前スレ
(少年「ボクが世界を変えてみせる」)
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―――あらすじ―――
人間によるホビットへの差別が当然のように行われる時代
人里を離れ、森の中で静かに暮らしていたホビットの親子がおりました。
母親の名はマリー。子供の名はカロル。
二人はささやかな幸せを願って、穏やかな日々を送っていました。
母は今の生活に満足していました。
もちろん森の中での生活は不自由で贅沢とは無縁なものでしたが多くを望まない母にとっては愛する我が子と生きていけるだけで幸せだったのです。
しかしカロルは違いました。
もちろん愛する母と生きるのに不満はなく、彼自身も多くを望もうとは考えません。
ですが彼にとって一つだけ足りないものがあったのです。
それは友達という存在でした。
幼心に自分たちの置かれた立場は分かっていたつもりでした。
人目を逃れて生きるホビットには仲間もなく、心を通わせる相手を見つけるのはとても難しいと。
それでも小さな身体に宿る希望は膨らむばかりです。
586: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/13(金) 21:01:38 ID:jBFzy2s5MA
―――平原―――
手下15「ったくよー!なんだって俺達がこんな所まで行かなきゃなんねーの!?」ブツクサ
手下16「しゃーねー!しゃーねー!やるっきゃねー!」スタスタ
手下17「あんのバカ共!たかだか運ぶだけでなぁに時間喰ってんだか?」スタスタ
手下18「お?あれじゃね?」ビッ
手下19「あ、ホントだ?あいつら来てんじゃん?」
手下20「荷車が重くて運べねーんじゃねーの?」
手下21「けっ!虚弱かよ?」
手下22「いっちょ助っ人してやりますか!」マクリ
587: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/13(金) 21:02:16 ID:jBFzy2s5MA
ガタンゴトン ズルズル
黒装束1「き、来たぞ…」
黒装束2「シッ!まだだ!」
手下15「あーい!おせーよー!」スタスタ
手下16「ウォルターさんカンカンだぞ!」スタスタ
黒装束1「す、すまない…。ちょっとな」
手下17「おら!さっさ運んじまうぞ!」
黒装束2「あ、あぁ…」
手下18「……」ジロッ
黒装束1「な、なんだ?」
手下18「なんか怪しいな?」
黒装束1「」ビクッ
黒装束2「そ、そんなことはない」アセアセ
手下18「いーや、怪しい!フード外してみろ!」
黒装束1「……」
手下19「どーした?できねーのか?」
手下20「ますます怪しいな?お前ら、ナニモンだ?」
手下21「直接、体に聞いてやるか!」ポキポキ
バァンっ!!
手下15「うわっ!?」ビクッ
バンパ「っしゃ!突撃だ!?」ダッ
ドドドドドッ
手下16「こ、こいつら…!」アワアワ
バキッ ドカッ ドスンッ ボゴッ
588: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/13(金) 21:05:21 ID:jBFzy2s5MA
手下15「う、うう」グッタリ
手下16「こ、こんな…こと、して……タダで、済まないぞ」ピクッピクッ
バンパ「バカヤロー!タダで済ませる気はねぇ!借りは100倍にして返してやる!?」
黒装束1「も、もう脱いでいいか?」モゾモゾ
バンパ「まだだ!この調子で油断させて舞台まで乗り込んでやるんだ!」
黒装束2「人間の服は大きすぎるよ。ブカブカだし?」
バンパ「我慢しろよ?もう少しの辛抱だ?」
ダダダダダダダッ
バンパ「お!」
ラム「遅くなってごめん!荷車の置き場まで戻ってたら時間がかかって!」タタタッ
ザァァァァァァァア
バンパ「は、はは…スゲーな?」ヒクヒク
ラム「まぁね?120はいるかな?」
シープ「ぼくもいるよー!」ピョンッ
バンパ「おぉ、シープ!無事だったか!」
シープ「このお兄ちゃんのおかげだよー?」スッ
カロル「どういたしまして?」ニコッ
バンパ「はっはっは!いや、助かったよ!お前は俺達ホビットの誇りだ!」バシッ
カロル「痛つ…!ち、力が強いや?」ヒクヒク
589: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/13(金) 21:15:47 ID:p5IP.S./Mo
ラム「これ何?」キョロキョロ
ウゥ〜 ウゥ〜
バンパ「おかしいと思って様子を見に来たんだろ?とりあえず俺達で片付けといたぞ?」
ラム「…ダメじゃないか?ちゃんと殺さなきゃ?」ジト
バンパ「まぁそー言うな!武器を奪ってから殺るつもりだったんだよ!」
シープ「バンパってどんくさーい?」
ラム「ね?」
バンパ「ほんっとお前らってやつは……」
カロル「ね、ねぇ…」オズオズ
ラム「なに?」ジロッ
カロル「っ…な、なんでも…ないよ」グッ
ラム「ふん…」
カロル「」シュン
バンパ「ど、どーした?」
ラム「さぁね?」
カロル「ごめん…」
シープ「もういーじゃん!早く行こうよ!」
バンパ「おう!後はテントに残った仲間を助けて親玉をぶっ殺すだけだ!」
ラム「まだまだ君には頑張ってもらうからね?」
カロル「…」コクッ
ラム「君が殺られたらおしまいなんだから絶対に同情しちゃダメだよ?」
カロル「わ、わかってるよ!」
ラム「君を守る為に直接的な戦闘はさせないし、君が嫌がるなら僕らが手を汚してあげる。だから君はやる事をきっちりやってよね?」
バンパ「そんくらいにしとけって?カロルだって分かってるよ?」ポンッ
ラム「…だといいけど?」
カロル「ちゃ、ちゃんとやるから…」アセアセ
590: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 18:47:21 ID:.bFuuT9udA
―――舞台―――
ガッ ドカッ バキッ ズシャァッ
タワンテ「ウ……ア…」ボロッ
ウォルター「おいおいおーい?こちとら素手でやってんだぜぇ?」パッパッ
手下2「(こ、この人はなんつーか…人間離れしてんなぁ)」ゴクリ
タワンテ「クッ…!」ムクッ
手下2「(タワンテだってナイフ術にかけちゃ俺達の比じゃねーのに…まるで猫が鼠をいたぶるように弄びやがる)」
バッバッ バシッ グイッ ズダァン
手下2「(客もみんな声を出さずに魅入っちまってる…)」
ウォルター「ハッハー!もっと気合い入れろや!?」ビュバババババッ
591: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 18:49:02 ID:.bFuuT9udA
―――平原―――
ガタンゴトン ズルズル
黒装束1「――!」ピタッ
黒装束2「誰だ!?」
ティラーナ「私だ」
黒装束1「お前だったのか」
黒装束2「いや、誰だ?」
ティラーナ「遅い…!何をしてたんだ…!」
黒装束1「…この女、裏切り者だ」コショコショ
黒装束2「あ、そうか…ウォルターの指示で…」コショコショ
ティラーナ「どこで道草を食ってたのか知らないが…早く運べ…!」
黒装束2「やだね?」
ティラーナ「なっ…!」
ガララッ ゾロゾロ
ティラーナ「え?なんで…出て…」
バンパ「よう?あん時は世話んなったな?」ストッ
ラム「君が来たっていうことは…向こうもいよいよ切羽詰まってきたのかな」ストッ
シープ「もう誰もいないんじゃない?このまま突撃して殺っちゃおーよ?」
ティラーナ「お、お前…たち…どうして…!?」
ラム「どうして?こっちが聞きたいよ?」
ティラーナ「は…?」
ラム「なんの罪もない僕らが閉じ込められて…なんで裏切り者の君が外にいるの?」
ティラーナ「」ビクッ
バンパ「おう!みんな!とっちめてやろうぜ?」
オォォォオオォォォオ
592: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 18:52:43 ID:.bFuuT9udA
ティラーナ「や、やめ…て…!」タジッ
ラム「なに?聞こえないんだけど?」
ティラーナ「悪かった…悪かったと思ってる…!」
ラム「え?もう少し大きい声で?」
ティラーナ「タワンテさんが危ないんだ…!頼む…!舞台に来てくれ…!」
ラム「聞こえた?」
バンパ「いーや?全然?」
ティラーナ「早く次の分が来ないと…間に合わないかもしれない…!」
カロル「…なんの話?」ヒョコッ
ラム「き、君には関係ないよ!中にいて!?」
バンパ「どうしたんだよ?そんな慌てて?」
カロル「」シュン
ラム「カロルくんに聞かせたら、また助けようとか言い出すに決まってるだろ…!」
バンパ「はっはっ!そりゃねーよ?事情を話せば分かってくれるさ?」
ラム「分かってくれないから言ってるんだよ…!」
593: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 18:53:59 ID:2Zx7AsMyp6
ティラーナ「時間がないんだ…!早くしないとタワンテさんが殺されてしまう!」
カロル「え!?じゃあ助けなきゃ!?」
ラム「ほら、はじまった…」
バンパ「いやいやカロル?実はな、そいつは裏切り者なんだ?同族を騙して……」
カロル「昔のことはいいじゃない!助けてあげようよ?」
バンパ「いやいやいやいや」
ラム「だから言ったじゃないか!?」
シープ「うーん…まぁいいんじゃない?どうせ行くんだし?」
ラム「そ、そうだけど…こんな奴の頼みを引き受けた形で行きたくない!」
カロル「意地悪しちゃダメだよ!」
ラム「うるさいな!君は黙ってろよ!」
カロル「ラムくんが言ったんじゃない!同族を助けるって!」
ラム「同族は同族でも…こいつは裏切り者だ!」
カロル「分からず屋!」
ラム「君にだけは言われたくないね!」
バンパ「や、やめとけって…」
シープ「ラムがムキになるなんて珍しいね?」
バンパ「言ってる場合かよ…。まず舞台に着かなきゃ始まらねぇのに…」
594: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 18:56:53 ID:HYX0Ob9k1M
―――舞台―――
ウォルター「おーおー!そんなもんか?あぁ!?」バババッ
タワンテ「うぐっ!」ドフッ
ウォルター「はっ!張り合いのねぇ?」スタスタ
タワンテ「ドゴへ…行グノデス…?」ヨロヨロ
ウォルター「」ヒョイッ
タワンテ「(…さっき投ゲタ…ナイフを!?)」クラッ
ウォルター「遊びは終いだ?」ギラッ
タワンテ「う…はぁ…!」ググッ
ウォルター「安心しな?楽には逝かせねぇよ?」ビュンビュン
ウォルター「惨たらしく殺してやる?」ニタァァ
タワンテ「(ティラーナ…!)」ギュッ
ウォルター「」ダッ
タワンテ「…ハァッ!」ヒュンッ
ウォルター「おそおそおっそーい!?」キンッ
カンッカンッ ポトッ
タワンテ「マズッ…!?」ハッ
595: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 18:58:09 ID:L/A4t.oOjM
ウォルター「んじゃ解体ショーいってみよー!?」シュバッシュバッ
タワンテ「あっく…!」ブシャッ
ウォルター「脛!腿!股!脇!右腕!指!左腕!手の甲!胸!首!頬!唇!鼻!右目!左目!」シュババババッ
ビュバッ ザシュッ ブスッ ビシャッ
タワンテ「ぎやああああああ!!」スバババババッ
ウォルター「はい、寝転んだー」ドカッ
タワンテ「」ダァンッ
ウォルター「」ペロォ
ウォルター「いぃ〜いねぇ?血も滴るいい男だろぉ?」ジュルリ
タワンテ「」ビクンッビクンッ
ウォルター「ふんっ!」ビュッ
ドスッ!
タワンテ「」ゴフッ
ウォルター「もっとくれよ?」グリグリ
タワンテ「」ブバァッ
ウォルター「ハァァ…!血飛沫ちゃ〜ん…!」ピチャッ
ウォルター「ハッハー!」ガバッ
手下2「……!」
ウォルター「ずず…んまっ!」ジュルジュル
手下2「な、なにやってんだ…!?」ゾゾォ
ヒィィィィィィィ!
手下2「血を啜るなんてやり過ぎだ…!客もドン引きじゃねーか!?」
596: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 18:59:34 ID:L/A4t.oOjM
ウォルター「ぷはぁっ!この一杯の為に生きてるって感じだなぁ〜!?」ゲプッ
タワンテ「ティ…ラーナ」グッタリ
ウォルター「お!しぶといな?」ジロジロ
タワンテ「いき…て…ティラ……ナ」ボソボソ
ウォルター「……ティラーナ?」
ウォルター「」ハッ
ウォルター「おい!今すぐ舞台降りてテントを確認しろ!?」
手下2「え!?」
ウォルター「早くしろぉ!!」
手下2「うっす!」ダッ
ウォルター「タワンテぇ…!」ギリッ
タワンテ「」ニンマリ
ウォルター「これが狙いか!ハナッから時間稼ぎが目的だったんだな!?」ガシッ グイッ
タワンテ「ど…族に……悪イ事を…シテキ…マシタ」ゼェゼェ
ウォルター「んなこたぁ知らねぇんだよ!?」ユサユサ
タワンテ「スミマセン…愛すべき…同胞たち…」ブラブラ
ウォルター「言え!?どこだ!?ティラーナはどこだ!?」
タワンテ「……」フッ
ウォルター「ちぃっ!?くたばりやがった!?」ダンッ
タワンテ「」ゴロン
597: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 19:00:57 ID:HYX0Ob9k1M
〜〜〜走馬灯(タワンテ)〜〜〜
ウォルター「おう、タワンテ?お仲間を連れてきてやったぜ?」
タワンテ「仲間?」
ウォルター「やっぱ一匹じゃ限界があるからな?そいつも手伝わせろ?」
ティラーナ「…ティラーナと言います…」ボソボソ
タワンテ「ドーモ?」ペコリ
ウォルター「後はこいつから教われ?」
ティラーナ「分かりました…」ボソッ
タワンテ「ヨロシクお願いシマス。助け合ッテいきましょう?」
ウォルター「難しいこたぁねぇさ?仲間を売るだけの単純な作業だ?」
ティラーナ「……」
598: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 19:04:18 ID:w4WKmrgy6I
イヤダァァァ
ティラーナ「ごめ…なさい…」ボソッ
タワンテ「生キル為デスよ?」ポンッ
ティラーナ「タワンテさんは…非情なんですね…」プイッ
タワンテ「光栄デス?」
ティラーナ「褒めてません…」
タワンテ「」クスッ
599: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 19:05:23 ID:w4WKmrgy6I
タワンテ「暴れナイ暴れナイ」ググッ
ホビットの女の子「イヤだ!帰してよ!ママのところに帰りたい!」ジタバタ
ティラーナ「た、タワンテさん…離してあげて…可哀想…」
タワンテ「そうデスね?ママがいるなら離シマショウ?」パッ
ホビットの女の子「あーん!!」ダッ
ティラーナ「無事に逃げてくれるといいですね…」
タワンテ「何言ッテルンデスか、追イマスよ?」ダッ
ティラーナ「えっ」
タワンテ「」タタタッ
ティラーナ「ま、待って…!」ダッ
600: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 19:06:16 ID:RvsogzPv8w
メスのホビット「むがむぐ」モゴモゴ
タワンテ「案内シテクレテありがとうございマス?」ニンマリ
ホビットの女の子「ま、ママー!?あーん!!」ビエーン
ティラーナ「タワンテさん…!いけません…!」
タワンテ「家族が居ルのを打ち明けたコノ子が悪いノデス?」
ティラーナ「同族ですよ…!」
タワンテ「ヘタに逃ガシテお仕置きサレルよりマシです?」
ホビットの女の子「あーん!!パパー助けて!?」
タワンテ「パパも居マシタか?」ニンマリ
ティラーナ「タワンテさん!!」
601: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 19:07:25 ID:RvsogzPv8w
ジュージュー
ギャアアアアアア
手下「お前らもこうなりたくなかったら裏切ろうとか考えるなよ?」
ティラーナ「」ウプッ
タワンテ「ヨクご覧なさい?アレが逃ゲタ仲間の末路デス?」
ティラーナ「もう…イヤだ…」
タワンテ「ワタシとの仕事をヤメマスか?アナタもああなりマスよ?」
ティラーナ「」ブンブンッ
タワンテ「デハ頑張らナイと?」
ティラーナ「……」シュン
タワンテ「…ソンナに悲しい顔をシナイデクダサイ?」
ティラーナ「悲しいんです…!」
タワンテ「……」
ティラーナ「残酷なこの世界に…悲しみ以外の感情が生まれないんです…!」ブワッ
タワンテ「オヤオヤ…」
602: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 19:10:18 ID:RvsogzPv8w
タワンテ「入りますよ?」ガチャッ
ティラーナ「」ダラー
タワンテ「ティラーナ!?」ガバッ
タワンテ「い、今…血止めを…!」ビリィッ
ティラーナ「やめ…て」ボソッ
タワンテ「エ?」
ティラーナ「…死にたい…」ダラー
タワンテ「バカを言うんじゃアリマセン!死んだッテ何も解決シマセンヨ!」グルグル
ティラーナ「」ボーッ
タワンテ「」ギュッ
タワンテ「コレでヨシ!もう二度と手首ナンカ切ッテはナリマセンヨ?」ペシッ
ティラーナ「っ…なんで?」
タワンテ「ナンデも何も当然の事デショウ?」
ティラーナ「…同族は見捨てるのに…」ボソッ
タワンテ「……ソウデスね?ワタシはヒドイ男デスよ?」
ティラーナ「……」
タワンテ「でも…アナタは唯一、共に生きられる仲間ナノデス」
タワンテ「同胞を見捨て…人間に利用サレテ終える筈だった命を…アナタが照らしてくれた」
ティラーナ「……!」
タワンテ「ワタシにはアナタしかいないンデス…」
タワンテ「お願いデスから…これ以上、ワタシを孤独にシナイデクダサイ」
ティラーナ「…タワンテさん」
タワンテ「生きマショウよ?たとえ幸せにはなれなくても…支えがあれば生きてイケマス?」
ティラーナ「…分かりました。生きましょう…?二人で…?」
タワンテ「ハイ!」ニンマリ
………………
603: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/15(日) 19:16:30 ID:RvsogzPv8w
―――荷車―――
バンパ「結局付いてきやがった…」
ティラーナ「すまない…。恩に着る…」
カロル「大丈夫だよ?ボクたちも最初から舞台に行くつもりだったから?」
ラム「あっさり許して…君って一つも学習しないよね、ホント?」
バンパ「おい、向こうの状況はどうなってんだ?」
ティラーナ「た、たぶん…タワンテさんが拷問を受けてる…殺されてはいないはずだ…」ボソボソ
バンパ「ちっ!ボソボソ喋りやがって…タワンテなんかどうでもいいんだよ!向こうの戦力は?」
ティラーナ「や、約500の人間が…ショーを見てる…。ヘマトバザールは首領のウォルターと二人の手下だけだ」
バンパ「…500か。勝ち目ねぇな」
ラム「観客は相手しなくていい。ヘマトを潰すだけなら十分さ」
シープ「でも観客が襲ってきたらどーするの?」
ラム「…普通の人間なら、まず襲ってはこないよ。むしろ混乱してまともな判断が出来なくなるんじゃないかな?」
バンパ「観客って王国だろ?兵隊わんさかいるんじゃねぇか?」
カロル「そ、それに何万人も教団の人間が来てたよ?」
シープ「えー?やっぱりムリだよー?逃げようよ?」
ラム「ダメだよ!今、逃げても同じ事の繰り返しだ!せめてヘマトだけでも潰さなきゃ!」
カロル「で、でも…もし大人数で乱戦になったら癒しの力だけじゃ間に合わないよ?」
ザワザワ ザワザワ
ラム「作戦通りにやればなんとかなるよ」
コンコン コンコン
バンパ「…合図だ!?」
シープ「あ〜…着いちゃった…!」
ラム「みんな…!息を潜めて…!」
カロル「……!」パッ
ティラーナ「」ゴクッ
604: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/16(月) 20:43:43 ID:/alaW15cT.
―――舞台―――
ザワザワ ザワザワ
手下2「大変だ!ウォルターさん!」ダダダッ
手下2「ティラーナがどこにもいねぇ!?」
ウォルター「クソがっ!?」
ワイワイガヤガヤ
手下2「あんまり客も待たせらんねぇし…いっそ中止にしませんか?」
ウォルター「……それしかねーやな。一応さっきのでオチは付いたしよ」
手下2「いや、オチってかアレは……ん?」
ウォルター「あぁ?どうした?」
手下2「…おぉ!間に合った!?」
ウォルター「なに…!」
ガタンゴトン ズルズル
605: ◆WEmWDvOgzo:2014/6/16(月) 20:45:40 ID:Qm.q8qFlDs
ウォルター「…おっせーじゃねぇか!」イライラ
黒装束1「すみません」
手下2「いいからさっさと開けろ!待たせてんだぞ!?」
黒装束1「はい」ガチャッ
黒装束2「」ガララッ
ウォルター「……!?」バッ ガシッ
手下2「えっ」グイッ
ビュンッ ビュンッ ビュンッ ビュンッ
ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
手下2「ばっ!?ばばばっ!?」ズンッズンッズンッズンッ
ウォルター「……」ポイッ
手下2「ひゅっ!ひゅっ!」ドサッ
ラム「奇襲に気付くなんて、さすがに勘がいいね?」クスッ
バンパ「仲間を盾にするなよ…。相変わらず最低のクソヤローだ!」スタッ
シープ「あれー?おじさん一人だけ?もう仲間はいないの?」キョロキョロ
ウォルター「やってくれたなぁ…!?」ブチブチッ
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