日程
月…題目候補をあげてもらう
火…題目投票と題目決定
水、木(20時まで)…参加募集、参加発表
金、土(20時まで)…レス投下
土、日…投票
ルール(暫定)
月…題目候補の日
火…題目決定投票(20時締切1人1票です)
水、木…木曜の20時までに参加表明を、時間過ぎたら参加不可。参加表明は匿名でも作者名でも作品名でも可
木の20時過ぎに参加者発表します
金、土…出来た人から順次レス投下。名前のとこに参加レス番号が有ると嬉しい。土曜の20時までに投下する。過ぎたら失格。
土、日…投票はレス番のみ、それ以外は無効票になります。
月曜日に結果発表。
>>2に続きます
963: 鏡?:2018/4/29(日) 16:47:55 ID:J/TjX./hlQ
小高い丘の上。粗末という程見窄らしくはなく、瀟洒と評すには管理の行き届いていない、あの屋敷こそが我が住居である。近隣の村人達は風情を解さぬ者ばかりで、『割と住める廃墟』だの『木材以上家未満』だの好き勝手言っているが、東方でワヴィッサビの美学を学べば、己の審美眼の浅薄さに恥じ入る事となるに違いない。
まあ良い。狭隘な民草を許容する懐の広さも王たる者が備えるべき資質である。
坂を上り、屋敷へ。軋むドアを開け中へ進む。広間に入ると、メイドがテーブルにぐでーっと突っ伏しながらクッキーを食b跳ね起き残像を残し掃除をし始めた。……まあ良い。懐の広さも以下略。
「お帰りなさいませ御主人様!ぜぇはぁぜぇはぁ」
「ああ、只今。……付いてるぞ、頬」
「フオアァッ!?ちょちちつてちちょっと何を仰ってるのか分かりませんね!」
手の甲でぐしぐしとクッキーの欠片を払うと、
「そっそれより、収穫は如何でした?」
この辺りに隊商が来ていると聞いた私は、何か面白いものはないかと覗きに行ったのだ。
「それがだな……こんなものがあった」
私は懐から油紙の包みを取り出し、テーブルに置いた。
「妖魂宿せし物言う鏡、だそうだ」
「日本語でおk」
「何語だそれは」
私は包みを解いた。手鏡程の大きさ。長方形の物言う鏡は、不可思議な紋様を表面に映し出している。
「虚空より訪れし異邦人の所持品……という触れ込みだったが」
「胡散くっさ!!それ絶対騙されてるやつじゃないですか!超うける!」
教わった通りに紋様に触れる。
「そんなモンが喋」
『おはようございます』
「キェェェェェェアァァァァァァァシャベッタアアアアアアアアアア!!??!!?」
非生物に特定の音声を宿すだけならば、私は当然の事として、多少の魔術的知識があれば誰にでもできる。だが、この鏡は喋る──つまり、思考し、状況に合わせて独自に音声を生み出す事が出来るらしい。
「何でもいい。何か訪ねてみろ」
「うぇえ!?これ返事とかしたら魂的なものがぬるーんと抜かれるパターンのやつじゃないっすよね!」
「もしそうならあの隊商は全滅しているはずだ」
「そ、それもそうか……じゃあ……What's your name?」
発音。
『私の名前はSiriです』
「なんじゃコイツ突然アナルとか言い出しましたよ御主人様。道徳ゴミかな」
言ってない。
「Siri」
『はい』
「君は何者だ」
「どうしよう御主人様がケツと会話してる」
『私はSiri、あなたのバーチャルアシスタントです』
「ふむ。この鏡は所持者を補佐する道具という訳か」
「いやいや補佐はあたしの役目だしあたしだってめちゃくちゃ喋りますしやすしきよし!喋るだけじゃなくてさんまとか凄い三枚に下ろせるし!このケツ野郎あんまり凄くないですよ!!」
「機能性で価値を定めるならば私はキミを解雇しなければならない」
「(´゚゚ω゚゚`)」
擬似人格の生成、及び固着……いや、憑依か。古代の禁呪に似たようなものはあるが、今の人類に知る由もない。異界の産物というのも、値段を吹っかける為のハッタリではなかったという事か。いずれ詳しく調べるとして、今は……
「Siri、夕食のメニューは何がいいと思う」
メイドの目が光った。
「『今が旬の金目鯛のポワレは如何でしょう』!!」
「くっそケツと被ったああああorz」
「優秀じゃないか」
「いえーい頭がお尻のメイドでーす……」
「だが、Siriは提案は出来ても実際に物理的作用を及ぼす事は出来そうもない。その点は間違いなくキミの方が優れているな」
数日後、物言わぬ鏡──バッテリーの切れたスマホを携え、旧王とメイドは異界を求めて旅立つ事になるのだが……それはまた別の物語である。
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