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【参加自由】1レス勝負【2章】
[8] -25 -50 

1: 脳田林 ◆N6kHDvcQjc:2014/10/16(木) 20:04:50 ID:7lTINYd4eE
日程
月…題目候補をあげてもらう
火…題目投票と題目決定
水、木(20時まで)…参加募集、参加発表
金、土(20時まで)…レス投下
土、日…投票
ルール(暫定)
月…題目候補の日
火…題目決定投票(20時締切1人1票です)
水、木…木曜の20時までに参加表明を、時間過ぎたら参加不可。参加表明は匿名でも作者名でも作品名でも可
木の20時過ぎに参加者発表します
金、土…出来た人から順次レス投下。名前のとこに参加レス番号が有ると嬉しい。土曜の20時までに投下する。過ぎたら失格。
土、日…投票はレス番のみ、それ以外は無効票になります。
月曜日に結果発表。
>>2に続きます


453: ゴミ箱と水:2015/4/25(土) 23:04:31 ID:BYt2.cmPZY
とある国に、『ゴミ箱』と呼ばれる街が在りました。


所謂スラム街という界隈です。暮らしているのは、犯罪者や麻薬中毒者、娼婦、そして難民。――この世界に居場所を失い、自らの価値をも亡くして此処に流れ着いた者ばかりでした。
細い路地には廃材や瓦礫が乱雑に放置され、空気は暗く淀み、清潔な水すら手に入らないという、極めて衛生的な環境です。

ところがある日、そんな街に、不思議な旅人が辿り着きました。
彼は、格好こそ他の住民と変わらぬみすぼらしいものでしたが、こんな街には不釣り合いな程に澄んだ心を持っていました。そして、彼はこう思ったのです。
「皆が安心して暮らせるように、美味しい水が飲めるように、此処に井戸を作ってみよう」と。
そうして、旅人は街の片隅に井戸を掘り始めました。
しかし、青年の努力を人々は無意味な行為だと嘲笑い、誰も彼を手伝おうとはしませんでした。
青年は悲しいと思いましたが、それでも地面を掘り続けます。此処がゴミ箱と呼ばれる街であろうと、安心して飲める水さえあれば、荒みきった人々の心をも癒せると信じていたからです。

やがて年月が経ち、青年の掘った井戸からは美しく澄みきった水がわき出るようになりました。
ところが街の人々は、青年に暴力をふるって、井戸の水を自分達のものにしてしまいました。綺麗な水があっても人々の乾いた心を潤すことは叶わず、むしろその欲望を煽るだけだったのです。
そのことを知った青年は、悲しみの涙を流して街を去りました。


――――そして。

その数ヵ月後に街は滅びました。


これは街を去った青年も知らないことでしたが――実は、街の地下は汚染されていて、井戸の水には毒が含まれていたのです。




とある国に、『ゴミ箱』と呼ばれた街が在りました。

界隈も、人々の心も、生命の糧である水すらも汚れきっていたその街は、まさしく“ゴミ”に相応しい終焉を迎えたのでした。


   end
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