1スレ
少年「ボクが世界を変えてみせる」
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/l10
2スレ
カロル「ボクが世界を変えてみせる」
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbss/test/mread.cgi/ryu/1385288769/l10
―――あらすじ―――
それは遠い昔のお話
人と人は長い長い争いに身を投じ、互いを許せないまま30年もの月日を互いの血を流すことに費やしました
しかし長い争いはいつまでもいつまでも終わる気配もなく
人を傷付け、愛を蝕み、心は枯れて、命は絶えて、いつしか疲れ果てて……やがては目的さえ見失ってしまいました
そんな終わらない争いの果てに一つのきっかけが巡るのです
それは人と人との争いに無関心だったホビット族に原因があると唱える迷信でした
その迷信はあまりにも唐突で、あまりにも不自然な内容でしたが痩せ細って震える人々、争いに疲れきった国々はホビットに全てを擦り付けて争いを終わらせようと決めたのです
戦争が鎮まった後、各国に迷信を掲げた王国は大規模な宗教団体を立ち上げました
その団体は教団と呼ばれ、戦争を納めた功労者であるノワール・バントン司祭を筆頭に教徒達による布教活動が開始されました
布教の内容はホビット族が人間から゙癒しの力゙と呼ばれる特別な能力を奪ったというもので……
これを軸に様々な悪評を並べ立てて人々の心にホビット族への憎しみを焼き付けます
ありもしない神の作り話にいざなわれ、人々は信者へと洗脳されていきました
それから約40年の間、教団による布教活動は続き、思惑通り人々は順調にホビット族を差別していました
人間はことごとくホビット族の住み処を侵略し、奴隷にしてみたり、愛玩用に飼い慣らしてみたり、時には残酷な拷問を加えて見世物にしたり、罪深き種族と罵って横暴の限りを尽くします
2: あらすじが全然浮かばなかったんで適当です! ◆WEmWDvOgzo:2014/11/16(日) 20:12:26 ID:N4jwCkModw
〜〜〜1スレ(教団編)のあらすじ〜〜〜
さてさて、ここからは最近のお話
とある森にホビット族と人間の間に生まれた一人の少年がおりました
彼の名はカロル
ホビット族の母(マリー)と飼い犬(マルク)、二人と一匹で森に暮らしています
彼は恵まれない環境に生まれながらも快活に育ち、差別的な人間に対しても好意を持って接するなど好奇心溢れる性格の持ち主でした
そんな彼の分岐点となったのは一人の人間との出会い
隠れ棲んでいた森をこっそりと抜け、変装して人間の村に入ったのが全ての始まりでした
出会った相手は教団の布教者で最も位の低いとされる女性の宣教師
彼女もまた布教者としてホビットを貶める人間の一人でした
しかしカロル親子に襲い掛かる非情な差別を目の当たりにした事で、やはり教団の活動は間違っていると確信
マリーから打ち明けられた真実を聞いた宣教師は教団の布教そのものがデタラメであった事も知りました
この時から宣教師はカロル親子を助け、ホビットへの差別を無くそうと誓います
しかし教団や村人、謎の旅人が差し向ける魔の手によって親子と宣教師は引き離されてしまいます
あらゆる策略や野心に阻まれた3人の行く先ははたしてどこへ向かっているのでしょうか
救いのない世界に幸せを求める少年の物語が始まります
3: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/16(日) 20:14:26 ID:c.I12gaZzE
〜〜〜2スレ(王国編)のあらすじ〜〜〜
教団に捕らえられた親子と宣教師は司祭の罠にはまり、カロルが癒しの力を持っていた事が暴かれました
その事実は長年眠らせていた司祭と神官(アントリア)の陰謀を加速させます
優しい言葉で宥められ、豪華なもてなしを受けていく内に親子は教団を信用してしまいます
そして計画を終えたら差別を無くす活動をするという約束で協力する事にしました
……計画の内容は枯れた伝説の大樹に癒しの力を注いで蘇らせるというもの
しかし計画の裏には恐ろしい真実が隠されていたのです
アントリアの策略によって計画は順調に進み、用済みになった親子と宣教師は始末されそうになりましたが……
事態は思わぬ方向へ二転三転し、王国、教団、ヘマトバザール(ホビットを拷問して見世物にする組織)、ホビット族、四つ巴の大きな争いに発展していきました
憎しみと争いの果てに人とホビットは多くの犠牲を払います
どちらかが滅びるまで血を流し続けるのが果たして正しいのか、興奮した両者には分からなくなってしまいました
明らかにされる真実とはなんなのか
大樹とホビット、人の歴史を紐解く教団の野望とは
人とホビットは互いを許し、共存する事が出来るのでしょうか
そして全てを乗り越えた先に本当の幸せが訪れるのか……
答えは未だに出ておりません
ただ微かに……陰から光る希望の兆しが新たな運命を予感させます
…………………
4: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/16(日) 20:17:03 ID:c.I12gaZzE
―――大聖堂(礼拝堂)―――
ゾロゾロ ゾロゾロ
ミシング「はいはい!みんな整列したー?そろそろ始めちゃうよー!」
ピシッ
ミシング「うんうん!よくできました!」
宣教師「いやいや、あなたも整列しなさい。
なにどさくさ紛れに一人だけ前に出てるんですか?」
ミシング「ぷくー!ケチー!」プクゥ
宣教師「まぁかわいい。ほら、気が済んだら並びなさい」シッシッ
ミシング「ちぇー!ミシングちゃん、副会長なのに!」スタスタ
宣教師「そんな役職作ってませんよ」
ミシング「はい、並んだよー!」ピシッ
宣教師「コホンッ……ではおはようございます」ペコリ
教徒's「おはようございます!!!!」
宣教師「」ビクッ
ミシング「どしたのー?」
宣教師「いえ、皆さん元気な発声をなさるので……」
ミシング「いい加減慣れなよー?自分で決めたんでしょう?『基本はあいさつ!』って?」
宣教師「そ、そうですね…。では気を取り直して、もう一度……おはようございます!」ペコリ
教徒's「おはようございます!!!!!!!」ペコリ
宣教師「」ビクッ
ミシング「……ダメダメだねー」シラー
5: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/16(日) 20:18:44 ID:N4jwCkModw
宣教師「本日は遠路遥々お越しくださり、まことにありがとうございます」ペコリ
パチパチ パチパチ
宣教師「……皆さんは人とホビットの和睦が成立してから1年の時が経ったのをご存知でしょうか?」
シーン
宣教師「現在では私達もこれまでの活動を改め、布教内容をホビットとの融和を説く物に変えています」
宣教師「布教に励む皆さんのたゆまぬ努力と熱心な説得が実を結び、少しずつではありますが以前ほどの差別は減ってきたように思います」
宣教師「ですがいくつか気掛かりな事がありまして……。
それは私が前司祭様より引き継いだ各地の孤児院……」
宣教師「出来る限り時間を作って巡るようにしていますが…不可解な事にどの院でもホビットの姿をあまり見かけません」
宣教師「気になったので探らせてみたところ、どうもホビットの受け入れを拒否…。
もしくは明らかな嫌がらせ行為などをして出ていくように仕向けているとか?」
ザワッ
宣教師「私の手元に調査結果を詳細に記した報告書がありますので、その中からいくつか読み上げていきましょうか」カサッ
院長's「えっ」
6: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/16(日) 20:20:20 ID:N4jwCkModw
宣教師「たとえばそうですね…?
同じ人間の子には一日三食しっかり与えるのに対し、ホビットの子たちには水一杯しか与えない。
それも入浴後の残り湯を冷ました物だとか」ペラッ
ザワザワ ザワザワ
宣教師「えぇ…と、これもまた驚きですね?
『教団がお前らを許してもみんなはお前らを許さない』と正座させて説教した上で人間の子たちに一人ずつホビットの嫌いなところを言わせる。
ホビットの子たちが正座したまま目の前で罵倒されるのを見て、院の職員たちは酒を飲んで高笑いしている、と。
そもそもこんな方々がなぜ孤児院に務めようと思ったのか、甚だ疑問ですね?」
院長1「……!」プイッ
宣教師「他には子供たちが集団でホビットの黄色い瞳をからかい、泣かせていたのを見てみぬフリ」
院長2「」ビクッ
宣教師「神父が連れてきた行き場のないホビットの幼子を後でこっそり追い出すなど……。
まだまだありますがキリがないので割愛させていただきます」
院長's「」ホッ
宣教師「皆さんはこのような報告を受けて、どのようにお考えですか?」
シーン
宣教師「今日集まっていただいたのは主に各地の孤児院の関係者なのですが、なんとも思いませんか?」
ザワザワ ザワザワ
宣教師「私に言わせれば…なにをやってるんですか、と。その一言に尽きます」
7: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/16(日) 20:22:06 ID:N4jwCkModw
宣教師「改めて伺いますが…あなた達はなにをやってるんですか?」
ザワザワ ザワザワ
ミシング「はーい!大司祭教祖法王様ー!」
宣教師「なんでしょう?」
ミシング「あれれ?ツッコまないの?」
宣教師「えぇ、和ませる気はありませんので」
ミシング「…探らせたってどうやって調べたんですかー?」
宣教師「知人のホビットを多数募り、各院に潜入させました。
先ほどの報告は彼らから送られてきた手紙による物です」
ミシング「信用ないねー」
宣教師「信用を得たければ信頼に足る行いをすればいい。違いますか?」
ミシング「違わないけどさー。なんかあたしは好きじゃないなー?そーゆーの?」
宣教師「……事実、ここに集められた方々は報告に該当していた院の関係者です。
とりあえず説明を求めてみましょうか。なにか言い分のある方は挙手を?」
ミシング「はーい!あたしはそんな事してないでーす!」
宣教師「知ってます。あなた呼んでもないのに勝手に来たんでしょう?」
ミシング「ふぅ〜!疑惑が晴れた!じゃあ次の人ー?正直にどーぞ!許してもらえるかもよ?」
宣教師「(なんであなたが仕切るんですか…)」ムスッ
8: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/16(日) 20:24:46 ID:c.I12gaZzE
職員1「は、はい!」
宣教師「どうぞ」
職員1「わ、私は院長がそんな悪質な事をやっていたなんて知らなかったんです!」
院長1「はぁ!?なに言ってんだよ!?」
宣教師「あなたの発言は許可してませんよ。勝手に喋らないように?」
院長1「し、しかし……!」
宣教師「悪質な行為とは主にどんな事でした?」
職員1「え…と、院長が腹いせに孤児を殴っていた時に止めに入ったホビットを気に入らないと追い出しました!」
宣教師「……いくつか報告に上がってましたね。
中には孤児そのものを虐待している院もあると…その件は後で追及するつもりでしたが」
院長1「ち、違います!誤解です!」アセアセ
宣教師「ところであなた、知らないとおっしゃったにも関わらず、なぜその場面について話せるのですか?」
職員1「え…!?」
ミシング「(あたまわるいなー)」
職員1「そ、それはそのぅ」マゴマゴ
院長1「こ、こいつです!こいつがやってたんです!私はなんにも知りません!」
職員1「はぁ!?てめっふざけんなよ!?」
ミシング「あららのら?ケンカしちゃったねー?」
ギャーギャー
宣教師「…もういいです」
職員1&院長1「え?」
9: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/16(日) 20:29:13 ID:N4jwCkModw
宣教師「話は変わりますが…私は誰もが平等に幸福を授かれる権利があると思っています」
宣教師「それは生い立ちや境遇に関わらず…種族や人種にも問われない唯一の権利」
宣教師「僅かでも恵まれた環境にいる者が自分より、ほんの少し恵まれない者に分け与えるだけでいいのです」
宣教師「たとえば着る物すら無く裸一貫で寒さに震える人を見かけたらどうします?」
院長1「?」
宣教師「衣服を何着も持っているのなら、その内の一着を差し上げられませんか?」
職員1「……」
宣教師「あなた方の身近にいる人が深く心を傷付けて落ち込んでいたら?」
ミシング「…あたしだったら話を聞いて慰めるかなー」
宣教師「そうですね。声をかけてあげるだけでも励みになると思いますよ?」
ザワザワ ザワザワ
宣教師「物でなくてもいいのですよ。
互いを助け、互いを大事にしていければ私達の生きる場所は少しずつ豊かになるでしょう」
宣教師「勝手ながら…生まれ変わった私達、教団はその理念に基づいているものだと思っていました」
職員2「か、簡単に言いますけど…大変なんですよ、こっちだって!」
院長2「そうですよ!人の孤児でさえ、溢れ返りそうなのにホビットまで受け入れてたら……」
院長3「子供達がそこいら走り回って汚すから掃除しても綺麗にならないし、夜中とかに色々思い出して泣き出す子もあやさなきゃだし……忙しいんですよ、寝る時間もない!」
宣教師「……だから虐待したり追い出したり門前払いするのですか?」
シーン
宣教師「それで心が晴れると言うのでしたら、どうぞ立ち去ってください?」ニコッ
10: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/16(日) 20:32:32 ID:N4jwCkModw
オロオロ オロオロ
宣教師「私もあなた方の気持ちが少しだけ理解出来ます。
人には好き嫌いがあり、どうしても感情に流される場合もあるでしょうね?」
院長4「そ、そうですよ!我々もしかたな………」
宣教師「私はあなた方のように卑劣で陰湿で粗暴で傲慢な人が大嫌いです?」ジロッ
院長4「は…!?」
宣教師「もし私が感情に流されて衝動的に動く性格であったなら……今すぐあなた方を全員、憲兵団に突き出しているところでした?」
職員4「そ、そんなことで憲兵が……」
宣教師「では問答無用であなた方を失脚させましょうか?
こんな事の為に協賛金が使われていると知れば賛同者の方々もお怒りになるでしょうし?」
院長5「こ、困りますよぉ…。生活の保障がなくなってしまいます…!」
宣教師「困るのでしたら、なぜ私にこんな事を言わせるんですか?」
職員5「す、すみませんでしたぁ!許してください!」アセアセ
宣教師「口先だけで謝っても許しませんよ。だいたい私に謝られても被害を被っているのは子供たちですから」
職員6「も、もうしません!絶対に!」
宣教師「"もう"じゃないんですよ?"もう"じゃ?
あなた方がしてきた虐待はすでに子供たちの記憶に残っているのですから?」
院長6「なんでもしますから!」
宣教師「なんにもしなくていいんですよ。ただ普通に子供たちに接してあげればいいんです?」
ミシング「(……うーん、さすが宣教師!あのアントリア神官を言い負かしただけあるわ!ちょっと言い方キツいけど!)」ウンウン
11: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/16(日) 20:34:32 ID:N4jwCkModw
宣教師「正当な言い分があれば相応の判断を考慮するつもりでしたが…どなたも見事に保身を重視していますね。反省が見られません?」
ミシング「じゃあ全員、憲兵に突き出しちゃえば?」
ヒィィィィィイイイ
宣教師「……そうですね、これまで助けを求める事も出来ず、辛く苦しい時間に耐えてきた子供たちの気持ちを思えば……それがいいのかもしれません?」ジロッ
院長1「おねおねねお願いししします!それだけは勘弁してください!?」
宣教師「…性的虐待を加え、酒や煙草を覚えさせている院もあると聞きました」
院長7「」ビクッ
宣教師「その子たちがこれから生きていく上で……何回、その記憶に苦しめられるのか」
ミシング「さいっ…てー!!誰よ、そいつ!?」ムカッ
宣教師「私は聖職者として己を恥じています。
たった数十枚の手紙を見ただけで……決して抱いてはならない感情を覚えました」
宣教師「わざわざ口には出しませんが……察していただけますよね?」
院長's「」ガクガクブルブル
宣教師「……はぁ、ではあなた方に結論を言い渡します」
12: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/16(日) 20:35:56 ID:N4jwCkModw
宣教師「性的虐待と暴力に関わっていた者は自首しなさい。
ちなみに逃亡を図っても無駄ですよ。この部屋の外で憲兵の方々に待機していただいてますから」
ヒィィィィィイイイ
宣教師「それ以外の比較的軽い嫌がらせを行っていた者は今まで通りで結構です」
ホッ ホッ ホッ
宣教師「今回に限り、ですがね。お忘れなきようお願い致します」
ザワッ
宣教師「言い分は分かりますよ?人手も不足していますし、やはり疲れも溜まるでしょう…?」
宣教師「あくまで私の理想は極論であって……誰しも目指す先が同じとは限らない事も承知しています」
宣教師「ですが世の中には様々な事情があって苦しんでいる人たちがいるのも確かで……。
この団体はそういった方々を支援し、志を同じくする人々の施しや賛同頂いた富裕層の協賛金で成り立っています。
せっかく善意を寄せてくださっても私達がこの有り様では助け合ってるとは言えません?」
宣教師「もう一度、よく考えてみてはいかがでしょうか。
初心に帰って……自分たちが支えている子供たちと向き合ってみてください」
教徒's「……」
院長's「……」
宣教師「話は以上です。門前に馬車を付けておきましたので各々、道草せずに持ち場へ戻るように」
ミシング「はーい!じゃあどうしょうもないろくでなしさん達は憲兵さんとお話するよー!?」パッパッ
13: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/16(日) 20:42:04 ID:N4jwCkModw
―――大聖堂(広間)―――
宣教師「はぁ…」
ミシング「お疲れ!良かったじゃーん?」
宣教師「……」
ミシング「どしたの?」
宣教師「私には荷が重いですよ…」
ミシング「そー?よくやってると思うよ?」
宣教師「…どうでしょうね。
相変わらずホビットを蔑視する人はいますし、孤児院の問題も無くなりませんし、里親もなかなか現れませんし……」
ミシング「まだ始まったばっかでしょー?」
宣教師「予算もカツカツですよ……各孤児院への分配、布教者に保障する路銀、教典も無料配布にしましたから」
ミシング「援助してくれる富裕層も少ないもんねー。お布施も撤廃しちゃったから資金力も下がるし」
宣教師「国から助成金が出ているとはいえ、司祭様はどうやってやりくりしてたのでしょう…。
やはり持ち前の倹約術でなんとかしてたんですかね」
ミシング「…勧誘して入団料とか取ったり、よく分かんないお札とか売ったりしてたみたいよー?宣教師もそうすれば?」
宣教師「しませんよ。信者の方々には生活があるんですから無駄なお金を使わせたくありません」
ミシング「じゃあがんばるしかないよねー」
宣教師「はぁ……そもそも王子が私に教団を引き継げなどと命じるから」ブツブツ
ミシング「王子は差別を完全に無くしたがってるから宣教師が適任だって判断したんじゃない?」
宣教師「……はぁ」
14: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/16(日) 20:44:00 ID:c.I12gaZzE
〜〜〜回想(王宮)〜〜〜
ヒメ「わざわざ来てもらって悪いな。まぁ楽にしろよ」
宣教師「いえ、この前は楽しい一時をありがとうございました。ルーボイ君たちも喜んでいましたよ?」
ヒメ「そ、そうか!ま、まぁ王族であるオレがわざわざもてなしてやったんだから当然だな!」デレデレ
宣教師「(相変わらず分かりやすい子ですね)」
ヒメ「な、なんだよ?その目は?」ジトー
宣教師「なんでもありませんよ?」ニコッ
ヒメ「…まぁいいや!それで今日、お前を呼んだのはさ。この間言ってた土地の件なんだけど……」
宣教師「もう見つけてくださったんですか?」
ヒメ「いや…一々新しい土地を用意するより元からある土地を再利用した方がいいかと思って」
宣教師「と、言いますと?」
ヒメ「教団で管理してた孤児院が結構残ってるからさ、そこ使えよ?」
宣教師「えぇっ!?」
ヒメ「なんだよ?不服なのか?全体で言えば城一つ分の土地が手に入るんだぞ?」
宣教師「た、確かに教会では手狭だと言いましたが……」
ヒメ「あぁ、そうそう。教団で使ってた各地の教会も使わせてやるよ!」
宣教師「全国の教会まで!?いやいや、私一人ではそんなに手広く管理できませんよ!?」
ヒメ「人手も要るだろうから現教団の教徒たちにも協力させていいぞ!」
宣教師「……!そ、それって…!?」
15: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/16(日) 20:45:28 ID:c.I12gaZzE
ヒメ「手っ取り早く言うとだな、お前が教団の長になって役目を引き継げ」
宣教師「無理ですよ!?私のような一宣教師が……」
ヒメ「オレは身分には左右されない。庶民でも有能な奴はいるし、貴族はもっぱらバカばっかりだ」
宣教師「わ、私だって別に……」
ヒメ「お前は正義感が強いし、物事を正しく見極めようとする努力も惜しまない。
大抵の奴はお前を偽善者と罵るだろうけど……それを苦にしない強さを持ってるじゃないか?」
宣教師「買い被り過ぎですよ…」
ヒメ「そうか?僕はお前以外に適任者はいないと思ってるぞ?」
宣教師「だとしたら宛が外れていますよ。ありがたい話ですがお断り……」
ヒメ「この前の会、楽しかったよな」
宣教師「? は、はい。とても……」
ヒメ「お前らご馳走を腹一杯食ったっけ?」
宣教師「」ギクッ
ヒメ「あれだけの料理を振る舞うのにいくら使ったかなー?あとで大臣に計算させなきゃ?」
宣教師「…ひ、引き受けます」
ヒメ「は?なに?」
宣教師「…教団を引き継ぎますよ!!!」ガアーッ
ヒメ「!?」ビクッ
宣教師「それでいいんでしょう!?」
ヒメ「う、うん、いいよ?」ビクビク
16: 名無しさん@読者の声:2014/11/16(日) 20:55:36 ID:pEIpXRf4gU
おおお…!まさかの完結編とは!
支援支援支援支援!
17: ◆WEmWDvOgzo:2014/11/16(日) 21:52:50 ID:Qd7LFFvBs.
>>16
読者スレを覗いたら大変嬉しい感想を頂いたもので……書こう!と決意しました!
主人公なのにカロルはまだ当分出さない予定ですがw
今回もまた無駄に長くなりそうですがお付き合い頂けたら幸いです!
感謝感謝感謝感謝!
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