前スレ
(少年「ボクが世界を変えてみせる」)
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―――あらすじ―――
人間によるホビットへの差別が当然のように行われる時代
人里を離れ、森の中で静かに暮らしていたホビットの親子がおりました。
母親の名はマリー。子供の名はカロル。
二人はささやかな幸せを願って、穏やかな日々を送っていました。
母は今の生活に満足していました。
もちろん森の中での生活は不自由で贅沢とは無縁なものでしたが多くを望まない母にとっては愛する我が子と生きていけるだけで幸せだったのです。
しかしカロルは違いました。
もちろん愛する母と生きるのに不満はなく、彼自身も多くを望もうとは考えません。
ですが彼にとって一つだけ足りないものがあったのです。
それは友達という存在でした。
幼心に自分たちの置かれた立場は分かっていたつもりでした。
人目を逃れて生きるホビットには仲間もなく、心を通わせる相手を見つけるのはとても難しいと。
それでも小さな身体に宿る希望は膨らむばかりです。
333: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/17(月) 21:29:24 ID:KiY5PTKIcc
司祭「犯人はバックヤードにいると言ったな!小僧もか!?」
アントリア「あぁ。王子と一緒にいるよ」
司祭「王子?」
アントリア「どういう訳か僕らのいた公園に現れてね。王子に巻き込まれた形で癒しの力も拐われたのだよ」
司祭「…厄介事ばかり呼び込むのう。あの小僧は!」
アントリア「僕の教え子だった憲兵に言伝てを頼んでおいた。後は知り合いが動いてくれるのを待とう」
司祭「…大臣の屋敷を襲撃した男か?」
アントリア「あぁ。腕の立つ男だ。きっと今回もなんとかしてくれるさ」
司祭「一体何者じゃ?わしも知っとる奴か?」
アントリア「我々は戻ろうか。ここで立ち尽くしていても始まらないよ?」
司祭「む?なぜはぐらかすんじゃ?」
ダガ「(武闘派の俺が…ここまで何一ついいところがない…)」
司祭「どうした?教会に戻るぞ?」
ダガ「司祭様!神官!俺も行かせてくれないですか!」
司祭「どこに行くんじゃ?」
ダガ「俺も役に立ちてぇ…。ここに来てからなんもしてねぇ!」
司祭「はぁ?」
アントリア「……」
334: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/17(月) 21:35:50 ID:qNUcx.7liA
アリアス「奇遇ね?私もよ?」
ダガ「!?」
司祭「…アリアス?お前なぜ…?」
アリアス「ホビットの母親に頼まれたので教団員を集めて調査してましたの。
犯人の居所はだいたい見当が付いたけれど…憲兵団が邪魔で入れないんですよ」
アントリア「ふむ…ではどちらにしろ君らは関われないのではないかな?」
アリアス「いいえ?バックヤードに入る方法なら見つけました?」
ダガ「なにぃ!?」
アリアス「あなたも来る?二人の方が都合がいいのだけれど?」
ダガ「あったりめぇだ!」
アントリア「なにか策があるのかね?」
アリアス「私達にお任せあれ?」
司祭「二人で行く気か!?」
アリアス「ご安心を?知っての通り、私もダガも腕には覚えがありますわ?そうよね?」ニヤリ
ダガ「ふ…まぁな」ニヤリ
アントリア「ノワール…どうするかね?」
司祭「ふん…好きにしたがええわい?憲兵より先に小僧を取り返せるのならな?」
アリアス「もちろんです?30分で終わらせてみせましょう?」
ダガ「ふ…腕が鳴るぜ!」コキッコキッ
335: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/17(月) 21:39:53 ID:KiY5PTKIcc
―――ヘマトバザール本部(地下通路)―――
カツンカツン カツンカツン
ウォルター「……」カツンカツン
ウォルター「…いい眺めだぜ」
ズオオオオン
ウーウー ズルズル ウーウー ズルズル
ウォルター「そう思わねぇか?」
タワンテ「おもいマス。大変スバラシイ!」
ウォルター「幽閉されてんのが同族だとしてもか?」
タワンテ「ハイ!」
ウォルター「ククク!お前はよ?」
ティラーナ「……素晴らしいです」ボソッ
ウォルター「へぇ〜?」ガチャッ
ギィィィ
タワンテ&ティラーナ「?」
モガモガ ジタバタ
ウォルター「クックッ!こいつにするか!」シュルリ
ラム「ぷはっ…!はぁ…!」ギチギチ
ウォルター「おい?こいつらを見てみろよ?」
タワンテ「……」
ティラーナ「……」
ウォルター「この二匹はなぁ…自分が助かる為にお前らを売ったんだ?」ニヤニヤ
ラム「はぁ…!ふぅ…!」キッ
336: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/17(月) 21:48:37 ID:KiY5PTKIcc
ウォルター「…芋虫みてぇに這いずるお前らを見て素晴らしい眺めだと笑った!
さんざん語った種族の絆がこれだ!ちょろいモンだなぁ?」ニヤニヤ
ラム「……!」ギリッ
ウォルター「これでもまだ!同族だなんだとほざけるか!?」
ラム「だま…れよ!」
ウォルター「あ?」
ラム「お前のせいだ…!全部…!全部!人間が悪いんだ!!」
ウォルター「らぁっ!!」ドカッ
ラム「がふっ…」ガンッ
ウォルター「タワンテ!こいつの頭を踏んでやれ?」
タワンテ「喜んで」スッ
ラム「っ…!」
ガスッ!
タワンテ「スミマセンね」ゴリ・・ゴリ・・
ウォルター「傑作だなぁ、おい!?仲間に踏みにじられる気分はどうだ?
ショーの本番はこんなモンじゃねぇぞ!期待しとけよ!ぎゃはははは!?」ゲラゲラ
ティラーナ「……!」プイッ
ウォルター「…目ぇそらすんじゃねぇよ?」ギロッ
ティラーナ「…はい」ボソッ
タワンテ「……」ゴリ・・ゴリ・・
ラム「う…あぁぁああ……!」グシッ
337: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/17(月) 21:50:55 ID:qNUcx.7liA
手下「ウォルターさん!」カツンカツン
ウォルター「……?」
手下「お楽しみの最中にすんませんが憲兵が訪ねてきました!」
ウォルター「大臣の屋敷を襲ったのがバレちまったか?」ニヤリ
手下「いえ、伝言だそうで!」
ウォルター「伝言…?」
手下「アントリア神官からだそうです」
ウォルター「……!分かった。すぐ行く!」
タワンテ「」グリグリ
ラム「うぁっ…」
ウォルター「お前らはもういい。もっぺん猿轡噛まして見張ってろ?」
タワンテ「かしこまりマシタ」パッ
ティラーナ「……」
ラム「う…うぅ…」グッタリ
タワンテ「…ティラーナ、どうしマシタ?」
ティラーナ「タワンテさん…私はもう…限界…」ボソボソ
ラム「ゆる…さない」
タワンテ「……」
ラム「許さないからな…!」ギリッ
ティラーナ「……」
タワンテ「」ガッ シュルシュル
ラム「っ!っ!」モガモガ
タワンテ「もう後戻りできないんデスヨ。同族も人間も味方ではありマセン」
タワンテ「頑張りマショウ。頑張って生き残るんデス。二人で……」
ティラーナ「……」
338: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/19(水) 20:56:28 ID:hg1/.Xxc/A
―――バックヤード(城下町裏通り)―――
アリアス「相変わらず陰気臭い雰囲気ね?早めに済ませて帰りましょう?」スタスタ
ダガ「まさかあんな簡単に入れるとはな…」スタスタ
アリアス「信者の中には元憲兵もいるのよ。
制服を借りてなりすませば誰でも気軽に入れる」
ダガ「バレんじゃねぇかとドキドキしたぜ…」
アリアス「警備がザルなのよ?よく確かめもせずに入れてあきれるわ?」
ドタバタ ギャーギャー
アリアス「あら?あそこにいるの…この前の薬剤師?」
ダガ「憲兵に引っ張られてんな…。なにやらかしたんだ…?」
アリアス「さぁ?危ない薬でも見つかったんじゃないの?
なんにしても憲兵の注意がそれてくれるのはありがたいわね」
ダガ「どうでもいいけどよ…。犯人はどこにいんだ?」
アリアス「路地裏に入って入り組んだ道を抜けると酒場があるそうよ。
そこを営んでる兄弟が怪しいと聞いたわ?」
ダガ「どうやって調べたんだ?」
アリアス「バックヤードに住んでる信者がいろいろ詳しく教えてくれただけよ」
ダガ「信者便利だな、おい…」
アリアス「信仰って大事よね?こんな時に実感するとは思わなかったけれど」
339: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/19(水) 21:01:41 ID:iVakDA.HWg
―――バックヤード(裏通りの酒場)―――
ダガ「で、どうすんだ?」
アリアス「客を装って様子を見ましょう?」
ダガ「めんどくせぇな…」
アリアス「強行突破しようにも人質がいる訳だし、隙を見て……」
憲兵3「おい!」
ダガ&アリアス「」ビクッ
憲兵3「早かったな!俺も聞き込みでそこが怪しいと踏んで来たんだが先を越されたか!」
ダガ「お、おう。まぁな」
アリアス「…私は喋れないから頼んだわよ」ボソボソ
ダガ「?」
アリアス「女の憲兵なんかいないの…。声で気付かれるでしょ?」ボソボソ
ダガ「俺がいた方が都合がいいってのはそういう意味か…」
アリアス「そうよ?適当にごまかして?」ボソボソ
ダガ「分かった…」
340: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/19(水) 21:03:10 ID:iVakDA.HWg
憲兵3「よーし!一緒に入るか!」
ダガ「いや、だ、ダメだ!」
憲兵3「は?なんでだ?」
ダガ「い、いいから…他見てこい、他!」シッシッ
憲兵3「なに言ってんだ?ハハーン?さてはお前……」
ダガ「」ギクッ
憲兵3「俺に手柄を取られたくないんだろ!?」
アリアス「」ホッ
ダガ「そ、そうだ…!」
憲兵3「手柄立てたいのは分かるがムチャはやめとけ!」
ダガ「ま、まだ犯人のアジトかもわからねぇだろ…!確かめるだけだ…!」
憲兵3「ん?それもそうか?じゃあ俺は他を回るとするよ!
なにか分かったらすぐに知らせるんだぞ?」
ダガ「お、おう!」
スタスタ スタスタ
アリアス「危なかったわね…」
ダガ「ここが嗅ぎ付けられんのも時間の問題だな…」
アリアス「しょうがないわね…。悠長に構えてはいられなそうだし、憲兵団が来る前にカタを付けるわよ」
ダガ「当たり前だ…。行くぞ!」ガチャッ
341: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/19(水) 21:05:01 ID:hg1/.Xxc/A
カランカラン
シーン
ダガ「……誰もいねぇぞ?」
アリアス「カウンターの奥に扉がある…。入ってみましょう」
ガチャッ
小男「誰だ!?」
ダガ「ふ……いかにもそれっぽいのが出てきやがった?」
小男「てめぇら憲兵か!?」
ダガ「客が来たのに酒はどうした?」
小男「兄ぃ!」
大男「今日は店仕舞いだぜぃ?」
ダガ「でけぇな…」
アリアス「いけそう?」
ダガ「なめんじゃねぇよ…。チビとデカブツなんざ軽くノしてやらぁ…!」ムキムキ
大男「へへ!おいでなすったか!憲兵さんよぅ?」ニタニタ
ダガ「客だってんだ…。いいから一番高い酒を出せ…?」
大男「いいぜぃ?ご馳走してやるよぅ?
まずは身代金の話を肴にしようかぃ?」
ダガ「身代金?なんの話だ?」
大男「下っ端に言ったってしゃあねぇかぁ!もっと上の人間を呼んでくれよぅ?」
ダガ「ふ…俺に勝てたらいいぜ?」
大男「」ピキィッ
342: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/19(水) 21:06:34 ID:iVakDA.HWg
ダガ「かかってこいよ…」クイッ
大男「…オレサマをなめんなぃ!?」ダッ
ダガ「ふ……」ニヤリ
大男「へっ!」ブンッ
ドガッ!
ダガ「……!」ググッ
大男「ひゅー!踏ん張りやがったかぁ?やるじゃねーの?うりゃっ!」ブンッ
ゴッ!
ダガ「……!」ググッ
大男「……!?」
ダガ「ふ…!」ブンッ
バキィッ!
大男「ぶべふっ!?」ビューン
ドンガラガッシャン!
小男「兄ぃ!?」
大男「ひ、ヒヨコが一羽…二羽…」ピューヒャラリラ
ダガ「ザコが…」タラー
アリアス「血が出てる?口切ったんじゃないの?」
ダガ「…ぺっ!」ビチャッ
小男「ち、ちくしょう!?」ダッ
アリアス「待ちなさい!」
ダガ「このやろう…!」ダッ
343: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/19(水) 21:08:31 ID:hg1/.Xxc/A
バァンっ!
カロル「あっ」
ヒメ「ま、まずい!」
小男「おめぇら!!」バッ
カロル「ご、ごめんなさい!壁に穴を空けて逃げようって言ったのはボクなんです!」
ヒメ「ち、違う!オレが王族の立場から、この庶民に命令したんだ!こいつは言いなりになって…!」
小男「うるせぇ!」ガバッ
ヒメ「うわっ!?な、なにするんだ!離せ!?」
カロル「王子さまに乱暴しないで!悪いのはボクなんだ!」ガシッ
小男「いいからおとなしくしやがれ!くそっ!邪魔すんじゃねぇ、この!」ドンッ
カロル「あうっ!」ドサッ
ヒメ「カロル!」
ダダダッ
アリアス「追い詰めたわ!観念なさい!」
ダガ「ふ…酒好きにゃたまらねぇ匂いだな…」クンクン
小男「く、来るな!それ以上近付くと王子を殺すぞ!」スチャッ
ヒメ「……!」ゴクッ
344: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/19(水) 21:10:04 ID:hg1/.Xxc/A
ダガ「王子?そんな奴は知らねぇなぁ…?」ニヤリ
アリアス「王国で一番えらい人の息子、それが王子よ?」
ダガ「バカにすんな!そんぐらい知ってらぁ!」
アリアス「バカにするなって方が無理よ?あなたバカでしょ?」
ダガ「ぶっ殺すぞ!?」
小男「じ、じゃれあってんじゃねぇよ!ホントにやっちまうぞ!?」ギラッ
ヒメ「くっ…」ググッ
カロル「憲兵さん!王子さまを助けて!?」
アリアス「…そこにいたのね?探す手間が省けたわ?」
ダガ「何度も何度もどっかしらに拐われやがって…?
てめぇが神官と散歩してる間、こちとらビゴパノチェスに何ヵ所噛まれたか…!」
カロル「……?」
アリアス「まだ分からないのね…」ファサッ
ダガ「ちっ!めんどくせぇ…!」ファサッ
カロル「あぁー!?」ビシッ
アリアス「指を差さないでくれる?」
小男「じゃれあうなってんだろが!刺すぞ!王子を刺しちまうぞ!?」イライラ
345: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/19(水) 21:11:46 ID:hg1/.Xxc/A
ヒメ「…カロル!お前の知り合いか!?」
カロル「うん!ボクとお母さまがお世話になってるの!」
小男「勝手に喋るんじゃねぇ!このぉ!」グワシッ
ヒメ「うぐっ…」ビタンッ
カロル「あっ!ちょっと……!」スクッ
ダガ「おい、なにしてんだ?早く来いよ?」
カロル「へ?」
アリアス「教会に帰るわよ?」
カロル「待って…王子さまはどうするの…?」
ダガ「知ったこっちゃねぇな…?」ニヤリ
アリアス「もう少ししたら本物の憲兵が駆けつけてくれるでしょ」
小男「お、おめぇら憲兵じゃねぇのか?王子を取り返しに来たんじゃ…?」
アリアス「いいえ?」キッパリ
ダガ「用があんのはそのホビットだ」ズカズカ
小男「う、動くな!」ギランッ
アリアス「王子様なら刺しちゃって構わないわよ?私達には関係ないのだし?」
小男「はぁ!?」
ヒメ「……!」
ダガ「おら…行くぞ?」ガバッ
カロル「や、やだ…!王子さまも…!」ジタバタ
ダガ「先に出てるぞ?ちっ!肩の上で暴れんな!落っこちちまったらどうすんだ!?」スタスタ
カロル「離し…て!王子さまが一緒じゃなきゃ…やだ!?」ジタバタ
アリアス「さよなら?あなたは置いてくけど…死んでも恨まないでね?」ニコリ
ヒメ「……」
346: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/19(水) 21:13:32 ID:iVakDA.HWg
小男「このアマぁ!生きて出られると思ってんのか!」チャッ
アリアス「まだなにか用?」
小男「こんだけ派手に暴れられて、そのまま帰せるかってんだ!?」
アリアス「ダガがいなくなった途端に強気だこと?私も見くびられたものね?」
小男「てめぇだけでもぶっ殺しておかねぇと俺ら兄弟のメンツが立たねぇんだよ!?」
アリアス「…自分の立場を考えて物を言いなさい?
あなた、どのみち憲兵に取り押さえられて終わりなのよ?」
小男「う、うるせぇ!トンズラこいてやらぁ!今ならまだ……」
アリアス「頭が悪いわね…。だからこんな無茶も出来たんでしょうけれど?」
小男「あぁん!?」
アリアス「すでに憲兵団の包囲網が敷かれて完全に封鎖されてしまったわよ?
いくらバックヤードが広いと言っても身を隠せる場所は限られてるのじゃない?」
小男「う…!」タジタジ
アリアス「もう逃げ場なんてないのだし自首したら?まぁ死罪は免れないでしょうけど?」
小男「ど、どうすりゃいいんだよ…!」
アリアス「さぁ?自分で考えて?」クスッ
小男「ひぃぃぃぃ……!」ガタガタ
ヒメ「ふっ…ハッハッハッハ!」ケタケタ
小男「ひぃっ!?」ビクッ
ヒメ「どうする?僕を道連れにあの世に行くか、このまま憲兵が来るのを待つか…選んでいいぞ?」ニヤリ
小男「あぁぁぁあああっ!!!」ガスッ
ヒメ「ぐあっ!!」バンッ
小男「うる…うるうるせぇ!?大人をなめんじゃねぇぞぉ!?」ガスッ ガスッ
ヒメ「あっ!ぐっ!っぁ…!」バンッ バンッ
アリアス「……早くしないと30分経ってしまうわね。急ぎましょ」スタスタ
347: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/20(木) 21:46:04 ID:YfxFmfmEbs
―――バックヤード(酒場の前)―――
ダガ「なんだ、てめぇは!?あいつらの仲間か!?」
ウォルター「てめぇこそなんだぁ?顔面クソまみれが!?」ヘラヘラ
ダガ「く、く、クソまみれ…!?俺の顔面のどこにクソがまみれてんだぁ!?」ピクッピクッ
カロル「ひょっとして…ウォルターさん?」パチクリ
ダガ「ガキ!こいつを知ってんのか!?」
カロル「宣教師さまとボクを助けてくれた人間だから…悪い人じゃない、かも?」マゴマゴ
ウォルター「よう!またやらかしたってなぁ?しょうがねぇから来てやったぜ?」
ダガ「あぁ…?よくわかんねぇが敵じゃねぇのか?」
ウォルター「なんでもいいけどよ?とりあえずそのホビット寄越せ?」
ダガ「ふざけんじゃねぇ!なんで後から来たてめぇに渡さなきゃならねぇんだ!?」
ウォルター「力づくでもいいんだぜぇ?」ニヤリ
ダガ「上等だ!肩から降りろ、ガキ!」
カロル「お、降ろしてくれなきゃ降りれない…ですよ?」ビクビク
ダガ「ちっ…!じゃあ降ろしてやる!」スッ
カロル「は、はい…」ストッ
ウォルター「ぎゃはははは!こりゃとんだバカチンだなぁ!?」ゲラゲラ
ダガ「じゃかあしゃあ!?」ブチィッ
348: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/20(木) 21:49:47 ID:xLaDjm5IU.
ダガ「メッタメタのギッタンギッタンにぶちのめしてやんよ…!」ズイッ
ウォルター「やれるもんならなぁ?」ニヤニヤ
カロル「や、やめなよ!二人とも!今は喧嘩してる場合じゃないでしょ!?」アタフタ
ダガ「邪魔だ!どきやがれ、ドブネズミが!」ドンッ
カロル「きゃっ」ドサッ
ウォルター「ハッハー!死にたくなきゃ離れてな!」
ガチャッ
アリアス「!?」
カロル「アリアスさん!なんとかして!二人とも聞いてくれないんだよ!」スクッ
ダガ「あぁ?今頃出てきやがったのか?おせーんだよ!」
ウォルター「おーおー?お仲間かぁ?まとめてかわいがってやんねぇとなぁ?」
アリアス「…どなたか知らないけれど後にしてくれる?今、それどころじゃないのよ?」
ダガ「てめぇはガキを持って帰れや?俺はこいつをやってから行くからよ…!」
アリアス「冷静になりなさい!」
ダガ「俺は冷静だ!だからこいつをぶっ殺すんだろうが!?」
カロル「(言ってる事がめちゃくちゃだよ…!)」ハラハラ
349: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/20(木) 21:51:33 ID:YfxFmfmEbs
アリアス「こうしてる間にも憲兵が調べを終えて向かってきてるかもしれないのよ!?」
ウォルター「ひえー。そら恐ろしいな?んじゃ憲兵が来る前にカタを付けるか!」
アリアス「あなたの目的はなに?金銭目当てなら応じてもいいけれど…?」
ウォルター「いらねぇよ?俺の目的はそのホビットだ!」ビシッ
カロル「もういいってば…!ボクは平気だから!」
アリアス「…どういう事?あなた達、顔見知りなの…?」
ダガ「くっちゃべっててもラチがあかねぇよ!おらぁっ!」ダッ ブンッ
ウォルター「うおいっ!?危ねぇだろうが!?」サッ
ダガ「よけんじゃねぇよ…!」イラッ
ウォルター「てめぇがトロいのがわりーんだろが?」
ダガ「殺す…!」ブチブチィッ
アリアス「はぁー…。面倒だけれどやるしかなさそう…」
カロル「あ、アリアスさんまでなに言ってるの!?」ギョギョッ
350: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/20(木) 21:53:00 ID:YfxFmfmEbs
ウォルター「2対1…か!ククク!」
ダガ「勘違いすんじゃねぇよ…?てめぇの相手は俺だ?」コキッコキッ
アリアス「用心して…。こいつ、多分そこそこ強いわよ?」ジリジリ
カロル「ダメったら!そんな事より戻って王子さまを助けようよ!」アセアセ
ウォルター「中にあのワガママ王子もいるのか?」
カロル「そうだよ!公園で遊んでたら無理やり連れてこられたんだ!」
ウォルター「そいつは災難だったなぁ?」
カロル「あ、そうだ?ボクなんかいいからウォルターさんは王子さまを助けてよ!
それならケンカしなくていいでしょ?」
ウォルター「やなこった?そんなん自業自得だ?」
カロル「どうして!王子さまがケガしたら大変じゃない!」ムッ
ウォルター「お前もこうなってみて分かんねぇか?
あそこまでの身分になると関わっただけでこっちが面倒を背負い込まなきゃならねぇんだよ?
その証拠にお前は巻き添え喰って拐われたんだろうが?」
カロル「……!」
ウォルター「んでもって拐われたお前を取り返す為にまた俺が呼び出し受けてんだぜ?
これ以上、めんどくせぇ事に巻き込むんじゃねぇよ?」
カロル「そ、それはごめんなさい…。
でも少しだけどウォルターさんもお話したでしょ?
その王子さまがすごく怖い目に遭ってて…なんとも思わないの?」
ウォルター「お話?いやいや、とんでもない?愚民Bの俺が王子様と会話なんて〜?もう畏れ多くてたまりませんよぉ〜?」ニヤニヤ
カロル「うぅ〜…!い、いじわるっ!」プンスカ
ウォルター「ぎゃはははは!わるぅござんした〜!
あんなクソガキがどうなろうが痛くも痒くもねぇわなぁ〜?」ヘラヘラ
351: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/20(木) 21:57:01 ID:YfxFmfmEbs
ダガ「おらっ!!」ブンッ
ウォルター「っとと!まぁた不意討ちか?」サッ
ダガ「ふ……ダラダラ喋ってんのがわりー?」ニヤァ
カロル「ちょっ…」
アリアス「」ダッ
ウォルター「はっ?近付かせねぇよ!」ビュンッ
アリアス「くっ!」ゴロンッ
ザクッ
ウォルター「外したか…。いい反射してんなぁ?」チャキッ
アリアス「どこに隠し持ってたのか知らないけれど…女性に刃物を向けるのはどうなの?」
ウォルター「無理すんなよ、おばちゃん?ケガするぜ?」
アリアス「おば……!?」
ダガ「背中がガラ空きだぜ!」ブォンッ ドゴッ
ウォルター「…ぐおっ!」ズダンッ
ダガ「それ、もう一発…!」ブンッ
ウォルター「てぇな…!ほっ!」バウンッ グルッ
バキィッ
ダガ「ごふっ!?」ドターン
ウォルター「ククク!後ろ回しが綺麗に決まったな?こりゃ今日の運勢は花丸だ?」
カロル「」ボーゼン
カロル「」ハッ
カロル「あぁ…どうしよう!だ、誰か!誰か止めて!?」オロオロ
アリアス「…任せなさい。止めてあげるから」スクッ
カロル「アリアスさん!」パァァ
アリアス「私がおばさん?ありえない…!息の根を止めてあげなきゃ…!?」ピクッピクッ
カロル「アリアス…さん?」ゾクッ
352: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/20(木) 21:58:59 ID:xLaDjm5IU.
カロル「落ち着いて!もっとひどくなっちゃうったらぁ!」ズリズリ
アリアス「邪魔!邪魔!邪魔ぁ!離さないとあんたも殺すわよ…!」ズイズイ
カロル「おねがいだから…あれ?待って!誰か来るよ!?」ギョッ
アリアス「殺してやる…!」ズイズイ
カロル「ぜんぜん聞いてない!?」ガーン
ダガ「ふんっ!ちょこまかとうざってぇ…!」ビシッバシッ
ウォルター「当ててみろ、ウスノロがぁ!…あーらよっとぉ!」ガッガッ
カロル「あっちも気付いてない!?」ガガーン
ゾロゾロ ゾロゾロ
団長「ついに突き止めたぞ!鼠賊共め…!」スタスタ
憲兵4「向こうに誰かいるぞ!?」スタスタ
憲兵3「先回りしてた二人かもしれないな!」スタスタ
憲兵5「団長!どうやら交戦中のようです!」スタスタ
団長「急げ!加勢するぞ!」ダッ
憲兵's「はっ!」ダダッ
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