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カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編】
[8] -25 -50 

1: ゆったりペースになりますが! ◆WEmWDvOgzo:2014/11/16(日) 20:09:52 ID:N4jwCkModw
1スレ

少年「ボクが世界を変えてみせる」

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/l10

2スレ

カロル「ボクが世界を変えてみせる」

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1385288769/l10

―――あらすじ―――

それは遠い昔のお話
人と人は長い長い争いに身を投じ、互いを許せないまま30年もの月日を互いの血を流すことに費やしました

しかし長い争いはいつまでもいつまでも終わる気配もなく
人を傷付け、愛を蝕み、心は枯れて、命は絶えて、いつしか疲れ果てて……やがては目的さえ見失ってしまいました

そんな終わらない争いの果てに一つのきっかけが巡るのです
それは人と人との争いに無関心だったホビット族に原因があると唱える迷信でした
その迷信はあまりにも唐突で、あまりにも不自然な内容でしたが痩せ細って震える人々、争いに疲れきった国々はホビットに全てを擦り付けて争いを終わらせようと決めたのです

戦争が鎮まった後、各国に迷信を掲げた王国は大規模な宗教団体を立ち上げました
その団体は教団と呼ばれ、戦争を納めた功労者であるノワール・バントン司祭を筆頭に教徒達による布教活動が開始されました

布教の内容はホビット族が人間から゙癒しの力゙と呼ばれる特別な能力を奪ったというもので……
これを軸に様々な悪評を並べ立てて人々の心にホビット族への憎しみを焼き付けます
ありもしない神の作り話にいざなわれ、人々は信者へと洗脳されていきました

それから約40年の間、教団による布教活動は続き、思惑通り人々は順調にホビット族を差別していました
人間はことごとくホビット族の住み処を侵略し、奴隷にしてみたり、愛玩用に飼い慣らしてみたり、時には残酷な拷問を加えて見世物にしたり、罪深き種族と罵って横暴の限りを尽くします


96: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/23(日) 21:59:53 ID:YvuzyYVhZU
兵士2「」チャッ

兵士3「」ヒュンッヒュンッ

兵士4「」ジロジロ

頭目「っ…!」ゴクリ

山賊1「か、かしらぁ〜…」ブルブル

マドラス「3秒以内に答えろ。3、2……」

頭目「わ、わかった!言う!言うからよ!」アセアセ

マドラス「1、0…時間切れだ?」

兵士4「ぬんっ!」ヒュオンッ

山賊1「げはぁっ!?」ザシュッ

ズシャッ

頭目「い、言うって!?」

マドラス「3、2……」

頭目「〜〜!?」

マドラス「いぃち〜…ぜぇ〜…?」

頭目「あ、案内する!その方が分かりやすいだろ!?」

マドラス「よし、案内しろ?」

頭目「(た、助かったぁ……)」ホッ
97: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/24(月) 21:52:53 ID:j5u3Ryt06o
〜〜〜朝〜〜〜

―――老ホビットの家―――

カロル「おじいさまー!遊びに来ましたー!」コンコン

シーン

カロル「おじいさまー?」コンコン

母「…留守なのかしら?」

マルク「」クンクン

カロル「でも…畑にいなかったよ?」

母「きっと水鳥を狩りに出かけてるのよ?
あたし達に振る舞って無くなっちゃったから?」

マルク「わんっ!わんっ!」

カロル「……?どうしたの?」

マルク「」クンクン

カロル「…おじいさまの匂いがするの?」

マルク「あんっ!」

母「え?じゃあ寝てるのかしら…?」

カロル「そっちの小窓から声かけてみよっか?」

母「なに言ってるの!そんなことしたら失礼よ?」

カロル「そうなの?」シュン

母「畑仕事で疲れてるでしょうから、そっとしといてあげましょ?」

カロル「じゃあちょこっと覗いてみるだけ!それならいいでしょ?」

母「…起こさないようになさいね?」

カロル「はーい」ソーッ

カロル「」ピョンッピョンッ

カロル「…ん!」ガッ ググッ

カロル「(…届かないや)」ガーン
98: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/24(月) 21:54:59 ID:ss79KI2Bic
カロル「マルク、背中に乗っていい?」

マルク「わんっ!」スッ

カロル「ごめんね!よいしょっ」ヨジヨジ

母「覗くだけにしてね?勝手に入ったらダメよ?」

カロル「……うわぁっ!?」ズルンッ

マルク「あぅん?」

母「きゃっ!?」

カロル「あつっ!」ドタッ

母「だ、大丈夫?頭打たなかった?」ハラハラ

カロル「……!ま、マルク!もう一回!」スクッ

マルク「わんっ!」スッ

カロル「ありがとう!」ヨジヨジ

母「あ、危ないわよ!落っこちたばっかりでしょう!?」ハラハラ

カロル「」ガバッ ググッ

母「あっ!ちょっ…!?ぼ、坊や!?入ったらダメって……」アセアセ

シュタンッ タタタッ

母「な、なにかあったの?」

マルク「わんっ!」コクッ
99: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/24(月) 21:56:33 ID:ss79KI2Bic
ガチャッ

マルク「あんっ!」タタタッ

母「坊や!なにしてるの?勝手によそのお家に上がり込むなんて…!」スタスタ

カロル「……!」ピトッ

母「え?きゃああああ!?」ガクンッ

老ホビット「」

母「し、死んで…る?」ブルブル

マルク「クゥゥン……」シュン

母「…な、なんなの……なんで……」ガクガク

カロル「…もっと早く来てたら…助けられたかも……」スッ

母「…と、とにかく一旦帰りましょ!ここは危ないわ!」

カロル「……」グッ

母「坊や?どうしたの?早く……」

カロル「…ダメ。このままにしたらかわいそうだよ」

母「で、でも…!?」

カロル「お世話になったのに…まだちゃんとお礼してないもん。そんなのダメだよ」

母「……そ、そうね。ごめんなさい、あたし…気が動転して……」

カロル「…マルク、おじいさまをおぶって歩ける?」

マルク「うぉんっ!」コクッ
100: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/24(月) 21:59:50 ID:ss79KI2Bic
―――山林(畑)―――

パッパッ タシタシ

カロル「…おやすみなさい、おじいさま」ギュッ

母「……」ギュッ

カロル「…」ボソッ

母「え…?」

カロル「…なんでもないよ」

母「……」

カロル「……」

母「帰りましょうか」スクッ

カロル「……」

母「坊や……」

マルク「クゥン…」ペロッ

カロル「……」

母「辛いけど…初めてじゃないでしょう?」

カロル「…初めてじゃないね。たくさんあった」

母「……」

カロル「ボクに関わった人がたくさんいなくなったよね」

母「なっ…なに言ってるの?それはあなたのせいじゃ……」

カロル「…ホントにそうなの?」

母「当たり前じゃない。坊やが何をしたって言うの?」

カロル「何もしないよ…。何もしないけど…」

母「そうよ。自分を責めてどうするの?」

カロル「…ボクがホビットで癒しの力を持ってるから……」グッ

母「っ…!」
101: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/24(月) 22:06:00 ID:j5u3Ryt06o
カロル「…だから、みんな……っ!」ブワァッ

母「違う…?」ダキッ

カロル「ひっ…!うっ…!えぅっ…」ポロポロ

母「…ホビットでも癒しの力があっても関係ないわ?」サスサス

カロル「けどっ…おじいさまとは…ぇっ…会ったばっかり、なんだよ…?
ひんっ…それなのに…こんなにすぐ……おかしいよ!?」ポロポロ

母「山賊の仕業かもしれないでしょ?」ポンポン

カロル「…こわいよぉ!こわい…!」ギュッ

母「なんで怖いの?何も怖がらなくていいのよ?」

カロル「だって…!おか…さま、いなくなったら…やだもん!」グズグズ

母「…いなくなる訳ないじゃない?お母さんはずーっと坊やと一緒よ?」クスッ

カロル「じゃあ…なんで?なんで…こんなの…こんな…いつも…そうじゃない?」グシッ

母「……」

カロル「もうやだ!やだ!やだ!」カッ

母「」ビクッ

カロル「ボクがいなくなればよかったんだよ…!ボクなんかが…いるからっ!」ポロポロ

パシンッ!
102: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/24(月) 22:08:41 ID:j5u3Ryt06o
カロル「っ…」ヒリヒリ

母「……」ジッ

カロル「……?」ポカーン

母「そんな悲しいこと言わないでちょうだい…?」ギュゥッ

カロル「ふあっ…」ポフッ

母「…あなたまでいなくなったら、あたしは何を支えに生きたらいいの?」スッ

カロル「!」ピクンッ

母「…あなたから大切なお友達を引き離したあたしが……言っていい事じゃないでしょうけど」プイッ

カロル「…ごめ……なさい」シュン

母「…あたしこそごめんなさい。また…ぶったりして」

カロル「ちが…よ。ボクが…いけないの」グズグズ

母「……」

カロル「そういうつもりじゃ…なかったんだよ?お母さまに…言ったんじゃないよ?ホントだよ…?」グシッ

母「…分かってる?」ナデリ

カロル「ホントに…ちがうからね?」ウルッ

母「…帰りましょう?」ニコッ

カロル「はい…」グズッ

マルク「くぅぅ……」ションボリ
103: 名無しさん@読者の声:2014/11/24(月) 23:36:36 ID:qmsELoWm1I
カロル…(´;ω;`)ブワッ

つ支援
104: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/25(火) 21:39:52 ID:29JW/UwDGk
―――山小屋―――

マドラス「外に干された毛布やら蓄えられた食料を見る限り、ここにいたのは間違いなさそうだ?」ギョロッ

頭目「お、俺が知ってる空き家は全部案内しました…。後は俺の下っ端が寝床にしてる小屋しかねぇです…」

マドラス「…嗅ぎ付けられたか」

兵士2「いかがなさいましょう?」

マドラス「ん?なにボーッとしてンだ?」ギョロッ

兵士's「」ビクッ

マドラス「山狩りを強化しろよ?どっかしらにいるだろ?」

兵士2「ははっ!」

マドラス「てめぇの手下も使わせてもらうぜ?いいな?」

頭目「そ、そりゃようござんすが…わ、分け前の方は?」オソルオソル

マドラス「心配しねぇでもたんまりくれてやるさ?なぁ?」ポンッ

頭目「へ、へい!」

マドラス「んじゃこいつから手勢借りて探してこいや。なぁ?」

兵士's「ははぁっ!!」ザザッ

バラバラ バラバラ
105: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/25(火) 21:42:45 ID:29JW/UwDGk
―――山小屋付近の草むら―――

母「なんで王国があたし達を…!?」

カロル「仲直りしたのに……どうして…」

母「……!逃げるわよ!」ガシッ

カロル「ど、どこに逃げるの?」グイッ

母「マルク…!出来るだけ誰もいない方に案内して…!?」

マルク「……!」コクンッ

母「坊や…!走れる?」

カロル「うん…」

マルク「」クンクン

マルク「」ダッ

母「そっちね?」タタタッ

カロル「」タタタッ
106: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/25(火) 21:43:38 ID:E41Ru0zsdI
―――山林―――

ガササッ ガサッ

兵士2「ちぃっ!どこに逃げやがった!」ガサガサ

兵士3「木に登ってる可能性もある!隈無く探せぇ!?」スタスタ

山賊3「ふあぁ…なんだってこんな朝っぱらから…」スタスタ

山賊4「大金絡みの話なんだとよ?よく分からんけど」スタスタ

山賊5「金かぁ。じゃあ終わったら宴だな。久しぶりにたっぷり飲めるぜ」スタスタ

ガサッ

山賊3「あん?そっちの茂み…なんか動いてねぇか?」

ガサガサ

山賊4「よっしゃ!大金いただき!」ダッ

山賊5「あ、おい!抜け駆けすんなや!」ダッ

ブォンッ

ガシュッ ザクッ ズバァッ

ギャアアアアアア
107: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/25(火) 21:45:19 ID:29JW/UwDGk
兵士3「ん?なんだ!?」ダッ

兵士4「見つけたのか!?」ダッ

ガチュッ ゴリィッ ムチャッ ジュルルルル

兵士2「」ピクッ

兵士3「な、な、な…!?」ブルッ

兵士4「や、ヤバい…!ヤバい!?」ガタガタ

グリズリー「フシュゥゥゥ……」ポイッ

死体「」ベシャッ

兵士4「ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい」ガクガク

兵士2「にげろぉぉぉぉおおお!!!!」ダッ

ダダダッ

グリズリー「ぶらぁぁっ!!」ダッ

バリィッ ズガァンッ ヒィィィィィィイイイ
ヤメッ ウワァッ ボグシャッ ズゴンッ
108: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/25(火) 21:46:38 ID:E41Ru0zsdI
ザッザッ ガサガサ

兵士5「…いねぇな」ガサガサ

山賊6「あんま奥に入ると戻れなくなりますぜ?」

山賊7「獣に出くわしちゃかなわねぇしなぁ」ガサガサ

兵士5「お前ら山賊だろ?山ん中の道筋くらい覚えてないのか?」

山賊6「むちゃくちゃ言わんでくださいや?こんなでけぇ山、何から何まで把握出来やしませんよ」

山賊7「山賊っても乞食の集まりだしな。色んなとこで貧乏してきた奴らの捨て場だよ、山なんて」

山賊8「だな。安全そうな生活拠点だけ見つけたらおっかねぇから動き回らねぇし、あとは人里に降りて略奪するだけだ。
それもこれも王国が……っと、すいやせんね」

兵士5「いや、別にいいけどよ。俺だって食えねぇ賞金稼ぎだし、今回たまたま王国から集められただけだし」ガサガサ

山賊6「へー!賞金稼ぎ!?すげぇ!?」

兵士5「なーんもスゴかねぇよ。
こんな広い国を手配書片手に走り回ってもほとんど収穫ねぇし、盗賊やら獣の被害に遭ってる町村の用心棒やって小銭稼ぎするのが精一杯だ。
運よく賞金首を見つけたって大抵逃げられるか、捕まえても大した額じゃねぇか…割りに合わねぇ仕事だよ」

山賊7「じゃあやめりゃいいじゃないすか」ガサガサ

兵士5「お前らと同じだよ。そしたら乞食やるしかねぇ」ガサッ

山賊8「大変すねー……っ!?」ズルッ
109: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/25(火) 21:48:34 ID:29JW/UwDGk
ヒュゥゥゥゥゥ ゴチャッ!!

兵士5「」ビクッ

山賊7「な、なんだぁ!?」

山賊6「ちょ、ちょっと見てみる…」ガサッ

ズゥゥゥゥゥゥン

山賊6「うおっ!?な、なんだこりゃ!?崖じゃねぇか!?」ズザザッ

兵士5「が、崖だぁ?だ、だってそこも周りと変わんねぇぞ?」

山賊6「し、茂みだと思って掻き分けたらまっ逆さまに落ちたみてぇっすね…」

山賊7「あ、危なっかしくていられるか!こんなとこ!さっさと戻ろうぜ!」

兵士5「そうだな…!一度戻って指示を仰ごう!帰り道を案内してくれ!」

山賊6「よし来た!」
110: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/25(火) 21:51:25 ID:29JW/UwDGk
ザッザッ ガサッ ガサガサ

兵士5「おい、まだなのか?」

山賊6「あれ?おっかしいなぁ?」

兵士5「頼むぜ、おい」

山賊7「…ってかよ、こんなとこ知ってるか?立木ばっかで何がなんだか……」

山賊6「や、やべぇかも」アセアセ

兵士5「東西南北くらい分かんだろ!?」

山賊6「…登ってんだか降りてんだかも分かりやせんよ」

兵士5「はぁ!?てめぇら山賊だろうが!?」

山賊7「知らねぇよ!?さっきも言っただろ!?俺達は山を根城にしてるだけで山の道筋なんざからっきしなんだよ!?」

山賊6「だいたいあんたらがいきなりホビットを探せとか言うからこんなことになるんだ!?」

兵士5「はぁぁ!?ふざけんな!いいからせめて下山しろよ!?遭難とかありえねぇぞ!?」

山賊7「だったらてめぇがなんとかしろよ!!」

兵士5「なんだ、その態度はぁ!?」

山賊6「あ、あんま大声出すなよ…!獣が来たらどうす……」ハッ

ズシッ ズシッ

山賊7「……!」ツツー

兵士5「あ?」クルッ

山虎「グルルルル……」ジャッ

兵士5「……はぁ?」

ガリッ ブチブチィッ ボトッ ゴロン

兵士5「」プシャアアアアア

ゾロゾロ ゾロゾロ

山虎の群れ「」ジュルリ

山賊7「あ、あぁ…アァァァアアア!!?」

山賊6「うわああああああ!!!」
111: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/25(火) 21:52:58 ID:29JW/UwDGk
狼1「ぎゃんっ!?」ドシャッ

マドラス「畜生の分際でいい度胸だぜ?」ジャキッ

兵士6「お見事!」パチパチ

マドラス「ふん…この様子じゃ他の連中も獣に阻まれてるかもな」

頭目「お、狼の群れだけじゃねぇ。グリズリーや山虎の縄張りなんかに入ったら一溜まりもねぇですぜ!」

マドラス「…なら早いとこ見つけないとな。せっかくの懸賞金が獣の餌になったら笑えねぇよ」

兵士7「隊長!報告します!」タタタッ

マドラス「おう」

兵士7「第2小隊、第3小隊、共に連絡が付きません!私の指揮する第4小隊もグリズリーに襲われ、壊滅致しました!」

頭目「だ、だから言ってんだろ!あいつら野生の猛獣は俺らじゃどうにもならねぇ!山狩りを中止した方がいい!」

マドラス「…山の尾根まで行かれたら捜索が困難だな。あまり深追いして遭難しちまったらしょうもねぇ」

頭目「奴らもどうせ非力なホビットだ!狼どころか山犬にだって食われちまうよ!今頃、食い散らされてくたばってるに違いねぇや!」

マドラス「…確かに俺達が危険を犯す理由はねぇな」フムフム

頭目「だろう!?もう解放してくれよ!こうなったら懸賞金なんざいらねぇよ!」

マドラス「よし、お前ら山賊だけで山狩りを続けろ?俺達は下山して山間から回り込む」

頭目「は!?」

マドラス「忘れんじゃねぇぞ?これは一国を揺るがす最重要事項だ?
逃げ出しやがったらてめぇ…地の果てまで追って確実にぶっ殺すからなぁ?」ギョロッ

頭目「な、なんで俺様達が巻き込まれなきゃ……」

マドラス「分かったら行けよ。3秒以内にな?」

頭目「」ハッ

マドラス「3、2、1……」

頭目「ウヒャアアアアア!!!」ダッ

マドラス「へっ…よし、下山するぞ?各隊に伝えろ?」

兵士6「はっ!」
112: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/25(火) 22:00:35 ID:E41Ru0zsdI
>>103
支援ありがとうございます!
これから先もカロルの身に色々起こりますが、どうか応援してあげてください!
113: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/28(金) 21:43:23 ID:SroD4kWui2
―――山脈の尾根(湖畔)―――

マルク「ワンッ!」タッタッ

母「はぁっ…はぁっ…」ザッ

カロル「…もう追ってこないかな?」クルッ

母「ふぅ…だ、大丈夫そう、ね?ありがとう、マルクのおかげよ?」ゼェゼェ

カロル「いいこ!」ナデッ

マルク「クゥン!」デレッ

水鳥「グワッグワッ」パタパタ

カロル「…あ、鳥さんがいるよ?」

母「ホントね?」

マルク「ワンッ!ワンッ!」

水鳥「グワッグワッ!?」タッタッ

カロル「あはは!逃げちゃった?」

母「水鳥と湖……お爺さんが言ってたのはここの事だったのね?」

カロル「おじいさま…こんな高い所まで来てたんだ?」

母「そうねぇ…。見上げたら雲がすぐそばでフワフワ流れてるような…そんな気さえする?」

カロル「ホントだね…」

母「……ここまで登るのに苦労なさったんでしょうね…。
それなのに見ず知らずのあたし達に水鳥のお肉を分けてくれたんだわ…?」

カロル「…うん」

マルク「」ピクンッ

ガサガサ ガサガサ

マルク「ワンッ!ワンッ!」

カロル「?」クルッ

頭目「へぇ…へへ、へ!や、やっと…見つけたぜぇ」ガサッ

母「きゃっ…!?」ギョギョッ
114: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/28(金) 21:50:41 ID:SroD4kWui2
母「さ、山賊…!逃げないと!?」

カロル「待って!様子がおかしいよ?」

頭目「くっ…!うぅ…!」ズキズキ

母「…よ、よく見たらすごい顔色?毒虫にでも咬まれたのかしら…?」

頭目「かはっ…」バタッ

カロル「あっ…」

母「…仲間はいなさそうね?」キョロキョロ

カロル「……」スタスタ

母「……坊や!?」

カロル「……」ピトッ

母「…分かってると思うけど」

カロル「うん…。おじいさまを殺したのはおじさまかも」

母「いいの…?」

カロル「ほっとけないもの」

母「…誰でも助ければいいってものじゃないのよ?」

カロル「見捨てるのは簡単だけど…助けてあげられるなら、そうしたいんだ?」

母「…それなら先に武器を取り上げましょう?なにをするか分からないから……」

カロル「…そうだね」スッ
115: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/28(金) 21:51:52 ID:SroD4kWui2
母「誰かを傷付ける為の道具にお金かけるなんてバカみたい…」ポイッ

ポチャンッ

カロル「……」ピトッ

フワッ

頭目「うっ…ぐぐ!うお…!?」パチッ

カロル「…一人で立てる?」

頭目「な…なにをしやがった…!?か、体が軽く……」ムクッ

カロル「…ナイショ」

頭目「……そうか。あのジジイ、魔法がどうとか言ってたな。あ?俺様のこん棒がねぇぞ?」キョロキョロ

母「危なっかしいから湖に捨てておきましたよ?」

頭目「はぁ!?」

カロル「ねぇ」

頭目「あぁん!?」

カロル「おじいさまを殺したの?」

頭目「へっ…だったらなんだよ?」ニヤリ

カロル「……」

頭目「ぎゃはは!そんな悲しそうな顔すんなよ?どうせおめぇもすぐにジジイと同じ場所に行くんだ?」ニヤニヤ

母「なっ…助けてもらっておいて…!?」

頭目「頼んだ覚えはねぇなぁ?」ニヤニヤ

母「なんて人…!?」

マルク「グルルルル!」フシューフシュー
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名前:
sage:


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