1スレ
少年「ボクが世界を変えてみせる」
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/l10
2スレ
カロル「ボクが世界を変えてみせる」
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1385288769/l10
―――あらすじ―――
それは遠い昔のお話
人と人は長い長い争いに身を投じ、互いを許せないまま30年もの月日を互いの血を流すことに費やしました
しかし長い争いはいつまでもいつまでも終わる気配もなく
人を傷付け、愛を蝕み、心は枯れて、命は絶えて、いつしか疲れ果てて……やがては目的さえ見失ってしまいました
そんな終わらない争いの果てに一つのきっかけが巡るのです
それは人と人との争いに無関心だったホビット族に原因があると唱える迷信でした
その迷信はあまりにも唐突で、あまりにも不自然な内容でしたが痩せ細って震える人々、争いに疲れきった国々はホビットに全てを擦り付けて争いを終わらせようと決めたのです
戦争が鎮まった後、各国に迷信を掲げた王国は大規模な宗教団体を立ち上げました
その団体は教団と呼ばれ、戦争を納めた功労者であるノワール・バントン司祭を筆頭に教徒達による布教活動が開始されました
布教の内容はホビット族が人間から゙癒しの力゙と呼ばれる特別な能力を奪ったというもので……
これを軸に様々な悪評を並べ立てて人々の心にホビット族への憎しみを焼き付けます
ありもしない神の作り話にいざなわれ、人々は信者へと洗脳されていきました
それから約40年の間、教団による布教活動は続き、思惑通り人々は順調にホビット族を差別していました
人間はことごとくホビット族の住み処を侵略し、奴隷にしてみたり、愛玩用に飼い慣らしてみたり、時には残酷な拷問を加えて見世物にしたり、罪深き種族と罵って横暴の限りを尽くします
349: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 00:38:15 ID:5dajqmm1tg
女装家「……アタシはねぃ?たしかな情報を掴んでるのよぅ?
実際に見たっていう人物にも会ってんだからぁ〜!」
ミシング「じゃあその人が嘘付いてたんでしょうね?」
女装家「あ、アンタねぇ〜!しらばっくれんじゃないわよぉ〜!!」ガタッ
ミシング「癒しの力なんてありません。お帰りください」
女装家「はぁぁ…!?」プルプル
官吏3「シャルウィン様…一度、町へ戻りましょう」
女装家「なぁにいっちゃってんのぉ〜う?
このブス、八つ裂きにしなきゃ気が済まないわぁ〜ん!?」ビキビキ
ミシング「本性表したね。あんた、どこの詐欺師?」
女装家「アタシ〜?アタシは西の国の女帝、魔性のファルージャ様に仕える誇り高き三銃士の一人、女装家シャルウィン様よぉん?」
ミシング「……!?」
女装家「オネェ様に永遠の命をプレゼントする為に派遣されたってワケ?」
ミシング「(ファルージャって確か……悪の魔女っていうおとぎ話の元にもなった暴君女帝……)」
女装家「テンテンパーのツルツルリンなオツムでも事の重大さが分かったよぉネェン?」
官吏3「シャルウィン様…!陛下の名前を出しては……」アセアセ
女装家「問題ナッシング・ガナ・ストップ・マイ・シャインよ!?どうせ今んとこ王国は強く出らんないんだから!?
さぁ吐きなさい!癒しの力はどこ!?どこにいんの!?」ダンッ
ミシング「し、知らないよ!癒しの力なんてないって言ってるでしょ!?」アセアセ
女装家「あぁ〜そ!?あくまでしらばっくれちゃう?じゃあこっちにも考えがあるわよん?」
ミシング「な、なによ、考えって!?」
女装家「兵隊ちゃん達呼び戻して全員ぶっ殺したげる!?」ギンッ
ミシング「は…!?そんなことしてタダで……」
女装家「済むわよぉ〜ん?だって誰が殺ったかなんて分かんないじゃない?」ヘラヘラ
350: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 00:40:12 ID:5dajqmm1tg
ミシング「ここには子供たちもいるんだよ!?なんとも思わないの!?」
女装家「かわいそぉ〜って思うけど…ま、いっか!って思っちゃう?」キャピッ
ミシング「サイッテー!!」
女装家「じゃあ優しいシャルウィンちゃんから最後のチャンスあげちゃうわぁん?」
ミシング「……!」
女装家「癒しの力は…どこ!?」
ミシング「し、知らないって言ってるでしょ!?」
女装家「往生際が悪いわネェン?」
ミシング「救い主様のことはみんな探してるけど…本当に見つからないの!」
女装家「あ〜やだやだ?平気でウソつくなんて最低?」
ミシング「あの子はずっと行方知れずになってるの!!」
女装家「……?」
ミシング「巡礼でホビットと王国の争いが収まった直後に姿を消したんだから!?」
女装家「ウソ…?」
ミシング「こんなこと言いたくないけど…生きてるかどうかも分からない…!」
女装家「なに…それ?」
ミシング「分かったでしょう!もう諦めてよ!?」
女装家「ウソじゃ〜なさそうネェン?」
ミシング「ウソなんか付かないよ!
むしろあたし達だって、どこにいるのか知りたいよ!?」
女装家「はぁ〜…めんどくさっ!それじゃしらみ潰しに当たるしかないワケぇ〜?」ゲンナリ
官吏3「そうなりますね」
ミシング「……!」
351: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 00:42:10 ID:8Hk72Pbgdw
女装家「じゃあもうアンタに用なんかないわよ!?戻りましょっ!?」
官吏3「はっ!」ガタッ
ミシング「自分の国に帰ってよ!?」
女装家「はぁ〜?帰らないわよ、おバカ?」
ミシング「あんた達みたいに欲の皮突っ張らした人がいるから…なんにも悪くないカロルくんが苦しむのよ!?」
女装家「なにそれ?よく分かんないんだけど?」
ミシング「永遠の命なんてないし癒しの力もない!
あんた達の欲にあの子は関係ない!もうこれ以上巻き込まないで!?」
女装家「……なにこいつ」イライラ
官吏3「……」
女装家「…お仕置きしちゃおっかしら」ビキビキ
ミシング「……!」キッ
女装家「アンタは兵隊ちゃん、呼び戻して?」
官吏3「はっ!」スタスタ
バァンッ!
女装家&官吏3&ミシング「」ビクッ
ルーボイ「そうはいかねぇぜ!」
ナラ「ねーぜ…!」
ラム「話は聞いたよ?」
女装家「あら、かわいいみなしごちゃん達?」
ミシング「み、みんな…!危ないから部屋にいて!?」
ルーボイ「やだ!悪い奴はぶっ飛ばす!」
ナラ「とばす…!」
ラム「……ここはみんなの居場所。僕たちも一緒に守るよ」
ミシング「……!」
352: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 00:43:57 ID:5dajqmm1tg
女装家「どうしましょん?ちょぉ〜泣けちゃうんですけどぉ〜!?」シクシク
官吏3「では町から兵を呼んでまいります」スタスタ
トトトッ
ルーボイ「行かせねぇよ!」バッ
ラム「」バッ
ナラ「」バッ
官吏3「どけ!クソガキ!?」ブンッ
ルーボイ「おっ!あぶねっ!」サッ
ラム「」ダッ
官吏3「っ!?」ハッ
ラム「」シュッ
キーン!!
官吏3「あっ…はぐぅ…!?」バタッ
ルーボイ「お、おぉ…!き、金蹴り…!」
ラム「これが一番、楽に仕止められるからね」
官吏3「おっ…おうっおうっ」モゾモゾ
ルーボイ「ひぃ〜…!俺だったら絶対やだ!」
ラム「」パシッ
ナラ「まだ…なにかするの?」
ラム「うん。トドメ刺さなきゃ?」ブンッ
ヒュッ ガツンッ!
官吏3「ぐげっ!?」バタンキュー
ルーボイ「蹲ってるおっさんの頭にガラスのコップぶん投げやがった……」ドンビキ
ナラ「や、やりすぎ…じゃない?」
ラム「どこが?やる時は徹底的にやらなきゃ意味ないでしょ?」
ルーボイ&ナラ「……」
353: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 00:45:26 ID:8Hk72Pbgdw
女装家「あらーん?たいしたお坊っちゃん達だこと?」
ミシング「あ、あんたも痛い目に遇いたくなかったら降参しちゃえば?ウチの院の子達は強いんだから!」
女装家「やーよ?こんな恥欠かされて帰れるワケないじゃなぁーい?」
ラム「ナラ!ルーボイ!僕がなんとかするから町の憲兵に知らせてきて!」
ナラ「…え?でも……」
ルーボイ「お前、一人で平気かよ!?」
ラム「平気だよ。このくらいの場面なら、たくさん経験してきてるから」
ナラ「」ゴクッ
ルーボイ「……!」
ラム「ここで子供3人で大人一人を倒すより、食い止めて憲兵を呼んだ方が確実だよ!」
ナラ「わかった…!ラム、きをつけてね!」ガチャッ
ルーボイ「ミシング姉ちゃんを守ってやれよ!」
ラム「うん。ナラは君が守ってあげてね。ルーボイ?」
ルーボイ「任しとけ!」
ナラ「すぐよぶね!」タタタッ
ルーボイ「」タタタッ
ラム「……」ジッ
女装家「…友情ネェン?青春ネェン?」
ラム「カロルくんもここも…お前なんかに奪わせない!」
女装家「…うーん、ハンサム?将来が楽しみネェン?」
ミシング「あ、あたしだっているんだから!」
女装家「うっさいわね?ブスは引っ込んでなさいよ?」
ミシング「あ、あんたに言われたくないもん!」
女装家「ふん…。ま、いいわ。アンタらを片付けて、さっさと町へ戻るとしましょっ?」
354: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:28:00 ID:ybRiD2Xm4Q
女装家「さぁ〜?どこからでもいらっしゃい?おチビちゃん?」クイックイッ
ラム「ミシングさん!」
ミシング「う、うん!お姉さんにまっかせなさい!こんな変態おじさん、ちょちょいのちょい……」ドキドキ
ラム「下がってて!」
ミシング「え?」
女装家「あらん!ブスの心配してあげるなんて勇敢なナイトちゃんね?」ニタニタ
ミシング「い、イヤよ!あたしだって……」
ラム「…いいから僕に任せて!」
女装家「そういうことなら…まずはブスから痛め付けちゃおうかしらぁん?」クルッ
ミシング「え…?そ、そうなっちゃいます?」ビクッ
女装家「アタシ華奢に見られるんだけど結構、怪力だったりするのよネェン」ゴキッゴキィッ
ミシング「(いや、見た目からして怪力じゃん…。ドレスがパッツンパッツンじゃん……)」
女装家「顔面ぶち砕いたげる!」ダッ
ミシング「きゃあっ!」ダダダッ
グルグル グルグル
ラム「(うんうん、作戦通り。この間になにか使えそうなのを……)」キョロキョロ
女装家「お待ち!?」ダダダッ
ミシング「ムリムリムリムリ!!」ダダダッ
ラム「(ミシングさんには悪いけど…どう考えたってまともにやり合ったら勝てないし?)」
355: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:31:32 ID:/baStbYdKk
女装家「うらぁ!?捕まえたぁっ!?」ガシッ
ミシング「キャー!うら若き乙女になにすんのよぅ!?変態!オカマ!ホモ!?」バタバタ
女装家「えぇ、変態でもオカマでもケッコーよ!アンタはそんなアタシにグシャグシャにされちゃうんですもの!
あと言っとくけどホモじゃないから!?根っからの女好きだから!?」
ミシング「キャーキャー……え?ホモじゃないの?」ピタッ
女装家「なんでホモなのよ。気色悪い?」
ミシング「いや、だって…見た目とか言動が……」
女装家「…これは憧れよぉ?あの女性(ひと)と同じくらいキレイになりたかっただけ……」キラキラ
ミシング「女性への憧れ…?」
女装家「…アンタにこんな話してもしょうがないけどアタシってば、こう見えて昔は醜い醜いとよく罵られてたのよ」
ミシング「ふーん。ひどいね…?普通そんなこと言う?」
女装家「やれ顔がでかい、ケツアゴだ、エラ張ってる、キツネ目だ、下がり眉だ…どうでもいい事ばっかりつつかれたわぁん…」
ミシング「(そ、それはかなり大事なポイントだと思うんだけどにゃー…)」
女装家「でもあの女性(ひと)だけはこう言ってくれたの…『そなたの肌は誰よりも美しい』と」パチッ
ミシング「へー…いい人だねー…」
女装家「その方は世界一美しい女性(ひと)……そんな相手に美しいと褒められた。アタシにとって…あの言葉だけがすべてなの」ウットリ
ミシング「へぇ〜」
356: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:33:02 ID:/baStbYdKk
ミシング「」ツンツン
女装家「ん!な、なにすんの!
人のお腹ツンツンするなんてお行儀の悪い小娘ね!」ピクンッ
ミシング「わーお!バッキバキなのかと思ったら意外にもぷるぷる卵肌!」
女装家「と、当然じゃなぁい?アタシを誰だと思ってんのぉ〜う?」ニヘラヘラ
ミシング「いいなぁ…?あたしもこんな潤いがあったらモテ期が止まらないのに……」イジイジ
女装家「ま、まぁねぇ〜?ふ、普段から摂生してお肌の健康維持には気を使ってるしぃ〜?」
ミシング「ねぇ、ねぇ、あたしにも教えてよー。
水仕事ばっかりしてて手とかガサガサなんだよね〜!」グイグイ
女装家「だ、ダメよ!アタシの美容術はオネェ様だけのモノなんだから!?」
ミシング「ケチケチしないでさ〜?いいじゃないの〜?」グイグイ
女装家「ダメよ〜ダメダメ!」
ミシング「なんでよ〜!いいじゃん、ちょっとくらい?」
女装家「そ・れ・に……」ゴキッゴキィッ
ミシング「」ビクッ
女装家「…これから死ぬアンタに教えてもしょうがないでしょん?」ギンッ
ミシング「…あ、やっぱりその流れに戻しちゃいます?」
357: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:36:34 ID:/baStbYdKk
女装家「死になっさぁ〜い!」ブンッ
ミシング「ひゃあっ!?」
ボグシャッ!!
女装家「あべしっ!?」ドサァッ
ミシング「はへっ!?」ササッ
ラム「ミシングさん、引き付けてくれてありがとう」カチャッ
ミシング「な、なに?なにしたのって…あぁっ!?それ!?明日の朝、切って出そうと思ってた西瓜じゃない!?」
ラム「だ、だって包丁とか食器割ったら怒られると思ったから…」アセアセ
ミシング「食べ物を粗末にしたら、もっとダメじゃん!あーん!塩振って食べるの美味しいって、みんなに教えたかったのに!?」
女装家「……」ムクッ
ラム「あ、起きるよ」
ミシング「ぃやっ!?」
女装家「やってくれちゃったわねぇ…アンタ」ギンッ
ラム「…頭、変じゃない?」キョトン
ミシング「ぷっ」ニヤッ
女装家「へ?へ?」パッパッ
女装家「あぁ〜ん!か、髪型が崩れちゃった!髪、アタシの髪どこ?」キョロキョロ
ミシング「ぷぷぷっ…こ、これ…?」ヒョイッ
女装家「か、返しなさいよっ!この泥棒猫!?」パシッ
女装家「こ、これでよし」カブリッ
ミシング「あ、あの…抜けた髪の毛くっつけちゃうのもなんか特別な美容法なんですか〜?」ニヤニヤ
女装家「」ビキッ
ミシング「すっごい若返りましたね〜?」ニヤニヤ
女装家「」ビキビキッ
ミシング「ていうかぁ〜髪が抜けた時ぃ〜なんか網のバンダナが見えたんですけどぉ〜もしかしてぇ〜あれで括ってるとかぁ〜?」ニヤニヤ
女装家「……!」ビキビキビキィッ
358: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:39:46 ID:/baStbYdKk
ラム「」トクトク
ミシング「ん?お茶淹れてんの?」
ラム「興奮してるし喉渇いたかなーって」パラパラ
ミシング「砂糖入れるんだ。優しいと思うけど…そんなことしてる場合かにゃ?」
女装家「ぐらぁぁあああ!!!」ブンッ
ミシング「キャーッ!?」サッ
ラム「」サッ
バカンッ!!
ミシング「あっちゃ〜…テーブルがバラバラ…!?」
ラム「こぼれたらどうすんの?」カラカラッ
女装家「ぶ…ブォホホホホ!!てめぇら全員まぼろし〜!にしてやらぁっ!?」ダッ
ラム「」ブンッ
女装家「あつっ!」バシャッ
ミシング「あ…お茶が……」
女装家「…なぁ〜にすんのよぅ…。せっかくおめかししたのに台無し……」ゴシゴシ
女装家「んがっ!?いだっ!いだだっ!?め、目が目が目がいたたたいっ!?」ゴシゴシ
ミシング「…なに混ぜたの?」
ラム「鷹の爪の粉末。ホビットの3人が好きでよく買ってくるんだよね」
女装家「いぎゃあああああ!?いたいたいたい!?」ゴシゴシ
359: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:41:49 ID:ybRiD2Xm4Q
女装家「あ、アンタいい加減にしなさいよぉぉ……!
どんだけ卑怯なのよ…!ほんと、どんだけぇ〜!?」ゴシゴシ
ラム「はぁ?武装した兵隊使って、かよわい女子供を皆殺しにしようとしてる奴に言われたくないんだけど?」ジロッ
ミシング「目が据わってるね、ラムくん?」
女装家「ぐぬっ!あ、揚げ足取ってんじゃないわよぉ!?あーいたい!?」ゴシゴシ
ラム「ふふ…これでいいかな」クスクス
ミシング「さっきからすっごい楽しそうなんだよね、この子」
女装家「(ん…み、見えてきたわぁん。よしよし…これでクソガキを…!?)」ギンッ
ブォンッ
女装家「(え…なんか迫ってくる?か、霞んで見え……)」
カッパンッ!!
女装家「ぶぉはんっ!?」ゴシャッ
ミシング「うわぁ〜…フルスイング……フライパンがへこんじゃってるじゃん」
ラム「次はどれにしようかな?」スタスタ
ミシング「まだやんの!?」
ラム「もちろん!徹底的にやるよ?」ニコッ
ミシング「いい笑顔…出来れば普段の生活で見してほしいにゃー」
ラム「トドメは何にしよっかなー」キョロキョロ
ミシング「……」
ラム「あ、そうだ!おじさんのお尻に鷹の爪の粉末を……」ポンッ
ガシッ
ラム「えっ」グイッ
女装家「その作戦…背負い投げぇぇぇえぃぃぃいい!!!!」ブォンッ
ボゴキャッ!!
ラム「」ビクンビクン
360: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:44:42 ID:/baStbYdKk
ミシング「……」ポカーン
女装家「ナメんじゃねぇよぉ…クソガキがぁ…?」ハァッハァッ
ミシング「ラム…くん?く、首……ゴキッ…て………」ボソッ
女装家「あんなモンでアタシをKO出来ると思ったら大間違いよぉ〜…!さぁ次はアンタの番ネェン?」ゴキッゴキィッ
ミシング「(あ…ダメだ…。足がすくんで……)」ガクガク
ガチャッ
孤児1「んぅ〜…うるさくてねれないよぉ…」ムニャムニャ
ホビット1「なにをしてるんで…す……?」ピクッ
女装家「あぁ〜らぁ〜ん?またまたかわいいみなしごちゃん?」ニヤァン
ラム「」ビクンビクン
ミシング「きちゃ…だ……めよ…」ガクンッ
ホビット1「ミシングさん!?」ダッ
孤児1「……?ラム兄ちゃん、へんなねかたしてるよ?」ムニャムニャ
女装家「ブォホホホホ!!!」ゲラゲラ
ミシング「……」ボーッ
孤児1「」ビクッ
ホビット1「なっ…なんだ、あんたは!?」
女装家「きーめた!アタシ一人で十分ネェン?」
ホビット1「は…?」
女装家「まずはアンタから」バッ
ホビット1「うっ…!?」グイッ
ミシング「やめてっ!?おねがいっ!?」ガッ
女装家「どらっしゃあ!!」ブンッ
ドカァ!!
ミシング「っ…あぅぅ」ヨロッ
女装家「アンタは最後にしたげるわ?そこで見てなさい?」ニタニタ
361: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:46:24 ID:/baStbYdKk
ホビット1「みし…ぐさんっ?」ググッ
孤児1「う…わぁぁん…!」ビエー
女装家「神に祈ってあげたらぁ〜?みんな天国に行けますようにって……」ガッ
ホビット1「あ、あわわ!うわあああ!?」ジタバタ
ミシング「やめてぇぇええええ!!!」ダッ
ゴキュッ!!
ホビット1「っ……!」カクンッ
女装家「はい、2匹目〜」ポイッ
ホビット1「」ドサッ
ミシング「そんな…そん…なぁ……」ヘナヘナ
孤児1「うわぁぁぁん…あぁぁぁん!!」メソメソ
女装家「うるさい子ねぇ…。次はアンタよ?」ズイッ
ミシング「ああああああ!!!」ドッ
女装家「んふん!なによ、抱き付くんじゃないわよ!気持ち悪いわねっ!?」ペイッ
ドカァッ!!
ミシング「ぐっ…!あ……っ」フッ
女装家「あらまぁ気ぃ失っちゃった?残念ねぇ〜?一人ずつ引きずり出して首を折るところを見せたげたのにぃ〜?」
孤児1「えっ…えぅ…ひぐっ……」メソメソ
女装家「あぁ〜サイアク!アンタらのせいでドレスは汚れるし髪は濡れるしお化粧も落ちるし、ふざけんじゃねぇわよ!?」ガシッ
孤児1「うわぁぁぁん!こわいよぉ…いんちょー!!」グイッ
女装家「いっくわよぉ〜?」ニタニタ
ブンッ
キーン!!
女装家「がっぺ…!?」プルプル
孤児1「?」ドサッ
362: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:48:58 ID:/baStbYdKk
女装家「お、おぉひょっ…おひょっおひょっ!」ピョンピョン
ラム「やっぱり男には…これが一番効くね…!」ヨロッ
女装家「ひゅっひゅっ!んぅぅ……あ、アンタ…死んだんじゃ…!?」ワナワナ
ラム「…死なないよ。そういう体だから」ガシッ
女装家「…んぐぅ!な、に…っちゃってんの?そんなワケ…ないじゃない!?」ハァッハァッ
ホビット1「」
ラム「(…ごめん。助けてあげられなくて)」
女装家「ま、まぁいいわぁん…!ありえない奇跡だけど…もっかい首を折ってあげちゃう!?」ゴキッゴキィッ
ラム「こっちのセリフだよ…!薄汚い人間…めっ!!」ブンッ
バリンッ
女装家「あらあら、どっから持ってきたか知らないけど瓶に八つ当たり?これだからお子ちゃまは…?」フフン
ラム「かかってこい、化け物親父!!」カッ
女装家「だ、誰が化け物ですってぇ…!?」
孤児1「こわいよぉ…」ブルブル
女装家「!」ピコーン
女装家「そうだ…?この子から……」
ヒュッ ビシッ
女装家「っ…た!び、瓶の破片…?」ピッ
ラム「」ヒュッ
女装家「いっ…!」ビシッ
ラム「」クスッ
女装家「上等じゃオラァッ!?」ダッ
363: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:50:33 ID:/baStbYdKk
ベチャッ
女装家「っ!?」ズルンッ ドタッ
女装家「…あららん?」ヌルヌル
ラム「バーカ?」スタスタ
女装家「あぶ…ら?もしかして…さっきの……」ヌルヌル
ラム「居間が炊事場と繋がってるからね。オイールの油瓶を引き出しから取ったんだ?」パシッ
女装家「え…ちょ…ま……」
ラム「夜になると蝋燭が灯されるんだ。
特にお客さんが来た時は居間の蝋燭とシャンデリア全部に火が点くから手を伸ばせばすぐ取れる距離にある?」ボォォッ
女装家「うそぉ〜ん?ジョークでしょん?」ヒクヒク
ラム「危ないから離れててね?」ニコッ
孤児1「う、うん!」タタタッ
女装家「さ、させっ……」ムクッ
女装家「あれっあれっ?」ズルッズルッ
ラム「バイバイ?」ポイッ
ボッ!
女装家「ンギャアアアアアア!!!!?」ボォォッ
女装家「うわっちゃ!はちゃほちゃちゃこんのふぁちゃっ!?」ジダンダ
女装家「ふぁっふぁっふぁっ!けっけし…けしぃて…」ジタバタ
メラメラ メラメラ
ラム「(あ、あちこちに燃え移ってる…。どうしよ…消し方は考えてなかった)」
女装家「んばぁぁああいやぁあああ!!」ゴロゴロ
364: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:53:29 ID:/baStbYdKk
〜〜〜深夜〜〜〜
―――ミラルドの町(憲兵団支部)―――
ルーボイ「お前さぁ……」ジロッ
ラム「…ごめん」シュンッ
ナラ「ま、まぁまぁ?なんとかなってよかったよね?」アセアセ
ルーボイ「だってよ!いくらなんでも教会ごと燃やす馬鹿がどこにいんだよ!?」
ラム「そうしないと守れそうになかったから……」イジイジ
ルーボイ「うるせぇ!!俺とナラが間に合わなかったら全部燃えてたぞ!?」
ナラ「あはは…けんぺいさんたち、きてくれてよかったね?」
ラム「ごめん……」
ルーボイ「ちぇっ…火なんか見たから嫌なの思い出したし…」ブツクサ
365: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:54:46 ID:ybRiD2Xm4Q
憲兵4「」カツンカツン
ルーボイ「げっ!」
ナラ「ご、ごめんなさい!」ペコッ
ラム「す、すみませんでした!」ペコッ
憲兵4「なぜ謝るんだい?」
3人「えっ」
憲兵4「お手柄だったね!強盗に立ち向かうなんて、すごい勇気だよ!」
ルーボイ「ご、ごうとう…?」
憲兵4「奴らが連れてきた兵隊達も無事確保した。もう安心していいよ」
ラム「あ、あの人たちはどうなるんですか?」
憲兵4「…とりあえず西の国に強制送還かな。捕まえたままだと後々ややこしくなるから」
ナラ「よかったぁ…」ホッ
憲兵4「事情聴取で癒しの力がどうだとか言ってたけど…今さら昔の教団の教えを持ち出すなんてバカだよね。やっぱり西の国は民度が低いよ」
3人「……」
憲兵4「孤児院の消火活動と清掃が済んだら帰れるからさ。
それまでは宿舎で寝泊まりしてもらうけど大丈夫そう?」
3人「はい…」
憲兵4「あ、そうだ。職員のミシングさんね…幸いケガは無かったんだけどショックが大きかったみたいで。
医術師が言うにはもう2、3日、療養させた方がいいってさ?寂しいだろうけど我慢してね?」
3人「はーい…」
366: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:56:43 ID:ybRiD2Xm4Q
―――憲兵団支部(宿舎)―――
ホビット2「うっ…うっ…」メソメソ
ホビット3「ふええん…!」メソメソ
孤児1「」ブルブル
孤児2「」スヤスヤ
ラム「…ごめん」ゴロッ
ホビット2「ラムさんが…謝ることないです…!」グスッ
ホビット3「そう…ですよ!あいつらが…あいつらが悪いんです!」グシグシ
ラム「……」プイッ
ルーボイ「そうだよ。お前悪くねーんだから気にすんなよ」
ナラ「……カロル、いたら…なおしてくれたかな」グスッ
ルーボイ「バカ!あいつはもういねーだろ?」
ラム「…どこにいるのかな」
ルーボイ「知らねーよ!あんなやつ!」
ホビット2「…救い主様」
ホビット3「うぅ…なんでこんな時にいないんだよぉ…!」
ルーボイ「寝よーぜ!あいつの話なんかしたくねーし!」ムスッ
ナラ「せんきょうしさま…はやくみつけてほしい」
ラム「……」
ルーボイ「ふん!」バサッ
367: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 21:59:12 ID:ybRiD2Xm4Q
―――王都(城内)―――
団長「」ダンッ
役人1「」ビクッ
政務官「……」
団長「納得のいく説明をしてもらおうか…!リルラ政務官!?」カッ
政務官「説明とは?」
団長「南の領土、バンブルの港で起こった憲兵大量殺人についてだ…?」ギロリッ
政務官「あの件について調べているのはそちらだろう?私は一切、関与していないが?」
団長「…事件の直後、逃亡していた残党を捕らえた」
役人1「」ギクッ
団長「事情聴取してみれば驚愕の事実が判明したぞ?」
役人1「」ドキドキ
団長「この若造から依頼を受け、救い主を殺めるよう指示されたとなぁ!?」ダンッ
役人1「」ブルブル
政務官「…彼が?なんという事だ!役人が殺人教唆などあってはならない!」
団長「貴様はワシを馬鹿にしておるのか…!?」ビキィッ
政務官「……」
役人1「」ビクビク
368: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 22:00:40 ID:/baStbYdKk
政務官「貴様こそ私兵の分際で私に意見する気か?」
団長「なんだとぉ…!?」ギリギリ
政務官「まさか私が指示したとでも言いたいのか?」
団長「お前以外に誰がいる…!?」ギリギリ
政務官「…口の聞き方に気を付けろよ?」
団長「む…!」
政務官「私は西の国との国交に思案を巡らせねばならんのだ。くだらん話に付き合ってやる義理はない!!」
団長「なにぃ…!?」
政務官「おい、行くぞ?」スタスタ
役人1「は、はいっ!!」スタスタ
団長「待てぃ!貴様ぁ!?」
政務官「残党を捕まえたのは確かな功績だが…救い主を保護出来なかったのが残念だな」ピタッ
団長「……!?」
政務官「陛下も大層落ち込んでおられる事だろう?」ニヤリ
団長「ぐっ…ぎぎ…!」ワナワナ
政務官「」スタスタ
役人1「」スタスタ
団長「……!」ダンッ
ダンッダンッ
992.81 KBytes
[4]最25 [5]最50 [6]最75
[*]前20 [0]戻る [#]次20
【うpろだ】
【スレ機能】【顔文字】