百物語2015
Part17
309 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 05:09:03.96 ID:AgCPeYID0
【91話】広島生まれのTさん ◆kJ41.80SMg 様
『深夜ドライブの記録』
今年春の話。
大学が春休みに入り、友人たちとドライブをすることになった。
ルートは四国をぐるりと回ってかずら橋や道後温泉、桂浜などを見て回るものだ。
旅は1泊3日で初日にホテルに泊まり以降は交代しながらノンストップで回っていく。
仲のよい友達同士の旅でとても楽しみであった。
http://i.imgur.com/uH51Q1A.jpg
旅行が始まり一日中いろんな名所を見て回る。
どれも思い出深いものとなりとても充実した旅であった。
道後温泉で湯に浸かったあとその近辺にある初日の宿に到着した。
夕食をとり荷物を置いて一息ついたところでさてこれからどうしようという話になる。
そこで私は深夜ドライブに行こうと提案した。
私には行きたいところがあった。
http://i.imgur.com/lL5xSeM.jpg
一行とともにまた車に乗り込み車で30分ほど移動する。
深夜ということもあり浮き足立っていたと思う。
都市部を離れビルが見えなくなり民家も減っていき周りは山間部となった。
騒がしい車内とは対照的に辺りは静けさに包まれていた。
http://i.imgur.com/zxPF6fX.jpg
http://i.imgur.com/ruwbhc6.jpg
目的地に到着した。
そこは近くにキャンプ場もある池である。
車から降りるとひんやりとした空気を感じる。
友人と辺りを散歩してみることにした。
私はカメラを持ってきていたため記念にと写真を撮った。
時折シャッターが下りなかったが暗すぎるせいだと考え気にとめなかった。
5分ほど歩いたがもう夜中で景色も良くないため早々に引き返すこととなった。
車まで戻ったところで近くにあった建造物なども数枚写真に収め宿に帰りはじめる。
http://i.imgur.com/WVtTZYs.jpg
人明かりが戻ってきたところで私は撮った写真を眺めていた。
310 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 05:10:25.72 ID:AgCPeYID0
ん?
暗いためぼやけたりぶれたりしてしまった写真が多い中私はある写真に違和感をもった。
友人の背後???何だ?
フラッシュを焚いていたためしっかり友人の姿は捉えられている。
さらに後方からライトで照らされているため他のものが移りこんでいればしっかり輪郭を捕らえられるはずである。
ぞっとした。
初めて人ならざるものが近くにいたことを実感する。
友人をにらみつけるような目に敵意をひしひしと感じた。
それを友人にもみてもらい後方に人がいたか確認してもらう。
結果そんな人物はいなかった。
行きの騒がしさとは真反対の静けさに車内は包まれた。
帰りの車中にて私はこう思った。
遊び半分で行くべきじゃないのかもしれないな。
その場所こそ過去水害や工事中の事故で多数の人命が失われた大谷池であった。
http://i.imgur.com/MrQyTLq.jpg
そしてその写真がこちらである
http://i.imgur.com/krk3AK7.jpg
明度上げ
http://i.imgur.com/vQB3PHF.jpg
了
312 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 05:11:55.22 ID:AgCPeYID0
【92話】チッチママ ◆pLru64DMbo 様
『海の掟』
何か怖い体験なーい?と友人に連絡してみたところ田舎だから
くるわくるわで夏だなって感じです
その中の一つを紹介
親が漁師のその子の家は今でも近場の他府県がこっそり禁止されてるのに泳ぎに来ます
でも地元民は近づきません、だってそこは遺体があがる場所だからです
潮の加減か、海で不明者が出た時はよくそこにあがるんです
近くに極楽とついた供養の寺まである始末(あ、地元バレたかな?)
友人の実家は漁師の集落で子の名前は霊感のある婆さんにつけて貰います
なんでも守ってもらう為と見逃して貰う為だそうです(何に?)
幼い時から言われていたのは、浜で石を拾うなと、人が亡くなった一週間は魚を食べてはいけない
目の前が浜辺だからよく遊んでいたそうで、友人の幼い弟はうっかり石を持って帰宅してしまったそうです
両親がそれを見つけ大騒ぎ、同居していた祖母さんが友人と弟を連れて
暗いのに浜辺に戻り、石を返しに行ったそうです
祖母さんがお経をとなえて最後に「見逃して下さい見逃して下さい」と友人と弟に土下座させて
そして帰宅するなり玄関前で塩を山ほどかけられたあげくに次の日に近くの寺にお祓いに行ったそうです
友人いわく石を返す時に、石の模様が人の顔に見えたと、そして石の顔の目がずっと弟を見ていたそうです
兄弟二人は漁師になるのを拒絶して今は他府県で会社員をやっています
いまだに、その水泳禁止で何も知らない人が亡くなるのが多いです
(終)
314 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 05:14:35.53 ID:AgCPeYID0
【93話】かぐら ◆Ccp.OZqu04w2 様
『ターゲット』
10年ぐらい前に私が聞かせてもらった話なんですけどね。
このかた、某市で看護師をされてる女性だったんですが、霊感があるっていうんです。
病院なんかに勤めていると、実に様々なものがみえるらしいですね。
で、あまりにみえすぎるものだから、もう慣れっこだった。
話というのは何かというと、この女性の住んでる街から私の街の方へ向かうのに幾つかルートがある。
有料区間を使わない、A峠という場所を通る狭くて暗い峠道のことなんですがね。
私の界隈でも、結構ここは怖い話があるよなんて教えてくれる人がいるんですが。
この女性も過去に何度か通っていて、おかしなことが幾つかあったっていうんです。
ところが、彼女にとってはどれも日常で起こる些細な出来事の延長ぐらいのもんだった。
「ただねえ、あれだけは怖かったよ」
妙に楽しそうに私に話してくれたのは、あるとき例によってその峠を車で通ったときのことなんですね。
まあ、慣れているとはいえあんまり気持ちのいい場所じゃないんで、本当は通りたくないんだけど、
何かの事情でどうしても通らなきゃいけなくて、夜のA峠をたった一人で車で飛ばしたっていうんです。
そしたら、もう頂上かその付近へ着くかぐらいのところで、
誰も乗っていないはずの後部座席から人の息遣いを感じる。
明らかに何者かがそこにいる気配がする。
誰も乗せてきていないし、出発してから車も停めてない。
この世の者ではない。
すぐにそう感じました。
だけど彼女、慣れてるもんだから、
ーーああ、今度は何か乗ってきちゃったか。
315 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 05:15:29.93 ID:AgCPeYID0
そのぐらいのもんです。
でも後部座席の“なにか”が、ゆ っ く り と運転席の自分のほうへ顔を近づけてくるのがわかった。
どんな奴なんだろう。
彼女、不意にそう思ったそうです。よし、正体みてやろうと思って、スピードを若干緩めた。
緩めながら、ルームミラー越しに、その何かに目をやった。
途端、
う゛う゛う゛っ!!!
全身がぞくっとして、体が固まってしまったそうです。
後部座席に乗ってたそれ。
人だったそうです。
ただそれ、正確には、この世に存在してはいけないヒトだった。
それ、自分とまったく同じ顔・姿・格好をした、ナニカなんです。
もう一人の自分が、後部座席に座って、ミラー越しに自分のほうをじぃ〜っと睨んでる。
その顔がなおも、ぐぐっと自分のほうへ寄ってくるのがわかる。
ーーやばいやばいやばいやばいどうしようどうなっちゃうんだろう。
色々みてきたけれども、とうとう“自分自身”が出てきてしまった。
これはまずい。初めてそう感じたそうです。
ハンドルを握る手をガタガタ震わせていると、その顔がもう自分の斜め後方すぐ傍にある。
その口が、彼女の耳元までぐっと近づいてきて。
「お ま え だ れ だ。わ た し は ふ た り も い ら な い ん だ よ」
あまりの恐怖に目の前が真っ暗になって、そこから目的地の駐車場までの道程の記憶があまり無いそうです。
しかし、ともかく事故にも遭わず無事に辿り着いた。
316 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 05:16:57.67 ID:AgCPeYID0
「あれだけは怖かったね」
彼女、私にそんな具合に話してくれました。
でもこの話、続きがあったんです。
正確には、後になって、私の頭の中で何かが弾けて引き出されたというかな。
仕事中だったんですけどね、何かの拍子に、女性に聞かせてもらったその話がふっと頭をよぎったんです。
妙に楽しそうに私に語ってくれたその彼女。
そう、その顔を目の奥で思い浮かべたとき、あることに気が付いたんです。
瞬間、ぞくっとしました。
私に向かって実際にその話をしてくれた、看護師の彼女。
それ、
後部座席に座っていたほうの彼女だったんじゃないかな。
そう思ったんですよね。
これ、理屈とかそういうの抜きにですよ。
いわゆる第六感的な何かとでもいうんでしょうかね、それが核心だよと訴えてくるんです。
だけど、もしそれが、私の感覚が正しくてその通りだったとしてですよ。
元の彼女、
一体どこへ行ってしまったんですかね?
【了】
318 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 05:19:38.87 ID:AgCPeYID0
【94話】つくし ◆81X5rEXMGc
『無題』
私が幼い時の話です
ちょうど幼稚園の夏休みが終わる十数年前の今頃の話ですが怖い話と言うよりは不思議な話です
その日は日中とても天気がよく夕焼けがとても綺麗でした
私が住んでた家は歩道に面して戸建が4軒並んで建っていて私の住んでる家は歩道から見て左から2軒目でした
1軒目と4軒目の横にそれぞれ路地がありその路地の途中から家の裏にもある小さな路地に入れる様になっていました
その日夕方母が夕食の準備をしている間少し外に出ていようと思い路地に行くことにしました
普段遊んでいたのは1軒目の横にある路地でしたがその日は何故か4軒目の路地に足が向きました
路地に入り家の裏にある路地に入ろうとした時何気なく自分の長く伸びてる影に目をやりました
するとその影がスーッと起き上がったんです
とても背の高い影で私はかなり顔を上げて見上げたのを覚えています
その時得体の知れない物を見て叫びたかったのですが本当に怖い時って声が出ないんですね
とにかく逃げなきゃいけないと思いそのまま家の裏の路地に逃げ込み家の裏なので物置みたいになっておりそれを避けながら一生懸命走りました
走っている最中一度だけ顔を少し後ろに向けたのですがその時目の端にその影が追って来ているのが見えました
1軒目の横の路地に出てぐるっと回って家に逃げ込みました
様子がおかしいと思った母が駆け寄ってきましたが私はその時「影が…影が…」しか言えませんでした
落ち着いてから状況を母に説明しました
母は黙って聞いてくれていました
結局正体は分からないままですがこれには後日談があり私が中学生の頃たまたまその時の話を母としていて母がふと実はあの時私が影が…影が…と言うので何気なく私の影があるべき所を見たら灯に照らされて有るはずの影がなかったそうです
数秒間確認するため見つめていたら突然影がスッと出現したらしく母は私が怖がると思ったのと母は霊などは全く信じない人なので気のせいだろうと言う気持ちから私には黙っていたそうです
今でもふと思い出すことがあり不思議な体験だったなと懐かしく思います
終わり
320 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 05:22:32.06 ID:AgCPeYID0
【九十五話】むよ ◆XNr1qS4uc 様
私は、あまり大きくない病院に事務として勤務しています。ベッド数は100床程度ですが療養型もあるため、入院している患者さんの8割は高齢者です。また、介護付き有料老人ホームやグループホームとも提携しているので、外来に来る患者さんも6割が後期高齢者です。
ほぼ毎日、入院患者の1人か2人は亡くなっています。また、提携施設より急患として搬送されますが、実際は医師が死亡確認のみ行う場合もあります。
あれは、私が遅番担当の日でした。遅番は他の事務の者が定時で上がった後、1時間ほど残って、夜間の事務当直に引き継ぎを行わななければなりません。
その日は他の職員は残業せず、皆が早々に定時上がっており、事務室内にいるのは私だけでした。それまで特に電話や来院者もおらず、外来廊下や事務室内はとても静かでした。
あと30分程で事務当直が来るので、それまで自分の仕事をしようとPCの前に座っていると、急に電話が鳴りました。
電話に出てみると、近くの救急隊からの収容依頼でした。患者は提携施設に入居している男性の高齢者で、呼吸も弱くサチュレーションもかなり低下しているとのことでした。
時間外の対応マニュアル通り、この時間帯だと技師が不在のためレントゲンやMRIは取れないこと、特別な検査等も出来ないことを救急隊に伝え、それでも来院希望なのか確認しました。
救急隊は、とにかく医師に診察してもらいたいとの希望でしたので、当直の医師にその旨を伝え、当院にて収容となりました。
あと10分程度で到着するとのことだったので、急いでカルテを探し遅番担当の看護師に連絡して、救急処置室の鍵を開けに行きました。
救急処置室は外来診察室の裏手になり、入院患者も通院患者も殆ど通らない場所にあります。
しばらくすると救急車のサイレンが玄関前で止まり、救急隊が到着したのがわかりました。
救急隊から患者搬送票を受けとり、救急治療室に案内しました。
救急隊員の1人は患者に心臓マッサージを行っており、患者の顔色的にもう駄目っぽいことがわかりました。
しかし来院していることはしているので、医師が診察しなければなりません。
救急処置室にいた看護師と医師に引き継ぎ、自分は事務処理の為事務室へと戻りました。
321 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 05:24:28.47 ID:AgCPeYID0
戻る途中、救急隊員に付き添いはいないのか確認しました。施設に入居している人が搬送された場合、その施設のスタッフが付き添いで来ることが殆どです。
しかし、救急隊員が言うには、施設のスタッフは後から別の車で来ること、患者に身寄りはなく近くに知り合い等もいないとのことでした。
よろしくお願いします、の言葉とストレッチャーと共に、救急隊員は帰っていきました。
蘇生するにしてもしないにしても、会計は発生します。遅番の自分はその処理をしなければなりません。事務室に戻り十数分が過ぎたころ、内線が鳴りました。
出てみると、処置室の医師からでした。駄目だったので死亡診断書を作成する、用紙を持ってきて欲しいとのことです。
ブランクの診断書を用意して、処置室に向かいます。外来廊下に、自分の足音が響きます。
処置室の扉を開けると部屋の奥にストレッチャー、その上に患者さんだった方がいます。
更に、その横たわった体の頭のすぐそばに、1人のお婆さんがいました。こちらに背を向け腰を曲げ、患者さんだった方の顔と触れあわんばかりに、自分の顔を寄せていました。
白髪の髪をお団子に結っており、それが乱れて後れ毛が飛び出ていました。
黄色い地に大きな花柄のワンピースとその白髪頭が不似合いで、思わずじっと見てしまいました。
肝心の医師も看護師も処置室にはおらず、早々に書類処理がしたい自分としては、少しイラッとしてしまいました。そのまま処置室のドアを閉め、医師のPHSにコールしてみました。
医師は外来診察室の一室にいるとのこと、私は足早にその診察室に向かいました。医師に用紙を渡して、医師が処置内容を記載したカルテを受けとり、事務室に戻りました。
PC にて会計処理をしながら、先ほど処置室で見かけたことを思いだしました。
外来廊下は救急隊員と自分しか通ってないはずだし、救急車に同乗していた付き添いもいなかったはずです。入院患者さんは大抵お仕着せの寝間着を着ているはずだし…
この世のものではなかったのか?
もしも生きている人にだったとしても、なぜそんなに顔を寄せる必要があるのか?
疑問に思いながらも、患者さんだった方が生保だったことを確認し、ホッとしました。生保なら、診療費を取りっぱぐれることはありませんから。
(終)
323 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 05:25:59.23 ID:AgCPeYID0
【九十六話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『玄関先』
職場の人(Aさん)に聞いた話です。
実際体験したのはその方のお母様なのですが。
Aさんのお母さんは毎朝犬の散歩を早い時間にするそうです。
いつも決まっているコースを歩いていると、以前は仲良くしていたけれど最近息子さんだかのお家で一緒に住んでいて最近はほとんど家に以内というご近所さんの家の前を通りがかったときです。
散歩をしていた犬がそのお宅の玄関先でワンワン!と吠えたそうです。
猫でもいたのかな?とAさんのお母さんがお宅のほうを見てみると玄関が開いていてそこのおばあさんが座ってらっしゃったそうです。
久しぶりだったので「お久しぶりやねぇ〜今はこっちに帰ってきてるねんね〜」と声をかけましたが無表情で座っておられたそうで
(あー耳も遠いし聞こえてないし見えてないんかな)と思い「じゃあまたねー」とその場を去ったそうです。
その日の夕方、また同じように犬の散歩をしていると、朝通りがかった家がざわざわしていたそうです。
近くまでいくと弔辞の札が。話を聞くと今朝方おばあさんが亡くなられたということでした。
じゃあ朝出会ったのは・・・長年過ごした家に帰ってきたかったのかなぁ、と納得されたそうです。
ただ無表情だったのがとても怖かったらしく、なにかあるのかと思って過ごしたそうですがとくに後日談もないということでした。
おわり
【91話】広島生まれのTさん ◆kJ41.80SMg 様
『深夜ドライブの記録』
今年春の話。
大学が春休みに入り、友人たちとドライブをすることになった。
ルートは四国をぐるりと回ってかずら橋や道後温泉、桂浜などを見て回るものだ。
旅は1泊3日で初日にホテルに泊まり以降は交代しながらノンストップで回っていく。
仲のよい友達同士の旅でとても楽しみであった。
http://i.imgur.com/uH51Q1A.jpg
旅行が始まり一日中いろんな名所を見て回る。
どれも思い出深いものとなりとても充実した旅であった。
道後温泉で湯に浸かったあとその近辺にある初日の宿に到着した。
夕食をとり荷物を置いて一息ついたところでさてこれからどうしようという話になる。
そこで私は深夜ドライブに行こうと提案した。
私には行きたいところがあった。
http://i.imgur.com/lL5xSeM.jpg
一行とともにまた車に乗り込み車で30分ほど移動する。
深夜ということもあり浮き足立っていたと思う。
都市部を離れビルが見えなくなり民家も減っていき周りは山間部となった。
騒がしい車内とは対照的に辺りは静けさに包まれていた。
http://i.imgur.com/zxPF6fX.jpg
http://i.imgur.com/ruwbhc6.jpg
目的地に到着した。
そこは近くにキャンプ場もある池である。
車から降りるとひんやりとした空気を感じる。
友人と辺りを散歩してみることにした。
私はカメラを持ってきていたため記念にと写真を撮った。
時折シャッターが下りなかったが暗すぎるせいだと考え気にとめなかった。
5分ほど歩いたがもう夜中で景色も良くないため早々に引き返すこととなった。
車まで戻ったところで近くにあった建造物なども数枚写真に収め宿に帰りはじめる。
http://i.imgur.com/WVtTZYs.jpg
人明かりが戻ってきたところで私は撮った写真を眺めていた。
310 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 05:10:25.72 ID:AgCPeYID0
ん?
暗いためぼやけたりぶれたりしてしまった写真が多い中私はある写真に違和感をもった。
友人の背後???何だ?
フラッシュを焚いていたためしっかり友人の姿は捉えられている。
さらに後方からライトで照らされているため他のものが移りこんでいればしっかり輪郭を捕らえられるはずである。
ぞっとした。
初めて人ならざるものが近くにいたことを実感する。
友人をにらみつけるような目に敵意をひしひしと感じた。
それを友人にもみてもらい後方に人がいたか確認してもらう。
結果そんな人物はいなかった。
行きの騒がしさとは真反対の静けさに車内は包まれた。
帰りの車中にて私はこう思った。
遊び半分で行くべきじゃないのかもしれないな。
その場所こそ過去水害や工事中の事故で多数の人命が失われた大谷池であった。
http://i.imgur.com/MrQyTLq.jpg
そしてその写真がこちらである
http://i.imgur.com/krk3AK7.jpg
明度上げ
http://i.imgur.com/vQB3PHF.jpg
了
312 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 05:11:55.22 ID:AgCPeYID0
【92話】チッチママ ◆pLru64DMbo 様
『海の掟』
何か怖い体験なーい?と友人に連絡してみたところ田舎だから
くるわくるわで夏だなって感じです
その中の一つを紹介
親が漁師のその子の家は今でも近場の他府県がこっそり禁止されてるのに泳ぎに来ます
でも地元民は近づきません、だってそこは遺体があがる場所だからです
潮の加減か、海で不明者が出た時はよくそこにあがるんです
近くに極楽とついた供養の寺まである始末(あ、地元バレたかな?)
友人の実家は漁師の集落で子の名前は霊感のある婆さんにつけて貰います
なんでも守ってもらう為と見逃して貰う為だそうです(何に?)
幼い時から言われていたのは、浜で石を拾うなと、人が亡くなった一週間は魚を食べてはいけない
目の前が浜辺だからよく遊んでいたそうで、友人の幼い弟はうっかり石を持って帰宅してしまったそうです
両親がそれを見つけ大騒ぎ、同居していた祖母さんが友人と弟を連れて
暗いのに浜辺に戻り、石を返しに行ったそうです
祖母さんがお経をとなえて最後に「見逃して下さい見逃して下さい」と友人と弟に土下座させて
そして帰宅するなり玄関前で塩を山ほどかけられたあげくに次の日に近くの寺にお祓いに行ったそうです
友人いわく石を返す時に、石の模様が人の顔に見えたと、そして石の顔の目がずっと弟を見ていたそうです
兄弟二人は漁師になるのを拒絶して今は他府県で会社員をやっています
いまだに、その水泳禁止で何も知らない人が亡くなるのが多いです
(終)
314 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 05:14:35.53 ID:AgCPeYID0
【93話】かぐら ◆Ccp.OZqu04w2 様
『ターゲット』
10年ぐらい前に私が聞かせてもらった話なんですけどね。
このかた、某市で看護師をされてる女性だったんですが、霊感があるっていうんです。
病院なんかに勤めていると、実に様々なものがみえるらしいですね。
で、あまりにみえすぎるものだから、もう慣れっこだった。
話というのは何かというと、この女性の住んでる街から私の街の方へ向かうのに幾つかルートがある。
有料区間を使わない、A峠という場所を通る狭くて暗い峠道のことなんですがね。
私の界隈でも、結構ここは怖い話があるよなんて教えてくれる人がいるんですが。
この女性も過去に何度か通っていて、おかしなことが幾つかあったっていうんです。
ところが、彼女にとってはどれも日常で起こる些細な出来事の延長ぐらいのもんだった。
「ただねえ、あれだけは怖かったよ」
妙に楽しそうに私に話してくれたのは、あるとき例によってその峠を車で通ったときのことなんですね。
まあ、慣れているとはいえあんまり気持ちのいい場所じゃないんで、本当は通りたくないんだけど、
何かの事情でどうしても通らなきゃいけなくて、夜のA峠をたった一人で車で飛ばしたっていうんです。
そしたら、もう頂上かその付近へ着くかぐらいのところで、
誰も乗っていないはずの後部座席から人の息遣いを感じる。
明らかに何者かがそこにいる気配がする。
誰も乗せてきていないし、出発してから車も停めてない。
この世の者ではない。
すぐにそう感じました。
だけど彼女、慣れてるもんだから、
ーーああ、今度は何か乗ってきちゃったか。
315 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 05:15:29.93 ID:AgCPeYID0
そのぐらいのもんです。
でも後部座席の“なにか”が、ゆ っ く り と運転席の自分のほうへ顔を近づけてくるのがわかった。
どんな奴なんだろう。
彼女、不意にそう思ったそうです。よし、正体みてやろうと思って、スピードを若干緩めた。
緩めながら、ルームミラー越しに、その何かに目をやった。
途端、
う゛う゛う゛っ!!!
全身がぞくっとして、体が固まってしまったそうです。
後部座席に乗ってたそれ。
人だったそうです。
ただそれ、正確には、この世に存在してはいけないヒトだった。
それ、自分とまったく同じ顔・姿・格好をした、ナニカなんです。
もう一人の自分が、後部座席に座って、ミラー越しに自分のほうをじぃ〜っと睨んでる。
その顔がなおも、ぐぐっと自分のほうへ寄ってくるのがわかる。
ーーやばいやばいやばいやばいどうしようどうなっちゃうんだろう。
色々みてきたけれども、とうとう“自分自身”が出てきてしまった。
これはまずい。初めてそう感じたそうです。
ハンドルを握る手をガタガタ震わせていると、その顔がもう自分の斜め後方すぐ傍にある。
その口が、彼女の耳元までぐっと近づいてきて。
「お ま え だ れ だ。わ た し は ふ た り も い ら な い ん だ よ」
あまりの恐怖に目の前が真っ暗になって、そこから目的地の駐車場までの道程の記憶があまり無いそうです。
しかし、ともかく事故にも遭わず無事に辿り着いた。
「あれだけは怖かったね」
彼女、私にそんな具合に話してくれました。
でもこの話、続きがあったんです。
正確には、後になって、私の頭の中で何かが弾けて引き出されたというかな。
仕事中だったんですけどね、何かの拍子に、女性に聞かせてもらったその話がふっと頭をよぎったんです。
妙に楽しそうに私に語ってくれたその彼女。
そう、その顔を目の奥で思い浮かべたとき、あることに気が付いたんです。
瞬間、ぞくっとしました。
私に向かって実際にその話をしてくれた、看護師の彼女。
それ、
後部座席に座っていたほうの彼女だったんじゃないかな。
そう思ったんですよね。
これ、理屈とかそういうの抜きにですよ。
いわゆる第六感的な何かとでもいうんでしょうかね、それが核心だよと訴えてくるんです。
だけど、もしそれが、私の感覚が正しくてその通りだったとしてですよ。
元の彼女、
一体どこへ行ってしまったんですかね?
【了】
318 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 05:19:38.87 ID:AgCPeYID0
【94話】つくし ◆81X5rEXMGc
『無題』
私が幼い時の話です
ちょうど幼稚園の夏休みが終わる十数年前の今頃の話ですが怖い話と言うよりは不思議な話です
その日は日中とても天気がよく夕焼けがとても綺麗でした
私が住んでた家は歩道に面して戸建が4軒並んで建っていて私の住んでる家は歩道から見て左から2軒目でした
1軒目と4軒目の横にそれぞれ路地がありその路地の途中から家の裏にもある小さな路地に入れる様になっていました
その日夕方母が夕食の準備をしている間少し外に出ていようと思い路地に行くことにしました
普段遊んでいたのは1軒目の横にある路地でしたがその日は何故か4軒目の路地に足が向きました
路地に入り家の裏にある路地に入ろうとした時何気なく自分の長く伸びてる影に目をやりました
するとその影がスーッと起き上がったんです
とても背の高い影で私はかなり顔を上げて見上げたのを覚えています
その時得体の知れない物を見て叫びたかったのですが本当に怖い時って声が出ないんですね
とにかく逃げなきゃいけないと思いそのまま家の裏の路地に逃げ込み家の裏なので物置みたいになっておりそれを避けながら一生懸命走りました
走っている最中一度だけ顔を少し後ろに向けたのですがその時目の端にその影が追って来ているのが見えました
1軒目の横の路地に出てぐるっと回って家に逃げ込みました
様子がおかしいと思った母が駆け寄ってきましたが私はその時「影が…影が…」しか言えませんでした
落ち着いてから状況を母に説明しました
母は黙って聞いてくれていました
結局正体は分からないままですがこれには後日談があり私が中学生の頃たまたまその時の話を母としていて母がふと実はあの時私が影が…影が…と言うので何気なく私の影があるべき所を見たら灯に照らされて有るはずの影がなかったそうです
数秒間確認するため見つめていたら突然影がスッと出現したらしく母は私が怖がると思ったのと母は霊などは全く信じない人なので気のせいだろうと言う気持ちから私には黙っていたそうです
今でもふと思い出すことがあり不思議な体験だったなと懐かしく思います
終わり
320 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 05:22:32.06 ID:AgCPeYID0
【九十五話】むよ ◆XNr1qS4uc 様
私は、あまり大きくない病院に事務として勤務しています。ベッド数は100床程度ですが療養型もあるため、入院している患者さんの8割は高齢者です。また、介護付き有料老人ホームやグループホームとも提携しているので、外来に来る患者さんも6割が後期高齢者です。
ほぼ毎日、入院患者の1人か2人は亡くなっています。また、提携施設より急患として搬送されますが、実際は医師が死亡確認のみ行う場合もあります。
あれは、私が遅番担当の日でした。遅番は他の事務の者が定時で上がった後、1時間ほど残って、夜間の事務当直に引き継ぎを行わななければなりません。
その日は他の職員は残業せず、皆が早々に定時上がっており、事務室内にいるのは私だけでした。それまで特に電話や来院者もおらず、外来廊下や事務室内はとても静かでした。
あと30分程で事務当直が来るので、それまで自分の仕事をしようとPCの前に座っていると、急に電話が鳴りました。
電話に出てみると、近くの救急隊からの収容依頼でした。患者は提携施設に入居している男性の高齢者で、呼吸も弱くサチュレーションもかなり低下しているとのことでした。
時間外の対応マニュアル通り、この時間帯だと技師が不在のためレントゲンやMRIは取れないこと、特別な検査等も出来ないことを救急隊に伝え、それでも来院希望なのか確認しました。
救急隊は、とにかく医師に診察してもらいたいとの希望でしたので、当直の医師にその旨を伝え、当院にて収容となりました。
あと10分程度で到着するとのことだったので、急いでカルテを探し遅番担当の看護師に連絡して、救急処置室の鍵を開けに行きました。
救急処置室は外来診察室の裏手になり、入院患者も通院患者も殆ど通らない場所にあります。
しばらくすると救急車のサイレンが玄関前で止まり、救急隊が到着したのがわかりました。
救急隊から患者搬送票を受けとり、救急治療室に案内しました。
救急隊員の1人は患者に心臓マッサージを行っており、患者の顔色的にもう駄目っぽいことがわかりました。
しかし来院していることはしているので、医師が診察しなければなりません。
救急処置室にいた看護師と医師に引き継ぎ、自分は事務処理の為事務室へと戻りました。
321 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 05:24:28.47 ID:AgCPeYID0
戻る途中、救急隊員に付き添いはいないのか確認しました。施設に入居している人が搬送された場合、その施設のスタッフが付き添いで来ることが殆どです。
しかし、救急隊員が言うには、施設のスタッフは後から別の車で来ること、患者に身寄りはなく近くに知り合い等もいないとのことでした。
よろしくお願いします、の言葉とストレッチャーと共に、救急隊員は帰っていきました。
蘇生するにしてもしないにしても、会計は発生します。遅番の自分はその処理をしなければなりません。事務室に戻り十数分が過ぎたころ、内線が鳴りました。
出てみると、処置室の医師からでした。駄目だったので死亡診断書を作成する、用紙を持ってきて欲しいとのことです。
ブランクの診断書を用意して、処置室に向かいます。外来廊下に、自分の足音が響きます。
処置室の扉を開けると部屋の奥にストレッチャー、その上に患者さんだった方がいます。
更に、その横たわった体の頭のすぐそばに、1人のお婆さんがいました。こちらに背を向け腰を曲げ、患者さんだった方の顔と触れあわんばかりに、自分の顔を寄せていました。
白髪の髪をお団子に結っており、それが乱れて後れ毛が飛び出ていました。
黄色い地に大きな花柄のワンピースとその白髪頭が不似合いで、思わずじっと見てしまいました。
肝心の医師も看護師も処置室にはおらず、早々に書類処理がしたい自分としては、少しイラッとしてしまいました。そのまま処置室のドアを閉め、医師のPHSにコールしてみました。
医師は外来診察室の一室にいるとのこと、私は足早にその診察室に向かいました。医師に用紙を渡して、医師が処置内容を記載したカルテを受けとり、事務室に戻りました。
PC にて会計処理をしながら、先ほど処置室で見かけたことを思いだしました。
外来廊下は救急隊員と自分しか通ってないはずだし、救急車に同乗していた付き添いもいなかったはずです。入院患者さんは大抵お仕着せの寝間着を着ているはずだし…
この世のものではなかったのか?
もしも生きている人にだったとしても、なぜそんなに顔を寄せる必要があるのか?
疑問に思いながらも、患者さんだった方が生保だったことを確認し、ホッとしました。生保なら、診療費を取りっぱぐれることはありませんから。
(終)
323 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/30(日) 05:25:59.23 ID:AgCPeYID0
【九十六話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『玄関先』
職場の人(Aさん)に聞いた話です。
実際体験したのはその方のお母様なのですが。
Aさんのお母さんは毎朝犬の散歩を早い時間にするそうです。
いつも決まっているコースを歩いていると、以前は仲良くしていたけれど最近息子さんだかのお家で一緒に住んでいて最近はほとんど家に以内というご近所さんの家の前を通りがかったときです。
散歩をしていた犬がそのお宅の玄関先でワンワン!と吠えたそうです。
猫でもいたのかな?とAさんのお母さんがお宅のほうを見てみると玄関が開いていてそこのおばあさんが座ってらっしゃったそうです。
久しぶりだったので「お久しぶりやねぇ〜今はこっちに帰ってきてるねんね〜」と声をかけましたが無表情で座っておられたそうで
(あー耳も遠いし聞こえてないし見えてないんかな)と思い「じゃあまたねー」とその場を去ったそうです。
その日の夕方、また同じように犬の散歩をしていると、朝通りがかった家がざわざわしていたそうです。
近くまでいくと弔辞の札が。話を聞くと今朝方おばあさんが亡くなられたということでした。
じゃあ朝出会ったのは・・・長年過ごした家に帰ってきたかったのかなぁ、と納得されたそうです。
ただ無表情だったのがとても怖かったらしく、なにかあるのかと思って過ごしたそうですがとくに後日談もないということでした。
おわり
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