魔王「我が魔界と人間界を治め、世界が平和に包まれてから久しいが」
魔王「世界を混沌へと包もうとせん大魔王なる者が現れた!」
魔王「そこで我は十面に待ちかまえる大魔王を討つべく、名声に包まれし勇者を募った!大臣よ、どのような勇者が集った?」
大臣「現在、肉じゃが勇者・歯磨き勇者・弱い勇者・残尿勇者の四名が集まっています」
魔王「ろくな勇者がおらぬ!」
大臣「一応これの続編ですhttp://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch4/1367944388/1-10」
2: 1:2015/3/17(火) 01:54:59 ID:44SiIGczZI
魔王「大臣よ、言い間違いではないのか!?もう一度申してみよ!」
大臣「肉じゃが勇者・歯磨き勇者・弱い勇者・残尿勇者の四名です」
魔王「我が耳は正常であったか!健康体であることを呪う日が来るとは!」
大臣「魔王様、包まなくていいんですか?」
魔王「そのような余裕もないわ!集った勇者の残念感が半端ないではないか!」
大臣「残念かどうかは対面するまでわからないでしょう」
魔王「わかるわ!何なのだ、今のラインナップは!?戦いに関する肩書きゼロではないか!」
大臣「弱い勇者ってのは戦いに関する肩書きじゃないんですか?」
魔王「だとしても、マイナス方面に主張されるとは夢にも思わぬ!」
大臣「とりあえず会いましょうよ。それで魔王様の差別も直るかと思いますよ」
魔王「これは差別なのか!?客観的に事実を述べてるだけであろう!」
大臣「とりあえず一人ずつ見ていきましょう」
3: 1:2015/3/17(火) 01:56:08 ID:44SiIGczZI
肉じゃが勇者「どうも、肉じゃが勇者です」
魔王「何なのだ、肉じゃが勇者て!?どういう勇者なのだ、貴様!?」
肉じゃが勇者「肉じゃが知らないんですか?」
魔王「知っておるわ!我が聞いてるのは肉じゃが勇者についてだ!」
大臣「肉じゃがが好きな勇者なんでしょう。それくらいもわからないんですか?馬鹿ですか?」
魔王「殺すぞ貴様!馬鹿は貴様らであろう!」
魔王「肉じゃがが好きだから何なのだ!?それがどう大魔王討伐に役立つというのだ!?」
肉じゃが勇者「役立つわけないじゃないですか。やっぱ馬鹿じゃないですか」
魔王「おい!本当に殺すぞ!後悔の念に包んでやろうか!?」
肉じゃが勇者「肉じゃがが好きってだけじゃないですか。何でそれを大魔王討伐に繋げるんですか?」
魔王「じゃあただの勇者として応募せよ!それで自己紹介で、好きな食べ物は肉じゃがです、と言う程度に留めよ!」
魔王「名前にまでなってるんだから、そりゃあ触れるであろう!何か肉じゃがで特別なことが出来るのかな?って思うであろう!」
大臣「あはは、妄想力高いですねえ、魔王様ww」
魔王「決めた!殺すぞ!我は貴様らを殺す!」
4: 1:2015/3/17(火) 01:58:01 ID:44SiIGczZI
肉じゃが勇者「落ち着いてくださいよ、魔王様。肉じゃが食べます?」
魔王「待て待て!貴様、何じゃがいもを直で手掴みしておる!?ていうか、その肉じゃがどこから出した!?」
肉じゃが勇者「え?ポケットから」
魔王「入れてたのか!?直に肉じゃが入れてたのか!?普通タッパーとかに入れてるんじゃないのか!?」
肉じゃが勇者「大丈夫ですよ。大好きなので、全く気になりません」
魔王「気にしろ!ポケットってか服が汁でグジャグジャではないか!そしてそれを他人に食わそうとするな!」
大臣「魔王様、肉じゃが嫌いなんですか?」
魔王「好き嫌いを言ってるんじゃないのだ!ぶっちゃけそれ汚いであろう!ポッケに入れて、しかも手掴みであるぞ!」
肉じゃが勇者「我儘だなあ……」モグモグ
魔王「我がおかしいというのか!?ていうか何で普通に食っておる!?汚くないのか、それ!?」
大臣「好きな物を好きと堂々宣言し、汚かろうが何だろうが受け入れる度量のある勇者です」
大臣「なので威風堂々、大魔王を倒してくれることでしょう」
魔王「物は言いようだな!?妄想力高いのは貴様の方ではないか!?」
大臣「とにかく、応募して、やってきた以上、彼に大魔王討伐を託すしかないんですよ。魔王様、ご命令を」
魔王「色々納得できぬが仕方あるまい。肉じゃが勇者よ、大魔王を討伐せよ!」
5: 1:2015/3/17(火) 01:59:24 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「肉じゃが勇者が二面でお腹壊しました」
魔王「やはり汚かったではないか!我は食べなくて良かったと安堵に包まれておるわ!」
大臣「勇ましく肉じゃがを食べたそうですが、突然の腹痛に襲われ……」
魔王「ポッケに入れてる時点で衛生面最悪なのに、更には汚い手で持って食べるのだからな!それは腹を壊すであろう!」
魔王「好きだからって、そんな扱いは逆に冒涜へとなろう!本当に好きなら、きちんと保存し最良の状態で食すのが礼儀ではないか!?」
魔王「……いや、待て!敵地で何を悠々と食っておるのだ!?戦いを舐めてるであろう!」
大臣「彼は肉じゃが勇者ですからね。肩書きを守るためには、それも仕方なかったんでしょう……」
魔王「ただ好きなだけであろう!?だったら敵地でくらい我慢せよ!そもそも名乗るのをやめよ!ただの勇者となれ!」
大臣「どうでもいいですけど、男性が喜ぶ手料理として肉じゃががよく挙げられますけど、実際そんなに嬉しくないですよね」
魔王「本当にどうでもいいな!?何でそんなこと今言うのだ!?」
大臣「お腹を壊した肉じゃが勇者ですが、壊した後は帰宅したので無事だそうです」
魔王「何でさっきの話を挟んだ!?丸々いらぬであろう!話の構成下手か貴様!」
大臣「肉じゃが勇者が駄目だったので、次の勇者いってみましょう」
魔王「我の発言を少しは拾えぇ!」
6: 1:2015/3/17(火) 02:00:57 ID:44SiIGczZI
歯磨き勇者「どもー、歯磨き勇者でーす」シャコシャコ
大臣「さすが歯磨き勇者、今も歯を磨いてますね」
魔王「だから何なのだ!同じこと言うけど、大魔王討伐に何の役に立つ!?」
大臣「よく言うじゃないですか。芸能人は歯が命ってね」
魔王「だからそれが何なんだっつってんだろうが、我がぁ!」
歯磨き勇者「歯が白いってのは良いアピールになると思いますけど。大魔王も気に入りますよ」シャコシャコ
魔王「気に入られてどうする!?我らは彼奴を倒すんだぞ!芸能事務所の社長と違うぞ、大魔王は!」
大臣「そんなん知ってますよ。何言ってるんです、魔王様?」
魔王「貴様らが!芸能人がどうこう言うから!我がツッコんでんだろ!」
歯磨き勇者「芸能界抜きで考えても、白い歯は良い印象を与えられて良いと思うんですけどね」ガラガラガラペッ
魔王「だから良い印象がどう大魔王討伐に役立つというのだ!てかここで口をゆすぐな!床に吐いてんじゃない!」
7: 1:2015/3/17(火) 02:02:10 ID:44SiIGczZI
魔王「大臣!床を拭け!あとこいつの有能性について説明せよ!」
大臣「ちっ!わかりました」
魔王「舌打ち!舌打ち!!」
大臣「歯磨き勇者は歯を凄い磨いて真っ白です。光を反射するレベルでしょう」フキフキ
大臣「そうして反射された光が、魔物の目に入ったら、眩しくて目を瞑るでしょう。その隙に倒すわけです」フキフキ
魔王「回りくどいわ!なら懐中電灯とかで直接光を当てよ!世界観が気になるなら、光の魔法とか使え!」
魔王「ていうか、魔王とかそういうのがいるとこって大抵薄暗いぞ!我もそうだったし!」
魔王「そんなんでどう反射させるというのだ!?そもそも本当にその歯は光を反射するのか!?」
大臣「わかりませんよ。何でそんなこといちいち聞かれなきゃいけないんですか?」
魔王「貴様が言い出したことだからだろ!?自分の発言にくらい責任を持て!」
大臣「わからないので、実際に行かせてみて、それで判断しましょう。魔王様、そろそろ」
魔王「ぶっつけ本番とか良くないけど贅沢は言えん……歯磨き勇者よ、大魔王を討伐せよ!」
歯磨き勇者「はい!頑張ります!」ガラガラガラペッ
魔王「だから床に吐くなぁ!せめて大臣が拭く前に口ゆすぐの終わらせておけぇ!」
8: 1:2015/3/17(火) 02:03:30 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「歯磨き勇者が歯医者に行きました」
魔王「何の報告だぁ!?彼奴は討伐に行ったんじゃないのか!?」
大臣「勇ましく歯を磨いたそうですが、摩耗症になってしまい……」
魔王「摩耗症って何だ!?そういう歯の病気は歯磨きしてんだから防げるのではないか!?」
大臣「逆です。摩耗症は歯を磨きすぎてなってしまう症状です」
大臣「簡単に言うと、磨きすぎちゃって歯が削れて、中の神経とかがむき出しになって痛むんです」
魔王「いたたたた!聞いてるだけで痛くなってきた!」
大臣「歯を磨くのは大切ですが、正しいやり方で適度にしないと、それが逆に歯を悪くしてしまうんですね」
魔王「大事なことだけども勇者SSでやるでない!こんな教訓を勇者SSでどう活かせと!?」
大臣「歯磨き勇者はもう大魔王討伐どころじゃなくなったので、次の勇者いきましょう」
魔王「どうしよう、何か今後歯磨きするのが怖くなってきた!」
9: 1:2015/3/17(火) 02:04:42 ID:44SiIGczZI
弱い勇者「はじめまして、弱い勇者です……」
魔王「悲しい自己紹介であるな!それ聞いて我らはどうリアクションすればよい!?」
大臣「どうしてあなたは弱いんですか?」
魔王「掘り下げるのか!?貴様けっこう勇気あるな!」
弱い勇者「……わかりません。どれだけトレーニングをしても……どうしても強くなれないんです……」
大臣「とりあえず握力ってどれくらいです?」
弱い勇者「6キロ……」
魔王「弱いな!?弱いってレベルじゃないぞ!せめて十台はいっておけ!」
大臣「流石は弱い勇者です。その名に恥じない弱者っぷりですね」
魔王「そもそもその名が恥であろう!その名を恥じるべきであろう!」
大臣「そうは言いましても、努力しても改善できないなら、どうしようもないでしょう」
魔王「なら大魔王討伐に名乗り出るな!自他共に認める弱さで、何故応募してきた!?」
弱い勇者「たくさんの勇者が応募してて……僕もしなきゃ叩かれるかなって……」
魔王「メンタルも弱いな!時には身を引く勇気も必要であろう!応募したところで貴様に何が出来るのだ!?」
10: 1:2015/3/17(火) 02:06:01 ID:44SiIGczZI
魔王「大臣!こんな弱い奴が、どうして戦闘で役立とうか!?」
大臣「この者はもう弱い勇者ではありません」
魔王「はあ!?」
大臣「弱い者は己を弱いとは言いませんからね」
魔王「貴様バガボンド読んだであろう!そんな台詞あったぞ!本位田とこのお杉さんだろう!」
魔王「大体それはこれから強くなれるって意味だろう!この者は明日にも戦場へ赴く!遅すぎたんだよ!」
大臣「明日にならなければわからないでしょう」
魔王「わかるわ!握力6キロが一日で70キロとかになれるか!?上げれて精々7キロとかであろう!」
大臣「川島さんのファンなんですか?」
魔王「わかるわ、言うとるけども!口調的にこうなってるだけである!」
大臣「まあとにかく、奇跡を信じて明日の弱い勇者に期待するしかないですよ」
弱い勇者「期待されたって、どうせ無理ですよ……」
魔王「本人がこれであるぞ!メンタルも弱いからなあ!もうこれ駄目であろう!」
大臣「じゃあどうするんです?大魔王討伐は諦めますか?」
魔王「送り出すしかないんであろう!?しょうがないから一日無駄にしてやるわ!……弱い勇者よ、大魔王を討伐せよ!」
11: 1:2015/3/17(火) 02:07:21 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「弱い勇者が一面で戦死しました」
魔王「だろうな!わかりきってたことではないか!」
大臣「勇ましくトレーニングを積んだそうですが、強くなれず……」
魔王「そんな一日で強くなれるなら、普通に強い勇者がごろごろ居るわ!そうじゃないから勇者は限られるのだ!」
魔王「そもそも何であいつは勇者と認定されたのだ!?自分で言って気付いたわ!心も体も強いから勇者になれるんじゃないのか!?」
大臣「テストやって五教科平均80点でなれますからね」
魔王「そんな簡単になれるのか!?もうちょっと勇者の選定厳しくしろ!だから集まる勇者が屑ばかりになってるのであろう!」
大臣「選定に問題がありましたか……だからヘルドラゴンも倒せない勇者が来てしまったんですね」
魔王「ヘルドラゴン!?え、一面からそんな強そうな魔物が出ているのか!?大魔王、最初から全力であるな!?」
魔王「じゃあその一面突破した肉じゃが勇者って意外と有能なのか!?あれ、選定方法は別に問題ないのか!?」
大臣「問題ないなら今後もそれを続けましょう。そして問題ない次の勇者いってみましょう」
魔王「いや、来てる勇者は問題だらけである!じゃあ間違ってるのか!?わけわからんことなってきた!」
12: 1:2015/3/17(火) 02:08:59 ID:44SiIGczZI
残尿勇者「残尿勇者です……」
魔王「これほど残念な肩書きを我は見たことないぞ!大丈夫かこいつ!?」
残尿勇者「ちょっと大丈夫じゃないですね……トイレ行ってきます」タッタッタッ
魔王「いきなりトイレ行くな!こっから色々話していくんと違うのか!?」
大臣「でも彼は残尿勇者ですから。残尿感あって不安なんだし、そりゃトイレに行きますよ」
魔王「不安でちょくちょくトイレ行ってて、大魔王討伐を行えるのか!?戦闘中に不安になったらどうするのだ!?」
大臣「そりゃ相手の魔物に待ってもらってトイレ行くんじゃないですか?」
魔王「待つわけないだろう!仮に待ってくれるのならば、戦わずに話し合いで大魔王と手を取り合えるぞ!」
ブリュリュリュ!!ブリュリュ、ブリュッヒー!!
魔王「今凄い不快な音が聞こえたぞ!?あいつだろ!あいつ今大きい方出してるだろ!」
大臣「残尿感があるだけで、別に便秘ってわけでもないでしょうしね」
ブリュリュリュ!!ヒハハーアーン!!ブリュ!!
魔王「ノリノリで出してんな!もうこいつ残尿勇者じゃなくて大便勇者でいいだろう!」
魔王「ていうか何で王の間まで音が届いてんだ!?トイレどこにあるのだ!?近いのか!?」
13: 1:2015/3/17(火) 02:10:22 ID:44SiIGczZI
残尿勇者「ふう、すっきりしました」
魔王「だろうな!お腹ん中、超すっきりしたんじゃないのか!?」
残尿勇者「でも何か不安なんですよね……まだ残ってるような……」
大臣「このように残尿勇者は全てを出し切らずに温存する、慎重な性格です」
大臣「ですので、隠し持つ実力と、慎重な戦い方で、大魔王討伐を果たすことでしょう」
魔王「大きい方は出し切ったであろう!小さい方も出し切ってるんじゃないのか!?何となく不安になってるだけではないか!?」
魔王「そもそもそれはお腹や膀胱の話であり、魔王討伐に関する実力は関係ない!こじつけもいいところである!」
残尿勇者「あの、もう一回トイレ行ってきていいですか?」プスー
魔王「どんなハイペースだ!?貴様それで大魔王討伐に行けるのか!?てか今屁こいただろ!?」
残尿勇者「小さい方と……あと、念のため大きい方も……」プップップー
魔王「ガスしか残ってないだろ!小さい方は微塵も残ってない!」
魔王「そんな気がするだけだから開き直れ!トイレはもう行くな!……残尿勇者よ、大魔王を討伐せよ!」
14: 1:2015/3/17(火) 02:12:44 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「残尿勇者が一面で漏らしました」
魔王「漏らしたぁ!?昨日あんだけトイレ行ってたであろう!」
大臣「勇ましくヘルドラゴンと戦ったそうですが、力んだ時に……」
魔王「昨日あれからどんだけ飲み食いしたのだ!もはやガスしかないって状態だったのに!」
大臣「トイレ行くなって言ったの魔王様ですからね。魔王様のせいですよ」
魔王「我のせいというのか!?ていうか、漏らしたから何だ!?漏らしたって戦えるであろう!」
大臣「ヘルドラゴンの前で漏らしてしまい、残尿勇者は恥ずかしさのあまり号泣。ヘルドラゴンも気まずくなって、もう帰りなよって」
魔王「ヘルドラゴン割と優しいのな!?ていうか喋れるのな!?これもう話し合いで解決できるんじゃないのか!?」
大臣「その言葉に甘え、泣きながら漏らしながら帰っていったそうです。お互いに戦える状態ではなくなったみたいですよ」
魔王「……ちなみに、漏らしたってどっちの話だ?」
大臣「大きい方です」
魔王「やはり彼奴は大便勇者ではないか!残尿勇者なんだから、小さい方を漏らして、残尿感は真であったかと締めるとこだろう!」
大臣「そんなこと言ったって残尿勇者も人間なんですから大きい方だってしますよ」
魔王「ネタみたいな存在なんだから、最後までネタに準じろぉ!」
15: 1:2015/3/17(火) 02:14:15 ID:44SiIGczZI
大臣「大変です、魔王様。今回集まった勇者が全滅しました」
魔王「当たり前であろう!むしろ何故うまく行くと思っておった!?」
魔王「魔界と人間界が対立してた頃、何故こうも勇者が我までたどり着かん?と疑問に思っておったが、今回で謎は解けたわ!」
魔王「そりゃ我が待ち受ける十面まで辿り着けるわけがないであろう!人間界の勇者事情がこれほど絶望に包まれておったとは!」
大臣「マジ受けますよねwww」
魔王「何を笑っておる!?国の危機であるぞ!どういう神経をしておるのだ、貴様!?」
大臣「まあでもまだまだ募集はしてますから、勇者はどんどん集まりますよ。いつか大魔王討伐を果たすことでしょう」
魔王「直属の補佐までこの様である!死亡した人間界の王も、あの時大変だったであろうな!」
大臣「いましたね、王様。懐かしいですね。俺が騙して殺したんですよ」
魔王「真であるか!?え、普通に大罪であろう!?何で貴様のほほんと娑婆で生きておるのだ!?」
大臣「伝説の勇者って騙したら、本人がその気になってですね。あれ本当面白かったですよwww」
魔王「おかしいぞ!この国おかしい!勇者も部下も狂っておる!我はとんでもない国を治めてしまった!」
大臣「笑い話はここまでにして、今後も勇者は集まります。大魔王を倒す勇者を待ち続けましょう!」
魔王「帰りたい!我は魔界に帰りたいぞ!もうこんな環境嫌である!」
16: 名無しさん@読者の声:2015/3/17(火) 03:11:52 ID:jEhYspVy4o
頑張れ魔王ちょう頑張れ!!
17: 名無しさん@読者の声:2015/3/17(火) 07:18:37 ID:X53NJ/icW.
わーい、待ってました! 支援!
本当のラスボスは大臣に違いないw
包まれ魔王、頑張って! 王様の二の舞にならないでw
18: 名無しさん@読者の声:2015/3/17(火) 08:30:17 ID:iJIPL2yazE
大臣のクズっぷりに磨きがかかってるwwwww
19: 1:2015/3/18(水) 02:03:59 ID:44SiIGczZI
>>16-18
御三方ありがとうございます!
このスレは応援してくれる皆様と、
自由奔放に暴れる勇者&大臣、
そして翻弄される魔王、
今は亡き王で成り立っております。
皆様のおかげで、今回もふざけることができます。ありがとね!
20: 1:2015/3/18(水) 02:05:14 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「魔王様、勇者を募ったんですけど、新たに数名の勇者が来てくれましたよ」
魔王「いや、もう我が行った方が早いんじゃないのか?どうせ今回集まった勇者も屑ばかりであろう?」
大臣「いけません、魔王様!魔王様が直接討伐に向かい、もしも魔王様の身に何かあれば、この国はどうなるというのです!?」
魔王「前の王を騙して殺した奴が何を言っておる!?貴様それ本心ではないであろう!」
魔王「絶対に手は出さないと誓ってやるから、本心を申してみよ!」
大臣「お前みたいな屑が討伐行って死んでも別にいいんだけど、まだそれは早いわ。このスレまだ始まったばっかだぞ?」
魔王「本心申せとは言ったけどさぁ!?そこまで赤裸々になるか普通!?貴様、度胸だけは本当に満点であるな!」
大臣「そういうわけですので、大魔王討伐は来てくれた勇者に任せましょう」
魔王「……ちなみに、どのような者が集まっておる?」
大臣「現在、モテモテ勇者・知り合いが勇者・猫型勇者・昔は勇者の四名が集まっています」
魔王「ろくな勇者がおらぬな!やはり屑ばかり集まってきおったわ!」
大臣「大魔王討伐を成し遂げる勇者はいるんでしょうか?さっそく見ていきましょう」
魔王「今からネタバレしてやろう!絶対に居らんわ!」
21: 1:2015/3/18(水) 02:06:35 ID:44SiIGczZI
モテモテ勇者「どうも、モテモテ勇者だよ」
魔王「女子は嬉しいかもしれぬが我ら男にはムカつくだけの奴が来たな!憎たらしいくらい整った顔立ちである!」
大臣「対抗出来るのは私くらいのものですね」
魔王「貴様、鏡は見たことあるかぁ!?その顔でよく対抗する気が起きたなあ!」
モテモテ勇者「別に俺そんなにモテないよ」
魔王「嘘つけぇ!イケメン特有の嫌味な謙遜しおって!名前にまでなっててモテないわけないだろう!」
モテモテ勇者「野球で甲子園いって、勉強も全国で上位だったし、勇者になって年収も1000万くらいになったけど全然モテないんだよね」
魔王「だから嘘を言うなぁ!何だそのプロフィール!?モテるために生まれてきたようなものではないか!」
モテモテ勇者「ちなみに料理作るのも好きかな。オリーブオイルとかよく使うよ」
魔王「料理でオリーブオイル使うイケメンはもれなくモテると相場が決まっておるのだ!いい加減にしろぉ!」
大臣「私だったらごま油使いますけどね」
魔王「貴様どこに対抗しておるのだ!?いや、顔よりはちゃんとした勝負になるけど、相手オリーブオイルだぞ!こっちはオシャレ感皆無ではないか!」
モテモテ勇者「ごま油だっていいオイルだよ。そんな悪く言っちゃいけないよ」
魔王「発言までイケメンではないか!相手を慮るイケメンとか、もうどうしようもないわ!」
22: 1:2015/3/18(水) 02:07:49 ID:44SiIGczZI
魔王「それで、このモテる男が大魔王討伐にどう役立つというのだ!大魔王、女なのか!?」
大臣「履歴書には、特技にカベンドーって書いてありますよ。必殺技じゃないんですか?」
魔王「勇者達は履歴書送ってきてるのか!?じゃあその段階でけっこう落とせるであろう!何で呼んじゃうのだ!?」
大臣「まあまあ。それで、カベンドーって何ですか?」
モテモテ勇者「壁を背にした女性に対し、ドンと壁に手を突きつつ甘い言葉を囁く競技です」
魔王「壁ドンのことかよ!?何をテコンドーみたいに言ってくれてるのだ!ないだろ、そんな競技!」
大臣「隣のうるさい奴を黙らせたら勝ちって競技なんですか?」
魔王「壁ドン違いだ!何か前者がけっこう有名になっちゃったけども!いや、それはいいのだ!」
魔王「壁ドンで大魔王をどう討伐するのだ!?本当に女じゃないと通用しないであろう!」
大臣「じゃあもう大魔王が女であると祈りましょう」
魔王「ていうか、十面までの間、相手全員女じゃないとやばいであろう!ヘルドラゴン、メスなのか!?」
大臣「行けばわかりますよ。はい、魔王様」
魔王「投げやりであるな!もう我も投げ出したくなってきた!というわけで……モテモテ勇者よ、大魔王を討伐せよ!」
23: 1:2015/3/18(水) 02:09:02 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「モテモテ勇者が一面で振られました」
魔王「振られたから何だというのだ!いや、内心ざまあとは思うけども!」
大臣「勇ましくヘルドラゴンを口説いたそうですが、ヘルドラゴンはオスでして……」
魔王「同性だったのか!そりゃ口説けるわけがないだろうな!」
大臣「モテモテ勇者も異性が好きですし、ヘルドラゴンもそれは同じです。モテモテ勇者の武器が通用しないとは……」
魔王「想像はできたであろう!何でもいいからRPGを思い出してみろ!女性型の魔物、少ないであろう!」
魔王「……それで、振られたモテモテ勇者はどうなったのだ?」
大臣「振られたのがショックだったみたいで、帰って寝込んでるみたいです」
魔王「そんなんなっているのか!?何が、別に俺そんなにモテないよ、だ!振られ慣れてすらないではないか!」
大臣「モテモテ勇者としてのプライドが傷ついたんでしょうね」
魔王「これだけのプライド宿してて、あんだけ謙遜していたのか!それ知っちゃうと嫌な奴に思えてくるわ!」
魔王「あと、ヘルドラゴンはオスなのだろう!?むしろ振られてよかったではないか!付き合いたかったのか!?」
大臣「付き合うかは別にして、異性でも同性でも、自分に好意が向かないのが許せないのでは?」
魔王「貪欲な屑か!それで一人一人に応えられるのか!?無理であろう!屑か!」
大臣「今回魔王様ぐいぐい行きますね。イケメンへの嫉妬ですか?」
魔王「言うなよ!もういい、次行こう!」
24: 1:2015/3/18(水) 02:10:15 ID:44SiIGczZI
知り合いが勇者「ちわっす!知り合いが勇者です!」
魔王「その知り合いを連れて来い!何で貴様が一人でやってきたんだ!?」
大臣「応募したのがこいつだったんで、そいつを連れてくるわけにはいかなかったんでしょう」
魔王「我らは勇者を募っておるのだろう!その知り合いが来たところでどうしようもないだろ!」
大臣「でも、知り合いに勇者がいるなら、そいつから勇者のコツとか聞いてるかもしれませんよ。素質はあるかもしれません」
魔王「……どうなんだ?コツとか聞いてるのか?」
知り合いが勇者「いやあ、俺あいつが勇者やってるってのは知ってますけど、実際やってるとこは見たことないですし」
魔王「おい、大臣!この者は勇者のコツなんて知らないそうだぞ!どうするのだ!?」
大臣「早とちりしすぎですよ。馬鹿ですか?見てなくても聞いてはいるかもしれないじゃないですか」
知り合いが勇者「いや、聞いてもないですよ。一緒に遊ぶときくらい、お互い仕事は忘れようぜって、極力話さないんです」
魔王「結局聞いてもないみたいだな!大臣、貴様我に馬鹿ですか?とか言ったよな!?」
大臣「あなたは仕事何してるんですか?」
魔王「おいコラァ!話を逸らすなぁ!」
知り合いが勇者「俺は詐欺師やってます」
魔王「貴様もとんでもねえことやってんな!?知り合いの勇者も何でほっとくんだ!?そいつ本当に勇者か!?」
25: 1:2015/3/18(水) 02:11:26 ID:44SiIGczZI
大臣「詐欺師ということは、言葉巧みに相手を欺けます。大魔王軍も同じように騙して進むことでしょう」
魔王「待て待て!詐欺師とか言われて、もう信頼性の欠片もないわ!本当に知り合いに勇者がいるのか!?」
知り合いが勇者「これは本当ですよ!ジャージ勇者ってやつです」
魔王「その者はどのような勇者なのだ?」
大臣「あ、知ってますよ。麻薬の売買やってて捕まった勇者です。もう出てこれたんですかね」
魔王「勇者までとんでもなかったな!え、そいつ勇者なのか!?ただの屑じゃないのか!?」
知り合いが勇者「ジャージ勇者とオフの日に放火して回るのが、凄い楽しいんです。昔からの親友ですよ」
魔王「屑は屑を呼ぶんだな!とんだ屑コンビである!もう自首しろ!大魔王討伐行かなくていいから自首しろ!」
大臣「それは駄目ですよ。知り合いが勇者が捕まったら、誰が大魔王討伐を果たすというのです?」
魔王「まだ勇者いっぱいいるし、いざとなったら我が行くわぁ!」
魔王「ああもう警察呼べ!一国の王として、このような罪人を放っておくわけにはいかぬ!」
大臣「知り合いが勇者よ、大魔王を討伐せよ!」
魔王「貴様何を我の台詞を盗んでおる!?ていうか大魔王討伐に行かせるな!通報しろって!」
大臣「駄目ですって。勇者ならば、大魔王討伐を果たし平和を確たるものにするという方法で償うべきです」
魔王「だからこいつ勇者ではないんだって!……ああ!もういない!討伐という名の逃走しやがった!」
26: 1:2015/3/18(水) 02:13:03 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「知り合いが勇者が捕まりました」
魔王「結局捕まったのか、彼奴は!?素晴らしいことだけど、経緯を教えろ!」
大臣「勇ましくヘルドラゴンに振り込み詐欺の電話をかけたそうですが、警察に通報され……」
魔王「ヘルドラゴンがやったのか!敵ながら天晴れなオスよ!」
大臣「騙されたふりをして電話を切った後、警察に連絡して、待ち合わせ場所には警察が……って流れみたいです」
魔王「よくやったわ!警察もヘルドラゴンもお手柄であるぞ!褒美をやりたいぐらいだ!」
大臣「警察はともかく、ヘルドラゴンは敵ですよ」
魔王「そうなんだよな!味方には屑しかいなくて、敵は一面から良き者が立ち塞がる!これどっちが悪者かわかったものではないな!」
魔王「どうしよう!もうこんな国見捨てたい!あっちに寝返りたい!それが無理でも魔界に帰りたい!」
大臣「駄目ですよ。魔王様は今や人間界を治める王です。その役割を全うしなくては」
魔王「だったら勇者も貴様も役割を全うしろぉ!それだったら我だってちゃんとやるわぁ!」
大臣「勇者はともかく、私はちゃんとやってるではないですか」
魔王「どこがぁ!?これでちゃんとやってるのか!?だったら大臣ってどういう仕事なんだ!?」
大臣「ならば大臣として仕事出来ると証明するしかないですね。というわけで、次の勇者を紹介します」
魔王「紹介だけの簡単な仕事と違うぞ、大臣ってのはぁ!」
27: 1:2015/3/18(水) 02:14:48 ID:44SiIGczZI
猫型勇者「僕猫型勇者です!」
魔王「何か聞き覚えのあるフレーズの奴来たけど!?」
大臣「あなたはどのような勇者なのですか?」
猫型勇者「僕は猫のような俊敏性を持った勇者なんだよ」
魔王「マジの猫かよ!青いあいつに倣った勇者じゃないのか!」
大臣「青い猫がいるわけないじゃないですか。何を馬鹿なこと言ってるんですか?」
魔王「いや、いるであろう!国民的な青い猫型ロボットがいるであろう!猫型って言ったら彼奴を思い浮かぶであろう!」
大臣「魔王……お前、頭が……」
魔王「いや、正常であるからな!?日本人的には貴様が正気じゃないぞ!?後さりげなくタメ口使ってんじゃない!」
魔王「猫型勇者、貴様も貴様だ!一人称が僕とか、絶対狙ってるであろう!」
猫型勇者「僕がどんな一人称を使おうと僕の勝手でしょ。君は実に馬鹿だな」
魔王「我はのび太じゃねえから!我魔王だから!貴様、魔王に馬鹿とか言ってるから!」
猫型勇者「好きな物はどら焼きで、苦手な物はネズミだよ。よろしくね、のび太くん」
魔王「確信犯だろ!自ら歩み寄ってるだろ!そして我のび太ちゃう言うとるであろう!」
魔王「この調子なら四次元ポケットとかもあるんだろうな!」
猫型勇者「いや、ないけど」
魔王「そこはないのか!?肝心な物がないではないか!あれないと青い猫の方けっこうなお荷物であるぞ!」
28: 1:2015/3/18(水) 02:16:18 ID:44SiIGczZI
魔王「大臣!四次元ポケットはないんだと!どう大魔王討伐を果たすのだ!?」
大臣「いや、だから猫のような俊敏性で戦う言ってるじゃないですか」
魔王「いや、だから!この者にそういう素早さはない!国民的アニメの方なんだから!」
大臣「ああもう駄目ですね、こりゃ。もう魔王様頭おかしくなってますし」
大臣「もう猫型勇者だけが頼りです。大魔王討伐、頑張ってくださいね」
猫型勇者「任せてよ!うぷぷぷ!」
魔王「それ違う奴の笑い方であるぞ!それ熊型の方であろう!一緒なのは中の人だけだから!」
大臣「中の人も違うでしょ?何言ってるんですか?」
魔王「平成っ子か、貴様!?最近の子はマジでわからんのかな!?何だか悲しいぞ!」
魔王「……ていうか、その発言、アニメの方だと認めたような物じゃないのか!?どうなんだ、大臣!」
大臣「猫型勇者よ、大魔王を討伐せよ!」
魔王「逃げるでない!貴様、我の台詞を盗んでまで逃避するな!」
猫型勇者「大魔王討伐、頑張るよ!デレシシシ!」
魔王「笑い方ぁ!!もうどんどんキャラが迷走してるではないかぁ!元ネタどこ行ったぁ!?」
29: 1:2015/3/18(水) 02:17:56 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「猫型勇者が未来に帰りました」
魔王「今までにない独特な報告であるな!?やっぱりあれを意識した勇者ではないか!」
大臣「勇ましくヘルドラゴンと戦いに行ったそうですが、先客がいて……」
魔王「先客!?」
大臣「何か……「僕一人の力で君に勝たないと、ドラえもんが安心して帰れないんだ!」とか言ってたみたいで」
魔王「のび太じゃないか!ていうか、とうとうドラえもんて言い切ったな!我もずっと我慢してたのに!」
大臣「ヘルドラゴンが空気読んで負けたといい、先客の成長ぶりに安心した猫型勇者が未来に帰った感じみたいです」
魔王「ヘルドラゴンもいい感じでジャイアンをやりきりやがって!本当に優秀な人材である!」
大臣「まさか未来に帰るとは……誤算でしたね」
魔王「誤ってたの貴様だけだぞ!元ネタ関連で締めるんだろうなって皆が思ってたであろう!」
魔王「ていうかあいつ、四次元ポケットっつーか秘密道具関連はないんであろう!?どうやって未来に帰ったんだ!?」
大臣「何かメゾン・ド・未来ってアパートに住んでるみたいで」
魔王「ただの帰宅じゃないかよ!?じゃあ毎日安心して帰れよ!のび太、挑み損ではないか!」
大臣「とにかく帰っちゃったんで、次の勇者を頼りましょう」
30: 1:2015/3/18(水) 02:19:36 ID:44SiIGczZI
昔は勇者「昔は勇者でした」
魔王「自己紹介で過去形使われたの初めてであるぞ!だって皆今も本人には違いないからな!」
大臣「昔の話なんですから仕方ないですよ」
魔王「現役が来いよ!国の一大事であるぞ!何をOB会感覚でやってきておるのだ!」
昔は勇者「昔はすごい勇者だったんですよ」
魔王「でも肝心なのは今であろう!今はどうなのだ!?」
昔は勇者「今はもうグータラしてますね。運動とか全然してないです」
魔王「駄目じゃないか!今も何か勇者っぽいことしてたらまだ期待できるのに!」
昔は勇者「ストレッチでも、開脚とかもう全然できなくなってますね」
魔王「だから駄目だろ!勇者応募を見て、昔の血がたぎってんじゃないよ!」
昔は勇者「昔はなかった贅肉が、今ではこんなにつまめるほどまで」
魔王「そろそろ自虐ネタをやめろ!楽しくなってんの貴様だけだぞ!こっちは未来が閉ざされて絶望である!」
大臣「メゾン・ド・未来、潰れちゃったんですか?」
魔王「猫型勇者は一旦忘れろぉ!今居んの昔は勇者ぁ!」
31: 1:2015/3/18(水) 02:21:36 ID:44SiIGczZI
魔王「大臣、この者はどう大魔王討伐を成すつもりだ!?」
大臣「その名の通り、昔は勇者だったわけですからね。経験豊富で、それを活かせば大魔王討伐も大丈夫でしょう」
魔王「その経験を活かせる肉体がないから困ってるんだろう!その辺弁解してみせろよ!」
魔王「ていうか、昔は勇者だったのだろう!?ということは、我ら魔界と人間界が争ってた時くらいは勇者だったのだろう!?」
昔は勇者「そうですね、その時は現役で勇者でしたよ」
魔王「その割に、我は貴様のこと知らんぞ!?」
昔は勇者「そりゃあ大体一面でスライムにやられてただけですから」
魔王「雑魚かよ貴様!?そりゃあ知名度はないよな!ていうか、それ現役の頃の経験ほとんどないであろう!」
昔は勇者「ありますよ!何回スライムにやられたと思ってるんですか!」
魔王「才能がないんだよ!ある意味勇者辞めたの正解だよ!でも何で今になって復帰しちゃったんだ!?」
大臣「現役の時の不甲斐ない成績のリベンジの時が来たんですよ。魔王様、ご命令を」
魔王「リベンジにならんだろう!スライムも倒せなかった男が、劣化した今になって、どうしてヘルドラゴンを倒せる!?」
大臣「やってみないとわからないでしょう。いいから命令、早く」
魔王「急かしてんじゃないぞ!たまに貴様タメ口やらかすよな!?」
魔王「でも他に手はないのか、仕方ない……昔は勇者よ、大魔王を討伐せよ!」
32: 1:2015/3/18(水) 02:23:24 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「昔は勇者がやられました」
魔王「だろうな!ヘルドラゴンに勝てるわけないだろう!」
大臣「勇ましく一面に挑もうとしたそうですが、街で悪ガキに絡まれ……」
魔王「はあ!?ちょい、ちょい待て!それ敗因関連の台詞であるよな!?」
大臣「はい。ですから、街中で悪ガキに絡まれてですね」
魔王「子どもに負けたのか、あいつ!?」
大臣「いやあ、屑は年月が流れようと屑のままってことですね」
魔王「まあそういう結論になるんだけども!貴様が他人を屑と罵るのか!?」
大臣「そうですよ。何かおかしいですか?」
魔王「貴様が言うなってことなんだよ!貴様も屑なんだからな!」
大臣「何をおっしゃいますやら。私ほど優れた人間もいないですよ」
魔王「貴様今すぐこのスレ見なおして来い!ついでに前作も見ておけ!そしたら自分の屑さ加減がわかるであろう!」
大臣「過去を振り返る暇なんてありません。我々は前へ進まないといけないのですから」
魔王「過去の過ちと向き合わぬまま先へと進むなぁ!貴様の場合、振り返り直していくことこそが前進となるのである!」
33: 1:2015/3/18(水) 02:24:51 ID:44SiIGczZI
大臣「大変です、魔王様。今回の勇者、全員駄目でした」
魔王「知ってるわぁ!より正確に言うと知ってたわぁ!」
魔王「駄目に決まってるであろう!あのラインナップ見て、いける!とか思える奴が実在するのか!?」
大臣「私です。実在しましたね」
魔王「それは貴様がおかしいだけである!病院行け!その隙をついて新しい大臣雇うから!」
大臣「そんなことを言われては行くわけにはいきませんよ。とりあえず新しい勇者を募りましょう」
魔王「もう我が行った方がいいって!募れど募れど来るのは屑だけなのだから!」
大臣「諦めてはいけません。希望を持って勇者募集を続けましょう」
魔王「諦めてないから我が行こう言ってんだろうが!諦めてるのむしろ貴様だろ!?」
大臣「魔王様は少々自惚れているようですね」
魔王「自惚れておらぬわ!絶対どの勇者よりも我の方が強い!」
大臣「過去にはアルソック勇者っていう、吉田沙保里本人っぽい勇者もいましたけど?」
魔王「……大体の勇者よりは我の方が強いと思う」
大臣「身の程を知れましたね。じゃあ今後も素直に勇者を募集しましょう」
魔王「待て!それほどの者がいて、何で我のいる十面まで辿り着かなかったのだ!?何でだ!?」
34: 名無しさん@読者の声:2015/3/18(水) 12:54:11 ID:t4n1WC4cYA
引退した勇者ぽいのってこれかwww
支援!
35: 1:2015/3/19(木) 00:46:17 ID:44SiIGczZI
>>34
そうです、引退した勇者っぽいのってこれのことです。
支援ありがとう!これから投下していきます。
36: 1:2015/3/19(木) 00:47:44 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「魔王様、勇者を募ったところ、新たに四名が来てくれましたよ」
魔王「大臣よ、今回の大魔王討伐において、ほとんどが一面のヘルドラゴンにやられておるよな?」
大臣「そうですね。今のところ、一面を突破できたの、肉じゃが勇者だけですね」
魔王「彼奴は意外と有能だったのだな……多くの者が一面すら突破できない、厳しい旅路である」
魔王「そんな過酷な旅を乗り越えられるほどの、良き勇者が集ったのであろうな?」
大臣「安心してください。今年の安心オブザイヤーを狙えるほどの面子です」
大臣「現在、メガネ勇者・憂鬱勇者・クールポコ・ゴブリンが集まっています」
魔王「安心できるかぁ!貴様、嘘つきやがって!むしろこれ不安オブザイヤー狙えるぞ!」
魔王「ていうか後半なんか特におかしいだろ!クールポコとか何しに来てんだ!?」
大臣「どうでもいいんですけど、最近魔王様包みませんよね?いいんですか?」
魔王「我だって安心に包まれたいわ!でも、とても包める状態ではないのだ!主に貴様と勇者のせいで!」
大臣「このままじゃ今年のベストツツミストも堤下敦に取られちゃいますよ?」
魔王「心配してくれるなら、まともな勇者を連れて来てくれ!それで大魔王討伐出来たら、我も安心して包むわ!」
大臣「わかりました。では、勇者を紹介していきましょう」
37: 1:2015/3/19(木) 00:49:02 ID:44SiIGczZI
メガネ勇者「メガネ勇者です」クイックイッ
魔王「メガネをクイッてする頻度が半端ないな!ぶっちゃけ気になるからやめよ!」
大臣「酷なことを言いますね。彼はメガネ勇者なんですよ?死ねと?」
魔王「何でだよ!?別にメガネかけるのやめろとか言ってないだろう!めっちゃクイッてやるのをやめろと言っておる!」
魔王「ていうか、別にメガネかけるのやめても死にはしないだろ!死ぬのは個性だけだろ!」
メガネ勇者「いいえ、俺が本当に死にます。メガネを外す時は俺が死ぬ時だと覚悟してます」クイックイッ
魔王「無駄な覚悟である!命を軽視しすぎておる!恥じろ、そんな覚悟!」
魔王「ていうか、外したら死ぬというなら、割と一日に何度も死んでるであろう!絶対外す時あるであろう!」
メガネ勇者「いいえ、絶対に外しません」クイックイッ
魔王「風呂とか寝る時とかどうするのだ!?」
メガネ勇者「そりゃあかけたままですよ。入浴も就寝も」クイックイッ
魔王「嘘だろ!その通りだったら、今頃メガネ大変なことになっておるわ!」
魔王「あとマジでクイッてするのをやめろ!うぜえのである!我、言ったよな!?」
大臣「いちいちクイックイッて打ち込むの面倒臭いですもんね」
魔王「それもあるけど!そういうのは黙っておけ!」
38: 1:2015/3/19(木) 00:50:33 ID:44SiIGczZI
魔王「大臣!この嘘つきはどう大魔王を討伐する気だ!?」
大臣「正常な視力の者がメガネをかけると、逆に視界がぼやけて気持ち悪くなるでしょう?」
大臣「それを利用して、敵にメガネをかけて、よく見えなくなったところを倒すわけです」
魔王「それしたら自分もよく見えなくなるだろ!そしてこいつの場合はもれなく死ぬだろ!こっちの方が圧倒的にマイナスであろう!」
大臣「魔王様、落ち着いてください。誰が、自分のかけてるメガネを相手にかけると言いましたか?」
大臣「メガネ勇者というくらいだから、いくつもメガネ持ってますよ。それを敵にかけるって話ですよ」
メガネ勇者「申し訳ないですけど、メガネは今かけてるのしかないですよ。更に言うと伊達メガネです」クイックイッ
魔王「おおい大臣!貴様の理論、さっそく崩れたぞ!敵がオシャレになってこいつが無駄死にするだけである!」
大臣「メガネ勇者といえど、勇者は勇者です。普通に強いと思います。どうにかなるでしょう」
魔王「投げやりになるなあ!確かにガッカリメガネだったけども、自分の発言にも責任を持て!」
大臣「うるさいですねえ。メガネなんかどうでもいいでしょう。大事なのは大魔王を討伐出来るかどうかです」
魔王「それ言っちゃうのか!?それ我が一番言いたかった台詞なんだけどな!?」
魔王「そしてその大事な部分も結果教えてやろうか!?絶対に出来ぬ!絶対ヘルドラゴンにやられるだろう!」
大臣「やってみないとわかりませんよ」クイックイッ
魔王「わかるわ!てか、貴様までクイッてやりだすのか!?何をクイッてやってるのだ!?メガネじゃないだろ貴様!」
魔王「ああもう、クイックイッ打ち込むの面倒臭い!メガネ勇者よ、大魔王を討伐せよ!早く消えろ!」
39: 1:2015/3/19(木) 00:52:00 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「メガネ勇者が一面で戦死しました」
魔王「これでもう面倒臭いの打ち込む必要はないな!」
大臣「勇ましくクイックイッてやったそうですが、その隙をヘルドラゴンに突かれ……」
魔王「死してなお打ち込まねばならんのかあ!?いちいち半角にするの面倒なんだぞ!」
魔王「ていうかメガネ勇者は戦闘中にクイックイッてやってるんじゃない!しかもヘルドラゴン相手に!」
大臣「まさかメガネが逆にあだとなるとは……」クイックイッ
魔王「何がどう逆なのだ!?僅かにでも有利になる要素あったか!?貴様は何をクイックイッてやってるんだって!」
大臣「やっちゃいけないんですか?」クイックイッ
魔王「いけないっていうか、何の音か気になるのである!貴様、ノットメガネであろう!」
大臣「メガネじゃなくても色々ありますよ」イクッイクッ
魔王「文字の並び変えたらまずいだろぉ!!何してんだ貴様!?クイックイッて、そういうのをクイックイッやってたのか!?」
大臣「ふう……じゃあ次の勇者いきますか」
魔王「もうそういう風にしか見えぬわ!映像じゃなくて文字だけで本当に助かったわ!」
40: 1:2015/3/19(木) 00:53:18 ID:44SiIGczZI
憂鬱勇者「死にたいです……」
魔王「何だこれは!?出会いがしらに自殺願望を打ち明けられたんだが!?」
大臣「さすが憂鬱勇者です。その鬱っぷりは半端じゃないですね」
魔王「だから何なのだ!?死なれても困るのだが!大魔王討伐的にも、我の感情的にも!」
大臣「そんなこと言ったって、死にたいんですから仕方ないじゃないですか」
魔王「憂鬱勇者よ、何があった!?我に相談するがよい!」
憂鬱勇者「実は……100円を自販機の下に落としてしまったんです……」
魔王「馬鹿か貴様ぁ!?何でそんなことで自殺を考えておるのだ!?命を馬鹿にするな!」
憂鬱勇者「そうですよね……こんなことで傷つく僕がおかしいんですよね……僕だけが傷つけばいいんですよね……」
大臣「うわあ、最悪ですね、魔王様。自分の基準で考えて、そんな程度で傷つくな、と追い詰めて自殺させる気ですか」
魔王「いやいやいや!いくらなんでもこれは憂鬱勇者がおかしいであろう!我の基準ってか、人間の基準でおかしいだろう!」
大臣「価値観は様々ですし、それぞれに辛いことがあるんです。魔王様が平気でも、それが誰かにとって大きな問題になることだってあるんですよ」
魔王「いや、だからぁ!これは絶対憂鬱勇者がおかしいだろう!100円なくして自殺が普通なら、今日本の人口どうなっておるのだ!?」
憂鬱勇者「僕がおかしいんですよね……僕が……」
魔王「こればっかりはそうですねとしか言えぬわ!」
41: 1:2015/3/19(木) 00:54:29 ID:44SiIGczZI
魔王「大臣!これでどう大魔王を討伐するのだ!?」
大臣「憂鬱勇者はその暗い感じを人にも移します。一緒に憂鬱になれば相手も戦うどころではなくなるでしょう」
大臣「そうして戦力を奪い、戦わずして大魔王のところまで行くわけです」
魔王「そんなにうまくいくか!?死にたい死にたい言ってるんだから敵側はお望み通りバーンてならんか!?」
大臣「バーンてwwもうちょい言い方ないんですか?ww」
魔王「うるせえ!それだけ激昂しておるのだ我も!」
憂鬱勇者「どうせ僕なんかが敵を倒せるわけがないんだ……死にたい……」
魔王「本人もこんなんであるぞ!もう駄目な未来しか見えぬわ!これでも我はこいつを送り出さねばならんのか!?」
大臣「そりゃあ勇者は送り出さなきゃ駄目でしょう」
魔王「畜生が!いいか、せめて敵に殺されろよ!?自殺はするなよ!?……憂鬱勇者よ、大魔王を討伐せよ!」
憂鬱勇者「それは自殺しろってことですか?」
魔王「違うわ!ダチョウ倶楽部を意識せんでいい!」
42: 1:2015/3/19(木) 00:56:14 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「憂鬱勇者が一面で立ち直りました」
魔王「いいんだよそういう報告はぁ!大魔王討伐に関する報告だろうがここはぁ!」
大臣「勇ましくヘルドラゴンに愚痴ったそうですが、優しく励まされ……」
魔王「勇ましく愚痴るって何だ!?トップクラスにペア組んじゃいけない単語が組んでしまっておるぞ!」
魔王「そしてヘルドラゴンは何を優しく励ましておるのだ!?憂鬱勇者立ち直っておるぞ!あれ立ち直させるて相当有能だぞ!」
大臣「これで憂鬱勇者は100円無くしても、勇気を持って未来を選べますね」
魔王「この程度で自殺図るような奴だったのだからな!どう説得したら、厳しい人生を頑張ろうってなるのだ!?」
魔王「ていうか大臣!立ち直ったのは討伐的にも良いことではないか!それで肝心の大魔王討伐はどうなったのだ!?」
大臣「え?帰宅しましたけど?」
魔王「何でだよ!?立ち直ったからこそ、大魔王に向かっていくとか、そういう展開ではないのか!?」
大臣「せっかく未来に希望を持てたのに、何で命を捨てるような真似をしなくてはならないのですか?」
魔王「勇者的に希望抱けたんなら大魔王討伐に前向きになれよ!何で負ける前提で考えてんだよ!」
大臣「とりあえず憂鬱勇者の将来が少し明るくなったってことでいいでしょう。次の勇者いきましょう」
魔王「我が未来も希望に包んでほしいわ!無理だろうけどな!」
43: 1:2015/3/19(木) 00:58:23 ID:44SiIGczZI
小野「クールポコです。お願いしまーす」
魔王「芸人だろぉ!!我らは勇者募ってたんじゃないのかぁ!!」
大臣「まあやる気はあるみたいなので、来てもらいました」
魔王「やる気の種類が絶対違うぞ!ていうか名前じゃよくわからんぞ!小野ってどっちだ!?」
せんちゃん「とりあえずネタ始めていいですか?」
魔王「こういう種類なんだよ、こいつらのやる気は!営業気分だろうが!てか芸名せんちゃんなのか!?どっちがだよ!?」
小野「よーし!じゃあ世の中にはどんな勇者がいるんだ!?」
せんちゃん「かっこつけて、伝説の剣を装備してる勇者がいたんですよ」
小野「なぁ〜にぃ〜!?やっちまったなあ!」
せんちゃん「男は黙って「こん棒!」男は黙って「こん棒!」」
せんちゃん「倒せてスライムくらいだよ〜……」
小野「次!」
魔王「いや、次じゃないんだよ!ネタやってんじゃないんだよ!てか、せんちゃんてそっちなのか!?」
大臣「なんか久々に見た感じしますねー」
魔王「貴様も懐かしんでんじゃないんだよ!何普通に楽しんでんだ!?」
44: 1:2015/3/19(木) 00:59:28 ID:44SiIGczZI
魔王「大臣!この者達がどう大魔王討伐に役立つのだ!?」
大臣「役立つわけないじゃないですか。芸人ですよ?何考えてるんですか?」
魔王「大魔王討伐のために勇者募って、それで来たのを貴様が通したんだろうが!何で貴様がそっちのポジションなんだよ!?」
せんちゃん「かっこつけて、魔法で傷を治癒する勇者がいたんですよ」
小野「なぁ〜にぃ〜!?やっちまったなあ!」
せんちゃん「男は黙って「つば!」男は黙って「つば!」」
せんちゃん「治るものも治らないよ〜……」
小野「次!」
魔王「いや、ネタを続けるでない!以外と行数食うのだぞ!我らの喋る時間が……」
せんちゃん「かっこつけて、馬車で旅する勇者がいたんですよ」
小野「なぁ〜にぃ〜!?やっちまったなあ!」
せんちゃん「男は黙って「闘牛!」男は黙って「闘牛!」」
せんちゃん「振り落とされちゃうよ〜……」
魔王「ああもうわかった!さっさと終わらせようぞ!……クールポコよ、大魔王を討伐せよ!ネタ終えてさっさといけ!」
クールポコ「「クール、クール、クールポコ!オス!ありがとうございましたー!」」
45: 1:2015/3/19(木) 01:00:51 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「クールポコが一面で滑りました」
魔王「ヘルドラゴンにネタ披露したのか!?それで滑って、やっちまったなあ!」
大臣「勇ましくネタを繰り出したそうですが、あまり受けず……」
魔王「ある意味本当に勇ましいわ!ヘルドラゴン相手によくも怯まずネタなんかやったものよ!」
大臣「でもあまり受けず、今日の餅は固いみたいだな!とか言ってたみたいです。小野の方が」
魔王「名前でどっちかわかるようになってしまったわ!」
大臣「そしてネタが終わると、コンベアで移動して消えてったそうで」
魔王「レッドカーペットか!あの番組の収録でもしてたのか!?どこでやっておるのだ!」
大臣「要するに、すべりコンベアってことですよね」
魔王「それ小島よしおだ!有吉が小島につけたあだ名である!」
大臣「とにかく、そんな感じです。二人はもう次の営業行ったみたいですよ」
魔王「何しに来たのだ、あいつらは!?」
大臣「そりゃネタしに来たんでしょうよ」
魔王「だからおかしいんだろ!こっちは最初から大魔王討伐しろ言ってたであろう!なんでこんなことになるのだ!」
大臣「もういないんで、次の勇者に期待しましょう」
46: 1:2015/3/19(木) 01:03:03 ID:44SiIGczZI
ゴブリン「魔王様、お久しぶりでございます。ゴブリンです」
魔王「もう勇者じゃないではないか!いや、今までもクールポコとか知り合いが勇者とかがいたけど!」
大臣「こいつはゴブリンですね。人間界と魔界がまだ対立してた頃、勇者達はこのゴブリンに何度も苦戦しました」
魔王「正直、我はその対立してた頃に戻りたいがな!こんな国もう見捨てたい!」
ゴブリン「いけません、魔王様。たとえ上が腐っていても、民には何の罪もありません。魔王様は、その民のために頑張ればいいのです」
魔王「有能か!あれ、貴様そんなに有能だったっけ!?じゃあ三面じゃなく九面とかに配属させればよかったな!」
ゴブリン「ありがとうございます。ですが私には過ぎた評価でございます。私は三面でよかったと思ってます」
魔王「何かもう今までのと全然違うな!まともなの来たら、こんだけまともに話せるのな!」
大臣「はい?今までだって、まともな者しか来てないですけど?」
魔王「貴様の頭がおかしいだけである!貴様も含めて、基本的に屑しかおらんかったではないか!」
ゴブリン「魔王様、確かに大魔王討伐が成されず苛立つのはわかりますが、仲間に対して屑と罵るのは如何かと思います」
ゴブリン「その怒りを静めて下さい。大魔王討伐の任、それを果たせず散っていった仲間の無念、それらを背負って私が今回こそ成し遂げてみせます!」
ゴブリン「今日この瞬間、尊い仲間を失って傷つき続けた魔王様の心を、大魔王討伐を以て晴らせてみせましょう!」
魔王「本当に出来た人間だな、貴様!いや、魔物なんだけども!」
47: 1:2015/3/19(木) 01:05:03 ID:44SiIGczZI
大臣「口で言うのは簡単だが、どうやって大魔王を討伐する気だ?ゴブリンよ」
魔王「何で貴様がそんな偉そうなのだ!?」
ゴブリン「確かに私一人では厳しいでしょう。大魔王軍は一面からヘルドラゴンという強大な相手が立ち塞がると聞きます」
大臣「ほれ見ろ!お前じゃ無理なんだよ!」
魔王「何なのだ貴様、急に!?貴様、ゴブリンのこと嫌いなのか!?」
ゴブリン「でも、この国には私の他にも、勇気と正義を宿した大いなる力が存在します」
ゴブリン「例えば偽勇者。彼は罪を犯しましたが、実力と正義感は本物です。罪を償った今こそ、国のために立ちあがる時です。そのために、私達は手を差し伸べることができる!」
ゴブリン「更に貧乏勇者。彼はまだ幼い子ども……争いの渦中に巻き込むのは心が痛みますが、彼の勇者の素質は間違いなく未来を照らす大きな希望です!」
ゴブリン「それにここには、いつだって我々を引っ張ってくれた魔王様だっていますし、召集は厳しいかもしれませんがアルソック勇者だっています!」
ゴブリン「私は一人じゃないです。仲間と共に戦えば、きっと平和を確たるものに出来ると信じています!」
魔王「やばい、何か感動した!これはいけるであろう!ていうか何で今までパーティ作って一緒に行くって考えつかなかったのだ!?」
魔王「よし!ゴブリンよ、共に行こうではないか!今こそ世界に平和を取り戻す時である!」
大臣「いや、魔王様は残ってくださいよ。魔王様行っちゃったら、俺は誰と喋ればいいんですか?」
魔王「そんなこと言ってる場合じゃないだろう!我は行くぞ!ゴブリンと、他のちゃんとした勇者と共に!」
大臣「待ってください。……あーあ、行っちゃったよ」
48: 1:2015/3/19(木) 01:06:47 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「えーっと、報告します」
大臣「魔王、ゴブリン、偽勇者、貧乏勇者のパーティは無事に十面に辿り着き、大魔王と対峙したっぽいです」
大臣「ですが大魔王もけっこう常識あったみたいで、魔王は滅ぼしてはいけない国だと判断したそうです」
大臣「そこで魔王は大魔王と結託し、逆にこの国を滅ぼそうと考えだしたみたいです」
大臣「民に罪はないと、移民を勧め、大半がそれに乗って、この国に残ったのは私含め残り僅かです」
大臣「そして残りは屑だと言い切り、間もなく魔王・大魔王連合軍が攻めてくるっぽいです」
大臣「……どうしたもんでしょうね?」
大臣「というわけで、こんな勇者に来てもらいました」
蘇生勇者「死者を蘇らせてみせる……ふはははは!」
大臣「やっぱ国のトップが不在のままじゃ色々まずいですからね」
大臣「今こそ王様に蘇ってもらう時でしょう!骨は用意してきたんで、よろしくお願いします」
蘇生勇者「任せておけ……死んで救われようなんて俺が許さねえ……生きて苦しめぇ!」ポワァ
王「……あれ?俺死んだじゃねえのか?」
49: 1:2015/3/19(木) 01:09:05 ID:44SiIGczZI
大臣「お久しぶりです、王様。さっそくですが、国の危機です」
王「見たくもねぇ顔が見えたわ!てめぇ、俺を殺しておいて、よくもまあ平然としてるなぁ!」
大臣「嫌だなあ、王様を殺したのはゴブリンじゃないですか」
王「ほとんどお前に殺されたようなもんだろうが!てめぇ騙しやがって!騙されて気持ち昂ったの、今では立派な黒歴史だわ!」
王「ていうか、何で俺生き返ってんだよ!?教会とかで生き返るパターンの世界なんか、ここ!?」
蘇生勇者「俺の力だ……俺は死者を蘇らせることができる……」
王「凄いねぇ!おかげで俺はこの地獄に戻ってきたわ!ふははは、泣きてぇ!」
大臣「泣いてる暇はありませんよ。現在、ゴブリン・ヘルドラゴンのコンビが攻めてきているそうです。我々はこれを倒さねばなりません」
王「無理だねぇ!前作最強と今作最強の夢のタッグじゃねえか!こっちはもれなく夢断たれるわ!」
大臣「更には多くの屑共が向こうに寝返るハプニングまで重なりまして。連中に恥の概念はないのでしょうか?」
王「ちげぇだろ!大方この国に嫌気さして、そんな民を他国が救済しようってだけだろ!まともな民だけ救われんだろ!」
王「たぶんだけど偽勇者とか貧乏勇者はその国に移っただろ!?」
大臣「生き返ったばかりなのによくわかりましたね」
王「ジャージ勇者とかはこっち残ってるだろ!?」
大臣「何故わかるのですか?やはり王様は凄い方ですね」
王「良い奴が保護されて屑が残ってるだけだわ!そして屑ごとこの国を葬ろうってんだろ!?良い作戦じゃねえか!」
大臣「今こそ我々が団結してこの国を守らねばならないのです。頑張りましょうね、王様」
王「嫌だよ!俺も移りてえよ!こんな国滅びればいいんだよ!何で俺こんな国の王になっちゃったんだよ!」
50: 名無しさん@読者の声:2015/3/19(木) 07:47:50 ID:qvwYcqoh/s
魔王様のキャラもよかったけどやっぱり王様が一番しっくりくるなぁ
しかしゴブリンさん相変わらず有能だ
支援!
51: 名無しさん@読者の声:2015/3/19(木) 09:15:13 ID:Oq0PUJKEMY
ゴブリンさんイケメン過ぎワロタ
そして、頼むから王様にも救いを……!
支援!
52: 名無しさん@読者の声:2015/3/20(金) 19:22:57 ID:jEhYspVy4o
早く王様と魔王(の心の平和)を安心で包んでやってくれwwww
53: 1:2015/3/21(土) 00:56:30 ID:44SiIGczZI
>>50-52
支援ありがとうございます!
やめて!王様は蘇ったけど、このまま敵に攻め込まれたら、王様の命がまた尽きちゃう!
お願い、死なないで王様!あんたが今ここで倒れたら、この国はどうなっちゃうの?
ライフはまだ残ってる。ここを耐えれば、安心に包まれるんだから!
次回「城之内死す」
デュエルスタンバイ!
スレ立てから早々で悪いんですけど、次回分の投下が少し遅れます。
次回更新はいつかって具体的に言えないですけど、たぶん空いて数日のもんだと思います。
その間ちょっとまっててください。ごめんね。
54: おまたせ:2015/3/24(火) 00:16:32 ID:v9MSuJK322
翌日
大臣「王様、勇者を募ったところ、数名の勇者が来てくれましたよ」
王「屑なんだろうけどなあ!だって今この国、屑しか残ってねえもん!」
王「後てめえ俺を縛りあげてんじゃねえよ!何なんだこの扱い!?」
大臣「いや、だって王様、自由にさせてたら敵国に寝返りそうじゃないですか」
王「よくわかってんな!その通りだよ!こんな国滅ぶべきなんだもん!」
大臣「いけませんよ。王様はこの国の王様なんですから。最悪滅ぶとしても、一緒に心中してください」
王「ついこないだまで死んでて治めてなかったけどな!俺は死ぬために生き返ったのか!?何だこの拷問!?」
王「死なないためには戦うしかねえのか!で、そのための戦力はどういうのが集まったんだよ!?」
大臣「現在、蘇生勇者・大喜利勇者・ひげ剃り勇者・三割方勇者の四名が集まっています」
王「死んだねぇ!俺もう国と心中決まったようなもんだねぇ!残酷なまでに死刑宣告だわ!」
大臣「何で敵わないと決めつけてるんですか?」
王「敵うわけねえだろうが!まともな奴は保護されて、今この国には屑しかいねえと改めて思い知ったわ!」
王「相手はゴブリン&ヘルドラゴンだろ!?勝てるわけねえだろ!負けイベントだわ!」
大臣「そんなフラグはへし折るに限ります。というわけで勇者紹介に移り……」
55: 1:2015/3/24(火) 00:20:24 ID:v9MSuJK322
大臣「あ、そうそう。システムの変更がありますので、説明しておきますね」
王「システムの変更!?」
大臣「今まではこっちが攻めてたんですけど、今回は攻められてるわけじゃないですか」
大臣「なので、今回は勇者を各面に配置しないといけません」
王「そうか、待ち構えるの俺らなんか!だから一面に何々勇者とか、そう配置しろと!?」
大臣「そういうことです。なので、一面にこいつを置いて弱らせて二面はこいつにして……みたいな、采配を光らせる必要があります」
王「光んねえよ!いや、俺の采配云々じゃなくて駒が悪すぎんだわ!」
大臣「全部で十二面ありますので、よくよく考えて配置していただければと思います」
王「十面じゃねえのかよ!?何で急に二面も増えちゃった!?」
大臣「勇者の紹介が四人ずつなので、その方が都合がいいんですよ」
王「メタいな!メタ要素で面数を増やしてんじゃないよ!どういう地形なんだよ!?」
大臣「まあ今作も二作目なわけですから。色々新要素を足さないと駄目なんですよ」
王「ねえ、黙ろう!?そろそろメタ発言であれこれぶちまけるのはよそう!?」
大臣「まあ二作目以降は変に新要素加えてこけてもいいんです。一作目が受けてたら、駄作だろうが何だろうが連中は続編に食いつくんですから」
王「もう駄目だ、これ触れちゃいけない話題だ!何てこと考えてんだ!?仮に本音がそれでも、ぶっちゃけるなよ!?」
大臣「まあとにかくそういうわけですので。それでは、勇者の紹介に移りましょう」
56: 1:2015/3/24(火) 00:26:39 ID:v9MSuJK322
蘇生勇者「蘇生勇者だ……」
王「俺を生き返らせた奴だな!俺は感謝すべきなのか罵るべきか、迷ってるよ!」
大臣「生き返らせてもらったんですよ?感謝すべきでしょう。頭悪いんですか?」
王「うるせぇよ!生き返った先が地獄ではねぇ!死んでた方がまだ救いあったわ!」
蘇生勇者「そう、俺はそういう死んで救われる奴が許せねえ。誰もが生きて苦しめ……!」
王「薄々思ってたけど、けっこうな性格ですよねぇ!?やっぱこの国の勇者事情狂ってるよねぇ!」
王「能力は凄いんだけどな!それを扱う奴が屑だから、悪用されちゃうよねぇ!」
大臣「悪用とは、具体的には?」
王「おめえだよ!お前が俺を生き返らせたことだよ!おかげで俺は絶望の最中ですわ!」
大臣「またまたあ。生き返られて本当は嬉しいくせにぃ」
王「魔王んとこに避難できたら嬉しかったけどなぁ!俺このままじゃ国と心中っすわ!こんな腐った国と一緒になぁ!」
大臣「そうならないためにもゴブリンとヘルドラゴンを倒さねばなりません」
王「だから無理なんだってぇ!この件もうやったよな!?何で繰り返してんだよ!?」
57: 1:2015/3/24(火) 00:28:05 ID:v9MSuJK322
王「大体だな、蘇生勇者は性格は置いといて能力は凄いんすわ!」
大臣「ですから、あの二人を倒すのに大いに役立つ……」
王「違う違う!凄いのジャンルが違うんだって!生き返らせるとか超凄いけど、戦闘には役立たねえじゃん!?」
王「だからこいつは面とかに配置させず待機させて、死んだ勇者を片っ端から生き返らせた方がいいんじゃねえの!?」
大臣「正直言いますとね、王様を生き返らせたかっただけで、あんまり長く居られてもバランス崩れて困るんですよ」
王「ちょっとメタネタのペース上がってきてないですかね!?そんな赤裸々にぶっちゃけられてもねぇ!」
大臣「後先考えずに王様殺して困ったから、王様限定で蘇らせる奴が欲しかっただけです。後はもう死んでもらわないと困るんですよ」
王「能力が凄いから、下手に生きてもらっては困ると!?」
大臣「そういうことです」
王「黒いねぇ!お前の心ん中真っ黒だよ!俺の命を弄びやがって!ていうか、そういうの本人前にして言うかね!?」
蘇生勇者「死んで救われるのなら……それも悪くない……」
王「散々他人が救われるの嫌がったくせに自分はそれかよ!?他人に厳しく自分に甘くって最悪だな!」
大臣「そういうわけですので、しっかりと配置してください。じゃあ次の勇者を紹介します」
58: 1:2015/3/24(火) 00:29:21 ID:v9MSuJK322
大喜利勇者「どうも、大喜利勇者でーす」
王「だから何なんだよ!?うまいこと言って、座布団貰って、どう敵を止めるってんだよ!?」
大臣「大喜利、楽しいじゃないですか。あれ見るの大好きですよ」
王「楽しいよねぇ!うまいこと言うなあって感心するよねぇ!だから何なんですかって!」
大喜利勇者「日本サッカー、新監督にハリルホジッチを迎えて再始動。そのメンバー発表で、さっそくサプライズが。さて、誰を呼んだ?」
王「てめえ出題する側かよ!?答える側じゃねえのかよ!?」
大臣「王様、答えてください」
王「はあ!?え、あの……ば、ババンギダ」
大臣「……」
大喜利勇者「……」
王「もう殺せよ!いいよ、もう!俺が一面行って、あの二人に殺してもらうよ、糞がぁ!」
大臣「落ち着いてください、王様。大喜利勇者の恐ろしさ、よくわかったでしょう?」
王「それはもう骨の髄までなぁ!とても恐ろしいよ!願いが叶うなら今すぐ命を亡くしたいねぇ!」
59: 1:2015/3/24(火) 00:31:11 ID:v9MSuJK322
大臣「このように大喜利勇者は、無茶振りによって相手に多大なダメージを与えます。これで敵の二人もいちころです」
王「答えるわけねえだろ!出題してる途中で攻撃受けて他界ですわ!」
大臣「いや、でもゴブリンとヘルドラゴンなので、なんだかんだ聞いてくれるんじゃないですか?」
王「そう言われるとそんな気もするよ!でも結局力勝負になったら勝ち目がないんだよねぇ!」
大喜利勇者「野球選手の大谷翔平が、ピッチャーとバッターの他に何かを始めて三刀流になることに。さて、何を始めた?」
王「いや、出題してんじゃないよ!力勝負にしたらどうする!?って話をしてんですけどぉ!」
大臣「はい、王様」
王「またぁ!?いや、ちょ……あの……ぷろ、プロデューサー」
大臣「……」
王「もおお!何で俺こんなに火傷してんだよぉ!志々雄真実か、わしゃぁ!?」
大臣「あ、また滑った」
王「もうやめてえええ!許してえええ!助けてえええ!」
大臣「大喜利勇者が魔物討伐に役立つと認めれば王様は救われるでしょう」
王「認めるから!ゴブリンもヘルドラゴンも大火傷は必至さ!だからもう勘弁してくれ!」
大臣「わかりました。では次の勇者紹介に移りましょう」
60: 1:2015/3/24(火) 00:32:17 ID:v9MSuJK322
ひげ剃り勇者「わしがひげ剃り勇者だ」
王「剃ってねえだろ!とんでもなくひげモジャじゃねえか!たわしを何個もぶらさげてるレベルだぞ!」
大臣「ひげ伸びないと剃れないじゃないですか」
王「だけどこれは伸ばしすぎだろ!ひげ剃り勇者とちゃうんかい!?これ相当長い間剃ってねえぞ!」
ひげ剃り勇者「わしはひげを剃る回数ではなく、一回の質が高くて、有名になった勇者だからな」
王「どんなひげ剃りだよ!?ひげ剃りに質の良し悪しがあんのか!?」
大臣「実際に見ればわかるんじゃないですか?というわけで、剃ってもらいましょう」
王「今から剃るのかよ!?いいの!?一回剃ったら、伸びるの時間かかるよ!?」
ひげ剃り勇者「大丈夫だ。わしはひげ剃り勇者。この瞬間のために生きておるのだ」
大臣「ついに見れますね。ひげ剃り勇者のひげ剃りが」
王「全然ついにじゃねえけどね!微塵も興味抱いてなかったよ!これからもそうだよ!」
ひげ剃り勇者「いくぞ。はあああ!」ジョリ・・・ジョリ・・・
王「普通じゃねえかよ!?これただおっさんのひげ剃り見守ってるだけじゃないかよ!」
61: 1:2015/3/24(火) 00:35:41 ID:v9MSuJK322
大臣「あれがただのひげ剃りに見えますか?よく見てくださいよ」
大臣「ひげを剃る瞬間に真空の刃を発生させ、周囲を攻撃しているのです。あれこそ、ひげ剃り勇者の必殺技です」
王「へえ、そんな凄い効果が……いや、じゃあ今剃ったらまずいじゃんよ!?何で今剃ってんの!?」
大臣「いや、だって王様がひげ剃りに質の良し悪しがあるのかって言ってたから」
王「口で言えや!実際、今も口説明だったろうが!本番前に何必殺技放っちゃってんの!?」
ひげ剃り勇者「どうでしたかな、王様。わしのひげ剃りは」ボタボタ
王「お前はお前で何を顔血まみれにしてんだよ!?顔のすぐ横で真空刃なんか発生させてんだもん、そりゃ肌への被害は多大になるよねぇ!」
大臣「諸刃の剣ですが、威力はわかっていただけましたよね?これならゴブリン達も倒せるでしょう」
王「でももうひげ剃っちゃったんだよねぇ!本番までには伸びねえだろうし!ただの血まみれおじさんになったわ!どうすんだ!?」
大臣「ひげ剃り勇者なんですから、刃物の扱いには長けてるんじゃないですか?たぶんどうにかしますよ」
王「投げてんじゃねえよ!投げてえの俺だよ!」
大臣「采配光らせて、是非とも勝利に導いてください」
王「無理だよ!どんな名将でも敗北待ったなしだもん!血まみれのおじさんでどう勝てと!?」
大臣「それを考えるのがあなたの仕事ですから。はい、じゃあ次の勇者いきますよ」
62: 1:2015/3/24(火) 00:37:22 ID:v9MSuJK322
三割方勇者「三割方勇者です」
王「どういうことだよ!?勇者ってそんな数値化できるもんなの!?」
大臣「三割ってけっこう良い数字じゃないですか」
王「野球だったらねぇ!でもこいつ勇者なんだよねぇ!十割勇者じゃないと困るよねぇ!」
大臣「でも逆に考えてみてください。三割が勇者なら、残り七割はもっと良い能力があるかもしれないじゃないですか」
王「仕組みがもうよくわかんねえんだけど、黙っててやるよ!で、残り七割は何で占めてんだよ!?」
三割方勇者「残りは……三割がニートで四割がホームレスです」
王「どういう組み合わせなんだよ!?何でそいつらと勇者の同居が成り立ってんだよ!?お前何者なんだよ!?」
大臣「勇者ですよ。三割方勇者です」
王「違うねぇ!たとえ三割が勇者でも、残り七割屑なんだから、こいつはもう屑だわ!勇者じゃないね!」
三割方勇者「三割でも割と勇者できますよ。魔物のHPだって三割は減らせますし」
王「最後まで削り取れぇ!お前が仕留め損ねた魔物が民の平穏を脅かすんやで!?まあ今この国屑しかいないし別にいいけど!」
大臣「まあ未熟かもしれませんけど、一応勇者的な仕事は出来るっぽいんでいいじゃないですか」
王「国の一大事なんだけどね!?そんな時に未熟者呼ばないでほしいんだけどね!?」
63: 1:2015/3/24(火) 00:39:27 ID:v9MSuJK322
王「ねえ、俺こいつ使ってどうゴブリンとヘルドラゴンを倒せばいいの!?」
大臣「それがお前の仕事だろうが……まあいい、教えてあげます」
王「何で上から物を言ってんだよ!?調子乗んなよ、お前!?」
大臣「たとえ三割だけでも、十分戦えるんですよ。例えば三割の勇者要素が腕に来ていたら、勇者の打撃が可能になります」
王「どういうこと!?何かもうシステムからわかってないからさぁ、話についていけないんだよ!」
大臣「体積あるでしょ?体積の十割のうち、三割が勇者なんです。全体の三割もあれば、腕全部勇者ってのも十分可能でしょう?」
王「なるほど、三割とかいう数字はそうやって出てきてんのか!確かに腕は体積的に考えれば少なそうだし、三割もあれば腕全部勇者要素で埋まるかもな!」
王「で、体の三割のうち、実際に勇者要素が詰まってんのどこなんだよ!?」
三割方勇者「内蔵ですね」
王「内蔵かよ!?勇者要素外に出てねぇじゃんかよ!?内に秘めてんじゃねぇよ!」
王「大体何なんだよ内蔵が勇者て!?どう凄いんだよ!?めっちゃ健康で綺麗な内蔵ってしか思いつかんわ!」
大臣「内蔵が健康って素晴らしいことじゃないですか」
王「でもゴブリン達を倒すのには役立たないよねぇ!内蔵に勇者要素使ったから、残りはニートとかだわ!ただの健康志向な自宅警備員じゃねえかよ!」
大臣「では自宅のように面も守備してもらいましょう」
王「期待できるわけねえだろが!ぜってーザル守備だわ!セカンド辺りに置いてごらん!?一試合でエラー18個は記録するから!」
64: 1:2015/3/24(火) 00:41:34 ID:v9MSuJK322
大臣「さあ王様。勇者が四人も出揃いました。一面から四面までに配置して、ゴブリンとヘルドラゴンを倒すのです!」
王「絶対に無理だねぇ!これで勝てる奴ぁもれなく八百長やってるだろうねぇ!」
ひげ剃り勇者「何故だ……くらくらしてきた」ボタボタ
王「こいつなんか既に重傷だしよぉ!くらくらすんの血ぃ流しすぎたからだわ!血のひげ生やしてんじゃねえぞ!」
大臣「戦力が厳しくても、そこは王様の采配で勝たせればいいのです。つまり全ては王様にかかってます」
王「かけんなよ!こんなの押し付けられて、果てしなく重荷だわ!今にも俺が潰れるねぇ!」
王「ていうか、采配光らせろ言うんだったら、十二面分の勇者揃えてこいよ!三分の一だけ用意して頑張ってね、じゃねえんだよ!」
大臣「一気に十二人も勇者紹介したらテンポ悪くなりますので」
王「畜生めぇ!もういいよ、四人だけでも配置してやっからよぉ!」
王「とりあえず蘇生勇者は四面な!一〜三面で誰か死んだら生き返らせろ!」
大臣「駄目です。蘇生勇者は死んでもらわないと困ります。なので一面です」
王「俺に判断させろや!全てを俺に託したんじゃねえのかよ!?誰が指揮官なんだよ!?」
蘇生勇者「俺は一面か……了解した」
王「お前も従ってんじゃねえよ!ねぇ、俺のが偉いんだよね!?王様って偉いんだよね!?」
大臣「じゃあ王様は残りの三面の配置考えてください」
王「全然自由にやらせてくれないね!?もう嫌だ、お前らだけで勝手にやってくれよ!」
65: 1:2015/3/24(火) 00:43:44 ID:v9MSuJK322
王「……一応配置考えたぞ」
王「一面は何か蘇生勇者じゃないといけねえみたいだからもう諦める」
王「二面はひげ剃り勇者ね。ひげ剃りで、どうにか二人の体に傷つけて出血させろ」
王「で、三面の三割方勇者が時間稼ぎして血を多く流させて」
王「四面の大喜利勇者が大喜利で出題して更に時間稼ぎな。出血多量で頭が回らなくなるかもしれんし、うまく致死量の血を流させろ」
大臣「意外とちゃんとした采配じゃないですか」
王「本当だよ!自分も驚きっすわ!自分で言うことじゃねえけど俺名監督じゃねぇ!?」
大臣「これならゴブリンとヘルドラゴンも倒せますね」
王「そううまくいくとは思わんけどなぁ!なんせチートを相手にしているのですからね!」
王「一応今後に繋がるよう、ダメージだけは与えてほしいんだわ!頼む、多くは望まないから!」
大臣「それでは各勇者に、各面に行ってもらいましょう」
王「そうだな、配置させんことには話も始まらんわ!勇者達よ、魔物達を打ち倒すのじゃ!」
66: 1:2015/3/24(火) 00:45:35 ID:v9MSuJK322
翌日
大臣「ゴブリンとヘルドラゴンに四面まで突破されました」
王「ですよね!そりゃチートを相手にしてんだもん!それを屑が倒せるとは思いませんわ!」
王「いいんだよ、もう想像通りだから!問題は少しでもダメージ与えられたかどうかなんだよ!大臣、内容詳しく報告しろや!」
大臣「はい。まず一面の蘇生勇者ですが、普通に殺されました」
王「知ってます!そこだけは確実に采配ミスですもの!主にお前のせいで!」
大臣「二面のひげ剃り勇者は、ゴブリン達が到着すると、既に出血多量で死んでたそうで」
王「おいぃ!?何してんだ、あいつ!?今回の作戦の重要ポイントなんだぞ!?」
大臣「あの技は、自らも傷つける諸刃の剣……故に、命と引き換えになってしまったのですね……」
王「今回が初めてじゃねえんだろ!?ひげ剃ってきたから有名になったんだろ!?あいつどうやって今まで生き延びてきたんだよ!?何で今死ぬんだよ!?」
大臣「三面の三割方勇者は普通に戦いを挑み、そして負けました」
王「内蔵が綺麗なだけで、実質ニートだもんな!喧嘩慣れしてねえ奴の打撃って、大振りでよけやすいし威力も弱ぇ糞みたいな打撃なんだぜ!?」
大臣「最後に四面の大喜利勇者が出題するも、ゴブリン達に見事な回答をされてしまい、ショック死しました」
王「ショック死て!?面白い回答あってこその大喜利だろ!今までどうしてたんだ!?相手ずっと滑ってたのか、俺みたいにぃ!」
大臣「……残念ながら、勇者達は全滅です……」
王「知ってたよ!ノーダメはさすがに予想外だったけど、結果自体はもう知ってました!」
王「何なんだよ、どいつもこいつもぉ!半分が自滅とか、戦う気ないよねぇ!」
67: 1:2015/3/24(火) 00:47:23 ID:v9MSuJK322
大臣「これはまずいですね、王様。早急に残りの面にも勇者を配置させなくては……」
王「それがおかしいんだよな!敵動き出してんのに、こっちの対応後手後手すぎんだろが!」
大臣「幸いゴブリン達は四面で待ってくれてるので、急ぎ勇者を募り、備えるとしましょう」
王「優しいねぇ!強者に相応しい、慈悲に満ちた心だよ!」
大臣「この隙を突いて、我々は強い勇者を集めましょう」
王「集まんないよねぇ!隙がどうこう言うんだったら、うちの勇者事情こそ最大の隙っすわ!」
大臣「今までだって募集したら勇者が来たじゃないですか。何故急にそんな弱気に?」
王「いやそりゃ勇者は来るよ!?でも強い勇者なんか絶対に来ないかんな!?強い勇者なんか偽勇者・貧乏勇者・アルソック勇者くらいだから!」
大臣「じゃあその三人クラスの勇者さえ募集できれば勝ったようなもんじゃないですか」
王「それが起こらねえから最大の隙ってんだよ!いるわけねえだろ!いるなら連れてこいよ!もう嫌だよ俺!」
大臣「ネガティブな方ですね。明日、実際に勇者を目にして希望を抱いてもらうしかないですね」
68: 1:2015/3/25(水) 00:33:45 ID:v9MSuJK322
翌日
大臣「王様、勇者を募ったところ、新たに四名の勇者が来てくれました」
王「何度でも言うけどさ、全部で十二面なんだろ!?じゃあ十二面分の勇者を用意しろや!」
大臣「せっかく面接で四名まで絞ったのに、どうして責めるようなこと言うんですか?」
王「四人以上集まったのかよ!?じゃあそいつらでいいじゃん!何でそっから絞ったんだよ!?」
大臣「少しでも良い勇者をと思いまして」
王「質なんか良くなるわけねぇんだから数で勝負しろや!何を唯一の利点を投げ捨ててんだ!?」
大臣「勇者が数で押し切るなんて卑怯な真似していいんですか?」
王「勇者なんてそんなもんだろ、割りとマジで!大体四人がかりで魔王涙目だろうが!」
王「まあいいや、もう!それで、てめえが面接で絞った四人はどんなんなんだよ!?」
大臣「現在、将軍勇者・うざい勇者・勇者マン・不審者勇者の四名が集まっています」
王「節穴ぁ!お前の眼は完全に節穴ですわぁ!何でお前面接官務めちゃったかなぁ!?」
大臣「節穴かどうかは、直に見て判断していただけますか?」
王「見なくてもわかるんだけどねぇ!まあいいや、さっさと終わらせよう!無駄な時間をさぁ!」
69: 1:2015/3/25(水) 00:36:08 ID:v9MSuJK322
将軍勇者「わしが将軍勇者じゃ!頭が高い!控えおろう!」
王「控えんのおめぇだろうがよぉ!何なんだよこいつぁ!?」
大臣「今将軍勇者って名乗ったばっかりじゃないですか。話ちゃんと聞きましょうよ」
王「聞いてんよぉ!その上でこいつは何なんだっつってんの!」
王「将軍っぽい勇者に過ぎねぇんだろう!?だったら俺のが上だろ!俺王だぞ!勇者に命令できる立場なんですぅ!」
将軍勇者「控えおろう!この紋所が目に入らぬか!?」スッ
王「それ、うちの紋章じゃねぇか!?お前それいつ盗った!?返せボケェ!」
大臣「あれは王家の紋章!?ということはあの勇者は王家の方……ははー!」
王「ははー、じゃねぇんだよ、おめぇは!俺にははーってしろよ!」
大臣「何で王様にははーってしなきゃいけないんですか?」
王「本来あれで目に入らぬか!って出来るの俺だからだよぉ!お前普段俺のこと何て呼んでるか思い出せ馬鹿!」
王「あと勇者てめぇ普通に馬乗って来てんじゃねぇよ!文字だけだからばれないとでも思ったか!?俺は拾うねぇ!」
70: 1:2015/3/25(水) 00:38:05 ID:v9MSuJK322
大臣「さあ王様、この勇者をどう活かすか考えてください」
王「采配は俺に丸投げだもんな!あー辛いわぁ!学者が揃って匙を投げる難問ですわぁ!」
王「馬に乗ってるってことは暴れん坊を期待していいんだな!?じゃあ大暴れしてゴブリンさん達を倒してくれや!」
将軍勇者「それはならん!グワペラスはあまり走ったりは出来ぬ大人しい馬である!」
王「役に立たねぇなぁ馬ぁ!ていうか名前グワペラスて!お祭り男に出てきたロバちゃうんか、それ!?」
大臣「炎を浴びる祭りでしたっけ?大人しくて可愛いロバでしたよね」
王「でも敵を迎え撃つには困るねぇ!仕方ねぇ、お前ロバから降りて自力で戦え!」
将軍勇者「それはならん!わしは幼い頃より偉い者として甘やかされてきた!戦闘などしたこともない!」
王「じゃあ何で勇者になったぁ!?言うなれば勇者は戦う仕事だろうが!就職先間違えすぎてんだよ馬鹿が!」
王「そこはフィクション系でいいじゃんかよ!創作物だと大体アクティブだよ、将軍ってさぁ!」
王「大臣も何でこんなんを面接で通したんだよ!やっぱ節穴じゃねぇか!」
大臣「でも将軍って、大体強い取り巻きがいるじゃないですか」
王「でもこいつは単独での参戦だろうが!お前には取り巻きが見えてんのか!?それたぶん見えちゃいけない系の何かだぞ!」
大臣「じゃあ単独でも勝てるよう考えてください。王様の仕事ですし」
王「何か今回のシステム嫌だぁ!大臣が丸投げで押し付けてくるもん!」
大臣「頑張ってくださいねー。じゃあ次の勇者にいきましょう」
71: 1:2015/3/25(水) 00:40:26 ID:v9MSuJK322
うざい勇者「うざい勇者っすW」
王「何かうざそうなのが来ちゃったな、おい!名前の通りだよ!」
うざい勇者「せっかく知り合えたんだし、フレンドリーにいきましょうやW」
王「自分の立場わかってる!?俺ら遊んでんじゃねぇの!一応国の命運分ける戦いに挑むの!」
うざい勇者「そうカリカリすんなよー王ちゃま〜W」
王「あああああ!本当うぜえわ、こいつぅ!大臣何でこんなん採用したんだオラァ!」
大臣「王ちゃまカルシウム足りてない系男子〜w」
王「ブルータスお前もかぁ!」
うざい勇者「じゃあ親睦を深めるってことで、王ちゃまにはテキーラ一気やってもらいましょ〜W」
王「出来るかぁ!何かやばいイメージあるぞ、それ!?そんなん言うならお前がやれや!」
うざい勇者「は?いや、俺そういうキャラじゃねえし。何お前、空気も読めないの?」
王「俺かてそんなキャラちゃうわぁ!何こいつぅ!?空気読めねえのお前だろが!」
大臣「でもテキーラ一気しないといけない空気じゃないですか?」
王「こいつが急に作った悪い空気だろが!なんでそんなん読まなきゃいけねんだよ!てめえで責任取れや!」
72: 1:2015/3/25(水) 00:41:44 ID:v9MSuJK322
王「糞がぁ!何で俺にそういうことやるんだよ!敵にやれよ!煽って平常心奪ったれや!」
大臣「そうですね。この者を有効活用するにはそれがいいかもしれません」
王「おお、何か急にいい感じにまとまりだしたな!それでいいな、お前!?」
うざい勇者「テキーラ一気はどうなったんだよ?」
王「流れただろ、その件ぃ!?何で戻った!?何でまた拾ってきたぁ!?」
うざい勇者「やれよー王ちゃまーW一気一気ぃW」
王「異常なまでの執着心かよ!?うざいわぁ!ていうか単芝もいい加減うざいわ!」
王「大体何で大文字なんだよ!普通小文字じぇねえの!?訂正してくれや!」
うざい勇者「こんな感じっすかW」
王「それ半角だからぁ!求めてんの全角の小文字!プリーズ全角の小文字ぃ!!」
うざい勇者「プリーズ王ちゃまのテキーラ一気W」
王「あああぁぁぁ!死ねええぇぇ!おおぉああぁぁぁ!!」
大臣「王様が壊れたので、効果の証明は出来たでしょう。じゃあ次の勇者いきますか」
73: 1:2015/3/25(水) 00:43:41 ID:v9MSuJK322
勇者マン「私が勇者マンだ!」
王「なんだよ勇者マンって!?勇者とヒーローで何か若干被ってんだろ!」
勇者マン「……」スッ
王「ああ!?何だこの紙!?何か書いてある……説明しよう、勇者マンは勇者の力を宿したヒーローなのだ」
王「……俺にナレーションさせてんじゃねえよ!自分で言え!自己紹介を他人に託すな!」
大臣「でもこういうのって大体ナレーションが言うものじゃないですか?」
王「だからって俺がナレーション担当するとは思わなかったねぇ!他にそれ専用の奴がいるか思ったわ!」
王「そんでてめぇは強ぇのかい!?強くないと困りますけどぉ!」
勇者マン「……」スッ
王「また紙!?えっと……説明しよう、勇者マンは総合格闘技で23勝3敗の成績を誇るのだ」
王「強さの説明が現実的すぎるわぁ!立派な成績だけどさぁ!勇者でヒーローだろ!?何かこう、ファンタジー的な強さねぇのかよ!?」
勇者マン「……」スッ
王「今度は何……説明しよう、王は現実と妄想の区別がついていないのだ」
王「うるせぇよ!一応ここ中世ファンタジーな世界観だからぁ!ここでは魔法こそが現実なんだよ、馬鹿がぁ!!」
74: 1:2015/3/25(水) 00:46:22 ID:v9MSuJK322
子供達「勇者マーン!!わー!!」
王「何々急にぃ!?何かガキ共来たけどぉ!?」
大臣「そりゃヒーローには子供が付き物ですから。子供も来たりするでしょ」
勇者マン「皆、ありがとう!皆の応援を力に変えて、勇者マンは今日も悪を倒すぞ!」
王「待って待って!いきなりうちをヒーローショーの舞台にされても困るぅ!」
子供達「今日もマウントとってからのパウンド連打で悪を倒してー!!」
王「倒し方がやべぇよ!戦いの悲惨さがリアルに伝わるだろぉ!!生々しすぎんよぉ!!」
大臣「説明しよう、マウントからのパウンドとは、仰向けの相手に馬乗りになって顔面とかをボコボコ殴ってる状態なのだ」
王「お前急にナレーション職奪ってんじゃねぇよ!別に思い入れないから、いいのはいいんだけどね!」
大臣「説明しよう、勇者マンは試合中興奮するから、レフェリーの制止も無視して殴り続けるのだ」
王「屑じゃねぇか!?勇者やヒーロー的な正義感ないわけぇ!?むしろお前が悪だよ!」
子供達「レフェリー試合止めんの早ぇよー!!もっと殴らせろー!!」
王「子供にもバッチリ悪影響出てんじゃねぇかよ!格闘技をルールのあるスポーツにするためにも、選手の安全のためにも、そういうの大事だろが!」
大臣「説明しよう、勇者マンは全然殴り足りないから無視して殴るのだ。相手がどうなっても勇者マンには関係ないのだ」
王「悪の化身ですわ!!もういい、とりあえず強そうだからゴブリン達倒すのは頑張って!その後ヒーロー界から追放されろ!!」
大臣「その辺の作戦会議は全員集まってからにしましょう。ということで、次の勇者いきましょう」
75: 1:2015/3/25(水) 00:48:04 ID:v9MSuJK322
不審者勇者「ふ、ふっふふ……不審者勇者……ふふ……」
王「大臣!何か怪しい奴来たけどぉ!?」
大臣「そりゃそうでしょう。彼は不審者勇者なんですから」
王「何なの!?それがゴブリン達倒すのに何か役立ちますかね!?」
大臣「いやあ、わかりませんよ。そんなん聞かれても困りますね」
王「じゃあ何で採用に至ったぁ!?何かなかったの、長所ぉ!?何で面接までして通しちゃったぁ!?」
大臣「怪しさマックスですからね。何か秘めたる力でもあるのかなあって思いまして」
王「そんな想像だけで通しちゃう!?どんだけロマン追い求めてんだ!堅実な生き方を選べよぉ!」
大臣「とりあえず本人がいるんですから、それで確認すればいいじゃないですか。あなたは勇者活動に役立つ特別な力を持ってますか?」
不審者勇者「あっ……そのっ……あっ……うっ……」
王「会話にならないよねぇ!!イエスかノーでいける質問でしょうよ!!何でそれも出来ないかなぁ!?」
大臣「怪しいですね。はっきり答えられないのは何かやましいことでもあるからじゃないですか?」
王「こうして不審者認定されてくんだろうな、人は!でも仕方ないよ!怪しいもんマジで!」
76: 1:2015/3/25(水) 00:49:57 ID:v9MSuJK322
不審者勇者「ふっ……ふひっ……ひひっひっ……」スッ
王「ちょっ何々!?何で後ろに立つの!?何か怖いんだけど!」テクテク
不審者勇者「ふふっ……うふっ……」テクテク
王「何でついてくるの!?帰る方向一緒なの!?ていうかここもう俺ん家みたいなもんだけどねぇ!」ダダダ
不審者勇者「アハ……アハハ……アハハハハァ!!」ダダダ
王「走ってきたぁ!?俺に合わせて走ってきたよぉ!?これ完璧に俺を追ってますよねぇ!?」
不審者勇者「フハハハハァ!!」シャキン
王「ナイフ出してきたぁ!!もうこれ不審者の域超えてんよぉ!!何かしらの実行犯です彼ぇ!!」
大臣「これは怖いですね。この恐怖心はゴブリン達を慌てさせるのに役立つんじゃないですか?」
王「その前に俺が大変ですぅ!説明しましょうか!?俺今馬乗りになられてナイフ刺されそうになってるんですねぇ!!」グググ
王「今はどうにかナイフ持ってるこいつの手を押し返してっけどぉ!!力負けしたらそのままブスッなんです!わかるぅ!?」グググ
大臣「それでは王様。四名が出揃ったわけですし、ゴブリン達を倒すべく采配を振るってください」
王「無視ぃ!?俺を助ける件とかないのかよ!?下手したら俺死ぬよ!?また死ぬよ!?」グググ
77: 1:2015/3/25(水) 00:51:16 ID:v9MSuJK322
うざい勇者「王様死ぬんすかWマジ受けるっすねWネットに晒していいすかW」
将軍勇者「貴様も武士であるならば、潔く腹を切ってみせい!」
大臣「説明しよう、こんなおっさんが一人二人死のうが勇者マンには関係ないのだ」
王「あ、どうしよう!このまま死んだ方がいいような気がしてきたの、私ぃ!!」グググ
大臣「そんなに人生に絶望してるんですか?」
王「そうなんだよぉ!!周りに屑しかいねぇもん!!死を選ぶほどに世界は腐ってます!!」グググ
大臣「死んでもらっては困りますよ。王様が死んだら、誰が采配するんですか?」
王「心配はそこなんだろ!?俺の命的にはどうでもいいんだろ!?もう嫌だ、諦めて楽になりたい!!」グググ
大臣「じゃあせめて采配振るってから死んでください」
王「あー泣きそう!生きるのってこんなに過酷だったっけぇ!?いつから人生って歪んじゃったんかなぁ!?」グググ
大臣「人生、誰しもが生きるだけでも難しいんです。でも、だからこそ素晴らしい」
王「俺のだけハードモードだし、素晴らしさのすの字もございませんけどねぇ!!」グググ
78: 1:2015/3/25(水) 00:53:13 ID:v9MSuJK322
王「とりあえず不審者勇者は五面な!で、ゴブリン達が来たらすぐに降参しろ!あいつらいい奴だから、降伏さえすりゃ殺しはしねえよ!」グググ
王「そんでナイフちらつかせながら怪しい感じでついて行け!そうすりゃ連中の精神をガリガリ削ってやれっからよぉ!」グググ
不審者勇者「ふひひ……」グググ
王「そんな感じで嫌だなぁ怖いなぁってところを、六面のうざい勇者がとことん煽ってやれ!とにかくメンタル面揺さぶってやんだ!」グググ
うざい勇者「っすW」
王「返事までうぜえなボケがぁ!まあいい、それで、七面の勇者マンが子供の歓声を武器にして戦え!」グググ
王「不審者勇者とうざい勇者のコンボで、苛立ってダーティプレーに走るかもだろ!?そしたら周りは一気に勇者マンの味方になる!その空気に乗って倒せ!!」グググ
勇者マン「応援する子供、多額のファイトマネー、そして簡単にヤれる女ある限り、私は悪を倒すだろう!」
王「本当ヒーロー失格だな、てめえ!お前が悪だろ!そんな悪がもしも突破されたら、最後は八面の将軍勇者だ!」グググ
王「なんだかんだ勇者マンは現実的な強さがあるからゴブリン達を弱らせるかもしれねぇ!そこをロバで突っ込んで、トドメ刺したれ!」グググ
将軍勇者「グワペラスは大人しい馬である!誰かに向かって走るなど厳しいだろう!」
王「そこはてめぇの技量でどうにかしろやぁ!!てめぇ将軍で勇者だろうが!!こんな時くらい根性見せろや!!」グググ
王「以上が俺の采配だ!どうだよ大臣!?」グググ
大臣「意外とうまいことまとめますよね、王様って」
王「こんな屑共を相手によくやるよね!意外と才能あるんかもね!!あるから何!?って話だけどねぇ!!」グググ
王「そういうわけで、勇者達よ、魔物達を打ち倒すのじゃ!不審者勇者はそろそろ殺しにかかるのやめてぇ!!お願いだからぁ!!」グググ
79: 1:2015/3/25(水) 00:55:04 ID:v9MSuJK322
翌日
大臣「ゴブリンとヘルドラゴンに八面まで突破されました」
王「やっぱりか!どんだけ意外に良い配置しようと、肝心の勇者達は屑なんだもんね!」
王「そんで、今回はどんな感じで駄目だったんですの!?教えてくれません!?」
大臣「まず五面の不審者勇者なんですが、ゴブリン達が来る直前に職質を受けてしまいまして、その間に素通りされました」
王「職質受けたんかよ!?いや、確かに怪しいけど!怪しいってか、実際にナイフ持ち歩いちゃってるけどもぉ!!」
大臣「六面のうざい勇者はゴブリン達を前にしてビビってしまい、どうぞどうぞと道をあけてしまいまして」
王「うっざあぁ!!何を強い相手に媚び諂ってるんだ!?どうせこいつあれだろ!?このあと陰で「大したことなかった」とか言うんだろ!!」
大臣「七面の勇者マンは子供の歓声を力にしようと試みたんですが、何か途中から子供達がゴブリン達を応援し始めてしまいまして」
王「ぶっちゃけゴブリン達のが正義だもんね!子供達見る目あんじゃん!少し未来が照らされた気がするよ!」
大臣「そのまま子供達の応援を力に、ゴブリン達は勇者マンを撃破しました」
大臣「で、その後八面に進んだわけですけど、そこで将軍勇者がロバに乗って突撃しました」
王「おう、いいじゃん!それでそれで!?」
大臣「落馬しました」
王「将軍何やってんだオラァ!!ようやく勇気見せたな思たらこれだわ!」
大臣「落馬で深刻なダメージ負ったところに、ゴブリン達にトドメ刺された感じですね。ロバは行方不明です」
大臣「……どうしましょう?」
王「俺の台詞だねぇそいつぁ!!今俺が最も欲する台詞ですぅ!!」
80: 1:2015/3/25(水) 00:56:23 ID:v9MSuJK322
王「本当どうすんだよ!?実質ノーダメで今八面だぞ!?王都陥落の未来しか映らないよ、この瞳!!」
大臣「これはまずいですね。明日辺り良い勇者を四人集めないといけませんね」
王「お前の楽観視は先天性の病気なのかな!?過去の例から予測とか出来ません!?」
大臣「過去はもう過ぎたことですから。俺はもう輝かしい未来しか瞳に映っていません」
王「おめぇの目に映る世界どんなんだよ!?一度見てみたいよねぇ!!」
大臣「とりあえずゴブリン達は八面で待ってるみたいなんで、明日また勇者を集めて、今度こそ倒しましょう」
王「その点はゴブリンさん方に感謝ですわ!向こうがその気だったら、俺ら今頃死んでるもんね!」
王「でも問題はそれだけチャンスをいただいても、応えられるほど勇者事情が芳しくないことだわ!絶望が先延ばしになってるだけです!」
大臣「ならば明日の勇者達によって、憎き魔物共を絶望の淵に叩き込むだけです」
王「ねえ幻覚とか見えてるの!?何でそんなこと言えるの!?今更ちゃんとした勇者が来ると思ってるの!?」
大臣「いやあ明日が楽しみになってきましたね」
王「巡る日々に楽しさなど無くなったんだよ、既に!昇る朝日に震えるしかないんだよ、俺ぁ!!」
81: 名無しさん@読者の声:2015/3/25(水) 19:08:29 ID:kGtEL59zpQ
王様に線香あげる準備しなきゃ
支援
82: 1:2015/3/26(木) 01:27:32 ID:v9MSuJK322
>>81
支援と線香ありがとうございます。
この線香は使われることはあるのでしょうか?
その辺の答え合わせも含めて、投下していきます。
83: 1:2015/3/26(木) 01:29:23 ID:v9MSuJK322
翌日
大臣「王様、九面から十二面を守る勇者を募ったところ、四名の勇者が集まりましたよ」
王「もう終わりだよ!今からネタバレしてやる!十二面まで突破されて俺達は殺されます!以上!!」
大臣「それは嘘ですね。何故なら、これから俺達は勇者と共にゴブリン達を倒すからです」
王「じゃあさっさと勇者を紹介しろ!だったらお前が間違ってると証明できるから!」
大臣「わかりました。では今回集まってくれた勇者を紹介致します」
大臣「現在、邪気眼勇者・荒らし勇者・リセットさん・歯医者の四名が集まっています」
王「勝てるわけねえよおおぉぉ!!何なんだ、その四人!?どういうコンセプトの四天王だ!?」
王「お前言ったよな!?四名の勇者が集まった言ったよな!?お前後半の二人も勇者だと言い張るんか!?おおコラァ!?」
大臣「肩書きにこだわるのではなく、勇気をもって誰かを救う人を勇者と呼びたい……そう思ってます」
王「だとしても勇者じゃないですから!最後の方、救えて歯くらいですから!人を救うかもしれないけどジャンルが違うからぁ!!」
大臣「とりあえず実際に見ましょうよ。何で知りもせずそんな罵るんですか?」
王「肩書きだけで大体わかっちゃうからだよ!この中でまともに戦える奴がいてごらん!?驚くよね、それはぁ!!」
84: 1:2015/3/26(木) 01:31:36 ID:v9MSuJK322
邪気眼勇者「血塗られた現世に解き放たれたカルマ……邪気眼勇者だ」
王「何言ってるの、この人!?頭おかしいの!?」
邪気眼勇者「確かに狂っているかもしれない。この身に封じた妖狐は未だ暴れて俺を乗っ取らんとする……俺はまだ俺でいるのか?」
王「もう嫌だよ!まず絡むのがしんどい系の勇者だよ!絡めば俺の精神が削られちゃうよ!」
大臣「しかし妖狐なんて物を封印できるのであれば、それなりの実力者ではないのですか?」
王「言ってるだけだろ!どうせ口だけだろうよ!証拠どこにあんだよ!」
邪気眼勇者「信じられぬは弱き人間のカルマ……信無き心に神、つまり俺からの救いは無いと知れ」
王「今度は神気取りかよ!お前何者なんだよ!?仮にも神なら封印してないで倒し切れよ!」
邪気眼勇者「……ぐっ!!静まれ……!!俺の中に封印されし、妖狐・鬼・七歩蛇・ヤマタノオロチ・カルマ・ジバニャンよ、静まれ!!」
王「お前の体ん中賑やかだな!?どんだけ人気物件なんだよ!!あと後半のおかしさだよ!!」
王「ヤマタノオロチでカタカナ出てきたから違和感なくいけると思ったか!?いけるわけねぇだろ!!ジバニャンだぞ!?」
王「大体カルマ封じてるて何!?妖怪か何かだと思ってんの!?意味わかってんの!?」
邪気眼勇者「脳髄を満たす電磁の魔道書」スッ
王「電子辞書開いてんじゃねぇ!そういえば意味知らなかったなあ、じゃねぇんだよ!!」
大臣「知らない物を即座に調べて知識とする、立派なことじゃないですか。何がご不満です?」
王「不満に決まってんだろ!人に披露する前に予習は済ませとけよ馬鹿!」
85: 1:2015/3/26(木) 01:33:46 ID:v9MSuJK322
王「こんな糞野郎でどうやってゴブリン倒せばいいんだよ!?」
大臣「簡単じゃないですか。彼は体の中に敵を封印できるんですよ?ゴブリン達も同じようにすればいいんですよ」
邪気眼勇者「っ!?」オロオロ
王「本人面食らってるけどぉ!?どうしよう嘘がバレちゃうよって顔してっけどぉ!?」
邪気眼勇者「……我が体に巣食う魍魎は奇しくも実力高き強者共よ。残念だがそれは貴様のカルマ……封印の隙はない」
大臣「満室だからもう入れられないってことですか?じゃあカルマとかジバニャン辺り出せばいいじゃないですか」
邪気眼勇者「……」ウルウル
王「助けて王様嘘バレたくない、じゃねえんだよ!!知らねえよ、そういう設定で売り出したのお前なんだから!こっち見んな!」
大臣「いやあゴブリンとヘルドラゴンが八面まで突破した時はどうなるかと思いましたけど、これで一安心ですね」
大臣「両者共カタカナですし、ヤマタノオロチの後に続いても違和感ないでしょうし、何も問題ないですね!」
邪気眼勇者「射し照らされた光に向け、今こそ純白の翼を纏い飛び立ち、この魂を救済しよう。†邪気眼勇者†」
王「死にたい、じゃねえんだよ!!くどい言い方しやがって!!どう文字打ったら†に変換されんのか調べちゃっただろ!」
大臣「短剣符っていうんですね、あれ。知りませんでした」
大臣「何はともあれ、これで勝ったも同然です。ですが、せっかくなので残りの勇者も見ていきましょう」
86: 1:2015/3/26(木) 01:36:45 ID:v9MSuJK322
荒らし勇者「どうも、荒らし勇者っす」
王「とんでもねぇ勇者来たな!とても勇者に似つかわしくない名前だぜ!!」
大臣「ユーアーマイソウッ!ソウッ!いーつーもすぐそばにあるー♪」
王「違う違う!そのあらしじゃない!もっと質の悪いあらし!」
大臣「それはそうと、俺、松潤に似てると思いません?」
王「やめよう!そっち方面でふざけると、深い闇を相手にすることになるよ!」
荒らし勇者「まとモバ荒らしていいっすか?」
王「それもやめよう!SS書かせていただいてる掲示板だよ!?恩を仇で返しすぎだよ!」
荒らし勇者「ここの住人スルースキルねえからちょっと煽るだけですぐ口論になるんすよww」
王「だからやめろって!これ完結しても、今後もここ使い続けるんだから!」
荒らし勇者「暴言吐きながら反対意見出したら後は勝手に荒れてくれるんで、本当に荒らしやすいサイトっすわwww」
王「ここだけレス削除頼むか、おい!?そういうの本当にやめない!?このサイト本当お世話になってんだからさ!」
大臣「お世話になってるからこそ、批判をすることも大事でしょう。問題点と向き合うことは、改善点を見つけるための大事な作業です」
王「だからって、荒らしの立場から物言うみたいな感じ出すのやめて!?荒らしなんかしたことないっすよ!マジっすよ!!」
87: 1:2015/3/26(木) 01:38:40 ID:v9MSuJK322
荒らし勇者「じゃあまとモバは荒らすのやめます。代わりに王様のブログでも荒らすかな」
王「それもやめてぇ!?俺のブログが真っ赤に燃えるよぉ!!」
大臣「ロリキャラとかを語るブログになるんですか?」
王「だからそのもえるじゃねぇんだよ!!何なの!?違う漢字で当てはめるの、大臣の中でブームなの!?」
荒らし勇者「よーし、炎上したww」
王「もうやっちゃってんじゃんよぉ!!うわあ、根も葉もない噂ですっごい叩かれてる!!」
大臣「でもその分アクセス数増えてるじゃないですか。よかったですね」
王「こんな人気の得方だけは避けて生きてたかったよ!!もうブログ封鎖しようかなぁ!?」
大臣「……と、このように、荒らし勇者は荒らしや炎上という手法で、相手を揺さぶることができます」
大臣「これでゴブリン達も苦しむことになりますね。戦闘で有利になりますよ」
荒らし勇者「でもゴブリン達だと厳しいかもしれないっすね。国民から信頼されてる相手だと、ネットの悪い噂なんか全然信じてもらえないっすし」
王「ってことは、俺は信用されてなかったのかよ!?一国の王が!?悪い噂出たら、証拠もないのに「やっぱりね」って!?」
大臣「まあ……王様ですしねぇ……」
王「うるせえよ!!おめえが言うなよ!おめえだけは言うなよ!!」
大臣「とりあえずゴブリン関連の荒らしは荒らし勇者に任せましょう。餅は餅屋ですしね。じゃあ次の勇者いきましょうか」
88: 1:2015/3/26(木) 01:42:06 ID:v9MSuJK322
リセットさん「くらぁ〜っ!!何回オマエは勇者を選び直しとんじゃ〜っ!!」
王「えー何!?何か地面から出てきたよぉ!?」
リセットさん「あ、どーもどーも。ワシ、リセットいいます。勇者選定センターやっとる者ですわ」
リセットさん「って、リセット監視センターちゃうんかい!なんやねんそれ!まずここどこやねん!」
王「いや、俺はリセット監視の方にも疑問持ちたいんすけど!?今この展開が何なんすか!?」
リセットさん「ふー……ちょっと落ち着かんか?お互い大声張り上げてしんどいやろ?」
リセットさん「ワシもね、そんな若くないねん。声張るだけで疲れがドッと来んねん」
リセットさん「見たところキミも若くないし、そういう苦労はわかってもらえると思うんやけどな」
王「そ、そうですね。いつも死ぬほど叫んでるんで、その苦労は嫌というほどわかります。あれ、大臣いないんすか?」
リセットさん「わかってくれるやろ?そやねん、ワシも好きで叫んどるわけやないねん。そこはわかってほしいねん」
リセットさん「じゃあ何で叫んどるかっちゅう話になるやろ?キミ、何でかわかるか?」
王「いや、すみません……ちょっとわかんないですね……」
リセットさん「キミ、勇者を何人も何人も変えとるやろ?人を使い捨て感覚で。ワシはそれを注意しに来たねん」
リセットさん「勇者って大層な存在やん?普通は替えがきかんやん。せやから勇者一人に世界の命運託さなあかんねんな」
リセットさん「でもキミの場合、ちょっと特殊な世界で、何人も勇者が居るのをええことにガンガン選び直しとるやろ?」
リセットさん「ワシはそれに警鐘を鳴らしに来たわけやね。そういうことしたらどうなる?勇者の価値がガンガン下がるやん」
王「いや、勇者の価値が下がるのは、どう考えても勇者のせい……」
リセットさん「いや、キミの責任でもあるで。あんだけ使い捨てたら、何や勇者って大したことないやん、誰でも出来るやんってなるやろ」
89: 1:2015/3/26(木) 01:44:51 ID:v9MSuJK322
リセットさん「こんだけ居るんやからぞんざいに扱ってええわっていう考え方もワシはどうかなって思うしやな」
リセットさん「例えば新入社員とか、そんな簡単に切れるか?切れへんやろ?駄目でも、辛抱強く成長促していこうや」
リセットさん「そういう考え方でね、キミにも勇者を大切に扱ってほしい!そう思って、ワシはわざわざゲームからネットにまで来てんねんで」
王「いや、でも絶対勇者と大臣に原因が……」
リセットさん「なんや?不満そうやね、キミ。おっさんがいきなり来て何を説教垂れてんねんって?」
リセットさん「不満やったらワシのがあるっちゅうねん。何でワシは今ここに居んねん?ほんまびっくりやで」
リセットさん「今日も誰かがリセットしてワシが出て行かなあかんやろなー思うやん?したらいきなり人来て、まとモバに行ってください、やで?」
リセットさん「そもそもワシ関係ないよな?ワシの名前何か言うてみ?リセットやろ?勇者要素ゼロやないけ」
リセットさん「そんなワシが何でここまで出向かなあかんねん?あんま言いたかないけどね、まとモバさんの問題はまとモバさんで解決しいや」
リセットさん「そうじゃなくても、今は色々便利やで?ワシがわざわざここまで来んでも電話とかで相談したらええやん。スマホやスマホ」
リセットさん「スマホ言うたらあれやね、そのアプリでリセマラいうのをやる奴が居るみたいやね」
リセットさん「略さず言うたらリセットマラソンね。最初アイテムとかサービスでもらえるみたいやから、ええアイテムくるまで粘ろーいうことやな」
リセットさん「それこそワシの出番や思うんやけどね。やり直しはあかんよ。人生一度きりなんやし、出たとこ勝負せなあかんよ」
リセットさん「任天堂もね、たぶんスマホアプリに進出するやろうし、ワシの出番もあるかもしれんしな。アプリでも、絶対リセットするのは許さんからな!」
リセットさん「なんや、ええやんけ。まとモバまでわざわざ来たんや。宣伝くらいさせてえな。来るだけでも大変やったんやで?」
リセットさん「最後脱線したけど、要は勇者大事にってことや。じゃあワシ帰るわ。キミを信じるからな?ゲームからネットへの行き来は大変やし、ワシもう嫌やからな?ほな!」
大臣「……帰りましたね。王様、彼を使ってゴブリン達を倒してくださいね」
王「倒せるわけねえだろ馬ぁ鹿!!長ぇんだよ、話ぃ!!」
90: 1:2015/3/26(木) 01:45:48 ID:v9MSuJK322
歯医者「歯医者です」
王「立て続けに何なの!?いいの!?面数的にラストでしょ!?こんな変化球続きでいいの!?」
大臣「それ言い出したら、前もラストは気持ちは勇者ですからね。今更でしょう」
歯医者「私は自分に誇りを持ってます。私は、皆の歯を治してあげたいです」
王「魔物退治の意気込みが聞きたかったなぁ、俺!歯をどうにかしたいだけならここに来ないでほしかったなあ、俺!」
大臣「歯って大事ですよ?白い歯は健康の証です」
王「でも歯医者が戦闘で何出来るってんだよ!?歯治すんだろ!?敵の健康を保証して回るんか、あぁ!?」
大臣「とりあえず王様も診てもらったらどうですか?」
王「話の逸らし方の下手さよ!敵の倒し方をもっと掘り下げたいんだよねぇ!無理かなぁ!?」
歯医者「王様、口を開けてください」
王「そしてお前も診るんだな!?せめてこれだけ答えない!?倒せる自信はあんの!?」
歯医者「お、虫歯出来てますね。治療しておきましょうか?」
王「スルーしますねぇ!!いっそ潔いけどさぁ!!あと虫歯は治療しといてぇ!!」
歯医者「わかりました。では……」
歯医者「……残念ですが」
王「首横に振ってんじゃねぇよ!てめぇ歯医者だろが!?虫歯治せなかったら何が出来るんですか!?」
91: 1:2015/3/26(木) 01:46:57 ID:v9MSuJK322
大臣「この程度の腕なら、ゴブリン達の歯が治ることもないでしょう。倒すのに役立ちますよ」
王「元々悪いんだったら、それは向こうの自滅だろがぁ!!結局何の役にも立たねぇよ、こいつは!」
歯医者「聞き捨てなりませんね。この私が役に立たないなんてね」
王「お前だけは聞き捨てろよ!正当な評価だろ!?虫歯の治療が出来ない歯医者なんて、何の価値があんだよ!?」
歯医者「ならば今日ここで治療して、その汚名を返上します。王様、痛かったら手を上げてくださいね」チュイーン
王「待って待って!嫌だよ!!お前のチュイーンいう奴、不安で仕方ないんだけど!?」
歯医者「わがまま言ってたら治る物も治りませんよ。……いきます!!」チュイーン
王「あがああぁぁ!!あがががあああぁぁぁっ!!」ポロポロ
王「んぐぐうぅ〜っ!!んんんぐううぅぅ〜っ!!」スッ
歯医者「我慢してくださーい」チュイーン
王「んんん〜っ!?んんぐぐぅ〜っ!!」ポロポロ
大臣「うわ、口ん中血塗れになってら。痛そーwww」
歯医者「はい、これで終わりですよー」
歯医者「……残念ですが」
王「首横に振ってんじゃねぇよぉ!!失敗したんか!?人の口ん中血の海にしといて、失敗したんか、お前ぇ!?」ポロポロ
大臣「ふふっwwあの、それをゴブリン達にやったら、結構ダメージ与えられるんじゃないですか?……ぶふぉっwww」
王「お前もお前で人の不幸を笑ってんじゃねぇよ!!お前もやられろよ!!何でいつも俺ばっかなんだよ!!」ポロポロ
92: 1:2015/3/26(木) 01:49:21 ID:v9MSuJK322
王「痛いよぉ〜……何かもう痛すぎて思考が巡らねぇよぉ〜……」ポロポロ
大臣「でもそれは王様の都合ですからね。采配はきっちりやってもらいますよ」
王「集まった勇者で大臣ぶっ殺してやりてぇよ、もう……」ポロポロ
大臣「何言ってんですか。ゴブリン達をぶっ殺すために集めたんでしょ。対象を間違えてどうするんですか?」
王「悪をぶっ殺して平和を確たる物にすんのが勇者だろ……あながち対象間違ってねぇよ……」ポロポロ
大臣「いつまで泣いてんだよハゲ。いいからさっさとまとめろや屑」
王「うるせえよ!!お前も薮医者つかまされてみろや!!号泣すっから!!あとハゲじゃねぇわ!!お前が屑だわ!!」
歯医者「治療ミスくらいで女々しいお方ですね」
王「やらかした本人が何だその態度はぁ!?全然くらいじゃねぇから!!治療ミスとか結構な事件だから!!」
邪気眼勇者「†血†塗†れ†た†堕†天†使†の†悲†し†き†カ†ル†マ†」
王「くどいわ!!何か色々言いたいけどとりあえずこれだけ!くどいんすわぁ!!気に入ってんじゃねぇよ、短剣符ぅ!!」
王「ああもうわかったよ!!采配でしょ采配!!面数的にこれが最後だし、さっさと決めて終わらせよう、この地獄!」
荒らし勇者「リセットさん帰ったけどどうすんの?」
王「知らねえよ!!何か連絡手段はあるっぽいから連絡しといてくれやぁ!!」
93: 1:2015/3/26(木) 01:51:39 ID:v9MSuJK322
王「……まとまったから言うぞ」
王「まず九面に歯医者な。俺を血まみれにしたように、ゴブリン達もチュイーンてやってやれ」
王「そこで出血させたら今度は十面の荒らし勇者がゴブリン達のブログとかを荒らして精神的に揺さぶる」
王「肉体的にも精神的にも傷ついたら、十一面のリセットさんが長い説教で時間稼ぎだ。その間も口の出血は止まんないだろうし」
王「そして最後に邪気眼勇者だ。……封印の件、信じるからな?信じるからな!?」
大臣「なるほど、前の三人で弱らせて、最後は邪気眼勇者に封印させると。良い作戦ですね」
邪気眼勇者「†封†印†と†い†う†嘘†に†踊†ら†さ†れ†る†僕†ら†は†マ†リ†オ†ネ†ッ†ト†」
王「今嘘言うたなお前ぇ!?意外とそこまで見えづらくはないからね!見逃せないねぇ!!」
大臣「八面まで突破されてどうなることかと思いましたけど、どうにかなりそうですね。これで安心です」
王「何に安心したの!?この地獄がお前の安息地なの!?今嘘言うたの聞いてなかったのぉ!?」
歯医者「はやく戦場へ送ってください。このたぎる血、もはや抑えられそうにありませんよ」
王「お前はどういうキャラなの!?歯医者でしょ貴方!?自分の血の前に俺のこの血の責任取れや!」
大臣「まあでも歯医者の言う通りですよ。ここに勇者がいてもしょうがないですよ。王様、ご命令を」
王「あーあ、これで明日には死ぬんだろうな!俺にとってそれは良いのかな!?悪いのかな!?わかんねぇよ!」
王「ひとつだけわかんのは、これしかもう道がねぇっていう残酷な現実ですわ!……勇者達よ、魔物達を打ち倒すのじゃ!」
94: 1:2015/3/26(木) 01:54:34 ID:v9MSuJK322
翌日
大臣「大変です、王様!勇者が全滅し、全面突破されました!まもなくゴブリン達がこの城にきます!」
王「わかってたよ!お前が新システム説明した瞬間からもうわかってたよ!」
大臣「邪気眼勇者め……体の中に封印できるというのは嘘だったか……!」
王「本人言ってたよ!?嘘って言ってたよ!よく読めよ!!推理物苦手かよお前!?」
大臣「このままやられるのを待つしかないんですかね……」
王「とりあえずさあ、どう駄目だったか報告してくれや!一応やっといた方がいいと思うし!」
大臣「わかりました……まず九面の歯医者なんですけど、二人を診たものの悪い歯が見つからずチュイーンて出来なかったそうです」
王「やってよぉ!治療に見せかけた攻撃が目的なんだから、全部健康的な歯でもやってよぉ!!」
大臣「十面の荒らし勇者は、ネットでは調子のれますけど、現実だと口ごもる糞雑魚に過ぎないので、早々に降参してしまいました」
王「いや、だからブログとか荒らすって話じゃなかったっけ!?ネットだと調子乗れんだろ!?俺のブログ荒らしただけじゃん、こいつ!」
大臣「十一面のリセットさんは、何かゲームの方でリセットした人がいるって、そっちの方に行っちゃって、来れませんでした」
王「そりゃそれが本職だけどさぁ!結局宣伝しに来ただけじゃん!宣伝するなら最低限の仕事もしてよぉ!!」
大臣「そして十二面の邪気眼勇者は、実は封印なんてできなくて、短剣符を武器に戦いましたが敗れました」
王「あれ物理的に武器に出来るの!?†これ持てるの!?それちょっと衝撃なんだけどぉ!!」
大臣「残念ですが……まもなくゴブリン達が来るでしょう……この国は終わりです……」
王「そんなわかりきってたことはいいから、短剣符の件掘り下げねぇ!?何気凄くねぇ!?あれ、興奮してんの俺だけか!?」
95: 1:2015/3/26(木) 01:56:58 ID:v9MSuJK322
大臣「このままでは終わりですが……最後の最後まで、自分に出来ることをします!」
王「何で自分の体を縛り付けてんの!?命の危機に頭おかしくなったんか!?あ、元からかそれは!」
ゴブリン「王はいるか!その命、もらい受ける!」ドアバーン
ヘルドラゴン「幾多の悪行もこれまでだ!覚悟しろ!」ドアバーン
大臣「助けてください!こいつに捕まったんです!」ポロポロ
王「大臣んんん!?おま、何言ってんのぉ!?自分にできることって、保身かよ!?」
ゴブリン「あなたは魔王様と共にいた方……なるほど、悪しき王に捕まっていたのか……この外道め!」
王「違います!違います!!そいつが悪なんすよ!そいつが悪なんすよぉ!!」
ヘルドラゴン「嘘を付け!こんなに縛り付けて!かわいそうに、恐怖に震えて涙している……」
大臣「怖かったよぉ……死ぬかと思ったよぉ……」ポロポロ
王「俺はお前が怖いねぇ!!俺売ってまで生きたいか!?お前の命にそんな価値があんのかぁ!?」
ゴブリン「黙れ、悪魔め!この国を腐らせた原因……ここで絶つ!!」
王「違う違う、勝手に腐っていっただけなんだってぇ!!俺の眼見て!腐ってないでしょ!?沖縄の海のように澄んでるでしょぉ!?」
ゴブリン「お前の眼を?眼っていうか、顔に見覚えが……あっ!昔俺に襲いかかってきた奴!?」
ゴブリン「そうか、伝説の勇者を名乗ったあれが貴様だったか……仕留めたと思ったが、まだ生きてたか!」
ヘルドラゴン「ゴブリンさんは正義そのもの。そのゴブリンさんに襲いかかったお前は……完全なる悪!」
王「詰んだああぁぁー!!この流れ、もう俺終わったああぁぁー!!」ポロポロ
96: 1:2015/3/26(木) 01:58:24 ID:v9MSuJK322
王「やめてええぇぇー!殺さないでええぇぇー!」ポロポロ
ヘルドラゴン「ゴブリンさん、どうします?」
ゴブリン「いくら極悪非道とはいえ、戦意喪失した者を殺すのはどうだろうか。生きていれば改心のチャンスもあるわけだしな」
ヘルドラゴン「生かして捕らえると?」
ゴブリン「そういうことだ」
王「それはそれで最悪だよぉ!!本当生き返りたくなかったぁ!!死んだまま救われてたかったぁ!!」
ゴブリン「何?死にたいのか?」
王「すいません!なんだかんだ死ぬの怖いです!もう生まれの不幸を呪いながら生き続けることにします!」
ヘルドラゴン「ゴブリンさん……これで、終わりなんですかね?」
ゴブリン「今この世界に蔓延ってる悪はこれで消えるだろう。だけど、残念ながら悪はいつの時代も現れる」
ゴブリン「だけどその都度、俺達が立ち上がればいい。俺もお前もいる。それに、魔王様や大魔王様だっているんだからな!」
王「気づいてぇ……目の前で悪の根源が自由になってるんですぅ……」
大臣「脳筋馬鹿は騙しやすくていいすわwww」
ヘルドラゴン「ん?」
大臣「いえいえ、助けてくださってありがとうございます、お二方」
ゴブリン「……悪は捕らえた。人質も助け出すことが出来た」
ゴブリン「これ以上ない成果だろう。……帰ろう、魔界へ!」
97: 1:2015/3/26(木) 02:00:24 ID:v9MSuJK322
翌日、魔界
魔王「ゴブリンから報告を受けたが、諸悪の根源は牢獄に包まれたそうだ。おそらく大臣のことであろう」
魔王「あの屑が捕らえられたとあっては、この世界もしばらく平和に包まれるだろう」
魔王「もうあの悪魔に怯える必要もないのだ。我らは平穏に包まれし生活を送れるのだ!」
魔王「……だが、我らのやることはそれだけではない。上の役目は武力で悪を屠るだけではない、民を導く責任感に包まれてもいるのだ」
魔王「戦いのジャンルが変わるだけで、我ら上の者が安らぎに包まれる暇はない。民のため、毎日を戦うような物だ」
魔王「その補佐をして我を助ける新しい部下も今日から配属となっておる。久方振りに希望に包まれておるわ」
魔王「民が安心に包まれるよう、これからも努めるとしようぞ!」
ゴブリン「魔王様、本日より魔王城に勤める新人を連れてまいりました」
魔王「ゴブリンか、ご苦労である。さっそくその者を通せ」
ゴブリン「はは!……入っていいぞ」
大臣「おいすー、魔王様ー♪」
魔王「ろくな部下がおらぬわああぁぁー!!」
おわり
98: 名無しさん@読者の声:2015/3/26(木) 07:19:59 ID:IQXOGmA87E
完結おめでとうございます&お疲れ様でした!!!
前作に引き続き、最後の最後まで笑わせてもらいましたよ……てか、最後の〆が秀逸すぎるwww
素敵なSSをありがとうございました!
99: 名無しさん@読者の声:2015/3/26(木) 11:17:26 ID:kQxMUN.Y.E
期待を裏切らない面白さでした!お疲れ様でした!
王様が安らかに牢獄生活を送れるようお祈りします…。
100: 名無しさん@読者の声:2015/3/26(木) 11:54:06 ID:u2hoWvxktk
100
可愛い(?)包まれ魔王様が大好きです!
それにしても、大魔王は最後まで出てこなかったなw
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