という事になりますわね?」
堕女神「……はい」

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