のび太「……ごめんね」
Part3
205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:17:19.00 ID:bqEmly1o0
しずか「晩御飯、何がいいかしら?」
のび太「全員でそろってるんだ。何か鍋物でも」
ジャイアン「いいね。あったかいもの食べて元気つけないとな」
しずか「じゃあ、あったかくなるようにちげ鍋にでもするわね」
しずかちゃんが台所に消えると、僕らはまた向かい合って話した。
出木杉「……これからどうなるのかな」
のび太「わからない……でも」
出木杉「でも?」
のび太「犯人の好きには、絶対にさせない」
出木杉「……そうだね」
スネオ「だな。……あ、鍋、出来たみたいだよ」
しずか「熱いから、気をつけてね」
216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:21:47.32 ID:bqEmly1o0
とにかく僕らは一塊になろうとした。
離れ離れになると、そこが狙われそうになる。
5人固まっていても、どこからか見られているような気配が、必ずした。
そのたびに僕らは周りを見渡して、安全かどうかを確認した。
しかし、その塊にも、穴が出来るんだ。
そりゃそうだ、四六時中、一緒にいることなんて出来ないんだから。
しずかちゃんが、いなくなった。
232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:25:26.53 ID:bqEmly1o0
のび太「しずかちゃん!」
僕らは町中を探し回った。
探していないところは、どこにもない。
二度も三度も、同じ場所を探し回った。
でも、見つからなかった。
のび太「どこに……?!」
僕はあたりを見渡した。
そして、気づいたんだ。
さっきまで僕の後ろを走っていたはずのジャイアン。
その後ろに居たスネオ、出木杉。
みんな、いなくなってたんだ。
247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:29:06.31 ID:bqEmly1o0
気がつかないうちに、僕は一人になっていた。
みんな、いったいどこへ?
わからない、わからない。
僕がいるここはどこだ?
僕は、何をしているんだ?
僕はしずかちゃんを探してた。そうだ。
そして、そうしている間に、みんながいなくなった。
みんながいなくなった。
僕は、一人。
だけど、僕の意識ははっきりとしていた。
だから、音も立てずに近づいていたそいつの一撃を、僕はかわすことが出来たんだ。
255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:32:35.62 ID:bqEmly1o0
一瞬。
交錯する、視線。
僕はそいつの顔を、見た。
のび太「お前は……」
そいつは明らかに動揺していたが、僕にはわかった。
のび太「……お前は」
僕は言った。
のび太「……出木杉……なのか?」
257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:33:31.76 ID:3QWtjHZn0
のびたwwwwww
258 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:34:00.11 ID:L6poMw7DO
なん…だと…?
259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:34:01.96 ID:mLRz3Ag6O
太郎ぉぉぉおおおおおお
260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:34:29.21 ID:yngltM5VO
今読み始めたが久々に書き出しかなり引き込まれた
261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:34:35.65 ID:MrLul2SB0
出来過ぎなら仕方ない
262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:34:43.03 ID:54xbMr/C0
ここで「やっぱり」とか言ったら叩かれるんだろうな
263 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:35:06.84 ID:bqEmly1o0
だが、そいつは出木杉の面影はあったが、本当の出木杉ではなかった。
年は40くらいに見えるし、きれいなスーツを着て働いているような出木杉の面影はまったくなかった。
まったく別人と言っても良かった。
もしかして……
のび太「未来の……出木杉?」
そいつは、未来の出木杉は、僕の顔を見て、うなずいた。
264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:35:10.82 ID:CNp1zKwc0
話が出来過ぎだ
出木杉だけに
265 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:35:18.48 ID:m/QnSqneO
出来過ぎ何がしたいんだ…!
285 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:40:15.01 ID:bqEmly1o0
出木杉「……そうだ。俺は、未来からやってきた、出木杉だ」
そいつは、静かにそういった。
のび太「……お前は、いったい何がしたいんだ?」
なんとか言葉を搾り出す。
出木杉「お前に話す義務などない」
のび太「何を……!」
そのときだった。
出木杉が、動いた。
僕の予想を大きく超えた動きだったために、僕はほとんど反応が出来なかった。
快速シューズを使っていたと気づいたのは、数秒後の話。
だが、気づいたときにはもう遅かった。
僕の懐深く入り込んだ出木杉は、僕の腹に強烈なボディブローを食らわせた。
意識を失うのには、十分すぎる一撃だった。
295 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:43:13.58 ID:bqEmly1o0
混沌とした意識の中で、僕はしずかちゃん、ジャイアン、スネオ、出木杉の顔を思い出していた。
みんなどこへ?
あの、薄汚い格好をしていた出木杉はいったいなんなんだ?
そんな疑問が生まれては消えていった。
そして、意識を取り戻したとき。
僕は、縄で縛られていた。
のび太「……これは?!」
302 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:46:52.77 ID:bqEmly1o0
くそっ。
僕は心の中で毒づいた。
なんなんだ、いったい。
あたりを見渡すと、同じように縛られたジャイアン、しずかちゃん、スネオ。そして出木杉の姿。
のび太「……くそ」
???「……やっと目が覚めたみたいだね、のび太くん」
のび太「……ああ」
やっぱり、そいつはそこに居た。
薄汚い格好をした、今の出木杉とはまるで違った、もう一人の出木杉。
315 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:51:26.84 ID:bqEmly1o0
のび太「タケコプターで飛び回っていたのはお前か?」
未来の出木杉「だとしたら?」
のび太「ジャイアンの家を燃やしたのも?」
未来の出木杉「だったらなんなんだ?」
のび太「なんでそんなことしたんだよ!!!!」
僕は叫んでいた。
のび太「なんの目的で、なんのつもりで、そんなことするんだ!?」
未来の出木杉はしばらく僕の目をじっと見ていた。
そして、静かに言った。
未来の出木杉「俺をこんな風にした……復讐かな」
331 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:56:36.43 ID:bqEmly1o0
のび太「僕が?お前を?どういうことだ?」
未来の出木杉「……まだわからないのか?」
のび太「……」
未来の出木杉「……じゃあ、教えてやるよ」
なんで、お前を襲ったのかを、な。
そいつは、そう続けた。
……
いつの時代の俺でもそうだ。
俺が、しずかさんを好きだったっていうことは、お前も知ってるよな。
そしてお前は俺としずかさんが結婚する未来のことも、知ってる。
だからこそ、許せないんだ。
337 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:59:21.74 ID:bqEmly1o0
お前はドラえもんを使って、未来を捻じ曲げた。
俺としずかさんが結婚する未来を壊して、お前としずかさんが結婚する未来を作ろうとした。
……いや、作った。
現に、お前はしずかさんと結婚してるからな。
お前に、ひとつだけ聞きたい。
俺の気持ちを一瞬でも考えたことが、あったか?
心の底から好きな人を、なんだかわからないロボットを使って、奪われた気持ちが。
ええ?
どうなんだ?
354 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:04:29.02 ID:bqEmly1o0
のび太「……僕は……」
確かに、そうだった。
僕は、ドラえもんの力を借りてしずかちゃんと結婚することが出来たのだ。
出木杉が、しずかちゃんを好きだということも、なんとなく、気づいてた。
だけど、知らないフリをしていた。
未来の出木杉「お前にしずかちゃんを奪われて、俺はやけになった。
お前の隣で縛られて、気を失っているそいつも、だぜ。今、お前のことをどう思ってるのか、お前は知ってるか?」
俺には手に取るようにわかる。
そいつは言った。
未来の出木杉「最初は、耐えられた。しかたのないものだと、自分で思い込んだ。それで、自分を守ろうとしたんだ」
のび太「……」
未来の出木杉「でも、だめだった。一度崩れてしまってからは、もう何もかも早かった」
366 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:09:07.08 ID:bqEmly1o0
僕は何もいえなかった。
ただ、そいつの話を聞くだけだ。
未来の出木杉「……知ってるか?もう、お前の隣にいる出木杉は仕事がないんだぜ?」
のび太「な……でも、スネオとだって契約を……」
未来の出木杉「その契約書を、お前は見たか?この前、電車で一緒になったとき、出木杉が降りた駅は本当に正しかったか?」
のび太「……そんな」
未来の出木杉「もう、そいつはぼろぼろなんだよ……」
それもこれも、とそいつはつづける。
未来の出木杉「すべては、お前のせいだ、のび太」
381 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:13:19.95 ID:bqEmly1o0
未来の出木杉「だから、俺はお前を殺すんだ」
静かに、言い放つ。
未来の出木杉「どの時代の出木杉も苦しめる、お前を」
取り出したのは、ナイフ。
未来の出木杉「……なぁ、これで、俺は楽になれるんだよなぁ」
のび太「……」
そして、僕は……
何も、出来なかった。
何も、いえなかった。
出木杉「……のび太くん?!」
隣の、出木杉が目を覚ますまでは。
391 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:17:40.97 ID:bqEmly1o0
未来の出木杉「……お前」
出木杉「……君は……」
出木杉と、未来の出木杉の視線が交錯する。
出木杉「……そっか、そういうことだったのか」
数秒後、出木杉は静かに言った。
出木杉「……全部、僕がやったことだったのか」
のび太「……出木杉」
出木杉「いや、いいんだ。これだけで、全部判るよ」
未来の出木杉「……」
出木杉「……のび太君、わかっただろ?僕が、君に対してどういう感情を抱いていたか」
399 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:23:20.97 ID:bqEmly1o0
出木杉「君に対する嫉妬、憎悪。それが、こんなことを引き起こしてしまったんだね」
のび太「出木杉、僕は……!」
出木杉「いいんだ。僕は君を恨んでいる。恨んでいる、けど、君にしかしずかちゃんを幸せに出来ないとも思っている。
なんでだろうね?ここ数週間で、だいぶ君の見方が変わったからかな」
のび太「出木杉……」
出木杉「なぁのび太君。しずかさんを、幸せにしてやってほしい」
のび太「え……?」
出木杉「頼んだよ!」
未来の出木杉「何をするつもりだ?!」
出木杉「……いま、僕がここで死ねば。未来の君は、存在しなくなる。そうだよな?!
僕あっての、君だからな?!」
そういって出木杉は、
自分の舌を、噛み切った。
400 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:24:04.77 ID:Q341AcnB0
うひょ
403 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:24:17.05 ID:eMgOpF340
ああああああああっ
404 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:24:40.75 ID:tCU4pDAoO
出来杉…
405 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:24:44.28 ID:d2R3hZuLO
自害かよ…
406 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:24:49.90 ID:ZDrfSerg0
出木杉いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:24:55.75 ID:J/1nNJxP0
うお
408 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:25:02.01 ID:Imii9Il1O
そんな…
422 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:27:00.08 ID:bqEmly1o0
のび太「出木杉!」
未来の出木杉「……てめぇ……なんてことを……」
がくり、と崩れ落ちる出木杉の体。
同時に、消えていく未来の出木杉。
未来の出木杉「てめぇえええええええええ!!」
叫ぶ、しかしどうしようも出来ないらしい。
未来の出木杉「ちくしょおおおおおおああああ」
そう叫んで、未来の出木杉の体は、
消えた。
423 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:27:22.82 ID:E34FjFSB0
ここでそうきたああああああああああ
425 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:27:37.75 ID:U63F1S3P0
うわああああああああああああああ
426 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:27:42.99 ID:zeojRoPPO
ひでとしが・・・・
427 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:27:43.36 ID:d6zdF0x90
/(^o^)\
442 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:29:47.65 ID:bqEmly1o0
僕は、そのすべてを呆然と見ていた。
舌を噛み切った出木杉。
そのせいで、存在が消えた未来の出木杉。
僕は、何も出来なかった。
のび太「……これで」
終わったんだな。
僕は、一人でつぶやいた。
風は冷たかったが、目頭は熱かった。
458 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:33:14.72 ID:bqEmly1o0
そんなことがあっても、日々は流れていく。
僕らの前から出木杉は消えた。
僕らは大体もとの生活に戻り始めて、普通に生活をし始めた。
それでも、僕はたまに空の向こうにいるあいつに声をかけずにはいられない。
なぁ、出木杉。
のび太「……ごめんね」
471 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:36:08.35 ID:bqEmly1o0
これで終わり。
パラドックスとか、そういうのいまいちわからないっていうか、そう言うの言い始めたらきりがないっていうか……
まぁ、ご都合主義だけどこんなもんで。
しずかと出木杉は結婚するもんだと勝手に思ってた。すまない。
472 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:36:15.47 ID:H4ZUkkcaO
終わりかな?
面白かったよ!>>1乙
490 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:38:50.73 ID:2GJ+eCPE0
>>1乙
良かったぜ
491 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:38:51.55 ID:T7F/9d+OO
>>1
お疲れさまでした
499 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:39:42.30 ID:hlRa6cwT0
乙。久々に良いものを見た
しずか「晩御飯、何がいいかしら?」
のび太「全員でそろってるんだ。何か鍋物でも」
ジャイアン「いいね。あったかいもの食べて元気つけないとな」
しずか「じゃあ、あったかくなるようにちげ鍋にでもするわね」
しずかちゃんが台所に消えると、僕らはまた向かい合って話した。
出木杉「……これからどうなるのかな」
のび太「わからない……でも」
出木杉「でも?」
のび太「犯人の好きには、絶対にさせない」
出木杉「……そうだね」
スネオ「だな。……あ、鍋、出来たみたいだよ」
しずか「熱いから、気をつけてね」
216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:21:47.32 ID:bqEmly1o0
とにかく僕らは一塊になろうとした。
離れ離れになると、そこが狙われそうになる。
5人固まっていても、どこからか見られているような気配が、必ずした。
そのたびに僕らは周りを見渡して、安全かどうかを確認した。
しかし、その塊にも、穴が出来るんだ。
そりゃそうだ、四六時中、一緒にいることなんて出来ないんだから。
しずかちゃんが、いなくなった。
232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:25:26.53 ID:bqEmly1o0
のび太「しずかちゃん!」
僕らは町中を探し回った。
探していないところは、どこにもない。
二度も三度も、同じ場所を探し回った。
でも、見つからなかった。
のび太「どこに……?!」
僕はあたりを見渡した。
そして、気づいたんだ。
さっきまで僕の後ろを走っていたはずのジャイアン。
その後ろに居たスネオ、出木杉。
みんな、いなくなってたんだ。
247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:29:06.31 ID:bqEmly1o0
気がつかないうちに、僕は一人になっていた。
みんな、いったいどこへ?
わからない、わからない。
僕がいるここはどこだ?
僕は、何をしているんだ?
僕はしずかちゃんを探してた。そうだ。
そして、そうしている間に、みんながいなくなった。
みんながいなくなった。
僕は、一人。
だけど、僕の意識ははっきりとしていた。
だから、音も立てずに近づいていたそいつの一撃を、僕はかわすことが出来たんだ。
255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:32:35.62 ID:bqEmly1o0
一瞬。
交錯する、視線。
僕はそいつの顔を、見た。
のび太「お前は……」
そいつは明らかに動揺していたが、僕にはわかった。
のび太「……お前は」
僕は言った。
のび太「……出木杉……なのか?」
のびたwwwwww
258 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:34:00.11 ID:L6poMw7DO
なん…だと…?
259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:34:01.96 ID:mLRz3Ag6O
太郎ぉぉぉおおおおおお
260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:34:29.21 ID:yngltM5VO
今読み始めたが久々に書き出しかなり引き込まれた
261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:34:35.65 ID:MrLul2SB0
出来過ぎなら仕方ない
262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:34:43.03 ID:54xbMr/C0
ここで「やっぱり」とか言ったら叩かれるんだろうな
263 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:35:06.84 ID:bqEmly1o0
だが、そいつは出木杉の面影はあったが、本当の出木杉ではなかった。
年は40くらいに見えるし、きれいなスーツを着て働いているような出木杉の面影はまったくなかった。
まったく別人と言っても良かった。
もしかして……
のび太「未来の……出木杉?」
そいつは、未来の出木杉は、僕の顔を見て、うなずいた。
264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:35:10.82 ID:CNp1zKwc0
話が出来過ぎだ
出木杉だけに
265 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:35:18.48 ID:m/QnSqneO
出来過ぎ何がしたいんだ…!
285 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:40:15.01 ID:bqEmly1o0
出木杉「……そうだ。俺は、未来からやってきた、出木杉だ」
そいつは、静かにそういった。
のび太「……お前は、いったい何がしたいんだ?」
なんとか言葉を搾り出す。
出木杉「お前に話す義務などない」
のび太「何を……!」
そのときだった。
出木杉が、動いた。
僕の予想を大きく超えた動きだったために、僕はほとんど反応が出来なかった。
快速シューズを使っていたと気づいたのは、数秒後の話。
だが、気づいたときにはもう遅かった。
僕の懐深く入り込んだ出木杉は、僕の腹に強烈なボディブローを食らわせた。
意識を失うのには、十分すぎる一撃だった。
295 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:43:13.58 ID:bqEmly1o0
混沌とした意識の中で、僕はしずかちゃん、ジャイアン、スネオ、出木杉の顔を思い出していた。
みんなどこへ?
あの、薄汚い格好をしていた出木杉はいったいなんなんだ?
そんな疑問が生まれては消えていった。
そして、意識を取り戻したとき。
僕は、縄で縛られていた。
のび太「……これは?!」
302 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:46:52.77 ID:bqEmly1o0
くそっ。
僕は心の中で毒づいた。
なんなんだ、いったい。
あたりを見渡すと、同じように縛られたジャイアン、しずかちゃん、スネオ。そして出木杉の姿。
のび太「……くそ」
???「……やっと目が覚めたみたいだね、のび太くん」
のび太「……ああ」
やっぱり、そいつはそこに居た。
薄汚い格好をした、今の出木杉とはまるで違った、もう一人の出木杉。
315 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:51:26.84 ID:bqEmly1o0
のび太「タケコプターで飛び回っていたのはお前か?」
未来の出木杉「だとしたら?」
のび太「ジャイアンの家を燃やしたのも?」
未来の出木杉「だったらなんなんだ?」
のび太「なんでそんなことしたんだよ!!!!」
僕は叫んでいた。
のび太「なんの目的で、なんのつもりで、そんなことするんだ!?」
未来の出木杉はしばらく僕の目をじっと見ていた。
そして、静かに言った。
未来の出木杉「俺をこんな風にした……復讐かな」
331 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:56:36.43 ID:bqEmly1o0
のび太「僕が?お前を?どういうことだ?」
未来の出木杉「……まだわからないのか?」
のび太「……」
未来の出木杉「……じゃあ、教えてやるよ」
なんで、お前を襲ったのかを、な。
そいつは、そう続けた。
……
いつの時代の俺でもそうだ。
俺が、しずかさんを好きだったっていうことは、お前も知ってるよな。
そしてお前は俺としずかさんが結婚する未来のことも、知ってる。
だからこそ、許せないんだ。
337 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:59:21.74 ID:bqEmly1o0
お前はドラえもんを使って、未来を捻じ曲げた。
俺としずかさんが結婚する未来を壊して、お前としずかさんが結婚する未来を作ろうとした。
……いや、作った。
現に、お前はしずかさんと結婚してるからな。
お前に、ひとつだけ聞きたい。
俺の気持ちを一瞬でも考えたことが、あったか?
心の底から好きな人を、なんだかわからないロボットを使って、奪われた気持ちが。
ええ?
どうなんだ?
のび太「……僕は……」
確かに、そうだった。
僕は、ドラえもんの力を借りてしずかちゃんと結婚することが出来たのだ。
出木杉が、しずかちゃんを好きだということも、なんとなく、気づいてた。
だけど、知らないフリをしていた。
未来の出木杉「お前にしずかちゃんを奪われて、俺はやけになった。
お前の隣で縛られて、気を失っているそいつも、だぜ。今、お前のことをどう思ってるのか、お前は知ってるか?」
俺には手に取るようにわかる。
そいつは言った。
未来の出木杉「最初は、耐えられた。しかたのないものだと、自分で思い込んだ。それで、自分を守ろうとしたんだ」
のび太「……」
未来の出木杉「でも、だめだった。一度崩れてしまってからは、もう何もかも早かった」
366 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:09:07.08 ID:bqEmly1o0
僕は何もいえなかった。
ただ、そいつの話を聞くだけだ。
未来の出木杉「……知ってるか?もう、お前の隣にいる出木杉は仕事がないんだぜ?」
のび太「な……でも、スネオとだって契約を……」
未来の出木杉「その契約書を、お前は見たか?この前、電車で一緒になったとき、出木杉が降りた駅は本当に正しかったか?」
のび太「……そんな」
未来の出木杉「もう、そいつはぼろぼろなんだよ……」
それもこれも、とそいつはつづける。
未来の出木杉「すべては、お前のせいだ、のび太」
381 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:13:19.95 ID:bqEmly1o0
未来の出木杉「だから、俺はお前を殺すんだ」
静かに、言い放つ。
未来の出木杉「どの時代の出木杉も苦しめる、お前を」
取り出したのは、ナイフ。
未来の出木杉「……なぁ、これで、俺は楽になれるんだよなぁ」
のび太「……」
そして、僕は……
何も、出来なかった。
何も、いえなかった。
出木杉「……のび太くん?!」
隣の、出木杉が目を覚ますまでは。
391 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:17:40.97 ID:bqEmly1o0
未来の出木杉「……お前」
出木杉「……君は……」
出木杉と、未来の出木杉の視線が交錯する。
出木杉「……そっか、そういうことだったのか」
数秒後、出木杉は静かに言った。
出木杉「……全部、僕がやったことだったのか」
のび太「……出木杉」
出木杉「いや、いいんだ。これだけで、全部判るよ」
未来の出木杉「……」
出木杉「……のび太君、わかっただろ?僕が、君に対してどういう感情を抱いていたか」
399 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:23:20.97 ID:bqEmly1o0
出木杉「君に対する嫉妬、憎悪。それが、こんなことを引き起こしてしまったんだね」
のび太「出木杉、僕は……!」
出木杉「いいんだ。僕は君を恨んでいる。恨んでいる、けど、君にしかしずかちゃんを幸せに出来ないとも思っている。
なんでだろうね?ここ数週間で、だいぶ君の見方が変わったからかな」
のび太「出木杉……」
出木杉「なぁのび太君。しずかさんを、幸せにしてやってほしい」
のび太「え……?」
出木杉「頼んだよ!」
未来の出木杉「何をするつもりだ?!」
出木杉「……いま、僕がここで死ねば。未来の君は、存在しなくなる。そうだよな?!
僕あっての、君だからな?!」
そういって出木杉は、
自分の舌を、噛み切った。
400 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:24:04.77 ID:Q341AcnB0
うひょ
403 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:24:17.05 ID:eMgOpF340
ああああああああっ
404 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:24:40.75 ID:tCU4pDAoO
出来杉…
405 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:24:44.28 ID:d2R3hZuLO
自害かよ…
406 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:24:49.90 ID:ZDrfSerg0
出木杉いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:24:55.75 ID:J/1nNJxP0
うお
408 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:25:02.01 ID:Imii9Il1O
そんな…
422 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:27:00.08 ID:bqEmly1o0
のび太「出木杉!」
未来の出木杉「……てめぇ……なんてことを……」
がくり、と崩れ落ちる出木杉の体。
同時に、消えていく未来の出木杉。
未来の出木杉「てめぇえええええええええ!!」
叫ぶ、しかしどうしようも出来ないらしい。
未来の出木杉「ちくしょおおおおおおああああ」
そう叫んで、未来の出木杉の体は、
消えた。
423 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:27:22.82 ID:E34FjFSB0
ここでそうきたああああああああああ
425 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:27:37.75 ID:U63F1S3P0
うわああああああああああああああ
426 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:27:42.99 ID:zeojRoPPO
ひでとしが・・・・
427 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:27:43.36 ID:d6zdF0x90
/(^o^)\
442 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:29:47.65 ID:bqEmly1o0
僕は、そのすべてを呆然と見ていた。
舌を噛み切った出木杉。
そのせいで、存在が消えた未来の出木杉。
僕は、何も出来なかった。
のび太「……これで」
終わったんだな。
僕は、一人でつぶやいた。
風は冷たかったが、目頭は熱かった。
458 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:33:14.72 ID:bqEmly1o0
そんなことがあっても、日々は流れていく。
僕らの前から出木杉は消えた。
僕らは大体もとの生活に戻り始めて、普通に生活をし始めた。
それでも、僕はたまに空の向こうにいるあいつに声をかけずにはいられない。
なぁ、出木杉。
のび太「……ごめんね」
471 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:36:08.35 ID:bqEmly1o0
これで終わり。
パラドックスとか、そういうのいまいちわからないっていうか、そう言うの言い始めたらきりがないっていうか……
まぁ、ご都合主義だけどこんなもんで。
しずかと出木杉は結婚するもんだと勝手に思ってた。すまない。
472 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:36:15.47 ID:H4ZUkkcaO
終わりかな?
面白かったよ!>>1乙
490 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:38:50.73 ID:2GJ+eCPE0
>>1乙
良かったぜ
491 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:38:51.55 ID:T7F/9d+OO
>>1
お疲れさまでした
499 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 01:39:42.30 ID:hlRa6cwT0
乙。久々に良いものを見た
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