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三蔵「…岩から尻が生えている」
[8] -25 -50 

1: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/6/28(金) 01:13:20 ID:clfaSnFbdM
尻「…はっ!!誰か居るのですか!?」

三蔵「見たところ20代そこらか。いや、肌の張りからすると、17、8かな」

尻「ああ…こんな人里どころか鳥の声さえ聞こえない不毛の地に、とうとう人が…!しかも声から察するに殿方…!」

三蔵「しかし無駄に毛深いな」

尻「ついに…ついにメチャクチャにされちゃうんですね…!この通りすがりの名も知らぬ殿方に性の捌け口にされちゃうんですね私のお尻…!あと毛深いとかヒドイ」

三蔵「うるさい尻だな…いくら仏の教えとはいえ、こんなのも助けるべきなのか…?」

尻「仏の教え…?僧侶さま…なのですか?」

三蔵「うむ。僧だよ。玄奘三蔵。…それにしても毛深いな…特に尻のあ」

尻「やめて!!…こ、これは失礼をしました…!仏に仕えるお方は、そのような煩悩は無いのですね!」

三蔵「いや俺ロリコンだから。女は10歳以下しか認めない」

尻「おい」

三蔵「下の毛とか意味わかんない」

尻「おいこら」


907: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/25(木) 21:27:03 ID:wrako9Kb/.
八戒「ま、毒と言うても……んく……ぷぁ。遅効性の痺れ薬、かの。あまり味は邪魔して居らんが、多少臭いがする。どうやら『その為』に、製造段階から薬を混ぜとるのう。こんなモノを常備しとるとは、怖い話じゃ」

三蔵「いやいや飲んでんじゃんお前ら」

八戒「ほ、ワシらにこの程度の毒は効かんわい。杯で二、三飲んだところで……お通じが良くなるくらいじゃ」

沙悟浄「食事中だよ八戒姐さん。はい旦那様、お茶♪熱いから気をつけておくれよぅ?」

三蔵「ははんグツグツ言ってるグツグツ言ってる。……待てよ、なんで俺らが毒盛られんだよ」

八戒「とりあえず飯を食え、視られとる。師匠殿は僧侶じゃからな、酒に手をつけんでも不自然で無かろ」

沙悟浄「あ、やっぱりかい。なんかウザったい感じがするとは思ってたけど、隠視術だったんだねぇ。気っ持ち悪い」

三蔵「……よくわかんねーけど、とりあえずゴタゴタに関係無い俺らは邪魔、ってとこか?」

八戒「ほほ、師匠殿は結構こーゆーの慣れとるのう」

三蔵「皇室は裏の裏まで見てるからなー。はぁ」

沙悟浄「カネと権力が集まる場所ってのは、例外無く真っ黒なもんさね。……大丈夫かね、シャオは」

八戒「そうじゃのう………こうなれば逃げても構わぬのじゃが……」

沙悟浄「……見知ったからにゃ、後味悪いもんねぇ。あの姫さんとかも」

三蔵「……ところでシリアスなところ訪ねづらい質問なんだが」

八戒「別にシリアスしとるつもりも無いわい、何じゃ?」

三蔵「そのワイン、グラス二、三杯飲んでも、お前らならちょっと腹にクるくらい、とか言ってたよな」

沙悟浄「うん。あ、アタイもう五杯は飲んでるね、そろそろ止めとくかね」

三蔵「……そこにビンで20杯は飲んでるバカが居るんだが、大丈夫なのか」

悟空「んくんくんく……ぶふぇっ!ぷはーっ!これ酸っぱいけど美味しい!お肉がすすむ!……どったの?」

八戒「……オムツとかあったかのう」

三蔵「着けさすんなら小さくしろよ見るに堪えねぇ」
908: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/26(金) 22:54:32 ID:SnPTb53aAE



小龍(……悟能様達の居る部屋は……ダメだ、妖気が探りにくい。この纏わりつく感覚……隠視術…その影響か)

フローレ「王子っ、食後のお茶ですっ」

小龍「………どうも、ありがとうございます」

フローレ「先程からずっとバルコニーで何をされて……あ、月を御覧に?ふふ、王子はお月様が好きでしたものね」

小龍「……そう、なんですか?」

フローレ「ええ、『太陽とかギラギラうざいよね、月明かりくらいが丁度良いよあんまボクを照らさないでよ』ってよく仰っておりました」

小龍「…引き籠りかなんかですかそれ。病んでる人の台詞ですよ?」

フローレ「ふふ、かなりのインドア派ではありましたね。……そうだ。コレ、なにか思い出しませんか?」

小龍「……ペンダント、ですか。……すみません」

フローレ「あああ、良いんです良いんです!そんな急かしてるワケじゃ無いんです!……ムーンストーンのペンダントです。……王家の慣わしで、王位継承者とその伴侶は、ひとつずつ、対となる宝石を持つんです」

小龍「…ムーンストーン……」

フローレ「はい。王子には、サンストーンの指輪が。……お持ちでは、ない、ですよね……」

小龍「………すみません……」

フローレ「………ふふっ」

小龍「?」

フローレ「うふふ、ゴメンなさい。ワタシに『スミマセン』なんて言うような王子では無かったので、そう何度も謝られると、変な感じなんです。……お気になさらないで下さい」

小龍「…はあ」

フローレ「もともと『ボクもムーンストーンが良かったなー、太陽嫌いなんだよなー』とか仰って、指輪はポケットに入れっぱなしでしたしね、王子」

小龍「…くだけた人ですね、王子とは思えない」

フローレ「あははっ。貴方のことですよ?」
909: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/26(金) 22:56:48 ID:SnPTb53aAE
小龍「……そうでしたね」

フローレ「……指輪なんて、無くても良いです。王子の嫌いなサンストーンなんて、無くても良いです」

小龍「……フローレさん」

フローレ「そんなもの無くても……ワタシのムーンストーンは、また輝ける。ローウン王子……貴方という太陽が、帰ってきてくれたから……」

小龍「……あの、えと」

フローレ「王子………」

小龍(……目を閉じてしまった。どうしたら)

悟空「トイレトイレトイレトイレトイレトイレどこーっっ!!?」バターンッ!!

フローレ「ひっ!?」

悟空「あっシャオく、じゃなかった王子さまっ!!あのごめんトイレどこっ!!?なんか広くてよくわかんなくて、あ、お姫さまも居るっ!!トイレどこトイレっ!!!」

小龍「…御手洗い、どこが近いですかね」

フローレ「…えっ?あ、えっと、そ、備え付けの物がこの部屋には。そ、そこの洗面所の横に」

悟空「あっコレっ!?よかった助かっ……っっっ!!?待って待ってまだダメだよ鎮まれじゃじゃ馬……よし、よし………じゃゴメン借りるっっ!!!」バターンッ!!

フローレ「……な、なに……?」

小龍「…大丈夫ですか、悟く」

悟空「あへぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえっっ!!!うわぁぁんなにこれなにこれ痛い痛い痛い痛い!!!」

フローレ「ご、ご病気かなにか……?」

小龍「…空気読まない病です。助かりました」

フローレ「え?」

悟空「おほぉぉぉぉぉぉぉぉおおお………ダメだめダメだめ知らないよこんなの斉天大聖史上最強のビッグウェーブだよ……ひぅぅぅううう……!!!」
910: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/29(月) 10:49:43 ID:zXjItBAtbw


沙悟浄「ふぃ〜♪お先にお湯貰ったよぅ姐さん。なんか湯船にバラの花びらが浮いてたよ!」

八戒「ほ。洒落とるのも、やり過ぎると何ぞ煩わしいのう」

三蔵「てかよく風呂入れるな。覗かれてるんだろ?」

沙悟浄「あん旦那様、妬いてくれてるんだね嬉しいっ♪」

八戒「隠視術は、対象の動きを……悟浄、説明してみせい」

沙悟浄「えっアタイ?こ、こーゆーのの解説は八戒姐さんの役割じゃあ……えっとだね、対象の動きを……こう、イメージって言うか、何をしてるかは把握されるけど、姿そのものを見られてるワケじゃあ……み、みたいな?」

三蔵「はあ」

八戒「三十五点。赤点は免れる程度じゃの」

沙悟浄「ア、アタイ術学だとかはあんま得意じゃ……くっ、悟空姐さんが居ないとアタイが頭悪いポジションに…!」

八戒「ま、そーゆー事じゃ。空気の動き等、細かな変化を術者の脳内に伝える術じゃからして、ワシら程で無ければ見抜かれる事も無い。基本は敵軍全体の動きを見るのに使うモノじゃの。つーかじゃな、そんな鮮明に視られておったら」

三蔵「そっか、トイレにも行けねーな。……まだ戻ってこねーぞあのバカ」

沙悟浄「ちっちゃくなってオムツで良かったのにアタイ」

八戒「こっからドンパチが始まるやもしれん時に、足手纏いを増やす訳にもいかんじゃろが。……ワシは風呂、おあずけかの」

沙悟浄「旦那様、アタイか姐さんから、離れないどくれよ」

三蔵「襲われ慣れるって、けっこう悲しい習慣だよなー。へいへい」

八戒「…ノックは要らんから、ちゃあんとドアを開けて入ってこい。逃げも隠れもせん」

ギィ……

トカゲの化物「……毒ガ効イテネェノハトモカク、気配モ読マレテタカ……!」
911: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/29(月) 10:51:21 ID:zXjItBAtbw
沙悟浄「うえっ気持ち悪っ!……よし旦那様、ここは八戒姐さんに任せて、アタイと一緒にシャオと合流を」

八戒「うむ、師匠殿はワシの雲に乗れるから助かるのう」

三蔵「これフカフカしてて嫌いじゃない」

沙悟浄「ちょ、え?」

八戒「とりあえず窓から中庭に出るかの、万一の時に逃げやすい。じゃあ悟浄、其奴は任せたぞい」

沙悟浄「えぇぇぇぇそんなぁ!逃げないとか言ったそばからえぇぇぇえ!?」

トカゲの化物「逃ガスカァァア!!消シ炭ニナッチマエ!!」

ゴォォォォォオッッ!!

沙悟浄「ちっ……!!」

ブォォォッッ!!!

トカゲの化物「……ッ!!……俺ノ『サラマンドルの炎』ヲ、武器ノ回転デ……!!」

沙悟浄「マッチ棒程度の火に、なぁに大仰な名前付けてんだい恥っずかしい。……ちぇ、恨むよ八戒姐さん」



三蔵「なんだ八戒、まさかお前もトカゲとか苦手なのか?」

八戒「まあワシもなんとかギリギリ、すんでの所で女子じゃから、得意とは言わぬが……ほれ、アレじゃ」

三蔵「うっ……なるほど、中庭にこんなん居たのか。悟浄、こーゆーのダメだもんなあ…」

八戒「な?これならまだトカゲのがマシじゃろ?妹思いの姉に感謝せい悟浄」

巨大ワーム「フシュルルルルル……!!」

八戒「蚯蚓(ミミズ)か蛆虫か……なんかワシの相手って、デカい奴率高いのう」

三蔵「でっけぇミミズ……ふむ、触手プレイか」

八戒「凌辱系は悟浄のが似合うじゃろ」

三蔵「あー俺ロリコンだけどそれは何となくわかる」
912: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/30(火) 15:03:13 ID:ZXu4OU2kzk



フローレ「とうとう城内にまでコイツらが……クソッ、衛兵は何をして……王子、ワタシの後ろに!」

怪物「キヒヒヒヒヒ……!」

怪物「ゲヘ、ゲヒャヒャヒャ!」

小龍「……敵は複数です、なんとか逃げて、誰かと合流した方が」

フローレ「なんのっ!フローレの剣術の腕、お忘れか……ってお忘れでしょうけど、油断さえしなければこんな奴ら……痛っ!」

小龍「…まだ足の腫れも引いてないでしょう。よっ……と」

フローレ「わわっ!?お、王子っ!?ワタシ重いですよっ!?」

小龍「……流石に戦闘となると、まあまあ読めますね……中庭の東と、北側の三階……悟能様はどちらか……」

フローレ「か、軽々と……王子、逞しくなられて……って、え?あの、ちょっと王子、まさかココ(バルコニー)から飛び降り……?ご、五階ですよココっ!?」

小龍「…喋らないで。舌、噛みますよ。……悟空さん、任せます!」タッ

フローレ「きゃ、きゃぁぁぁぁぁぁあっっ!!?」

怪物「追ェェエエエッッ!!命令ハ生ケ捕リダァ!!」

ドガァァァアンッッ!!!

怪物「キヒャァァアグフッッ!?」

怪物「……ッ!?誰ダ!!」
913: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/12/30(火) 15:04:19 ID:ZXu4OU2kzk
悟空「……キミ達みたいな小悪党に、名乗る義理は無いけれど……冥土の土産に教えてあげましょう!」

怪物「ムッ……!」

悟空「東勝神州、傲来国は花果山!その頂より生まれし神仙にして、玄奘三蔵法師が一番弟子!斉天大聖孫悟空とは、私の事ですっ!謝るんなら、今のうちだよっ!!」

ドドーン!!

怪物「…………イヤ誰ダヨダカラ」

怪物「カッカサン?ゲンジョー?」

悟空「あふん名乗りが通じないっ!無名扱いって久しぶりでなんかヘコむよ!」

怪物「ツカ何デコイツ、内股デピクピク震エテンダ?」

怪物「見ルカラニゲッソリシテルシ」

悟空「うるさいなっ!まだ出きってないんだよゴロゴログルグル言ってるんだよ!」

怪物「……ナンカ臭ワネ?」

怪物「アレダ、コイツ、トイレ開ケッパナシダ」

悟空「あっ……。む、むうう、乙女に向かって御不浄の臭いを指摘するとか、失礼だよ最低だよ非道だよ!」

怪物「イヤコレ流シテネーダロ絶対、腐ッタ魚ミテーナ臭イガスル」

怪物「チョ、俺アッチノ窓モ開ケテクルワ。ヒッデーヨコレ、オエッ」

悟空「流したよ!それ以上やめようか泣く!」
914: ヨシュア【年末TVスペシャル特番が年を越すという暴挙】 ◆.frSdr10QQ:2015/1/4(日) 23:01:39 ID:IMo50X/CKw


怪物「グヒャッ…!?」

怪物「ア……ガァ……!!」

怪物「ツ、強…イ……!!」

ドサドサドサッ……

悟空「ふうっ。まったく、お腹は痛いわ大勢に臭い臭い言われるわ……私が何したってのさ……まったく!自分のアレだってのを差し引いても、そんなに臭くは……」

……プ〜ン……

悟空「って臭ぁっ!うぇぇえ臭ぁぁあっ!?な、なにこれ!?何この鼻をゆっくりと壊死させてくれそうな臭い!」

三蔵「うん俺もクサ過ぎてなんかもう頭痛がする。耳の奥から痛みが広がってく臭い」

悟空「お、お師匠さまっ!違うんですよコレ私じゃないです流石にここまでのモノは!」

八戒「……あねひゃれわない、わひりゃ。ひひょーろの、まろ、まろをひめろ」

三蔵「言われんでも閉めるわ。あーキツかった……悟空そっちの窓も閉めて」

悟空「ういうい……で、どしたんですかお師匠さま、その背中の幼女は」

三蔵「抱っこは断固拒否されたんで、仕方なく背負ってる」

悟空「あら珍しいですね、おんぶとは言えお師匠さまに身体を許すなんて」

三蔵「久々に役得です!」

八戒「うるひゃい、らまれ!……うぐ、おぇぇえ……はぁ、はぁ、あぁぁ多少落ち着いた………あのミミズめ、なんちゅう酷い臭いを……!」

三蔵「いやアレを燃やしたお前が悪い」

八戒「斬っても潰しても再生しよるなら焼くしかないでは無いか!クソ……この身体は臭覚が利き過ぎる…!」

悟空「よくわかんないけど、八戒ちゃん豚ベースだもんね、鼻良いもんね」

八戒「難儀じゃ……うっ。この部屋も何ぞ変な臭いが残っとるの、腐った魚介のような」

三蔵「ほんとだ。なにここゴミ捨て場?」

悟空「もうそれやった!もういい!」

三蔵「何の話だよ」
915: 名無しさん@読者の声:2015/1/5(月) 06:36:04 ID:UxR6Hg5gpo
続きキター(・∀・)ー!!
はよはよ
916: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/5(月) 21:44:09 ID:TpYefkOpa.


ガキィンッ…!!

トカゲの化物「ギィィィッ………何ダコノ女、強ェェエ……!」

沙悟浄「へえぇ、予想以上に頑丈だねぇ。動きはトロいけどさ」

トカゲの化物「仕方ネェナ……身体ニ負担ガ掛カルガ……コォォォォォオオッ!!」

ボボボボボッ!!

沙悟浄「……何だいそりゃ。熱くないのかいアンタ」

トカゲの化物「魔装、『サラマンドルの鱗』……コノ全身ニ纏ッタ業火ハ、鋼鉄スラ溶カスゼェ……!」

沙悟浄「は、そいつは困ったねぇ。アタイの柔肌にゃあ酷な話だよ」

トカゲの化物「余裕ブッコイテラレンノモ、ココマデダ!!地獄ノ抱擁ヲ食ライヤガレ!!」ガバッ!!

沙悟浄「……爬虫類風情が、オイタが過ぎるってもんだ」

スゥッ……

トカゲの化物「……!?消エ……!?」

沙悟浄「……降魔杖よ。沙僧が名において、力を見せよ」

トカゲの化物「……ナッ…!?」
917: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/5(月) 21:46:32 ID:TpYefkOpa.
沙悟浄「多重」

ズオオオオオッ!!

トカゲの化物「フ、増エヤガッタ……!?ナ、ナンダ!?ナンナンダ!?テメェ、ナニモンダ女ァァアッ!!」

沙悟浄「……連撃呪」

ズドドドドドドドッ!!!

トカゲの化物「……ガハッ………!!!」

沙悟浄「ん?アタイかい?……人妻さ。人様の女に抱き付こうなんざ、不埒なトカゲさねぇ」

ズシャッ……

沙悟浄「……で。なぁに隠れてんだ……あっと。……もう賊は片付けましたでございますわよ、王子様?」

小龍「…慣れない敬語なんて使うから、どこぞの年増みたいになってますよ」

沙悟浄「…っとに一言多い王子様だね」

フローレ「す、すごい…!魔導士様だったのですか……!このような魔法、初めて見ました……!」

沙悟浄「……一応アタイは、カテゴリーとしては僧侶になるよね?」ヒソヒソ

小龍「…ですね。先生の弟子な訳ですから、建前としては仏門に帰依してます。修行僧になりますか」ヒソヒソ

沙悟浄「……てことは………アンタはともかく、悟空姐さんと八戒姐さんも僧侶…?」ヒソヒソ

小龍「…………まあ……少なくとも回復役では無いですね」ヒソヒソ

沙悟浄「こっち風に言うと、バーサーカーとかになるんじゃないかい、あの二人。もしくは遊び人」ヒソヒソ

小龍「…………破戒僧、あたりならばシックリくるのでは」ヒソヒソ

沙悟浄「それだ」

フローレ「……?」
918: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/6(火) 16:54:27 ID:6scSKSGqQk
沙悟浄「……さて、と。どう動くかねぇ。………ところで王子様?いつまでお姫様を抱き抱えてらっしゃるので?」

フローレ「っ!そ、そうでした!王子、ワタシはもう大丈夫ですのでっ!」

小龍「…いや、多分まだ痛むのでは、足……」

フローレ「平気です!王子をお護りするのは、このワタシの役目……ととっ!?」グラッ

小龍「……ほら、言わないことでは無いですよ。せめて、私に掴まっていた方が」

フローレ「は、はい、申し訳ありません……」

沙悟浄(………一見、ただシャオが天然で紳士っぽい感じなだけに見えるけど………違う!)

フローレ「……御記憶が無くても、変わらず優しいですね、王子…」

小龍「…はあ」

沙悟浄(自然に!違和感無く恋人繋ぎしやがった!ほらシャオも気付いたら指が絡んでるからちょっと驚いてる!な、なんて高等なテクニックだい……プロか…!?)

フローレ「それにしてもゴジョウ殿、本当に素晴らしい魔法でした!武器の扱いも、ワタシでは足元にも及びません!」

沙悟浄「え、あ、あはは、姫様に誉められるとは光栄だねぇ」

小龍「……相変わらず、お見事でした」

沙悟浄(かといって、どこぞのバカップルみたいに二人の世界に入ろうともせず、ちゃんと周りにも話を振る……だと……!?出来る女だ!コイツ出来る女だよ!)

フローレ「……しかし、衛兵の一人も見当たらない……皆、どうしたと言うのでしょう……!」

小龍「……兵士の詰所は、離れにありましたね……確認すべきでしょうか、悟浄さ……悟浄さん?」

沙悟浄(真面目な話をしながらでも、繋いだ手をニギニギしてるぅぅ!一定のリズムでニギニギしてるぅぅぅうっ!なるほどそれだと相手も握り返したくなる!リズムに合わせて握り返したくなるじゃないのさ!うまい!すごい!……女……これが女かっ……!!)

フローレ「え、えと、ど、どうしたのでしょうか」

小龍「…たまにトリップするんですよ」
919: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/6(火) 16:58:18 ID:6scSKSGqQk


三蔵「お、居た居た」

八戒「ほほ、大事無い様じゃの。うむ、姫君と悟浄も一緒か」

小龍「…皆様も、御無事で」

悟空「あらあら、両手に花だね王子様?」

フローレ「は、花だなんてそんな、ゴクウ殿……」

小龍「……それを言うなら、先生もでしょう」

三蔵「花じゃねーよイガグリと毒キノコだよ」

悟空「別に私の毛は刺さりませんよ!」

八戒「ワシも別にキノコ生えとらんしの。ん、どうした悟浄、何を俯いてブツブツ言っとる」

沙悟浄「……八戒姐さん………アタイは………アタイは女じゃなかった……!」

八戒「ほ?」

沙悟浄「アタイなんか全っ然女としてダメだった!露骨なようで的確なアピール!そこはかとない気遣い!乙女としての技術、心構え、全部負けた!アタイは女じゃないっっ!!うわぁぁぁんっっ!!」

八戒「……よくわからんが、お主が女では無かったら、ワシや姉者はどうなるんじゃ」

悟空「ヘイ自虐は一人でやってくんないかな巻き込まないで」

フローレ「……っふ、ふふ」

小龍「…どうしました?」

フローレ「うふふ、こんなに可笑しいの、久し振りで。ダメ、ちょっと、笑っちゃう、あははは……!」

小龍「………」

悟空「あらあらどーすんの八戒ちゃん、可愛いシャオくんが恋しちゃうよ?ちゃうよ?」

八戒「またそれか……そうじゃの。ダメじゃ、許さん」

三蔵「お」

八戒「まず主君であるワシが、相手の女子を手籠めにしてからじゃ」

三蔵「黙れよ大魔王」
920: 名無しさん@読者の声:2015/1/6(火) 18:57:57 ID:wAyMVBUad6
もう八戒ちゃん大好きだwwww
921: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/10(土) 15:19:26 ID:PgTFdLJtyI

八戒「城内のそこらで、兵士や召使いが倒れておった。……揃って外傷は無いが、の」

フローレ「はい……ワタシ達も、廊下で横たわっているメイドを見つけました。息はあったので、手近な部屋に……」

八戒「……姫君。此処等では食事の際に、基本的には葡萄酒を共に飲むのじゃろうか」

フローレ「え?は、はい。そうですね、飲まない者の方が珍しいかと。……なんて言っておいて、ワタシは苦手で専らジュースなのですが……あの、それが何か……?」

沙悟浄「思ったより強めの毒だったみたいだね。アタイも少し腹にキてるし……悟空姐さん、大丈夫かい?」

悟空「ビックリするくらい大丈夫じゃないよ……」

フローレ「ど、毒……?あ、あの、一体何を」

三蔵「………よし悟空、八戒、悟浄、集合しゅーごー。あ、ちょっと身内の話なもんで、王子様とお姫様は大丈夫っす。二人とも離れてて離れてて」

フローレ「は、はあ……」

小龍「…………」


三蔵「……で、どうすんだよどう持ってくんだよ」

八戒「予想通りと言うか、まあそーゆー話じゃよな、コレ」

沙悟浄「どう転んでもあの姫さん、可哀想な結果になるよねぇ」

悟空「そのうえ王子様までニセモノだったとか、自殺しちゃわないかと私でも思うよ?」

沙悟浄「だよねぇ……八戒姐さん、なんか諸々都合良く収まる悪知恵、無いのかい?」

悟空「がんばってウチの頭脳っ」

三蔵「責任持てって言ったよな俺」

八戒「なんじゃワシに丸投げする為だけの会議かコレは。……むぅ………」
922: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/10(土) 15:20:22 ID:PgTFdLJtyI

フローレ「……み、皆様、どうされたのでしょうか。何か相談して居られるような」

小龍「……あの方達は……特に悟の……いえ、八戒さんは、中華では一、二を争う神算の持ち主です。……と、聞き及んでいます。何か策を練っているのでしょう、心配ないですよ」

フローレ「へえ……確かに見た目は幼子なのに、とても年下には思えない風格ですものね……」


八戒「………よし、コレで行こう。待っとれ」

三蔵「お、さすが悪巧みの天才」

沙悟浄「どうするんだろうね、早めに姫さんにネタばらししちまうとか?」

悟空「あ、それも良いかも。あの子なら誠心誠意謝れば許してくれそうだし」

三蔵「ん?いや、小龍の方に近寄ったぞ八戒」

沙悟浄「なんか演技でも仕込むのかね。だったら一回姫さんから離さないと……」

悟空「……なんだろ、シャオくんをジッと見つめて」

三蔵「何も言わず肩に手を置いて」

沙悟浄「力強く、コクンと頷いたね」

悟空「………………………………………………………え?おわり?」

沙悟浄「……あれ?もしかしなくてもあの人、え、マジで?」

三蔵「うわぁアイツ小龍に丸投げしやがった!なんだあの『あとは任せた』みたいな雰囲気!」

悟空「さ、さすがのシャオくんでも白目剥いてるよ『マジですか』って顔に書いてあるよかわいそう!」

沙悟浄「む、無責任にも程があるね……!うっわなんか良い顔して戻ってきたドヤ顔して戻ってきた」

三蔵「見た目幼女じゃ無かったらもう殴ってるかもしんない俺」

悟空「どうどう」
923: 名無しさん@読者の声:2015/1/10(土) 15:46:17 ID:qYKHfwxHDs
こんなにキュートな腐れ外道がいたとはwww
支援!
924: 名無しさん@読者の声:2015/1/11(日) 13:54:59 ID:0mw0hg7m2o
八戒ちゃん…
925: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/12(月) 23:42:20 ID:KExN5FUd7w


三蔵「……露出じゃもう堪えんからなコイツは、罰として何着せたろか」

沙悟浄「……いっそボロ纏わせてホームレス調にしてやるとかどうだい?」

悟空「……ナイスアイディアだけど、それだと私らが虐待してるよーに見えちゃうのがネックだね」

八戒「あーあー聞こえん聞こえん何も聞こえん」

小龍「……はぁ。………フローレさん。あの、片眼鏡の方………大臣さんの居場所へ、案内をお願い出来ますか」

フローレ「……え?あ、ああそうですね!ラーツの無事も確認しなくては!この時間なら執務室だと思います!こちらです!」

小龍「……無事の確認……そうですね……」

フローレ「?」




バタンッ!!

ラーツ「おおっ!?な、なんですか姫、そんな乱暴にドアを……おや、王子に皆様も。そう言えば先程から外が少し騒がしいですが、何かあったんですか?あ、鬼ごっこでもして遊んでました?」

フローレ「ほっ……よかった、お前は無事か……」

ラーツ「無事?って姫、またサーベルなんて持ち歩いて!いくら亡き父君様が、王家随一の剣士だったからと言って、レディーがそのような物騒な」

フローレ「こ、こんな時に小言など……王子?」

小龍「………フローレさん。何があっても、お気を強く持って下さい」

フローレ「え?え?」
926: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/12(月) 23:48:33 ID:KExN5FUd7w
小龍「………ラーツ、さん。もう、大体解っています、出来れば降参を。……命までは取りません………少なくとも私達は」

ラーツ「はい?なんの事でしょうか王子。それ何の遊びです?」

沙悟浄「しらばっくれんじゃないよ。妖気は感じないけどねぇ」

八戒「悪人の臭いは隠せぬ。特に尊厳も何も無い小悪党の臭いは、の」

悟空「よくも人のお腹ピーピーの大洪水にしてくれましたね!ちょっと痩せた気がするよありがとう!」

三蔵「単なる脱水症状だぞソレ」

小龍「…回りくどい手です。性格を疑う」

ラーツ「………あははは。なんかここまでバレバレだと清々しいですね。いやいや、毒入りワインは、城の者達を大人しくさせるための処置でして。貴殿方に通用するとは期待してませんでしたが、あは、あはははは」

フローレ「ラ、ラーツ……?」

ラーツ「しかしトロール兵どもはともかく、サンドワームやリザードマンまで簡単にやられるとは。いやはや、見くびっておりました」

フローレ「お、おいラーツ、お前何を言って」

ラーツ「東国に、正義の味方を気取った僧侶の一行あり……と聞き及んではいましたが。はは、けっこう闇の世界では有名なんですよ、貴殿方。しかし伝え聞く容姿とは大分違いますね、もっとモンスター丸出しな感じを予想しておりましたよ」

フローレ「いい加減にしろラーツ!さっきから一体どうしたと言うのだ!」

ラーツ「さっきから……?何も可笑しな事はありませんよ、姫。ラーツめはどうもして居りません。城の者達を黙らせたのも、異形の兵を皆様に差し向けたのも、貴女のよく知る、いつものラーツで御座います」

フローレ「なっ……!?な、なにをバカな……お、おい、ラーツ!?」

小龍「……落ち着いてください。近寄ってはいけません」

沙悟浄「……まだ、喋らせるのかい、コイツに」

八戒「……ここで張り倒しても、後々わかる事じゃ」

ラーツ「そう。今日、姫を森で襲ったトロール兵……あれもワタクシの差し金。ここ一年で、傀儡にするには面倒な娘だと判断しましたのでね、もう邪魔なんですよね、姫」

悟空「うっわ典型的な悪いヤツだ」

三蔵「なんで古今東西、大臣ってのはクーデター起こすかね」
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うpろだ
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