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百物語2012

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Part3
11 :代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 21:20:29.37 ID:YriqamUu0
憂莉 ◆BPe4rMCg8k  『引っ越し』
(1/2)
今の家に引っ越したのは去年の11月か12月ごろだったと思う。
親の都合でよく引っ越しをするので慣れてはいるが、毎度毎度面倒である。
どうせ引っ越すだろうと高をくくり荷解きをほとんどしていなかったので今回はいつもより早く荷造りが終わったのだが、それでも家族の荷造りを手伝っていたらバイトに行けなくなるほどのハードスケジュールではあった。
引っ越しをする、と言ってくるのが毎回急なのだ。
しかし今回は少しだけ嬉しくもあった。
前の家は少し変なことがたびたび起こっていたのだ、詳しい話は本題からそれるので割愛させていただくが、
ともかくそれから解放されるということが引っ越しへの唯一のモチベーションだった。
引っ越してからしばらくは快適な生活だった。
もともとバイト先が入りたいときに入って入りたくないときは入らなくていいというスタンスの会社なので
引っ越しやその時家庭がゴタゴタしていたのを理由にいわゆるニートのような暮らしをしていたので暇を持て余してはいたが。
母親は仕事でほとんど家にはおらず、兄もバイトで休みの日以外は朝から夕方まで家にはいないのでほとんど一人で過ごしていた。
もともと一人が好きな性格なのでまったく苦痛では無かったが、一番家にいたから気付くこともある。
最初は些細な音だった。
ある日部屋で本を読んでいると聞き慣れない音が聞こえてきた。
ツッ・・ツッ・・ツッ・・と、何かを爪ではじいてるような音が。
治安が悪いので窓はあけておらず風はない、しかし部屋のどこからかそんな音が聞こえてくる。
気味が悪いが原因はわからない、しばらくすると音は止むので気にしないようにしようと考えた。
深く考えるようなものでもないな、と。

13 :代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 21:21:08.20 ID:YriqamUu0
(2/2)
数日後、また同じ音がする。
一定の間隔でツッ・・ツッ・・ツッ・・と。
二回目だ、どうせまた放って置いたら消えるだろうと高をくくり、無視して本を読んでいたら気付かない内に音が止む。
そして何度かこれを繰り返して気付いたことが一つある。
部屋にあるダンボールの耳が揺れているのである
もちろん風はない、しかし揺れている。
奇妙なのはダンボールからは音がしていないことだ、と言うよりもどこから音がしているのかがまったくわからない。
部屋のどこにいても同じ音量同じ間隔で音は鳴り続ける。
自室以外でその音を聞いたことは無いので自室のどこかから鳴っているのは間違い無いと思うのだが、自室のどこから、と聞かれるとそれはわからない。
一度だけあった例外を除けば。
2月ごろだったと思う。
その日は珍しく早めに床についた。
普段ならゲームなり読書なりで日付をまたいでから、陽が昇ってからというのも珍しく無いのだがその日はなんとなく二十二時前には寝る準備を始めた記憶がある。
寝るのが早ければ起きるのも早いものである、起きた時間は正確にはわからないがまだ外は真っ暗だったと思う。
思う、というのは確認できなかったからだ、つまり目を開けることができなかった。
金縛りによって、ということではなくただ純粋に怖くて目が開けられなかった。
その時も音が聞こえていたのだ、ツッ・・ツッ・・ツッ・・といつもの音がいつもの間隔で。
一つだけ違っていたのがその音が顔のすぐ近くで鳴っていた、ということ。
それだけなのだがただただ怖くて音が止むのを一心に願った。
思い返してみるともしかすると、音はいつも顔のすぐ近くで鳴っていたのかもしれない。
だからこそ方向も特定できず音量はいつも同じなのかも。
とにかく、それからはその音が鳴ると怖くて仕方がない。
バイトに戻りしばらくはその音を聞かなくなった。
家にいる時間が短くなったからか、それとも気にする余裕が無くなってきたからか。
しかし怖い話をすると霊を呼ぶというのは本当なのか、今も音は鳴っている。

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