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シンジ「強くてニューゲーム」

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Part19
37 :しょーちゃん ◆kQgryZtCus :2014/05/11(日) 21:20:38.62 ID:uBt6IcJA0
リツコ「………とんだ無駄足ね…」
シンジ「そもそもリツコさんは…そこまで父さんに執着する理由ないと思いますけど」
リツコ「そうかしら? いえ……そうなのかもね……」
シンジ「はっきり言っちゃえば、あなたが愛して欲しい存在は僕が徹底的に潰したし、追い込まれてしまうような事も全て避けたはずですから」
リツコ「………」
シンジ「ここに来たのもただ、僕への確認作業のはずです、リツコさんの中にそこまでの、綾波を壊してしまいたいって程の執念はない」
リツコ「………そうね、確かにそうよ」
綾波「………」
リツコ「でもね、シンジくん……あなたが全て正しい訳でも無いわ」
シンジ「…………」
リツコ「貴方なら、私の次に放つ言葉、分かるはずよね?」
シンジ「人はロジックじゃない…ですか?」
リツコ「そうよ……あなたのそれは、全部計算、とても冷たい物よ」
シンジ「…………」
リツコ「そういう所、あの人にそっくりよ」
シンジ「……………そうかもしれないですね」

38 :しょーちゃん ◆kQgryZtCus :2014/05/11(日) 21:27:05.15 ID:uBt6IcJA0
………
シンジ「………さて、と…これで最後、かな……」
シンジ「…………」
………………
……………
………

39 :しょーちゃん ◆kQgryZtCus :2014/05/11(日) 21:42:38.57 ID:uBt6IcJA0
…………
日向「……!!ターミナルドグマに突如強力なAT フィールドが発生!!パターン青!!」
冬月「……!!第3の少年か…!!」
ゲンドウ「…………」
マヤ「各ブロックの隔壁閉鎖…!!ダメです、依然移動中!!」
青葉「硬化ベークライトも効果無し!!これは……エヴァ格納庫に向かってる!?」
ミサト「………シンジくん……」
リツコ「………ミサト……どうするの?」
ミサト「………碇司令」
ゲンドウ「………現時刻をもって初号機専属パイロット、サードチルドレンを使徒と最終判断、即時殲滅対象とする」
マヤ「……そんな…でも…」
リツコ「…マヤ、止めなさい」
マヤ「………シンジくんなのに…」
ミサト「………了解です、パイロット各員に緊急連絡、出撃急がせて!!」
日向「…りょ、了解!!」
ミサト「…………………………………」ギリッ
ゲンドウ「……………」

40 :しょーちゃん ◆TDMjmouVqg :2014/05/11(日) 22:07:40.79 ID:uBt6IcJA0
シンジ「…………じゃあ母さん、お願いね?」
初号機『…………』
マリ「ちょっと待ってよわんこくん」ザッ
シンジ「……真希波、早いね来るの?」
マリ「使徒が居るってのにわざわざ帰ったりしないでしょ?ずっと待ってたよ」
シンジ「そっか」
マリ「………ホントに使徒な訳?」
シンジ「うん、そうだよ」
マリ「じゃあなんで今まで大人しくしてたの?使徒はこのネルフ本部の下…セントラルドグマへの侵入が目的なんでしょ?」
シンジ「………うーん、なんて言えばいいのかな?」
マリ「………確かにちょっといじわるだったけどさ、友達になれると思ってたのに、どうしてよ?」
シンジ「…………ごめんね、真希波の事、良く分からなかったから警戒してたんだ……結局なんの因果も見つけられなかったけどさ」
マリ「やっぱり戦うの?正直こんなに戦いたくない相手初めてなんだけど」
シンジ「僕の方が強いから?」
マリ「それもあるけど……そういう事じゃないでしょ」
シンジ「……真希波って結構優しいんだね、もっと自分勝手な奴だと思ってた」
マリ「ひっどいにゃー?一応これでも友達とか仲間は大事にしたい子なのに」
シンジ「…うん、もし次、また巡り会えたら今度はもう少し仲良くするよ」クスッ
マリ「………次ってなにさ、今から殺しあうのにさ……」
シンジ「……うん、ごめん」

41 :しょーちゃん ◆kQgryZtCus :2014/05/11(日) 22:36:57.39 ID:uBt6IcJA0
マリ「で、わんこくん、初号機に乗らないの?戦うんでしょ?」
シンジ「真希波こそ」
マリ「生身のわんこくん弐号機で潰すの?気が引けるんだけど」
シンジ「僕、使徒だよ?」
マリ「……それでもだよ、戦うならエヴァ同士の方がまだ気が楽」
シンジ「初号機には乗らないよ」
マリ「………どういう事?」
ズガンッッ!!
マリ「なっ…!?」
4号機『……………ォォォ…』メキメキメキィ!!
シンジ「………」スタスタ
マリ「…4号機!?渚!?」
シンジ「カヲルくんは乗ってないよ、僕の言うことは聞いてくれるけどね」
マリ「意味わかんないっての!!どういう事よ!?」
シンジ「…………4号機は僕だからね、ほんの少しだけど僕の魂を分けてコアに宿してある」
シンジ「………ごめん真希波、あまりキミに時間は掛けられないや、弐号機と戦って戦力潰すのも嫌だし、ごめんね」クンッ
マリ「…え…!?」
シンジ「……少し眠ってて……ふっ…!!」
ドッ…!!
マリ「…ぐ…!?」ヨロ
シンジ「ごめんね、ホントに」
マリ「……っ…」ドサッ
シンジ「……それじゃ、行こうか」
4号機『…………』
シンジ「……母さん、カヲルくんをよろしくね」
初号機『…………』
シンジ「…約束が果たされる為に」


42 :しょーちゃん ◆TDMjmouVqg :2014/05/11(日) 22:43:12.92 ID:uBt6IcJA0
予告
テーンテテーテテーテテテテーテテーテーンテテーテテー♪
セントラルドグマへと向かうシンジ
それを追うカヲルは何を思い初号機へと乗り込むのか
そしてレイは、アスカは、ミサトはそれぞれ何を心に秘める
次回「最後のシ者」
この次も、サービスサービス!!(テーテン♪)

50 :しょーちゃん ◆TDMjmouVqg :2014/05/12(月) 18:10:41.55 ID:naf6HPvk0
………
アスカ「………………」
アスカ「……うん、わかってる……バカシンジにちゃんと聞かないと納得出来ないわよね」
アスカ「あいつの望み、あいつの目指すモノ、何一つあたしは知らない」
アスカ「あいつが言わなかったから?違う、ただ聞こうとしなかっただけ」
アスカ「自分だけ、ホントに自分の事しか考えてなかったから」
アスカ「………うん、別にそれが間違ってたなんて思ってないわ、今でもね……結果的にはこうしてママとまた一緒に居られるんだから」
アスカ「でも、そのせいであいつに借り作っちゃったままなのもあたし嫌」
アスカ「だからあたし行くわ、あいつの所、エヴァには乗れないかもしれなけど、出来る事あるはずだから」
アスカ「………だからママ、またあたしに力を貸して…!!」
……………
………

51 :しょーちゃん ◆kQgryZtCus :2014/05/12(月) 18:43:53.42 ID:naf6HPvk0
…………
カヲル「………!!4号機が…!!真希波も!?」
ミサト『………………渚くん』
カヲル「…葛城さん、これは!!」
ミサト『見ての通りよ…シンジく…い、目標は4号機を伴ってセントラルドグマへ降下してる』
カヲル「……目標…」
ミサト『………そうよ、あれはもう…人類の敵よ、そう認識して』
カヲル「…………そんな…」
ミサト『………状況を簡潔に説明するわ、現在使徒はセントラルドグマへ侵攻中、妨害はしてるけど最終防衛地点への到達は時間の問題よ』
ミサト『そして迎撃しようにもマリは気絶中、それにレイも何処に居るのかわからないの、さらに言えば…渚くんに対応したコアプログラムを乗せた4号機は、目標の手足として使役されている』
カヲル「……つまり…僕に対応させる為にエヴァのコアを書き換えも出来ないって事ですか?」
リツコ『………その通りよ、同一のチルドレンに対応出来るコアプログラムは複数用意は出来ない』
カヲル「…じゃあ、どうすれば?」
ミサト『……リツコ、ダミーシステムが使用出来ないって根拠…それ間違いないのね?』
リツコ『………彼の用意周到さはミサトも知っているでしょ、間違いなく人形に邪魔されないように手を打っているわ』
ミサト『………そう、そうね………あの子なら結末はヒトの手で作らせようとするわよね…』
カヲル「……………」
ミサト『…………渚くん、初号機に乗りなさい』
カヲル「…………初号機に?でもコアは…」
ミサト『………加持くんも、それにあの子もあたなについては私に教えられた事はないけど、私の考えが正しければ……あたなは初号機に受け入れられるはずよ』
カヲル「…………初号機に?」
初号機『…………………』

52 :しょーちゃん ◆kQgryZtCus :2014/05/12(月) 19:09:39.54 ID:naf6HPvk0
ゲンドウ「…………」
冬月「……フィフス、渚カヲルか……確かに歪な存在だ」
リツコ「彼の経歴、調べても特に異常な点は見られませんでした、少なくともチルドレンとして選出した時点では」
冬月「データの改竄の痕跡もないとの事だったな?」
リツコ「はい、至って普通の家族構成、母親が例の実験の被験者であった事、セカンドインパクトど出生が同一日であるなどチルドレンとしての適切を満たす意外は特筆すべき点などありませんでした」
冬月「…………全て、データ上では、ということかね?」
リツコ「…はい、ほんの数日前…シンジくんを拘束した少し後になって判明した事ですが」
リツコ「彼は、セカンドインパクト当日に捨てられたように放置されていた所を現在の保護者に拾われ、実子として育てられたそうです」
冬月「…………何故それがこんな後になるまで発覚しなかった?」
リツコ「彼の仕業でしょうね、間違いなく」
ゲンドウ「………では、何故エヴァを動かせる?あれには…」
リツコ「………4号機のコアプログラム、それ自体を彼が用意したのでしょうね、先ほどの彼の言葉の通りなら」
ゲンドウ「…………何故それで動く、あれらの関係は?」
リツコ「…………恐らくは…………」
……………
………

54 :しょーちゃん ◆kQgryZtCus :2014/05/12(月) 19:24:40.67 ID:naf6HPvk0
……………
カヲル「…………これが初号機の……」
『…………………』
カヲル「…………そう、そうか……そういう事なんだね、シンジくん……」
リツコ『…………………マヤ、神経接続』
マヤ『はい、初号機との神経接続開始、パルスあ、安定!!システムオールグリーン……そんな、コアは交換していないのに…』
ミサト『…………』
リツコ『……いけるわ』
カヲル「…………………」
ミサト『………渚くん、迎撃…行けるわね?』
カヲル「………………」
……………

55 :しょーちゃん ◆kQgryZtCus :2014/05/12(月) 19:33:44.30 ID:naf6HPvk0
……………
シンジ「…………」
4号機『……………』
シンジ「………くる……」
ダンッ!!
カヲル「…シンジくん!!」
初号機『……………』ズォッ!!
シンジ「待ってたよ、カヲルくん」
4号機『…………ォォォ!!』ギチギチ!!
初号機『……………ッッ…!!』グギギギ……!!
カヲル「……止まってくれ!!僕はキミとは……!!」
シンジ「………ごめんねカヲルくん、それは出来ない」

56 :しょーちゃん ◆kQgryZtCus :2014/05/12(月) 19:47:06.36 ID:naf6HPvk0
長い、円筒の中を2体のエヴァが掴み合い、競り合いながら落下してゆく。
シンジ「やるべき事は全て終わった、後は……僕だけなんだよ、カヲルくん」
初号機がパイロットの意思に呼応し、更に力を込める。
カヲル「……ッッ…!! だけど!!」
シンジ「……………カヲルくんも、もう気付いてるはずだよ、キミは」
その力に拮抗するかの如く4号機もまた押し返し、吼える。
シンジ「…キミは、僕だった存在なんだ」
カヲル「………ッッ…!!」

57 :しょーちゃん ◆kQgryZtCus :2014/05/12(月) 20:00:58.14 ID:naf6HPvk0
シンジ「4号機……明確な母親っていう存在がいないキミは、どうして動かせるか分かる?」
シンジ「それは、僕の魂が最もカヲルくんに近しい存在だからだよ、まるで母親と子供のように」
シンジ「………今、何故僕の母さんの魂の存在する初号機を動かせる?」
シンジ「それは、キミは僕と同じ存在だからだ」
シンジ「だから母さんはカヲルくんにも心を開く、終わらない環に閉じ込められながら、かつて僕と混ざりあい、再び二つに別れた存在だから」
カヲル「…………!!」
初号機『……………』メキメキメキィ!!
4号機『…………ォォォ…!!!!』ギチギチ!!
シンジ「………本来、使徒として存在していたのは渚カヲル、キミだったんだ」
シンジ「……でもあの時、あの瞬間にキミと僕のAT フィールドは混ざり、解き放たれて、魂まで一つに合わさってしまった」
シンジ「僕が、初めてキミを殺したその時に」

58 :しょーちゃん ◆kQgryZtCus :2014/05/12(月) 20:14:15.86 ID:naf6HPvk0
シンジ「…そして、その後あの結末を迎えた」
シンジ「全てのリリンが一つとなった世界で、キミを混じりあった僕とアスカだけが残された世界に」
シンジ「……僕はもう一度みんなに、ミサトさんに、トウジやケンスケ、委員長…リツコさんやマヤさん日向さん青葉さん……綾波にも、それにカヲルくんにも会いたかった」
シンジ「………あんな世界で、アスカと一緒だったけど……あんな何もない世界で生きていられなかった」
シンジ「だから、願ったんだ、また会いたいって、たとえまた傷ついたとしても、嫌なモノを見ることになったとしても」
シンジ「…………そして、この繰り返す運命が始まった」

59 :しょーちゃん ◆kQgryZtCus :2014/05/12(月) 20:24:19.23 ID:naf6HPvk0
カヲル「………」
シンジ「…きっと、この記憶を引き継いでしまう力も本来はカヲルくんが持っていたんだと思う、キミは使徒の中でも特殊な存在だったんだね」
カヲル「………だから、それで…僕に?」
シンジ「………………そろそろ、着くよカヲルくん」
ズズズズンッッ!!
……………

60 :しょーちゃん ◆kQgryZtCus :2014/05/12(月) 21:18:43.90 ID:naf6HPvk0
…………
日向『…セントラルドグマ直上に強力なAT フィールド!!センサー、カメラ等全ての情報がされています!!』
ミサト『…………っ…』
冬月「…まさしく結界だな」
ゲンドウ「……………」
青葉「…っ!!結界上部に新たな反応!!セントラルドグマを遮断しているAT フィールドと同等の物が二つ!!」
リツコ「なに?どういうこと!?」
青葉「あ、いえ、反応消えました!!」
ミサト「…二つ、か…………日向くん、ちょっと」
日向「………はい、なんでしょう」
ミサト「………もし、サードインパクトの兆候が見られたら、その時はここをジオフロント全て巻き込むレベルで起爆させて」
日向「……………それは……いえ、わかりました葛城三佐」
ミサト「…ごめんね、ただの部下でしかない貴方にいきなりこんな事言って」
日向「…構いません、貴女の為なら」
ミサト「……ありがとう」
日向「…………」

61 :しょーちゃん ◆TDMjmouVqg :2014/05/12(月) 21:30:13.79 ID:naf6HPvk0
アスカ「貴女も来たのね」
綾波「…………ええ」
アスカ「なんの為に?シンジくんの為?」
綾波「……貴女は?」
アスカ「直接話すのは初めてだったかしら?この娘の母親よ」
綾波「………そう」
アスカ「それで、貴女はどうして行くの?」
綾波「わからない」
綾波「…でも、碇くんを気にしてる、私」
アスカ「……なら行きましょうか、結末はどうであれ、貴女たちは立ち入る権利があるはずだから」
綾波「…………ええ」

62 :しょーちゃん ◆kQgryZtCus :2014/05/12(月) 21:43:09.80 ID:naf6HPvk0
ズズズズンッッ!!
4号機『……グォォォッッ!!』
初号機『………………っ!!』
カヲル「…っ!!シンジくん!!」
シンジ「………4号機、もう良いよ、戻ってきて」スッ
4号機『…………ォ……………………っ』
カヲル「…え?」
4号機『』ズズン…
初号機『……………』
シンジ「…あくまでも4号機は物理的な障害を退ける為だけに連れてきたからね…もう、役目は終えたからコアの中の魂も僕に帰らせたんだ」スー…
カヲル「まて!!シンジくん!!」
初号機『……………』ズン…ズン…
シンジ「………やっと来たね、ここに……そして久しぶり、リリス」
リリス『………………』
シンジ「…といってもキミの心の方にはいつも会ってるか」クスッ

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