魔王「我が魔界と人間界を治め、世界が平和に包まれてから久しいが」
魔王「世界を混沌へと包もうとせん大魔王なる者が現れた!」
魔王「そこで我は十面に待ちかまえる大魔王を討つべく、名声に包まれし勇者を募った!大臣よ、どのような勇者が集った?」
大臣「現在、肉じゃが勇者・歯磨き勇者・弱い勇者・残尿勇者の四名が集まっています」
魔王「ろくな勇者がおらぬ!」
大臣「一応これの続編ですhttp://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch4/1367944388/1-10」
21: 1:2015/3/18(水) 02:06:35 ID:44SiIGczZI
モテモテ勇者「どうも、モテモテ勇者だよ」
魔王「女子は嬉しいかもしれぬが我ら男にはムカつくだけの奴が来たな!憎たらしいくらい整った顔立ちである!」
大臣「対抗出来るのは私くらいのものですね」
魔王「貴様、鏡は見たことあるかぁ!?その顔でよく対抗する気が起きたなあ!」
モテモテ勇者「別に俺そんなにモテないよ」
魔王「嘘つけぇ!イケメン特有の嫌味な謙遜しおって!名前にまでなっててモテないわけないだろう!」
モテモテ勇者「野球で甲子園いって、勉強も全国で上位だったし、勇者になって年収も1000万くらいになったけど全然モテないんだよね」
魔王「だから嘘を言うなぁ!何だそのプロフィール!?モテるために生まれてきたようなものではないか!」
モテモテ勇者「ちなみに料理作るのも好きかな。オリーブオイルとかよく使うよ」
魔王「料理でオリーブオイル使うイケメンはもれなくモテると相場が決まっておるのだ!いい加減にしろぉ!」
大臣「私だったらごま油使いますけどね」
魔王「貴様どこに対抗しておるのだ!?いや、顔よりはちゃんとした勝負になるけど、相手オリーブオイルだぞ!こっちはオシャレ感皆無ではないか!」
モテモテ勇者「ごま油だっていいオイルだよ。そんな悪く言っちゃいけないよ」
魔王「発言までイケメンではないか!相手を慮るイケメンとか、もうどうしようもないわ!」
22: 1:2015/3/18(水) 02:07:49 ID:44SiIGczZI
魔王「それで、このモテる男が大魔王討伐にどう役立つというのだ!大魔王、女なのか!?」
大臣「履歴書には、特技にカベンドーって書いてありますよ。必殺技じゃないんですか?」
魔王「勇者達は履歴書送ってきてるのか!?じゃあその段階でけっこう落とせるであろう!何で呼んじゃうのだ!?」
大臣「まあまあ。それで、カベンドーって何ですか?」
モテモテ勇者「壁を背にした女性に対し、ドンと壁に手を突きつつ甘い言葉を囁く競技です」
魔王「壁ドンのことかよ!?何をテコンドーみたいに言ってくれてるのだ!ないだろ、そんな競技!」
大臣「隣のうるさい奴を黙らせたら勝ちって競技なんですか?」
魔王「壁ドン違いだ!何か前者がけっこう有名になっちゃったけども!いや、それはいいのだ!」
魔王「壁ドンで大魔王をどう討伐するのだ!?本当に女じゃないと通用しないであろう!」
大臣「じゃあもう大魔王が女であると祈りましょう」
魔王「ていうか、十面までの間、相手全員女じゃないとやばいであろう!ヘルドラゴン、メスなのか!?」
大臣「行けばわかりますよ。はい、魔王様」
魔王「投げやりであるな!もう我も投げ出したくなってきた!というわけで……モテモテ勇者よ、大魔王を討伐せよ!」
23: 1:2015/3/18(水) 02:09:02 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「モテモテ勇者が一面で振られました」
魔王「振られたから何だというのだ!いや、内心ざまあとは思うけども!」
大臣「勇ましくヘルドラゴンを口説いたそうですが、ヘルドラゴンはオスでして……」
魔王「同性だったのか!そりゃ口説けるわけがないだろうな!」
大臣「モテモテ勇者も異性が好きですし、ヘルドラゴンもそれは同じです。モテモテ勇者の武器が通用しないとは……」
魔王「想像はできたであろう!何でもいいからRPGを思い出してみろ!女性型の魔物、少ないであろう!」
魔王「……それで、振られたモテモテ勇者はどうなったのだ?」
大臣「振られたのがショックだったみたいで、帰って寝込んでるみたいです」
魔王「そんなんなっているのか!?何が、別に俺そんなにモテないよ、だ!振られ慣れてすらないではないか!」
大臣「モテモテ勇者としてのプライドが傷ついたんでしょうね」
魔王「これだけのプライド宿してて、あんだけ謙遜していたのか!それ知っちゃうと嫌な奴に思えてくるわ!」
魔王「あと、ヘルドラゴンはオスなのだろう!?むしろ振られてよかったではないか!付き合いたかったのか!?」
大臣「付き合うかは別にして、異性でも同性でも、自分に好意が向かないのが許せないのでは?」
魔王「貪欲な屑か!それで一人一人に応えられるのか!?無理であろう!屑か!」
大臣「今回魔王様ぐいぐい行きますね。イケメンへの嫉妬ですか?」
魔王「言うなよ!もういい、次行こう!」
24: 1:2015/3/18(水) 02:10:15 ID:44SiIGczZI
知り合いが勇者「ちわっす!知り合いが勇者です!」
魔王「その知り合いを連れて来い!何で貴様が一人でやってきたんだ!?」
大臣「応募したのがこいつだったんで、そいつを連れてくるわけにはいかなかったんでしょう」
魔王「我らは勇者を募っておるのだろう!その知り合いが来たところでどうしようもないだろ!」
大臣「でも、知り合いに勇者がいるなら、そいつから勇者のコツとか聞いてるかもしれませんよ。素質はあるかもしれません」
魔王「……どうなんだ?コツとか聞いてるのか?」
知り合いが勇者「いやあ、俺あいつが勇者やってるってのは知ってますけど、実際やってるとこは見たことないですし」
魔王「おい、大臣!この者は勇者のコツなんて知らないそうだぞ!どうするのだ!?」
大臣「早とちりしすぎですよ。馬鹿ですか?見てなくても聞いてはいるかもしれないじゃないですか」
知り合いが勇者「いや、聞いてもないですよ。一緒に遊ぶときくらい、お互い仕事は忘れようぜって、極力話さないんです」
魔王「結局聞いてもないみたいだな!大臣、貴様我に馬鹿ですか?とか言ったよな!?」
大臣「あなたは仕事何してるんですか?」
魔王「おいコラァ!話を逸らすなぁ!」
知り合いが勇者「俺は詐欺師やってます」
魔王「貴様もとんでもねえことやってんな!?知り合いの勇者も何でほっとくんだ!?そいつ本当に勇者か!?」
25: 1:2015/3/18(水) 02:11:26 ID:44SiIGczZI
大臣「詐欺師ということは、言葉巧みに相手を欺けます。大魔王軍も同じように騙して進むことでしょう」
魔王「待て待て!詐欺師とか言われて、もう信頼性の欠片もないわ!本当に知り合いに勇者がいるのか!?」
知り合いが勇者「これは本当ですよ!ジャージ勇者ってやつです」
魔王「その者はどのような勇者なのだ?」
大臣「あ、知ってますよ。麻薬の売買やってて捕まった勇者です。もう出てこれたんですかね」
魔王「勇者までとんでもなかったな!え、そいつ勇者なのか!?ただの屑じゃないのか!?」
知り合いが勇者「ジャージ勇者とオフの日に放火して回るのが、凄い楽しいんです。昔からの親友ですよ」
魔王「屑は屑を呼ぶんだな!とんだ屑コンビである!もう自首しろ!大魔王討伐行かなくていいから自首しろ!」
大臣「それは駄目ですよ。知り合いが勇者が捕まったら、誰が大魔王討伐を果たすというのです?」
魔王「まだ勇者いっぱいいるし、いざとなったら我が行くわぁ!」
魔王「ああもう警察呼べ!一国の王として、このような罪人を放っておくわけにはいかぬ!」
大臣「知り合いが勇者よ、大魔王を討伐せよ!」
魔王「貴様何を我の台詞を盗んでおる!?ていうか大魔王討伐に行かせるな!通報しろって!」
大臣「駄目ですって。勇者ならば、大魔王討伐を果たし平和を確たるものにするという方法で償うべきです」
魔王「だからこいつ勇者ではないんだって!……ああ!もういない!討伐という名の逃走しやがった!」
26: 1:2015/3/18(水) 02:13:03 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「知り合いが勇者が捕まりました」
魔王「結局捕まったのか、彼奴は!?素晴らしいことだけど、経緯を教えろ!」
大臣「勇ましくヘルドラゴンに振り込み詐欺の電話をかけたそうですが、警察に通報され……」
魔王「ヘルドラゴンがやったのか!敵ながら天晴れなオスよ!」
大臣「騙されたふりをして電話を切った後、警察に連絡して、待ち合わせ場所には警察が……って流れみたいです」
魔王「よくやったわ!警察もヘルドラゴンもお手柄であるぞ!褒美をやりたいぐらいだ!」
大臣「警察はともかく、ヘルドラゴンは敵ですよ」
魔王「そうなんだよな!味方には屑しかいなくて、敵は一面から良き者が立ち塞がる!これどっちが悪者かわかったものではないな!」
魔王「どうしよう!もうこんな国見捨てたい!あっちに寝返りたい!それが無理でも魔界に帰りたい!」
大臣「駄目ですよ。魔王様は今や人間界を治める王です。その役割を全うしなくては」
魔王「だったら勇者も貴様も役割を全うしろぉ!それだったら我だってちゃんとやるわぁ!」
大臣「勇者はともかく、私はちゃんとやってるではないですか」
魔王「どこがぁ!?これでちゃんとやってるのか!?だったら大臣ってどういう仕事なんだ!?」
大臣「ならば大臣として仕事出来ると証明するしかないですね。というわけで、次の勇者を紹介します」
魔王「紹介だけの簡単な仕事と違うぞ、大臣ってのはぁ!」
27: 1:2015/3/18(水) 02:14:48 ID:44SiIGczZI
猫型勇者「僕猫型勇者です!」
魔王「何か聞き覚えのあるフレーズの奴来たけど!?」
大臣「あなたはどのような勇者なのですか?」
猫型勇者「僕は猫のような俊敏性を持った勇者なんだよ」
魔王「マジの猫かよ!青いあいつに倣った勇者じゃないのか!」
大臣「青い猫がいるわけないじゃないですか。何を馬鹿なこと言ってるんですか?」
魔王「いや、いるであろう!国民的な青い猫型ロボットがいるであろう!猫型って言ったら彼奴を思い浮かぶであろう!」
大臣「魔王……お前、頭が……」
魔王「いや、正常であるからな!?日本人的には貴様が正気じゃないぞ!?後さりげなくタメ口使ってんじゃない!」
魔王「猫型勇者、貴様も貴様だ!一人称が僕とか、絶対狙ってるであろう!」
猫型勇者「僕がどんな一人称を使おうと僕の勝手でしょ。君は実に馬鹿だな」
魔王「我はのび太じゃねえから!我魔王だから!貴様、魔王に馬鹿とか言ってるから!」
猫型勇者「好きな物はどら焼きで、苦手な物はネズミだよ。よろしくね、のび太くん」
魔王「確信犯だろ!自ら歩み寄ってるだろ!そして我のび太ちゃう言うとるであろう!」
魔王「この調子なら四次元ポケットとかもあるんだろうな!」
猫型勇者「いや、ないけど」
魔王「そこはないのか!?肝心な物がないではないか!あれないと青い猫の方けっこうなお荷物であるぞ!」
28: 1:2015/3/18(水) 02:16:18 ID:44SiIGczZI
魔王「大臣!四次元ポケットはないんだと!どう大魔王討伐を果たすのだ!?」
大臣「いや、だから猫のような俊敏性で戦う言ってるじゃないですか」
魔王「いや、だから!この者にそういう素早さはない!国民的アニメの方なんだから!」
大臣「ああもう駄目ですね、こりゃ。もう魔王様頭おかしくなってますし」
大臣「もう猫型勇者だけが頼りです。大魔王討伐、頑張ってくださいね」
猫型勇者「任せてよ!うぷぷぷ!」
魔王「それ違う奴の笑い方であるぞ!それ熊型の方であろう!一緒なのは中の人だけだから!」
大臣「中の人も違うでしょ?何言ってるんですか?」
魔王「平成っ子か、貴様!?最近の子はマジでわからんのかな!?何だか悲しいぞ!」
魔王「……ていうか、その発言、アニメの方だと認めたような物じゃないのか!?どうなんだ、大臣!」
大臣「猫型勇者よ、大魔王を討伐せよ!」
魔王「逃げるでない!貴様、我の台詞を盗んでまで逃避するな!」
猫型勇者「大魔王討伐、頑張るよ!デレシシシ!」
魔王「笑い方ぁ!!もうどんどんキャラが迷走してるではないかぁ!元ネタどこ行ったぁ!?」
29: 1:2015/3/18(水) 02:17:56 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「猫型勇者が未来に帰りました」
魔王「今までにない独特な報告であるな!?やっぱりあれを意識した勇者ではないか!」
大臣「勇ましくヘルドラゴンと戦いに行ったそうですが、先客がいて……」
魔王「先客!?」
大臣「何か……「僕一人の力で君に勝たないと、ドラえもんが安心して帰れないんだ!」とか言ってたみたいで」
魔王「のび太じゃないか!ていうか、とうとうドラえもんて言い切ったな!我もずっと我慢してたのに!」
大臣「ヘルドラゴンが空気読んで負けたといい、先客の成長ぶりに安心した猫型勇者が未来に帰った感じみたいです」
魔王「ヘルドラゴンもいい感じでジャイアンをやりきりやがって!本当に優秀な人材である!」
大臣「まさか未来に帰るとは……誤算でしたね」
魔王「誤ってたの貴様だけだぞ!元ネタ関連で締めるんだろうなって皆が思ってたであろう!」
魔王「ていうかあいつ、四次元ポケットっつーか秘密道具関連はないんであろう!?どうやって未来に帰ったんだ!?」
大臣「何かメゾン・ド・未来ってアパートに住んでるみたいで」
魔王「ただの帰宅じゃないかよ!?じゃあ毎日安心して帰れよ!のび太、挑み損ではないか!」
大臣「とにかく帰っちゃったんで、次の勇者を頼りましょう」
30: 1:2015/3/18(水) 02:19:36 ID:44SiIGczZI
昔は勇者「昔は勇者でした」
魔王「自己紹介で過去形使われたの初めてであるぞ!だって皆今も本人には違いないからな!」
大臣「昔の話なんですから仕方ないですよ」
魔王「現役が来いよ!国の一大事であるぞ!何をOB会感覚でやってきておるのだ!」
昔は勇者「昔はすごい勇者だったんですよ」
魔王「でも肝心なのは今であろう!今はどうなのだ!?」
昔は勇者「今はもうグータラしてますね。運動とか全然してないです」
魔王「駄目じゃないか!今も何か勇者っぽいことしてたらまだ期待できるのに!」
昔は勇者「ストレッチでも、開脚とかもう全然できなくなってますね」
魔王「だから駄目だろ!勇者応募を見て、昔の血がたぎってんじゃないよ!」
昔は勇者「昔はなかった贅肉が、今ではこんなにつまめるほどまで」
魔王「そろそろ自虐ネタをやめろ!楽しくなってんの貴様だけだぞ!こっちは未来が閉ざされて絶望である!」
大臣「メゾン・ド・未来、潰れちゃったんですか?」
魔王「猫型勇者は一旦忘れろぉ!今居んの昔は勇者ぁ!」
31: 1:2015/3/18(水) 02:21:36 ID:44SiIGczZI
魔王「大臣、この者はどう大魔王討伐を成すつもりだ!?」
大臣「その名の通り、昔は勇者だったわけですからね。経験豊富で、それを活かせば大魔王討伐も大丈夫でしょう」
魔王「その経験を活かせる肉体がないから困ってるんだろう!その辺弁解してみせろよ!」
魔王「ていうか、昔は勇者だったのだろう!?ということは、我ら魔界と人間界が争ってた時くらいは勇者だったのだろう!?」
昔は勇者「そうですね、その時は現役で勇者でしたよ」
魔王「その割に、我は貴様のこと知らんぞ!?」
昔は勇者「そりゃあ大体一面でスライムにやられてただけですから」
魔王「雑魚かよ貴様!?そりゃあ知名度はないよな!ていうか、それ現役の頃の経験ほとんどないであろう!」
昔は勇者「ありますよ!何回スライムにやられたと思ってるんですか!」
魔王「才能がないんだよ!ある意味勇者辞めたの正解だよ!でも何で今になって復帰しちゃったんだ!?」
大臣「現役の時の不甲斐ない成績のリベンジの時が来たんですよ。魔王様、ご命令を」
魔王「リベンジにならんだろう!スライムも倒せなかった男が、劣化した今になって、どうしてヘルドラゴンを倒せる!?」
大臣「やってみないとわからないでしょう。いいから命令、早く」
魔王「急かしてんじゃないぞ!たまに貴様タメ口やらかすよな!?」
魔王「でも他に手はないのか、仕方ない……昔は勇者よ、大魔王を討伐せよ!」
32: 1:2015/3/18(水) 02:23:24 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「昔は勇者がやられました」
魔王「だろうな!ヘルドラゴンに勝てるわけないだろう!」
大臣「勇ましく一面に挑もうとしたそうですが、街で悪ガキに絡まれ……」
魔王「はあ!?ちょい、ちょい待て!それ敗因関連の台詞であるよな!?」
大臣「はい。ですから、街中で悪ガキに絡まれてですね」
魔王「子どもに負けたのか、あいつ!?」
大臣「いやあ、屑は年月が流れようと屑のままってことですね」
魔王「まあそういう結論になるんだけども!貴様が他人を屑と罵るのか!?」
大臣「そうですよ。何かおかしいですか?」
魔王「貴様が言うなってことなんだよ!貴様も屑なんだからな!」
大臣「何をおっしゃいますやら。私ほど優れた人間もいないですよ」
魔王「貴様今すぐこのスレ見なおして来い!ついでに前作も見ておけ!そしたら自分の屑さ加減がわかるであろう!」
大臣「過去を振り返る暇なんてありません。我々は前へ進まないといけないのですから」
魔王「過去の過ちと向き合わぬまま先へと進むなぁ!貴様の場合、振り返り直していくことこそが前進となるのである!」
33: 1:2015/3/18(水) 02:24:51 ID:44SiIGczZI
大臣「大変です、魔王様。今回の勇者、全員駄目でした」
魔王「知ってるわぁ!より正確に言うと知ってたわぁ!」
魔王「駄目に決まってるであろう!あのラインナップ見て、いける!とか思える奴が実在するのか!?」
大臣「私です。実在しましたね」
魔王「それは貴様がおかしいだけである!病院行け!その隙をついて新しい大臣雇うから!」
大臣「そんなことを言われては行くわけにはいきませんよ。とりあえず新しい勇者を募りましょう」
魔王「もう我が行った方がいいって!募れど募れど来るのは屑だけなのだから!」
大臣「諦めてはいけません。希望を持って勇者募集を続けましょう」
魔王「諦めてないから我が行こう言ってんだろうが!諦めてるのむしろ貴様だろ!?」
大臣「魔王様は少々自惚れているようですね」
魔王「自惚れておらぬわ!絶対どの勇者よりも我の方が強い!」
大臣「過去にはアルソック勇者っていう、吉田沙保里本人っぽい勇者もいましたけど?」
魔王「……大体の勇者よりは我の方が強いと思う」
大臣「身の程を知れましたね。じゃあ今後も素直に勇者を募集しましょう」
魔王「待て!それほどの者がいて、何で我のいる十面まで辿り着かなかったのだ!?何でだ!?」
34: 名無しさん@読者の声:2015/3/18(水) 12:54:11 ID:t4n1WC4cYA
引退した勇者ぽいのってこれかwww
支援!
35: 1:2015/3/19(木) 00:46:17 ID:44SiIGczZI
>>34
そうです、引退した勇者っぽいのってこれのことです。
支援ありがとう!これから投下していきます。
36: 1:2015/3/19(木) 00:47:44 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「魔王様、勇者を募ったところ、新たに四名が来てくれましたよ」
魔王「大臣よ、今回の大魔王討伐において、ほとんどが一面のヘルドラゴンにやられておるよな?」
大臣「そうですね。今のところ、一面を突破できたの、肉じゃが勇者だけですね」
魔王「彼奴は意外と有能だったのだな……多くの者が一面すら突破できない、厳しい旅路である」
魔王「そんな過酷な旅を乗り越えられるほどの、良き勇者が集ったのであろうな?」
大臣「安心してください。今年の安心オブザイヤーを狙えるほどの面子です」
大臣「現在、メガネ勇者・憂鬱勇者・クールポコ・ゴブリンが集まっています」
魔王「安心できるかぁ!貴様、嘘つきやがって!むしろこれ不安オブザイヤー狙えるぞ!」
魔王「ていうか後半なんか特におかしいだろ!クールポコとか何しに来てんだ!?」
大臣「どうでもいいんですけど、最近魔王様包みませんよね?いいんですか?」
魔王「我だって安心に包まれたいわ!でも、とても包める状態ではないのだ!主に貴様と勇者のせいで!」
大臣「このままじゃ今年のベストツツミストも堤下敦に取られちゃいますよ?」
魔王「心配してくれるなら、まともな勇者を連れて来てくれ!それで大魔王討伐出来たら、我も安心して包むわ!」
大臣「わかりました。では、勇者を紹介していきましょう」
37: 1:2015/3/19(木) 00:49:02 ID:44SiIGczZI
メガネ勇者「メガネ勇者です」クイックイッ
魔王「メガネをクイッてする頻度が半端ないな!ぶっちゃけ気になるからやめよ!」
大臣「酷なことを言いますね。彼はメガネ勇者なんですよ?死ねと?」
魔王「何でだよ!?別にメガネかけるのやめろとか言ってないだろう!めっちゃクイッてやるのをやめろと言っておる!」
魔王「ていうか、別にメガネかけるのやめても死にはしないだろ!死ぬのは個性だけだろ!」
メガネ勇者「いいえ、俺が本当に死にます。メガネを外す時は俺が死ぬ時だと覚悟してます」クイックイッ
魔王「無駄な覚悟である!命を軽視しすぎておる!恥じろ、そんな覚悟!」
魔王「ていうか、外したら死ぬというなら、割と一日に何度も死んでるであろう!絶対外す時あるであろう!」
メガネ勇者「いいえ、絶対に外しません」クイックイッ
魔王「風呂とか寝る時とかどうするのだ!?」
メガネ勇者「そりゃあかけたままですよ。入浴も就寝も」クイックイッ
魔王「嘘だろ!その通りだったら、今頃メガネ大変なことになっておるわ!」
魔王「あとマジでクイッてするのをやめろ!うぜえのである!我、言ったよな!?」
大臣「いちいちクイックイッて打ち込むの面倒臭いですもんね」
魔王「それもあるけど!そういうのは黙っておけ!」
38: 1:2015/3/19(木) 00:50:33 ID:44SiIGczZI
魔王「大臣!この嘘つきはどう大魔王を討伐する気だ!?」
大臣「正常な視力の者がメガネをかけると、逆に視界がぼやけて気持ち悪くなるでしょう?」
大臣「それを利用して、敵にメガネをかけて、よく見えなくなったところを倒すわけです」
魔王「それしたら自分もよく見えなくなるだろ!そしてこいつの場合はもれなく死ぬだろ!こっちの方が圧倒的にマイナスであろう!」
大臣「魔王様、落ち着いてください。誰が、自分のかけてるメガネを相手にかけると言いましたか?」
大臣「メガネ勇者というくらいだから、いくつもメガネ持ってますよ。それを敵にかけるって話ですよ」
メガネ勇者「申し訳ないですけど、メガネは今かけてるのしかないですよ。更に言うと伊達メガネです」クイックイッ
魔王「おおい大臣!貴様の理論、さっそく崩れたぞ!敵がオシャレになってこいつが無駄死にするだけである!」
大臣「メガネ勇者といえど、勇者は勇者です。普通に強いと思います。どうにかなるでしょう」
魔王「投げやりになるなあ!確かにガッカリメガネだったけども、自分の発言にも責任を持て!」
大臣「うるさいですねえ。メガネなんかどうでもいいでしょう。大事なのは大魔王を討伐出来るかどうかです」
魔王「それ言っちゃうのか!?それ我が一番言いたかった台詞なんだけどな!?」
魔王「そしてその大事な部分も結果教えてやろうか!?絶対に出来ぬ!絶対ヘルドラゴンにやられるだろう!」
大臣「やってみないとわかりませんよ」クイックイッ
魔王「わかるわ!てか、貴様までクイッてやりだすのか!?何をクイッてやってるのだ!?メガネじゃないだろ貴様!」
魔王「ああもう、クイックイッ打ち込むの面倒臭い!メガネ勇者よ、大魔王を討伐せよ!早く消えろ!」
39: 1:2015/3/19(木) 00:52:00 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「メガネ勇者が一面で戦死しました」
魔王「これでもう面倒臭いの打ち込む必要はないな!」
大臣「勇ましくクイックイッてやったそうですが、その隙をヘルドラゴンに突かれ……」
魔王「死してなお打ち込まねばならんのかあ!?いちいち半角にするの面倒なんだぞ!」
魔王「ていうかメガネ勇者は戦闘中にクイックイッてやってるんじゃない!しかもヘルドラゴン相手に!」
大臣「まさかメガネが逆にあだとなるとは……」クイックイッ
魔王「何がどう逆なのだ!?僅かにでも有利になる要素あったか!?貴様は何をクイックイッてやってるんだって!」
大臣「やっちゃいけないんですか?」クイックイッ
魔王「いけないっていうか、何の音か気になるのである!貴様、ノットメガネであろう!」
大臣「メガネじゃなくても色々ありますよ」イクッイクッ
魔王「文字の並び変えたらまずいだろぉ!!何してんだ貴様!?クイックイッて、そういうのをクイックイッやってたのか!?」
大臣「ふう……じゃあ次の勇者いきますか」
魔王「もうそういう風にしか見えぬわ!映像じゃなくて文字だけで本当に助かったわ!」
40: 1:2015/3/19(木) 00:53:18 ID:44SiIGczZI
憂鬱勇者「死にたいです……」
魔王「何だこれは!?出会いがしらに自殺願望を打ち明けられたんだが!?」
大臣「さすが憂鬱勇者です。その鬱っぷりは半端じゃないですね」
魔王「だから何なのだ!?死なれても困るのだが!大魔王討伐的にも、我の感情的にも!」
大臣「そんなこと言ったって、死にたいんですから仕方ないじゃないですか」
魔王「憂鬱勇者よ、何があった!?我に相談するがよい!」
憂鬱勇者「実は……100円を自販機の下に落としてしまったんです……」
魔王「馬鹿か貴様ぁ!?何でそんなことで自殺を考えておるのだ!?命を馬鹿にするな!」
憂鬱勇者「そうですよね……こんなことで傷つく僕がおかしいんですよね……僕だけが傷つけばいいんですよね……」
大臣「うわあ、最悪ですね、魔王様。自分の基準で考えて、そんな程度で傷つくな、と追い詰めて自殺させる気ですか」
魔王「いやいやいや!いくらなんでもこれは憂鬱勇者がおかしいであろう!我の基準ってか、人間の基準でおかしいだろう!」
大臣「価値観は様々ですし、それぞれに辛いことがあるんです。魔王様が平気でも、それが誰かにとって大きな問題になることだってあるんですよ」
魔王「いや、だからぁ!これは絶対憂鬱勇者がおかしいだろう!100円なくして自殺が普通なら、今日本の人口どうなっておるのだ!?」
憂鬱勇者「僕がおかしいんですよね……僕が……」
魔王「こればっかりはそうですねとしか言えぬわ!」
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