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カロル「ボクが世界を変えてみせる」
[8] -25 -50 

1: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/24(日) 19:26:09 ID:j5u3Ryt06o
前スレ
(少年「ボクが世界を変えてみせる」)
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-50


―――あらすじ―――

人間によるホビットへの差別が当然のように行われる時代
人里を離れ、森の中で静かに暮らしていたホビットの親子がおりました。
母親の名はマリー。子供の名はカロル。
二人はささやかな幸せを願って、穏やかな日々を送っていました。

母は今の生活に満足していました。
もちろん森の中での生活は不自由で贅沢とは無縁なものでしたが多くを望まない母にとっては愛する我が子と生きていけるだけで幸せだったのです。

しかしカロルは違いました。
もちろん愛する母と生きるのに不満はなく、彼自身も多くを望もうとは考えません。
ですが彼にとって一つだけ足りないものがあったのです。
それは友達という存在でした。

幼心に自分たちの置かれた立場は分かっていたつもりでした。
人目を逃れて生きるホビットには仲間もなく、心を通わせる相手を見つけるのはとても難しいと。
それでも小さな身体に宿る希望は膨らむばかりです。


873: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 18:25:46 ID:F7QSLrs3M6
ヒメ「今すぐ武器を捨てろ!命令だ!」

オロオロ オドオド

ラム「…うるさいな」ザッ

ヒメ「……!な、なんだよ!?」キッ

ラム「君が黙ってくれなきゃ、こいつらが働いてくれないだろ?」チャキッ

ヒメ「お、オレと戦う気か!?」

ラム「ふふ!初めから気に入らなかったんだよね?」ダッ

ヒメ「ま…まっ……!」グッ

スパッ ポトポト

ヒメ「はぁっ!はぁっ!」ドキドキ

ラム「つつ!ゆ、指がぁ…!」タラァー

ヒメ「お、おまえが悪いんだぞ!いきなり切りかかるから思わず……」チャキッ

ラム「」ブンッ

ピシャッ

ヒメ「あうっ!?」ピッ

ヒメ「(目に血が…!?)」ゴシゴシ

シャッ ズドッ

ヒメ「うっ…ふぐっ」ブハッ

ラム「……」シュゥゥゥゥ

ヒメ「お…まえ……そのゆ…び…?」プルプル

ラム「勝手に治るんだ?いいでしょ?」ブシュッ

ヒメ「ぎゃっ!あぁぁあ!」ガクンッ

ヒメ「こ、この…ひきょう…だぞ…!?」ガクガク

ラム「喜んでくれて嬉しいよ?」ニコッ

ザワザワ ザワザワ
874: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 18:27:47 ID:BTDVpUAdHc
ラム「これで悩む必要はなくなったかな?あとは修道服を着た連中を切り刻むだけだよ?」

近衛兵1「お、王子は…聞いてない…」

ラム「気を失ってもらっただけだよ?後で治すから?」

近衛兵1「……」

ラム「ね、ほら?やっちゃってよ?」ウインク

近衛兵1「み、皆…修道服を切るぞ…」ザッ

ザッザッ ザッザッ

ミシング「う、うっそーん…?」ビクビク

ルーボイ「来んなし!兵隊のくせに弱いものいじめとかダセーぞ!」

ナラ「こ、こわい…」ダキッ

ミシング「な、ナラちゃん…!大丈夫だよ!お姉さんが付いてるからね?」ヒシッ

信者7&8&9&10&11「奴らをナラちゃんに近付けるなー!!」ババッ

アントリア「……」ススッ

ラム「あ、あれあれ!」ビシィッ

近衛兵1「は?」ピタッ

ラム「あのおじいさんさ、なんか偉い人間っぽいよ?見せしめにしちゃおっ!」ニヤニヤ

アントリア「……!」
875: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 18:31:21 ID:F7QSLrs3M6
近衛兵1「……こうしないと我々は償えないんだ」ジャキッ

ザッザッ ザッザッ

アントリア「…落ち着きなさい。君たちは今、なにをしようとしているのか考える必要がある…」

近衛兵1「」トロォン

アントリア「」ハッ キョロキョロ

ゾロゾロ ゾロゾロ

アントリア「(そ、そういうことか!)」ギリッ

ラム「どうしたの?なんか気付いちゃった?」

アントリア「舞台裏のテントから調達したのかね?」ジロッ

ラム「ふふ!鋭いね…?」ニヤリ

アントリア「あぁ…ヘマトバザールについては、よく知っているからね?」

ラム「あっそ?じゃあこいつらに何を言っても無駄なの分かるよね?」

アントリア「…恐ろしいな。君は悪魔だ」

ルーボイ「な、なんの話だよ!?」

ラム「傷心のあいつらを舞台に集めて、ヘマトがショーでよく使ってたタイマとかいう香料を嗅がせながら僕に協力するよう呼びかけてやったのさ。
そしたらあっさり騙されてくれたよ?目がトロンとして物事を深く考えなくなるみたい?」クスクス

ルーボイ「(そ、それって…旅人が村のみんなにした…?)」

ラム「さすがに主を切るのはためらったけどね?だから教団だけでいいって約束させた?」

アントリア「…なるほど、説得に応じようとしないのはその為か」
876: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 18:33:29 ID:BTDVpUAdHc
近衛兵1「うおおお!」ビュバッ

アントリア「くっ!」サッ

近衛兵7「しゃっ!!」ブンッ

アントリア「……!」スラッ ガキンッ

近衛兵8「」フラッフラッ

アントリア「ま、まずい…な!」ギギッ

近衛兵8「」バタッ

アントリア「……!?」チラッ

近衛兵8「」ブクブク

ラム「慣れてない奴に吸わせると倒れたりするんだよね。つっかえない!」ゲシッゲシッ

アントリア「…ほあっ!」ギンッ

近衛兵7「ととと!」フラッ

アントリア「ふむ、言うことを聞かせやすいが弱体化してしまうのか…」ジャキッ

近衛兵9「ひゅうううっ!」ザウッ

アントリア「はっ!」シュバッ
877: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 18:35:21 ID:BTDVpUAdHc
ザシュッ

近衛兵9「おっぐ!ん!ん!んぅぅ!」ボタボタ

アントリア「これなら一斉に攻撃されない限りは…」ホッ

ラム「よそ見してていいの?」

近衛兵12「うがぁ!!」ブンッ

アントリア「あぁ、危ない?ご忠告、感謝するよ?」サッ

ラム「いや、そっちじゃなくてさ」

近衛兵9「んぎゅうっ!?」バウンッ

アントリア「えっ」ガチィッ

ラム「ちゃんとした判断とか動きは鈍くなるかもね。でも正気じゃない分しぶといし、しつこいよ?」ニヤニヤ

アントリア「な、なるほど…!?」ギギッ

教徒1「な、内臓撒き散らしたまんま戦ってる!?」ヒィィ

信者's「わぁぁ!逃げろー!!」ダダダッ

ラム「逃がさないでね?ほら、追いかけて切らなきゃ?」

近衛兵's「ウガアアアアア!!!」ダダダッ
878: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 18:38:03 ID:BTDVpUAdHc
ミシング「きゃあっ!ナラちゃん!ルーボイくん!あたしたちも!」ダッ

ルーボイ「ちょっと待って!あいつも!」ダッ

ナラ「おうじ…さま?」トットッ

ミシング「ま、間に合わないって!ナラちゃんの親衛隊みたいな人達もあっさり逃げちゃったよ!?」

ルーボイ「うるせぇ!ナラたちは先に逃げればいいじゃんか!」タタッ

ナラ「わたしも!」タタッ

ミシング「えぇっ!?二人とも!」

近衛兵13「ヒャヒャ!」バッ

ミシング「きゃー!」ビクッ

近衛兵13「」カクンッ ドサッ

ミシング「ほっ…タイマに耐えられなかった人でラッキー…」チラチラ

ドドドドドドドッ

ズバッ ザシュッ ズドッ

ギャアアアアアアアアアアア

ミシング「じ、地獄絵図だよぉ…。やだぁ…こんなの…」ウルウル

近衛兵14「きええいっ!!」シャッ

ミシング「あ、あぶなっ!?」バッ

ガッキィィン!

ミシング「え……あれ?」オソルオソル

団長「大事ないか、お嬢さん?」ギギッ

ミシング「あ、はい…!」ドキドキ

団長「急ぎ駆けつけてみれば、またも不義を犯すとは…つくづくワシには見る目がない、な!」ガンッ

近衛兵14「きょえっ!?」ドサッ

ミシング「おぉー!」パチパチ
879: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 18:41:28 ID:BTDVpUAdHc
ヒメ「うっくっ…くそっ…」ズルッズルッ

ルーボイ「おーい!死んだか?」タタッ

ナラ「ルーボイ!しつれいだよ!」タタッ

ヒメ「お、おまえらか…」

ルーボイ「よくこっちまで来れたな?ほふくぜんしんってやつ?」

ナラ「…みんな、ばらばらになっちゃった…?だれがどこか…わかんない、ね」キョロキョロ

ヒメ「くそっ…近衛のやつら…僕の命令に背くなんて…」ギリッ

ルーボイ「うわ…腹、血だらけじゃん!大丈夫かよ!?」

ナラ「……!」プイッ

ヒメ「い、いいから…おまえらは離れてろ…!危ない…ぞ!」

ルーボイ「お前のが危ないっつの!ほら、一緒に逃げようぜ!ナラも手伝え!」ガシッ

ナラ「る、ルーボイ!」ハッ

ルーボイ「え?」

近衛兵15「修道服……」ザッ

ヒメ「やめろぉっ!?」ググッ

ナラ「いやぁぁぁぁあ!!」ブルッ

ルーボイ「げっ!?」ビクッ

近衛兵15「き…る……」ビュッ

ザクッ!
880: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 18:43:43 ID:BTDVpUAdHc
近衛兵15「……」

ヒメ「あっ…う……」ブルブル

ルーボイ「あっぶねぇ〜〜〜!」ハラハラ

ナラ「あ、あとちょっとで…ルーボイにささるとこだった…」ドキドキ

近衛兵15「」ズボッ

ピトッ フワッ

近衛兵15「」ピクッ

ヒメ「に、逃げろ!今度は助からないぞ!?」

ルーボイ「お、お前も…!」

???「もう平気だよ!」

ヒメ&ルーボイ&ナラ「え!?」ハモリ

近衛兵15「あ、あれ!?私は何を……」キョロキョロ

ナラ「え…へいたいさん?」

近衛兵15「な、なに?ってわぁぁ!?お、王子!?失礼致しましたぁ!?」ズザッ

ヒメ「どうなって……さっきの声は?」

近衛兵15「ん!?今、なんか踏んづけたような……」ソーッ

???「ひ、ひどいよー!?」ムクッ

ルーボイ「カロル!?」

カロル「えへへ…?久しぶり!」サスサス
881: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 20:29:42 ID:Ei6luXh5hM
ルーボイ「か、カロルぅ…!」ウルウル

ナラ「うっ…うっ…」グスッ

ヒメ「無事…だったんだな?」ピクッピクッ

カロル「先に傷を癒さないと?」ピトッ

ヒメ「」フワァッ

カロル「ごめんなさい…。王子さまを置いて逃げちゃって……」シュン

ヒメ「気にするな!おかげで助かったんだからな!」 スクッ

カロル「ルーボイくんも…ごめんなさい。大切な物、たくさん取っちゃって……」

ルーボイ「バッカじゃねーの?ホントはぜんぜん怒ってねーし!」

カロル「そうなの!?ボク、首絞められたと思うんだけど!?」

ナラ「ううん?わたしがね、はなしたの?ルーボイに…カロル、わるくないよって?」

ルーボイ「お、おい!言うなよ!?」アタフタ

カロル「そうなんだ…!ありがとう、ナラ?」ニコッ

ナラ「う、うん…!」ポッ

ルーボイ「ちぇっ!そうだよ!ナラから全部聞いたんだよ!
ホントは司祭様が悪巧みしててお前は騙されただけだって!」プンスカ

カロル「じゃ…じゃあ…あの…?」モジモジ

ルーボイ「は?」

カロル「ぼ、ボクと…仲直り…して…くれますか?」チラッチラッ

ルーボイ「はぁ!?」

カロル「……!ご、ごめんっ!」ビクッ

ルーボイ「最初っからともだちじゃねーのかよ!バーカ!」

カロル「!?」パチクリ

ルーボイ「だから!仲直りとかいらねーだろ!?」

カロル「う、うん!」パァァ
882: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/24(日) 20:41:10 ID:H.kvyPRca6
ナラ「ルーボイね、おしえてあげるまで、カロルのわるぐちばっかりだったよ?」コショコショ

カロル「え?」ガーン

ルーボイ「わっわー!!ちげーかんな!?ナラ、なんでそういうの言っちゃうんだよ!?」アセアセ

ナラ「だって…ホントだもん」ムスッ

カロル「ぷっ!」

ルーボイ&ナラ「え?」

カロル「あはははは!」

ルーボイ&ナラ「……あはははは!!」

ヒメ「」ジーッ

近衛兵15「す、すみません!すみません!なにせ気を失っていたもので…!」ペコペコ

ヒメ「気を失ってた…か。それならさっきみたいに癒しの力で治せば元に戻るんだな?」

近衛兵15「わ、私はこの通りピンピンしております!」

ヒメ「おい、カロル!」クルッ

カロル&ルーボイ&ナラ「あはははは!!!」キャッキャッ

ヒメ「…いつまで笑ってんだよ!?」

カロル「あ、ううん!なんでもないの!つい懐かしくなっちゃって!」ニコニコ

ヒメ「……」ムスッ

カロル「王子さま?」キョトン

ヒメ「なんでもいいけどな!どーせオレには関係ないし!?」イライラ

ルーボイ「なに怒ってんだ?」キョトン

ヒメ「さっさと全員、元に戻すぞ!?」

カロル「うん!そうだね!」ニコニコ

ナラ「たぶん…やきもち?」ヒソヒソ

ルーボイ「あー!俺らの方がカロルとともだちになったの早いもんな?」ヒソヒソ

ヒメ「そこ!勝手に推測するな!?」ムカッ
883: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/25(月) 17:12:53 ID:6Xqddv/IAk
―――平原―――

アントリア「はぁ…!はぁ!」タタタッ

ババッ ザッザッ ザッザッ

アントリア「囲まれたか…!」ピタッ

近衛兵16「がぁぁ〜」フラッフラッ

近衛兵17「ヒヒヒヒヒ!」ジャキッ

ラム「あの変態男もいいオモチャ残してくれたよね?」スタスタ

アントリア「ウォルター君には即効性の強い品種は後に残りやすいからやめておくよう忠告した筈なんだがね…!」ギリッ

ラム「見てよ?空を暗くしてた雲が離れて月が見えるよ?」スッ

アントリア「……?あぁ、おかげで闇に慣れた視界が澄み渡ってきた?」

ラム「こんなにキレイなお月様が照らしてくれる夜はあんまりないかもね…。
きっと人間の惨めな死に様が見たくて顔を覗かせたんじゃない?」

アントリア「…君のようなホビットが俗に言う世間一般のイメージなのだろうね?
ズル賢く、非道かつ残忍で…人間に敵意を持った悪魔…」

ラム「そう植え付けたのはお前らだけどね?」

アントリア「…話し合う余地はないだろうか?」

ラム「ないよ。死ね」

アントリア「まぁそうだろうね…」

ゾロゾロ ジリジリ

アントリア「一つだけいいかな?」シュルッ

ラム「殺っちゃって?」クイッ

バッ バッ バッ バッ

アントリア「せっかちだねぇ…!老いぼれの話に付き合ってくれてもいいだろうに…!」ババッ バサッ

ラム「(服を脱ぎ捨てた…?)」

ズバッ ザシュッ ブバッ

ギャアアアアアアアアアアア
884: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/25(月) 17:17:29 ID:YDR0adIOWk
団長「やぁっ!」シュッ

ドガッ!

近衛兵18「ぐえっ!?」ガタンッ

ビシッ バキッ ガスッ ドカッ

ドサッ バタッ ガタンッ ドンガラガッシャン

ミシング「すっ…ごーい。バッサバッサ切っちゃう…?」ポカーン

団長「む?切ってはおらんよ?峰打ちだ?」

ミシング「え…でも両側に刃が付いてますよね?」

団長「はっはっは!真ん中は平坦だろう?」ガンッ

ドサッ

ミシング「(…あんな大勢と戦いながら狙って平面で叩けるんだ)」

近衛兵1「団長!?」

団長「むっ!」バッ

近衛兵1「あ、違います!私は正気です!」アタフタ

団長「…っ!」ダッ

近衛兵1「ひぁっ!も、申し訳……」ビクッ

タタタッ ギャリィンッ バコッ

近衛兵19「むしゅっ!?」ドカッ

団長「ケガはないか!」

信者5「あ、ありがとうございます!危うく切られるとこでした!」

近衛兵1「わ、私じゃなかった…」ホッ

ミシング「あ、あれ?あなたも…おかしくなってましたよね?」

近衛兵1「そ、それが…王子とその友人方に治してもらいまして」

団長「詳しく聞かせろ!」ガキンッ

近衛兵1「はっ!な、なんというか…煙を嗅がされながら洗脳に近い形で……」

団長「そんなのはどうでもいい!言い訳より、まずこの状況の打開策を教えろ!」キンッキンッ
885: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/25(月) 17:23:24 ID:6Xqddv/IAk
ミシング「癒しの力で治るの?じゃあ癒しの力を使えるホビットが味方にいるってこと!?」

近衛兵1「え、えぇ。そのホビットと協力して王子たちが走り回ってます。
正気に戻った者から加勢して狂った兵を取り押さえるようにと…」

団長「それで!ワシになんの用だ?」ブンッ

バキッ ドガッ

ミシング「(話ついでにあたし達を守りながらバタバタ薙ぎ倒しちゃってる…。ちょっとかっこいいかもー)」ポーッ

近衛兵1「『キリがないから、なんとかしろ』と…団長にお伝えするよう仰せつかりまして」

団長「あの方も大雑把な命令を下すものだな…。いや、信頼されてる証か!」ニヤリ

ミシング「(きゃっ!ニヒルな笑み…渋いよぅ!)」ドキッ

団長「王子たっての厳命、必ずや果たしてみせると伝えてくれ!」

近衛兵1「はっ!」ピシッ

団長「…腕が鳴る!」ブォンッ

近衛兵20「ぎゃんっ!?」ズサー

団長「むん!」ブォンッ

近衛兵21「うごぉ!?」ビタンッ

ミシング「ふれー!ふれー!おっじさま!ダンディー!ダンディー!おっじさま!」パチパチ

団長「!?」ガクンッ

近衛兵22「ひぃぃっ!」ブンッ

ミシング「きゃー!おじさまー!?」

ガキンッ

団長「くっ!?」ギギッ

近衛兵22「ひひ!」バッ ブンッ

団長「せやぁっ!!」シュッ

ドゴッ

近衛兵22「ぷげらっ!?」ズダァンッ

ミシング「ほっ…!な、殴り倒しちゃうなんてステキー!」ヒューヒュー
886: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/25(月) 17:24:59 ID:6Xqddv/IAk
団長「…どこか痛むか?」

教徒2「い、いえ!ど、どうも…」ペコッ

団長「そうか。なるべくワシの近くにいろ!いいな?」

教徒2「は、はい!」

ギャリンッ ガチィッ キンッキンッ

団長「(王子も順調に兵を正気に戻してるようだな)」

団長「(…それにしても先ほどの兵…ワシがでかい隙を見せたにも関わらず刃先が後ろの教徒に向いていた)」

ミシング「きゃー!また来た〜!?」アワアワ

信者5「ひえー!?」

ザッザッ ザッザッ

団長「(こうしてる今もワシを狙ってはこない)」

『な、なんというか…煙を嗅がされながら洗脳に近い形で……』

団長「(洗脳…?もしかすれば何か敵を選別する条件があるのか?)」

ミシング「うわぁー!殺されちゃうよー!?」ビクッ

団長「ちっ!考える合間にも被害者が増える一方だな!」シャッ

ドフッ ズサー

ミシング「ほっ…!もう!おじさまったら、焦らし上手なんだから?」キャピッ

団長「はぁ…とりあえず今は戦い続けるしかないか」ジャキッ

ミシング「そっけないところも燻し銀…?」ウットリ

団長「!?」ガクンッ
887: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/25(月) 17:26:58 ID:YDR0adIOWk
―――平原―――

アントリア「クッ!ハハハ!やはりそうか?」

近衛兵17「」ビクンッビクンッ

近衛兵16「」ブシャァァ

近衛兵23「……」

アントリア「」シュバッ

ザシュッ

近衛兵23「」ドシャッ

ラム「な、なんで…!なんで攻撃しないのさ!?」アセアセ

近衛兵24「……」

近衛兵25「……」

ラム「やれっ!?あいつをズタズタに切り刻めよ!?」

シーン

アントリア「ふっふっ…どうやら君は気付いてないようだね?自分の犯した過ちを?」

ラム「……!?」

アントリア「まぁ気付かなくても一向に構わないよ?今度はこちらが反撃する番だ?」スタスタ

ラム「…これじゃまるでカカシだよ!ホント人間って使えない!」イラッ

アントリア「覚悟はよろしいか?罪深きホビットよ?」スッ

ラム「…いいよ。しょうがないから僕が相手してあげる?」チャキッ
888: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/26(火) 20:18:43 ID:g/4yaawZVM
―――客席最後列―――

スパッ ドバッ バタバタッ

ヒメ「よ、よし!カロル!今だ!」ゼェゼェ

カロル「ごめんなさい。兵士さん?痛いかもしれないけど、ちょっとの辛抱だから?」ピトッ

ルーボイ「切らないで止めてやれよー?」ブーブー

ナラ「すね…ふともも…きられるの…いたそう?」ビクビク

ヒメ「うるさい!これが精一杯なんだよ!胴と頭を防具で防がれてるんだから足元狙うしかないだろ!?
おまえらなんか、なんにもしないで楽ばっかしてるくせに!」ムキー

フワッ フワッ

近衛兵26「あ、あぁ!?私はいったい!?」キョロキョロ

近衛兵27「うわっ!王子!?」ガバッ

ヒメ「いいからおまえらも手を貸せ!こいつらを殺さずに動きを止めるんだ!」

近衛兵26&27「ははっ!」

ナラ「ねぇ…あっち?」

ルーボイ「ん?あぁっ!縛られてるおっさん達がいるぞ!?」

ヒメ「高官共と母上か…」

カロル「助けに行こうよ!」

ヒメ「ほっとけよ。あんな奴ら、助ける価値なんてない?」

カロル「」ダッ

ヒメ「あ、おい!?」

ルーボイ「俺も行く!」ダッ

ナラ「わたしも!」ダッ


ヒメ「ほんっと人の話聞かないな…!」ダッ
889: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/26(火) 20:22:57 ID:g/4yaawZVM
近衛兵28「」ザッザッ

タタタッ

カロル「はい、タッチ!」ピトッ

近衛兵28「あれ……俺、なにを…」フワッ

ルーボイ「うわぁ!?こっち来んな!」

ナラ「きゃっ…」

近衛兵29「いやっさぁ!?」ブンッ

カロル「ルーボイくん!ナラ!」クルッ

ヒメ「とあっ!!」バシュッ

近衛兵29「ぎぃあああ!?」ゴロゴロ

ルーボイ「さ、サンキュー!」

ナラ「さんきゅ…?」

ヒメ「勝手に動くなって言っただろ!?」

カロル「よかった?王子さまがいてくれて?」ニコッ

ヒメ「な、なんだよ!いきなり!」

カロル「ふふ。だって頼りになるんだもん?」ニコニコ

ヒメ「……!」カァァ

カロル「ボクなんて初めて会った時からずっと頼りっぱなし?王子さまって頼もしいよね?」

ルーボイ「おう!ホント同い年とは思えないよな!」

ナラ「わたしより…いっこうえ…おにいちゃんだったら…いいなー」

ヒメ「……!お、王族たる者、頼りになって当然なのだ!アッハッハ!」テレテレッ

カロル「ヒメくん、照れてるでしょ?」クスクス

ヒメ「照れてない!?あと名前で呼ぶなって言ってるだろ!?」

ルーボイ「ヒメ?……ぷっ」

ナラ「おひめさまみたい…」クスクス

ヒメ「くっそー!おまえら、みんな死刑だ!?」ムキー
890: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/26(火) 20:24:47 ID:g/4yaawZVM
シュルシュル パッ

大臣「ぶひぃ!助かりました〜!!」

妃「」キゼツ

政務官「まさかこんな子供4人に救われるとはな…」

カロル「ケガはありませんか?治しますから?」

大臣「はぁ〜いぃ〜?薄汚いホビットの分際でぇ?わたくしの心配なんておふざけもいい加減にしなさいよぉ?」ジロジロ

ザクッ

大臣「ヒアアアアアッ!!!!!」ピョンピョン

ルーボイ「うお!?」ビクッ

ナラ「」ビクッ

カロル「ひ、ヒメくん!なにしてるの!」アセアセ

ヒメ「手元が狂った?」ジャキッ

政務官「ふん…」

ヒメ「…おまえらを許す気はない。救われたなんて間違っても口にするな?」ジロッ

政務官「…私は利用されていたのだがな?」

ヒメ「自分の意思でな?」

政務官「ふん…可愛いげの欠片もないな」

カロル「だ、だいじょうぶ?」サスサス

大臣「ぶふぅ!し、死ぬかと思った…!?」

ルーボイ「カロル!こっちのおばちゃん、気ぃ失ってんぞ!」

カロル「うん!わかった!」

政務官「……」

ヒメ「あいつに感謝するんだな?」

政務官「フッ…」
891: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/26(火) 20:26:52 ID:36TSNFO64c
妃「まぁ…!?あたくしとしました事が式典の最中に眠りこけていたなんてはしたない………ひえっ!?」ズザザァッ

カロル「だ、だいじょうぶですよ?ボクは敵じゃないですから!」アセアセ

妃「ひぃぃ!よ、寄るな!穢らわしい!?」シッシッ

ルーボイ「助けてやったのになんだよ!」

ナラ「……!」ジロッ

妃「な、なんですか?あーた達は!?あたくしに何をなさるおつもり!?」

ヒメ「礼くらい言ってみてはいかがですか?」

妃「ヒメ?貴方、なにを考えておりますの!?こんな下品な子供とホビットに伴って!?」

ルーボイ「はぁ!?どういう意味だよ!?」

大臣「ぐふふ!そのまんまの意味でしょうなぁ?」

ヒメ「あ?」ジャキッ

大臣「…な、なんでもございません」

妃「だ、誰ぞ!誰ぞ、この下品な童を始末なさいまし!」

近衛兵30「ウッヒョー!」ブンッ

近衛兵26「くっ!」ガキンッ

妃「な、な…!?なにをしているのです!内輪揉めなどしていないで……」

ヒメ「母上!!」

妃「」ビクッ

ヒメ「彼らは命の恩人なのです!慎まれてはいかがか!」

妃「い、命の恩人!?」

ヒメ「…先ほどの発言を撤回し、謝罪を述べた上で一礼していただこう!」

妃「は、母に向かってなんたる非礼!貴方はそれでも…!」

ヒメ「黙れ!!」

妃「ひっ!?」ビクビク
892: ◆WEmWDvOgzo:2014/8/26(火) 20:28:51 ID:36TSNFO64c
カロル「ぼ、ボクたちは気にしてないから…」アセアセ

ヒメ「僕が気にしてるんだ!」

ルーボイ「俺も別にいいぜ?カロルといると、こんなんばっかしだもん?」

カロル「ホントのことだけどひどいや!?」ガーン

ナラ「わたしたちが…わかってれば、いい…よね?」

カロル「うん!そうだよ!」ニコッ

ヒメ「おまえらの気持ちなんて知るか!?」

ルーボイ「じゃあ何を怒ってんだよ?」

カロル「…お母さんなんでしょ?怒鳴ったりするの良くないよ?」

ヒメ「うるさい!友人をバカにされて怒らない奴がいるか!」

妃「ゆ、友人!?貴方こんな下品な童達と友人なの!?」

ヒメ「…謝れ!?こいつらに謝れ!?」

妃「だ、誰が謝るもんですか!?」

ギャーギャー!

カロル「……」

政務官「あー君たち…」チョイチョイ

カロル「え?」

ルーボイ「なんだよ、おっちゃん?」

ナラ「……?」

政務官「私の名はリルラだ。おっちゃんではない」

ナラ「リルラ…さん?」

政務官「今から私の言う事をしかと聞いて実践してくれ?」

カロル&ルーボイ&ナラ「……?」キョトン
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うpろだ
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