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カロル「ボクが世界を変えてみせる」
[8] -25 -50 

1: ◆WEmWDvOgzo:2013/11/24(日) 19:26:09 ID:j5u3Ryt06o
前スレ
(少年「ボクが世界を変えてみせる」)
http://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch5/1356265301/1-50


―――あらすじ―――

人間によるホビットへの差別が当然のように行われる時代
人里を離れ、森の中で静かに暮らしていたホビットの親子がおりました。
母親の名はマリー。子供の名はカロル。
二人はささやかな幸せを願って、穏やかな日々を送っていました。

母は今の生活に満足していました。
もちろん森の中での生活は不自由で贅沢とは無縁なものでしたが多くを望まない母にとっては愛する我が子と生きていけるだけで幸せだったのです。

しかしカロルは違いました。
もちろん愛する母と生きるのに不満はなく、彼自身も多くを望もうとは考えません。
ですが彼にとって一つだけ足りないものがあったのです。
それは友達という存在でした。

幼心に自分たちの置かれた立場は分かっていたつもりでした。
人目を逃れて生きるホビットには仲間もなく、心を通わせる相手を見つけるのはとても難しいと。
それでも小さな身体に宿る希望は膨らむばかりです。


327: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/17(月) 21:10:49 ID:qNUcx.7liA
〜〜〜夜〜〜〜

―――教会(客室1)―――

母「まだかしら…」ズーン

マルク「クゥン…」

シスター「大変なことになっちゃいましたね…」

母「……」フルフル

シスター「気をたしかに持って…きっと大丈夫!」サスサス

母「そ、そうね…。教団の皆さんも手を尽くしてくださってますものね…」

シスター「お子さんがケガ無く帰ってこられるように祈りましょう!お母さんも手を重ねて!」

母「は、はい…。マルク?」

マルク「わんっ!」シュバッ

母「いい子ねぇ…」ナデナデ

シスター「あの…できたら自分の手で…」アセアセ

母「…この子も坊やを心配してますの。ね?」

マルク「…あぅん」ションボリ

シスター「そ、そうですよね!祈りは多い方がいいですよね!」

母「えぇ…」ナデナデ

マルク「……」
328: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/17(月) 21:12:52 ID:qNUcx.7liA
―――城下町(広場)―――

憲兵1「…以上が聞き込み調査で得た証言になります!」

憲兵2「現場の証言から分かった特徴は単独による犯行で犯人はかなり大柄な男…。
子供二人を脇に抱えて逃げていった事から衝動的で無計画な…要約すると馬鹿の仕業ですね」

団長「そうか…。なら証言を元に犯人が通ったと思われる箇所に探りを入れろ!
目撃証言を手掛かりに行き先を辿れば居場所も掴める筈だ!」

憲兵3「団長!大通りでの聞き込みを終えました!」タタタッ

団長「ご苦労さん。なにか分かったか?」

憲兵3「はっ!犯人とおぼしき大男が裏通りに入っていくのを見掛けたと!」

団長「…バックヤードか。あそこは管轄の部署が通行証を目印に見張りを立てておるだろ?」

憲兵3「それが…王子の捜索に駆り出されていて見張りが不在だったと…」

団長「ぅ…采配を誤ったか!迂闊だったな…!」ギリッ

憲兵1「王子もとんでもない時に抜け出してくれましたなぁ…」

憲兵2「強盗の件も片付いてませんしねぇ?」

憲兵3「こうも重なると…人員をどう回すかによるだろうなぁ」

団長「…王子は絶対に見つけなければならん。かといって拐われた子供らも疎かには出来ん!」

憲兵1「しかし子供らの身元が判明してないんですよ?」

憲兵2「一人は修道服を着てたみたいですから教団の関係者でしょうね?
もう一人はまだ分かってませんけど…」

憲兵3「なら教会にも……」

憲兵4「団長ー!」ダダダッ

団長「…?」
329: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/17(月) 21:16:24 ID:KiY5PTKIcc
憲兵4「現場周辺の住民に確認してみたところ有力な情報を…手に入れました!」ハァハァ

団長「よし、言ってみろ!」

憲兵4「は、はい!拐われた子供と一緒にいた子達が話してくれたのですが!
なんでも片方は王子を自称していたそうです!」

団長「なに!?」ピクッ

憲兵1「それが事実だとすれば…拐われたのは王子ってことになるぞ!?」

憲兵2「な、なん…ど、ど、どうします?」アタフタ

憲兵3「ま、まだ分からん!騙っていた可能性もある!」

団長「…全団員に報せろ!バックヤードを封鎖する!一切の出入りを許すな!」

憲兵3「ふ、封鎖するんですか!?まだ拐われたのが王子だと決まった訳じゃ…!」

団長「責任はワシが持つ!本部に残った団員も全て動かせ!」

憲兵1「し、しかしですよ、団長!」アセアセ

団長「王子の安全が最優先だ!!」

憲兵's「…っ!」ゴクッ

団長「以上!」

憲兵's「ははっ!」ピシッ
330: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/17(月) 21:18:42 ID:KiY5PTKIcc
―――城下町(市場)―――

ザワザワ ザワザワ

司祭「騒がしいのう…。何があったというんじゃ?」

ダガ「司祭様!」ダッ

司祭「む?なんじゃ、お前か?」

ダガ「さ、探しました…!」

司祭「…なんぞあったか?」

ダガ「ま、またガキが拐われました!ホビットのガキです!」

司祭「はぁ!?またか!?」

ダガ「はっ!」

司祭「アントリアはどうした!?」

ダガ「さ、さぁ…どこにいるのか?」

司祭「ふむ…」

ダガ「と、とにかく教会に…!」

司祭「たわけがっ!」ガツンッ

ダガ「ぐおっ!?」

司祭「わしらも探すに決まっておろうが!?行くぞ!?」

ダガ「は、はっ!」

アントリア「残念だが探すのは無理だよ」スタスタ

司祭「アントリア!」

ダガ「し、神官!」
331: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/17(月) 21:20:35 ID:qNUcx.7liA
司祭「貴様が付いていながら何をしとるんじゃ!」

アントリア「君にだけは言われたくないな…。同じ轍を踏んだろうに?」

司祭「犯人は!?どこに逃げた!?小僧は無事なんじゃろうな!?」

アントリア「一度に聞かれても困るんだが」

司祭「探すのは無理だと言ったな!説明せい!?」

アントリア「向こうへ行けば分かるさ?」

司祭「なんじゃと!?」

アントリア「説明するより見た方が早い」スタスタ

司祭「ぬぅ…!ダガ!貴様も付いてこい!」スタスタ

ダガ「はっ!」スタスタ
332: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/17(月) 21:26:55 ID:qNUcx.7liA
―――城下町(大通り)―――

ワイワイガヤガヤ

司祭「おっと…すまんが道を空けてくれんか?」グイッグイッ

ダガ「すげぇ人だかりだな…」ギュウギュウ

アントリア「なんとか最前列まで来れたね…。見てごらん?」

司祭「む…?」

憲兵1「これより一切の立ち入りを禁ずる!」

憲兵2「はいはい!立ち止まらない!皆さんは速やかにお帰りください!今夜は外を出歩いちゃいけませんよ?」

司祭「な、なんじゃ、こりゃ…?」

アントリア「裏通りと表通りを繋ぐ道を憲兵に塞がれて入れないのだよ」

司祭「通行証を見せてもか?」

アントリア「交渉してみたが無理だったよ」

司祭「ふむ…」

アントリア「見ての通りだよ。
犯人はバックヤードに逃げたらしいんだが…これでは入りようがない」

ダガ「ふ……分かりました。俺が憲兵をぶっ飛ばして道を開けてきます…」ズイッ

司祭「バッカモォォォン!!!!」

ダガ「」ビクッ

司祭「愚図が!貴様は黙っとれ!」

ダガ「す、すいません…」
333: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/17(月) 21:29:24 ID:KiY5PTKIcc
司祭「犯人はバックヤードにいると言ったな!小僧もか!?」

アントリア「あぁ。王子と一緒にいるよ」

司祭「王子?」

アントリア「どういう訳か僕らのいた公園に現れてね。王子に巻き込まれた形で癒しの力も拐われたのだよ」

司祭「…厄介事ばかり呼び込むのう。あの小僧は!」

アントリア「僕の教え子だった憲兵に言伝てを頼んでおいた。後は知り合いが動いてくれるのを待とう」

司祭「…大臣の屋敷を襲撃した男か?」

アントリア「あぁ。腕の立つ男だ。きっと今回もなんとかしてくれるさ」

司祭「一体何者じゃ?わしも知っとる奴か?」

アントリア「我々は戻ろうか。ここで立ち尽くしていても始まらないよ?」

司祭「む?なぜはぐらかすんじゃ?」

ダガ「(武闘派の俺が…ここまで何一ついいところがない…)」

司祭「どうした?教会に戻るぞ?」

ダガ「司祭様!神官!俺も行かせてくれないですか!」

司祭「どこに行くんじゃ?」

ダガ「俺も役に立ちてぇ…。ここに来てからなんもしてねぇ!」

司祭「はぁ?」

アントリア「……」
334: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/17(月) 21:35:50 ID:qNUcx.7liA
アリアス「奇遇ね?私もよ?」

ダガ「!?」

司祭「…アリアス?お前なぜ…?」

アリアス「ホビットの母親に頼まれたので教団員を集めて調査してましたの。
犯人の居所はだいたい見当が付いたけれど…憲兵団が邪魔で入れないんですよ」

アントリア「ふむ…ではどちらにしろ君らは関われないのではないかな?」

アリアス「いいえ?バックヤードに入る方法なら見つけました?」

ダガ「なにぃ!?」

アリアス「あなたも来る?二人の方が都合がいいのだけれど?」

ダガ「あったりめぇだ!」

アントリア「なにか策があるのかね?」

アリアス「私達にお任せあれ?」

司祭「二人で行く気か!?」

アリアス「ご安心を?知っての通り、私もダガも腕には覚えがありますわ?そうよね?」ニヤリ

ダガ「ふ…まぁな」ニヤリ

アントリア「ノワール…どうするかね?」

司祭「ふん…好きにしたがええわい?憲兵より先に小僧を取り返せるのならな?」

アリアス「もちろんです?30分で終わらせてみせましょう?」

ダガ「ふ…腕が鳴るぜ!」コキッコキッ
335: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/17(月) 21:39:53 ID:KiY5PTKIcc
―――ヘマトバザール本部(地下通路)―――

カツンカツン カツンカツン

ウォルター「……」カツンカツン

ウォルター「…いい眺めだぜ」

ズオオオオン

ウーウー ズルズル ウーウー ズルズル

ウォルター「そう思わねぇか?」

タワンテ「おもいマス。大変スバラシイ!」

ウォルター「幽閉されてんのが同族だとしてもか?」

タワンテ「ハイ!」

ウォルター「ククク!お前はよ?」

ティラーナ「……素晴らしいです」ボソッ

ウォルター「へぇ〜?」ガチャッ

ギィィィ

タワンテ&ティラーナ「?」

モガモガ ジタバタ

ウォルター「クックッ!こいつにするか!」シュルリ

ラム「ぷはっ…!はぁ…!」ギチギチ

ウォルター「おい?こいつらを見てみろよ?」

タワンテ「……」

ティラーナ「……」

ウォルター「この二匹はなぁ…自分が助かる為にお前らを売ったんだ?」ニヤニヤ

ラム「はぁ…!ふぅ…!」キッ
336: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/17(月) 21:48:37 ID:KiY5PTKIcc
ウォルター「…芋虫みてぇに這いずるお前らを見て素晴らしい眺めだと笑った!
さんざん語った種族の絆がこれだ!ちょろいモンだなぁ?」ニヤニヤ

ラム「……!」ギリッ

ウォルター「これでもまだ!同族だなんだとほざけるか!?」

ラム「だま…れよ!」

ウォルター「あ?」

ラム「お前のせいだ…!全部…!全部!人間が悪いんだ!!」

ウォルター「らぁっ!!」ドカッ

ラム「がふっ…」ガンッ

ウォルター「タワンテ!こいつの頭を踏んでやれ?」

タワンテ「喜んで」スッ

ラム「っ…!」

ガスッ!

タワンテ「スミマセンね」ゴリ・・ゴリ・・

ウォルター「傑作だなぁ、おい!?仲間に踏みにじられる気分はどうだ?
ショーの本番はこんなモンじゃねぇぞ!期待しとけよ!ぎゃはははは!?」ゲラゲラ

ティラーナ「……!」プイッ

ウォルター「…目ぇそらすんじゃねぇよ?」ギロッ

ティラーナ「…はい」ボソッ

タワンテ「……」ゴリ・・ゴリ・・

ラム「う…あぁぁああ……!」グシッ
337: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/17(月) 21:50:55 ID:qNUcx.7liA
手下「ウォルターさん!」カツンカツン

ウォルター「……?」

手下「お楽しみの最中にすんませんが憲兵が訪ねてきました!」

ウォルター「大臣の屋敷を襲ったのがバレちまったか?」ニヤリ

手下「いえ、伝言だそうで!」

ウォルター「伝言…?」

手下「アントリア神官からだそうです」

ウォルター「……!分かった。すぐ行く!」

タワンテ「」グリグリ

ラム「うぁっ…」

ウォルター「お前らはもういい。もっぺん猿轡噛まして見張ってろ?」

タワンテ「かしこまりマシタ」パッ

ティラーナ「……」

ラム「う…うぅ…」グッタリ

タワンテ「…ティラーナ、どうしマシタ?」

ティラーナ「タワンテさん…私はもう…限界…」ボソボソ

ラム「ゆる…さない」

タワンテ「……」

ラム「許さないからな…!」ギリッ

ティラーナ「……」

タワンテ「」ガッ シュルシュル

ラム「っ!っ!」モガモガ

タワンテ「もう後戻りできないんデスヨ。同族も人間も味方ではありマセン」

タワンテ「頑張りマショウ。頑張って生き残るんデス。二人で……」

ティラーナ「……」
338: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/19(水) 20:56:28 ID:hg1/.Xxc/A
―――バックヤード(城下町裏通り)―――

アリアス「相変わらず陰気臭い雰囲気ね?早めに済ませて帰りましょう?」スタスタ

ダガ「まさかあんな簡単に入れるとはな…」スタスタ

アリアス「信者の中には元憲兵もいるのよ。
制服を借りてなりすませば誰でも気軽に入れる」

ダガ「バレんじゃねぇかとドキドキしたぜ…」

アリアス「警備がザルなのよ?よく確かめもせずに入れてあきれるわ?」

ドタバタ ギャーギャー

アリアス「あら?あそこにいるの…この前の薬剤師?」

ダガ「憲兵に引っ張られてんな…。なにやらかしたんだ…?」

アリアス「さぁ?危ない薬でも見つかったんじゃないの?
なんにしても憲兵の注意がそれてくれるのはありがたいわね」

ダガ「どうでもいいけどよ…。犯人はどこにいんだ?」

アリアス「路地裏に入って入り組んだ道を抜けると酒場があるそうよ。
そこを営んでる兄弟が怪しいと聞いたわ?」

ダガ「どうやって調べたんだ?」

アリアス「バックヤードに住んでる信者がいろいろ詳しく教えてくれただけよ」

ダガ「信者便利だな、おい…」

アリアス「信仰って大事よね?こんな時に実感するとは思わなかったけれど」
339: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/19(水) 21:01:41 ID:iVakDA.HWg
―――バックヤード(裏通りの酒場)―――

ダガ「で、どうすんだ?」

アリアス「客を装って様子を見ましょう?」

ダガ「めんどくせぇな…」

アリアス「強行突破しようにも人質がいる訳だし、隙を見て……」

憲兵3「おい!」

ダガ&アリアス「」ビクッ

憲兵3「早かったな!俺も聞き込みでそこが怪しいと踏んで来たんだが先を越されたか!」

ダガ「お、おう。まぁな」

アリアス「…私は喋れないから頼んだわよ」ボソボソ

ダガ「?」

アリアス「女の憲兵なんかいないの…。声で気付かれるでしょ?」ボソボソ

ダガ「俺がいた方が都合がいいってのはそういう意味か…」

アリアス「そうよ?適当にごまかして?」ボソボソ

ダガ「分かった…」
340: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/19(水) 21:03:10 ID:iVakDA.HWg
憲兵3「よーし!一緒に入るか!」

ダガ「いや、だ、ダメだ!」

憲兵3「は?なんでだ?」

ダガ「い、いいから…他見てこい、他!」シッシッ

憲兵3「なに言ってんだ?ハハーン?さてはお前……」

ダガ「」ギクッ

憲兵3「俺に手柄を取られたくないんだろ!?」

アリアス「」ホッ

ダガ「そ、そうだ…!」

憲兵3「手柄立てたいのは分かるがムチャはやめとけ!」

ダガ「ま、まだ犯人のアジトかもわからねぇだろ…!確かめるだけだ…!」

憲兵3「ん?それもそうか?じゃあ俺は他を回るとするよ!
なにか分かったらすぐに知らせるんだぞ?」

ダガ「お、おう!」

スタスタ スタスタ

アリアス「危なかったわね…」

ダガ「ここが嗅ぎ付けられんのも時間の問題だな…」

アリアス「しょうがないわね…。悠長に構えてはいられなそうだし、憲兵団が来る前にカタを付けるわよ」

ダガ「当たり前だ…。行くぞ!」ガチャッ
341: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/19(水) 21:05:01 ID:hg1/.Xxc/A
カランカラン

シーン

ダガ「……誰もいねぇぞ?」

アリアス「カウンターの奥に扉がある…。入ってみましょう」

ガチャッ

小男「誰だ!?」

ダガ「ふ……いかにもそれっぽいのが出てきやがった?」

小男「てめぇら憲兵か!?」

ダガ「客が来たのに酒はどうした?」

小男「兄ぃ!」

大男「今日は店仕舞いだぜぃ?」

ダガ「でけぇな…」

アリアス「いけそう?」

ダガ「なめんじゃねぇよ…。チビとデカブツなんざ軽くノしてやらぁ…!」ムキムキ

大男「へへ!おいでなすったか!憲兵さんよぅ?」ニタニタ

ダガ「客だってんだ…。いいから一番高い酒を出せ…?」

大男「いいぜぃ?ご馳走してやるよぅ?
まずは身代金の話を肴にしようかぃ?」

ダガ「身代金?なんの話だ?」

大男「下っ端に言ったってしゃあねぇかぁ!もっと上の人間を呼んでくれよぅ?」

ダガ「ふ…俺に勝てたらいいぜ?」

大男「」ピキィッ
342: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/19(水) 21:06:34 ID:iVakDA.HWg
ダガ「かかってこいよ…」クイッ

大男「…オレサマをなめんなぃ!?」ダッ

ダガ「ふ……」ニヤリ

大男「へっ!」ブンッ

ドガッ!

ダガ「……!」ググッ

大男「ひゅー!踏ん張りやがったかぁ?やるじゃねーの?うりゃっ!」ブンッ

ゴッ!

ダガ「……!」ググッ

大男「……!?」

ダガ「ふ…!」ブンッ

バキィッ!

大男「ぶべふっ!?」ビューン

ドンガラガッシャン!

小男「兄ぃ!?」

大男「ひ、ヒヨコが一羽…二羽…」ピューヒャラリラ

ダガ「ザコが…」タラー

アリアス「血が出てる?口切ったんじゃないの?」

ダガ「…ぺっ!」ビチャッ

小男「ち、ちくしょう!?」ダッ

アリアス「待ちなさい!」

ダガ「このやろう…!」ダッ
343: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/19(水) 21:08:31 ID:hg1/.Xxc/A
バァンっ!

カロル「あっ」

ヒメ「ま、まずい!」

小男「おめぇら!!」バッ

カロル「ご、ごめんなさい!壁に穴を空けて逃げようって言ったのはボクなんです!」

ヒメ「ち、違う!オレが王族の立場から、この庶民に命令したんだ!こいつは言いなりになって…!」

小男「うるせぇ!」ガバッ

ヒメ「うわっ!?な、なにするんだ!離せ!?」

カロル「王子さまに乱暴しないで!悪いのはボクなんだ!」ガシッ

小男「いいからおとなしくしやがれ!くそっ!邪魔すんじゃねぇ、この!」ドンッ

カロル「あうっ!」ドサッ

ヒメ「カロル!」

ダダダッ

アリアス「追い詰めたわ!観念なさい!」

ダガ「ふ…酒好きにゃたまらねぇ匂いだな…」クンクン

小男「く、来るな!それ以上近付くと王子を殺すぞ!」スチャッ

ヒメ「……!」ゴクッ
344: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/19(水) 21:10:04 ID:hg1/.Xxc/A
ダガ「王子?そんな奴は知らねぇなぁ…?」ニヤリ

アリアス「王国で一番えらい人の息子、それが王子よ?」

ダガ「バカにすんな!そんぐらい知ってらぁ!」

アリアス「バカにするなって方が無理よ?あなたバカでしょ?」

ダガ「ぶっ殺すぞ!?」

小男「じ、じゃれあってんじゃねぇよ!ホントにやっちまうぞ!?」ギラッ

ヒメ「くっ…」ググッ

カロル「憲兵さん!王子さまを助けて!?」

アリアス「…そこにいたのね?探す手間が省けたわ?」

ダガ「何度も何度もどっかしらに拐われやがって…?
てめぇが神官と散歩してる間、こちとらビゴパノチェスに何ヵ所噛まれたか…!」

カロル「……?」

アリアス「まだ分からないのね…」ファサッ

ダガ「ちっ!めんどくせぇ…!」ファサッ

カロル「あぁー!?」ビシッ

アリアス「指を差さないでくれる?」

小男「じゃれあうなってんだろが!刺すぞ!王子を刺しちまうぞ!?」イライラ
345: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/19(水) 21:11:46 ID:hg1/.Xxc/A
ヒメ「…カロル!お前の知り合いか!?」

カロル「うん!ボクとお母さまがお世話になってるの!」

小男「勝手に喋るんじゃねぇ!このぉ!」グワシッ

ヒメ「うぐっ…」ビタンッ

カロル「あっ!ちょっと……!」スクッ

ダガ「おい、なにしてんだ?早く来いよ?」

カロル「へ?」

アリアス「教会に帰るわよ?」

カロル「待って…王子さまはどうするの…?」

ダガ「知ったこっちゃねぇな…?」ニヤリ

アリアス「もう少ししたら本物の憲兵が駆けつけてくれるでしょ」

小男「お、おめぇら憲兵じゃねぇのか?王子を取り返しに来たんじゃ…?」

アリアス「いいえ?」キッパリ

ダガ「用があんのはそのホビットだ」ズカズカ

小男「う、動くな!」ギランッ

アリアス「王子様なら刺しちゃって構わないわよ?私達には関係ないのだし?」

小男「はぁ!?」

ヒメ「……!」

ダガ「おら…行くぞ?」ガバッ

カロル「や、やだ…!王子さまも…!」ジタバタ

ダガ「先に出てるぞ?ちっ!肩の上で暴れんな!落っこちちまったらどうすんだ!?」スタスタ

カロル「離し…て!王子さまが一緒じゃなきゃ…やだ!?」ジタバタ

アリアス「さよなら?あなたは置いてくけど…死んでも恨まないでね?」ニコリ

ヒメ「……」
346: ◆WEmWDvOgzo:2014/3/19(水) 21:13:32 ID:iVakDA.HWg
小男「このアマぁ!生きて出られると思ってんのか!」チャッ

アリアス「まだなにか用?」

小男「こんだけ派手に暴れられて、そのまま帰せるかってんだ!?」

アリアス「ダガがいなくなった途端に強気だこと?私も見くびられたものね?」

小男「てめぇだけでもぶっ殺しておかねぇと俺ら兄弟のメンツが立たねぇんだよ!?」

アリアス「…自分の立場を考えて物を言いなさい?
あなた、どのみち憲兵に取り押さえられて終わりなのよ?」

小男「う、うるせぇ!トンズラこいてやらぁ!今ならまだ……」

アリアス「頭が悪いわね…。だからこんな無茶も出来たんでしょうけれど?」

小男「あぁん!?」

アリアス「すでに憲兵団の包囲網が敷かれて完全に封鎖されてしまったわよ?
いくらバックヤードが広いと言っても身を隠せる場所は限られてるのじゃない?」

小男「う…!」タジタジ

アリアス「もう逃げ場なんてないのだし自首したら?まぁ死罪は免れないでしょうけど?」

小男「ど、どうすりゃいいんだよ…!」

アリアス「さぁ?自分で考えて?」クスッ

小男「ひぃぃぃぃ……!」ガタガタ

ヒメ「ふっ…ハッハッハッハ!」ケタケタ

小男「ひぃっ!?」ビクッ

ヒメ「どうする?僕を道連れにあの世に行くか、このまま憲兵が来るのを待つか…選んでいいぞ?」ニヤリ

小男「あぁぁぁあああっ!!!」ガスッ

ヒメ「ぐあっ!!」バンッ

小男「うる…うるうるせぇ!?大人をなめんじゃねぇぞぉ!?」ガスッ ガスッ

ヒメ「あっ!ぐっ!っぁ…!」バンッ バンッ

アリアス「……早くしないと30分経ってしまうわね。急ぎましょ」スタスタ
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名前:
sage:


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