百物語 第二回
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169 : ◆m/JHxSGR/w :2006/08/12(土) 01:45:03 ID:pJS6Hl3t0
1/3
バイト先でのこと。
ボクシング等のリングを造るバイトでさらに試合の合間に雑用したりもぎりしたり。
片付けもする。
その日はボクシングの試合だった。
少し終わりが押した以外、特に問題なく興行が終わり、リングの片付けが始まった。
リングの解体は僕以外の人達が現場監督に従い行い。
僕は会場の掃除や控え室のチェック、
セコント用の椅子や選手が口を漱いだ水を入れるポリタンクの洗浄と、
大量の雑用を任せられた。バイトの中では何度も来ていて仕事も覚えているのでと、
監督は判断したらしい。
実際、慣れているしその日も手早く雑用を片付けていき
リングが半分解体された頃にはポリタンクを洗うのみだった。
170 : ◆m/JHxSGR/w :2006/08/12(土) 01:46:07 ID:pJS6Hl3t0
2/3
「コレ洗ったら、そっちに回りますね。」
「それよりトラックの積み込みに行って」
「了解」
なんていいながら僕は二つのタンクを持ってトイレにいった。
トイレ奥の清掃用水道でポリタンクを洗う。
血反吐やたまに歯か何かも欠片が入っていてとても汚いし臭い。
いつも通り、タンクの中身を捨て、水でよく洗う。
三回くらい漱いで、今度はタンクのに付いたチューブの洗浄。
チューブの先にカップが付いていて、選手はラウンドのインターバルにそこに水を吐く。
するとチューブを辿ってリング下のタンクにその水が溜まる。
で、そのチューブはカップから水を注いで暫く水を流す。
チューブに肉片なんかが詰まっていると流れが悪くなる。
そうなると流れるまで時間がかかるし、時には専用のブラシで洗い出す必要があり面倒だ。
運悪く、赤コーナーのチューブが詰まっていた。
171 : ◆m/JHxSGR/w :2006/08/12(土) 01:47:22 ID:pJS6Hl3t0
3/3
暫く流してみたがなかなか出てこないのでブラシを突っ込んだ。
特に硬い手ごたえも無く、肉片か何かが付いたブラシを想像しつつ引き抜いてみると、
ブラシについていたのは髪の毛だった。しかも長くてチューブの中にまだ続いている。
普通に考えてこのチューブに髪の毛が入ることは無いし、そもそもどうやって入れるのか解らない。
そんな事を考えていたら突然後ろから呼びかけられた。
振り返ると監督が心配そうな顔で立っていた。
どうしたのか尋ねると、悲鳴がしたから何かと思ってきたらしい。
とりあえず大丈夫と伝えタンクを片付けようとして、僕は貧血でぶっ倒れた。
会場にそういう話はないが、ただその興行で赤コーナー選手は全員負けてた。
終わりです。
【完】
1/3
バイト先でのこと。
ボクシング等のリングを造るバイトでさらに試合の合間に雑用したりもぎりしたり。
片付けもする。
その日はボクシングの試合だった。
少し終わりが押した以外、特に問題なく興行が終わり、リングの片付けが始まった。
リングの解体は僕以外の人達が現場監督に従い行い。
僕は会場の掃除や控え室のチェック、
セコント用の椅子や選手が口を漱いだ水を入れるポリタンクの洗浄と、
大量の雑用を任せられた。バイトの中では何度も来ていて仕事も覚えているのでと、
監督は判断したらしい。
実際、慣れているしその日も手早く雑用を片付けていき
リングが半分解体された頃にはポリタンクを洗うのみだった。
170 : ◆m/JHxSGR/w :2006/08/12(土) 01:46:07 ID:pJS6Hl3t0
2/3
「コレ洗ったら、そっちに回りますね。」
「それよりトラックの積み込みに行って」
「了解」
なんていいながら僕は二つのタンクを持ってトイレにいった。
トイレ奥の清掃用水道でポリタンクを洗う。
血反吐やたまに歯か何かも欠片が入っていてとても汚いし臭い。
いつも通り、タンクの中身を捨て、水でよく洗う。
三回くらい漱いで、今度はタンクのに付いたチューブの洗浄。
チューブの先にカップが付いていて、選手はラウンドのインターバルにそこに水を吐く。
するとチューブを辿ってリング下のタンクにその水が溜まる。
で、そのチューブはカップから水を注いで暫く水を流す。
チューブに肉片なんかが詰まっていると流れが悪くなる。
そうなると流れるまで時間がかかるし、時には専用のブラシで洗い出す必要があり面倒だ。
運悪く、赤コーナーのチューブが詰まっていた。
171 : ◆m/JHxSGR/w :2006/08/12(土) 01:47:22 ID:pJS6Hl3t0
3/3
暫く流してみたがなかなか出てこないのでブラシを突っ込んだ。
特に硬い手ごたえも無く、肉片か何かが付いたブラシを想像しつつ引き抜いてみると、
ブラシについていたのは髪の毛だった。しかも長くてチューブの中にまだ続いている。
普通に考えてこのチューブに髪の毛が入ることは無いし、そもそもどうやって入れるのか解らない。
そんな事を考えていたら突然後ろから呼びかけられた。
振り返ると監督が心配そうな顔で立っていた。
どうしたのか尋ねると、悲鳴がしたから何かと思ってきたらしい。
とりあえず大丈夫と伝えタンクを片付けようとして、僕は貧血でぶっ倒れた。
会場にそういう話はないが、ただその興行で赤コーナー選手は全員負けてた。
終わりです。
【完】
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