白猫「……」ジー
黒猫「なにをジロジロ見ておる、下郎」
白猫「ご、ごめんなさい」
黒猫「礼儀を知るなら、先住者たる妾に筋を通すべきであろう。名を名乗るがよい」
白猫「はじめまして。名前はまだありません」
黒猫「ふん。そなたなぞ下郎で充分じゃ」
白猫「あのー」
黒猫「なんじゃ」
白猫「下郎ってなんですか?」
黒猫「…………飼い主はどこにいったのかの」
2: ◆x5Sg3YStuI:2017/11/27(月) 21:55:25 ID:xWhtGGZ/nM
黒猫「飼い主のことじゃ、そなたにさぞかしセンスのない名前をつけような」
白猫「名前をつけてもらえるだけで幸せです」
黒猫「ふん」
白猫「ところで、あなたのお名前は?」
黒猫「妾のことは姫さまと呼ぶがよい」
白猫「えーと、なんで……」
飼い主「くろちゃーんごめんね、新しいこを連れてきて。それでもくろちゃんは私のお姫さまだよー」ムギュー
白猫「……」
黒猫「わかったか」
3: ◆x5Sg3YStuI:2017/11/27(月) 21:57:34 ID:xWhtGGZ/nM
飼い主「くろちゃーん、かわいい黒姫ちゃーん、これからシロタンと仲良くしてね」
白猫「シロタンでぼくの名前でしょうか」
黒猫「どうじゃ、センスの欠片もあるまい」
4: ◆x5Sg3YStuI:2017/11/27(月) 22:00:34 ID:xWhtGGZ/nM
飼い主「ちょっとカリカリでも食べて待っててね」
黒猫「はっ」ピーン ダダダダダ
白猫「あれ、姫さまどこに行くんですか?カリカリ」
飼い主「お待たせーちょっとだけこのケージに入ってね」
白猫「なんだろう」
飼い主「一緒に出掛けようねー」
黒猫「知らぬとは幸せなことよ」
→動物病院
白猫「フギャー」
5: ◆x5Sg3YStuI:2017/11/27(月) 22:03:15 ID:xWhtGGZ/nM
白猫「はぁ」ゲッソリ
黒猫「もともと細いのがますますやつれたようじゃの」
白猫「当たり前ですよ。なんなんですかあれ?飼い主さんに拾われて天国に来たかと思ったのに、また地獄に逆戻りですよ」
黒猫(捨て猫か……)
黒猫「あれはあれで必要悪らしい。まあ、妾のカリカリでも食うがよい」
白猫「わーい」カリカリ
黒猫「ふん」
6: ◆x5Sg3YStuI:2017/11/27(月) 22:06:25 ID:xWhtGGZ/nM
飼い主「くろちゃーん抱っこさせてー」
黒猫「ふん」スドオリ
飼い主「もう、くろちゃんは冷たいなぁ」
黒猫「当たり前じゃ、猫とは孤高の生き物。人間に媚など売らぬ」
飼い主「シロターン」
白猫「ウニャン」ハラミセー
黒猫「…………」
7: ◆x5Sg3YStuI:2017/11/27(月) 22:08:53 ID:xWhtGGZ/nM
黒猫「嘆かわしい。猫の誇りはないのか、下郎」
白猫「すみません」ショボーン
飼い主「くろちゃーん」カミブクロ
黒猫「ふん」ウズウズ
飼い主「くろちゃーん、姫ちゃーん」カミブクロ ワシャワシャ
黒猫「フギャー」バリバリ
白猫「……」
黒猫「ふうふう」ハッ
白猫「……」
黒猫「ジロジロ見るでない」
8: ◆x5Sg3YStuI:2017/11/27(月) 22:09:16 ID:xWhtGGZ/nM
飼い主「くろちゃーん抱っこさせてー」
黒猫「ふん」スドオリ
飼い主「もう、くろちゃんは冷たいなぁ」
黒猫「当たり前じゃ、猫とは孤高の生き物。人間に媚など売らぬ」
飼い主「シロターン」
白猫「ウニャン」ハラミセー
黒猫「…………」
9: 名無しさん@読者の声:2017/11/27(月) 22:11:32 ID:xWhtGGZ/nM
すみません
間違えました
10: ◆x5Sg3YStuI:2017/11/27(月) 22:41:59 ID:xWhtGGZ/nM
黒猫「ついて参れ。新参者に妾の屋敷 を案内してやる」
白猫(屋敷?マンションだよね)
黒猫「どうじゃ?」
白猫「あれ?外?でも壁がある」
黒猫「ここはベランダというものじゃ。屋敷と外界の唯一の接点。屋敷にこもって息苦しいことがあればここにくるとよい」
白猫(風がきもちいい。あんなに辛かった外の世界なのに、なぜか懐かしい……気をつかってくれたのかな)
11: ◆x5Sg3YStuI:2017/11/27(月) 22:42:56 ID:xWhtGGZ/nM
飼い主「しまったーベランダのサッシ開けっぱなしにしてた。もしかして」
白猫「あ、飼い主さん」ホコリマミレ
飼い主「やっぱり2匹ともここか。ベランダ掃除してなかったのにー」
黒猫「ふん」スタスタ
飼い主「やめてー足をふかないで部屋を歩き回らなでー」ゾーキンゾーキン バタバタ
白猫「賑やかな人だなぁ」
12: ◆x5Sg3YStuI:2017/11/28(火) 07:49:41 ID:g7kfUbIAx6
白猫「ゲホッ」ケダマ
飼い主「あー吐いちゃったね。大丈夫?」
黒猫「下郎、ついて参れ」
白猫(廊下になんの用だろう?)
黒猫「よいか、妾たち猫族は毛玉をはくものじゃ。じゃが、賢い家猫は吐く場所を選ばねばならぬ」
白猫「はい」
黒猫「ちなみにそなたが先程吐いたカーペットの上は最悪じゃ」
白猫「すみません」シューン
黒猫「吐くならばこのような板張りが望ましい。このようにな。グェグェ」ケダマ
白猫「え、黒猫さん?」
黒猫「グェグェガボッゲボッゴボッ」
白猫「ひえー飼い主さーん。大変でーす」
13: ◆x5Sg3YStuI:2017/11/28(火) 07:50:13 ID:g7kfUbIAx6
白猫「姫さま大丈夫ですか?」
黒猫「うむ、先程はあやうく死にかけた」
白猫「……」
黒猫「ところで、毛玉をスムーズに吐くのに便利なものがある。見せてやろう」
白猫「え?草?」
黒猫「うむ、これは猫草といってな……」
白猫「えーこれがストレイキャットなんですか!空気を使って攻撃してくるんですか!?」
黒猫「え」
白猫「え」
14: ◆x5Sg3YStuI:2017/11/28(火) 07:58:13 ID:g7kfUbIAx6
飼い主「くろちゃーん」ギュー
黒猫「ふん」ネコパンチ
飼い主「痛いお」
白猫「こりないなぁ」
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