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士郎「風邪を引いた桜と添い寝」

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Part2
17 : ◆xdATigB/bMnM :2017/05/14(日) 20:12:31.08 ID:7h0746D7o
凛「それで?何か桜に言われたの?」
士郎「……添い寝してくれって言われた」
凛「は?」
士郎「だから添い寝してくれって言われた」
凛「ちょっと待って、それだけ?」
士郎「それだけって、それだけだけど」
凛「……桜も欲のない子ねぇ」ハァ
士郎「それで?どういう副作用なんだ?」
凛「うーん、副作用としては本当に微々たる物よ」
凛「いつもよりほんの少しだけ欲望に正直になる副作用なんだけど…」
士郎「欲望に正直…」
凛「大体の人はもっと欲望に正直になるんだけど…そっか、添い寝か……」

18 : ◆xdATigB/bMnM :2017/05/14(日) 20:12:58.81 ID:7h0746D7o
凛「それで、してあげれば良いじゃない?添い寝」ニヤニヤ
士郎「ばか、そんなのその、困る」
凛「いいじゃない、貴方は彼氏、桜は彼女…何か問題がある?」
士郎「それは…でもその……」
士郎「ううぅ…」
凛「まあ、精々頑張って悩みなさい。それじゃあ切るわ」

19 : ◆xdATigB/bMnM :2017/05/14(日) 20:13:38.32 ID:7h0746D7o
士郎「……参ったな」
士郎(桜と添い寝をするという事について俺は今も思考を巡らせていた)
士郎(桜と添い寝するとなると……その……俺の理性がもたない可能性がある)
士郎(あの大きくて今も成長し続ける胸を押し付けられたら我慢できるかわからない)
士郎(でも、遠坂は言っていた「少しだけ欲望に正直になる薬」だと)
士郎(桜は普段そんな事を考えていたのだなぁ、と普段の自分の察しの悪さを考えると同時に)
士郎(そんな事を自分相手に考えていてくれたのだなという嬉しさが同時にある)
士郎(でも、その、相手は病人だ)
士郎(そういう事になってしまったら…体調が悪くなるかもという事を考えられる)
士郎「俺が死ぬほど我慢したらそれで済むはなしか…」
士郎(そうして、天国のような、ある意味地獄のような夜が始まった)

20 : ◆xdATigB/bMnM :2017/05/14(日) 20:14:08.42 ID:7h0746D7o
士郎(桜は今体を拭いている)
士郎(俺は今、部屋の前で、体が拭き終わるのを待っている状態だ)
士郎(決して、部屋の外に少し漏れてる衣擦れの音とかに変な意識など持っていない)
桜「せ、先輩……入っていいですよ」
士郎「お、お邪魔します…」
士郎(自分の家なのに変な気持ちだ)
桜「先輩……」
士郎(今からこの女の子と添い寝する)
士郎(そう考えただけで一つ一つの所作に意識してしまう)
桜「……」///
士郎(桜は熱のせいか、ほんのり顔が上気している)
士郎(そのせいか、いつもの何倍も桜が魅力的にーーー可愛く見える)

21 : ◆xdATigB/bMnM :2017/05/14(日) 20:14:35.34 ID:7h0746D7o
桜「せ、先輩からどうぞ」
士郎「あ、ああ」
士郎(状況に飲まれているのか桜の言葉一つに考えなしに従ってしまう)
士郎(桜の言葉の通りに布団に入る)
士郎(そして桜もゆっくりと布団に入って来る)
士郎(形としては、向かい合って寝る形だ)
桜「えへへ……」///
士郎(少しはにかみながら桜が笑ってる、ちくしょう、かわいい)
士郎(桜が布団に入ってきた時に甘くて良いーーー女の子の匂いがする)
士郎(脳髄が痺れまともな判断が出来なくなりそうだ)
桜「凄く布団がホカホカして気持ち良いです……」
桜「先輩と寝るとこんなに気持ち良いなんて、知らなかったです」ニコッ
士郎「あ、ああ。俺も凄く気持ち良いよ」


22 : ◆xdATigB/bMnM :2017/05/14(日) 20:15:29.31 ID:7h0746D7o
桜「せんぱい」
士郎「な、なんだよ」
桜「ギュッとして…あ、頭をなでてくれませんか」
士郎「わ、わかった」
士郎「……」ナデナデ
桜「………♪」ギュッ
士郎「……」ナデナデ
士郎(桜は気持ち良さそうに目を細めてこちらに抱きついてきている)
士郎(だから桜の胸がこれでもかというほど当たっているので、もう正直理性がヤバい)
士郎(でもこの幸せそうな桜を前に頭をなでるのはやめられない)
士郎(というか、撫でるのも髪がさらさらなので気持ち良い)

23 : ◆xdATigB/bMnM :2017/05/14(日) 20:16:08.31 ID:7h0746D7o
士郎(そうして30分間頭を撫で続けたぐらいだろうか)
桜「……」スー
士郎「桜……?寝たのか?」
士郎(体調が悪かったのが助けになったのかーーー桜はもう寝てしまった)
士郎(とは言っても桜にがっちり抱きしめられているので抜け出す事も出来ないのだが)
士郎(そして全身が触れ合っているので本当に本当にもう限界が近い)
士郎(月明かりが少し漏れて桜の顔を照らしているがーーーー改めて見るとそのきれいな顔に見惚れそうになる)
士郎「こんなかわいい子が俺の彼女なんだよなぁ……」
士郎(そう、桜はあまり自分から自己主張しないので忘れがちだが遠坂やライダー、セイバーに負けないぐらい美人なのだ)
士郎「桜……」
桜「ぅうん……」
士郎「……?」
桜「………おとうさん」ポツリ

24 : ◆xdATigB/bMnM :2017/05/14(日) 20:16:47.21 ID:7h0746D7o
士郎(寝言だろうか、桜の口からぽつりと漏れた言葉がイヤに耳まで響いてきた)
士郎(「おとうさん」って……時臣さんのことだよなぁ)
士郎(桜が養子に出されたのが確か……12年前の話だよな……)
士郎(そうやって、養子に出されたから、桜は他に、誰にも甘える事なく今まで生きてきたのだろう)
士郎(思えば「添い寝したい」っていうのも今までかくしていた願望なのかもしれない)
士郎(誰かに甘える事、依存する事、そういう事が出来ない環境だったからーーーー)
士郎「守ってあげなくちゃなぁ……」
士郎(不意に口からそんな言葉が零れ落ちたーーー仕方ない、むしろそう思わない方がどうかしている)
士郎(今までがどれだけ不幸だって、こうして幸せになりたいって思っている女の子を、誰が笑えるのだろうか)
士郎「おやすみ、桜」
士郎(そうして、俺は眠りについた、出来れば目の前の女の子がずっとずっと、幸せである事を願って)

25 : ◆xdATigB/bMnM :2017/05/14(日) 20:17:36.68 ID:7h0746D7o
士郎「ぅうん…ふあああーー」
士郎(暖かい布団の中で先に目覚めたのはどうやら俺だったようだ)
桜「……」スヤスヤ
士郎(桜はーーーまだ寝ている)
士郎(無防備に俺の事を信頼しているのか、穏やかに寝息を立てて眠っている)
士郎「……」ナデナデ
士郎(急に桜の頭を撫でたくなったーーーこのまま桜が起きるまで頭を撫で続けていよう)
士郎「……」ナデナデ
桜「……」スースー
士郎「……」ナデナデ
桜「……んぅ…」
士郎「……」ナデナデ

26 : ◆xdATigB/bMnM :2017/05/14(日) 20:18:05.01 ID:7h0746D7o
桜「あ、せんひゃい……おはようございましゅ……」
士郎「ああ。おはよう」ナデナデ
桜「あれぇ…せんぱいがなんでここに」
士郎(寝ぼけているのか、まだ桜はぼーっとしている)
桜「……」
士郎「……」
桜「……」
士郎「……」
桜「……!?~~~~~~~っ!!?」///
士郎(どうやら昨日の事を思い出したようだ)
士郎(しかし、頭を撫でる手は止めない)

27 : ◆xdATigB/bMnM :2017/05/14(日) 20:18:32.45 ID:7h0746D7o
士郎「……」ナデナデ
桜「せっ、せっ、先輩!恥ずかしいのでやめて下さい!」
士郎「桜がやってくれって言ったんじゃないか」ナデナデ
桜「そ、そうですけど」
士郎「ああーーーもう少しだけ、こうさせてくれ」ナデナデ
桜「でっ、でも……」
士郎「嫌か?」ナデナデ
桜「い、いやじゃないです!」
士郎「じゃあーーーーーー」ナデナデ
桜「あ、先輩…」
士郎(いざ、頭を撫で始めたら、目は少し蕩け、後十五分はされるがままだった)

28 : ◆xdATigB/bMnM :2017/05/14(日) 20:19:01.91 ID:7h0746D7o
桜「あうう……恥ずかしい……」
士郎「ごめん、ごめん。ちょっと調子に乗りすぎた」
桜「もうっ…先輩ったら意地悪です」
士郎「だから悪かったって…」
桜「……でも」
士郎(少し間を置いてふんわりと桜は笑った)
桜「ま、またお願いしていいですか?」
士郎「あ、ああ!もちろん!」
桜「……ふふっ」

29 : ◆xdATigB/bMnM :2017/05/14(日) 20:19:33.31 ID:7h0746D7o
士郎「なあ」
桜「はい」
士郎「今日は休日だな」
桜「そうですね」
士郎「どこかにデートにでも出かけないか?」
桜「いいですねっ」
桜「それじゃ私お弁当を作ってきますね?」
士郎「ああ、俺も手伝うよ」

30 : ◆xdATigB/bMnM :2017/05/14(日) 20:21:19.90 ID:7h0746D7o
士郎「そうだ、桜」
士郎(唐突にーーーー本当に唐突に疑問に思った事だが、そうでない事はわかっているのだが、確認せずにはいられなかった)
士郎「桜は今、幸せか?」
桜「ーーーーー」
士郎(一瞬戸惑った表情を見せたが、すぐにいつもの笑顔に変わって、確かめるように桜は言った)
桜「ーーーーーーはいっ」
士郎(彼女の笑顔が好きな者としてはその笑顔がずっとずっと続く事をーーーー願わずにはいられなかった)
終わり

33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/14(日) 20:58:37.69 ID:Qs4sdZ3Ao
乙!

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