のび太「……ごめんね」
Part2
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:09:28.12 ID:dxURVfyB0
居酒屋で飲んでから一週間後。
みんなでスネオの家に集まった。
タケコプターの男を目撃したのは、ジャイアンとスネオと、そして出木杉にと増えていた。
ジャイアン「これはいよいよおかしい」
ジャイアンは言った。
ジャイアン「あの男は、なにをしているのか。何をしようとしているのか。そして、それは何のために?」
それが判らない。ジャイアンは続けた。
のび太「こちらから動いてみよう」
僕は言った。
スネオ「こちらから?」
のび太「このままじゃ何も進展しないよ」
出木杉「でも……」
のび太「何か、大変なことが起こる前に、こちらからアクションを起こすんだ」
みんなは顔を見合わせて、そして、最後にうなずいた。
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:14:11.99 ID:dxURVfyB0
次の日の夜。
僕らは懐中電灯と護身用の小さいナイフを持って空き地に集まった。
時間は11時。あたりは、真っ暗だった。
ジャイアン「しずかちゃん、なんで来たんだ?」
のび太「僕も危ないと言ったんだけど」
しずか「あたしも、みんなの仲間でしょ?」
しずかちゃんは言った。
しずか「それに、今の状況だと、一人になるほうが危ない気がするのだけれど」
出木杉「確かに」
スネオ「……のび太、しずかちゃんから離れるなよ」
のび太「判ってるよ」
僕らは、お互いの目を見て、そして景気づけに時計を合わせた。
同じ時間を示す時計が、11時10分を刻んだ。
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:14:36.97 ID:JJ7HN01L0
うめぇw
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:17:59.36 ID:xawOBwVVO
わくわく
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:19:28.67 ID:C2QkMGiy0
てかてか
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:19:48.67 ID:1wK6Nqh90
かくがく
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:20:06.27 ID:F/LqMIaT0
鳥肌注意
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:20:52.45 ID:1da98CxS0
ぶるぶる
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:20:55.86 ID:dxURVfyB0
僕らは空き地を中心に、全員で固まって空を見上げながらぐるりと歩き回った。
特に、目だったものは見つからない。
のび太「出木杉が、そいつを見つけたのはどのあたりだ?」
出木杉「剛田くんやスネオくんと変わらないよ。この空き地のあたりだ」
ジャイアン「……今日は、特に変った様子はないな」
スネオ「日が悪かったのかな?」
しずか「その言い方、ちょっと違う気がするのだけれど」
スネオ「確かに」
のび太「……とりあえず、今日は異常はないようだな」
出木杉「……だね」
12時になり、僕らは解散した。
僕としずかちゃんは家に戻り、いつもどおり寝た。
そして、ようやくうとうとし始めたころだった。
なにか、物音がした。
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:21:39.82 ID:1wK6Nqh90
うわぁーっ
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:21:42.99 ID:omKzs7jQ0
わくわく
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:25:26.89 ID:dxURVfyB0
屋根の上を、何かが動く音。
僕は反射的に枕元においておいたバットを握りしてめいた。
のび太「しずかちゃん、起きるんだ」
しずか「……なぁに?」
のび太「……僕の後ろで、動いちゃだめだ。いいね」
僕の剣幕にしずかちゃんは驚いて、そして納得したらしい。
僕の後ろにそそくさと隠れた。
僕はバットを下段に構え、窓に向かってゆっくりと歩いていった。
心臓が、高鳴る。
のび太「……ふぅ」
大きく、深呼吸をする。
僕は大きく窓を開け放った。
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:29:23.64 ID:dxURVfyB0
僕は屋根の上に躍り出て、すぐさま叫んだ。
のび太「誰だ?!」
僕の声が深夜の住宅街に響く。
その声の大きさに、僕自身が驚いた。
そして、その声に驚いたのと、目の前に人影を確認したのはほぼ同時だった。
暗闇の中に、確実に誰かが居た。
だが、相変わらずその顔は闇に隠れたまま。
のび太「誰だ?!」
僕はもう一度繰り返す。
暗闇の中で、そいつは動いた。
右手だけ。
こちらに向けた。
空気砲だ、と気づいたときは、もう遅かった。
『ドカン!』
そいつは叫んだ。
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:34:17.69 ID:OsMuSIhPO
最近、神SSが多すぎる
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:34:19.06 ID:gehkDWSBO
追い付いた
wktk
86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:36:23.51 ID:dxURVfyB0
空気砲の、圧倒的な空気圧。
僕は、文字通り吹っ飛ばされた。
屋根の上から。
だが、僕の反応だって早い。
右手に持っていたバットを人影めがけて投げつけた。
確かな手ごたえがあった。
そして着ていた上着を脱いで、庭に生えていた木に引っ掛けた。
のび太「しずかちゃん!逃げるんだ!」
三度響く僕の声。
答えるしずかちゃんの声はないけれど、どたどたと階段を下りる音と、家中の電気がついたことで聞こえたということが判った。
僕は木にぶら下がりながら屋根の上を見上げた。
だが、もう既にそこには誰もいなかった。
聞き覚えのある、タケコプターの音だけが響いていた。
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:38:30.11 ID:QX1sYjnW0
予想するなよ
予想は脳内で済ませるんだ!
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:42:31.16 ID:dxURVfyB0
翌日は仕事を休み、ジャイアンの店に行った。
剛田商店。
昔からある雑貨屋。何度か拡張工事を行ったので、今は小学校時代の剛田商店の軽く4倍ほどの広さを持っている。
ジャイアンは仕事をしていたが、僕らの姿を見るとすぐに駆け寄ってきた。
僕は昨日起きた出来事を話した。
ジャイアン「そんなことがあったのか?!おまえ、大丈夫だったか?!」
のび太「このとおり。空気砲で打たれたところは軽く青くなってたけど」
ジャイアン「そうか……。しずかちゃんのほうは?」
しずか「うん、私は大丈夫。のび太さんが、守ってくれたから」
ジャイアン「ならいいんだ。のび太は、しずかちゃんの前だと男を見せるよな」
ジャイアンは笑って言った。
しかし、すぐに真剣な顔に戻っていった。
ジャイアン「……今日はうちに泊まっていけ。いや、しばらくは、かな」
僕としずかちゃんは無言でうなずいた。
100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:42:39.42 ID:3D3UncUbO
ドラえもんってなんでこんな歳くってからも楽しくみれるんだろう
いい作品だよなあ
109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:47:34.46 ID:dxURVfyB0
その日の夜は、僕ら三人同じ部屋で眠った。
僕は天井を見上げたまま、ずっとぼんやりしていた。
あいつは……あの人影は、僕に恨みを持っているのか?
僕に恨みを持つような人物……いったい、誰だ?
考えても答えは出なかった。
僕は諦めて目を閉じて、ジャイアンのいびきを聞きながらその日は寝た。
次の日僕は剛田商店から会社へと向かった。
駅まで少し遠い。
いつもより早く起きなければならなかったので、朝が弱い僕にはつらかった。
駅で電車を待っていると、同じく出勤前の出木杉にあった。
出木杉「のび太君」
のび太「出木杉か」
118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:51:22.20 ID:dxURVfyB0
僕は僕の家で起こった出来事を出木杉にも話した。
出木杉「なんだって?大丈夫だったかい?!」
のび太「なんとかね。軽くアザが出来たけど」
出木杉「何にしても……難儀だったね。でも無事でよかった」
のび太「まったくだよ」
出木杉「しずかさんは?」
のび太「ん。大丈夫」
出木杉「良かった」
と、出木杉が言うのと同時に電車が止まった。
出木杉「僕はここで降りるんだ」
出木杉は言った。
出木杉「また今夜連絡するよ」
132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:57:35.68 ID:dxURVfyB0
あいにく、その日は残業が入ってしまった。
僕は9時まで会社で作業をして、そして9時半の電車に乗った。
のび太「早く戻らないとな」
僕は剛田商店まで急いだ。
……そのときだった。
不穏な空気を、感じた。
僕ははっとして振り返る。そこには誰もいない。
前を向く。やはりだれもいない。
のび太「……」
なんだ。
僕は剛田商店に向かって再び歩き出した。
そして、気づいた。
あたりが、やけに明るいことに。
剛田商店から、火の手が上がっていることに。
133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:58:29.49 ID:oZhWHBOE0
NOOOOOOOO!!!!!!!!
かーちゃーーーーーん!!!!!!!
134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:58:30.26 ID:00JE03I0O
俺ガチで犯人分かったわ…
135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:58:31.85 ID:fjeYyZlI0
ああああああああああああああああ
136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:58:45.02 ID:/0ME/qogO
うわああああ
137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:58:50.91 ID:J0bEs69QO
急展開
151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:02:04.92 ID:bqEmly1o0
僕は駆け出した。
そこには既に消防車がいて、燃え盛る火に向かって必死で放水しているところだった。
のび太「しずかちゃん!ジャイアン!」
僕は叫んだ。
近くに居た消防隊員の一人に大声で怒鳴る。
のび太「なかにいた人は?!」
ああ、と、その消防隊員は答えた。
大丈夫です、中に居た二人とも、無事ですよ。
僕は安心から膝を突いてしまった。
ジャイアン「のび太!」
しずか「のび太さん!」
駆けてくる二人。
のび太「……あ、ははは。二人とも」
ほんとに、良かった。
154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:02:34.93 ID:CZAf30ZXO
ふぅ・・・・
155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:03:16.41 ID:zgOCWs6wO
よかった生きてた(´;ω;`)
156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:03:17.20 ID:AXKteCULO
まぢ怖えぇ
157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:03:25.08 ID:7kVEOzM00
まさかの賢者ww
167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:06:21.43 ID:bqEmly1o0
火はすぐに消し止められたが、当然、僕らの寝る場所がなくなってしまった。
スネオに連絡して、迎えに来てもらった。
電話の向こうで、スネオはかなり動揺しているようだった。
スネオ「とにかく無事でよかったよ」
僕らはスネオの家に行くことにした。途中、出木杉から連絡があったので出木杉も拾っていった。
出木杉「誰がこんなことを……」
ジャイアン「考えてもしかたない……。だが、今回あいつは大きく動いた。何かを残しているはずだ」
のび太「……そうだね。明日、明るくなってから剛田商店に行ってみよう」
出木杉「僕も行くよ」
のび太「会社は大丈夫なのか?」
出木杉「そんな場合じゃないさ」
出木杉は言った。
183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:11:46.60 ID:bqEmly1o0
火の消えた後の剛田商店は無残な姿だった。
消防と警察によれば、何が出火原因か今もってまだわかっていないらしい。
これは未来の道具による犯行だ。
僕らにはわかった。
ジャイアン「特にめぼしいものはないな……」
出木杉「やっぱり、そんな簡単に手がかりは残してくれないんじゃないかな?」
のび太「うーん……」
スネオ「……ここにいると、危ないかもしれない。見られているかも」
しずか「今日はもう終わりにしましょう。私、疲れちゃった」
しずかちゃんの案に皆で賛成した。
僕らはまたスネオの家に戻り、これからのことについて話し合った。
5人全員で行動すること。
夜は、変わりばんこに起きて番をすること。
今できることといえば、そのくらいしかなかった。
192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:14:06.87 ID:lY7rRK/V0
真相はドラえもんの些細ないたずらだろ?
193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:15:00.40 ID:biLIVTxD0
些細ないたずらで家燃やされてたまるかwwwwww
195 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:15:15.62 ID:U63F1S3P0
>>192
些細wwwwwwwww
196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:15:18.27 ID:QgAoEi9p0
わっほーわっほー
居酒屋で飲んでから一週間後。
みんなでスネオの家に集まった。
タケコプターの男を目撃したのは、ジャイアンとスネオと、そして出木杉にと増えていた。
ジャイアン「これはいよいよおかしい」
ジャイアンは言った。
ジャイアン「あの男は、なにをしているのか。何をしようとしているのか。そして、それは何のために?」
それが判らない。ジャイアンは続けた。
のび太「こちらから動いてみよう」
僕は言った。
スネオ「こちらから?」
のび太「このままじゃ何も進展しないよ」
出木杉「でも……」
のび太「何か、大変なことが起こる前に、こちらからアクションを起こすんだ」
みんなは顔を見合わせて、そして、最後にうなずいた。
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:14:11.99 ID:dxURVfyB0
次の日の夜。
僕らは懐中電灯と護身用の小さいナイフを持って空き地に集まった。
時間は11時。あたりは、真っ暗だった。
ジャイアン「しずかちゃん、なんで来たんだ?」
のび太「僕も危ないと言ったんだけど」
しずか「あたしも、みんなの仲間でしょ?」
しずかちゃんは言った。
しずか「それに、今の状況だと、一人になるほうが危ない気がするのだけれど」
出木杉「確かに」
スネオ「……のび太、しずかちゃんから離れるなよ」
のび太「判ってるよ」
僕らは、お互いの目を見て、そして景気づけに時計を合わせた。
同じ時間を示す時計が、11時10分を刻んだ。
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:14:36.97 ID:JJ7HN01L0
うめぇw
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:17:59.36 ID:xawOBwVVO
わくわく
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:19:28.67 ID:C2QkMGiy0
てかてか
かくがく
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:20:06.27 ID:F/LqMIaT0
鳥肌注意
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:20:52.45 ID:1da98CxS0
ぶるぶる
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:20:55.86 ID:dxURVfyB0
僕らは空き地を中心に、全員で固まって空を見上げながらぐるりと歩き回った。
特に、目だったものは見つからない。
のび太「出木杉が、そいつを見つけたのはどのあたりだ?」
出木杉「剛田くんやスネオくんと変わらないよ。この空き地のあたりだ」
ジャイアン「……今日は、特に変った様子はないな」
スネオ「日が悪かったのかな?」
しずか「その言い方、ちょっと違う気がするのだけれど」
スネオ「確かに」
のび太「……とりあえず、今日は異常はないようだな」
出木杉「……だね」
12時になり、僕らは解散した。
僕としずかちゃんは家に戻り、いつもどおり寝た。
そして、ようやくうとうとし始めたころだった。
なにか、物音がした。
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:21:39.82 ID:1wK6Nqh90
うわぁーっ
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:21:42.99 ID:omKzs7jQ0
わくわく
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:25:26.89 ID:dxURVfyB0
屋根の上を、何かが動く音。
僕は反射的に枕元においておいたバットを握りしてめいた。
のび太「しずかちゃん、起きるんだ」
しずか「……なぁに?」
のび太「……僕の後ろで、動いちゃだめだ。いいね」
僕の剣幕にしずかちゃんは驚いて、そして納得したらしい。
僕の後ろにそそくさと隠れた。
僕はバットを下段に構え、窓に向かってゆっくりと歩いていった。
心臓が、高鳴る。
のび太「……ふぅ」
大きく、深呼吸をする。
僕は大きく窓を開け放った。
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:29:23.64 ID:dxURVfyB0
僕は屋根の上に躍り出て、すぐさま叫んだ。
のび太「誰だ?!」
僕の声が深夜の住宅街に響く。
その声の大きさに、僕自身が驚いた。
そして、その声に驚いたのと、目の前に人影を確認したのはほぼ同時だった。
暗闇の中に、確実に誰かが居た。
だが、相変わらずその顔は闇に隠れたまま。
のび太「誰だ?!」
僕はもう一度繰り返す。
暗闇の中で、そいつは動いた。
右手だけ。
こちらに向けた。
空気砲だ、と気づいたときは、もう遅かった。
『ドカン!』
そいつは叫んだ。
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:34:17.69 ID:OsMuSIhPO
最近、神SSが多すぎる
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:34:19.06 ID:gehkDWSBO
追い付いた
wktk
86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:36:23.51 ID:dxURVfyB0
空気砲の、圧倒的な空気圧。
僕は、文字通り吹っ飛ばされた。
屋根の上から。
だが、僕の反応だって早い。
右手に持っていたバットを人影めがけて投げつけた。
確かな手ごたえがあった。
そして着ていた上着を脱いで、庭に生えていた木に引っ掛けた。
のび太「しずかちゃん!逃げるんだ!」
三度響く僕の声。
答えるしずかちゃんの声はないけれど、どたどたと階段を下りる音と、家中の電気がついたことで聞こえたということが判った。
僕は木にぶら下がりながら屋根の上を見上げた。
だが、もう既にそこには誰もいなかった。
聞き覚えのある、タケコプターの音だけが響いていた。
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:38:30.11 ID:QX1sYjnW0
予想するなよ
予想は脳内で済ませるんだ!
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:42:31.16 ID:dxURVfyB0
翌日は仕事を休み、ジャイアンの店に行った。
剛田商店。
昔からある雑貨屋。何度か拡張工事を行ったので、今は小学校時代の剛田商店の軽く4倍ほどの広さを持っている。
ジャイアンは仕事をしていたが、僕らの姿を見るとすぐに駆け寄ってきた。
僕は昨日起きた出来事を話した。
ジャイアン「そんなことがあったのか?!おまえ、大丈夫だったか?!」
のび太「このとおり。空気砲で打たれたところは軽く青くなってたけど」
ジャイアン「そうか……。しずかちゃんのほうは?」
しずか「うん、私は大丈夫。のび太さんが、守ってくれたから」
ジャイアン「ならいいんだ。のび太は、しずかちゃんの前だと男を見せるよな」
ジャイアンは笑って言った。
しかし、すぐに真剣な顔に戻っていった。
ジャイアン「……今日はうちに泊まっていけ。いや、しばらくは、かな」
僕としずかちゃんは無言でうなずいた。
100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:42:39.42 ID:3D3UncUbO
ドラえもんってなんでこんな歳くってからも楽しくみれるんだろう
いい作品だよなあ
109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:47:34.46 ID:dxURVfyB0
その日の夜は、僕ら三人同じ部屋で眠った。
僕は天井を見上げたまま、ずっとぼんやりしていた。
あいつは……あの人影は、僕に恨みを持っているのか?
僕に恨みを持つような人物……いったい、誰だ?
考えても答えは出なかった。
僕は諦めて目を閉じて、ジャイアンのいびきを聞きながらその日は寝た。
次の日僕は剛田商店から会社へと向かった。
駅まで少し遠い。
いつもより早く起きなければならなかったので、朝が弱い僕にはつらかった。
駅で電車を待っていると、同じく出勤前の出木杉にあった。
出木杉「のび太君」
のび太「出木杉か」
僕は僕の家で起こった出来事を出木杉にも話した。
出木杉「なんだって?大丈夫だったかい?!」
のび太「なんとかね。軽くアザが出来たけど」
出木杉「何にしても……難儀だったね。でも無事でよかった」
のび太「まったくだよ」
出木杉「しずかさんは?」
のび太「ん。大丈夫」
出木杉「良かった」
と、出木杉が言うのと同時に電車が止まった。
出木杉「僕はここで降りるんだ」
出木杉は言った。
出木杉「また今夜連絡するよ」
132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:57:35.68 ID:dxURVfyB0
あいにく、その日は残業が入ってしまった。
僕は9時まで会社で作業をして、そして9時半の電車に乗った。
のび太「早く戻らないとな」
僕は剛田商店まで急いだ。
……そのときだった。
不穏な空気を、感じた。
僕ははっとして振り返る。そこには誰もいない。
前を向く。やはりだれもいない。
のび太「……」
なんだ。
僕は剛田商店に向かって再び歩き出した。
そして、気づいた。
あたりが、やけに明るいことに。
剛田商店から、火の手が上がっていることに。
133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:58:29.49 ID:oZhWHBOE0
NOOOOOOOO!!!!!!!!
かーちゃーーーーーん!!!!!!!
134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:58:30.26 ID:00JE03I0O
俺ガチで犯人分かったわ…
135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:58:31.85 ID:fjeYyZlI0
ああああああああああああああああ
136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:58:45.02 ID:/0ME/qogO
うわああああ
137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 23:58:50.91 ID:J0bEs69QO
急展開
151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:02:04.92 ID:bqEmly1o0
僕は駆け出した。
そこには既に消防車がいて、燃え盛る火に向かって必死で放水しているところだった。
のび太「しずかちゃん!ジャイアン!」
僕は叫んだ。
近くに居た消防隊員の一人に大声で怒鳴る。
のび太「なかにいた人は?!」
ああ、と、その消防隊員は答えた。
大丈夫です、中に居た二人とも、無事ですよ。
僕は安心から膝を突いてしまった。
ジャイアン「のび太!」
しずか「のび太さん!」
駆けてくる二人。
のび太「……あ、ははは。二人とも」
ほんとに、良かった。
154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:02:34.93 ID:CZAf30ZXO
ふぅ・・・・
155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:03:16.41 ID:zgOCWs6wO
よかった生きてた(´;ω;`)
156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:03:17.20 ID:AXKteCULO
まぢ怖えぇ
157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:03:25.08 ID:7kVEOzM00
まさかの賢者ww
167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:06:21.43 ID:bqEmly1o0
火はすぐに消し止められたが、当然、僕らの寝る場所がなくなってしまった。
スネオに連絡して、迎えに来てもらった。
電話の向こうで、スネオはかなり動揺しているようだった。
スネオ「とにかく無事でよかったよ」
僕らはスネオの家に行くことにした。途中、出木杉から連絡があったので出木杉も拾っていった。
出木杉「誰がこんなことを……」
ジャイアン「考えてもしかたない……。だが、今回あいつは大きく動いた。何かを残しているはずだ」
のび太「……そうだね。明日、明るくなってから剛田商店に行ってみよう」
出木杉「僕も行くよ」
のび太「会社は大丈夫なのか?」
出木杉「そんな場合じゃないさ」
出木杉は言った。
183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:11:46.60 ID:bqEmly1o0
火の消えた後の剛田商店は無残な姿だった。
消防と警察によれば、何が出火原因か今もってまだわかっていないらしい。
これは未来の道具による犯行だ。
僕らにはわかった。
ジャイアン「特にめぼしいものはないな……」
出木杉「やっぱり、そんな簡単に手がかりは残してくれないんじゃないかな?」
のび太「うーん……」
スネオ「……ここにいると、危ないかもしれない。見られているかも」
しずか「今日はもう終わりにしましょう。私、疲れちゃった」
しずかちゃんの案に皆で賛成した。
僕らはまたスネオの家に戻り、これからのことについて話し合った。
5人全員で行動すること。
夜は、変わりばんこに起きて番をすること。
今できることといえば、そのくらいしかなかった。
192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:14:06.87 ID:lY7rRK/V0
真相はドラえもんの些細ないたずらだろ?
193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:15:00.40 ID:biLIVTxD0
些細ないたずらで家燃やされてたまるかwwwwww
195 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:15:15.62 ID:U63F1S3P0
>>192
些細wwwwwwwww
196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/01(水) 00:15:18.27 ID:QgAoEi9p0
わっほーわっほー
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