神様にねがったら、幼馴染が二人に増えてしまった
Part6
186 :名無しさん :2014/04/02(水)00:45:05 ID:2KwApp9lw
家に戻って、レミが帰ってくるまでのあいだ、僕らはほとんど口をきかなかった。
あのおじいさんに言われるまで、
僕は『ハヅキ』の家族について、深く考えてなかったんだ。
もちろん、まったく考えていなかったわけじゃない。
ただ表面的な部分しか見てなかったんだ。
昨日、『ハヅキ』が道路で意識を取り戻したとき、
『ハヅキ』がすぐにあの場をはなれようと提案してきた時点で、気づいてもよかったはずだ。
『ハヅキ』が、自分の家族についてずっと考えていたことに。
一度だけ『ハヅキ』がケータイを取り出したのを、僕は目撃した。
でも彼女はすぐにそれをポケットにしまった。
187 :名無しさん :2014/04/02(水)00:46:35 ID:2KwApp9lw
「今日は部活、サボってきちゃった」
レミは帰ってくるなり、僕に荷物を押しつけて『ハヅキ』に抱きついた。
部活をサボったというわりに帰ってくるのが遅かったのは、
いろいろ買い物してたからみたいだ。
わざわざレンタルビデオ店にまで寄ったのか、荷物にはCDやDVDまで含まれていた。
レミがいるだけで、部屋はにぎやかになった。
その日はレミがピカタをつくった。
簡単にできるとはいえ、つい最近食べたばかりだったので、文句を言いそうになった。
レミのつくったピカタの味が、この前食べたものよりもおいしかったのが少し気になった。
けど、すぐにその引っかかりは消した。
188 :名無しさん :2014/04/02(水)00:48:08 ID:2KwApp9lw
食事を終えて、やるべきことをやって、僕らはその日も早く寝た。
やっぱり眠ることができない。
まどろみはときどき訪れるけど、深い眠りに落ちることはなかった。
視界のかたすみで光が動いた気がして、僕はまた目を覚ました。
寝れそうにないな。
いっそ体力の限界までランニングでもするか?
からだを起こそうとして、部屋の中にぼんやりとした明かりがともっていることに気づく。
ベッドからからだを起こして『ハヅキ』が、ケータイを見てたんだ。
心臓をわしづかみにされたみたいになって、息が止まった。
このままだと、なにかよくないことがさらに起きる。
僕はそう直感した。
数分して部屋が真っ暗になる。
視界のかたすみで光が揺れている気がして、結局僕は眠れなかった。
189 :名無しさん :2014/04/02(水)00:50:03 ID:2KwApp9lw
この日、『ハヅキ』はレミが学校を休むことに反対しなかった。
昨日までの『ハヅキ』は反対したのに、今日の彼女はあっさりと了承した。
『ハヅキ』はかわりに僕に、大学へ行くことを勧めた。
最初こそ行かないと言うつもりだった。
でも大学の図書館だったら、『ねがい』について、
なにか情報が得られるかもと思って、僕はレミに『ハヅキ』をまかせることにした。
結果から言うと、ほとんどなんの情報も得られなかった。
判明したことは、ほとんどない。
『ねがい』が誰かに伝わってよくないことが起きる現象。
僕はそれを『のろい』って表現したけどそれが正しかったってことぐらい。
いや、おそらく僕は前からこの情報は知ってたんだろうな。
本棚に本を無理やり押しこんで、僕は図書館を出た。
190 :名無しさん :2014/04/02(水)00:51:17 ID:2KwApp9lw
ネットとかでも調べてみたけど、やっぱり『ねがい』についての情報はなかった。
なんの成果もあげられないまま、家に帰った。
目がしょぼしょぼして視界がぼんやりしてた。
影をひきずっているみたいに、足取りも重かったな。
家に戻ると『ハヅキ』はベッドに横になっていた。
「兄ちゃんが出ていって一時間もしないうちに、寝ちゃったんだ。
寝たり起きたりをずっと繰りかえしてる」
僕は少し間をおいて、レミに言った。
「ちょっと話したいことがあるんだ。外に出よう」
僕はレミを連れてアパートの外に出た。
部屋を出る直前に、レミは一度だけ『ハヅキ』をふりかえった。
191 :名無しさん :2014/04/02(水)00:52:59 ID:2KwApp9lw
田舎町の風は、空が暗くなるにつれておとなしくなる。
だけど今日の風は、いつも以上に強くて話し声もさらってしまいそうな勢いだった。
「どうしたらいいと思う?」
僕の声は、少し小さかったかもしれない。
でもレミは僕が考えていることがわかってたんだろうな。
「早くなんとかしなきゃ、まずいと思う」ときちんと僕の質問に答えてくれた。
レミが言うには、ハヅキの足の症状は悪化しているらしい。
右足だけじゃなく、左足まで少しずつ感覚がなくなってるそうだ。
『のろい』がさらに強くなったのか。
あるいは、僕の『ねがい』が『ハヅキ』をとおしてレミに伝わったからか。
192 :名無しさん :2014/04/02(水)00:53:37 ID:2KwApp9lw
レミもこのままの状況が続くのが、危険だと感じている。
だけど、どうしたらいいのかわからない。
「もういっそのこと『ハヅキ』を両親に会わせるか?
そうすれば少しは……」
「でも、そうしたら今のハヅキちゃんはどうするの?」
レミの言うとおりだった。
そんなことをすれば、かえって事態はおかしくなる。
193 :名無しさん :2014/04/02(水)00:54:46 ID:2KwApp9lw
どれぐらい話し合ったんだろうな。
たいした時間ではなかったけど、どうすることもできないって結論はすぐに出てきた。
「せめて『ハヅキ』にかかった『のろい』だけでも、消せればな」
そこまで言って、僕はレミの『ねがい』のことを思い出した。
気づいたときには、レミの肩をつかんでた。
自分がこんなことをするなんて、夢にも思わなかったよ。
驚くレミに僕は「おまえの『ねがい』は使えないのか?」と聞く。
「そ、それは……」
レミが言葉をつまらせるのはめずらしかった。
僕はレミの『ねがい』の内容を大まかに知っている。
194 :名無しさん :2014/04/02(水)00:56:03 ID:2KwApp9lw
僕の病気が治ったのと、レミが神様から『ねがい』をもらった時期は近かったな。
「なにかもらえるなら、兄ちゃんならなにがほしい?」
そうレミが聞いてきたのは、今でも覚えてる。
レミは、最初こそは言葉を濁してたけど、察しの悪い僕にムカついたんだろうな。
『ねがい』をもらったことを暴露した。
もちろん具体的な内容は言わなかったけど。
「好きな人でもできた?」って僕が聞くと、レミはため息をついたんだよな。
はっきりとは、レミがもらった『ねがい』はわからない。
だけど、どんな類の『ねがい』かは、そのやりとりで想像がつく。
「『ねがい』は残ってないのか? 残ってるなら……」
レミが顔をうつむける。
その仕草には迷いのようなものが、にじんでいた。
195 :名無しさん :2014/04/02(水)00:58:03 ID:2KwApp9lw
「だいたい、その『ねがい』を使ってどうするんだよ、兄ちゃんは?」
明確なプランはなかった。
だけど『ねがい』があれば、この状況を打開できる可能性はある。
レミは首をふった。『ねがい』はとっくに使ってしまっていた。
世界が閉ざされていくような気がした。
『ねがい』にすがろうとしていたのに、それが無理だってわかると、
立っていられなくなりそうだった。
「なにがダメだったんだろうな」
その言葉が出たのはこの瞬間だったけど、
僕はずっと前から心の中でそう思っていたのかもしれない。
声に出したら、妙にしっくりきて苦笑いしてしまった。
なにがダメだったんだ?
『ハヅキ』に『ねがい』のことを隠しとおさなかったことか?
『ねがい』によって『ハヅキ』を生み出したことか?
ちがう。そうじゃない。
もっと、ずっと前に僕は致命的なミスをしてたんだ。
196 :名無しさん :2014/04/02(水)00:59:24 ID:2KwApp9lw
「オレとハヅキって、いつから仲悪くなったんだろうな」
言ってから、自分が一番知ってるだろって思った。
「兄ちゃんの病気が治って、しばらくしてだね」とレミが目をふせる。
「ついでに、そうなったきっかけは兄ちゃんだよね」
誰よりも一番近くで、僕とハヅキを見てきたレミにそう言われると、
改めて自分が悪かったんだって実感する。
いや、ずっと前から自分が悪いことは知ってたし、重々承知してた。
病気が治った僕は、とにかくスポーツをすることにハマったんだよ。
べつに、病気が治る前からある程度の運動ならできないことはなかった。
血液製剤を投与する、という条件つきだったけど。
それでもやっぱりさ、慣れない動きをしたりすると、
すぐに、からだのどこかを痛めるんだよ。
普通の人が筋肉痛ですむ運動も、僕の場合だと内出血を起こしたりするんだ。
自慢じゃないけど、舌を噛んで入院したことだってある。
197 :名無しさん :2014/04/02(水)01:00:17 ID:2KwApp9lw
そのせいか昔から、危ないことにはすごい敏感だったな。
だから、病気が治った僕はいろんな運動をしまくった。
ハヅキには言わなかったけど、
ときどき市民プールに泳ぎに行ったり、ジョギングとかもはじめてさ。
病気が治った僕は、本当に生まれ変わったような気分だったんだよ。
昔から運動してなかったせいで、やっぱり最初は苦労したけど。
それでも、気持ちとしては以前とはぜんぜん違ったんだ。
だけど、ハヅキは変わらず僕を心配してばかりだった。
僕の持病を治した本人のくせに。
なんかそれがすごい悔しかったんだ。
僕が運動をはじめた一番の理由は、ハヅキに認めてほしかったからなのにさ。
ハヅキの態度は一向に変わらなかったんだ。
198 :名無しさん :2014/04/02(水)01:03:12 ID:2KwApp9lw
たしか、高一の冬だったかな。
ハヅキとふたりで校舎の廊下を歩きながら、なにかを話してたんだ。
そのときに、ハヅキがいつものように、僕を心配してなにかを言ったんだ。
気づいたら「いいかげん、しつこい!」ってハヅキに怒鳴りつてたんだよ。この僕が。
廊下にいたヤツらがみんな、僕たちに注目してたな。
「おまえの世話はもういらない」
あのときのハヅキの顔、あと半世紀は忘れられないだろうな。
十年以上いっしょにいたのに、初めて見る顔をしてた。
本当に伝えたかったことと、実際に口から出た言葉が、
ズレてるっていうのはわかったけど、どうしようもなかった。
あのときから、僕たちの関係は急激に変わっていった。
交わす言葉はなんかギクシャクしてたし、目があうことも減った。
いつもいっしょにいたのに。
気づいたときには、ハヅキは話すことがめずらしい相手になってた。
199 :名無しさん :2014/04/02(水)01:04:55 ID:2KwApp9lw
「そうなんだよな。悪いのはオレなんだよな」
「もう少し言いかたってものがあったよね。
でも、ハヅキちゃんも兄ちゃんも、本当にお互いのことが大好きだから、
今みたいな関係になっちゃったんだよね」
レミの口調は優しかった。
「だってそうでしょ?
兄ちゃんは、大好きなハヅキちゃんに認めてほしくて、
病気治ってからいろいろ頑張ってたじゃん。
ハヅキちゃんはハヅキちゃんで、そんな兄ちゃんの意思を尊重した」
大好きだったから、すれちがっちゃったんだよ。
そのレミの言葉を聞いたとたん、
夕焼けにそまった景色が揺らいで、僕は両頬をおもいっきり叩いた。
200 :名無しさん :2014/04/02(水)01:05:46 ID:2KwApp9lw
「そうだな。そうだよ、好きなんだよな」
一番大切なことを、今の今まで見失っていた気がする。
僕は大きく息を吸った。
どこか海のにおいが混じった風が、肺を満たすと少しだけ気持ちが落ち着いた。
どうやって『ハヅキ』を救うのか。
『ハヅキ』にとっての救いとは?
僕が思いつけるのは『ハヅキ』の足を治すことぐらいだった。
でも、それでさえ今は難しい。
『のろい』を消すことができれば……。
消す、という単語が僕の脳を針のように刺激した。
切り取られた記憶のパノラマが、急き立てるように僕に迫ってくる。
201 :名無しさん :2014/04/02(水)01:07:14 ID:2KwApp9lw
自分の病気のことが脳裏をよぎる。
同時に違和感のようなものが、胸にひっかかる。
「ハヅキは病気を消した……『ねがい』を使って……『ねがい』は秘密を……」
記憶のかけらを拾い集めて、パズルのように組み立てていく。
なんとなく、違和感の正体が読めた。
「お前……ハヅキがオレの病気を治すとき、相談されたりした?」
レミは僕の質問の意図が読めなかったのか、「相談?」と聞きかえした。
「オレの病気が治る、三日前ぐらいだったと思うんだけどさ。
レミ、妙にそわそわしてた気がしてさ。
ハヅキに数日前から、オレの病気のことで相談されてたのかなって思ったんだ」
レミの眉間にわずかにしわがよる。
必死に僕の考えを見抜こうとしている、それがわかった。
「もちろんだよ。ハヅキちゃんは、あたしに相談したよ、うん」
そして、レミのその言葉で予想は、ほぼ確信に変わった。
202 :名無しさん :2014/04/02(水)01:09:06 ID:2KwApp9lw
僕ら人間がもらえる『ねがい』には、いろいろな『ねがい』がある。
でも、厳守しなきゃいけないルールや、
それを無視したら『のろい』をくらうことは、共通している。
そしてもうひとつ。
この『ねがい』には、共通点がある。
『ねがい』をもらえたときは、無意識にわかるのに、
『ねがい』が消えたかどうかだけは、わからないってことだ。
『ねがい』の結果をみて、初めて僕らはそれが成立したかどうか知ることになる。
だから、勘違いが起きることだってあるはずだ。
少なくとも、僕は今の今までそうだった。
ある種の確信をもって、僕はレミに言った。
「オレの病気を治したのは、お前なんじゃないか?」
203 :名無しさん :2014/04/02(水)01:10:31 ID:2KwApp9lw
レミの目が見開かれる。
だけど、すぐにレミはぶんぶんと首をふった。
「なに言ってんだよ、兄ちゃんの病気を治したのはハヅキちゃんでしょ。
だいたいあたしの『ねがい』じゃ、兄ちゃんの病気は治せないし」
やっぱり人間って、混乱したりすると余計なことまで話しだすんだな。
「レミ、おまえの『ねがい』ってなに?」
答えようとしない妹のかわりに僕は言った。
「おまえの『ねがい』って、誰かになにかをあげる……みたいな『ねがい』なんじゃない?」
おそらくほとんど正解だったんだろうな。
レミは必死に否定したけど、かえってそれが僕の推測を裏づけることになった。
204 :名無しさん :2014/04/02(水)01:12:01 ID:2KwApp9lw
そもそも、おかしいなって思うべきだったんだ、僕は。
ハヅキがレミに『ねがい』について相談した。
だから、レミは僕が病院の検査に行く数日前から、そわそわしていた。
この前提、そもそもハヅキの性格を考えるとありえないんだよな。
わざわざレミに相談するなんてこと、ハヅキがするわけがなかった。
『ねがい』は、使った本人以外の口から伝わっても『のろい』にかわる。
だからこそ、『ねがい』を使う前にそれについて口にする人が少ないんだ。
当然、ハヅキがレミに相談したとは考えられない。
じゃあレミの落ち着きがなかったのはどういうことか。
今のレミの態度。ハヅキが検査を急かさずにはいられなかったこと。
これらすべてを総合して考えれば、もう答えは出る。
僕の病気を治したのは、レミだって。
ハヅキや僕のやりとりを見ていれば、
ハヅキが『ねがい』を使ったことは気づくことができる。
もちろん、レミは『ねがい』について口にすることはしなかった。
それに、もう一度『ねがい』を試せば、自分の『ねがい』が成立したかは確かめられる。
205 :名無しさん :2014/04/02(水)01:14:34 ID:2KwApp9lw
なん回聞いても、レミは僕の推測を否定した。
それでも僕があんまりにもしつこかったんだろうな。
根負けしたように、レミは僕に訊ねた。
「どうしてあたしが兄ちゃんの病気を治したかって、証明しようとするの?」
「おまえの口から『ねがい』を聞くためだよ」
僕がなにをしようとしているか、なんとなくわかったんだろうな。
「『のろい』は『ねがい』の対象にかかる。
だからおまえにはなんの心配もないよ」
レミの目がわずかに潤んでいたのを、僕は見逃さなかった。
「バカ。兄ちゃんが不幸になるかもしれないのに、あたしにそうしろって言うのかよ」
「これしか『ハヅキ』を助ける方法がないんだよ」と僕はかっこつけた。
うまく笑えたかな。
206 :名無しさん :2014/04/02(水)01:16:32 ID:2KwApp9lw
僕を今まで支えてくれた人に、申し訳なくてしかたがなかった。
でも、これしか方法はないと思った。
「『のろい』にかからなきゃ、ハヅキが『ねがい』を使ってないことを証明できないからな」
レミはうつむいて、しばらくなにも言わなかった。
自分の影を見つめるレミは、こぶしをギュッと握って考えているようだった。
どれぐらい時間がたったんだろ。
レミはなんどか、口を開いたり閉じたりしたあとに言った。
自分の『ねがい』が『誰かにひとつだけ、与えることができる』ということを。
そして、僕の病気を治した方法について。
これは僕の予想の斜めうえだった。
僕の病気は血友病だった。
血液凝固因子が欠けているせいで、血が止まりにくい病。
レミは『ねがい』を使って、僕に欠けた第八因子を与えた。
207 :名無しさん :2014/04/02(水)01:18:03 ID:2KwApp9lw
レミは話し終えると泣きだしてしまった。
なんかいも町中に響くような声で僕を罵って、道行く人がみんな見てたな。
これで『のろい』が僕にかかる。
そうなったら、今のハヅキのもとへ行けばいい。
根本的な解決になっていないのは、わかってるつもり。
でも、少なくとも『ハヅキ』の足を治すことはできるはずだ。
僕はレミの頭に手をおいて謝った。
「許さない、バカ」と言って結局しばらく泣いてたな。
本当に僕はバカだ。
いろんな人のお世話になって、ここまできたのに。
そういう人たちの思いを、全部無駄にするようなまねをしたんだから。
208 :名無しさん :2014/04/02(水)01:18:46 ID:2KwApp9lw
明日には必ずおわるはずです
今日はすみません
寝ます
209 :名無しさん :2014/04/02(水)01:21:06 ID:Y0Cnic1Iu
これは予想外すぎる展開だな
214 :名無しさん :2014/04/02(水)13:00:17 ID:kpOh7RP1R
血友病か
名前だけ聞いたことあるな
215 :名無しさん :2014/04/02(水)13:35:07 ID:WWcWElLm7
面白い
216 :名無しさん :2014/04/02(水)18:18:07 ID:TkP9VxhBH
引き込まれる何かがあるわ
家に戻って、レミが帰ってくるまでのあいだ、僕らはほとんど口をきかなかった。
あのおじいさんに言われるまで、
僕は『ハヅキ』の家族について、深く考えてなかったんだ。
もちろん、まったく考えていなかったわけじゃない。
ただ表面的な部分しか見てなかったんだ。
昨日、『ハヅキ』が道路で意識を取り戻したとき、
『ハヅキ』がすぐにあの場をはなれようと提案してきた時点で、気づいてもよかったはずだ。
『ハヅキ』が、自分の家族についてずっと考えていたことに。
一度だけ『ハヅキ』がケータイを取り出したのを、僕は目撃した。
でも彼女はすぐにそれをポケットにしまった。
187 :名無しさん :2014/04/02(水)00:46:35 ID:2KwApp9lw
「今日は部活、サボってきちゃった」
レミは帰ってくるなり、僕に荷物を押しつけて『ハヅキ』に抱きついた。
部活をサボったというわりに帰ってくるのが遅かったのは、
いろいろ買い物してたからみたいだ。
わざわざレンタルビデオ店にまで寄ったのか、荷物にはCDやDVDまで含まれていた。
レミがいるだけで、部屋はにぎやかになった。
その日はレミがピカタをつくった。
簡単にできるとはいえ、つい最近食べたばかりだったので、文句を言いそうになった。
レミのつくったピカタの味が、この前食べたものよりもおいしかったのが少し気になった。
けど、すぐにその引っかかりは消した。
188 :名無しさん :2014/04/02(水)00:48:08 ID:2KwApp9lw
食事を終えて、やるべきことをやって、僕らはその日も早く寝た。
やっぱり眠ることができない。
まどろみはときどき訪れるけど、深い眠りに落ちることはなかった。
視界のかたすみで光が動いた気がして、僕はまた目を覚ました。
寝れそうにないな。
いっそ体力の限界までランニングでもするか?
からだを起こそうとして、部屋の中にぼんやりとした明かりがともっていることに気づく。
ベッドからからだを起こして『ハヅキ』が、ケータイを見てたんだ。
心臓をわしづかみにされたみたいになって、息が止まった。
このままだと、なにかよくないことがさらに起きる。
僕はそう直感した。
数分して部屋が真っ暗になる。
視界のかたすみで光が揺れている気がして、結局僕は眠れなかった。
189 :名無しさん :2014/04/02(水)00:50:03 ID:2KwApp9lw
この日、『ハヅキ』はレミが学校を休むことに反対しなかった。
昨日までの『ハヅキ』は反対したのに、今日の彼女はあっさりと了承した。
『ハヅキ』はかわりに僕に、大学へ行くことを勧めた。
最初こそ行かないと言うつもりだった。
でも大学の図書館だったら、『ねがい』について、
なにか情報が得られるかもと思って、僕はレミに『ハヅキ』をまかせることにした。
結果から言うと、ほとんどなんの情報も得られなかった。
判明したことは、ほとんどない。
『ねがい』が誰かに伝わってよくないことが起きる現象。
僕はそれを『のろい』って表現したけどそれが正しかったってことぐらい。
いや、おそらく僕は前からこの情報は知ってたんだろうな。
本棚に本を無理やり押しこんで、僕は図書館を出た。
190 :名無しさん :2014/04/02(水)00:51:17 ID:2KwApp9lw
ネットとかでも調べてみたけど、やっぱり『ねがい』についての情報はなかった。
なんの成果もあげられないまま、家に帰った。
目がしょぼしょぼして視界がぼんやりしてた。
影をひきずっているみたいに、足取りも重かったな。
家に戻ると『ハヅキ』はベッドに横になっていた。
「兄ちゃんが出ていって一時間もしないうちに、寝ちゃったんだ。
寝たり起きたりをずっと繰りかえしてる」
僕は少し間をおいて、レミに言った。
「ちょっと話したいことがあるんだ。外に出よう」
僕はレミを連れてアパートの外に出た。
部屋を出る直前に、レミは一度だけ『ハヅキ』をふりかえった。
田舎町の風は、空が暗くなるにつれておとなしくなる。
だけど今日の風は、いつも以上に強くて話し声もさらってしまいそうな勢いだった。
「どうしたらいいと思う?」
僕の声は、少し小さかったかもしれない。
でもレミは僕が考えていることがわかってたんだろうな。
「早くなんとかしなきゃ、まずいと思う」ときちんと僕の質問に答えてくれた。
レミが言うには、ハヅキの足の症状は悪化しているらしい。
右足だけじゃなく、左足まで少しずつ感覚がなくなってるそうだ。
『のろい』がさらに強くなったのか。
あるいは、僕の『ねがい』が『ハヅキ』をとおしてレミに伝わったからか。
192 :名無しさん :2014/04/02(水)00:53:37 ID:2KwApp9lw
レミもこのままの状況が続くのが、危険だと感じている。
だけど、どうしたらいいのかわからない。
「もういっそのこと『ハヅキ』を両親に会わせるか?
そうすれば少しは……」
「でも、そうしたら今のハヅキちゃんはどうするの?」
レミの言うとおりだった。
そんなことをすれば、かえって事態はおかしくなる。
193 :名無しさん :2014/04/02(水)00:54:46 ID:2KwApp9lw
どれぐらい話し合ったんだろうな。
たいした時間ではなかったけど、どうすることもできないって結論はすぐに出てきた。
「せめて『ハヅキ』にかかった『のろい』だけでも、消せればな」
そこまで言って、僕はレミの『ねがい』のことを思い出した。
気づいたときには、レミの肩をつかんでた。
自分がこんなことをするなんて、夢にも思わなかったよ。
驚くレミに僕は「おまえの『ねがい』は使えないのか?」と聞く。
「そ、それは……」
レミが言葉をつまらせるのはめずらしかった。
僕はレミの『ねがい』の内容を大まかに知っている。
194 :名無しさん :2014/04/02(水)00:56:03 ID:2KwApp9lw
僕の病気が治ったのと、レミが神様から『ねがい』をもらった時期は近かったな。
「なにかもらえるなら、兄ちゃんならなにがほしい?」
そうレミが聞いてきたのは、今でも覚えてる。
レミは、最初こそは言葉を濁してたけど、察しの悪い僕にムカついたんだろうな。
『ねがい』をもらったことを暴露した。
もちろん具体的な内容は言わなかったけど。
「好きな人でもできた?」って僕が聞くと、レミはため息をついたんだよな。
はっきりとは、レミがもらった『ねがい』はわからない。
だけど、どんな類の『ねがい』かは、そのやりとりで想像がつく。
「『ねがい』は残ってないのか? 残ってるなら……」
レミが顔をうつむける。
その仕草には迷いのようなものが、にじんでいた。
195 :名無しさん :2014/04/02(水)00:58:03 ID:2KwApp9lw
「だいたい、その『ねがい』を使ってどうするんだよ、兄ちゃんは?」
明確なプランはなかった。
だけど『ねがい』があれば、この状況を打開できる可能性はある。
レミは首をふった。『ねがい』はとっくに使ってしまっていた。
世界が閉ざされていくような気がした。
『ねがい』にすがろうとしていたのに、それが無理だってわかると、
立っていられなくなりそうだった。
「なにがダメだったんだろうな」
その言葉が出たのはこの瞬間だったけど、
僕はずっと前から心の中でそう思っていたのかもしれない。
声に出したら、妙にしっくりきて苦笑いしてしまった。
なにがダメだったんだ?
『ハヅキ』に『ねがい』のことを隠しとおさなかったことか?
『ねがい』によって『ハヅキ』を生み出したことか?
ちがう。そうじゃない。
もっと、ずっと前に僕は致命的なミスをしてたんだ。
196 :名無しさん :2014/04/02(水)00:59:24 ID:2KwApp9lw
「オレとハヅキって、いつから仲悪くなったんだろうな」
言ってから、自分が一番知ってるだろって思った。
「兄ちゃんの病気が治って、しばらくしてだね」とレミが目をふせる。
「ついでに、そうなったきっかけは兄ちゃんだよね」
誰よりも一番近くで、僕とハヅキを見てきたレミにそう言われると、
改めて自分が悪かったんだって実感する。
いや、ずっと前から自分が悪いことは知ってたし、重々承知してた。
病気が治った僕は、とにかくスポーツをすることにハマったんだよ。
べつに、病気が治る前からある程度の運動ならできないことはなかった。
血液製剤を投与する、という条件つきだったけど。
それでもやっぱりさ、慣れない動きをしたりすると、
すぐに、からだのどこかを痛めるんだよ。
普通の人が筋肉痛ですむ運動も、僕の場合だと内出血を起こしたりするんだ。
自慢じゃないけど、舌を噛んで入院したことだってある。
197 :名無しさん :2014/04/02(水)01:00:17 ID:2KwApp9lw
そのせいか昔から、危ないことにはすごい敏感だったな。
だから、病気が治った僕はいろんな運動をしまくった。
ハヅキには言わなかったけど、
ときどき市民プールに泳ぎに行ったり、ジョギングとかもはじめてさ。
病気が治った僕は、本当に生まれ変わったような気分だったんだよ。
昔から運動してなかったせいで、やっぱり最初は苦労したけど。
それでも、気持ちとしては以前とはぜんぜん違ったんだ。
だけど、ハヅキは変わらず僕を心配してばかりだった。
僕の持病を治した本人のくせに。
なんかそれがすごい悔しかったんだ。
僕が運動をはじめた一番の理由は、ハヅキに認めてほしかったからなのにさ。
ハヅキの態度は一向に変わらなかったんだ。
198 :名無しさん :2014/04/02(水)01:03:12 ID:2KwApp9lw
たしか、高一の冬だったかな。
ハヅキとふたりで校舎の廊下を歩きながら、なにかを話してたんだ。
そのときに、ハヅキがいつものように、僕を心配してなにかを言ったんだ。
気づいたら「いいかげん、しつこい!」ってハヅキに怒鳴りつてたんだよ。この僕が。
廊下にいたヤツらがみんな、僕たちに注目してたな。
「おまえの世話はもういらない」
あのときのハヅキの顔、あと半世紀は忘れられないだろうな。
十年以上いっしょにいたのに、初めて見る顔をしてた。
本当に伝えたかったことと、実際に口から出た言葉が、
ズレてるっていうのはわかったけど、どうしようもなかった。
あのときから、僕たちの関係は急激に変わっていった。
交わす言葉はなんかギクシャクしてたし、目があうことも減った。
いつもいっしょにいたのに。
気づいたときには、ハヅキは話すことがめずらしい相手になってた。
199 :名無しさん :2014/04/02(水)01:04:55 ID:2KwApp9lw
「そうなんだよな。悪いのはオレなんだよな」
「もう少し言いかたってものがあったよね。
でも、ハヅキちゃんも兄ちゃんも、本当にお互いのことが大好きだから、
今みたいな関係になっちゃったんだよね」
レミの口調は優しかった。
「だってそうでしょ?
兄ちゃんは、大好きなハヅキちゃんに認めてほしくて、
病気治ってからいろいろ頑張ってたじゃん。
ハヅキちゃんはハヅキちゃんで、そんな兄ちゃんの意思を尊重した」
大好きだったから、すれちがっちゃったんだよ。
そのレミの言葉を聞いたとたん、
夕焼けにそまった景色が揺らいで、僕は両頬をおもいっきり叩いた。
200 :名無しさん :2014/04/02(水)01:05:46 ID:2KwApp9lw
「そうだな。そうだよ、好きなんだよな」
一番大切なことを、今の今まで見失っていた気がする。
僕は大きく息を吸った。
どこか海のにおいが混じった風が、肺を満たすと少しだけ気持ちが落ち着いた。
どうやって『ハヅキ』を救うのか。
『ハヅキ』にとっての救いとは?
僕が思いつけるのは『ハヅキ』の足を治すことぐらいだった。
でも、それでさえ今は難しい。
『のろい』を消すことができれば……。
消す、という単語が僕の脳を針のように刺激した。
切り取られた記憶のパノラマが、急き立てるように僕に迫ってくる。
201 :名無しさん :2014/04/02(水)01:07:14 ID:2KwApp9lw
自分の病気のことが脳裏をよぎる。
同時に違和感のようなものが、胸にひっかかる。
「ハヅキは病気を消した……『ねがい』を使って……『ねがい』は秘密を……」
記憶のかけらを拾い集めて、パズルのように組み立てていく。
なんとなく、違和感の正体が読めた。
「お前……ハヅキがオレの病気を治すとき、相談されたりした?」
レミは僕の質問の意図が読めなかったのか、「相談?」と聞きかえした。
「オレの病気が治る、三日前ぐらいだったと思うんだけどさ。
レミ、妙にそわそわしてた気がしてさ。
ハヅキに数日前から、オレの病気のことで相談されてたのかなって思ったんだ」
レミの眉間にわずかにしわがよる。
必死に僕の考えを見抜こうとしている、それがわかった。
「もちろんだよ。ハヅキちゃんは、あたしに相談したよ、うん」
そして、レミのその言葉で予想は、ほぼ確信に変わった。
202 :名無しさん :2014/04/02(水)01:09:06 ID:2KwApp9lw
僕ら人間がもらえる『ねがい』には、いろいろな『ねがい』がある。
でも、厳守しなきゃいけないルールや、
それを無視したら『のろい』をくらうことは、共通している。
そしてもうひとつ。
この『ねがい』には、共通点がある。
『ねがい』をもらえたときは、無意識にわかるのに、
『ねがい』が消えたかどうかだけは、わからないってことだ。
『ねがい』の結果をみて、初めて僕らはそれが成立したかどうか知ることになる。
だから、勘違いが起きることだってあるはずだ。
少なくとも、僕は今の今までそうだった。
ある種の確信をもって、僕はレミに言った。
「オレの病気を治したのは、お前なんじゃないか?」
203 :名無しさん :2014/04/02(水)01:10:31 ID:2KwApp9lw
レミの目が見開かれる。
だけど、すぐにレミはぶんぶんと首をふった。
「なに言ってんだよ、兄ちゃんの病気を治したのはハヅキちゃんでしょ。
だいたいあたしの『ねがい』じゃ、兄ちゃんの病気は治せないし」
やっぱり人間って、混乱したりすると余計なことまで話しだすんだな。
「レミ、おまえの『ねがい』ってなに?」
答えようとしない妹のかわりに僕は言った。
「おまえの『ねがい』って、誰かになにかをあげる……みたいな『ねがい』なんじゃない?」
おそらくほとんど正解だったんだろうな。
レミは必死に否定したけど、かえってそれが僕の推測を裏づけることになった。
204 :名無しさん :2014/04/02(水)01:12:01 ID:2KwApp9lw
そもそも、おかしいなって思うべきだったんだ、僕は。
ハヅキがレミに『ねがい』について相談した。
だから、レミは僕が病院の検査に行く数日前から、そわそわしていた。
この前提、そもそもハヅキの性格を考えるとありえないんだよな。
わざわざレミに相談するなんてこと、ハヅキがするわけがなかった。
『ねがい』は、使った本人以外の口から伝わっても『のろい』にかわる。
だからこそ、『ねがい』を使う前にそれについて口にする人が少ないんだ。
当然、ハヅキがレミに相談したとは考えられない。
じゃあレミの落ち着きがなかったのはどういうことか。
今のレミの態度。ハヅキが検査を急かさずにはいられなかったこと。
これらすべてを総合して考えれば、もう答えは出る。
僕の病気を治したのは、レミだって。
ハヅキや僕のやりとりを見ていれば、
ハヅキが『ねがい』を使ったことは気づくことができる。
もちろん、レミは『ねがい』について口にすることはしなかった。
それに、もう一度『ねがい』を試せば、自分の『ねがい』が成立したかは確かめられる。
205 :名無しさん :2014/04/02(水)01:14:34 ID:2KwApp9lw
なん回聞いても、レミは僕の推測を否定した。
それでも僕があんまりにもしつこかったんだろうな。
根負けしたように、レミは僕に訊ねた。
「どうしてあたしが兄ちゃんの病気を治したかって、証明しようとするの?」
「おまえの口から『ねがい』を聞くためだよ」
僕がなにをしようとしているか、なんとなくわかったんだろうな。
「『のろい』は『ねがい』の対象にかかる。
だからおまえにはなんの心配もないよ」
レミの目がわずかに潤んでいたのを、僕は見逃さなかった。
「バカ。兄ちゃんが不幸になるかもしれないのに、あたしにそうしろって言うのかよ」
「これしか『ハヅキ』を助ける方法がないんだよ」と僕はかっこつけた。
うまく笑えたかな。
僕を今まで支えてくれた人に、申し訳なくてしかたがなかった。
でも、これしか方法はないと思った。
「『のろい』にかからなきゃ、ハヅキが『ねがい』を使ってないことを証明できないからな」
レミはうつむいて、しばらくなにも言わなかった。
自分の影を見つめるレミは、こぶしをギュッと握って考えているようだった。
どれぐらい時間がたったんだろ。
レミはなんどか、口を開いたり閉じたりしたあとに言った。
自分の『ねがい』が『誰かにひとつだけ、与えることができる』ということを。
そして、僕の病気を治した方法について。
これは僕の予想の斜めうえだった。
僕の病気は血友病だった。
血液凝固因子が欠けているせいで、血が止まりにくい病。
レミは『ねがい』を使って、僕に欠けた第八因子を与えた。
207 :名無しさん :2014/04/02(水)01:18:03 ID:2KwApp9lw
レミは話し終えると泣きだしてしまった。
なんかいも町中に響くような声で僕を罵って、道行く人がみんな見てたな。
これで『のろい』が僕にかかる。
そうなったら、今のハヅキのもとへ行けばいい。
根本的な解決になっていないのは、わかってるつもり。
でも、少なくとも『ハヅキ』の足を治すことはできるはずだ。
僕はレミの頭に手をおいて謝った。
「許さない、バカ」と言って結局しばらく泣いてたな。
本当に僕はバカだ。
いろんな人のお世話になって、ここまできたのに。
そういう人たちの思いを、全部無駄にするようなまねをしたんだから。
208 :名無しさん :2014/04/02(水)01:18:46 ID:2KwApp9lw
明日には必ずおわるはずです
今日はすみません
寝ます
209 :名無しさん :2014/04/02(水)01:21:06 ID:Y0Cnic1Iu
これは予想外すぎる展開だな
214 :名無しさん :2014/04/02(水)13:00:17 ID:kpOh7RP1R
血友病か
名前だけ聞いたことあるな
215 :名無しさん :2014/04/02(水)13:35:07 ID:WWcWElLm7
面白い
216 :名無しさん :2014/04/02(水)18:18:07 ID:TkP9VxhBH
引き込まれる何かがあるわ
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