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【参加自由】1レス勝負【2章】
[8] -25 -50 

1: 脳田林 ◆N6kHDvcQjc:2014/10/16(木) 20:04:50 ID:7lTINYd4eE
日程
月…題目候補をあげてもらう
火…題目投票と題目決定
水、木(20時まで)…参加募集、参加発表
金、土(20時まで)…レス投下
土、日…投票
ルール(暫定)
月…題目候補の日
火…題目決定投票(20時締切1人1票です)
水、木…木曜の20時までに参加表明を、時間過ぎたら参加不可。参加表明は匿名でも作者名でも作品名でも可
木の20時過ぎに参加者発表します
金、土…出来た人から順次レス投下。名前のとこに参加レス番号が有ると嬉しい。土曜の20時までに投下する。過ぎたら失格。
土、日…投票はレス番のみ、それ以外は無効票になります。
月曜日に結果発表。
>>2に続きます


328: 名無しさん@読者の声:2015/2/14(土) 17:30:43 ID:Z5yPXO98A.

「君が歩くのを止めたとき、世界は滅亡する」


 宇宙人は紫の触手に月光をぬらぬらと反射させながら、抑揚のない声で告げた。

「ネクラビアス星人は紳士だ。前触れもなく他の星を襲うなんて野暮なマネはしない。
 まず無作為に選んだ住人一人に試練を与える。それが失敗したときだけ、攻撃を開始するのさ」

 異星人は内心ほくそ笑んだ。絶対に達成できない難題をふっかけるのは、下等生物が必死であがく姿に快感を覚えるからだ。

(永遠に歩き続けることは、どれだけ脚力の優れた種族にも不可能。ましてこんな女の子にできるわけがない)

「さあ、歩き始めたまえ。立ち止まった瞬間、無数の兵士が地球を覆うだろう」

 しかし少女は小首を傾げたまま、微動だにしなかった。

(まさか翻訳装置に不備が?) エイリアンが不安になりはじめたころ、やっと小さな口が動き出した。

「私が立ち止まったとしても、歩くのを止めたことにはならないわ」

「?」

「『歩みを止める』という言葉は、死を意味するの。生きている限り人は歩き続けるのよ」

 予想外の台詞に、ピンク色の汗が頬を伝う。

「な、ならば君が死んだときだ。我らの寿命は地球人の十倍ある。それまで待って――」

「それはどうかしら。たとえ命を終えても、誰かが覚えているかぎり私は死んだことにならないわ」

 呆然とする宇宙人に、たたみかける。

「私が歩みを止めるのは、全人類に忘れられたときだけよ」

「ぐぬぬ……ならば、そのときだ。そのとき我らは再び現れ、地球を滅亡させてやるのだっ」

 涙目のエイリアンは捨て台詞を残し、消えた。


 病院の屋上に静けさが戻ってきた。
 少女はほっと息をつく。視線を落とし、もう二度と動かない両足を見つめた。

(飛び降りるつもりだったのに、死ぬ気がなくなっちゃったわ)

 ふふ、と笑い、車椅子に背を預ける。


 宝石を砕いて散りばめた星空が、潤んだ瞳に映っていた。
329: 名無しさん@読者の声:2015/2/15(日) 01:47:43 ID:3royW.7drM

進行が遅れました
申し訳ないです。

今回の参加者様は
2名ですね。

>>327
>>328
の2つから
これだっ!と思う作品に投票お願いします。
投票締め切りは月曜日の朝9時までにさせていただきます。

珍しく一騎打ちでございますな。

330: 名無しさん@読者の声:2015/2/15(日) 03:51:37 ID:eB319qzgEA
>>328
331: 名無しさん@読者の声:2015/2/15(日) 21:23:37 ID:9vc1DYUD..
>>327
332: 名無しさん@読者の声:2015/2/15(日) 21:58:27 ID:LswZ7S4thE
>>328
333: 名無しさん@読者の声:2015/2/15(日) 22:23:34 ID:fxUymlm.62

>>328
334: 脳田林 ◆N6kHDvcQjc:2015/2/16(月) 08:50:08 ID:fVaxdanGF2

ちょいと早いですが締め切らせていただきます。
今回の勝負を制したのは……!

>>328様の作品です。おめでとうございます!

では、これよりお題募集に入ります。

皆々様の御参加、お待ちしております。
335: 名無しさん@読者の声:2015/2/16(月) 10:18:36 ID:zxuZy2jdZI
かおる
336: 名無しさん@読者の声:2015/2/16(月) 10:54:10 ID:fxUymlm.62
お題:太陽
337: 名無しさん@読者の声:2015/2/16(月) 12:42:05 ID:B1sy9Tveek
お題
その先で
338: 名無しさん@読者の声:2015/2/16(月) 17:10:08 ID:eB319qzgEA
>>328優勝おめでとうございます(*´∀`)
こういうファンタスティックなお話が大好物で、楽しく読ませていただきました
もうね、宇宙人をも煙に巻く女の子の頭の良さ!!
動かない足に思い悩んで死をも覚悟している彼女が何故こうまで凛としているのか…宇宙人にムカついたから?歩けない自分への嫌がらせと思ったのかな?
そして、宇宙人に畳み掛ける彼女の言葉は、死と相反する生への希望なのかしら?
侵略しに来た宇宙人がもしかしたら彼女を救ってくれたのかも?色々考えた結果…最後の一文に全部持ってかれましたwww

凄く綺麗な締め
大好き!!
339: 名無しさん@読者の声:2015/2/16(月) 18:04:12 ID:TKtrCM4mFs
お題候補 独り言
340: 328:2015/2/16(月) 21:08:39 ID:x287GwPBOw
>>338
ありがとうございます。
やっぱり感想いただけると、嬉しいもんですね。
これからも精進します。よかったらまたお読みくださいませ(´▽`*)
341: 脳田林 ◆N6kHDvcQjc:2015/2/17(火) 01:31:16 ID:aJ/URoXAUo

遅くなりました……。

今よりお題投票です!
これだっ!
と、思うお題に投票お願いします。
342: 名無しさん@読者の声:2015/2/17(火) 20:32:25 ID:nodR771/.s
>>337
343: 脳田林 ◆N6kHDvcQjc:2015/2/18(水) 00:04:12 ID:H03.Cb48go

今回のお題は一票のみですね……。
>>337です。

やはり毎週開催は辛いですかねぇ……。
344: 名無しさん@読者の声:2015/2/18(水) 08:19:31 ID:eh37R1K/QM
二週に一回でもいいと思われ。

345: 脳田林 ◆N6kHDvcQjc:2015/2/19(木) 19:15:28 ID:XJP6puJGCI
今回から隔週にしますね。
346: ダメだ浮かばん:2015/2/19(木) 20:13:15 ID:XJP6puJGCI
フロント木っ端、煙を吐く車体。ハンドルにもたれかかっている男を窓の外から見ているのは、その男だった。
「あ〜死んでもうたがな……」
ついつい遊び心で『この先、急カーブ』にアクセル全開で突っ込み、その先でガードレールに大胆にもアタック。アンドクラッシュ。
まさしく当たって砕けた。
「寝てるみたいだろ?死んでるだぜ……俺」
なんて、呟いていたらキティサンダルを履き上下純白のスエット素材の服を着た少女が突然現れた。
「ちなみに、この着こなしはセットアップって言うっす!ちぃっす!死に神っす!」

俺はどこからツッコミを入れて良いのかわからずにいると矢継ぎ早に「文字数もヤバい気がするんでチョッパヤで言いますと、まだ俺さんは死ぬ予定じゃないっす!なので、お帰りくださいっす!」
と、死に神(?)が言い終わると同時に、俺は光に包まれ……気付くと事故を起こしたはずのカーブ前で止まっていた。

「……生きてる。きっと夢を見てたんだ……」
安堵し、生きてる喜びに打ち振るえていたかったが俺の耳に死に神(?)の声が届く。

「聞こえるっすか?あの世を見るのは3日ぐらい先っす!ついでに5倍は痛い死に方っすよ!また来ますっす!」

「……」

俺は生きてるのを後悔した。

347: 名無しさん@読者の声:2015/2/21(土) 18:25:47 ID:mBXG2qEyIY
「ねーママ」
「なあに?」
「大好き!」
 えへへ、と笑い、恥ずかしそうに寝具をかぶる少女。
「ママも大好きよ。お休み、ミナ」
 薄い布越しに口づけ、子供部屋を後にした。

「やっと寝たか」
 台所では男がナイフを研いでいた。赤々と燃える炎の作る影が、傷だらけの顔をさらにいかつく見せている。
 しかし、片方しかない目はどこまでも優しく澄んでいた。
「ええ。……ふふっ」
「どうした」
「ミナがね、私のこと大好きだって」
「……それくらい俺だって言われたことある」
「拗ねてる?」
「拗ねてない」
 背後に回り、両腕で大柄な体を包み込んだ。
「……ずっとこんな暮らしができたらいいのに」
「そうだな」
「このまま真実を告げずに、ミナと貴方と三人で――」
「おい……」
 首筋に落ちる水滴に気づいたのだろう、男の声には困惑が滲んでいた。
「全部嘘だったらいいのに。あの子は『勇者』なんかじゃなくて、私たちも―」
「おい!」
 振り向いた男の力強い手に腕を掴まれ、体がびくり、とはねた。
「それ以上言うな。ミナが聞いたらどうする」
 彼の目は微かに揺れていた。そこから深い悲しみを感じ取り、男も同じ思いだと分かる。
 
 魔王のみが暮らすこの世界で、娘は独りぼっちの人生を歩まなければならないのだ。
  
「信じよう。あの子が作る未来の先に、希望があると」
 
 声を殺して泣く「慈愛の魔王」を、「豪傑の魔王」が力強く抱きしめる。

 テーブルに置かれた刃が、暖炉でゆらめく炎を静かに映していた。
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