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( ^ω^)豚肉のようです
[8] -25 -50 

1: 名無しさん@読者の声:2020/8/30(日) 20:39:29 ID:MreiM5x5Co

ある所に1匹の豚がいました
その豚の名前は内藤ホライゾン
仲間内ではブーンと呼ばれていました
彼は養豚場の中で何不自由なくすくすくと育ちました
しかしそんな幸せな日々は長くは続きません
そう、ついにあの日が来たのです
豚肉に加工され出荷されるあの日g

( ^ω^)「なんだおこれ」

川 ゚ -゚)「途中で割り込むな、話が止まってしまったじゃないか」

( ^ω^)「割り込みたくもなるお!なんで豚肉なんだお!意味わかんないお」

川 ゚ -゚)ノシ「いいから続けさせろ」ベシッ

(;^ω^)「痛いお痛いお」

川 ゚ -゚)「今の所はカットで頼む」



29: 名無しさん@読者の声:2020/9/20(日) 03:02:04 ID:QxVPOrBXk2

第3話
「おっぱいと豚肉のようです」


30: 名無しさん@読者の声:2020/9/20(日) 03:02:40 ID:QxVPOrBXk2

闇に包まれた港、独り佇む青年
何者かに追われているのか頻りに辺りを気にしています
しかし何の気配もないとわかるとその場に座り込みました

(;゚∀゚)「はぁ…はぁ…、ここまで来れば奴らも…はぁ…はぁ…」

その息遣いは荒く、彼の体力が限界である事を示しています

(;゚∀゚)「ったく、何でこんな事に…」

(;゚∀゚)「しかし着の身着のまま逃げてきたせいで手元にあるのは僅かな金と…」

(;゚∀゚)「…なんで豚肉?」

( ^ω^)「呼んだかお?」

(;゚∀゚)「え?うわあああああ!?」


31: 名無しさん@読者の声:2020/9/20(日) 03:03:18 ID:QxVPOrBXk2

静かな港に彼の絶叫が響きます

(;゚∀゚)「し、しまった」

( ^ω^)「どうしたお?」

( ゚∀゚)「静かに」

そういうと神経を研ぎ澄ませ周りの気配を探ります

( ゚∀゚)「よかった、誰もいない」

( ^ω^)「状況がわからないお」

( ゚∀゚)「すまない、ところでお前は一体…?」

( ^ω^)「僕は内藤ホライゾン、豚肉だお。ブーンと呼んで欲しいお」

( ゚∀゚)「そうか、俺はジョルジュ長岡だ。ジョルジュって呼んでくれ」


32: 名無しさん@読者の声:2020/9/20(日) 03:03:43 ID:QxVPOrBXk2

( ^ω^)「それでジョルジュ、これはどういう状況だお」

( ゚∀゚)「…話せば長くなるが…ー」

ジョルジュの話しはこうでした
彼はとある組織に属していました
しかしひょんな事から組織の重大な秘密を知ってしまったのです
そのせいで彼は命を狙われるようになりました

( ゚∀゚)「…と、言うわけなんだ」

(;^ω^)「大変だお、いったいどんな組織なんだお?」

( ゚∀゚)「ああ、組織の名前は“おっぱい教団”世界中のおっぱいを愛でる会だ」

( ^ω^)「一気に下らなくなったお」

33: 名無しさん@読者の声:2020/9/20(日) 03:04:13 ID:QxVPOrBXk2

ジョルジュはブーンの言葉に怒りました

(♯゚∀゚)「下らないとはなんだ!?おっぱいはな、おっぱいは凄いんだ!!」

(;^ω^)「落ち着くお!大声を出したら見つかるお!」

(;゚∀゚)そ「!?…悪い」

( ^ω^)「それで秘密ってなんだお」

(;゚∀゚)「それは…」

( ^ω^)「どうせ僕は豚肉だお。話したって構わないお」

( ゚∀゚)「それもそうだな」

34: 名無しさん@読者の声:2020/9/20(日) 03:04:43 ID:QxVPOrBXk2

それからジョルジュは静かに組織の秘密とどうやって知ったのか話しました

( ゚∀゚)「あれはつい数時間前」

( ゚∀゚)「俺は組織の食事係だった」

( ゚∀゚)「あの時もいつものようにボスに食事を持って行ったんだ、ちなみに暑いからってそうめんと冷しゃぶを」

( ゚∀゚)「そして気付いたんだ」

( ゚∀゚)「豚肉を忘れていたと」

( ゚∀゚)「まあそこからは単純だ。食事をしながら秘密の会話をしていたのを盗み聞きしてしまったってわけだ」

( ^ω^)「それで秘密ってなんだお」

(;゚∀゚)「思い出すのも恐ろしい…、全世界のおっぱいをちっぱいに変えるって計画だ…」

( ^ω^)「やっぱ下んないお」

35: 名無しさん@読者の声:2020/9/20(日) 03:05:12 ID:QxVPOrBXk2

(♯゚∀゚)「下らないとは」

( ^ω^)「見つかるから黙れお」

( ゚∀゚)「すまん」

( ^ω^)「で、豚肉を持ったまま逃げ出したのかお?」

( ゚∀゚)「今考えてもおかしいよな、豚肉持って逃げるとか」

( ^ω^)「まあ普通じゃないお」

( ;∀;)「…俺はいったいどうすれば」


36: 名無しさん@読者の声:2020/9/20(日) 03:05:45 ID:QxVPOrBXk2

ジョルジュは突然泣き出しました
たとえ下らない組織の下らない秘密とはいえ命を狙われる身です
恐ろしくないわけ無いでしょう
ブーンは今さらながらに自分を責めました

( ^ω^)「ごめんお、僕にとっては下らなくてもジョルジュからしたら大変な問題なのにお」

( ;∀;)「いや、いいんだ…。他の奴からしたら下らない問題だし…」

( ^ω^)「元気だすお。僕も逃げるのに協力するからお」

( ぅ∀;)「ありがとなブーン」

僅かながらもさっきよりジョルジュの目に希望の色が見えました

( ゚∀゚)「俺頑張ってアイツらの計画を阻止してみせる!」

( ^ω^)「逃げるんじゃなかったのかお?」

( ゚∀゚)「こんな事態、おっぱい好きとしては逃げてなんかいられねぇよ」

( ^ω^)「残念なイケメンだお」

37: 名無しさん@読者の声:2020/9/20(日) 03:07:19 ID:QxVPOrBXk2

( ゚∀゚)「残念ってなんだよ。普通にイケメンって言っとけよ」

決意を新たにしたジョルジュはブーンと笑い合えるようになりました

( ゚∀゚)「よし、まずは一緒に闘ってくれる仲間でも探すか」

( ^ω^)「ジョルジュならできるお」

( ゚∀゚)「ああ、これからよろしくな、ブーン」

( ^ω^)「」

( ゚∀゚)「どうしたブーン?」

( ^ω^)「僕には無理だお」

( ゚∀゚)「どうして!?お前が豚肉だからか?」

( ^ω^)「常識的に考えてそれしかないお」


38: 名無しさん@読者の声:2020/9/20(日) 03:07:51 ID:QxVPOrBXk2

ジョルジュは悲しみました
自分にやる気を与えてくれた相手と一緒にいられない
それは静かに、けれど確実にジョルジュの心を蝕みます

( ゚∀゚)「別に豚肉だからって問題は」

( ^ω^)「腐るお」

(;゚∀゚)「ちゃんと保存すれば…」

( ^ω^)「時の流れは無情なんだお」


39: 名無しさん@読者の声:2020/9/20(日) 03:08:25 ID:QxVPOrBXk2

ブーンは諭すように話します
一緒に行けない事
自分にも目的がある事
ジョルジュも静かにブーンの話を聞きます

(  ∀ )「そうか…」

( ^ω^)「すまないお」

( ゚∀゚)「いや、ブーンにはブーンのやる事があるんだし、謝らないでくれ」

( ^ω^)「ありがとうだお」

( ゚∀゚)「…俺、もう行くよ」

( ^ω^)「ジョルジュ…」

( ゚∀゚)「一緒にいたら引き留めちまいそうだからな」

( ^ω^)「わかったお」


40: 名無しさん@読者の声:2020/9/20(日) 03:08:56 ID:QxVPOrBXk2

そう言うとゆっくりと立ち上がりブーンを残して港を後にします

(   )ノシ「またな!」

後ろを振り向かず手を振るジョルジュ
その声は僅かに震えてるような気がしました

( ^ω^)「またなだおジョルジュ」

( ^ω^)「…この後豚肉どうするお」


第3話
「おっぱいと豚肉のようです」‐完‐


41: 名無しさん@読者の声:2020/9/27(日) 05:50:01 ID:QxVPOrBXk2

第4話
「見える人と豚肉のようです」


42: 名無しさん@読者の声:2020/9/27(日) 05:50:38 ID:QxVPOrBXk2


広い部屋、いや部屋と言うよりむしろ空間と呼んだ方が正しいでしょうか
そのただただ広く無機質な空間の中に1つの机と1つの椅子
椅子には1人の青年が、机には一切れの豚肉がありました

( <●><●>)「そろそろ来る頃だとわかってます」

( ^ω^)「お?」

( <●><●>)「よくきてくれました」

( ^ω^)「…珍しいお。僕が出てきて驚かないなんてお」

( <●><●>)「わかってましたから」


43: 名無しさん@読者の声:2020/9/27(日) 05:51:08 ID:QxVPOrBXk2

青年は豚肉を、正しくは豚肉の上の何もない空間を見つめています

( <●><●>)「貴方の姿がそこにあるのはわかってます」

(;^ω^)「なんでわかったお?」

( <●><●>)「僕にはこの世のほぼ全ての事がわかってます」

( ^ω^)「それはすごいお」

( <●><●>)「でも1つわからない事があります」

( ^ω^)「お?わからない事かお?」

( <●><●>)「そうです。だから今日は貴方をここに呼んだんです」


44: 名無しさん@読者の声:2020/9/27(日) 05:51:38 ID:QxVPOrBXk2

青年は名をワカッテマスと言い自身に特別な力がある事を話しました
彼の力は世界の全てを見透かす事です
しかしその力の及ぶ範囲は現実世界だけ
彼は知りたがりました
全てを知り得る自身が唯一知ることの出来ない世界について、死後の世界について

( <●><●>)「貴方は一度死んでます。だから向こうの世界について知っているはずです」

( ^ω^)「おー…」

( <●><●>)「教えてください。僕のわかってない世界の事を」

(;^ω^)「無理だお。覚えてないお」

( <●><●>)「本当は覚えているってはわかってます」


45: 名無しさん@読者の声:2020/9/27(日) 05:52:17 ID:QxVPOrBXk2

彼の言う通りブーンは覚えていました
自分が死んだ瞬間の事も死んだ後の事も
けれど頑なに話そうとはしません

( ^ω^)「話せないお」

( <●><●>)「わかりません。どうして話せないんですか?」

( ^ω^)「こっち側とあっち側は別物だお。交わってはだめなんだお」

( <●><●>)「ならあちら側の貴方がここに?…少なからず例外も存在するという事はわかってます」

( ^ω^)「めんどくさい奴だおね」

( <●><●>)「そんな事わかってます」


46: 名無しさん@読者の声:2020/9/27(日) 05:52:56 ID:QxVPOrBXk2

するとブーンは諦めたかのように口を開きました

( ^ω^)「今から話す事は他言無用だお。わかったかお?」

( <●><●>)「わかってます」

( ^ω^)「僕の記憶にあるのは僕が死ぬ少し前からだお…―」

それから数十分、ブーンの話しは続きました
とても恐ろしく気持ちの悪い話しです
きっとブーンは思い出したくもない記憶でしょう
彼の目から光が消え、顔からは血の気が引いていくようでした
声音など最後には絞り出したかのような苦痛さの滲むものでした

(  ω )「わかったかお?」

( <○><○>)「」

(  ω )「これでお前の望みは叶ったお。ならもう困ってないおね?僕は忙しいんだお。もう行くお」


47: 名無しさん@読者の声:2020/9/27(日) 05:53:28 ID:QxVPOrBXk2

( <○><○>)「ブーn」

ワカッテマスの言葉を遮るように、聞かないように、ブーンは姿を消しました

( <○><○>)「わかってました…、僕なんかが知ってはいけない世界だというとこぐらい…」

( <○><○>)「それでも僕は…」


第4話
「見える人と豚肉のようです」‐完‐



48: 1:2020/10/12(月) 05:48:26 ID:u8TZpZDbyA
セルフ保守
近々更新しますすみません
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名前:
sage:


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