日程
月…題目候補をあげてもらう
火…題目投票と題目決定
水、木(20時まで)…参加募集、参加発表
金、土(20時まで)…レス投下
土、日…投票
ルール(暫定)
月…題目候補の日
火…題目決定投票(20時締切1人1票です)
水、木…木曜の20時までに参加表明を、時間過ぎたら参加不可。参加表明は匿名でも作者名でも作品名でも可
木の20時過ぎに参加者発表します
金、土…出来た人から順次レス投下。名前のとこに参加レス番号が有ると嬉しい。土曜の20時までに投下する。過ぎたら失格。
土、日…投票はレス番のみ、それ以外は無効票になります。
月曜日に結果発表。
>>2に続きます
646: 名無しさん@読者の声:2015/8/21(金) 23:49:22 ID:qKHImrySF.
ぼくの中には、イタズラの神様が住んでいる。
ぼくにとっては神様だけど、イタズラをしかけられる相手にとっては悪魔かもしれない。
「ミツル、またあんたなのっ」
おねえちゃんのくぐもった声がドアごしに聞こえる。声の調子から察するに、緊急度60%といったところか。
「早くあけなさい。わざとなのは分かってんだからねっ」
ぼくはドアから片耳を離して便座に腰かけた。
「まだまだ。我慢は大事だよ、おねえちゃん」
小声でつぶやく。自然とあふれてきたクスクス笑いを、両手で押し殺した。
この家にトイレは一つしかない。一番近いふれあい公園の公衆トイレまでは五分でつくけれど、潔癖性のおねえちゃんがそんな選択をするとは思えない。おまけにパパとママは外出中。ぼくのイタズラを邪魔するものは誰もいない。
これはおねえちゃんとぼく、一対一の真剣勝負なのだ。弟の大切なものを永久に奪ったのだから、これくらいの仕返しは許されるだろう。
あのことを思い出すと、いまでも泣きそうになる。
「捨てたから、あんたのおもちゃ」
敵がいい放った一言は、一週間前のぼくに深い打撃をあたえた。
おねえちゃんのいうおもちゃとは、ぼくの魂である「イタズラ七つ道具」のことだ。ゴムでできたゴキブリやクモ、ミニ工具セットなどを入れたナイロン袋を、ぼくは自分の分身のように大切にしていた。
「これでもうイタズラはできないでしょ」
勝ち誇ったようにニヤつくおねえちゃんを涙目でにらみつけながら、九歳の少年は復讐を誓ったのだった。
作戦コード1708(ヒトナナマルハチ)「トイレ我慢大会」開始から一時間後。
「お願いあけて! も……だめぇ……っ」
緊急度98%。ドアをたたく拳もずいぶん弱々しくなった。声はいまにも泣き出しそうに震えている。
(もうそろそろ許してあげようかな)
ぼくのイタズラには「ルール」がある。それは、やりすぎない、ということ。プロは引き際が肝心なのだ。
ぼくは大きなため息をつくと、ドアロックを外して扉をあけた。
「思い知った? おねえちゃん。これに懲りて、もう弟の大切なものを捨てたりは――」
「うるさい、どいてっ!」
かわいい弟を思いっ切り突き飛ばしたおねえちゃんは、鬼の形相でぼくを見据えた。
「そこ動くんじゃないよミツル! トイレが済んだら泣くまでお仕置きだからね!」
乱暴に閉まるドア。
ぼくはゆらり、と立ち上がった。
彼女は全然反省していない。それどころか、イタズラを仕掛けられた原因にすら気づいていないらしい。
イタズラの神様が悪魔に姿を変えた。
おもむろにポケットに手をいれる。取り出したのは「真・七つ道具」の一つ、プラスドライバー。
「作戦コード1709(ヒトナナマルキュウ)「トイレ監禁事件」――開始っ」
一分後。
「みぃつるううぅぅううう!」
ドアノブがなくてトイレから出られないおねえちゃんの絶叫が、家中に響きわたった。
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