幼馴染「今日はハロウィンだよね♪」
Part2
26 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 22:45:33 M0yTOYaY
幼馴染「それじゃあ、セックスは何のためにすると思う?」
少女「えっ?! 何のためって、お互いに好きだからするんじゃないんですか」
幼馴染「そういうことじゃなくて、勃起している陰茎に性的な刺激を与えたら、男の人はどうなると思う?」
少女「性的な刺激を与えると、精液を射精すると思います」
少女「……あれっ? もしかして、セックスをしたら射精するんですか?!」
幼馴染「うん、そうだよ。そうしたら、女性器の中にたくさんの精子が入ってくることになるよね」
少女「それって、赤ちゃんが出来るんじゃ……」
幼馴染「はい、大正解♪ セックスは赤ちゃんを作るためにすることなの」
少女「ええっ、そうなんだ!」
幼馴染「それって、すっごく大事なことだよね。だからセックスをするということは、母親として新しい命に責任を持つことが出来るということなのよ」
少女「それじゃあ、セックスは軽い気持ちでしてはいけないんですね」
幼馴染「咲希ちゃん、そのことは絶対に忘れないでね」
27 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 22:47:49 M0yTOYaY
少女「でも、少しおかしくないですか」
幼馴染「おかしいって、何が?」
少女「幼馴染さんは男さんと付き合っているから、エッチなことも普通にしているって言っていましたよね。それなのに、どうして赤ちゃんがいないんですか」
幼馴染「それは避妊をしているからなの」
少女「避妊?」
幼馴染「望まない妊娠をしないように、避妊具を使ってセックスをすることだよ。私はコンドームを使っているんだけど、それは性行為で感染する病気を防ぐ効果もあるの」
少女「コンドームとか性行為で感染する病気とか、それって何なんですか?」
幼馴染「じゃあ、スマホで検索してみよっか!」
28 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 22:50:23 M0yTOYaY
男「幼馴染、ちょっと待て。さすがにスマホ検索はやりすぎだろ」
俺は慌てて、キッチンから幼馴染に声を掛けた。
黙って聞いていれば、小学生にどこまで教えるつもりなんだよ。
軽い気持ちでしてはいけないと分かれば、それで十分じゃないのか?
幼馴染「そうやって教えないから、中高生が妊娠して中絶したり、生まれてすぐに捨てられる赤ちゃんがいるのよ。そんなの、みんな傷付くだけだと思う」
男「咲希ちゃんに限って、そんなことはないだろ」
幼馴染「そうかもしれないけど、リスクを背負うのは女の子なんだよ。それに、万が一ってこともないとは限らないでしょ」
男「それはそうだけど……」
幼馴染「咲希ちゃんのことを大切だと思うなら、私に任せてくれないかなあ」
男「……分かった、もう幼馴染に任せるよ。ちょっと買い物に行ってくるから、その間にちゃんと教えてあげてくれ」
幼馴染「了解♪ それじゃあ、行ってらっしゃい~」
少女「えっ……あっ、行ってらっしゃい」
29 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 22:57:07 M0yTOYaY
俺は家を出て、近所のスーパーに行くことにした。
今の様子だと咲希ちゃんは長居をしそうだし、ハロウィンらしいものを買ってこよう。
そう考えて、幼馴染の言葉を思い出した。
咲希ちゃんのことが大切だと思うならーーか。
初めて咲希ちゃんに会ったのは、高校生になってすぐのことだ。
俺の母親が入学祝いを持って会いに来たときに、小さな女の子が一緒にいたのだ。
その姿を見た瞬間、俺は妹が生き返ったかのような錯覚に囚われた。
それくらいに、彼女の容姿は妹にそっくりだった。
その1ヶ月後、彼女が『ひまわりの家』に入所してきた。
両親が交通事故に遭い、彼女だけが残されてしまったからだ。
俺はそのときに、初めて彼女の名前を知った。
『さき』
それは死んだ妹と同じ名前だった。
30 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:00:58 M0yTOYaY
咲希ちゃんにとって、俺だけが唯一の血縁者だ。
そのことは彼女も知っている。
一度会っていたこともあり、何かとよく俺に頼ってきた。
遊んで欲しいとか、勉強を教えて欲しいとか。
ときには、夜に寂しくなって俺の部屋に来ることもあった。
それらのことが、最初は不快だった。
家を出て行った母親の再婚相手との娘なんて、受け入れられるわけがなかった。
しかも、そのせいで妹が殺されたのだから。
そんな気持ちが変わってきたのは、やっぱり妹に似ていたからかもしれない。
それでいて、妹と同じ名前。
いつしか、俺は彼女に妹の面影を重ねるようになっていた。
これからも、咲希ちゃんに笑っていて欲しい。
そして、たくさんのことを経験して欲しい。
『早紀』には出来なかったことが、咲希ちゃんには出来るのだからーー。
31 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:02:27 M0yTOYaY
・・・
・・・・・・
男「ただいま」
買い物から帰ってきて、俺はダイニングにいる二人に声を掛けた。
まだ性教育が続いているのか、楽しくおしゃべりをしているようだ。
それを気にしつつ、テーブルの上に買い物袋を置いた。
幼馴染「あっ、おかえり~」
少女「男さん、おかえりなさい」
男「話は終わったの?」
幼馴染「うん、最低限必要だなと思うことは」
少女「知らないことばっかりで、すごく面白かったです//」
男「そうなんだ。どんな話をしたのか知らないけど、俺から言えることがあるとしたら、軽い女にはならずに自分を大切にして欲しいってことかな」
少女「はい、そうですよね//」
32 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:04:13 M0yTOYaY
幼馴染「ところで、男は何を買ってきたの?」
男「りんご」
幼馴染「ああ、アレをするんだ」
男「咲希ちゃんがいるし、何か余興をしようかなって」
少女「あれって、ダック・アップルですか」
男「そうだけど、ついでに恋占いもしてみる?」
少女「あわわ// そういう人は、い……いないです」
男「ははっ、そうなんだ」
俺は慌てる咲希ちゃんを見やり、キッチンから水を入れたたらいを持ってきた。
そしてフェイスタオルを用意して、りんごを4つ浮かべた。
33 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:09:18 M0yTOYaY
男「ルールはりんごを一番早く取れた人の勝ちってことで」
少女「ふふん、負けませんよ!」
男「おおっ、かなりやる気だな」
少女「もちろんです。それじゃあ、私から挑戦してもいいですか」
男「いいよ」
幼馴染「じゃあ、私が時間を測ってあげるね。用意、スタート!」
その言葉と同時、咲希ちゃんは水の中に顔を突っ込んだ。
りんごがぷかぷかと動き回り、何度も息継ぎをしながらアタックしている。
そういえば、ダック・アップルには2つの由来がある。
ハロウィンがりんごの収穫時期と重なり、豊穣の象徴になっているからというもの。
そしてもう一つは、魔女狩りの時代に、捕まえた魔女を自白させるために行っていた拷問に由来しているというものだ。
咲希ちゃんは、ネコ耳魔法少女の仮装をしている。
後者の由来を考えると、正しい遊び方をしているのかもしれない。
そう考えていると、咲希ちゃんがりんごのヘタを咥えることに成功した。
34 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:13:56 M0yTOYaY
少女「りんほ、ほれふぁした!」
幼馴染「1分12秒。なかなか、いいタイムなんじゃないの?」
少女「この記録はそう簡単には敗れませんよ!」
幼馴染「じゃあ、次は私がするわね。咲希ちゃん、時間をよろしく」
少女「……はい。用意、スタート」
続いて、幼馴染が水の中に顔を突っ込んだ。
幼馴染の仮装はサキュバスなので、魔女狩りの由来には関係なさそうだ。
しかし、サキュバスもりんごには縁がある。
アダムとイブが食べた禁断の果実は、一説ではりんごだと解釈されているからだ。
そして二人に禁断の果実を食べるように唆した蛇が、リリスの夫でもあるサタンだったと言われている。
そう考えると、リリスの子供たちであるリリム・サキュバスが、楽園の外に禁断の果実を持ち出してしまう遊びは興味深いかもしれない。
原罪と失楽園がなければ、人はどうなっていたのだろう。
35 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:15:27 M0yTOYaY
幼馴染「取れたっ!」
少女「幼馴染さんは2分35秒です」
幼馴染「えー、負けちゃった」
少女「だから言ったじゃないですか。次は男さんの番ですよ」
男「それじゃあ、俺TUEEEするけど良いかな」
少女「望むところです! 用意、スタート」
俺は大きく口を開けて、狙ったりんごをたらいの底に押さえつけた。
しかし沈めるときに向きが変わったらしく、思うように咥えられない。
そして息継ぎをして、二度目の挑戦。
今度は生意気にも、ぷかぷかと逃げられてしまった。
思っていたより難しいな、これーー。
36 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:16:28 M0yTOYaY
少女「男さん、1分49秒」
男「今日のところは、これくらいにしておいてやるよ」
幼馴染「何それ、かっこ悪い」
少女「俺ツエーとか言ってたし、1分切ってほしかったですよね~」
幼馴染「ほんとほんと」
男「……」
男「…………」
男「さてと、りんご飴でも作ろうかな」
少女「あっ! 誤魔化した!!」
37 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:21:28 M0yTOYaY
俺は逃げるようにしてキッチンに行き、りんごの水気を拭き取って割り箸を突き刺した。
そしてレシピで分量を調べ、砂糖水を火に掛けた。
幼馴染「私に手伝えることってある?」
男「クッキーの型にサラダ油を塗っといてくれるかな」
幼馴染「うん」
少女「私は飴を掛けるのをやってみたいです」
男「じゃあ、もうすぐしたら出来るからやってみる?」
少女「はいっ!」
しばらくして、俺はトロトロになった飴をクッキングシートに少し垂らし、固まることを確認した。
そして火を止めて、飴の中にりんごを浸してくるくると回した。
後はクッキングシートの上に置いて、冷めるのを待つだけだ。
38 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:27:42 M0yTOYaY
男「それじゃあ、今やったみたいにして、残りを全部してくれるかな。すごく熱いから気を付けてね」
少女「こんな感じで良いですか」
男「そうそう、そんな感じ」
咲希ちゃんは器用に飴を絡め、クッキングシートの上に並べていった。
そしてりんご飴を作り終わると、俺は鍋を受け取り、幼馴染が準備してくれたクッキーの型に残った飴を流し込んだ。
少女「後は冷めるのを待つだけですね♪」
幼馴染「楽しみだね~」
39 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:28:44 M0yTOYaY
少女「ところで、男さん。りんご飴が4つあるってことは、1つはさきさんの分ですよね」
男「さきさん? ああ、妹のことか。そうだよ」
少女「ときどき思うんですけど、私はお母さんに愛されていたのでしょうか」
男「どうして、そう思うの?」
少女「だって、私の名前が早紀さんと同じだからーー。とても優しかった記憶があるけど、私は早紀さんの代わりだったんじゃないのかなって思うときがあるんです」
男「早紀の代わりか」
少女「男さんも私のこと、早紀さんの代わりだと思っていますか?」
その言葉は、俺の心に重く圧し掛かった。
俺も咲希ちゃんに、妹の面影を重ねていた時期がある。
それは妹の代わりだったと言えないこともない。
40 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:32:04 M0yTOYaY
幼馴染「咲希ちゃん、それは言いすぎじゃないかな。男が咲希ちゃんのことを代わりだと思っているなら、妹さんのプリンやりんご飴は作らないでしょ」
少女「あっ……、ごめんなさい」
男「いいよ、別に」
男「俺もむかしは、咲希ちゃんに妹の面影を重ね合わせていたしーー。だからきっと、母親も咲希ちゃんに早紀の姿を重ね合わせていたと思う」
少女「そうなんだ……」
男「でもそれは、悪いことじゃないと思うよ。だって、咲希ちゃんの名前には意味があるだろ」
少女「意味……ですか?」
男「ほら、読み方は一緒だけど、咲希ちゃんの名前には『たくさんの希望が咲いてほしい』という願いが込められているじゃないか。きっと、咲希ちゃんは愛されていたと思うよ」
41 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:35:35 M0yTOYaY
少女「たくさんの希望が咲いてほしい……か。そうだったら良いなーー」
幼馴染「きっと、そうだよ。咲希ちゃんが来る前にね、サキュバスの生い立ちが妹さんに似ているって話をしていたんだけど、考えてみれば、咲希ちゃんもサキュバスなんだよね」
少女「あの、どういう意味ですか」
咲希ちゃんが困った顔で首を傾げると、幼馴染が説明を始めた。
そういえばリリスの子供たちも、父親が誰であれリリムと名付けられている。
その点で言っても、サキュバスと妹は似ているのかもしれない。
幼馴染「ーーそれにね、咲希ちゃんが言ってたよね。サキュバスはすごく良い悪魔だって。それって悪魔じゃなくて、男の人の成長を祝福する女神みたいなものだよね」
少女「そうですね」
幼馴染「最初のリリムは残念なことになってしまったけど、その想いはお母さんのリリスを通じて繋がっていたんだと思う。だから咲希ちゃんも、お母さんを通じて早紀さんの想いが繋がっていると思うの」
42 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:36:31 M0yTOYaY
少女「早紀さんの想いが、お母さんを通じて私にーー」
幼馴染「そうだよ。そして咲希ちゃんと早紀さんの想いが、私たちに繋がっている。私はその繋がりを大切にしていきたい」
少女「そっか、同じ名前だからって悩む必要はなかったんだ」
そう言うと、咲希ちゃんは満面の笑みを浮かべた。
それは、どこにでもいる普通の小学生らしい笑顔だった。
幼馴染「良かったね、咲希ちゃんの笑顔が見られて」
男「幼馴染のおかげだよ。ありがとう」
幼馴染「私にとっても、咲希ちゃんは妹みたいなものだしね」
男「そっか、そうだな」
43 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:38:33 M0yTOYaY
少女「そういえば、りんご飴は冷めてますかねえ」
男「もう大丈夫だと思うよ。今、食べるの?」
少女「いえ、可愛いラッピングをして欲しいです」
男「それじゃあ、少し待っててね」
俺はそう言うと、戸棚から小さい袋とリボンを取り出した。
そして咲希ちゃんが作ったりんご飴に袋をかぶせて、可愛く結んであげた。
少女「ありがとうございます」
男「大丈夫だと思うけど、ゲームで使ったりんごだから早めにね」
少女「はい。でも、これを食べるのは私じゃないんです」
44 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:39:30 M0yTOYaY
どういうことだろう。
そう思っていると、咲希ちゃんはダイニングの写真立てを見詰めた。
少女「早紀お姉ちゃんーー」
少女「ハッピーハロウィン♪」
咲希ちゃんは笑顔で歩み寄り、
かぼちゃプリンの隣にりんご飴をお供えした。
咲希ちゃんの想いが、初めて早紀に繋がったーー。
45 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:43:38 M0yTOYaY
・・・
・・・・・・
日が傾いた頃、咲希ちゃんはりんご飴とべっこう飴を持って施設に帰っていった。
小学生最後のハロウィン。
充実した時間になってくれていればと思う。
幼馴染「紗希ちゃんも大人になったよね」
男「そうだな。初めて会ったときは子供だったのに……」
妹の写真の前にお供えされた、咲希ちゃんが作ったりんご飴。
死んだ妹の想いは、俺たちに繋がっているのだ。
もう少し貯金が貯まって生活が安定すれば、咲希ちゃんと暮らしたい。
そのことは、おいおい幼馴染も含めて3人で話し合おう。
46 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:49:07 M0yTOYaY
男「そういえばさあ、昼過ぎにサキュバスの生い立ちの話しをしていただろ。そのときに、失楽園の話でリリムが出て来ないことを気にしていただろ」
幼馴染「うん」
男「アダムとイブが食べた禁断の果実は、楽園に残っていたリリムたちのことだったのかもしれない。それを大切にしなかったから、唆したサタンは呪いを受けて、アダムとイブは原罪を背負うことになってしまったんだ」
幼馴染「そっか。そうだとしたら、リリスも悲しいね」
男「楽園のはずなのに、リリスやリリムには楽園ではなかったんだろうな」
俺の母親はどうだったのだろうか。
思い返してみれば、入学式などのお祝い事のときには施設に会いに来てくれていた。
妹の死を知ったときは、酷く悲しんでいた。
もしかしたら、一緒に暮らせない理由があったのかもしれない。
サタンが禁断の果実を食べるように唆したように、再婚相手が連れ子を嫌がっていたのかもしれない。
真実は分からないけれど、母親だけは俺と妹のことを愛してくれていた。
だから、咲希ちゃんに妹と同じ名前をつけたのだ。
それだけは間違いないだろうーー。
47 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:50:07 M0yTOYaY
幼馴染「ところで、男性のサキュバスもいるのかなあ」
男「ああ、いるよ。インキュバスって言うんだ」
幼馴染「それもリリムなの?」
男「リリムっていうのは、そもそもリリスから生まれた子供たちのことだから」
幼馴染「そうなんだ。じゃあ、妹さんと兄妹の男もリリムってことになるよねえ」
男「んっ? まあ、そうだな」
幼馴染「それでね、サキュバスは男性の成長を祝福する女神だったでしょ」
男「あ……ああ、そういう話だったな」
幼馴染「そこまで言えば、もう分かるよね?」
48 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:57:29 M0yTOYaY
幼馴染はそう言うと、背中に腕を回して悪魔の羽を取り外した。
サキュバスの仮装から、一人の女性に戻ったのだ。
目の前には、下着姿の幼馴染。
じっと俺を見詰めて、その答えを待っている。
男「これからも大変なことが多いだろうけど、俺は幼馴染を祝福したい」
幼馴染「……うん」
男「お前だけをずっと愛してる」
俺は真剣な眼差しで幼馴染を見詰めて、そっと唇を重ねた。
そして、優しく抱き締めたーー。
49 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:58:09 M0yTOYaY
幼馴染「今日はハロウィンだよね♪」
ー完ー
50 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:59:14 M0yTOYaY
ハロウィンらしくない内容だったかもしれないけど、以上で終わりです。
ありがとうございました。
51 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/11/01(日) 16:03:52 DQYcTe7Q
おつ
52 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/02/01(月) 00:44:10 Tu.NrJCY
いい意味でスレタイ詐欺だった
乙
幼馴染「それじゃあ、セックスは何のためにすると思う?」
少女「えっ?! 何のためって、お互いに好きだからするんじゃないんですか」
幼馴染「そういうことじゃなくて、勃起している陰茎に性的な刺激を与えたら、男の人はどうなると思う?」
少女「性的な刺激を与えると、精液を射精すると思います」
少女「……あれっ? もしかして、セックスをしたら射精するんですか?!」
幼馴染「うん、そうだよ。そうしたら、女性器の中にたくさんの精子が入ってくることになるよね」
少女「それって、赤ちゃんが出来るんじゃ……」
幼馴染「はい、大正解♪ セックスは赤ちゃんを作るためにすることなの」
少女「ええっ、そうなんだ!」
幼馴染「それって、すっごく大事なことだよね。だからセックスをするということは、母親として新しい命に責任を持つことが出来るということなのよ」
少女「それじゃあ、セックスは軽い気持ちでしてはいけないんですね」
幼馴染「咲希ちゃん、そのことは絶対に忘れないでね」
27 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 22:47:49 M0yTOYaY
少女「でも、少しおかしくないですか」
幼馴染「おかしいって、何が?」
少女「幼馴染さんは男さんと付き合っているから、エッチなことも普通にしているって言っていましたよね。それなのに、どうして赤ちゃんがいないんですか」
幼馴染「それは避妊をしているからなの」
少女「避妊?」
幼馴染「望まない妊娠をしないように、避妊具を使ってセックスをすることだよ。私はコンドームを使っているんだけど、それは性行為で感染する病気を防ぐ効果もあるの」
少女「コンドームとか性行為で感染する病気とか、それって何なんですか?」
幼馴染「じゃあ、スマホで検索してみよっか!」
28 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 22:50:23 M0yTOYaY
男「幼馴染、ちょっと待て。さすがにスマホ検索はやりすぎだろ」
俺は慌てて、キッチンから幼馴染に声を掛けた。
黙って聞いていれば、小学生にどこまで教えるつもりなんだよ。
軽い気持ちでしてはいけないと分かれば、それで十分じゃないのか?
幼馴染「そうやって教えないから、中高生が妊娠して中絶したり、生まれてすぐに捨てられる赤ちゃんがいるのよ。そんなの、みんな傷付くだけだと思う」
男「咲希ちゃんに限って、そんなことはないだろ」
幼馴染「そうかもしれないけど、リスクを背負うのは女の子なんだよ。それに、万が一ってこともないとは限らないでしょ」
男「それはそうだけど……」
幼馴染「咲希ちゃんのことを大切だと思うなら、私に任せてくれないかなあ」
男「……分かった、もう幼馴染に任せるよ。ちょっと買い物に行ってくるから、その間にちゃんと教えてあげてくれ」
幼馴染「了解♪ それじゃあ、行ってらっしゃい~」
少女「えっ……あっ、行ってらっしゃい」
29 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 22:57:07 M0yTOYaY
俺は家を出て、近所のスーパーに行くことにした。
今の様子だと咲希ちゃんは長居をしそうだし、ハロウィンらしいものを買ってこよう。
そう考えて、幼馴染の言葉を思い出した。
咲希ちゃんのことが大切だと思うならーーか。
初めて咲希ちゃんに会ったのは、高校生になってすぐのことだ。
俺の母親が入学祝いを持って会いに来たときに、小さな女の子が一緒にいたのだ。
その姿を見た瞬間、俺は妹が生き返ったかのような錯覚に囚われた。
それくらいに、彼女の容姿は妹にそっくりだった。
その1ヶ月後、彼女が『ひまわりの家』に入所してきた。
両親が交通事故に遭い、彼女だけが残されてしまったからだ。
俺はそのときに、初めて彼女の名前を知った。
『さき』
それは死んだ妹と同じ名前だった。
30 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:00:58 M0yTOYaY
咲希ちゃんにとって、俺だけが唯一の血縁者だ。
そのことは彼女も知っている。
一度会っていたこともあり、何かとよく俺に頼ってきた。
遊んで欲しいとか、勉強を教えて欲しいとか。
ときには、夜に寂しくなって俺の部屋に来ることもあった。
それらのことが、最初は不快だった。
家を出て行った母親の再婚相手との娘なんて、受け入れられるわけがなかった。
しかも、そのせいで妹が殺されたのだから。
そんな気持ちが変わってきたのは、やっぱり妹に似ていたからかもしれない。
それでいて、妹と同じ名前。
いつしか、俺は彼女に妹の面影を重ねるようになっていた。
これからも、咲希ちゃんに笑っていて欲しい。
そして、たくさんのことを経験して欲しい。
『早紀』には出来なかったことが、咲希ちゃんには出来るのだからーー。
・・・
・・・・・・
男「ただいま」
買い物から帰ってきて、俺はダイニングにいる二人に声を掛けた。
まだ性教育が続いているのか、楽しくおしゃべりをしているようだ。
それを気にしつつ、テーブルの上に買い物袋を置いた。
幼馴染「あっ、おかえり~」
少女「男さん、おかえりなさい」
男「話は終わったの?」
幼馴染「うん、最低限必要だなと思うことは」
少女「知らないことばっかりで、すごく面白かったです//」
男「そうなんだ。どんな話をしたのか知らないけど、俺から言えることがあるとしたら、軽い女にはならずに自分を大切にして欲しいってことかな」
少女「はい、そうですよね//」
32 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:04:13 M0yTOYaY
幼馴染「ところで、男は何を買ってきたの?」
男「りんご」
幼馴染「ああ、アレをするんだ」
男「咲希ちゃんがいるし、何か余興をしようかなって」
少女「あれって、ダック・アップルですか」
男「そうだけど、ついでに恋占いもしてみる?」
少女「あわわ// そういう人は、い……いないです」
男「ははっ、そうなんだ」
俺は慌てる咲希ちゃんを見やり、キッチンから水を入れたたらいを持ってきた。
そしてフェイスタオルを用意して、りんごを4つ浮かべた。
33 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:09:18 M0yTOYaY
男「ルールはりんごを一番早く取れた人の勝ちってことで」
少女「ふふん、負けませんよ!」
男「おおっ、かなりやる気だな」
少女「もちろんです。それじゃあ、私から挑戦してもいいですか」
男「いいよ」
幼馴染「じゃあ、私が時間を測ってあげるね。用意、スタート!」
その言葉と同時、咲希ちゃんは水の中に顔を突っ込んだ。
りんごがぷかぷかと動き回り、何度も息継ぎをしながらアタックしている。
そういえば、ダック・アップルには2つの由来がある。
ハロウィンがりんごの収穫時期と重なり、豊穣の象徴になっているからというもの。
そしてもう一つは、魔女狩りの時代に、捕まえた魔女を自白させるために行っていた拷問に由来しているというものだ。
咲希ちゃんは、ネコ耳魔法少女の仮装をしている。
後者の由来を考えると、正しい遊び方をしているのかもしれない。
そう考えていると、咲希ちゃんがりんごのヘタを咥えることに成功した。
34 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:13:56 M0yTOYaY
少女「りんほ、ほれふぁした!」
幼馴染「1分12秒。なかなか、いいタイムなんじゃないの?」
少女「この記録はそう簡単には敗れませんよ!」
幼馴染「じゃあ、次は私がするわね。咲希ちゃん、時間をよろしく」
少女「……はい。用意、スタート」
続いて、幼馴染が水の中に顔を突っ込んだ。
幼馴染の仮装はサキュバスなので、魔女狩りの由来には関係なさそうだ。
しかし、サキュバスもりんごには縁がある。
アダムとイブが食べた禁断の果実は、一説ではりんごだと解釈されているからだ。
そして二人に禁断の果実を食べるように唆した蛇が、リリスの夫でもあるサタンだったと言われている。
そう考えると、リリスの子供たちであるリリム・サキュバスが、楽園の外に禁断の果実を持ち出してしまう遊びは興味深いかもしれない。
原罪と失楽園がなければ、人はどうなっていたのだろう。
35 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:15:27 M0yTOYaY
幼馴染「取れたっ!」
少女「幼馴染さんは2分35秒です」
幼馴染「えー、負けちゃった」
少女「だから言ったじゃないですか。次は男さんの番ですよ」
男「それじゃあ、俺TUEEEするけど良いかな」
少女「望むところです! 用意、スタート」
俺は大きく口を開けて、狙ったりんごをたらいの底に押さえつけた。
しかし沈めるときに向きが変わったらしく、思うように咥えられない。
そして息継ぎをして、二度目の挑戦。
今度は生意気にも、ぷかぷかと逃げられてしまった。
思っていたより難しいな、これーー。
36 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:16:28 M0yTOYaY
少女「男さん、1分49秒」
男「今日のところは、これくらいにしておいてやるよ」
幼馴染「何それ、かっこ悪い」
少女「俺ツエーとか言ってたし、1分切ってほしかったですよね~」
幼馴染「ほんとほんと」
男「……」
男「…………」
男「さてと、りんご飴でも作ろうかな」
少女「あっ! 誤魔化した!!」
37 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:21:28 M0yTOYaY
俺は逃げるようにしてキッチンに行き、りんごの水気を拭き取って割り箸を突き刺した。
そしてレシピで分量を調べ、砂糖水を火に掛けた。
幼馴染「私に手伝えることってある?」
男「クッキーの型にサラダ油を塗っといてくれるかな」
幼馴染「うん」
少女「私は飴を掛けるのをやってみたいです」
男「じゃあ、もうすぐしたら出来るからやってみる?」
少女「はいっ!」
しばらくして、俺はトロトロになった飴をクッキングシートに少し垂らし、固まることを確認した。
そして火を止めて、飴の中にりんごを浸してくるくると回した。
後はクッキングシートの上に置いて、冷めるのを待つだけだ。
38 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:27:42 M0yTOYaY
男「それじゃあ、今やったみたいにして、残りを全部してくれるかな。すごく熱いから気を付けてね」
少女「こんな感じで良いですか」
男「そうそう、そんな感じ」
咲希ちゃんは器用に飴を絡め、クッキングシートの上に並べていった。
そしてりんご飴を作り終わると、俺は鍋を受け取り、幼馴染が準備してくれたクッキーの型に残った飴を流し込んだ。
少女「後は冷めるのを待つだけですね♪」
幼馴染「楽しみだね~」
39 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:28:44 M0yTOYaY
少女「ところで、男さん。りんご飴が4つあるってことは、1つはさきさんの分ですよね」
男「さきさん? ああ、妹のことか。そうだよ」
少女「ときどき思うんですけど、私はお母さんに愛されていたのでしょうか」
男「どうして、そう思うの?」
少女「だって、私の名前が早紀さんと同じだからーー。とても優しかった記憶があるけど、私は早紀さんの代わりだったんじゃないのかなって思うときがあるんです」
男「早紀の代わりか」
少女「男さんも私のこと、早紀さんの代わりだと思っていますか?」
その言葉は、俺の心に重く圧し掛かった。
俺も咲希ちゃんに、妹の面影を重ねていた時期がある。
それは妹の代わりだったと言えないこともない。
40 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:32:04 M0yTOYaY
幼馴染「咲希ちゃん、それは言いすぎじゃないかな。男が咲希ちゃんのことを代わりだと思っているなら、妹さんのプリンやりんご飴は作らないでしょ」
少女「あっ……、ごめんなさい」
男「いいよ、別に」
男「俺もむかしは、咲希ちゃんに妹の面影を重ね合わせていたしーー。だからきっと、母親も咲希ちゃんに早紀の姿を重ね合わせていたと思う」
少女「そうなんだ……」
男「でもそれは、悪いことじゃないと思うよ。だって、咲希ちゃんの名前には意味があるだろ」
少女「意味……ですか?」
男「ほら、読み方は一緒だけど、咲希ちゃんの名前には『たくさんの希望が咲いてほしい』という願いが込められているじゃないか。きっと、咲希ちゃんは愛されていたと思うよ」
41 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:35:35 M0yTOYaY
少女「たくさんの希望が咲いてほしい……か。そうだったら良いなーー」
幼馴染「きっと、そうだよ。咲希ちゃんが来る前にね、サキュバスの生い立ちが妹さんに似ているって話をしていたんだけど、考えてみれば、咲希ちゃんもサキュバスなんだよね」
少女「あの、どういう意味ですか」
咲希ちゃんが困った顔で首を傾げると、幼馴染が説明を始めた。
そういえばリリスの子供たちも、父親が誰であれリリムと名付けられている。
その点で言っても、サキュバスと妹は似ているのかもしれない。
幼馴染「ーーそれにね、咲希ちゃんが言ってたよね。サキュバスはすごく良い悪魔だって。それって悪魔じゃなくて、男の人の成長を祝福する女神みたいなものだよね」
少女「そうですね」
幼馴染「最初のリリムは残念なことになってしまったけど、その想いはお母さんのリリスを通じて繋がっていたんだと思う。だから咲希ちゃんも、お母さんを通じて早紀さんの想いが繋がっていると思うの」
42 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:36:31 M0yTOYaY
少女「早紀さんの想いが、お母さんを通じて私にーー」
幼馴染「そうだよ。そして咲希ちゃんと早紀さんの想いが、私たちに繋がっている。私はその繋がりを大切にしていきたい」
少女「そっか、同じ名前だからって悩む必要はなかったんだ」
そう言うと、咲希ちゃんは満面の笑みを浮かべた。
それは、どこにでもいる普通の小学生らしい笑顔だった。
幼馴染「良かったね、咲希ちゃんの笑顔が見られて」
男「幼馴染のおかげだよ。ありがとう」
幼馴染「私にとっても、咲希ちゃんは妹みたいなものだしね」
男「そっか、そうだな」
43 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:38:33 M0yTOYaY
少女「そういえば、りんご飴は冷めてますかねえ」
男「もう大丈夫だと思うよ。今、食べるの?」
少女「いえ、可愛いラッピングをして欲しいです」
男「それじゃあ、少し待っててね」
俺はそう言うと、戸棚から小さい袋とリボンを取り出した。
そして咲希ちゃんが作ったりんご飴に袋をかぶせて、可愛く結んであげた。
少女「ありがとうございます」
男「大丈夫だと思うけど、ゲームで使ったりんごだから早めにね」
少女「はい。でも、これを食べるのは私じゃないんです」
44 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:39:30 M0yTOYaY
どういうことだろう。
そう思っていると、咲希ちゃんはダイニングの写真立てを見詰めた。
少女「早紀お姉ちゃんーー」
少女「ハッピーハロウィン♪」
咲希ちゃんは笑顔で歩み寄り、
かぼちゃプリンの隣にりんご飴をお供えした。
咲希ちゃんの想いが、初めて早紀に繋がったーー。
45 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:43:38 M0yTOYaY
・・・
・・・・・・
日が傾いた頃、咲希ちゃんはりんご飴とべっこう飴を持って施設に帰っていった。
小学生最後のハロウィン。
充実した時間になってくれていればと思う。
幼馴染「紗希ちゃんも大人になったよね」
男「そうだな。初めて会ったときは子供だったのに……」
妹の写真の前にお供えされた、咲希ちゃんが作ったりんご飴。
死んだ妹の想いは、俺たちに繋がっているのだ。
もう少し貯金が貯まって生活が安定すれば、咲希ちゃんと暮らしたい。
そのことは、おいおい幼馴染も含めて3人で話し合おう。
男「そういえばさあ、昼過ぎにサキュバスの生い立ちの話しをしていただろ。そのときに、失楽園の話でリリムが出て来ないことを気にしていただろ」
幼馴染「うん」
男「アダムとイブが食べた禁断の果実は、楽園に残っていたリリムたちのことだったのかもしれない。それを大切にしなかったから、唆したサタンは呪いを受けて、アダムとイブは原罪を背負うことになってしまったんだ」
幼馴染「そっか。そうだとしたら、リリスも悲しいね」
男「楽園のはずなのに、リリスやリリムには楽園ではなかったんだろうな」
俺の母親はどうだったのだろうか。
思い返してみれば、入学式などのお祝い事のときには施設に会いに来てくれていた。
妹の死を知ったときは、酷く悲しんでいた。
もしかしたら、一緒に暮らせない理由があったのかもしれない。
サタンが禁断の果実を食べるように唆したように、再婚相手が連れ子を嫌がっていたのかもしれない。
真実は分からないけれど、母親だけは俺と妹のことを愛してくれていた。
だから、咲希ちゃんに妹と同じ名前をつけたのだ。
それだけは間違いないだろうーー。
47 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:50:07 M0yTOYaY
幼馴染「ところで、男性のサキュバスもいるのかなあ」
男「ああ、いるよ。インキュバスって言うんだ」
幼馴染「それもリリムなの?」
男「リリムっていうのは、そもそもリリスから生まれた子供たちのことだから」
幼馴染「そうなんだ。じゃあ、妹さんと兄妹の男もリリムってことになるよねえ」
男「んっ? まあ、そうだな」
幼馴染「それでね、サキュバスは男性の成長を祝福する女神だったでしょ」
男「あ……ああ、そういう話だったな」
幼馴染「そこまで言えば、もう分かるよね?」
48 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:57:29 M0yTOYaY
幼馴染はそう言うと、背中に腕を回して悪魔の羽を取り外した。
サキュバスの仮装から、一人の女性に戻ったのだ。
目の前には、下着姿の幼馴染。
じっと俺を見詰めて、その答えを待っている。
男「これからも大変なことが多いだろうけど、俺は幼馴染を祝福したい」
幼馴染「……うん」
男「お前だけをずっと愛してる」
俺は真剣な眼差しで幼馴染を見詰めて、そっと唇を重ねた。
そして、優しく抱き締めたーー。
49 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:58:09 M0yTOYaY
幼馴染「今日はハロウィンだよね♪」
ー完ー
50 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/10/31(土) 23:59:14 M0yTOYaY
ハロウィンらしくない内容だったかもしれないけど、以上で終わりです。
ありがとうございました。
51 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/11/01(日) 16:03:52 DQYcTe7Q
おつ
52 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/02/01(月) 00:44:10 Tu.NrJCY
いい意味でスレタイ詐欺だった
乙
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