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カロル「ボクが世界を変えてみせる」【完結編】
[8] -25 -50 

1: ゆったりペースになりますが! ◆WEmWDvOgzo:2014/11/16(日) 20:09:52 ID:N4jwCkModw
1スレ

少年「ボクが世界を変えてみせる」

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/l10

2スレ

カロル「ボクが世界を変えてみせる」

http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1385288769/l10

―――あらすじ―――

それは遠い昔のお話
人と人は長い長い争いに身を投じ、互いを許せないまま30年もの月日を互いの血を流すことに費やしました

しかし長い争いはいつまでもいつまでも終わる気配もなく
人を傷付け、愛を蝕み、心は枯れて、命は絶えて、いつしか疲れ果てて……やがては目的さえ見失ってしまいました

そんな終わらない争いの果てに一つのきっかけが巡るのです
それは人と人との争いに無関心だったホビット族に原因があると唱える迷信でした
その迷信はあまりにも唐突で、あまりにも不自然な内容でしたが痩せ細って震える人々、争いに疲れきった国々はホビットに全てを擦り付けて争いを終わらせようと決めたのです

戦争が鎮まった後、各国に迷信を掲げた王国は大規模な宗教団体を立ち上げました
その団体は教団と呼ばれ、戦争を納めた功労者であるノワール・バントン司祭を筆頭に教徒達による布教活動が開始されました

布教の内容はホビット族が人間から゙癒しの力゙と呼ばれる特別な能力を奪ったというもので……
これを軸に様々な悪評を並べ立てて人々の心にホビット族への憎しみを焼き付けます
ありもしない神の作り話にいざなわれ、人々は信者へと洗脳されていきました

それから約40年の間、教団による布教活動は続き、思惑通り人々は順調にホビット族を差別していました
人間はことごとくホビット族の住み処を侵略し、奴隷にしてみたり、愛玩用に飼い慣らしてみたり、時には残酷な拷問を加えて見世物にしたり、罪深き種族と罵って横暴の限りを尽くします


318: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/2(金) 23:58:52 ID:7Z2YiUeokA
憲兵長「無論、貴方様のご意思を尊重致します故、無理にとは申しませぬ!
しかし国王陛下は1日も早く貴方様にお会いしたいと、この1年間、我ら憲兵団を通して捜索してまいりました!」

憲兵長「どうか我々に付いてきていただきたく存じます!」

憲兵's「」バババッ

母「憲兵さん達が…坊やに膝ま付いて…る?」ポカーン

神父3「ど、どうなってんだ…?」


憲兵長「救い主様!どうかお願い申し上げます!!」

母「……ぼ、坊や?」

カロル「……王子さまが探してるんですか?」

憲兵長「いかにも!!」

カロル「なにも言わないで…いなくなったから?」

憲兵長「そうです!!」

カロル「……」

憲兵長「……?」

カロル「…王子さまはボクを嫌ってますか?」

憲兵長「は…?」

カロル「ボクは……ともだちになってくれたみんなを裏切ったんだもの…」シュン

憲兵長「はて…?そのような話は聞いておりませんが?」

カロル「だって…ボク……」

憲兵長「我々は貴方様が国王陛下の"親友"であると伺っております!」

カロル「え?」

憲兵長「この捜索活動も国の行いではなく、国王が個人的に依頼したものであって…貴方様が拒まれた場合は手出しせぬよう仰せつかりました!」

カロル「…ほん……とですか?」

憲兵長「そもそもお怒りなど感じておられぬ様子でしたが……」

カロル「……!」
319: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/3(土) 00:00:52 ID:kTp6neQotk
カロル「あ…う…!」ブワァッ

母「……」ウルッ

カロル「…うっ…えぇぇん……」ポロポロ

憲兵長「救い主様!?」

カロル「よかっ…たぁ!ボク……ずっと、ずっと…えぐっ…!」グシグシ

憲兵長「……!?」

カロル「ひっ……うぅ…」ゴシゴシ

母「坊やも会いたがってたものね…?」ナデリ

カロル「ゔん…!だって…きらわれてたら、どうしようって…!こわくて…!」グズグズ

憲兵長「…この国を変えてくださった貴方様を誰が忌み嫌いましょうか?
陛下のみならず我々にとっても貴方様は感謝の対象にございます!」

カロル「……っ」グスッ

母「…罪人として指名手配されてたんじゃなくて探してくださってただけだったのね」ナデナデ

カロル「お…かあさま」ジッ

母「なに?坊や?」

カロル「会いに…いきたい?」ウルウル

母「行きたいじゃなくて…行くのよ?」ニコリ

カロル「…えへへ」ニコッ

母「もうあなたに我慢なんてさせないわ?自分の思うままにすればいいの?」ニコニコ

カロル「うん…!」ニコニコ

憲兵長「おぉ!それでは……」

カロル「王子さまに会わせてください!!」

憲兵長「もちろんでございます!!」

スクイヌシサマ! スクイヌシサマ! スクイヌシサマ!!!

神父3「あ…あ……あぁ」ヘナヘナ
320: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/3(土) 00:04:04 ID:7Z2YiUeokA
憲兵長「では明日の朝に王都へ向けて出発しましょう!こちらで手配致しますので!」

母「よろしくお願いします」ペコリ

カロル「おねがいします!」ペコリ

マルク「わんっわんっ」シッポフリフリ


神父3「お、おれ……なんてことを…」ズシャッ

神父3「また…やってしまった…」ズーン

ズバッ ドバッ ギャアアアアア

ドサッ ドサッ バタッ

神父3「え……」ゾクッ

憲兵?「」ニヤリ

憲兵長「……なんだ?何かあったか!?」クルッ

憲兵2「き、貴様…いきなり何を……ぐはっ」ザシュッ

ドサッ

マドラス「……何をも何も予定通りさ?なぁ?」ピシャッピシャッ

憲兵?「はい」ジャキッ

憲兵長「……!」
321: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/3(土) 00:06:54 ID:kTp6neQotk
母「…あの人間、山であたし達を探してた…!?」ハッ

マドラス「クッカカカ!よくもまぁ逃げ回ってくれたもんだが…それも今日までさ?」ギョロッ

カロル「……!」ゾゾゾッ

憲兵長「我々に紛れていたのか…!?」ギリッ

マドラス「人数で言えば3分の1程度だがな?民間の憲兵を皆殺しにするなら十分だ?」

神父3「あ…ひあっ」ジョォォ

カロル「神父さま!逃げて!」

神父3「……!?」チラッ

カロル「はやく!」

神父3「(私は…君を裏切ったんだぞ…それなのに……)」ボーッ

バシュッ

カロル「っ……!?」

プシャアアアアアア

神父3「」バタッ

マドラス「ぎゃははははは!!!」ゲラゲラ

母「……!」

カロル「ひ…どい」

カロル「(どうしてこうなるの…?あと少しでまた……戻れそうだったのに…)」
322: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/3(土) 00:09:40 ID:kTp6neQotk
憲兵長「救い主様!?なんとか我々で活路を開きますのでお逃げください!!」スラッ

カロル「い、いやだ!切られた人間を癒さなきゃ!」

ガキンッ キンッキンッ ズバッ プシャアアアアアア

憲兵長「……我々に構わずお逃げください!こいつら、ただ者じゃない!!」ジャキッ

マドラス「その通りさ。ただ者じゃない?」スタスタ

憲兵長「寄るな!!」

マドラス「3秒以内に身柄を渡しゃ命は保証してやる?」ジャキッ

憲兵長「早く逃げろ!!」

母「こ、この混戦じゃとても間に入って力を使えないわ…!?
それに相手も憲兵に化けてるから敵味方の区別も付かないわよ!逃げましょう!」

カロル「でも…でも…」

マドラス「さぁん……」

母「会えなくなってもいいの!?」

カロル「」ピクッ

マドラス「にぃ……」

母「ここで死んでしまったらあなたに会いたがってる友達とも会えなくなるのよ!?」

憲兵長「お母様のおっしゃる通りです!どうぞ我々を置いてお逃げください!!」

マドラス「いぃち……」

憲兵長「生きてさえいれば…可能性はある!!貴方様は陛下にとって必要な方なのです!!」

カロル「……お母さま!マルク!!」ダッ

母&マルク「」ダッ

マドラス「ぜぇろぉ〜〜〜」ダッ

憲兵長「させるかぁあああああ!!!」ブォンッ

マドラス「」シュッ

ザシュッ

憲兵長「ぼはぁぁ!?」ドサッ
323: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/3(土) 00:13:57 ID:7Z2YiUeokA
ギャリンッ キンッキンッ ガキンッ

カロル「……!」

母「隙間がないわね…!」

マルク「うぅ〜…!」

マドラス「クッカカカ!背後は冷たい潮風が波立てる海……眼前は刃の嵐ときたもんだ。さっきの野郎、無駄死にもいいとこだぜ。なぁ?」ジリッジリッ

母「ひっ…!?」ズサァッ

カロル「…おじさまはどうしてボクを狙うの!?」タジッ

マドラス「お国の命令さ?」

カロル「聞いたでしょ!?王子さまはこんなこと望んでないよ!」

マドラス「国を司るのは何も王族だけじゃねぇさ?」

カロル「……!?」

マドラス「まぁ…ここで死ぬお前らには関係ねぇがな」ジャッ

憲兵3「やめろぉぉおお!!」ダッ ブンッ

マドラス「ちっ!」ガキンッ

カロル「マルク!お母さま!泳げる!?」

母「……!?」オロオロ

マルク「?」キョトン

マドラス「(なっ…あいつ、まさか)」ギギギッ

カロル「いくよっ!?」バッ

母「〜〜〜!?」バッ

マルク「ワンッ!!」バッ

マドラス「待てぇえええ!?」ズバッ

憲兵3「がふっ」ブシャッ

ボチャッ ボチャッ ボチャッ

マドラス「……!?」

ザッパァァァン
324: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/3(土) 00:17:15 ID:7Z2YiUeokA
憲兵?「隊長、片付きました。
こちらも半分ほどやられましたが…まぁあの数の手勢を倒したのですから致し方ありませんな」

マドラス「そうか…」

憲兵?「……隊長、例のホビットは?」

マドラス「海に飛び込んで波にさらわれた…」

憲兵?「は?」

マドラス「夜の海に入りゃどんな泳ぎの達人でも溺れ死ぬ…。深追いは出来ねぇな」

憲兵?「そ、それでは…どうしたら……」

マドラス「…首が無きゃ金は貰えねぇ。死体が揚がるのを待つしかねぇやな」

憲兵?「なっ…!?」

マドラス「漁師共の網に掛かることを祈ろうぜ?」

憲兵?「そ、そんな悠長に構えてられますか!?これだけの大量殺人……しかも憲兵を切っておいて!?」

マドラス「…雇い主に相談してみるさ」

憲兵?「雇い主は王国の役人だ!?そんな事を報告したら裁かれるに決まってる!?」

マドラス「わかんねぇだろ。んなこたぁ?」

憲兵?「だいたいあんたは最初から思い付きで動きすぎなんだよ!?
もう少し慎重になるべきだったんだ!だから肝心の賞金首を取り損ねんだよ!?」

マドラス「……」

憲兵?「なにが南の賞金王だ…!やってられるか!?
俺達はもう降りるぜ!あんたの巻き添えで牢屋生活は御免だ!?」

偽憲兵's「」ザワザワ

マドラス「…言いてぇことはそれだけか?」ジャキッ

憲兵?「っ…みんなもそうだろう!?こんな奴にゃ付いてけないよなぁ!?」

偽憲兵's「」オォォォオオ

マドラス「能無しがぁ…!誰のおかげでここまで追ってこれたか分かってんのかぁ…!?」ギョロッ

憲兵?「ククク!!んな口聞いていいのかぁ?11対1だぜ?」スラッ

マドラス「上等だ…!?細切れにしてやんよぉ…!!」プチィッ
325: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/3(土) 00:21:48 ID:7Z2YiUeokA
〜〜〜朝〜〜〜

漁師2「うぷっ…!」ググッ

漁師3「ふ、船を出そうと来てみりゃ…いったい全体どうなってやがんだ…!?」

漁師4「すっげぇ匂いだなぁ……。こりゃ今日は鮫しか獲れなさそうだ…?」

漁師5「憲兵同士で切り合いでもしたのかぁ…?」

大将「……中止だ。領主様に報せてこい」

漁師6「……おす」

ムワァァァァァン

大将「…海神様に愛された海が血に染まっちまった。バンブルの港はもう終いだ」

漁師「……」

大将「来月に来る筈だったホビットも白紙、各地に卸してた海産物の取り引きも白紙だわな」

漁師「なんとか…ならないんすか」

大将「ならないな…。元々ここはやる気のねぇ住人ばっかで漁以外にこれといったモンがねぇ」

漁師「そうっすね……」

大将「街の目印が曰く付きになったんだからな。あとは痩せた海と心中だよ」

漁師's「……!」ググッ

大将「おめぇらも早いとこ見切りつけて新天地を探した方がいいぜ?」

漁師「大将は?」

大将「……俺は海の男だ。これ以外の生き方を知らん」

漁師「……そうすか」スタスタ

大将「なにしてる?」

漁師「…船を出します」

大将「おいおい、今日は中止だっての……」

漁師「俺も海の男っすから……」

大将「……好きにしろよ」
326: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/3(土) 00:27:00 ID:kTp6neQotk
―――岸辺の洞穴―――

ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ

親分「はぁっ!はぁっ!」ブンッ

チンピラ「」ドスッ

あらくれ1「だ、ダイス親分…もう……」

親分「あぁ…!?」ギロリッ

あらくれ1「……!?」ビクッ

親分「くっ…へへ!わかってるよぉ…!?こいつは海に沈めとけ?」パッ

チンピラ「」ボトッ

あらくれ1「うす。足持て」ガッ

あらくれ2「ほいほい」ガッ

ボチャッ

親分「……んじゃまぁこっちか?」チラッ

女房「」ガクガクブルブル

子供「むーっ!ぐーっ!」モガモガ

赤ん坊「」

親分「……ん?おい?その赤ん坊…息してんのけ?」

あらくれ3「しらねっす!」

親分「口の縄外してみろ」

あらくれ3「」シュルッ

親分「……紫色じゃねぇか」ツンツン

親分「…あーダメだ。鼻詰まらしてんな」グジュッ

女房「むぐっ!?んまー!?」モガモガ

親分「さてと、旦那のケジメだ?覚悟はいいかい?」

女房「」ブンブンッ

子供「んっんー!!むーっ!!」ジタバタ
327: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/3(土) 00:29:39 ID:kTp6neQotk
親分「あんたの旦那は借金まみれのクソヤロウだ?おまけに俺の顔に泥ぉ塗りやがった?」

親分「バカは死ななきゃ治らねぇってんで死んでもらったが、まだ足りねぇ?」

親分「つー訳でここからあんたの番だ?猿轡外してやれ?」

あらくれ3「」シュルッ

女房「ぶあっ!あっはぁ……」ゼェゼェ

親分「今からあんたか子供の片腕をもらうがどっちにする?」

女房「…なん……で」

親分「ん?」

女房「なんであたしがこんな目に遭わなきゃなんないのよぉっ!?」

親分「…あぁ?」

女房「全部あいつのせいでしょう!?
働きもしないで遊んでばっか……子育ても生活も全部あたしが一人でやってたんじゃん!?」

親分「あんな男と契ったおめぇが悪い」

女房「バカ言わないでよ…?こんな…これじゃあたし……可哀想すぎるじゃん…!?」
328: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/3(土) 00:30:49 ID:7Z2YiUeokA
親分「まぁいいや、めんどくせぇ…で、どっちだ?」

女房「あふっ…んっ…うひゅぅ……」ガタガタ

親分「まとめていくか」

女房「ま、待って!?」ビクッ

親分「おい、ガキの猿轡もだ」

あらくれ4「へい!」シュルッ

子供「父ちゃんをかえせっ!!妹をかえせっ!!」

親分「…ガキのがよっぽど家族想いだぁな」

子供「チビ!デブ!ヒゲ!死ね!」

親分「…どっちにする?」

女房「っ……なんで聞くの?」ブルッ

親分「…自分で決めさせりゃ言い訳出来ねぇだろうが?」

女房「……!?」

親分「おめぇの腕が飛ぶにしろ…ガキの腕が飛ぶにしろ……後々、何度も思い出すよなぁ?」

親分「そうしたのは自分だとよ?」グフフ

女房「いっ…やああああああ!!!!!」

アアアアアアアアア…………
329: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/3(土) 18:49:19 ID:kvfU/LDo0A
―――辺境の孤児院―――

ルーボイ「腹減ったなぁ」カリカリ

孤児1「おなかすいたー」グリグリ

孤児2「サンドイッチ食べた〜い」グリグリ

ミシング「はいはいはーい!ちょっと待っててね〜?ルーボイお兄ちゃんのお勉強が終わったら、すぐ作るからね〜?」

ルーボイ「ちぇっ…」カリカリ

孤児1「兄ちゃん、はやく〜」グリグリ

孤児2「お絵かき飽きたよ〜」

ミシング「ほらほら〜急かされてるよ〜?」ニタニタ

ルーボイ「わ、分かってんよ!ていうか、なんで俺ばっか毎日、勉強なんだよ!?」

ミシング「え〜?だって院長から言われたじゃーん?ルーボイくんはサボり癖があるから1日3時間、付きっきりでお勉強させなさいって?」

ルーボイ「ら、ラムはどうなんだよ?あいつだって勉強なんかしてこなかったって言ってたぞ!」

ミシング「う〜ん、ラムくんもちょっと遅れてるけど物覚えが早いし集中力もあるから平気っぽいよん?」

ルーボイ「ちぇっ!あいつばっかズリーよなぁ…」カリカリ

ミシング「あの子は経験が違うもん?あたしらよりたくましいの?」
330: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/3(土) 18:50:31 ID:iRSgF5ODfA
ルーボイ「じゃあナラは?あいつもできないじゃんか?」

ミシング「ナラちゃんは庭でお洗濯?
女の子はお勉強より花嫁修行させなくちゃね?」ニコッ

ルーボイ「よ、嫁?まだ11才じゃん?」

ミシング「女の子は準備が早いの〜。
ルーボイくんだっていつかお婿さんになるんだから将来のお嫁さんに恥かかせたくないでしょ?」

ルーボイ「は、はぁ!?」ドキンッ

ミシング「頭パーだと好きな娘にも愛想尽かされちゃうよ〜?」ニシシ

ルーボイ「す、好きな奴なんていねーし!」ドキドキ

ミシング「ナラちゃんなら、きっといいお嫁さんになるだろうなぁ〜?」

ルーボイ「ば、バッカじゃねーの!?ナラと結婚とか……し、し、しねーし!?」ドギマギ

ミシング「あららん?なになに?どしたの?
誰もルーボイくんとナラちゃんがくっ付くなんて言ってないよ〜?」ニシシ

ルーボイ「〜〜〜!?」カァァ

ミシング「うりうり〜うりうり〜?」ツンツン

ルーボイ「あぁうるせぇなもう!?ここ分かんねぇから教えろよ!?」

ミシング「いいよ〜?ここはねぇ〜?」

孤児1「なにかいてるのー?」グリグリ

孤児2「サンドイッチー」グリグリ

孤児1「おなかすいたねー」グリグリ

孤児2「ねー」グリグリ
331: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/3(土) 18:52:54 ID:iRSgF5ODfA
―――庭―――

ナラ「」シャワシャワ

ホビット1「ナラさーん!お水汲んできましたよー!」チャポンチャポン

ナラ「あ、ありがと?あらったの…ゆすいでもらっていい?」シャワシャワ

ホビット1「いいですよ!」ジャブジャブ

ホビット2「僕も何か手伝いますよ!」スタスタ

ナラ「じゃあ…ゆすぎおわったの、じゅんばんにほしてって?」ゴシゴシ

ホビット2「はい!おまかせください!」パシッ

ナラ「ふふふ。ありがと?」ニコッ

ホビット1「いえいえ!」ジャブジャブ

ホビット2「お役に立てて嬉しいです!」バッバッ

ナラ「…あ、そういえば…ラム、いっしょじゃないの?」

ホビット1「ラムさんなら書斎にいましたよ?」

ナラ「しょさい?」

ホビット2「このところ本読みに凝ってるみたいですよ。ゆっくり読書する時間なんてなかったからと」バッバッ

ホビット1「僕らもこうして普通に暮らせるのがありがたいです。それもこれも院長様のおかげですよ!」ジャブジャブ

ナラ「そっか…」シャワシャワ

ホビット1「あ、ラムさんに何か用事でもありましたか?」

ナラ「ううん。そうじゃないの」シャワシャワ

ホビット1「?」

ナラ「ラムもルーボイもたのしそうで…わたしもたのしいなぁって」シャワシャワ

ホビット1&2「」ニコッ
332: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/3(土) 18:54:46 ID:iRSgF5ODfA
―――書斎―――

ホビット3「あはは!あはは!あははははははは!!!」ゲラゲラ

ラム「……」ペラッ

ホビット3「ラムさん!ラムさん!」ポンポン

ラム「なに?」パタンッ

ホビット3「これこれ!見てください、これ!」ポンポン

ラム「うん」スッ

ホビット3「この本、町で買ってきたんですけど面白いんですよ!最近、流行りの滑稽本っていうらしいんですけど、もう笑っちゃうんですよ!」ケラケラ

ラム「へー…」ペラッ

ホビット3「どうですか!もう笑っちゃうでしょ!?」プププッ

ラム「う、うん…」ペラッ

ホビット3「……」ジーッ

ラム「……?」

ホビット3「つまんなかったですか…?」ハラハラ

ラム「そんなことないけど…?」アセアセ

ホビット3「読書の邪魔しちゃってすみません…」ズーン

ラム「あっ…は……あははは。あーおかしい!」ヒクヒク

ホビット3「!?」

ラム「ここ、ここ、笑っちゃうよ!こんな面白いの初めてだよ!?あーおなかいたい!?あっはっはっは!?」ヒクヒク

ホビット3「……」

ラム「あははは……は?」ピタッ

ホビット3「……なんかすみません」

ラム「え…」

ホビット3「……ホントすみません。柄にないことさせちゃって…」

ラム「…返すよ」スッ

ホビット3「はい…」パシッ
333: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/3(土) 18:57:53 ID:iRSgF5ODfA
〜〜〜夕方〜〜〜

―――居間―――

パクパク モグモグ ゴクゴク ウマウマ

ミシング「今日の煮卵、自信作なの〜!ねぇ、どう?どう?」

ホビット1「んっ…美味しいですよー!」モグモグ

ホビット2「お塩が効いてて美味しゅうございます」モグモグ

ミシング「やっりー!これで男心も鷲掴みにしちゃうんだから!」キャッチ

ナラ「こんど、つくりかたおしえて?」

ミシング「いいよー!ナラちゃんも手料理でイケメン、ゲッチューしちゃいなよ!」

ナラ「ふふふ…」クスクス

ルーボイ「……」ドキドキ

ミシング「うりうり〜?意識しちゃってんじゃないのぉ〜?」ツンツン

ルーボイ「なんもねぇよ!うっせぇなぁ!?」ガァーッ

ミシング「またまたぁ〜?ナラちゃんの手料理、食べたいんじゃないのぉ〜?」ニシシ

ルーボイ「はぁ!?食いたかねぇよ!?ナラが作ったのなんて!?」

シーン

ミシング「……あ、ちょ…る、ルーボイくん」

ルーボイ「なんだよ!?」

ナラ「」ポロポロ

ルーボイ「!?」ギョギョッ
334: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/3(土) 19:00:23 ID:kvfU/LDo0A
ナラ「ひっ…ひっ…」ポロポロ

孤児1「あー兄ちゃん、なかしたー」

孤児2「いーけないんだーいけないんだー」

ルーボイ「う、うっせぇ!こんぐらいで泣きべそかくとかダッセェし!?」アタフタ

ラム「……ルーボイ!」カチャッ

ルーボイ「な、なんだよ?」

ラム「君は言っていい事と悪い事の区別も付かないのかい?」ジッ

ルーボイ「う……お、お前に言われたくねーよ!?」

ラム「……?」

ルーボイ「あんな事したクセに!お前のせいでたくさん死……」

ラム「……!」カッ

パシンッ

ルーボイ「いっ……!?な、なにすんだよ!?」ヒリヒリ

ミシング「頭冷やして来よっか?」ジィッ

ルーボイ「……」ムッ

ミシング「煽っちゃったあたしも悪いよ。でもやっちゃったと思ったら、すぐ謝んなきゃ?」

ナラ「ごめん、ね…?わたし…きにしてないよ?」グシッ

ルーボイ「……」

ラム「謝りなよ?」ジトッ

ルーボイ「っ…!」ダッ

ガチャッ バタンッ
335: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/3(土) 19:02:18 ID:kvfU/LDo0A
―――森―――

ルーボイ「なんだよ、あいつら…!俺ばっか…!?」ググッ

ルーボイ「うっぜぇな!」ゲシッ

ルーボイ「……っぜぇ、な」ウルッ

ルーボイ「っ…っ…!」ポロポロ

ルーボイ「(俺だって…本当は……あんなこと…言いたくなかった…!)」ポロポロ

ルーボイ「ご、めん…!ごめん……」グシグシ

「いいわよォ〜ん?」ザッ

ルーボイ「」ビクッ

女装家「声を殺してかくれんぼ…男の子の頬から流れ落ちる涙は春風吹く季節の知らせネェン?」

ルーボイ「な、なんだよ、おっさん?」ビクビク

女装家「……おっさん?」ピクッ

ルーボイ「なんでおっさんがフリフリのドレス着てんだよ…。気持ちわりぃ……」ドンビキ

女装家「かぁぁぁなしぃぃわぁあああああん………」ガクッ

ルーボイ「は?な、なに?」ビクビク

女装家「切なげに潤む瞳を見ると慰めてあげたくなるのぉ……」ユラリ

女装家「アタシもまた…叶わぬと知って儚い恋に取り憑かれた悲しい乙女なんだもの?」ジィッ

ルーボイ「(なんだ、こいつ)」シラー

女装家「出ておいでぇん?アタシのしもべ達……」バッ

ザザザッ ザザザッ

ルーボイ「は……?」ピクッ

女装家「素直になれないお年頃…しょうがないわよネェン?思春期じゃ?」ニィィ

ルーボイ「マジで…誰だ、お前?」ポカーン

女装家「親愛でダメなら…恐怖で問わせてもらうわぁん?兵隊ちゃーん!」

バババッ

ルーボイ「お、おい…やめっ」
336: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/3(土) 19:04:28 ID:kvfU/LDo0A
―――辺境の教会―――

ナラ「……」グスンッ

ホビット1「あ、あの…ルーボイさん、帰ってきませんね」オドオド

ミシング「ふーんだ?今頃どっかで拗ねてんじゃなーい?女の子を泣かすなんてバッテン満点なんだから?」ジャブジャブ

ホビット1「探しましょうよ…。外も暗いし一人じゃ危ないし……」オドオド

ミシング「……ほっとけばー?頭冷やしたら帰ってくるよ?」キュッキュッ

ナラ「わたし…いく」ガタッ

ミシング「…ナラちゃん、あんま甘やかしちゃダメ?男の子って調子に乗りやすいんだから?」カチャッ

ナラ「わたしが…わるいの。なきむしだから…わるいの」グズグズ

ミシング「……」プイッ

ホビット1「い、行きましょう!僕も一緒に探しますから!」ガタッ

ナラ「ありがと…!」パァァ

ミシング「ダーメ!二人まで迷子になったらどーすんの!」クルッ

ホビット1「で、でも…!」

ナラ「」シュン

ミシング「…交代!洗い物頼んだよ!」タタタッ

ナラ「え?」

ミシング「夜にお散歩していいのは大人だけなのです!えっへん!」ガチャッ

ナラ「ミシングさん…」

ミシング「という訳でお留守番よろしくー!」ダダダッ

ホビット1「あぁ!ちょっと…!」

ナラ「……いってらっしゃい」

ホビット1「一人で大丈夫ですかね…」

ナラ「ミシングさん、じょうだんがすきだけど……ほんとうはせんきょうしさまのつぎに、たよりになるひと」ニコッ

ホビット1「……そうですね」ニコッ
337: ◆WEmWDvOgzo:2015/1/5(月) 00:05:59 ID:8Hk72Pbgdw
〜〜〜夜〜〜〜

―――森―――

ルーボイ「なぁにすんだよぉ!?縄ほどけよぉぉおお!!!」ジタバタ

女装家「だぁから言ってるじゃないのぉ〜ん?
素直に孤児院の場所を教えてくれたら帰してあげるってぇ〜?」

ルーボイ「うるせぇ!おっさん怪しいんだよ!どう見ても!」

女装家「そうねぃ?アタシの妖しい魅力に共鳴して輝石ルナムーンの指輪が一層美しく光るわぁん?」キラン

ルーボイ「気持ちわるっ…男のクセにジャラジャラすんなよな…」ドンビキ

官吏3「シャルウィン様……」ガサッ

女装家「はぁ〜い?」

官吏3「遊んでいる暇はありませんよ」

女装家「なぁ〜に焦ってんのよぅ?」

官吏3「…ここはあくまでも癒しの力、探索の通過点です」

女装家「堅物ネェン…。娯楽は大事よぉ〜?」

ルーボイ「癒しの力!?」ピクッ

女装家「あらん?らららん?らららのらん?何か知ってるの?」

ルーボイ「お前らカロルを知ってんのか!?」

女装家「カロル?」
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うpろだ
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